説明

遊技機

【課題】遊技者の好みに応じた視差数による立体画像を表示すること。
【解決手段】立体画像を構成する視点の異なる複数の視差画像を表示可能とされた複数の副画素p1〜p9から成る画素Pが繰返し隣接配置された画像表示体9a,1051と、各副画素から出射する各視差画像光の出射方向を当該視差画像に対応する所定方向に限定する出射方向限定素子9b,1057と、を有し、前記視差画像から成る立体画像を表示可能とされた立体画像表示装置9、1050と、前記立体画像表示装置の表示を制御する表示制御手段86、213,1091a、1092と、前記画素に含まれる副画素に表示される異なる視差画像の数である視差数を遊技者から受付けるための視差数受付け手段86、517,1091a、1058と、を備え、前記表示制御手段は、前記視差数受付け手段にて受付けた視差数の視差画像を前記副画素に表示する制御を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の遊技を行うことが可能とされ、該遊技に関連する立体画像を表示可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機には、演出等の遊技に関連する立体画像を表示する方式として、互いに異なる視差画像を表示する複数の副画素からなる画素を繰返し配置した画像表示体の前面に、視差画像からの視差画像光の出射方向を所定方向に限定する出射方向限定素子を配設して構成される、いわゆるインテグラルイメージング方式を採用しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−239665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、画像表示体を構成する各画像に含まれる副画素に表示される視差画像の数、つまり画素における視差数が常に一定とされているために、個々の遊技者の好みに応じた視差数による立体画像を表示することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技者の好みに応じた視差数による立体画像を表示することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
所定の遊技を行うことが可能とされ、立体画像(立体画像A〜I)を表示可能な遊技機(パチンコ機1,スロットマシン1001)であって、
前記立体画像を構成する視点の異なる複数の視差画像を表示可能とされた複数の副画素(副画素p1〜p9)から成る画素(画素P)が繰返し隣接配置された画像表示体(画像用液晶パネル9a,画像用液晶パネル1051)と、各副画素から出射する各視差画像光の出射方向を当該視差画像に対応する所定方向に限定する出射方向限定素子(垂直レンチキュラーシート9b,垂直レンチキュラーシート1057)と、を有し、前記視差画像から成る立体画像を表示可能とされた立体画像表示装置(変動表示装置9、演出表示装置1050)と、
前記立体画像表示装置の表示を制御する表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213,サブCPU1091a、表示制御回路1092)と、
前記画素に含まれる副画素に表示される異なる視差画像の数である視差数を遊技者から受付けるための視差数受付け手段(演出制御用CPU86、視差数変更ボタン517,サブCPU1091a、視差数変更ボタン1058)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記視差数受付け手段にて受付けた視差数の視差画像を前記副画素に表示する制御を実施する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者は、自分の好みの視差数を視差数受付け手段にて指定することで、該指定した視差数の視差画像が副画素に表示されるようになるので、遊技者の好みに応じた視差数による立体画像を表示することができる。
【0007】
本発明の手段1の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記画素(画素P)に含まれる副画素(副画素p1〜p9)の数に相当する視差画像を生成可能な視差画像生成手段(演出制御用CPU86、視差画像生成部264,サブCPU1091a)を備え、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213,サブCPU1091a、表示制御回路1092)は、前記立体画像表示装置(変動表示装置9、演出表示装置1050)に前記立体画像を表示するときには、前記視差画像生成手段により前記副画素の数に相当する視差画像を生成させるとともに、該立体画像の表示中に前記視差数受付け手段(演出制御用CPU86、視差数変更ボタン517,サブCPU1091a、視差数変更ボタン1058)において当該時点の視差数と異なる新たな視差数を受付けたときには、前記視差画像生成手段により予め生成させている視差画像のうち、新たな視差数に該当する視差画像を前記副画素に表示する制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者から新たな視差数を立体画像の表示中において受付けた場合であっても、副画素の数に相当する視差画像、つまり最大数の視差画像を生成させておくことにより、該受付け後において新たな視差数の視差画像を生成する場合に比較して、迅速に新たな視差数の視差画像を副画素に表示できるようになるので、新たな視差数による立体画像表示への移行を迅速に実施できる。
【0008】
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記立体画像が表示される演出(予告演出S1)の実施期間には、前記視差数受付け手段(演出制御用CPU86、視差数変更ボタン517,サブCPU1091a、視差数変更ボタン1058)における受付けによる視差数の変更が可能な視差数変更可能期間(演出期間T1,演出期間T3,演出期間T5)と前記視差数受付け手段における受付けによる視差数の変更が不可能な視差数変更不能期間(演出期間T2,演出期間T4)とが予め設定されており、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213,サブCPU1091a、表示制御回路1092)は、前記視差数変更可能期間においては、前記視差画像生成手段(演出制御用CPU86、視差画像生成部264,サブCPU1091a)により前記副画素の数に相当する視差画像を生成させる制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、副画素の数に相当する視差画像の生成、つまり最大数の視差画像の生成を視差数変更可能期間においてのみ実施すれば良いので、これら最大数の視差画像の生成を立体画像の表示中において常に実施する場合に比較してこれら視差画像を生成する処理負荷を低減できる。
【0009】
本発明の手段3の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記立体画像表示装置(変動表示装置9、演出表示装置1050)に所定の示唆演出用立体画像を表示させることにより、遊技者にとって有利な有利状態であること又は有利状態となることを、該示唆演出用立体画像の視差数の違いにより示唆する示唆演出を実施する演出制御手段(演出制御用CPU86、サブCPU1091a)を備え、
前記演出制御手段は、前記示唆演出用立体画像の視差数を決定するための決定用テーブル(視差数決定テーブルD)を用いて特定した視差数が前記視差数受付け手段(演出制御用CPU86、視差数変更ボタン517,サブCPU1091a、視差数変更ボタン1058)にて遊技者から受付けた視差数以下であるときには該特定した視差数を前記示唆演出用立体画像の視差数として決定する一方、前記決定用テーブルを用いて特定した視差数が前記視差数受付け手段にて遊技者から受付けた視差数よりも多いときには遊技者から受付けた視差数を示唆演出用立体画像の視差数として決定し、
前記表示制御手段は、前記演出制御手段にて決定された視差数の示唆演出用立体画像を前記立体画像表示装置に表示する制御を実施する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、視差数受付け手段により遊技者が指定可能な各視差数に対応した決定用テーブルを予め用意して記憶しておかなくても、遊技者により受付けた視差数に合致した示唆演出用立体画像による示唆演出を実施できる。
【0010】
本発明の手段4の遊技機は、請求項1または手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技中の遊技者が操作可能とされたキャンセル操作手段(演出制御用CPU86、操作ボタン516,サブCPU1091a、演出用スイッチ1056)を備え、
前記立体画像表示装置(変動表示装置9、演出表示装置1050)は、非立体画像も表示可能とされており、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213,サブCPU1091a、表示制御回路1092)は、前記立体画像表示装置に所定の演出における立体画像を表示しているときに前記キャンセル操作手段において遊技者からキャンセル操作(操作ボタン516または演出用スイッチ1056の長押し)を受付けたことを条件に、少なくとも該演出が終了するまでの期間(3D表示中止期間TS)については、該演出の立体画像の表示を中止して該演出の非立体画像を前記立体画像表示装置に表示する制御を行う、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者は、遊技中の各演出において表示される立体画像について、該立体画像の表示を中止させたいときには、キャンセル操作手段を操作することで、立体画像の表示が中止されるので、遊技者は、遊技中において立体画像の表示を中止して非立体画像の表示に切り替えて遊技を行うことができる。
つまり、特開平09−164253号公報に示されるように、表示モードとして、立体映像を表示するモードと非立体映像を表示するモードに遊技機が自動的に変更するものがあるが、遊技者が、立体画像の種類によっては立体画像の表示を中止して非立体画像の表示に切り替えたくても、非立体画像に切り替えることができないという問題を解消することができる。
【0011】
尚、本発明の手段4の遊技機については、前記演出が複数(予告演出S1、変動演出S2、スーパーリーチ演出S3)であって、前記立体画像の表示中止が許諾されたキャンセル可能演出(予告演出S1)と、前記立体画像の表示中止が許諾されていないキャンセル不能演出(変動演出S2、スーパーリーチ演出S3)とを含み、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213)は、前記キャンセル操作手段(演出制御用CPU86、操作ボタン516)において遊技者からキャンセル操作を受付けたときに、実施中の演出が前記キャンセル可能演出であることを更なる条件として、該演出の立体画像の表示を中止することが好ましく、このようにすれば、遊技者はキャンセル可能演出においてのみ立体表示を中止させることができ、不用意に立体表示が中止されて演出が不明瞭になったり、著しく興趣が低下してしまうことを回避することができる。
【0012】
また、本発明の手段4の遊技機については、前記立体画像表示装置(変動表示装置9)に表示している前記立体画像の演出が前記キャンセル可能演出(予告演出S1)であるときに、該立体画像の表示中止が可能であることを報知する(「キャンセルOK」を表示する)報知手段(演出制御用CPU86)を備えることが好ましく、このようにすれば、遊技者は、立体画像の表示を中止できるか否かを正確に把握できる。
【0013】
また、本発明の手段4の遊技機については、前記キャンセル可能演出の実施期間には、前記キャンセル操作を受付け可能とするキャンセル可能期間(演出期間T1、演出期間T3、演出期間T5)と前記キャンセル操作を受付け不能とするキャンセル不能期間(演出期間T2、演出期間T4)とが設定されており、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213)は、前記キャンセル可能期間においては、前記立体画像と前記キャンセル操作の受付けたときに前記表示手段(変動表示装置9)に表示する前記非立体画像とを平行して同時生成させる制御を行うことが好ましく、このようにすれば、キャンセル可能期間においては、非立体画像が表示手段に表示している立体画像とともに平行して生成されるので、キャンセル操作の受付けにより迅速に非立体画像の表示に移行できるとともに、これら非立体画像と立体画像との平行生成をキャンセル可能期間においてのみ実施すれば良いので、これら平行生成を常時実施する場合に比較してこれら画像生成の処理負荷も低減できる。
【0014】
また、本発明の手段4の遊技機については、前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213)は、前記キャンセル操作を受付けたときに、該操作後の予め定められた所定の切り替え時点(演出期間T2から演出期間T3への切り替え時点、演出期間T4から演出期間T5への切り替え時点、)において前記非立体画像への切り替えを実施することが好ましく、このようにすれば、切り替えに適した時点、例えば、非立体画像に移行しても遊技者が戸惑うことが少なく、画像生成の処理負荷が小さいことで切り替え処理を行い易い時点である画像の変化が少ない時点等を所定の切り替え時点に設定することで、非立体画像への切り替えによって遊技者を戸惑わせたり、処理負荷が増大して不具合を生じてしまうことを極力回避できる。
【0015】
また、本発明の手段4の遊技機については、前記キャンセル操作手段(演出制御用CPU86、操作ボタン516)によるキャンセル操作によって前記立体画像の表示を中止する立体表示中止期間(3D表示中止期間TS)を決定する中止期間決定手段(演出制御用CPU86)と、
前記立体表示中止期間が終了して後、最初に前記立体表示が開始されてから所定の期間(キャンセル回数加算期間TK)が経過するまでに再度キャンセル操作が実施された回数を集計する集計手段(キャンセルカウンタ)と、
を備え、
前記中止期間決定手段は、前記集計手段にて集計された回数(キャンセルカウンタに記憶されたキャンセル回数)が多くなる程、前記立体表示中止期間として長い期間を決定することが好ましく、このようにすれば遊技者が繰返しキャンセル操作した場合には、立体表示中止期間が長くなるので、遊技者がキャンセル操作する手間を削減することができる。
【0016】
また、本発明の遊技機については、前記演出が複数(予告演出S1、変動演出S2、スーパーリーチ演出S3)であって、前記視差数の変更が許諾された視差数変更可能演出(予告演出S1)と、前記視差数の変更が許諾されていない視差数変更不能演出(変動演出S2、スーパーリーチ演出S3)とを含み、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213)は、前記視差数受付け手段において遊技者から新たな視差数を受付けたときに、実施中の演出が前記視差数変更可能演出であることを更なる条件として、該受付けた視差数の視差画像を前記副画素に表示する制御を行うことが好ましく、このようにすれば、遊技者は視差数変更可能演出においてのみ視差数を変更することができ、視差数を変更が不用意に実施されて演出が不明瞭になったり、著しく興趣が低下してしまうことを回避することができる。
【0017】
また、本発明の遊技機については、前記立体画像表示装置(変動表示装置9)に表示している前記立体画像の演出が前記視差数変更可能演出(予告演出S1)であるときに、該立体画像の視差数変更が可能であることを報知する(「視差数変更OK」を表示する)報知手段(演出制御用CPU86)を備えることが好ましく、このようにすれば、遊技者は、立体画像の視差数を変更できるか否かを正確に把握できる。
【0018】
また、本発明の遊技機については、前記視差数変更可能演出の実施期間には、前記視差数受付け手段による新たな視差数の受付けを可能とする視差数変更可能期間(演出期間T1、演出期間T3、演出期間T5)と前記視差数受付け手段による新たな視差数の受付けを不能とする視差数変更不能期間(演出期間T2、演出期間T4)とが設定されており、
前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213)は、前記視差数変更可能期間においては、前記視差画像生成手段により前記副画素の数に相当する視差画像を生成させる制御を行うことが好ましく、このようにすれば、視差数変更可能期間においては、副画素の数に相当する視差画像、つまり、最大数の視差画像が生成されるので、新たな視差数の受付けにより迅速に該新たな視差数の立体画像の表示に移行できるとともに、これら最大数の視差画像の生成を視差数変更可能期間においてのみ実施すれば良いので、これら最大数の視差画像の生成を常時実施する場合に比較してこれら視差画像生成の処理負荷も低減できる。
【0019】
