説明

遊技機

【課題】1個の検出スイッチにより二つの部材が接近状態にあるか否か、例えば遊技機本体に対して前枠及び開閉扉が閉状態にあるか否かを検出できるようにする。
【解決手段】前枠3に付勢位置と押圧位置Bとの間で前後方向に移動自在に設けられた検出スイッチ25と、検出スイッチ25を付勢位置へと付勢する付勢手段と、開閉扉13又は遊技機本体1に設けられ且つ開閉扉13又は前枠3を閉じたときに検出スイッチ25を付勢手段に抗して押圧位置Bへと押圧する押圧部30とを備え、検出スイッチ25は前枠3又は開閉扉13を閉じたときにも、検出スイッチ25が付勢位置Aにあるときには遊技機本体1又は開閉扉13を感知せず、押圧位置Bにあるときに遊技機本体1又は開閉扉13を感知する感知子31を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機等の遊技機に関し、1個の検出スイッチを使用してその両側にある二つの部材の接近、離間の状況を検出できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機、例えばパチンコ機等の弾球遊技機は、遊技機本体を構成する外枠に、遊技盤を有する前枠をヒンジを介して開閉自在に装着し、この前枠の前側に、遊技盤の遊技領域を視認可能に覆うガラス扉等の開閉扉を配置している。
【0003】
この種の弾球遊技機では、従来から開閉扉の開放を検出する検出スイッチを設け、開閉扉が開放した場合には、その検出スイッチで検出して管理用のコンピュータに開放信号を送信して、遊技者等による開閉扉の不正な開放を監視するようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−223700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来はヒンジの近傍で前枠の前面又は開閉扉の裏面に検出スイッチを取り付けている。従って、開閉扉を開放すれば、この検出スイッチでその開放を検出することはできる。
【0006】
従来の検出スイッチでは、開閉扉の開放は検出できるものの、前枠の開放を検出することはできない。このため遊技者等による前枠の不正な開放を検出するためには、前枠検出用の検出スイッチを別途設ける必要があり、2個の検出スイッチを必要とする等、構造的に複雑になるという欠点がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、1個の検出スイッチにより二つの部材が接近状態にあるか否か、例えば遊技機本体に対して前枠及び開閉扉が閉状態にあるか否かを検出できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1部材3と、該第1部材3を挟んでその両側に遠近方向に相対移動自在に配置された第2部材1及び第3部材13とを備えた遊技機において、前記第1部材3に、前記第2部材1と前記第3部材13との一方の部材13,1側へと付勢され且つ前記第1部材3と前記一方の部材13,1とが接近状態にあるときに該一方の部材13,1により前記第1部材3側へと押圧される検出スイッチ25を備え、該検出スイッチ25は前記一方の部材13,1による押圧状態のときに、該第1部材3に接近状態にある、前記第2部材1と前記第3部材13との他方の部材1,13を感知し、それ以外のときに前記他方の部材1,13を感知しない感知子31を有するものである。
【0009】
別の本発明は、遊技機本体1の前側に、遊技部を有する前枠3を開閉自在に配置し、該前枠3の前側に前記遊技部を視認可能に覆う開閉扉13を備えた遊技機において、前記前枠3に付勢位置Aと押圧位置Bとの間で前後方向に移動自在に設けられた検出スイッチ25と、該検出スイッチ25を前記付勢位置Aへと付勢する付勢手段29と、前記開閉扉13又は前記遊技機本体1に設けられ且つ前記開閉扉13又は前記前枠3を閉じたときに前記検出スイッチ25を前記付勢手段29に抗して前記押圧位置Bへと押圧する押圧部30とを備え、前記検出スイッチ25は前記前枠3又は前記開閉扉13を閉じたときにも、該検出スイッチ25が前記付勢位置Aにあるときには前記遊技機本体1又は前記開閉扉13を感知せず、前記押圧位置Bにあるときに前記遊技機本体1又は前記開閉扉13を感知する感知子31を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、1個の検出スイッチにより二つの部材が接近状態にあるか否か、例えば遊技機本体に対して前枠及び開閉扉が閉状態にあるか否かを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施例を示すパチンコ機の斜視図である。
