遊技機
【課題】演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】主制御基板からの図柄変動制御コマンドに基づいて図柄変動の表示制御を行う図柄制御手段と、図柄変動に関する演出を制御する演出制御手段とを演出制御基板上に備え、演出制御手段は、図柄変動における演出態様を所定の演出選択用乱数を用いた抽選により選択するように構成されている遊技機で、演出制御基板に、例えば主制御基板に代えて接続されたコマンド送信手段からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段を設け、演出制御手段は、任意の演出態様に対応する演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドをコマンド受信手段により受信した場合には、既に取得・格納されている演出選択用乱数値をその強制指定コマンドで指定された値に書き換える(S12)ように構成したものである。
【解決手段】主制御基板からの図柄変動制御コマンドに基づいて図柄変動の表示制御を行う図柄制御手段と、図柄変動に関する演出を制御する演出制御手段とを演出制御基板上に備え、演出制御手段は、図柄変動における演出態様を所定の演出選択用乱数を用いた抽選により選択するように構成されている遊技機で、演出制御基板に、例えば主制御基板に代えて接続されたコマンド送信手段からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段を設け、演出制御手段は、任意の演出態様に対応する演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドをコマンド受信手段により受信した場合には、既に取得・格納されている演出選択用乱数値をその強制指定コマンドで指定された値に書き換える(S12)ように構成したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機等の遊技機では、遊技の進行を統括的に制御する主制御基板と、この主制御基板から遊技の進行に応じて送信されるコマンドに基づいて各種制御を行う1又は複数のサブ制御基板とを備えている。これらサブ制御基板のうち、例えば演出制御基板では、主制御基板から送信される図柄変動制御コマンド、例えば変動パターンコマンド、図柄指定コマンド、変動停止コマンド等に基づいて、乱数抽選により図柄変動に関する演出態様、例えば予告演出の種類を選択すると共に液晶等の画像表示手段上でその演出態様による図柄変動演出を行うようになっている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−012149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような従来の遊技機においては、演出制御基板で行われる演出態様の抽選に外部から関与することができないため、例えば開発中に行うデバッグ作業において特定の予告演出を出現させたい場合には、その特定の予告演出が抽選により選択されるまで遊技機を延々と作動させ続ける必要があり、極めて非効率であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、図柄を変動表示可能な図柄表示手段25と、演出制御基板32上に設けられ且つ主制御基板31から送信される図柄変動制御コマンドに基づいて前記図柄表示手段25による図柄変動の表示制御を行う図柄制御手段65と、前記演出制御基板32上に設けられ且つ前記図柄変動に関する演出を制御する演出制御手段65とを備え、前記演出制御手段65は、前記図柄表示手段25による図柄変動における演出態様を所定の演出選択用乱数を用いた抽選により選択するように構成されている遊技機において、前記演出制御基板32に、所定のコマンド送信手段68からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段63を設け、前記演出制御手段65は、任意の前記演出態様に対応する前記演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドを前記コマンド受信手段63により受信した場合には、その強制指定コマンドで指定された値を前記演出選択用乱数値として前記抽選を行うように構成されているものである。
【0007】
また、前記演出制御手段65は、前記強制指定コマンドを受信した場合には、既に乱数作成処理手段66から取得した前記演出選択用乱数値を前記強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えて前記抽選を行うように構成してもよい。この場合、例えば前記主制御基板31は、前記図柄表示手段25の変動開始に際して、前記図柄変動制御コマンドを構成する第1コマンドと第2コマンドとをその順序で前記演出制御基板32に送信するように構成し、前記図柄制御手段65は、前記第1コマンドと前記第2コマンドとをその順序で受信することを条件に前記図柄表示手段25による図柄変動を開始させるように構成し、前記演出制御手段65は、前記第1コマンドを受信することを条件に前記乱数作成処理手段66から前記演出選択用乱数値を取得し、前記第2コマンドを受信することを条件に前記演出選択用乱数値を用いた前記抽選を行い、前記第1コマンドと第2コマンドとの間に前記強制指定コマンドを受信することを条件に、既に取得した前記演出選択用乱数値をその強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えるように構成してもよい。この場合、前記演出制御手段65は、前記第1コマンドを受信してから所定時間が経過するまでの間に受信した前記強制指定コマンドのみを有効として前記演出選択用乱数値の書き換えを行うように構成してもよい。
【0008】
また前記演出制御手段65を、前記強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得して前記抽選を行い、前記強制指定コマンドで乱数値が指定された前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて前記抽選を行うように構成してもよい。
【0009】
前記演出制御基板32は、前記主制御基板31と、当該遊技機とは別の前記コマンド送信手段68とを択一的に接続可能な接続部67を備え、前記コマンド受信手段63は前記コマンド送信手段68から前記接続部67を介して前記強制指定コマンドを受信可能に構成してもよい。前記主制御基板31は前記強制指定コマンドの送信機能を有していなくてもよい。
【0010】
また、前記強制指定コマンドにより、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値に関連付けられたコード番号を指定するように構成してもよいし、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値を直接指定するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コマンド送信手段68により特定の演出態様に対応する演出抽選用乱数値を指定する強制指定コマンドを送信することにより、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体斜視図である。
【図2】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【図4】同パチンコ機の変動パターンコマンド受信時処理のフローチャートである。
【図5】同パチンコ機の強制指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図6】同パチンコ機の図柄指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図7】同パチンコ機の演出選択抽選処理のフローチャートである。
【図8】同パチンコ機の予告演出グループ選択テーブルの一例を示す図である。
【図9】同パチンコ機の予告演出グループと予告抽選テーブルとの対応関係の一例を示す図である。
【図10】同パチンコ機の予告抽選テーブルの一例を示す図である。
【図11】同パチンコ機の強制指定コマンドの構成の一例を示す図である。
【図12】同パチンコ機の演出選択用乱数値の格納領域に乱数値を格納する際のイメージを示す図である。
【図13】同パチンコ機の演出選択用乱数値の格納領域に格納された乱数値を強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換える際のイメージを示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の変動パターンコマンド受信時処理のフローチャートである。
【図15】同パチンコ機の強制指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図16】同パチンコ機の図柄指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図17】同パチンコ機の演出選択用乱数値の格納領域に強制指定コマンドで指定された乱数値を格納する際のイメージを示す図である。
【図18】同パチンコ機の演出選択用乱数値の乱数値未格納の格納領域に乱数値を格納する際のイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図13は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0014】
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
【0015】
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
【0016】
センターケース14には、液晶式等の画像表示手段21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24等が設けられている。画像表示手段21は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26等を構成している。
【0017】
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0018】
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する当たり状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0019】
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
【0020】
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0021】