また、本発明の遊技機については、前記表示制御手段(演出制御用CPU86、表示制御部213)は、前記視差数受付け手段にて新たな視差数を受付けたときに、該受付け後の予め定められた所定の切り替え時点(演出期間T2から演出期間T3への切り替え時点、演出期間T4から演出期間T5への切り替え時点)において該新たな視差数への切り替えを実施することが好ましく、このようにすれば、切り替えに適した時点、例えば、視差数が変更しても遊技者が戸惑うことが少なく、視差画像生成の処理負荷が比較的小さいことで切り替えを行い易い時点である画像の変化が比較的少ない時点等を所定の切り替え時点に設定することで、視差数の切り替えによって遊技者を戸惑わせたり、処理負荷が増大して不具合を生じてしまうことを極力回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が適用された実施例1の遊技機であるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機を示す背面図である。
【図3】パチンコ機の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板における回路構成例を示すブロック図である。
【図5】SDRAM内のVRAM領域を示す図である。
【図6】パチンコ機の変動表示装置の構成と、変動表示装置における表示状態並びに遊技者の視点位置からの画像の視認状態を示す図である。
【図7】各副画素に表示された視差画像を示す図である。
【図8】(a)は、立体画像を表示する場合の副画素の表示状態を示す図であり、(b)は、非立体画像を表示する場合の副画素の表示状態を示す図である。
【図9】(a)〜(d)は、設定された各視差数の場合の副画素の表示状態を示す図である。
【図10】視差数変更ボタンにより視差数を設定する状態を示す図である。
【図11】2D画像と3D画像の同時表示状態を示す図である。
【図12】(a)は、予告演出において変動表示装置で再生される立体画像の表示を示す図であり、(b)は、スーパーリーチ演出において変動表示装置で再生される立体画像の表示を示す図であり、(c)は、立体画像で表示表示される各キャラクタの立体度と速度との関係を示す表である。
【図13】演出期間T5にてキャンセル操作がなされたときのタイムチャートである。
【図14】演出期間T4にてキャンセル操作がなされたときのタイムチャートである。
【図15】予告演出S1にて立体画像の視差数を変更する操作がなされたときのタイムチャートである。
【図16】(a)は、キャンセル操作がなされたときの3D表示中止期間を示すタイムチャートであり、(b)は、キャンセル操作がなされなかったときのキャンセル回数のリセットを示すタイムチャートであり、(c)は、3D表示中止期間決定用テーブルである。
【図17】保留予告演出についての変形例を示す図である。
【図18】演出制御用CPUが使用する乱数を示す説明図である。
【図19】(a)〜(c)は、設定された各視差数の場合の視差数決定テーブルを示す図である。
【図20】スーパーリーチ演出の流れを示す説明図である。
【図21】視差数決定テーブルの変形例を示す図である。
【図22】視差数決定テーブルの変形例における訂正規則を示す図である。
【図23】(a)〜(c)は、視差数が3の場合の副画素の表示状態を示す図である。
【図24】(a)〜(c)は、遊技者の左右方向の視点位置と画像用液晶パネルの表示状態との関係を示す図である。
【図25】(a)、(b)は、遊技者の前後方向の視点位置と画像用液晶パネルの表示状態との関係を示す図である。
【図26】本発明が適用された実施例2の遊技機であるスロットマシンの正面図である。
【図27】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図28】その他の形態の変動表示装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例1、2に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0022】
実施例1に係る遊技機につき、図1から図24を参照して説明する。先ず図1の符号1は、本発明の適用された遊技機である。
【0023】
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機1を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
【0024】
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
【0025】
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
【0026】
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
【0027】
また、上皿部3aの左側には、後述する立体画像の視差数を設定するための視差数変更ボタン517が、遊技者が押圧操作可能に設けられている。視差数変更ボタン517は、視差数変更スイッチ517aが内設され「+」と表示加工されたプラスボタン、及び視差数変更スイッチ517bが内設され「−」と表示加工されたマイナスボタンから成る。すなわち本実施例の視差数変更ボタン517は、本発明の視差数受付け手段に相当する。
【0028】
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。また、操作ボタン516は、上記した視差数変更ボタン517による視差数設定の際に、この操作ボタン516を押圧操作することで、立体画像表示のキャンセル操作、つまり非立体画像への切替操作が可能とされている。すなわち本実施例の操作ボタン516は、本発明のキャンセル操作手段に相当する。
【0029】
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
【0030】
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0031】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。また、遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。変動表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行う。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。
【0032】
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。
【0033】
また、変動表示装置9は、図6に示すように、立体画像(映像)を表示する画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト9cと、画像用液晶パネル9aの前面の略全面に貼付けて設けられた出射方向限定素子としての垂直レンチキュラーシート9bとを有する、インテグラルイメージング方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行う。
【0034】
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、画像用液晶パネル9aとして液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル9aのデバイスとしては、高解像度の表示が可能な表示体であれば良く、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネルや、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、FED(Field Emission Display)等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
【0035】
図6に示されるように、画像用液晶パネル9aは、各原色が独立した輝度情報を持ち縦方向に配列された三原色(RGB)からなる各画素Pが、横方向及び縦方向に繰返し多数隣接配置されて構成されている。図7に示されるように、各画素Pについて詳述すると、1つの画素Pは、各々が三原色(RGB)からなり比較的縦長に分割された副画素p1〜p9が、横方向に9つ隣接配置されて構成されている。以下、画素Pごとの各副画素には、図示左から右に向けてp1からp9までの副画素番号を付して説明する。隣接する複数の画素Pにおいて副画素番号が共通する各副画素p1〜p9は、各副画素p1〜p9に対応する立体画像A〜I若しくは非立体画像aを表示するようになっている。
【0036】
より詳しくは、図8(a)に示されるように、表示制御部213は、立体画像を表示する場合、例えば各画素Pの副画素p1〜p9に、それぞれ異なる視差画像である立体画像A〜Iを表示するようになっており、また図8(b)に示されるように、非立体画像を表示する場合、各画素Pの副画素p1〜p9全てに、同一の非立体画像aを表示するようになっている。
【0037】
また後述する表示制御部213は、パチンコ機1の演出の種別や遊技者の位置等に応じて、各画素Pの各副画素p1〜p9に対し個別に、異なる視差画像や同一の視差画像を表示させる制御、或いは後述する変形例として、黒色表示(非表示)の制御を行うようになっている。
【0038】
次に図6に示されるように、垂直レンチキュラーシート9bは、透光性を有する材質の薄板部材から成るとともに、画像用液晶パネル9aに貼着される背面が略平面状に形成され、遊技者側である前面が、各画素Pの横幅に略等しく合わせた波状に連続した態様で、遊技者側に向けて略蒲鉾状に膨出する曲面に形成されている。
【0039】
より詳しくは図7に示されるように、垂直レンチキュラーシート9bは、各画素Pの左右に並設された9つの副画素のうち中央の副画素p5の位置において、各画素P前面に向けて最も膨出した曲面に形成されており、各副画素p1〜p9に表示される立体画像を構成する最大9つの視差画像を、それぞれ異なる9方向に向けて放射させるレンズとして用いられる。すなわち垂直レンチキュラーシート9bは、各副画素p1〜p9から出射する各視差画像光の出射方向を当該視差画像に対応する所定方向に限定している。
【0040】
遊技者の視点位置から視認できる立体画像の態様について詳述すると、例えば遊技者が、パチンコ機1の真正面を視点位置とした場合、9つの副画素p1〜p9のうち中央に位置する表示対象副画素p5に表示された画像のみを視認することができ、この場合における表示対象副画素p5を除く残りの副画素p1〜p4,p6〜p9を視認することが出来ない。したがって遊技者は、この場合における各画素Pの表示対象副画素p5を視認することで、当該視認位置である真正面位置から視認した画像に対応する所定の表示物の立体画像Eを表示物として認めることができる。尚、画面の側方領域においては、視認方向が変化することに対応して、表示対象副画素を画面の大きさに応じて補正するようにしても良い。
【0041】
同様に、例えば遊技者が、パチンコ機1の真正面よりもやや左側を視点位置とした場合、9つの副画素p1〜p9のうち中央よりもやや左側に位置する例えば表示対象副画素p3に表示された画像を視認するようになり、この場合における表示対象副画素p3を除く残りの副画素p1,p2,p4〜p9を視認することが出来なくなる。したがって遊技者は、この場合における表示対象副画素p3に表示された画像を視認することで、当該視認位置である真正面よりもやや左側位置から視認した画像に対応する所定の表示物の立体画像Cを表示物として認めることができる。
【0042】
すなわち各副画素p1〜p9には、互いに異なる各々の視認位置から視認した表示物の画像に対応する所定の表示物の立体画像A〜Iが表示可能になっている。
【0043】
図1に示されるように、変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
【0044】
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
【0045】
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
【0046】
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
【0047】
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
【0048】
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
【0049】
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
【0050】
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
【0051】
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
【0052】
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
【0053】
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
【0054】
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
【0055】
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
【0056】
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
【0057】
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
【0058】
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
【0059】
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
【0060】
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
【0061】
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
【0062】
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
【0063】
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
【0064】
例えば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、変動表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
【0065】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
【0066】
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する大当り予告演出が行なわれる場合がある。
【0067】
この実施例の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
【0068】
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
【0069】
次に、パチンコ機1の背面(裏面)の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機を示す背面図である。
【0070】
図2に示すように、パチンコ機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
【0071】
さらに、パチンコ機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板960や発射制御基板91Aが設けられている。電源基板960は、発射制御基板91Aの背面側に取り付けられ、その背面側に払出制御基板37が重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
【0072】
尚、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27L、27R、27a、27b等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
【0073】
パチンコ機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板(図示略)が設置されている。ターミナル基板には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
【0074】
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレールを通り、カーブ樋を経てケースカバーで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方の球経路761には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチである。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
【0075】
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて上皿3が満杯になると、パチンコ球は後述する溢れ球通路を経て下皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、スイッチ片(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図3参照)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