【図2】同横断面図である。
【図3】同前枠の上部の正面図である。
【図4】同開閉扉の斜視図である。
【図5】同パチンコ機の縦断面図である。
【図6】同開閉検出装置の平面断面図である。
【図7】同開閉検出装置の一部破断分解斜視図である。
【図8】同開閉検出装置の分解平面断面図である。
【図9】同開閉検出装置の動作説明図である。
【図10】同開閉検出装置の動作説明図である。
【図11】同ブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施例を示す開閉検出装置の平面断面図である。
【図13】同開閉検出装置の動作説明図である。
【図14】同開閉検出装置の動作説明図である。
【図15】本発明の第3の実施例を示す開閉検出装置の平面断面図である。
【図16】同開閉検出装置の動作説明図である。
【図17】同開閉検出装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図11は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施例を例示している。図1〜図5において、1は遊技機本体を構成する矩形状の外枠(第2部材)であり、この外枠1の前側に左右方向の一端側の上下一対のヒンジ2により前枠(第1部材)3が開閉自在に装着されている。外枠1は左右一対の縦枠材4と、その上下両端を左右に連結する上下一対の横枠材5とを備えている。
【0013】
前枠3は矩形状であって、左右両側及び上側に外枠1の前面に対応して形成された側縁部6及び上縁部7と、外枠1内に嵌合する嵌合胴部8とを有し、各縁部6,7が外枠1に対して前側から当接する閉状態で、ヒンジ2と反対側の施錠手段により外枠1に施錠されている。嵌合胴部8内には遊技盤装着部9が形成され、その遊技盤装着部9に前側から遊技盤10が着脱自在に嵌合し装着されている。
【0014】
嵌合胴部8の裏側には、遊技盤10を裏側から覆う裏カバー11が着脱自在に装着されている。また遊技盤10の前面には遊技領域へと遊技球を案内するガイドレール12が装着されると共に、その遊技領域に図柄表示手段、入賞手段等の遊技部品(図示省略)が配置されている。なお、遊技盤10により遊技部が構成されている。
【0015】
前枠3の前側には、遊技領域を透視可能に遊技盤10を前側から覆うガラス扉等の開閉扉(第3部材)13と、この開閉扉13の下側に配置された前面扉14とが前枠3用のヒンジ2と同一側のヒンジ15により開閉自在に装着されている。各ヒンジ2,15は略同一軸心廻りに前枠3、開閉扉13、前面扉14を開閉するようになっている。
【0016】
開閉扉13は遊技領域に対応する窓孔を有する扉枠16と、この扉枠16に裏側から着脱自在に装着されたガラスユニット17とを備えている。扉枠16は枠板18と、この枠板18の前面に装着された化粧カバー19と、枠板18の裏側に装着された板金製の補強板20とを有する。ガラスユニット17は前後2枚のガラス板21と、この2枚のガラス板21を外周で保持する保持枠22とを有する。
【0017】
前面扉14は前枠3の下部に配置された遊技球の発射手段等を前側から覆うもので、発射用の遊技球を貯留する供給皿23、発射手段を作動させる発射ハンドル24等が前側に設けられている。なお、開閉扉13、前面扉14は、ヒンジ15と反対側の施錠手段により、前枠3の前面に当接する閉状態で施錠されている。
【0018】
外枠1、前枠3、開閉扉13は、ヒンジ2,15を支点として前後方向(遠近方向)に相対移動自在であり、これらの上部側には、前枠3及び開閉扉13の少なくとも一つが開状態にあるか、全てが閉状態にあるかを1個の検出スイッチ25により検出可能な開閉検出装置26が設けられている。
【0019】