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
【0022】
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
【0023】
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段26が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0024】
演出図柄表示手段(図柄表示手段)25は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄(図柄)を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0025】
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。なお、演出図柄表示手段25は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0026】
演出図柄の変動パターンには、大きく分けて、リーチ状態を経ることなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターン、リーチ状態を経由して外れ態様となるリーチ外れ変動パターン、リーチ状態を経由して大当たり態様となるリーチ大当たり変動パターンがあり、更に変動時間の違い等によって夫々1又は複数種類用意されている。本実施形態では、便宜上、図8に示すように1種類のリーチなし外れ変動パターンと、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2の3種類のリーチ外れ変動パターンと、同じくノーマルリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2の3種類のリーチ大当たり変動パターンとの計7種類の変動パターンに簡略化している。
【0027】
特別保留個数表示手段26は、特別保留個数分のシンボルXの表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に特別保留個数分のシンボルXを表示するようになっている。
【0028】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0029】
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。なお、図3では演出制御基板32以外のサブ制御基板、例えば払い出し制御基板、液晶制御基板等については省略している。
【0030】
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、コマンド送信手段58等を備えている。
【0031】
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
【0032】
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
【0033】
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口27bの開閉手段28を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
【0034】
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段44で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段44で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0035】
特別乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0036】
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
【0037】
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて、演出図柄の変動パターンを例えば図4に示す7種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
【0038】
特別利益状態発生手段55は、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段54による大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返すように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
【0039】
特別図柄表示制御手段56は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0040】
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
【0041】
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
【0042】
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。
【0043】
コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減算を指定する保留個数減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド(第1コマンド)、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド(第2コマンド)をこの順序で演出制御基板32側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別保留個数を指定する特別保留個数指定コマンドを演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
【0044】
なお、主制御基板31にはハーネスを介してサブ制御基板と接続するためのコネクタ59が設けられており、コマンド送信手段58からの各コマンドはこのコネクタ59から出力される。
【0045】
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、音声出力手段61、ランプ手段62等の各種演出手段を制御するためのもので、コマンド受信手段63、特別保留個数表示制御手段64、演出図柄制御手段65、乱数作成処理手段66等を備えている。
【0046】
コマンド受信手段63は、主制御基板31等から送信される制御コマンドを受信してその後の処理のための初期処理を実行するためのものである。演出制御基板32には、ハーネス69を介して主制御基板31と接続するためのコネクタ67が設けられており、コマンド受信手段63は、このコネクタ67を介して制御コマンドを受信可能となっている。
【0047】
なお、このコネクタ(接続部)67には、通常時は主制御基板31側からのハーネス69が接続されるが、開発中にデバッグ作業を行う場合など、特定の予告演出を出現させたい場合には、その主制御基板31側からのハーネス69が取り外され、代わりに外部のコマンド送信機(コマンド送信手段)68が接続される。このコマンド送信機68は、例えば特別図柄の変動に関して主制御基板31から送信される保留個数減算コマンド、変動パターンコマンド、図柄指定コマンド等を、主制御基板31と同様に送信可能であると共に、所定のタイミング、例えば変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間に強制指定コマンドを送信可能となっている。この強制指定コマンドの詳細については後述する。
【0048】
特別保留個数表示制御手段64は、特別保留個数表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段16により新たに遊技球が検出され、主制御基板31から特別保留個数指定コマンドを受信したときに、その特別保留個数指定コマンドに基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置に特別保留個数分のシンボルXを表示し、例えば主制御基板31から保留個数減算コマンドを受信することに基づいて、表示中のシンボルXの数を1個減少させて前側にシフトさせるように構成されている。
【0049】
演出図柄制御手段(図柄制御手段、演出制御手段)65は、演出図柄表示手段25による演出図柄の変動表示制御、その演出図柄の変動中に出現する予告演出の制御及びそれらに伴う音声出力手段61、ランプ手段62等の制御を行うもので、例えば主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から変動パターンコマンド(第1コマンド)を受信することに基づいて図4に示す変動パターンコマンド受信時処理を、コマンド送信機68から強制指定コマンドを受信することに基づいて図5に示す強制指定コマンド受信時処理を、主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から図柄指定コマンド(第2コマンド)を受信することに基づいて図6に示す図柄指定コマンド受信時処理を、夫々実行することにより演出図柄の変動を開始させ、主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から変動停止コマンドを受信することに基づいて演出図柄の変動を停止・確定させるように構成されている。なお、それら変動パターンコマンド、図柄指定コマンド、変動停止コマンド等が図柄変動制御コマンドの一例である。
【0050】
まず、変動パターンコマンドを受信することに基づいて実行される変動パターンコマンド受信時処理(図4)について説明する。なお、この変動パターンコマンドは、通常は主制御基板31から受信するが、コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68から受信する。本実施形態では、図8に示すように4種類の外れ変動パターンに対して変動パターンコマンドA000H〜A003Hが、3種類の大当たり変動パターンに対して変動パターンコマンドA101H〜A103Hが、夫々割り当てられているものとする。
【0051】
図4に示す変動パターンコマンド受信時処理では、受信した変動パターンコマンドが所定の格納領域に格納され(S1)、受信タイマに初期値がセットされる(S2)と共に、乱数作成処理手段66から演出選択用乱数値が取得され、RAM上の所定の格納領域に格納される(S3)。
【0052】