【0076】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、中継基板77、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路68と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路69と、が搭載されている。
【0077】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
【0078】
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
【0079】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
【0080】
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0081】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否か判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および飾り図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
【0082】
尚、図21に示すように、変動表示装置9の所定領域に、特別図柄保留記憶表示器18の表示と同様の表示を実施する保留記憶表示部を設けて、保留記憶の状態を遊技者が把握し易くする場合には、これら大当りとするか否か判定や、スーパーリーチ等なるか等の判定を始動入賞時に実施して、判定結果を演出制御基板80に通知して、演出制御基板80においてどの保留記憶において大当りが発生するのかや、スーパーリーチが発生するのかを把握できるようにして、これら大当りやスーパーリーチが発生することを把握した保留記憶について表示態様を通常の表示態様と変更することで、大当りやスーパーリーチとなる可能性が高いことを遊技者に事前に示唆する保留予告演出を実施するようにしても良い。
【0083】
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
【0084】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板960において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
【0085】
さらに、電源基板960からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路68に入力される。電源断信号は、入力回路68を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路68に入力される。クリア信号は、入力回路68を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
【0086】
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路68を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
【0087】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力し、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
【0088】
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。
【0089】
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちでも指定コマンドや可変表示コマンドや抽選結果指定コマンドが含まれる。
【0090】
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、変動表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
【0091】
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して変動表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
【0092】
また、抽選結果指定コマンドは、乱数値に基づく抽選結果(大当りとなるかや、大当りとなる場合の大当り種別等の抽選結果)を演出制御基板80に対して、可変表示の開始時において通知するためのコマンドであり、演出制御基板80は、該抽選結果指定コマンドにより通知される抽選結果に基づいて、変動表示装置9の可変表示結果を、3つの飾り図柄が揃わないはずれの表示結果とするか、或いは通常大当りの表示結果(例えば偶数の飾り図柄が揃った表示結果)とするか、確変大当りの表示結果(例えば奇数の飾り図柄が揃った表示結果)とするかを決定する。
【0093】
演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
【0094】
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する変動表示装置9の表示制御やスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
【0095】
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aや視差数変更スイッチ517a、517bからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作や視差数変更ボタン517の操作を検知する。
【0096】
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
【0097】
図4に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、後述する各演出における、立体画像表示のキャンセルや視差数の変更可能期間や変更不能期間等を特定可能なタイムチャート(図13及び図14参照)及び3D表示中止期間決定用テーブル(図16参照)が記憶されており、RAM85には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
【0098】
また、本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して変動表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
【0099】
VDP262は、図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納される画像データROM263、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)、視差画像を生成するための視差画像生成ICから成る視差画像生成部264とともに表示制御回路を構成する。
【0100】
画像データROM263には、スプライト画像として用いる画像要素データなどの2次元画像を生成するためのデータに加えて、画像用液晶パネル9aの所定視差数ごとに1画面(フルスクリーン)分の立体画像に相当する予め生成された画像データを記憶している。
【0101】
尚、本実施例では、これら1画面(フルスクリーン)分の立体画像のうち、所定の副画素に対応する視差画像(本実施例では中央位置の副画素p5の視差画像)を非立体画像の表示として用いるようにしており、これら立体画像の画像データを記憶することで、非立体画像に相当する画像データも記憶していることになり、記憶容量を低減できるようになっている。
【0102】
また、画像データROM263には、画像用液晶パネル9aに表示される全ての立体画像の画像データが記憶されているのではなく、立体画像を構成する視差画像の生成が困難なもの、例えば、視差方向の違いによって異なる内容の表示を含むようにする等の場合に使用されるもののみが記憶されており、その他の立体画像(視差画像)は、後述するように、視差画像生成部264により非立体画像から各視差画像が生成されることにより生成される。
【0103】
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや立体(3D)画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、前述したように、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
【0104】
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御や描画領域に描画された2次元画像を視差画像生成部264に転送する制御や視差画像生成部264により生成された視差画像をVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9を構成する画像用液晶パネル9aに出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
【0105】
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81のCPU86と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介して画像データROM263に接続されている。また、CGバスはICインターフェイス205を介して視差画像生成部264のと視差画像生成ICと接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
【0106】
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、画像データROM263、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
【0107】
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
【0108】
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
【0109】
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎にCPU86に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、CPU86に対して出力する。
【0110】
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
【0111】
表示制御部213が実施する非立体画像の表示について詳述すると、表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、2次元画像(非立体画像)を生成するか、或いは、画像データROM263から立体画像のうちの所定の副画素の視差画像データを読み出し、この画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aの全帯状表示領域に単一表示する(図8(b)参照)。
【0112】
次に、画像データROM263に記憶されている立体画像の表示について詳述すると、表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像用液晶パネル9aの立体画像に相当する画像データを読み出し、該読み出した画像データに含まれる各視差画像を各画素の副画素に表示する。
【0113】
このようにすることにより、各画素の副画素には、その画素が該当する位置の画像であって、各視線方向からの視差画像が表示されることにより、遊技者の左右の目の視認位置の違いにより、異なる視差画像が左右の目により視認されることで、画像用液晶パネル9aに表示される画像が立体画像として視認されるようになっている。尚、視差画像生成部264により非立体画像から生成された各視差画像から成る立体画像も同様である。
【0114】
図5は、本実施例におけるSDRAM210のVRAM領域の構成を示す図である。VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタが画像データROM263から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
【0115】
また、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが格納される非立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される非立体画像に基づく画像データが描画される非立体画像描画領域が割り当てられている。これら非立体画像表示領域と非立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて非立体画像描画領域として割り当てられた領域では非立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は非立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された非立体画像の画像データが画像用液晶パネル9aに非立体画像として表示出力されることとなり、その間も他方の領域で画像データの描画が行われることとなる。
【0116】
更に、VRAM領域には、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが格納される立体画像表示領域、画像用液晶パネル9aに表示される立体画像に基づく画像データが描画される立体画像描画領域、が割り当てられている。これら立体画像表示領域と立体像描画領域とは、Vブランク毎に切り替わるようになっている。このため、あるVブランクにおいて立体画像描画領域として割り当てられた領域では立体画像の画像データの描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、この領域は立体画像表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された立体画像の画像データが立体画像として画像用液晶パネル9aに表示出力されることとなり、その間も他方の領域で非立体画像の画像データの描画が行われることとなる。
【0117】
このように、非立体画像表示領域と非立体画像描画領域、立体画像表示領域と立体画像描画領域は、それぞれVブランク毎に一方の領域での画像データの描画と、他方の領域での画像データを画像として画像用液晶パネル9aへの表示を交互に行うことで、本実施例の描画制御部206は、非立体描画領域、立体画像描画領域への描画処理を並行して行うことが可能となっているとともに、表示制御部213は、非立体画像表示領域の画像データを非立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させること、または、立体画像表示領域の立体画像データを立体画像として画像用液晶パネル9aに表示させることを行うことが可能となっている。
【0118】
前述のように、演出制御用CPU86は、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、前述した変動表示装置9の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
【0119】
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU86がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
【0120】
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
【0121】
次に、本実施例における2次元画像(非立体画像)の描画制御について説明する。描画制御部206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタがVRAM領域に配置されている必要がある。すなわちスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
【0122】
このため、演出制御用CPU86は、演出を実行する際に、当該演出の実行に必要な全てのキャラクタの画像データROM263からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部211によって演出の実行に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。演出を実行する場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、画像データROM263に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように演出を実行する最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎に画像データROM263からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、本実施例では、演出制御用CPU86が演出を実行する際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタの画像データROM263からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