この開閉検出装置26は、図5〜図10に示すように前枠3の上縁部7に左右一対の案内手段27を介して前側の付勢位置A(図9参照)と後側の押圧位置B(図6、図10参照)との間で前後方向に移動自在に設けられた支持台28と、この支持台28に着脱自在に固定された検出スイッチ25と、各案内手段27側に設けられ且つ支持台28を付勢位置Aへと付勢する付勢手段29と、開閉扉13に設けられ且つ開閉扉13を前枠3側に閉じたときに支持台28を付勢手段29に抗して押圧位置Bへと押圧する押圧部30とを備えている。
【0020】
検出スイッチ25は後方に突出して外枠1を感知するための接触式の感知子31を有し、感知子31は前枠3を開いた状態では外枠1を感知せず、前枠3を閉じた場合でも、支持台28、検出スイッチ25が付勢位置Aにあるときには外枠1を感知せず、支持台28、検出スイッチ25が押圧位置Bにあるときに外枠1を感知するように構成されている。なお、検出スイッチ25は感知子31が外枠1を感知しないときにオン信号等の開信号を、感知したときに閉信号を夫々出力するようになっている。
【0021】
前枠3の上縁部7は上下2枚の横板部32と、この横板部32の後端又は中間を上下に連結する縦板部33とを有し、その左右方向の略中央部に、上下2枚の横板部32の延長上で後方に突出する矩形筒状の保護部34が設けられている。保護部34には前後方向の中間で且つ上縁部7の縦板部33よりも後方に突出する位置に取り付け部35が一体に設けられ、この保護部34内で取り付け部35に案内手段27、支持台28、付勢手段29、検出スイッチ25、カバー36等が組み込まれている。
【0022】
検出スイッチ25は本体部37と、この本体部37から出退自在に突出する感知子31と、本体部37内に設けられ且つ感知子31を保護部34の後端から後方へと突出方向に付勢するバネ38と、本体部37の感知子31と反対側に設けられたコネクタ39とを有し、支持台28に着脱自在に取り付けられている。本体部37には、その感知子31側に鍔部40が、左右両側に弾性片41が夫々設けられている。
【0023】
支持台28は前側が開口する箱状に形成され且つ内部に検出スイッチ25を収容する収容部42と、この収容部42の左右両側に設けられた被案内部43とを有し、収容部42の前面に当接してその内部の検出スイッチ25を前側から覆うカバー36が装着されている。収容部42の後端壁62には取り付け孔44と係合孔45とが形成されている。
【0024】
検出スイッチ25は、本体部37が後端壁62の取り付け孔44に後側から挿入され、鍔部40が後端壁62に当接した状態で弾性片41により後壁に着脱自在に固定されている。検出スイッチ25の感知子31は支持台28、後端壁62から後方に突出している。
【0025】
カバー36は後側が開口する箱状に構成され、収容部42内に挿入されて係合孔45に係脱自在に係合する左右一対の係合爪46により、支持台28に着脱自在に装着されている。カバー36の前面は押圧部30により押圧される被押圧部47となっている。
【0026】
案内手段27は開口部48の左右両側に設けられており、取り付け部35から前側に突出する案内突起49を有する。案内突起49は支持台28の被案内部43に前後方向に摺動自在に挿通されており、この案内突起49の後端に抜け止め部用のネジ50により着脱自在に固定されている。被案内部43は有底円筒状であり、この被案内部43と取り付け部35との間に付勢手段29が介在されている。付勢手段29は圧縮コイルバネ等の付勢バネ51から成り、案内突起49に套嵌されている。
【0027】
カバー36の被押圧部47は上縁部7の前端よりも後側に入っている。従って、案内手段27、支持台28、検出スイッチ25、カバー36は上縁部7の前後幅内に収まっており、その上下の横板部32により保護されている。
【0028】
押圧部30は開閉扉13の被押圧部47に対向して開閉扉13の後端から後方へと突出する突起により構成されている。なお、押圧部30は開閉扉13の枠板18と一体に形成され、補強板20の孔を貫通して後側に突出している。
【0029】
外枠1の上側の横枠材5には、前枠3側の保護部34に対応して、後側へと凹入する凹入部52が切欠き形成されており、前枠3を閉じたときにその保護部34が凹入部52に入るようになっている。凹入部52内には感知子31が接触する被感知部53が平坦状に形成されている。
【0030】