ここで、S2で使用される受信タイマは、変動パターンコマンドを受信してから所定時間が経過したか否かの判定に用いるもので、その所定時間、例えば100msに対応する値がS2において初期値として設定されると共に、一定時間経過毎にその一定時間に相当する値が減算されるようになっており、この受信タイマの値が0よりも大であれば変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判断できる。
【0053】
また、S3で取得される演出選択用乱数値は、演出図柄の演出態様の抽選に用いるもので、本実施形態では、予告演出グループの抽選に用いる「予告演出グループ選択乱数値」と、予告演出の抽選に用いる「予告演出選択乱数値」とで構成されている。
【0054】
本実施形態では、演出図柄の変動中に実行される演出の一例である予告演出が、図9に示すように複数種類、例えば3種類のメイン予告A〜Cと4種類のサブ予告a〜dの計7種類に分類されており、それら7種類の予告演出には夫々複数種類の演出態様が設けられている。例えば、メイン予告Cには図10に示すように3種類の演出態様C1〜C3が設けられている。そして、それら複数種類の予告演出毎の演出態様の抽選に、予告演出選択乱数値が用いられる。即ち、予告演出選択乱数値は、複数種類(7種類)の予告演出毎に個別に取得され、図12に示すように、RAM上に設けられた複数(7つ)の格納領域に夫々格納される。なお、予告演出選択乱数は、乱数作成処理手段66により0〜99の範囲で生成されるものとする。
【0055】
また、7種類の予告演出のうち、メイン予告A〜Cは、例えば演出図柄の変動と直接的に関係する大型のキャラクタ画像が出現するような予告演出であって、例えば演出構成上互いに重複して出現することができず、何れか1つが排他的に選択されるようになっている。一方、サブ予告a〜dは、メイン予告A〜Cとの組み合わせで出現するもので、例えば演出図柄の変動とは直接関係しない小型のキャラクタが出現するような予告演出であって、例えばそれらのうちの複数種類を重複して選択することが可能となっている。そして本実施形態では、それらメイン予告とサブ予告との組み合わせを規定する予告演出グループが複数種類、例えばメイン予告A〜Cに対応する予告演出グループG1〜G3の3種類設けられており、それら複数種類の予告演出グループの抽選に予告演出グループ選択乱数値が用いられる。即ち、予告演出グループ選択乱数値は1個取得され、図12に示すようにRAM上に設けられた格納領域に格納される。なお、予告演出グループ選択乱数についても乱数作成処理手段66により0〜99の範囲で生成されるものとする。
【0056】
続いて、強制指定コマンドを受信することに基づいて実行される強制指定コマンド受信時処理(図5)について説明する。ここで、強制指定コマンドは、任意の演出態様に対応する演出選択用乱数の値を指定するもので、図11に示すように、対象とする乱数の種類を指定する「対象指定コマンド」と、その対象指定コマンドで指定された乱数の値を指定する「乱数値指定コマンド」とを1組として、演出図柄の変動開始時に外部のコマンド送信機68から所定のタイミング、例えば変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間に1又は複数組送信されるようになっている。主制御基板31はこの強制指定コマンドを送信する機能を有していないため、コマンド送信機68ではなく主制御基板31が接続されている通常時にはこの強制指定コマンドを受信することはない。なお、乱数値指定コマンドについては、乱数の値自体を直接指定して送信するようにしてもよいが、本実施形態では乱数値に関連付けられたコード番号を指定するものとする。
【0057】
図5に示す強制指定コマンド受信時処理では、まず受信タイマの値が0であるか否か、即ち変動パターンコマンドを受信してから所定時間(100ms)が経過したか否かが判定され(S11)、受信タイマの値が0、即ち変動パターンコマンドを受信してから既に所定時間(100ms)が経過したと判定された場合には(S11:Yes)、S12が実行されることなく強制指定コマンド受信時処理は終了する。このように、変動パターンコマンドを受信してから一定時間内に受信した強制指定コマンドのみを有効としてそれ以外は無視するため、図柄変動とは関係のないタイミングでノイズ等により強制指定コマンドを受信してしまった場合でもその影響を排除できる利点がある。なお、必要に応じて、例えば変動パターンコマンドを受信した後、図柄指定コマンドを受信するまでの間に受信した強制指定コマンドのみを有効とし、それ以外は無視する処理を加えてもよい。
【0058】
S11において受信タイマの値が0でない、即ち変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判定された場合には(S11:No)、変動パターンコマンド受信時処理(図4)のS3で取得・格納済みの演出選択用乱数値が、強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えられ(S12)、強制指定コマンド受信時処理は終了する。例えば、強制指定コマンドを2組受信し、一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドで予告演出グループ選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値90に対応するコード番号が指定され、もう一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドでメイン予告Cに対応する予告演出選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値80に対応するコード番号が指定されたとすると、図13に示すように、予告演出グループ選択乱数の格納領域に格納されている乱数値が90に、メイン予告Cに対応する予告演出選択乱数の格納領域に格納されている乱数値が80に夫々書き換えられる。
【0059】
続いて、図柄指定コマンドを受信することに基づいて実行される図柄指定コマンド受信時処理(図6)について説明する。なお、この図柄指定コマンドは、通常は主制御基板31から受信するが、コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68から受信する。図6に示す図柄指定コマンド受信時処理では、まず受信タイマの値が0であるか否か、即ち変動パターンコマンドを受信してから所定時間(100ms)が経過したか否かが判定され(S21)、受信タイマの値が0、即ち変動パターンコマンドを受信してから既に所定時間(100ms)が経過したと判定された場合には(S21:Yes)、S22以降の処理が実行されることなく図柄指定コマンド受信時処理は終了する。
【0060】
S21において受信タイマの値が0でない、即ち変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判定された場合には(S21:No)、変動パターンコマンドで指定された変動パターンと図柄指定コマンドで指定された特別図柄の停止図柄との整合性がチェックされ(S23)、整合していないと判定された場合 (S23:No)にはS24以降の処理が実行されることなく図柄指定コマンド受信時処理は終了する。
【0061】
S23において整合していると判定された場合には(S23:Yes)、予告演出を抽選する演出選択抽選処理(S24)が実行される。この演出選択抽選処理では、図7に示すように、予告演出グループ選択乱数値に基づいて予告演出グループが抽選され(S31)、その抽選において選択された予告演出グループと予告演出選択乱数値とに基づいて予告演出が抽選される(S32)。
【0062】
例えば図13のような乱数値が取得・格納されており、変動パターンコマンドとして例えばノーマルリーチ外れ変動パターンに対応するA001Hを受信した場合には、S31においてまず予告演出グループ選択乱数の格納領域に格納されている乱数値90が読み出され、この乱数値90と、図8に示す予告演出グループ選択テーブルと、変動パターンコマンドA001Hとに基づいて予告演出グループG3が選択される。なお、この予告演出グループ選択乱数値である90は強制指定コマンドに基づいて書き換えられたものであり、図8に示す予告演出グループ選択テーブルでは、予告演出グループ選択乱数値90に対応する予告演出グループは全ての変動パターンコマンドに対して予告演出グループG3となっている。このように、コマンド送信機68から演出制御基板32に対して任意の強制指定コマンドを送信させることによって予告演出グループ選択乱数値を任意の値に指定することで、抽選において特定の予告演出グループを強制的に選択させることができる。
【0063】
そして、選択された予告演出グループG3に対応する予告抽選テーブルTC,Ta,Tb,Td(図9)を用いて、S32において抽選によりそれら4種類の予告演出、即ちメイン予告C,サブ予告a,b,dについて演出態様が選択される。例えばメイン予告Cについては、メイン予告Cに対応する予告演出選択乱数の格納領域に格納されている乱数値80と、図10に示す予告抽選テーブルTCと、変動パターンコマンドA001Hとに基づいて演出態様C2が選択される。なお、このメイン予告Cに対応する予告演出選択乱数値である80は強制指定コマンドに基づいて書き換えられたものであり、図10に示す予告抽選テーブルTCでは、予告演出選択乱数値80に対応する演出態様は全ての変動パターンコマンドに対して演出態様C2となっている。このように、コマンド送信機68から演出制御基板32に対して任意の強制指定コマンドを送信させることによって予告演出選択乱数値を任意の値に指定することで、抽選において特定の演出態様を強制的に選択させることができる。
【0064】
以上の演出選択抽選処理(S24)が終了すると、演出図柄の停止図柄を選択する抽選処理(S25)が行われた後、変動パターンコマンドで指定された変動パターンと、演出選択抽選(S24)によって選択された予告演出とに基づいて演出図柄の変動が開始される(S26)。
【0065】
演出図柄の変動中は、所定のタイミングでメイン予告C、サブ予告a,b,d等が出現すると共に、演出図柄が左、右、中等の所定の順序で仮停止した後、主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から変動停止コマンドを受信したときに図柄変動が停止・確定する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、演出制御基板32に、所定のコマンド送信機68からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段63を設け、演出図柄制御手段65は、任意の演出態様に対応する演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドをコマンド受信手段63により受信した場合には、その強制指定コマンドで指定された値を演出選択用乱数値として演出態様の抽選を行うように構成されているため、コマンド送信機68により特定の演出態様に対応する演出抽選用乱数値を指定する強制指定コマンドを送信することにより、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能である。