【0123】
また、描画制御部206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
【0124】
そして、演出制御用CPU86は、演出を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けて演出制御用CPU86は描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って非立体画像描画領域に画像データの描画を行う。
【0125】
尚、これら非立体画像描画領域に描画された非立体画像の立体画像を生成する場合には、該描画された非立体画像が視差画像生成部264に転送されて視差画像が生成され、該生成された視差画像から成る立体画像が転送されて立体画像描画領域に描画される。
【0126】
このように、立体画像と非立体画像で、画像描画領域と画像表示領域を個別としているので、前述した立体画像と非立体画像で画像描画領域と画像表示領域を共通とした場合よりも、さらに迅速に、非立体画像から立体画像への移行や、立体画像から非立体画像への移行を実施することができる。
【0127】
表示制御部213は、図8(a)、図9(a)に示されるように、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のそれぞれに互いに異なる視差画像である立体画像A〜Iを表示することで、視差数が最大9視差の立体画像を画像用液晶パネル9aに表示することができるが、9つの副画素p1〜p9のうち所定の複数の副画素に同一の画像データを表示することで、予め定めた異なる視差数の視差画像を表示することができる。
【0128】
より詳しくは、表示制御部213は、例えば図9(b)に示されるように、一方の端側の副画素p1,p2に同一の立体画像Bを表示するとともに、他方の端側の副画素p8,p9に同一の立体画像Hを表示し、その他の中央側の副画素p3〜p7にそれぞれ異なる視差画像である立体画像C〜Gを表示することで、全体として視差数が7視差である視差画像を画像用液晶パネル9aに表示することができる。
【0129】
また表示制御部213は、例えば図9(c)に示されるように、一方の端側の副画素p1,p2及びp3,p4にそれぞれ同一の立体画像C及びDを表示するとともに、他方の端側の副画素p6,p7及びp8,p9にそれぞれ同一の立体画像F及びGを表示し、中央の副画素p5に異なる視差画像である立体画像Eを表示することで、全体として視差数が5視差である視差画像を画像用液晶パネル9aに表示することができる。
【0130】
あるいは表示制御部213は、例えば図9(d)に示されるように、一方の端側の副画素p1〜p3に同一の立体画像Dを表示するとともに、中央側の副画素p4〜p6に同一の立体画像Eを表示し、他方の端側の副画素p7〜p9に同一の立体画像Fを表示することで、全体として視差数が3視差である視差画像を画像用液晶パネル9aに表示することができる。
【0131】
つまり、本実施例の表示制御部213は、各副画素に表示する視差画像を制御することにより、立体画像を、3視差、5視差、7視差、9視差の異なる視差数にて画像用液晶パネル9aに表示することができる。
【0132】
次に、遊技者が行う視差数の設定操作について説明する。演出制御用CPU86は、パチンコ機1が演出中であるか否かに関わらず、視差数変更ボタン517による視差数の設定変更操作を受付け可能とされている。
【0133】
図10に示されるように、例えば設定前の立体画像の視差数が「3視差」である場合に、遊技者が視差数変更ボタン517のプラスボタンを1回押圧操作することで「5視差」に設定変更される。同様に、視差数が「5視差」である場合に、視差数変更ボタン517のプラスボタンを1回押圧操作することで「7視差」に設定変更され、また視差数が「7視差」である場合に、視差数変更ボタン517のプラスボタンを1回押圧操作することで「9視差」に設定変更される。
【0134】
また例えば、設定前の立体画像の視差数が「9視差」である場合に、遊技者が視差数変更ボタン517のマイナスボタンを1回押圧操作することで「7視差」に設定変更される。同様に、視差数が「7視差」である場合に、視差数変更ボタン517のマイナスボタンを1回押圧操作することで「5視差」に設定変更され、また視差数が「5視差」である場合に、視差数変更ボタン517のマイナスボタンを1回押圧操作することで「3視差」に設定変更される。
【0135】
本実施例では表示制御部213は、上記した操作により設定された所望の視差数のみの立体画像を表示するようになっているが、例えば表示制御部213は、パチンコ機1の演出の態様に応じて、設定された所望の視差数を超えずに遊技者に負担を与えない範囲で所定視差数の立体画像を一時的に表示するようにしてもよい。より具体的には、例えば「7視差」が設定されている場合に、一時的に「3視差」あるいは「5視差」の立体画像を表示するようにしてもよい。
【0136】
更に、設定されている視差数が、「3視差」、「5視差」、「7視差」若しくは「9視差」のいずれの視差数であっても、操作ボタン516を押圧操作することで、当該視差数での立体画像表示をキャンセルし、非立体(2D)画像を表示するように設定変更される。
【0137】
このように、遊技者は、自分の好みの視差数を視差数変更ボタン517にて指定することで、該指定した視差数の視差画像が副画素に表示されるようになるので、遊技者の好みに応じた視差数による立体画像を表示することができる。
【0138】
特に、遊技者が、興趣と自己の目にかかる負担との得失(視差数が多い場合は、興趣が高まるが、少しの移動で画像が変化するので目が疲れ易くなり、一方で、視差数が少ない場合は、興趣が抑えられるが、多少の移動でも画像が変化しないので目が疲れ難くなる)に応じて、所望の視差数を選択できるため、自己の眼精疲労を抑制しつつ遊技に興ずることができる。
【0139】
また、遊技者は、遊技中の各演出において表示される立体画像について、該立体画像の表示を中止させたいときには、操作ボタン516を操作することで、立体画像の表示が中止されるので、遊技者は、遊技中において立体画像の表示を中止して非立体画像の表示に切り替えて遊技を行うことができる。
【0140】
尚、表示制御部213は、必ずしも9つ全ての副画素p1〜p9に立体画像を表示するものに限られない。例えば、パチンコ機1の前面所定箇所に、赤外線放射部11aや該赤外線放射部11aから放射された赤外光にて遊技者を撮像する赤外線撮像部11bを有する撮像ユニット11(図24参照)と、これら撮像ユニット11にて撮像した赤外線画像から遊技者の位置を特定する図示しない位置検出処理部を設け、表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部が特定した左右方向における遊技者の視点位置から視認できるn番目の表示対象副画素p(n)及び当該表示対称副画素p(n)の両隣に隣接する副画素p(n−1)、p(n+1)に、立体画像(視差画像)を表示する制御を行うとともに、これら副画素p(n)、p(n−1)及びp(n+1)を除く残りの副画素を非表示(非表示状態が黒の場合、非表示状態が透明の場合には黒表示)とする制御を行うようにしてもよい。
【0141】
このように、立体画像表示装置を成す画像用液晶パネル9aにおいて、一部の副画素である表示対象副画素には視差画像が表示される一方、該表示対象副画素以外の副画素には視差画像が表示されないので、副画素の全てに視差画像を表示する場合に比較して、各視差画像光が互いに干渉することにより生ずる干渉縞の発生を低減できるばかりか、各副画素に表示する視差画像を生成する場合にあっては、該視差画像を生成する処理負荷も低減できる。
【0142】
これら立体画像(視差画像)を表示する表示対象副画素の位置は、位置検出処理部が特定した遊技者の視点位置が変化することに応じて、後述するように逐次変化される。
【0143】
このように、表示対象副画素を遊技者の位置の変化に応じて時系列に変化させることで、遊技者側が表示に併せて視点位置を変化させる必要がないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示対象副画素が、遊技者の視点位置の変化に応じて時系列に変化しないことで、同一の副画素のみが固定的に視差画像を表示することにより、遊技者側が表示に併せて視点位置を変化させるようにしても良い。
【0144】
また、表示制御部213は、上記したように各副画素p1〜p9それぞれに対応して視差画像である立体画像A〜Iを個別に表示するものに限られず、例えば副画素p1〜p9のうち互いに隣接した一部の副画素に同一の立体画像を割り当てて表示する制御や、若しくは、このように一部の副画素に同一の立体画像を表示するとともに他の副画素を非表示または黒表示とする制御を行うことで、副画素p1〜p9の表示画像数と視差画像数とに変化を与えることができる。以下に、図23を参照して具体例を示して説明する。
【0145】
視差画像数が3画像の場合の表示態様について例示する。
【0146】
例えば、図23(a)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央側3つの副画素p4〜p6に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像Eを表示するとともに、これら副画素p4〜p6の左右各側それぞれ3つの副画素p1〜p3、副画素p7〜p9に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像D、立体画像Fをそれぞれ表示する制御を行うことで、実質的に立体画像の視差数を9視差から3視差に変化させることができる。
【0147】
また、例えば、図23(b)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央側3つの副画素p4〜p6に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像Eを表示するとともに、これら副画素p4〜p6の左右各側それぞれ2つの副画素p2,p3、副画素p7,p8に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像D、立体画像Fをそれぞれ表示し、他の左右両端の副画素p1,p9を非表示または黒表示とする制御を行うことができる。
【0148】
また、例えば、図23(c)に示されるように、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち中央の副画素p5に、真正面位置から視認した表示物の画像に相当する視差画像である立体画像Eを表示するとともに、この副画素p5の左右各側それぞれ2つの副画素p3,p4、副画素p6,p7に、左右各側から視認した表示物の画像に相当する視差画像である同一の立体画像D、立体画像Fをそれぞれ表示し、その他の左右両端側の副画素p1,p2、副画素p8,p9を非表示または黒表示とする制御を行うことができる。
【0149】
次に、上記で説明した位置検出処理部が特定した遊技者の左右位置に基づいて、各副画素p1〜p9の表示・非表示を制御する具体例を説明する。
【0150】
表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部が特定した遊技者の左右方向の視点位置に応じた所定の副画素に、遊技者の視点位置に応じて立体度が定められた立体画像を表示する制御を行えば良い。
【0151】
より詳しくは、表示制御部213は、例えば図24(a)に示されるように、位置検出処理部が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し左右方向の略中央に位置している場合は、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部が特定した遊技者の中央の視点位置から視認できる中央の表示対象副画素p5及び当該表示対称副画素p5の両隣に隣接する副画素p4、p6に、視認位置に対応する視差画像である立体画像D,E及びFを表示する制御を行うとともに、これら副画素p4〜p6を除く残りの副画素を非表示とする制御を行うようにする。
【0152】
また図24(b)に示されるように、表示制御部213は、位置検出処理部が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し左右方向の左側に位置している場合は、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部が特定した遊技者の左側の視点位置から視認できる3つの表示対象副画素p1〜p3に、視認位置に対応する視差画像である立体画像A,B及びCを表示する制御を行うとともに、これら副画素p1〜p3を除く残りの副画素を非表示とする制御を行うようにする。
【0153】
また図24(c)に示されるように、表示制御部213は、位置検出処理部が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し左右方向の右側に位置している場合は、表示制御部213は、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部が特定した遊技者の右側の視点位置から視認できる3つの表示対象副画素p7〜p9に、視認位置に対応する視差画像である立体画像G,H及びIを表示する制御を行うとともに、これら副画素p7〜p9を除く残りの副画素を非表示とする制御を行うようにする。
【0154】
また表示制御部213は、演出制御用CPU86の指令に応じて、9つの副画素p1〜p9のうち、位置検出処理部が特定した遊技者の前後方向の視点位置に応じた所定の副画素に、遊技者の視点位置に応じて立体度が定められた立体画像を表示する制御を行うようにする。
【0155】
より詳しくは、表示制御部213は、例えば図25(a)に示されるように、位置検出処理部が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し比較的近い距離に離間している場合は、9つの副画素p1〜p9のうち一部の副画素、中央の3つの副画素p4〜p6に視差画像を表示し、また例えば図25(b)に示されるように、遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し比較的遠い距離に離間している場合は、上記した数の副画素よりも多くの副画素、例えば9つ全ての副画素p1〜p9に視差画像を表示するように、すなわち遊技者とパチンコ機1との離間距離に比例するように立体画像の視差数を変化させる制御を行うようにする。
【0156】
このように、遊技者が遊技中に左右方向に若しくは前後方向に移動しても、移動した位置に対応した副画素または副画素群が表示対象副画素として特定されて、該表示対象副画素に視差画像が表示されるようになるので、遊技者の位置変化に対応した干渉縞の発生の少ない良好な立体画像の表示を実施できる。
【0157】
またこのように、遊技者の位置、例えば遠近等に合わせて、立体画像の立体度を適宜に変更することができ、遊技者の位置に合わせた立体表示を実施することができる。
【0158】
特に表示制御部213が、位置検出処理部が特定した遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し近い場合は立体度が小さい立体画像を表示し、また遊技者の視点位置がパチンコ機1に対し遠い場合は立体度が大きい立体画像を表示することで、遊技者とパチンコ機1との離間距離に比例するように立体画像の立体度を変化させることで、遊技者がパチンコ機1から比較的遠くに離間していても、離間距離に応じて立体画像の臨場感を高めることができる。
【0159】
また、本実施例では、画像用液晶パネル9aの表示領域の全領域を立体(3D)画像のみ若しくは2次元(2D)画像のみ表示させるだけではなく、例えば、図11に示すように、画像用液晶パネル9aの左半分の表示領域(第1表示領域)に立体(3D)画像を表示させ、画像用液晶パネル9aの右半分の表示領域(第2表示領域)に2次元(2D)画像を表示させることで、2次元(2D)画像と立体(3D)画像とを同時に表示することができるようになっている。
【0160】
つまり、画像用液晶パネル9aは、立体(3D)画像を表示する左半分の表示領域(第1表示領域)と、2次元(2D)画像を表示する右半分の表示領域(第2表示領域)とを有し、演出制御用CPU86は、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する制御を行う。
【0161】
つまり、本実施例のように、変動表示装置9の表示領域が横方向に長い長方形である場合には、表示領域の中心位置間の距離が大きくなる左右に表示領域を設けることで、左右に表示領域に立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示しても、遊技者が立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまう可能性を低くできるので、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認してしまうことで立体(3D)画像の視認がし難くなってしまうことを低減できるので、このように、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、このように、横長の表示領域の左右に表示領域を設けて立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを表示することが好ましい。