検出スイッチ25は図11に示すように払い出し制御基板54を経由して主制御基板55、枠用外部接続端子56等に接続されている。払い出し制御基板54は遊技球を払い出す払い出し手段を制御するためのものである。主制御基板55は遊技盤10側の遊技動作を制御するためのものであり、検出スイッチ25から前枠3、開閉扉13の開放を検出する開信号があったときに演出制御基板57へと報知指令を出すようになっている。
【0031】
演出制御基板57は報知指令があったときに、ランプ、スピーカ等の報知手段58により、その開放を報知するようになっている。枠用外部接続端子56は検出スイッチ25から前枠3、開閉扉13の開放を検出する開信号があったときに外部の管理用コンピュータ等の管理装置59へと開信号を送信するようになっている。
【0032】
このような構成にすれば、1個の検出スイッチ25により前枠3、開閉扉13の開閉を検出することができ、構造を簡素化できる利点がある。即ち、前枠3、開閉扉13が閉状態の場合には、前枠3の外周部が外枠1の前面に、開閉扉13の外周部が前枠3の前面に夫々当接している。
【0033】
この状態では図6に示すように、開閉扉13の押圧部30が支持台28のカバー36の被押圧部47に当接し、支持台28を付勢バネ51に抗して前側に押圧し、支持台28、検出スイッチ25が押圧位置Bにある。このため検出スイッチ25の感知子31が外枠1の被感知部53に接触して外枠1を感知している。そして、検出スイッチ25から前枠3、開閉扉13が共に閉状態にある旨の閉信号を主制御基板55、枠用外部接続端子56へと送信する。
【0034】
前枠3を外枠1に対して閉じた閉状態において、開閉扉13をヒンジ2廻りに開放すると、図9に示すように開閉扉13が前枠3から前側へと離間して、前枠3と開閉扉13との間に隙間ができ押圧部30が開閉扉13の被押圧部47から前側へと離れる。そして、支持台28、検出スイッチ25が付勢バネ51の付勢力によって、案内突起49に沿って押圧位置Bから付勢位置Aへと移動し、検出スイッチ25の感知子31がバネ38によって押し戻されながらも外枠1の被感知部53から離れるため、検出スイッチ25が開閉扉13の開放を検出する。
【0035】
また開閉扉13を前枠3に対して閉じた閉状態において、前枠3をヒンジ2廻りに開放すると、図10に示すように前枠3が外枠1から前側へと離間して、外枠1と前枠3との間に隙間ができる。そして、支持台28が開閉扉13の押圧部30により押圧されて押圧位置Bにあるにも拘わらず、検出スイッチ25の感知子31が外枠1の被感知部53から離れてバネ38によって押し戻されるため、検出スイッチ25が前枠3の開放を検出する。
【0036】
検出スイッチ25が前枠3、開閉扉13の開放を検出すると、そのオン信号等の開信号を払い出し制御基板54を経由して、主制御基板55、枠用外部接続端子56へと送信する。そして、主制御基板55から演出制御基板57へと報知信号が送られ、ランプ等の報知手段58により、前枠3又は開閉扉13の開放を報知する。一方、枠用外部接続端子56から管理装置59へと開信号が送信されるので、管理装置59側でも前枠3、開閉扉13の開放を把握できる。
【0037】
従って、遊技者が前枠3又は開閉扉13を不正に開放する不正行為があれば、1個の検出スイッチ25により、その開放を確実に検出できる。そして、その事実を報知手段58により報知できると共に、管理装置59側でも管理できる。
【0038】
また支持台28に検出スイッチ25を設ける一方、この支持台28を一対の案内手段27により移動自在に支持し、開閉扉13の押圧部30により支持台28を介して検出スイッチ25を押圧する構成を採用しているため、検出スイッチ25を円滑に案内できると共に、検出スイッチ25に無理な機械的負荷がかかるようなこともない。
【0039】
前枠3に外枠1側へと突出する保護部34を設け、この保護部34の前側に案内手段27、支持台28、付勢手段29、検出スイッチ25を組み込むと共に、前枠3を閉じたときに保護部34が入る凹入部52を外枠1に設け、押圧部30を開閉扉13から突出して設けているため、前枠3の前後方向の寸法を小さく抑えつつ、保護部34により案内手段27、支持台28、検出スイッチ25等を保護できる。
【0040】