【0067】
図14〜図18は本発明の第2の実施形態を例示し、強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得して抽選を行い、強制指定コマンドで乱数値が指定された演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて抽選を行うように構成した例を示している。
【0068】
なお、この第2の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、演出図柄制御手段65による変動パターンコマンド受信時処理(図14)、強制指定コマンド受信時処理(図15)及び図柄指定コマンド受信時処理(図16)の内容のみであり、またそれらの処理についても第1の実施形態と共通の処理ステップについては共通のステップ番号を付している。
【0069】
まず、本実施形態の変動パターンコマンド受信時処理(図14)は、S1,S2の処理については第1の実施形態の変動パターンコマンド受信時処理(図4)と同様であるが、演出選択用乱数値の取得・格納の処理(図4のS3)を実行することなく終了する点で相違している。
【0070】
また、本実施形態の強制指定コマンド受信時処理(図15)は、受信タイマの値が0でない、即ち変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判定された場合(S11:No)に所定の処理(S12,S12a)を行う点で第1の実施形態の強制指定コマンド受信時処理(図5)と共通するが、そのS12aの処理内容が第1の実施形態のS12と相違している。即ち、本実施形態では、変動パターンコマンド受信時処理(図4)において演出選択用乱数値の取得・格納処理が行われていないため、強制指定コマンド受信時処理(図15)では、受信タイマの値が0でないと判定された場合に(S11:No)、強制指定コマンドで指定された乱数値が、対応する演出選択用乱数の格納領域に格納される(S12a)。
【0071】
例えば、強制指定コマンドを2組受信し、一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドで予告演出グループ選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値90に対応するコード番号が指定され、もう一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドでメイン予告Cに対応する予告演出選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値80に対応するコード番号が指定されたとすると、図17に示すように、予告演出グループ選択乱数の格納領域に乱数値90が、メイン予告Cに対応する予告演出選択乱数の格納領域に乱数値80が夫々格納される。
【0072】
また、本実施形態の図柄指定コマンド受信時処理(図16)では、演出選択抽選処理 (S24)の前に、S23a,S23bを実行する点が第1の実施形態の図柄指定コマンド受信時処理(図6)と相違している。即ち、S23において変動パターンコマンドで指定された変動パターンと図柄指定コマンドで指定された特別図柄の停止図柄とが整合していると判定された場合には(S23:Yes)、演出選択用乱数値の格納領域の全てに強制指定コマンドで指定された乱数値が格納されているか否かが判定され(S23a)、乱数値未格納の格納領域が1個以上ある場合には(S23a:No)、その未格納の格納領域に対応する演出選択用乱数値を乱数作成処理手段66から取得し、図18に示すように対応する格納領域に夫々格納する(S23b)。
【0073】
それら格納領域に格納された演出選択用乱数値を用いた演出選択抽選処理(S24、図7)、及びそれ以降の処理については第1の実施形態の図柄指定コマンド受信時処理(図6)と同様である。
【0074】
このように、強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得して抽選を行い、強制指定コマンドで乱数値が指定された演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて抽選を行うように構成しても、第1の実施形態と同様、コマンド送信機68により特定の演出態様に対応する演出抽選用乱数値を指定する強制指定コマンドを送信することにより、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能である。
【0075】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では複数種類の予告演出の組み合わせを規定する予告演出グループを複数種類設け、それら予告演出グループを予告演出グループ選択乱数値を用いた抽選により選択するように構成したが、必ずしも予告演出グループを複数設ける必要はない。予告演出グループが1つのみの場合には、予告演出グループの抽選を行う必要がないため、予告演出選択乱数値のみを演出選択用乱数値とし、強制指定コマンドによる乱数値指定の対象とすればよい。
【0076】
実施形態のように複数種類の予告演出の組み合わせを規定する予告演出グループを複数種類設ける場合、例えば予告演出選択乱数値のみを強制指定コマンドによる乱数値指定の対象とし、予告演出グループ選択乱数値は強制指定コマンドによる乱数値指定の対象としなくてもよい。
【0077】
また、予告演出グループよりも更に上位に例えば複数種類のモードを設け、そのモード毎に異なる予告演出グループ選択テーブル(図8)を設けてもよい。この場合、例えばモードの変更を乱数抽選により決定する場合には、そのモード選択用乱数値についても強制指定コマンドによる乱数値指定の対象としてもよい。
【0078】
第1の実施形態の場合、演出選択用乱数値の取得・格納処理(図4のS3)は、演出図柄の変動開始時に行えばよく、例えば保留個数減算コマンドの受信時処理で演出選択用乱数値の取得・格納処理を行ってもよい。
【0079】
主制御基板31と演出制御基板32との間にコマンド送信手段68を配置し、コマンド送信手段68は、主制御基板31から受信した変動パターンコマンド、図柄指定コマンド等のコマンドをそのまま演出制御基板32に送信すると共に、主制御基板31から受信した変動パターンコマンド等のタイミングに基づいて強制指定コマンドを出力するように構成してもよい。この場合、開発中にデバッグ作業を行う場合など、特定の予告演出を出現させたい場合には、主制御基板31と演出制御基板32とを接続しているハーネス69を取り外して代わりにコマンド送信手段68を主制御基板31と演出制御基板32との間に接続すればよい。
【0080】
また実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機等の他の弾球遊技機を含め、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0081】
25 演出図柄表示手段(図柄表示手段)
31 主制御基板
32 演出制御基板
63 コマンド受信手段
65 演出図柄制御手段(演出制御手段,図柄制御手段)
66 乱数作成処理手段
67 コネクタ(接続部)
68 コマンド送信機(コマンド送信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機等の遊技機では、遊技の進行を統括的に制御する主制御基板と、この主制御基板から遊技の進行に応じて送信されるコマンドに基づいて各種制御を行う1又は複数のサブ制御基板とを備えている。これらサブ制御基板のうち、例えば演出制御基板では、主制御基板から送信される図柄変動制御コマンド、例えば変動パターンコマンド、図柄指定コマンド、変動停止コマンド等に基づいて、乱数抽選により図柄変動に関する演出態様、例えば予告演出の種類を選択すると共に液晶等の画像表示手段上でその演出態様による図柄変動演出を行うようになっている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−012149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような従来の遊技機においては、演出制御基板で行われる演出態様の抽選に外部から関与することができないため、例えば開発中に行うデバッグ作業において特定の予告演出を出現させたい場合には、その特定の予告演出が抽選により選択されるまで遊技機を延々と作動させ続ける必要があり、極めて非効率であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、図柄を変動表示可能な図柄表示手段25と、演出制御基板32上に設けられ且つ主制御基板31から送信される図柄変動制御コマンドに基づいて前記図柄表示手段25による図柄変動の表示制御を行う図柄制御手段65と、前記演出制御基板32上に設けられ且つ前記図柄変動に関する演出を制御する演出制御手段65とを備え、前記演出制御手段65は、前記図柄表示手段25による図柄変動における演出態様を所定の演出選択用乱数を用いた抽選により選択するように構成されている遊技機において、前記演出制御基板32に、所定のコマンド送信手段68からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段63を設け、前記演出制御手段65は、任意の前記演出態様に対応する前記演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドを前記コマンド受信手段63により受信した場合には、その強制指定コマンドで指定された値を前記演出選択用乱数値として前記抽選を行うように構成されているものである。
【0007】
また、前記演出制御手段65は、前記強制指定コマンドを受信した場合には、既に乱数作成処理手段66から取得した前記演出選択用乱数値を前記強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えて前記抽選を行うように構成してもよい。この場合、例えば前記主制御基板31は、前記図柄表示手段25の変動開始に際して、前記図柄変動制御コマンドを構成する第1コマンドと第2コマンドとをその順序で前記演出制御基板32に送信するように構成し、前記図柄制御手段65は、前記第1コマンドと前記第2コマンドとをその順序で受信することを条件に前記図柄表示手段25による図柄変動を開始させるように構成し、前記演出制御手段65は、前記第1コマンドを受信することを条件に前記乱数作成処理手段66から前記演出選択用乱数値を取得し、前記第2コマンドを受信することを条件に前記演出選択用乱数値を用いた前記抽選を行い、前記第1コマンドと第2コマンドとの間に前記強制指定コマンドを受信することを条件に、既に取得した前記演出選択用乱数値をその強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えるように構成してもよい。この場合、前記演出制御手段65は、前記第1コマンドを受信してから所定時間が経過するまでの間に受信した前記強制指定コマンドのみを有効として前記演出選択用乱数値の書き換えを行うように構成してもよい。