【0162】
尚、これら立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合にあっては、左右に表示領域の境界に比較的幅広の黒表示領域を設けることで、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に視認する可能性を低減できるようにしても良い。
【0163】
また、図11に示されるように、左半分の表示領域(第1表示領域)と右半分の表示領域(第2表示領域)とに立体(3D)画像と2次元(2D)画像とを同時に表示する場合、立体(3D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)を、2次元(2D)画像において表示される表示体、例えば飾り図柄やキャラクタの動きの速度(移動速度)よりも緩やかとなるように、立体画像(視差画像)を生成して表示させることで、表示体の移動速度が、立体(3D)画像と2次元(2D)画像とで同じ場合に比較して、動作の速い立体(3D)画像の視認によって遊技者に不快感を与えてしまうことを低減することができる。
【0164】
また、本実施例では、客待ちデモンストレーション時において、当該パチンコ機1が設置された遊技機設置島と、該遊技機設置島と対向する遊技機設置島との間に形成された島間通路を通行する遊技者である通行者の視点位置において良好に立体視認できるデモンストレーション用の立体(3D)画像を表示するようになっている。
【0165】
デモンストレーション用の立体(3D)画像表示について、演出制御基板80は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモンストレーション状態に移行したときに、該パチンコ機1のPR(紹介)画像等から成る所定の客待ちデモ画像を画像用液晶パネル9aに表示する。本実施例では演出制御基板80は、客待ちデモ画像として、全ての副画素p1〜p9を表示する制御を行う。このように、パチンコ機1の遊技者よりも遠距離である島間通路を通行する遊技者の様々な視点位置から、より広範な視野角において、良好な立体(3D)画像が視認できる客待ちデモ画像に変更することで、島間通路を通行する遊技者が、良好な立体画像にて客待ちデモ画像を視認できるようになっている。
【0166】
このように、当該パチンコ機1に遊技者が存在しない客待ちデモンストレーション時において、より広範な視野角にわたる通行者の視点位置から良好な立体(3D)画像が視認できるようにすることで、通行者に対し当該パチンコ機1にて遊技する意欲を喚起する効果を奏することができる。
【0167】
次に、変動表示装置9において実施される演出の表示について説明する。本実施例のパチンコ機1においては、スーパーリーチとなる可能性や大当りとなる可能性を予告する予告演出や、大当りとなる可能性を報知するスーパーリーチ演出等の異なる種別の演出が実施される。
【0168】
これら予告演出とスーパーリーチ演出が実施される場合を例に説明する。図12(a)、図12(b)及び図13に示すように、このスーパーリーチ演出となる変動パターンにおいては、変動表示の開始とともに実施される予告演出S1と、該予告演出S1の後にスーパーリーチ演出が開始されるまでの変動演出S2と、該スーパーリーチ演出S3と、から主に構成されている。
【0169】
このうち、予告演出S1においては、図12(a)に示すように、変動表示装置9には、例えば、立体画像によって遊技者に対して大きく突出する立体度(多い視差数)のスペースシャトルCH1、このスペースシャトルCH1よりも小さい立体度(少ない視差数)のスペースシャトルCH2、スペースシャトルCH2よりも小さい立体度(少ない視差数)の小型艇CH3、小型艇CH3よりも小さい立体度(少ない視差数)の星CH4、が表示されるようになっている。
【0170】
このように、変動表示装置9で表示される各キャラクタで立体度(視差数)に差をつけることで、最も立体度が大きい(最も視差数が多い)スペースシャトルCH1が遊技者に対してより広い視野角で視認できるように立体表示され、スペースシャトルCH1よりも立体度の小さい(視差数が少ない)スペースシャトルCH2は、スペースシャトルCH1よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示されている。更に、スペースシャトルCH2よりも立体度の小さい(視差数が少ない)小型艇CH3は、スペースシャトルCH2よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示され、小型艇CH3よりも立体度の小さい(視差数が少ない)星CH4は、小型艇CH3よりも比較的狭い視野角で遊技者から見えるよう立体表示されている。
【0171】
尚、図12(a)では、説明の都合上、上述のスペースシャトルCH1から星CH4までの4種類のキャラクタ全てが変動表示装置9に表示されている状態を示しているが、予告演出S1では、実際にはこれらキャラクタの内1種類ないし2種類が段階的に順次表示されることによって、大当りやスーパーリーチとなる可能性が報知されるステップアップ予告がなされるようになっている。このため、変動表示装置9に表示されるキャラクタ数が、後述するスーパーリーチの場合等に比較して少なくなっているので、これらの演出における描画処理及び表示処理を行うVDP262にかかる処理負荷が、スーパーリーチ演出の実施期間よりも軽くなっているために、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができることから、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが可能なキャンセル可能演出とされている。
【0172】
また、変動演出S2は、予告演出S1の終了後にスーパーリーチ演出S3の開始までに変動表示装置9の表示を変動させる期間である。このため、キャラクタ等を表示する演出等が実施されない期間であるので、該変動演出S2は立体画像の表示がなされない期間とされている。よって、立体表示自体がなされないので、当然に、立体画像のキャンセル操作が無効な期間とされている。
【0173】
尚、これら変動演出S2においても、特定のキャラクタ等を表示して立体画像の表示を実施しても良い。
【0174】
一方、スーパーリーチ演出S3においては、図12(b)に示すように、上述のスペースシャトルCH1から星CH4の他、スペースシャトルCH2と略同一の立体度のUFOCH5や土星CH6等のキャラクタが一斉に変動表示装置9に表示される演出が実施される。
【0175】
このため、スーパーリーチ演出S3においては、VDP262が、予告演出S1よりも多くのキャラクタの描画処理及び表示処理を行う必要があるため、VDPにかかる負荷が非常に大きくなっているため、立体表示から非立体表示に切り替える切り替え処理の処理負荷を十分に賄うことができない畏れがあるために、スーパーリーチ演出S3においては、遊技者が操作ボタン516を押圧することで変動表示装置9における表示を立体表示から非立体表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能演出とされている。
【0176】
これら予告演出S1及びスーパーリーチ演出S3では、前述した描画制御によって描画された画像データに基づく画像を、演出制御用CPU86が表示制御部213に画像用液晶パネル9aに表示させることで、変動表示装置9において立体画像を表示するようになっている。
【0177】
これら立体表示をする場合において演出制御用CPU86は、立体表示されるキャラクタの立体度に応じて各キャラクタの移動速度を変化するように制御する。具体的には、図12(c)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が大(例えば視差数が9つ)、すなわち遊技者がより広い視野角で視認できるように立体表示される程、キャラクタの移動速度が低速となるように表示を制御する。また、演出制御用CPU86は、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が中(例えば視差数が5つ)、すなわち、立体度が大よりも遊技者が比較的狭い視野角で視認できるときには、立体度が大の場合よりも早い中速となるように表示を制御し、変動表示装置9にて立体画像として表示される各キャラクタの立体度が小(例えば視差数が3つ)、すなわち、遊技者が狭い視野角で視認できるように立体表示される程、キャラクタの移動速度が高速となるように表示を制御する。
【0178】
よって、本実施例においては図12(a)に示すように、遊技者に対して最も立体度が大きく(最も視差数が多く)表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるようにスペースシャトルCH1の描画が演出制御用CPU86により制御されるとともに、スペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3と立体度が小さくなるにつれて移動速度が早くなるようにスペースシャトルCH2、UFOCH5、土星CH6、小型艇CH3の描画が演出制御用CPU86により制御される。これにより、最も立体度が小さく(最も視差数が少なく)表示されている星CH4の移動速度が最も早く、最も立体度が大きく(最も視差数が多く)表示されているスペースシャトルCH1の移動速度が最も遅くなるように、演出制御用CPU86により制御される。
【0179】
このため、遊技者が、自分に近いように立体表示される立体度が大である(視差数が多い)キャラクタの移動に合わせて視線を移動させても、これら立体度が大である(視差数が多い)キャラクタの移動自体が遅く制御されているので、自分に近いキャラクタが素早く移動してしまうために、該移動に伴って大きく視点を遊技者が素早く移動させることによって、該遊技者の眼精疲労が大きくなったり、該遊技者が不快感を感じてしまうことを抑えることができる。
【0180】
本実施例の予告演出S1は、図13〜図15に示すように、演出期間T1,T2,T3,T4,T5の5つの期間から構成されている。これら演出期間T1,T2,T3,T4,T5のうち、演出期間T1,T3,T5は、演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数やキャラクタの動作が小さい小変化演出期間である。
【0181】
また、この演出期間T1,T3,T5は、予告演出S1において、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すること(長押しすること)で、変動表示装置9における立体画像での表示を非立体画像での表示に切り替えることができるようになっている。以下、この演出の変動表示装置9における立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えについて説明する。
【0182】
図13、図14に示すように、演出制御用CPU86は、描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を構成する、当該時点において設定されている視差数の立体画像と、非立体画像との描画を並行して開始させる。同時に、演出制御用CPU86は、表示制御部213によって描画された設定されている視差数の立体画像を画像用液晶パネル9aに表示させ、遊技者が立体画像を視認可能な状態で予告演出S1を開始する。
【0183】
尚、予告演出S1の一連の演出期間T1,T2,T3,T4,T5において、演出期間T1,T3,T5は演出期間T2,T4よりも変動表示装置9にて立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が小さい小変化演出期間であるため、前述したように、VDP262において演出期間T2,T4における描画処理にかかる負荷が軽いため、非立体画像への切り替え処理を実施できるように設定されている。このため、演出期間T1,T3,T5は、遊技者が操作ボタン516を押圧することで容易に予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが可能なキャンセル可能期間とされている一方、演出期間T2,T4は、逆に、描画処理にかかる負荷が比較的大きいために、予告演出S1の立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えることが不可能なキャンセル不能期間とされている。
【0184】
つまり、本実施例では、立体画像として表示されるキャラクタの数や動作が大きい演出期間T2,T4において、遊技者が操作ボタン516を押圧しても、非立体画像への表示の切り替えが不可能となっているため、これらキャラクタの数や動作の変化が激しい立体画像から非立体画像へいきなり表示が切り替わることで、遊技者が混乱してしまうことを回避できるようになっている。
【0185】
これらキャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5において演出制御用CPU86は、図12(a)に示すように「キャンセルOK」の表示を、立体(3D)画像の表示の支障にならない変動表示装置9の右下位置に表示することで、立体(3D)画像の表示をキャンセル可能であることを遊技者に報知する。一方、キャンセル不能期間である演出期間T2,T4において演出制御用CPU86は、図12(b)に示すように、「キャンセルOK」の表示を実施しないようになっている。
【0186】
つまり、演出制御用CPU86は、表示手段となる変動表示装置9に表示している立体画像の演出がキャンセル可能演出である予告演出S1であるときに、該立体画像の表示中止が可能であることを報知する「キャンセルOK」を表示する報知手段の機能を有するので、遊技者は、立体画像の表示を中止できるか否かを正確に把握できるようになる。
【0187】
そして、図13に示すように、遊技者が、例えば、予告演出S1のキャンセル可能期間である演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、キャンセル操作として、変動表示装置9にて表示されている立体画像を非立体画像の表示に即座に切り替える。
【0188】
尚、本実施例のように、VRAM領域において立体画像の描画領域と非立体画像の描画領域とを別個に有している場合、演出制御用CPU86は、操作ボタン516が遊技者によって所定時間押圧されると、描画制御部206にVRAM領域における立体画像と非立体画像の描画のうち、立体画像の描画のみを停止させるとともに、表示制御部213にVRAM領域にて立体画像と並行して描画されていた非立体画像を、立体画像に替えて画像用液晶パネル9aに表示させるようにしてもよい。
【0189】
つまり、演出制御用CPU86は、遊技者が両目で画像用液晶パネル9aに表示された非立体画像を視認可能とする。以降、変動表示装置9では、所定時間となる後述する3D表示中止期間TS(図16(a)参照)が経過するまでの間は、変動表示が終了するスーパーリーチ演出S3の期間が終了した後も非立体画像による表示が継続される。
【0190】
つまり、遊技者からのキャンセル操作の受付け時においては、非立体画像を表示して立体画像の表示を中止するため、立体画像から非立体画像へ迅速に切り替えを実施できるので、例えば、立体画像の表示による遊技者の不快感が継続してしまうことを回避できる。
【0191】
尚、予告演出S1において変動表示装置9に立体画像が表示されている状態では、キャンセル可能期間である演出期間T1,T3,T5のときに限り立体画像の描画と非立体画像の描画とを並行させる。このようにすることで、VDP262における負荷が演出期間T2,T4よりも少ない演出期間T1,T3,T5において遊技者が操作ボタン516を押圧すると、平行描画している非立体画像を読み出して即座に変動表示装置9に非立体画像を表示させることで、立体画像表示から非立体画像表示に迅速に表示切り替えができるとともに、VDP262に比較的高い負荷がかかっている演出期間T2,T4においては、非立体画像の描画を実施しないことにより、これら非立体画像を描画する処理負荷が、VDP262にさらにかかってしまうことを防ぐことができる。
【0192】
尚、図14に示すように、遊技者が予告演出S1のキャンセル不能演出である演出期間T4にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合には、演出制御用CPU86は、予告演出S1が演出期間T4からキャンセル可能演出である演出期間T5となるまで変動表示装置9での立体画像の表示を継続させる。
【0193】
そして、演出制御用CPU86は、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、前記演出期間T5にて操作ボタン516を所定時間押圧した場合と同様に、描画制御部206にVRAM領域における立体画像の描画を停止させるとともに非立体画像の描画を開始させ、表示制御部213にVRAM領域にて描画された非立体画像を、立体画像の代わりに画像用液晶パネル9aに表示させる。
【0194】