保護部34内の取り付け部35から前側に突出して支持台28の被案内部43に摺動自在に挿通された案内突起49により案内手段27を構成し、取り付け部35と支持台28の被案内部43との間に付勢バネ51を設けているため、簡単な構造で支持台28を確実に案内することができる。
【0041】
また検出スイッチ25を支持台28の収容部42に収容し、この収容部42内の検出スイッチ25を覆うことにより、検出スイッチ25を確実に保護でき、しかも検出スイッチ25に関係なく最適位置を押圧部30により押圧できる。
【0042】
図12〜図14は本発明の第2の実施例を例示する。この実施例では、保護部34の前端側で且つ上下の横板部32間に取り付け部35が設けられ、保護部34内の取り付け部35の後側に案内手段27、付勢手段29、支持台28、検出スイッチ25、カバー36等が逆向きに組み込まれている。
【0043】
カバー36は球面状その他の形状に構成された被押圧部47を有し、その被押圧部47が外枠1の凹入部52内の押圧部30により押圧されるようになっている。また検出スイッチ25の感知子31は上下の横板部32間で前側に突出し、開閉扉13から後側に突出する突部63の後端の被感知部53を感知するようにしている。
【0044】
この場合には前枠3、開閉扉13の閉状態では、図12に示すようにカバー36の被押圧部47が外枠1の押圧部30により付勢バネ51に抗して押圧されて、支持台28、検出スイッチ25が押圧位置Bにあり、検出スイッチ25の感知子31が開閉扉13の被感知部53を感知している。
【0045】
前枠3の閉状態で開閉扉13をヒンジ2廻りに開放すると、図13に示すように開閉扉13が前枠3から前側へと離間して、前枠3と開閉扉13との間に隙間ができ感知子31が開閉扉13の被感知部53から前側へと離れる。このため支持台28が外枠1の押圧部30により押圧されて押圧位置Bにあるにも拘わらず、検出スイッチ25の感知子31が開閉扉13の被感知部53から離れて、検出スイッチ25が前枠3の開放を検出する。
【0046】
開閉扉13の閉状態で前枠3をヒンジ2廻りに開放すると、図14に示すように前枠3が外枠1から前側へと離間して、外枠1と前枠3との間に隙間ができるため、支持台28、検出スイッチ25が付勢バネ51の付勢力によって押圧位置Bから付勢位置Aへと移動し、検出スイッチ25の感知子31が開閉扉13の被感知部53から離れることになり、検出スイッチ25が前枠3の開放を検出する。
【0047】
図15〜図17は本発明の第3の実施例を例示し、非接触式の検出スイッチ25を採用したものである。検出スイッチ25は、発光素子60とその光を受光する受光素子61とにより構成された感知子31を有し、外枠1の凹入部52側に、発光素子60から受光素子61への光を遮断可能な板状その他の被感知部53が設けられている。感知子31は、発光素子60、受光素子61以外の素子を利用した近接スイッチでもよい。
【0048】
このような場合にも、前枠3、開閉扉13が閉状態であれば、図15に示すように感知子31の発光素子60と受光素子61との間に被感知部53が進入するため、感知子31がその被感知部53を感知し、検出スイッチ25が閉信号を出力する。
【0049】
前枠3の閉状態で開閉扉13が開放すると、図16に示すように支持台28が付勢バネ51により付勢位置Aへと移動する。また開閉扉13の閉状態で前枠3が開放すると、図17に示すように支持台28が外枠1から前側に離間する。
【0050】
このため共に被感知部53が感知子31の発光素子60と受光素子61との間から後方に外れて、受光素子61が発光素子60からの光を受光することになり、検出スイッチ25が前枠3、開閉扉13の開放を検出して開信号を出力する。
【0051】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。各実施例では、外枠1に対して前枠3を開閉自在に装着し、前枠3に開閉扉13を開閉自在に装着したパチンコ機等の弾球遊技機を例示しているが、外枠1、前枠3及び開閉扉13以外の箇所でも同様に実施可能である。また筐体等の遊技機本体に前枠3を開閉自在に装着し、この前枠3に開閉扉13を開閉自在に装着したスロットマシン等の遊技機にも採用可能である。
【0052】
検出スイッチ25、保護部34等は前枠3の上部に限定されるものではなく、前枠3の側部や下部等の所定位置に設けるようにしてもよい。例えば、ヒンジ2とは反対側である錠側の側部に検出スイッチ25等を設けた場合には、前枠3、開閉扉13の開放状態を効果的に検出することができる。