【0008】
また前記演出制御手段65を、前記強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得して前記抽選を行い、前記強制指定コマンドで乱数値が指定された前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて前記抽選を行うように構成してもよい。
【0009】
前記演出制御基板32は、前記主制御基板31と、当該遊技機とは別の前記コマンド送信手段68とを択一的に接続可能な接続部67を備え、前記コマンド受信手段63は前記コマンド送信手段68から前記接続部67を介して前記強制指定コマンドを受信可能に構成してもよい。前記主制御基板31は前記強制指定コマンドの送信機能を有していなくてもよい。
【0010】
また、前記強制指定コマンドにより、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値に関連付けられたコード番号を指定するように構成してもよいし、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値を直接指定するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コマンド送信手段68により特定の演出態様に対応する演出抽選用乱数値を指定する強制指定コマンドを送信することにより、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体斜視図である。
【図2】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【図4】同パチンコ機の変動パターンコマンド受信時処理のフローチャートである。
【図5】同パチンコ機の強制指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図6】同パチンコ機の図柄指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図7】同パチンコ機の演出選択抽選処理のフローチャートである。
【図8】同パチンコ機の予告演出グループ選択テーブルの一例を示す図である。
【図9】同パチンコ機の予告演出グループと予告抽選テーブルとの対応関係の一例を示す図である。
【図10】同パチンコ機の予告抽選テーブルの一例を示す図である。
【図11】同パチンコ機の強制指定コマンドの構成の一例を示す図である。
【図12】同パチンコ機の演出選択用乱数値の格納領域に乱数値を格納する際のイメージを示す図である。
【図13】同パチンコ機の演出選択用乱数値の格納領域に格納された乱数値を強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換える際のイメージを示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機の変動パターンコマンド受信時処理のフローチャートである。
【図15】同パチンコ機の強制指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図16】同パチンコ機の図柄指定コマンド受信時処理のフローチャートである。
【図17】同パチンコ機の演出選択用乱数値の格納領域に強制指定コマンドで指定された乱数値を格納する際のイメージを示す図である。
【図18】同パチンコ機の演出選択用乱数値の乱数値未格納の格納領域に乱数値を格納する際のイメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図13は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0014】
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
【0015】
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
【0016】
センターケース14には、液晶式等の画像表示手段21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24等が設けられている。画像表示手段21は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26等を構成している。
【0017】
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0018】
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する当たり状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0019】
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
【0020】
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0021】
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
【0022】
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
【0023】
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段26が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0024】
演出図柄表示手段(図柄表示手段)25は、例えば特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄(図柄)を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0025】
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。なお、本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となるものとする。なお、演出図柄表示手段25は、特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0026】
演出図柄の変動パターンには、大きく分けて、リーチ状態を経ることなく外れ態様となるリーチなし外れ変動パターン、リーチ状態を経由して外れ態様となるリーチ外れ変動パターン、リーチ状態を経由して大当たり態様となるリーチ大当たり変動パターンがあり、更に変動時間の違い等によって夫々1又は複数種類用意されている。本実施形態では、便宜上、図8に示すように1種類のリーチなし外れ変動パターンと、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2の3種類のリーチ外れ変動パターンと、同じくノーマルリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2の3種類のリーチ大当たり変動パターンとの計7種類の変動パターンに簡略化している。
【0027】
特別保留個数表示手段26は、特別保留個数分のシンボルXの表示個数により特別保留個数を表示するもので、表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に特別保留個数分のシンボルXを表示するようになっている。
【0028】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0029】
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。なお、図3では演出制御基板32以外のサブ制御基板、例えば払い出し制御基板、液晶制御基板等については省略している。
【0030】
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、コマンド送信手段58等を備えている。
【0031】
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
【0032】
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
【0033】
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口27bの開閉手段28を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
【0034】
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段44で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段44で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0035】
特別乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0036】
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
【0037】
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて、演出図柄の変動パターンを例えば図4に示す7種類の中から選択する変動パターン選択機能等を備えている。
【0038】
特別利益状態発生手段55は、大入賞手段17を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段54による大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態の開放パターンは、大入賞手段17の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段17を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返すように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
【0039】
特別図柄表示制御手段56は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0040】
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
【0041】