尚、本実施例では、キャンセル不能演出である演出期間T4で遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した際、予告演出S1が演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点で、変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える場合を例示したが、遊技者が演出期間T2で操作ボタン516を所定時間押圧した際には、予告演出S1が演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点で変動表示装置9での立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替える。
【0195】
つまり、本実施例では、キャンセル不能期間とされている演出期間T2、T4においても、キャンセル操作自体は受付けておき、該演出期間T2、T4が経過した時点で非立体表示へ移行するようにしているので、キャンセル可能期間T3、T5に移行した時に、改めてキャンセル操作をする必要がなく、遊技者の操作の面倒を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出期間T2、T4においては、キャンセル操作の受付け自体を無効とするようにしても良い。
【0196】
このように、遊技者のキャンセル操作によって立体画像の表示から非立体画像の表示への切り替えが実施された場合において立体画像の表示が禁止される3D表示中止期間TSは、同一の遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧する度に延長されるようになっている。
【0197】
具体的には、図16(a)に示すように、演出制御用CPU86は、変動表示装置9において立体画像の表示が開始されると、この立体画像の表示が開始された時点から予めキャンセル回数加算期間TKとして設定されている時間の計時を開始する。
【0198】
このキャンセル回数加算期間TK中において遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧すると、演出制御用CPU86は、RAM85に記憶されている図示しないキャンセルカウンタにキャンセル回数として1を加算する。
【0199】
そして、演出制御用CPU86は、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル可能演出である演出期間T1,T3,T5であれば、その時点を切り替えポイントとし、遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧した演出期間がキャンセル不能演出である演出期間T2,T4であれば、演出期間T2から演出期間T3に切り替えられる時点または演出期間T4から演出期間T5に切り替えられる時点を切り替えポイントとして、前述したように変動表示装置9における立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えて3D表示中止期間TSを開始する。
【0200】
このとき、演出制御用CPU86は、図16(c)に示すように、ROM84に記憶されている3D表示中止期間決定テーブル及びRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタを参照し、該キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSの時間を決定する。この3D表示中止期間決定テーブルに記憶されている3D表示中止期間TSの時間は、キャンセル回数の増加に応じて順次長時間となっていくように、各キャンセル回数に対応付けられて記憶されている。このため、3D表示中止期間TSは、前記キャンセルカウンタに記憶されているキャンセル回数が多いほど長時間継続されるようになっている。
【0201】
このようにすることで、同一の遊技者が繰返しキャンセル操作した場合には、立体表示中止期間である3D表示中止期間TSが長くなるので、遊技者がキャンセル操作する手間を削減することができる。
【0202】
演出制御用CPU86は、3D表示中止期間TSが終了すると、変動表示装置9における立体画像の表示を可能とする制御を行う。そして、該可能とした後において実施される変動表示において、立体画像を表示する演出がなされる場合には、該立体画像を実行する制御を行う。尚、3D表示中止期間TSが終了する時点で変動表示装置9にて立体画像の表示を伴う演出が実行されている場合、演出制御用CPU86は、該演出の実行が終了するまで3D表示中止期間TSの終了を延長する。このため、本実施例では、変動表示装置9で非立体画像で表示されている演出が、3D表示中止期間TSが終了することで突如立体画像での表示に切り替わることがないので、遊技者の混乱を防ぐことができる。
【0203】
一方、図16(b)に示すように、キャンセル回数加算期間TKにて遊技者が操作ボタン516を所定時間押圧しなかった場合には、演出制御用CPU86は、キャンセル回数加算期間TKの終了時点でRAM85に記憶されている前記キャンセルカウンタのキャンセル回数をリセットする。
【0204】
つまり、一度、キャンセル操作を実施した遊技者が、再度、立体画像が表示された際にキャンセル操作を行わなかった場合、つまり、立体画像の表示を容認した場合には、キャンセル回数がリセットされるので、キャンセル回数が不必要に加算されて3D表示中止期間TSが不必要に長くなってしまうことを回避できる。
【0205】
尚、本実施例では、これらキャンセル回数は、立体表示の開始に伴って計時が開始されるキャンセル回数加算期間TKが、遊技者によるキャンセル操作がないまま経過した時点においてリセットされるので、1の遊技者がキャンセル操作を複数回実施することでキャンセル回数が加算されるとともに、該キャンセル回数に応じた3D表示中止期間TSが設定されて立体表示が禁止された後、再度、立体表示が可能とされたとしても、該遊技者が遊技を終了するまでの期間において、必ずしも立体表示を伴う演出が実行されるとは限らないため、これら立体表示を伴う演出が実行されずに遊技者が遊技を終了した場合には、他の遊技者が遊技を開始することで、立体表示を伴う演出が実行された場合に、該他の遊技者が初めてキャンセル操作を実施したにもかかわらず、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数への加算が実施されて、非常に長い3D表示中止期間TSが設定されてしまい、立体表示が実施されなくなってしまうという不都合が発生してしまう、つまり、前に遊技していた遊技者のキャンセル回数が他の遊技者のキャンセル回数として持ち越されてしまうという問題が生じる可能性があるので、これらの不都合を解消するために、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、キャンセル回数をリセットすることで、これらキャンセル回数が異なる遊技者に持ち越されてしまうことを防止できるようになっている。
【0206】
また、本実施例では、これら客待ちデモ指定コマンドを受信したときにおいて、3D表示中止期間TSの期間中である場合には、演出制御用CPU86は、該3D表示中止期間TSを終了して、立体表示を可能とする制御を実施する。
【0207】
つまり、本実施例では、上述したように、遊技者のキャンセル操作の面倒を低減できるようにするために、3D表示中止期間TSがキャンセル回数の増加に応じて漸増するようにしているので、これら設定された長い3D表示中止期間TS中に遊技者が交替した場合にあっては、次に遊技を開始した他の遊技者の遊技において、これら長い3D表示中止期間TSが経過するまでは立体表示が全くなされないことになってしまい、その結果、遊技機の興趣が著しく低下してしまうことになってしまう不都合が生じるが、遊技者が交替してパチンコ機1が非稼働になったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信される客待ちデモ指定コマンドを受信したことを条件に、3D表示中止期間TSを終了することにより、交替した遊技者の遊技においては、遊技の開始から立体表示が可能とされるようになるので、上記したように遊技機の興趣が著しく低下してしまうことを回避することができる。
【0208】
尚、本実施例1では、操作ボタン516を遊技者が所定時間押圧することによって画像用液晶パネル9aにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えたが、画像用液晶パネル9aにて表示される立体画像の表示を非立体画像の表示に切り替えるための専用のスイッチを別途設けるようにしてもよい。
【0209】
更に尚、本実施例1では、予告演出S1において、演出制御用CPU86は、演出期間T1,T3,T5において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像と、非立体画像との描画を並行して実行させ、演出期間T2,T4において描画制御部206にVRAM領域にて立体画像を描画させたが、描画制御部206が十分な処理能力を有しているのであれば、演出制御用CPU86は、予告演出S1において、常時描画制御部206にVRAM領域にて立体画像と非立体画像との描画を並行して実行させるようにしてもよい。
【0210】
次に、図15に基づき、遊技者による視差数の設定変更について説明する。予告演出S1における演出期間T1,T3,T5は、遊技者が視差数変更ボタン517を所定時間押圧すること(長押しすること)で、変動表示装置9における立体画像での視差数を遊技者の任意に切替設定できる視差数変更可能期間とされている。一方、予告演出S1における演出期間T2,T4は、逆に、視差画像生成部264における視差画像の生成処理、並びにVDP262における描画処理にかかる負荷が比較的大きいために、予告演出S1の立体画像での視差数を切り替え設定することが不可能な視差数設定不能期間とされている。
【0211】
視差数の設定変更について詳述すると、先ず演出期間T1,T2において、所定数の変更前視差数で立体画像表示1が表示されている。また、この演出期間T1において、変動表示装置9の所定の表示箇所に視差数が変更可能である旨の視差数変更可能表示がされるとともに、演出制御用CPU86は、設定可能な最大視差数である9視差の視差画像を予め描画処理しておく。このようにすることで、視差数変更可能期間である演出期間T1において、最大9視差までのいずれの視差数に設定変更されても、予め描画処理されている視差画像を表示する表示処理を行うのみで、迅速な表示切り替えを行うことができる。
【0212】
次に、視差数変更不能期間である演出期間T2及び後述する演出期間T4において、視差数変更可能表示が非表示となるとともに、演出制御用CPU86は、最大9視差の視差画像の描画処理を施さず、当該演出期間において設定されている視差数の視差画像を描画処理する。
【0213】
次に、視差数変更可能期間である演出期間T3において、再び前述した視差数変更可能表示がされるとともに、演出制御用CPU86は、設定可能な最大視差数である9視差の視差画像を再び描画処理する。遊技者は、視差数変更可能期間である演出期間T3において、視差数変更ボタン517を所望に押圧操作することで、当該演出期間T3にて、設定変更された変更後視差数で立体画像表示2が迅速に切り替え表示されるようになっている。
【0214】
次に、視差数変更不能期間である演出期間T4において、遊技者が視差数変更ボタン517を所望に押圧操作することで、当該演出期間T4では切り替え表示されずに依然として立体画像表示2のままであるが、演出制御用CPU86は、遊技者が押圧操作した変更後視差数を受付けて記憶しており、次の視差数変更可能期間である演出期間T5の開始と同時に、当該変更後視差数で立体画像表示3が迅速に切り替え表示されるようになっている。
【0215】
このように、遊技者から新たな視差数を立体画像の表示中において受付けた場合であっても、副画素の数に相当する視差画像、つまり最大数の視差画像を生成させておくことにより、該受付け後において新たな視差数の視差画像を生成する場合に比較して、迅速に新たな視差数の視差画像を副画素に表示できるようになるので、新たな視差数による立体画像表示への移行を迅速に実施できる。
【0216】
また、副画素の数に相当する視差画像の生成、つまり最大数の視差画像の生成を視差数変更可能期間においてのみ実施すれば良いので、これら最大数の視差画像の生成を立体画像の表示中において常に実施する場合に比較してこれら視差画像を生成する処理負荷を低減できる。
【0217】
尚、前述したように、本実施例で演出制御用CPU86は、視差数変更可能期間において、設定可能な最大視差数である9視差の視差画像を予め描画処理しているが、例えば演出制御用CPU86は、当該設定されている所定視差数の視差画像のみを描画処理するものであってもよく、このようにすることで、演出制御用CPU86の描画処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0218】
更に尚、演出制御用CPU86は、上述したように遊技者が視差数を設定せずとも、例えば所定の遊技時間(例えば1時間)が経過することを条件に、視差数を比較的小さい視差数(例えば3視差)に強制的に自動変更するようにしてもよく、このようにすることで、遊技者に与える眼精疲労を抑制することができる。あるいは演出制御用CPU86は、例えば打球操作ハンドル5の非操作が一定時間継続することを条件に、当該パチンコ機1で興ずる遊技者が新たに替わったと判定し、視差数を所定の標準視差数(例えば9視差)に強制的に自動変更するようにしてもよく、このようにすることで、新たな遊技者に対し、先ず推奨される標準視差数の立体画像を提供することができる。
【0219】
次いで、図17に基づいて、保留予告演出について説明すると、前述したように、始動入賞が発生した場合に、可変表示が開始できなければ、所定数である4つを上限に、保留記憶数に1が加算されて、該加算された保留記憶に対応する表示が、変動表示装置9の保留記憶表示部に表示される。
【0220】
保留記憶表示部に新たに表示された保留記憶による変動表示においてスーパーリーチが発生するか或いは大当りとなるかは、該保留記憶の始動入賞時において遊技制御用マイクロコンピュータ156において先読み抽選が実施されて、該抽選結果が演出制御基板80に始動入賞時判定結果コマンドとして通知されることで、演出制御用CPU86が把握可能とされており、これらスーパーリーチが発生するか或いは大当りとなる場合には高い割合にて、スーパーリーチ或いは大当りとならない場合には低い割合にて、通常の保留表示である丸印の表示とは異なる四角の保留表示が実施される。
【0221】
また、通常の丸印の保留表示が非立体画像として表示されることで、左右に移動しても丸印の保留表示は変化しないのに対し、これら四角の保留表示については、該四角の保留表示を表示する画素に含まれる副画素に、画像データROM263に記憶されている当該保留表示の立体画像を成す9つの視差画像が読み出されて表示されることで、該保留表示の左右方向に回り込むことにより、図17に示すように、四角に見えていた保留表示がサイコロ状の立方体であることを視認できるようになる。
【0222】
そして、最終的に大当りとなることが決定されている場合は大当りとならないことが決定されている場合よりも高い割合にて、側面にV字のマークを表示するようになっており、これら立体表示された保留表示である立方体の側面にV字のマークが表示されているか否かにより、当該保留表示による変動表示で大当りとなる可能性が高いことが、立体表示によって示唆されるようになり、遊技者は、これらの示唆を確認するために、保留表示の左右方向に回り込むことを実施するようになる、つまり、保留表示の左右方向に回り込まなければ示唆を確認できないという遊技性をパチンコ機1に付与することができ、パチンコ機1の興趣を向上させることができる。
【0223】
つまり、図17の保留予告演出においては、特定の演出に関する四角の保留表示の画像表示する表示領域に含まれる画素の副画素についてのみ、保留予告演出に対応する最大視差数となる9の視差数の視差画像を表示する制御を行っており、このようにすることで、これら保留表示の画像表示する表示領域に含まれる画素についてのみ、視差画像を表示する制御を実施すれば良いので、該制御の処理負荷を低減できるとともに、本実施例のように、視差画像を画像データROM263から読み出すのではなく、視差画像生成部264において生成する場合にあっては、該表示領域に含まれる画素の副画素に表示する視差画像のみを生成すれば良いので、これら視差画像を生成する処理負荷も低減できる。
【0224】
このように、本実施例のパチンコ機1においては、保留予告演出において大当りとなる可能性を該保留記憶による変動が開始される前において示唆するようにしているが、本実施例では、保留記憶による変動が開始された後において発生するスーパーリーチにおいて、これら大当りとなる可能性を示唆するようになっており、これらスーパーリーチにおいて、大当りとなる可能性を示唆する点について、図18〜図20に基づいて説明する。
【0225】
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ81が用いる乱数を示す説明図である。図18に示すように、この実施例では、視差数決定用乱数SR1を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
【0226】
視差数決定用乱数SR1は、スーパーリーチにおいて表示される所定キャラクタ(本実施例ではスペースシャトル)の立体度となる視差数を決定するために使用される乱数であり、1〜100の数値範囲の値をとる。