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
【0042】
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。
【0043】
コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減算を指定する保留個数減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド(第1コマンド)、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンド(第2コマンド)をこの順序で演出制御基板32側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別保留個数を指定する特別保留個数指定コマンドを演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
【0044】
なお、主制御基板31にはハーネスを介してサブ制御基板と接続するためのコネクタ59が設けられており、コマンド送信手段58からの各コマンドはこのコネクタ59から出力される。
【0045】
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、特別保留個数表示手段26、音声出力手段61、ランプ手段62等の各種演出手段を制御するためのもので、コマンド受信手段63、特別保留個数表示制御手段64、演出図柄制御手段65、乱数作成処理手段66等を備えている。
【0046】
コマンド受信手段63は、主制御基板31等から送信される制御コマンドを受信してその後の処理のための初期処理を実行するためのものである。演出制御基板32には、ハーネス69を介して主制御基板31と接続するためのコネクタ67が設けられており、コマンド受信手段63は、このコネクタ67を介して制御コマンドを受信可能となっている。
【0047】
なお、このコネクタ(接続部)67には、通常時は主制御基板31側からのハーネス69が接続されるが、開発中にデバッグ作業を行う場合など、特定の予告演出を出現させたい場合には、その主制御基板31側からのハーネス69が取り外され、代わりに外部のコマンド送信機(コマンド送信手段)68が接続される。このコマンド送信機68は、例えば特別図柄の変動に関して主制御基板31から送信される保留個数減算コマンド、変動パターンコマンド、図柄指定コマンド等を、主制御基板31と同様に送信可能であると共に、所定のタイミング、例えば変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間に強制指定コマンドを送信可能となっている。この強制指定コマンドの詳細については後述する。
【0048】
特別保留個数表示制御手段64は、特別保留個数表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段16により新たに遊技球が検出され、主制御基板31から特別保留個数指定コマンドを受信したときに、その特別保留個数指定コマンドに基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置に特別保留個数分のシンボルXを表示し、例えば主制御基板31から保留個数減算コマンドを受信することに基づいて、表示中のシンボルXの数を1個減少させて前側にシフトさせるように構成されている。
【0049】
演出図柄制御手段(図柄制御手段、演出制御手段)65は、演出図柄表示手段25による演出図柄の変動表示制御、その演出図柄の変動中に出現する予告演出の制御及びそれらに伴う音声出力手段61、ランプ手段62等の制御を行うもので、例えば主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から変動パターンコマンド(第1コマンド)を受信することに基づいて図4に示す変動パターンコマンド受信時処理を、コマンド送信機68から強制指定コマンドを受信することに基づいて図5に示す強制指定コマンド受信時処理を、主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から図柄指定コマンド(第2コマンド)を受信することに基づいて図6に示す図柄指定コマンド受信時処理を、夫々実行することにより演出図柄の変動を開始させ、主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から変動停止コマンドを受信することに基づいて演出図柄の変動を停止・確定させるように構成されている。なお、それら変動パターンコマンド、図柄指定コマンド、変動停止コマンド等が図柄変動制御コマンドの一例である。
【0050】
まず、変動パターンコマンドを受信することに基づいて実行される変動パターンコマンド受信時処理(図4)について説明する。なお、この変動パターンコマンドは、通常は主制御基板31から受信するが、コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68から受信する。本実施形態では、図8に示すように4種類の外れ変動パターンに対して変動パターンコマンドA000H〜A003Hが、3種類の大当たり変動パターンに対して変動パターンコマンドA101H〜A103Hが、夫々割り当てられているものとする。
【0051】
図4に示す変動パターンコマンド受信時処理では、受信した変動パターンコマンドが所定の格納領域に格納され(S1)、受信タイマに初期値がセットされる(S2)と共に、乱数作成処理手段66から演出選択用乱数値が取得され、RAM上の所定の格納領域に格納される(S3)。
【0052】
ここで、S2で使用される受信タイマは、変動パターンコマンドを受信してから所定時間が経過したか否かの判定に用いるもので、その所定時間、例えば100msに対応する値がS2において初期値として設定されると共に、一定時間経過毎にその一定時間に相当する値が減算されるようになっており、この受信タイマの値が0よりも大であれば変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判断できる。
【0053】
また、S3で取得される演出選択用乱数値は、演出図柄の演出態様の抽選に用いるもので、本実施形態では、予告演出グループの抽選に用いる「予告演出グループ選択乱数値」と、予告演出の抽選に用いる「予告演出選択乱数値」とで構成されている。
【0054】
本実施形態では、演出図柄の変動中に実行される演出の一例である予告演出が、図9に示すように複数種類、例えば3種類のメイン予告A〜Cと4種類のサブ予告a〜dの計7種類に分類されており、それら7種類の予告演出には夫々複数種類の演出態様が設けられている。例えば、メイン予告Cには図10に示すように3種類の演出態様C1〜C3が設けられている。そして、それら複数種類の予告演出毎の演出態様の抽選に、予告演出選択乱数値が用いられる。即ち、予告演出選択乱数値は、複数種類(7種類)の予告演出毎に個別に取得され、図12に示すように、RAM上に設けられた複数(7つ)の格納領域に夫々格納される。なお、予告演出選択乱数は、乱数作成処理手段66により0〜99の範囲で生成されるものとする。
【0055】
また、7種類の予告演出のうち、メイン予告A〜Cは、例えば演出図柄の変動と直接的に関係する大型のキャラクタ画像が出現するような予告演出であって、例えば演出構成上互いに重複して出現することができず、何れか1つが排他的に選択されるようになっている。一方、サブ予告a〜dは、メイン予告A〜Cとの組み合わせで出現するもので、例えば演出図柄の変動とは直接関係しない小型のキャラクタが出現するような予告演出であって、例えばそれらのうちの複数種類を重複して選択することが可能となっている。そして本実施形態では、それらメイン予告とサブ予告との組み合わせを規定する予告演出グループが複数種類、例えばメイン予告A〜Cに対応する予告演出グループG1〜G3の3種類設けられており、それら複数種類の予告演出グループの抽選に予告演出グループ選択乱数値が用いられる。即ち、予告演出グループ選択乱数値は1個取得され、図12に示すようにRAM上に設けられた格納領域に格納される。なお、予告演出グループ選択乱数についても乱数作成処理手段66により0〜99の範囲で生成されるものとする。
【0056】
続いて、強制指定コマンドを受信することに基づいて実行される強制指定コマンド受信時処理(図5)について説明する。ここで、強制指定コマンドは、任意の演出態様に対応する演出選択用乱数の値を指定するもので、図11に示すように、対象とする乱数の種類を指定する「対象指定コマンド」と、その対象指定コマンドで指定された乱数の値を指定する「乱数値指定コマンド」とを1組として、演出図柄の変動開始時に外部のコマンド送信機68から所定のタイミング、例えば変動パターンコマンドと図柄指定コマンドとの間に1又は複数組送信されるようになっている。主制御基板31はこの強制指定コマンドを送信する機能を有していないため、コマンド送信機68ではなく主制御基板31が接続されている通常時にはこの強制指定コマンドを受信することはない。なお、乱数値指定コマンドについては、乱数の値自体を直接指定して送信するようにしてもよいが、本実施形態では乱数値に関連付けられたコード番号を指定するものとする。
【0057】
図5に示す強制指定コマンド受信時処理では、まず受信タイマの値が0であるか否か、即ち変動パターンコマンドを受信してから所定時間(100ms)が経過したか否かが判定され(S11)、受信タイマの値が0、即ち変動パターンコマンドを受信してから既に所定時間(100ms)が経過したと判定された場合には(S11:Yes)、S12が実行されることなく強制指定コマンド受信時処理は終了する。このように、変動パターンコマンドを受信してから一定時間内に受信した強制指定コマンドのみを有効としてそれ以外は無視するため、図柄変動とは関係のないタイミングでノイズ等により強制指定コマンドを受信してしまった場合でもその影響を排除できる利点がある。なお、必要に応じて、例えば変動パターンコマンドを受信した後、図柄指定コマンドを受信するまでの間に受信した強制指定コマンドのみを有効とし、それ以外は無視する処理を加えてもよい。
【0058】
S11において受信タイマの値が0でない、即ち変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判定された場合には(S11:No)、変動パターンコマンド受信時処理(図4)のS3で取得・格納済みの演出選択用乱数値が、強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えられ(S12)、強制指定コマンド受信時処理は終了する。例えば、強制指定コマンドを2組受信し、一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドで予告演出グループ選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値90に対応するコード番号が指定され、もう一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドでメイン予告Cに対応する予告演出選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値80に対応するコード番号が指定されたとすると、図13に示すように、予告演出グループ選択乱数の格納領域に格納されている乱数値が90に、メイン予告Cに対応する予告演出選択乱数の格納領域に格納されている乱数値が80に夫々書き換えられる。