【0227】
尚、これらSR1の乱数を生成するためのカウンタがRAM85に形成されている。そして、各カウンタの数値は、演出制御用マイクロコンピュータ81が所定時間間隔毎にタイマ割込により実施するタイマ割込処理における乱数更新処理においてで更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図18に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図18に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
【0228】
また、演出制御用マイクロコンピュータ81に内蔵されているROM84には、図19(a)〜(c)に示す視差数決定テーブルが記憶されており、該視差数決定テーブルと視差数決定用乱数SR1を用いて、最終的に大当りとなる場合とならない場合とで異なる割合にて各視差数が決定される。
【0229】
本実施例の視差数決定テーブルには、図19(a)〜(c)に示すように、上記で説明したように遊技者が設定した視差数ごとに互いに異なる視差数決定テーブルA〜Cが用いられ、各視差数決定テーブルA〜Cについて、変動表示の表示結果が最終的に大当りの表示結果とならない「はずれ時」と、大当りの表示結果となる「大当り時」のそれぞれについて、各視差数である「3視差」、「5視差」、「9視差」、「9視差」とに、図18に示す判定値数となるように、SR1の各判定値が割り当てられている。
【0230】
本実施例に用いた視差数決定テーブルA〜Cについて具体的に説明すると、先ず、遊技者が9視差を設定した場合においては、スーパーリーチにおける視差数の決定に、図19(a)に示す視差数決定テーブルAが用いられ、該視差数決定テーブルAにおいては、「はずれ時」については、「3視差」に60個の判定値、「5視差」に25個の判定値、「7視差」に10個の判定値、「9視差」に5個の判定値が割り当てられており、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」のいずれかが決定される。
【0231】
また、「大当り時」については、「3視差」に5個の判定値、「5視差」に10個の判定値、「7視差」に25個の判定値、「9視差」に60個の判定値が割り当てられており、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」のいずれかが決定される。
【0232】
次に、遊技者が7視差を設定した場合、図19(b)に示すように、視差数決定テーブルBが用いられ、「はずれ時」については、「3視差」に70個の判定値、「5視差」に20個の判定値、「7視差」に10個の判定値が割り当てられ、「9視差」は0個の判定値すなわち判定値が割り当てられず、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」のいずれかが決定される。
【0233】
また、「大当り時」については、「3視差」に10個の判定値、「5視差」に20個の判定値、「7視差」に70個の判定値が割り当てられ、「9視差」は0個の判定値すなわち判定値が割り当てられず、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」のいずれかが決定される。
【0234】
尚、上記したように、遊技者が7視差を設定した場合に用いられる視差数決定テーブルBでは、「はずれ時」、「大当り時」のいずれも、「9視差」には判定値が割り当てられていないため、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「9視差」が決定されることは無い。
【0235】
次に、遊技者が5視差を設定した場合、図19(c)に示すように、視差数決定テーブルBが用いられ、「はずれ時」については、「3視差」に80個の判定値、「5視差」に20個の判定値が割り当てられ、「7視差」及び「9視差」は0個の判定値すなわち判定値が割り当てられず、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」のいずれかが決定される。
【0236】
また、「大当り時」については、「3視差」に20個の判定値、「5視差」に80個の判定値が割り当てられ、「7視差」及び「9視差」は0個の判定値すなわち判定値が割り当てられず、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」のいずれかが決定される。
【0237】
尚、上記したように、遊技者が5視差を設定した場合に用いられる視差数決定テーブルBでは、「はずれ時」、「大当り時」のいずれも、「7視差」及び「9視差」には判定値が割り当てられていないため、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「7視差」及び「9視差」が決定されることは無い。
【0238】
尚、本実施例では、図19(a)〜(c)に示すように、最終的にはずれとなる場合には、少ない視差数である「3視差」に対して判定値の割り当て数が最も多く、該「3視差」よりも多い視差数である「5視差」、「7視差」そして「9視差」に対して順次、判定値の割り当て数が少なくなっているとともに、最終的に大当りなる場合には、少ない視差数である「3視差」に対して判定値の割り当て数が最も少なく、該「3視差」よりも多い視差数である「5視差」、「7視差」そして「9視差」に対して順次、判定値の割り当て数が多くなるように設定されており、このように設定することにより、最終的にはずれとなるときには少ない視差数が決定され易く、最終的に大当りとなるときには多い視差数が決定され易くなっている。
【0239】
つまり、図20(A)に示すように、「左」と「右」の変動表示領域(図柄表示エリア)に同一の飾り図柄が導出されて停止されたリーチ状態となった後、可動体である、例えば、図示しないシャッタが動作されて変動表示装置9の前面が閉じることで、図20(B)に示すように、変動表示装置9の表示を目視できない状態に移行した後、該シャッタが開放されて変動表示装置9を視認できる状態となったときから立体画像(視差画像)の表示が開始され、立体画像によるスペースシャトルが、敵の攻撃をかわしつつ画面を横切っていく演出画像が表示される(図20(C))。
【0240】
この際、これら画面を横断するスペースシャトルの画像の視差数が、該スーパーリーチの演出開始時において、上述したようにして、視差数決定テーブルとSR1とにより決定された視差数の視差画像にて立体表示される。
【0241】
すなわち、視差数が多い場合(例えば視差数が9)には、例えば、スペースシャトルの進行方向に回り込むことで、スペースシャトルのほぼ前方から見た画像を視認することができる、つまり、図20(C1)に示すように、視差数が多いことにより立体度が大きい画像が表示され、その後、敵をかわして着陸に成功して図20(D1)、飾り図柄が全て揃って図20(E1)大当りとなる割合が高くなる一方、視差数が少ない場合(例えば視差数が3)には、スペースシャトルの進行方向に回り込んでも、スペースシャトルをほぼ前方から見た画像を視認することはできず、少し斜めから見た画像を視認できる、つまり、図20(C)に示すように、視差数が少ないことにより立体度が小さい画像が表示され、その後、敵をかわしきれずに着陸に失敗して図20(D)、飾り図柄が全て揃わずに図20(E)はずれとなる割合が高くなる。
【0242】
よって、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数が多く立体度が大きい場合には大当りとなる可能性が高くなり、スペースシャトルの視差数が少なく立体度が小さい場合にははずれとなる可能性が高くなるので、大当りとなる可能性が視差数により示唆されるようになっている。
【0243】
つまり、本実施例のように、演出における視差数の違いによって遊技者にとって有利な遊技状態である大当りの発生する可能性が高いか否かである、いわゆる期待度を示唆する場合において、遊技者が設定可能な各視差数毎に、当該視差数以下にて演出における視差数を決定する視差数決定テーブルが設けられ、遊技者が設定した視差数に対応する視差数決定テーブルを使用して期待度を示唆する演出が実施されるので、これら期待度を示唆する演出において、遊技者が設定した視差数よりも大きさ視差数が決定されてしまうことを無くすことができるので、これらの演出において遊技者が設定した視差数よりも大きさ視差数にて演出が実施されてしまう不都合の発生を防止できるとともに、これら決定した視差数が遊技者が設定した視差数よりも大きいか否かの判定処理等を実施する必要がなく、これら判定処理等に要する処理負荷等も低減できる。
【0244】
尚、本発明の変形例として、図21及び図22に示すように、遊技者が設定した視差数に関わらず、同一の視差数決定テーブルD及び訂正規則が用いられてもよい。
【0245】
視差数決定テーブルD及び訂正規則について具体的に説明すると、先ず、遊技者が9視差を設定した場合、図21、図22に示すように、訂正規則「決定テーブルの決定視差数通り」に基づき、視差数決定テーブルDが用いられ、「はずれ時」については、「3視差」に70個の判定値、「5視差」に15個の判定値、「7視差」に10個の判定値、「9視差」に5個の判定値が割り当てられており、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」のいずれかが決定される。
【0246】
また、「大当り時」については、「3視差」に10個の判定値、「5視差」に20個の判定値、「7視差」に30個の判定値、「9視差」に40個の判定値が割り当てられており、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」、「9視差」のいずれかが決定される。
【0247】
次に、遊技者が7視差を設定した場合、図21及び図22に示すように、訂正規則「決定テーブルの決定視差数が9視差の場合は7視差に訂正」に基づき、視差数決定テーブルDが用いられ、「はずれ時」については、「3視差」に70個の判定値、「5視差」に15個の判定値、そして「7視差」には、10個の判定値に「9視差」の5個の判定値を加えた計15個の判定値が割り当てられており、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」のいずれかが決定される。
【0248】
また、「大当り時」については、「3視差」に10個の判定値、「5視差」に20個の判定値、そして「7視差」には、30個の判定値に「9視差」に40個の判定値を加えた計70個の判定値が割り当てられており、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」、「7視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」、「7視差」のいずれかが決定される。
【0249】
尚、上記したように、遊技者が7視差を設定した場合に用いられる視差数決定テーブルD及び訂正規則では、「はずれ時」、「大当り時」のいずれも、決定テーブルの決定視差数が9視差の場合は7視差に訂正され、「9視差」には判定値が割り当てられていないため、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「9視差」が決定されることは無い。
【0250】
次に、遊技者が5視差を設定した場合、図21、図22に示すように、訂正規則「決定テーブルの決定視差数が9、7視差の場合は5視差に訂正」に基づき、視差数決定テーブルDが用いられ、「はずれ時」については、「3視差」に70個の判定値、そして「5視差」は、15個の判定値に「7視差」の10個の判定値及び「9視差」の5個の判定値を加えた計30個の判定値が割り当てられており、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して「3視差」、「5視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」のいずれかが決定される。
【0251】
また、「大当り時」については、「3視差」に10個の判定値、そして「5視差」には、20個の判定値に「7視差」の30個の判定値及び「9視差」に40個の判定値を加えた計90個の判定値が割り当てられており、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して「3視差」、「5視差」の各項目に格納されている判定値のうち、抽出したSR1の判定値が格納されている項目により、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「3視差」、「5視差」のいずれかが決定される。
【0252】
尚、上記したように、遊技者が5視差を設定した場合に用いられる視差数決定テーブルD及び訂正規則では、「はずれ時」、「大当り時」のいずれも、決定テーブルの決定視差数が9、7視差の場合は5視差に訂正され、「9視差」、「7視差」には判定値が割り当てられていないため、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「9視差」、「7視差」が決定されることは無い。
【0253】
最後に、遊技者が3視差を設定した場合、図21、図22に示すように、訂正規則「決定テーブルの決定視差数が3視差以外は全て3視差に訂正」に基づき、視差数決定テーブルDが用いられ、「はずれ時」については、「3視差」には、70個の判定値、「5視差」の15個の判定値、「7視差」の10個の判定値及び「9視差」の5個の判定値を加えた計100個全ての判定値が割り当てられており、最終的にはずれとなる場合には、該「はずれ時」に対応して、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として必ず「3視差」が決定される。
【0254】
また、「大当り時」については、「3視差」には、10個の判定値、「5視差」の20個の判定値、「7視差」の30個の判定値及び「9視差」に40個の判定値を加えた計100個全ての判定値が割り当てられており、最終的に大当りとなる場合には、該「大当り時」に対応して、図20に示すスーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として必ず「3視差」が決定される。
【0255】
尚、上記したように、遊技者が3視差を設定した場合に用いられる視差数決定テーブルD及び訂正規則では、「はずれ時」、「大当り時」のいずれも、決定テーブルの決定視差数が3視差以外は3視差に訂正され、「9視差」、「7視差」、「5視差」には判定値が割り当てられていないため、スーパーリーチにおいて出現するスペースシャトルの視差数として「9視差」、「7視差」、「5視差」が決定されることは無い。
【0256】
このように、視差数変更ボタン517により遊技者が指定可能な各視差数に対応した決定用テーブルを予め用意して記憶しておかなくても、遊技者により受付けた視差数に合致した示唆演出用立体画像による示唆演出を実施できる。
【実施例2】
【0257】
次に、実施例2に係る遊技機につき、図26及び図27を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0258】
本発明が適用された遊技機であるスロットマシンについて図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1001は、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bと、から構成されている。
【0259】
本実施例のスロットマシン1001の筐体1001aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール1002L、1002C、1002R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図26に示すように、これらリール1002L、1002C、1002Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
【0260】
本実施例のスロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ1006を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図26参照)が有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0261】
入賞ラインとは、各リール1002L、1002C、1002Rの透視窓1003に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図26に示すように、各リール1002L、1002C、1002Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール1002L、1002C、1002Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール1002L、1002C、1002Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール1002Lの上段、リール1002Cの中段、リール1002Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール1002Lの下段、リール1002Cの中段、リール1002Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