【0059】
続いて、図柄指定コマンドを受信することに基づいて実行される図柄指定コマンド受信時処理(図6)について説明する。なお、この図柄指定コマンドは、通常は主制御基板31から受信するが、コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68から受信する。図6に示す図柄指定コマンド受信時処理では、まず受信タイマの値が0であるか否か、即ち変動パターンコマンドを受信してから所定時間(100ms)が経過したか否かが判定され(S21)、受信タイマの値が0、即ち変動パターンコマンドを受信してから既に所定時間(100ms)が経過したと判定された場合には(S21:Yes)、S22以降の処理が実行されることなく図柄指定コマンド受信時処理は終了する。
【0060】
S21において受信タイマの値が0でない、即ち変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判定された場合には(S21:No)、変動パターンコマンドで指定された変動パターンと図柄指定コマンドで指定された特別図柄の停止図柄との整合性がチェックされ(S23)、整合していないと判定された場合 (S23:No)にはS24以降の処理が実行されることなく図柄指定コマンド受信時処理は終了する。
【0061】
S23において整合していると判定された場合には(S23:Yes)、予告演出を抽選する演出選択抽選処理(S24)が実行される。この演出選択抽選処理では、図7に示すように、予告演出グループ選択乱数値に基づいて予告演出グループが抽選され(S31)、その抽選において選択された予告演出グループと予告演出選択乱数値とに基づいて予告演出が抽選される(S32)。
【0062】
例えば図13のような乱数値が取得・格納されており、変動パターンコマンドとして例えばノーマルリーチ外れ変動パターンに対応するA001Hを受信した場合には、S31においてまず予告演出グループ選択乱数の格納領域に格納されている乱数値90が読み出され、この乱数値90と、図8に示す予告演出グループ選択テーブルと、変動パターンコマンドA001Hとに基づいて予告演出グループG3が選択される。なお、この予告演出グループ選択乱数値である90は強制指定コマンドに基づいて書き換えられたものであり、図8に示す予告演出グループ選択テーブルでは、予告演出グループ選択乱数値90に対応する予告演出グループは全ての変動パターンコマンドに対して予告演出グループG3となっている。このように、コマンド送信機68から演出制御基板32に対して任意の強制指定コマンドを送信させることによって予告演出グループ選択乱数値を任意の値に指定することで、抽選において特定の予告演出グループを強制的に選択させることができる。
【0063】
そして、選択された予告演出グループG3に対応する予告抽選テーブルTC,Ta,Tb,Td(図9)を用いて、S32において抽選によりそれら4種類の予告演出、即ちメイン予告C,サブ予告a,b,dについて演出態様が選択される。例えばメイン予告Cについては、メイン予告Cに対応する予告演出選択乱数の格納領域に格納されている乱数値80と、図10に示す予告抽選テーブルTCと、変動パターンコマンドA001Hとに基づいて演出態様C2が選択される。なお、このメイン予告Cに対応する予告演出選択乱数値である80は強制指定コマンドに基づいて書き換えられたものであり、図10に示す予告抽選テーブルTCでは、予告演出選択乱数値80に対応する演出態様は全ての変動パターンコマンドに対して演出態様C2となっている。このように、コマンド送信機68から演出制御基板32に対して任意の強制指定コマンドを送信させることによって予告演出選択乱数値を任意の値に指定することで、抽選において特定の演出態様を強制的に選択させることができる。
【0064】
以上の演出選択抽選処理(S24)が終了すると、演出図柄の停止図柄を選択する抽選処理(S25)が行われた後、変動パターンコマンドで指定された変動パターンと、演出選択抽選(S24)によって選択された予告演出とに基づいて演出図柄の変動が開始される(S26)。
【0065】
演出図柄の変動中は、所定のタイミングでメイン予告C、サブ予告a,b,d等が出現すると共に、演出図柄が左、右、中等の所定の順序で仮停止した後、主制御基板31(コマンド送信機68が接続されている場合にはコマンド送信機68)から変動停止コマンドを受信したときに図柄変動が停止・確定する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、演出制御基板32に、所定のコマンド送信機68からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段63を設け、演出図柄制御手段65は、任意の演出態様に対応する演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドをコマンド受信手段63により受信した場合には、その強制指定コマンドで指定された値を演出選択用乱数値として演出態様の抽選を行うように構成されているため、コマンド送信機68により特定の演出態様に対応する演出抽選用乱数値を指定する強制指定コマンドを送信することにより、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能である。
【0067】
図14〜図18は本発明の第2の実施形態を例示し、強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得して抽選を行い、強制指定コマンドで乱数値が指定された演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて抽選を行うように構成した例を示している。
【0068】
なお、この第2の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、演出図柄制御手段65による変動パターンコマンド受信時処理(図14)、強制指定コマンド受信時処理(図15)及び図柄指定コマンド受信時処理(図16)の内容のみであり、またそれらの処理についても第1の実施形態と共通の処理ステップについては共通のステップ番号を付している。
【0069】
まず、本実施形態の変動パターンコマンド受信時処理(図14)は、S1,S2の処理については第1の実施形態の変動パターンコマンド受信時処理(図4)と同様であるが、演出選択用乱数値の取得・格納の処理(図4のS3)を実行することなく終了する点で相違している。
【0070】
また、本実施形態の強制指定コマンド受信時処理(図15)は、受信タイマの値が0でない、即ち変動パターンコマンドを受信してから未だ所定時間(100ms)が経過していないと判定された場合(S11:No)に所定の処理(S12,S12a)を行う点で第1の実施形態の強制指定コマンド受信時処理(図5)と共通するが、そのS12aの処理内容が第1の実施形態のS12と相違している。即ち、本実施形態では、変動パターンコマンド受信時処理(図4)において演出選択用乱数値の取得・格納処理が行われていないため、強制指定コマンド受信時処理(図15)では、受信タイマの値が0でないと判定された場合に(S11:No)、強制指定コマンドで指定された乱数値が、対応する演出選択用乱数の格納領域に格納される(S12a)。
【0071】
例えば、強制指定コマンドを2組受信し、一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドで予告演出グループ選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値90に対応するコード番号が指定され、もう一方の強制指定コマンドを構成する対象指定コマンドでメイン予告Cに対応する予告演出選択乱数が、乱数値指定コマンドで例えば乱数値80に対応するコード番号が指定されたとすると、図17に示すように、予告演出グループ選択乱数の格納領域に乱数値90が、メイン予告Cに対応する予告演出選択乱数の格納領域に乱数値80が夫々格納される。
【0072】
また、本実施形態の図柄指定コマンド受信時処理(図16)では、演出選択抽選処理 (S24)の前に、S23a,S23bを実行する点が第1の実施形態の図柄指定コマンド受信時処理(図6)と相違している。即ち、S23において変動パターンコマンドで指定された変動パターンと図柄指定コマンドで指定された特別図柄の停止図柄とが整合していると判定された場合には(S23:Yes)、演出選択用乱数値の格納領域の全てに強制指定コマンドで指定された乱数値が格納されているか否かが判定され(S23a)、乱数値未格納の格納領域が1個以上ある場合には(S23a:No)、その未格納の格納領域に対応する演出選択用乱数値を乱数作成処理手段66から取得し、図18に示すように対応する格納領域に夫々格納する(S23b)。
【0073】
それら格納領域に格納された演出選択用乱数値を用いた演出選択抽選処理(S24、図7)、及びそれ以降の処理については第1の実施形態の図柄指定コマンド受信時処理(図6)と同様である。
【0074】
このように、強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得して抽選を行い、強制指定コマンドで乱数値が指定された演出選択用乱数については乱数作成処理手段66から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて抽選を行うように構成しても、第1の実施形態と同様、コマンド送信機68により特定の演出態様に対応する演出抽選用乱数値を指定する強制指定コマンドを送信することにより、演出態様の抽選に関する基本的制御内容を変更することなく、特定の演出態様を効率的に出現させることが可能である。
【0075】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では複数種類の予告演出の組み合わせを規定する予告演出グループを複数種類設け、それら予告演出グループを予告演出グループ選択乱数値を用いた抽選により選択するように構成したが、必ずしも予告演出グループを複数設ける必要はない。予告演出グループが1つのみの場合には、予告演出グループの抽選を行う必要がないため、予告演出選択乱数値のみを演出選択用乱数値とし、強制指定コマンドによる乱数値指定の対象とすればよい。
【0076】