【0262】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ1007を操作すると、各リール1002L、1002C、1002Rが回転し、各リール1002L、1002C、1002Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ1008L、1008C、1008Rを操作すると、対応するリール1002L、1002C、1002Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0263】
そして全てのリール1002L、1002C、1002Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口1009(図26参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール1002L、1002C、1002Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0264】
図27は、スロットマシン1001の構成を示すブロック図である。スロットマシン1001には、図27に示すように、遊技制御基板1040、演出制御基板1090、電源基板1101が設けられており、遊技制御基板1040によって遊技状態が制御され、演出制御基板1090によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板1101によってスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0265】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板1040及び遊技制御基板1040を介して接続された演出制御基板1090に供給されるようになっている。
【0266】
また、電源基板1101には、前述したホッパーモータ1034b、払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038、電源スイッチ1039が接続されている。
【0267】
遊技制御基板1040には、前述したMAXBETスイッチ1006、スタートスイッチ1007、ストップスイッチ1008L、1008C、1008R、精算スイッチ1010、リセットスイッチ1023、打止スイッチ1036a、自動精算スイッチ1036b、投入メダルセンサ1031、ドア開放検出スイッチ1025、リールセンサ1033L、1033C、1033Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述した払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0268】
また、遊技制御基板1040には、前述したクレジット表示器1011、遊技補助表示器1012、ペイアウト表示器1013、1〜3BETLED1014〜1016、投入要求LED1017、スタート有効LED1018、ウェイト中LED1019、リプレイ中LED1020、BETスイッチ有効LED1021、左、中、右停止有効LED1022L、1022C、1022R、設定値表示器1024、流路切替ソレノイド1030、リールモータ1032L、1032C、1032Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述したホッパーモータ1034bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板1040に搭載された後述のメイン制御部1041の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0269】
遊技制御基板1040には、メインCPU1041a、ROM1041b、RAM1041c、I/Oポート1041dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部1041、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路1042、一定周波数のクロック信号を乱数回路1042に供給するパルス発振器1043、遊技制御基板10040に直接または電源基板1101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1044、リールモータ1032L、1032C、1032Rの駆動制御を行うモータ駆動回路1045、流路切替ソレノイド1030の駆動制御を行うソレノイド駆動回路1046、遊技制御基板1040に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路1047、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部1041に対して出力する電断検出回路1048、電源投入時またはメインCPU1041aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU1041aにリセット信号を与えるリセット回路1049、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0270】
メインCPU1041aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM1041bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する各種の制御処理を行うととともに、遊技制御基板1040に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM1041bは、メインCPU1041aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM1041cは、メインCPU1041aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート1041dは、メイン制御部1041が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0271】
また、メイン制御部1041には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM1041cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0272】
メインCPU1041aは、I/Oポート1041dを介して演出制御基板1090に、各種のコマンドを送信する。
【0273】
演出制御基板1090には、演出用スイッチ1056が接続されており、この演出用スイッチ1056における十字キーの各方向に対応する検出信号が入力されることで、演出制御基板1090が遊技者による操作の有無や操作による指定方向を把握できるようになっている。
【0274】
また、演出制御基板1090には、スロットマシン1001の前面扉1001bに配置された画像用液晶パネル1051(図26参照)と、該画像用液晶パネル1051の前面の略全面に貼付けて設けられた出射方向限定素子としての垂直レンチキュラーシート1057とを有する演出表示装置1050と、図26に示すように、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054(図27参照)、前述したリールLED1055等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板1090に搭載された後述のサブ制御部1091による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0275】
画像用液晶パネル1051前面における演出用スイッチ1056の上部位置には、図26に示されるように、立体画像の視差数を設定するための視差数変更ボタン1058が、遊技者が押圧操作可能に設けられている。
【0276】
また、本実施例では、演出制御基板1090に搭載されたサブ制御部1091により、画像用液晶パネル1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部1091とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板1090または他の基板に搭載し、サブ制御部1091がメイン制御部1041からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部1091が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部1091及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
【0277】
また、本実施例では、演出装置として画像用液晶パネル1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
【0278】
また、画像用液晶パネル1051は、2次元(2D)画像や立体(3D)画像を表示するための画像表示用のデバイスであり、その背面には、図示しないバックライトを有している。画像用液晶パネル1051の前面には、該画像用液晶パネル1051の略全面に出射方向限定素子としての垂直レンチキュラーシート1057が貼付けて設けられており、インテグラルイメージング方式の裸眼立体表示が可能とされている。
【0279】
演出制御基板1090には、メイン制御部1041と同様にサブCPU1091a、ROM1091b、RAM1091c、I/Oポート1091dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部1091、演出制御基板1090に接続された画像用液晶パネル1051の表示制御を行う表示制御回路1092、演出効果LED1052、リールLED1055の駆動制御を行うLED駆動回路1093、スピーカ1053、1054からの音声出力制御を行う音声出力回路1094と、電源投入時またはサブCPU1091aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU1091aにリセット信号を与えるリセット回路1095、演出制御基板1090に接続された演出用スイッチ1056から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1096、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置1097、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU1091aに対して出力する電断検出回路1098、視差数変更ボタン1058で設定変更された視差数で立体画像を表示するための視差数設定回路1099、通路幅の違いによる通行者の視点位置の変化に伴う補正データの入出力等を行うための入出力ポート1090’、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。このうち、ROM1091bには、後述する動画再生における、各動画のタイムチャート及び3D表示中止期間決定用テーブルが記憶されており、RAM1091cには、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。
【0280】
本実施例2における立体画像の表示については、画像用液晶パネル1051と、該画像用液晶パネル1051の前面に設けられた出射方向限定素子としての垂直レンチキュラーシート1057とにより、インテグラルイメージング方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されており、立体画像の具体的な表示態様は上述した実施例1と同様である。
【0281】
つまり、本実施例2のスロットマシン1001も、実施例1のパチンコ機1と同様に、インテグラルイメージング方式による立体画像を表示可能とされており、実施例1のパチンコ機1と同様の各種の演出や表示状態を行う機能を有しており、本発明の遊技機は、パチンコ機1に限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンであっても良いし、更には、これら遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
【0282】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0283】
例えば、前記実施例では、垂直レンチキュラーシートの平面側を画像用液晶パネル9b、1051に貼着するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図28に示すように、これら垂直レンチキュラーシートの平面側を遊技者側とし、略蒲鉾状に膨出する曲面側を画像用液晶パネル9b、1051側とするように、前記実施例と反対状態に配置するようにしても良く、この場合にあっては、副画素p1〜p9に表示する視差画像の表示制御を、前記実施例の場合とは左右を逆転させる、具体的には、最も右からの視差画像を最も左に位置する副画素に表示し、最も左からの視差画像を最も右に位置する副画素に表示するように逆転させるように制御すれば良い。
【0284】
また、前記実施例では、視差数決定テーブルを用いて、スーパーリーチにて出現するキャラクタの視差数を決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出を、予告演出S1としたり、或いは、図17に示した保留予告演出として、これらの演出における視差数を視差数決定テーブルを用いて決定するようにしても良い。
【0285】
また、前記実施例では、キャンセル可能期間と、視差数の変更可能期間とを同一の期間とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの期間を全く個別の期間として設定しても良い。
【0286】
また、前記実施例では、演出の実行中においても遊技者が視差数を変更できるように、視差数変更ボタン517を個別に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視差数の変更を、変動表示装置9における変動表示が実施されていないときに、操作ボタン516を操作することで変動表示装置9に表示される視差数変更画面において、操作レバー600を操作することにより、遊技者が視差数を変更できるようにしても良い。
【0287】
また、前記実施例では、本発明における立体画像表示装置となる変動表示装置9に表示する立体画像として飾り図柄の変動表示中における予告演出やスーパーリーチ演出に係わる各種のキャラクタ画像を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら立体画像としては、飾り図柄の変動表示中以外に表示される画像、例えば、パチンコ機1が非稼働である場合に実行されるデモ演出にて表示される遊技のデモ画像や、大当り中において実行される大当り演出にて表示される大当り中画像等であっても良い。つまり、これら立体画像としては、遊技に関連する立体画像を含むものであれば良いが、遊技に関連する立体画像のみではなく、遊技に関連しない立体画像を含むものであっても良い。
【符号の説明】
【0288】
1 パチンコ機
6 遊技盤
9 変動表示装置
9a 画像用液晶パネル
9b 垂直レンチキュラーシート
9c バックライト
10 普通図柄表示器
13 可動片
80 演出制御基板
81 演出制御用マイクロコンピュータ
156 遊技制御用マイクロコンピュータ
206 描画制御部
210 SDRAM(VRAM)
211 データ転送制御部
213 表示制御部
262 VDP
263 画像データROM
264 視差画像生成部
516 操作ボタン
517 視差数変更ボタン
1001 スロットマシン
1058 視差数変更ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の遊技を行うことが可能とされ、立体画像を表示可能な遊技機であって、
前記立体画像を構成する視点の異なる複数の視差画像を表示可能とされた複数の副画素から成る画素が繰返し隣接配置された画像表示体と、各副画素から出射する各視差画像光の出射方向を当該視差画像に対応する所定方向に限定する出射方向限定素子と、を有し、前記視差画像から成る立体画像を表示可能とされた立体画像表示装置と、
前記立体画像表示装置の表示を制御する表示制御手段と、
前記画素に含まれる副画素に表示される異なる視差画像の数である視差数を遊技者から受付けるための視差数受付け手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記視差数受付け手段にて受付けた視差数の視差画像を前記副画素に表示する制御を実施する
ことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−239819(P2012−239819A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115928(P2011−115928)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】