実施形態のように複数種類の予告演出の組み合わせを規定する予告演出グループを複数種類設ける場合、例えば予告演出選択乱数値のみを強制指定コマンドによる乱数値指定の対象とし、予告演出グループ選択乱数値は強制指定コマンドによる乱数値指定の対象としなくてもよい。
【0077】
また、予告演出グループよりも更に上位に例えば複数種類のモードを設け、そのモード毎に異なる予告演出グループ選択テーブル(図8)を設けてもよい。この場合、例えばモードの変更を乱数抽選により決定する場合には、そのモード選択用乱数値についても強制指定コマンドによる乱数値指定の対象としてもよい。
【0078】
第1の実施形態の場合、演出選択用乱数値の取得・格納処理(図4のS3)は、演出図柄の変動開始時に行えばよく、例えば保留個数減算コマンドの受信時処理で演出選択用乱数値の取得・格納処理を行ってもよい。
【0079】
主制御基板31と演出制御基板32との間にコマンド送信手段68を配置し、コマンド送信手段68は、主制御基板31から受信した変動パターンコマンド、図柄指定コマンド等のコマンドをそのまま演出制御基板32に送信すると共に、主制御基板31から受信した変動パターンコマンド等のタイミングに基づいて強制指定コマンドを出力するように構成してもよい。この場合、開発中にデバッグ作業を行う場合など、特定の予告演出を出現させたい場合には、主制御基板31と演出制御基板32とを接続しているハーネス69を取り外して代わりにコマンド送信手段68を主制御基板31と演出制御基板32との間に接続すればよい。
【0080】
また実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機等の他の弾球遊技機を含め、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0081】
25 演出図柄表示手段(図柄表示手段)
31 主制御基板
32 演出制御基板
63 コマンド受信手段
65 演出図柄制御手段(演出制御手段,図柄制御手段)
66 乱数作成処理手段
67 コネクタ(接続部)
68 コマンド送信機(コマンド送信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄を変動表示可能な図柄表示手段と、演出制御基板上に設けられ且つ主制御基板から送信される図柄変動制御コマンドに基づいて前記図柄表示手段による図柄変動の表示制御を行う図柄制御手段と、前記演出制御基板上に設けられ且つ前記図柄変動に関する演出を制御する演出制御手段とを備え、前記演出制御手段は、前記図柄表示手段による図柄変動における演出態様を所定の演出選択用乱数を用いた抽選により選択するように構成されている遊技機において、前記演出制御基板に、所定のコマンド送信手段からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段を設け、前記演出制御手段は、任意の前記演出態様に対応する前記演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドを前記コマンド受信手段により受信した場合には、その強制指定コマンドで指定された値を前記演出選択用乱数値として前記抽選を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、前記強制指定コマンドを受信した場合には、既に乱数作成処理手段から取得した前記演出選択用乱数値を前記強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えて前記抽選を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記主制御基板は、前記図柄表示手段の変動開始に際して、前記図柄変動制御コマンドを構成する第1コマンドと第2コマンドとをその順序で前記演出制御基板に送信するように構成され、前記図柄制御手段は、前記第1コマンドと前記第2コマンドとをその順序で受信することを条件に前記図柄表示手段による図柄変動を開始させるように構成され、前記演出制御手段は、前記第1コマンドを受信することを条件に前記乱数作成処理手段から前記演出選択用乱数値を取得し、前記第2コマンドを受信することを条件に前記演出選択用乱数値を用いた前記抽選を行い、前記第1コマンドと第2コマンドとの間に前記強制指定コマンドを受信することを条件に、既に取得した前記演出選択用乱数値をその強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、前記第1コマンドを受信してから所定時間が経過するまでの間に受信した前記強制指定コマンドのみを有効として前記演出選択用乱数値の書き換えを行うように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記演出制御手段は、前記強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段から乱数値を取得して前記抽選を行い、前記強制指定コマンドで乱数値が指定された前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて前記抽選を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出制御基板は、前記主制御基板と、当該遊技機とは別の前記コマンド送信手段とを択一的に接続可能な接続部を備え、前記コマンド受信手段は前記コマンド送信手段から前記接続部を介して前記強制指定コマンドを受信可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記主制御基板は前記強制指定コマンドの送信機能を有していないことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記強制指定コマンドにより、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値に関連付けられたコード番号を指定するように構成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記強制指定コマンドにより、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値を直接指定するように構成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の遊技機。
【請求項1】
図柄を変動表示可能な図柄表示手段と、演出制御基板上に設けられ且つ主制御基板から送信される図柄変動制御コマンドに基づいて前記図柄表示手段による図柄変動の表示制御を行う図柄制御手段と、前記演出制御基板上に設けられ且つ前記図柄変動に関する演出を制御する演出制御手段とを備え、前記演出制御手段は、前記図柄表示手段による図柄変動における演出態様を所定の演出選択用乱数を用いた抽選により選択するように構成されている遊技機において、前記演出制御基板に、所定のコマンド送信手段からのコマンドを受信可能なコマンド受信手段を設け、前記演出制御手段は、任意の前記演出態様に対応する前記演出選択用乱数の値を指定する強制指定コマンドを前記コマンド受信手段により受信した場合には、その強制指定コマンドで指定された値を前記演出選択用乱数値として前記抽選を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、前記強制指定コマンドを受信した場合には、既に乱数作成処理手段から取得した前記演出選択用乱数値を前記強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えて前記抽選を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記主制御基板は、前記図柄表示手段の変動開始に際して、前記図柄変動制御コマンドを構成する第1コマンドと第2コマンドとをその順序で前記演出制御基板に送信するように構成され、前記図柄制御手段は、前記第1コマンドと前記第2コマンドとをその順序で受信することを条件に前記図柄表示手段による図柄変動を開始させるように構成され、前記演出制御手段は、前記第1コマンドを受信することを条件に前記乱数作成処理手段から前記演出選択用乱数値を取得し、前記第2コマンドを受信することを条件に前記演出選択用乱数値を用いた前記抽選を行い、前記第1コマンドと第2コマンドとの間に前記強制指定コマンドを受信することを条件に、既に取得した前記演出選択用乱数値をその強制指定コマンドで指定された乱数値に書き換えるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、前記第1コマンドを受信してから所定時間が経過するまでの間に受信した前記強制指定コマンドのみを有効として前記演出選択用乱数値の書き換えを行うように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記演出制御手段は、前記強制指定コマンドで乱数値が指定されなかった前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段から乱数値を取得して前記抽選を行い、前記強制指定コマンドで乱数値が指定された前記演出選択用乱数については乱数作成処理手段から乱数値を取得することなくその強制指定コマンドで指定された乱数値を用いて前記抽選を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出制御基板は、前記主制御基板と、当該遊技機とは別の前記コマンド送信手段とを択一的に接続可能な接続部を備え、前記コマンド受信手段は前記コマンド送信手段から前記接続部を介して前記強制指定コマンドを受信可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記主制御基板は前記強制指定コマンドの送信機能を有していないことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記強制指定コマンドにより、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値に関連付けられたコード番号を指定するように構成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記強制指定コマンドにより、前記特定の演出態様に対応する前記演出選択用乱数値を直接指定するように構成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−45280(P2012−45280A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192082(P2010−192082)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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