【0053】
更に遊技機本体、前枠3、開閉扉13の三者の関係では、前枠3、開閉扉13がヒンジ2,15廻りに開閉するが、例えば、遊技盤10の裏側に、遊技部品を内側から覆う保護カバーをヒンジ2により開閉自在に装着し、この保護カバーの点検窓を塞ぐカバーをヒンジにより開閉扉13に枢着した箇所等に採用してもよい。
【0054】
また中間の第1部材の両側に第2部材と第3部材とが遠近方向に移動自在に配置された構造でも、その第1部材に検出スイッチ25、支持台28等を設けることにより同様に実施可能である。検出スイッチ25の本体部37を案内手段27により移動自在に設け、支持台28を省略してもよい。また案内手段27、支持台28は他の構造でもよい。付勢手段29は他のバネにより構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 外枠(遊技機本体、第2部材)
3 前枠(第1部材)
13 開閉扉(第3部材)
25 検出スイッチ
27 案内手段
28 支持台
29 付勢手段
30 押圧部
31 感知子
34 保護部
35 取り付け部
36 カバー
42 収容部
43 被案内部
47 被押圧部
49 案内突起
51 不正バネ
52 凹入部
A 付勢位置
B 押圧位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材(3)と、該第1部材(3)を挟んでその両側に遠近方向に相対移動自在に配置された第2部材(1)及び第3部材(13)とを備えた遊技機において、前記第1部材(3)に、前記第2部材(1)と前記第3部材(13)との一方の部材(13)(1)側へと付勢され且つ前記第1部材(3)と前記一方の部材(13)(1)とが接近状態にあるときに該一方の部材(13)(1)により前記第1部材(3)側へと押圧される検出スイッチ(25)を備え、該検出スイッチ(25)は前記一方の部材(13)(1)による押圧状態のときに、該第1部材(3)に接近状態にある、前記第2部材(1)と前記第3部材(13)との他方の部材(1)(13)を感知し、それ以外のときに前記他方の部材(1)(13)を感知しない感知子(31)を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技機本体(1)の前側に、遊技部を有する前枠(3)を開閉自在に配置し、該前枠(3)の前側に前記遊技部を視認可能に覆う開閉扉(13)を備えた遊技機において、前記前枠(3)に付勢位置(A)と押圧位置(B)との間で前後方向に移動自在に設けられた検出スイッチ(25)と、該検出スイッチ(25)を前記付勢位置(A)へと付勢する付勢手段(29)と、前記開閉扉(13)又は前記遊技機本体(1)に設けられ且つ前記開閉扉(13)又は前記前枠(3)を閉じたときに前記検出スイッチ(25)を前記付勢手段(29)に抗して前記押圧位置(B)へと押圧する押圧部(30)とを備え、前記検出スイッチ(25)は前記前枠(3)又は前記開閉扉(13)を閉じたときにも、該検出スイッチ(25)が前記付勢位置(A)にあるときには前記遊技機本体(1)又は前記開閉扉(13)を感知せず、前記押圧位置(B)にあるときに前記遊技機本体(1)又は前記開閉扉(13)を感知する感知子(31)を有することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記前枠(3)に一対の案内手段(27)を介して前記付勢位置(A)と前記押圧位置(B)との間で移動自在な支持台(28)を設け、該支持台(28)に前記検出スイッチ(25)を設け、前記開閉扉(13)に、前記支持台(28)を介して前記検出スイッチ(25)を押圧する前記押圧部(30)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記前枠(3)の所定位置に、前記遊技機本体(1)側へと後側に突出する保護部(34)を設け、該保護部(34)内に前記案内手段(27)及び前記支持台(28)を介して前記検出スイッチ(25)を組み込み、前記遊技機本体(1)の所定位置に、前記前枠(3)を閉じたときに前記保護部(34)が入る凹入部(52)を設け、前記開閉扉(13)から突出する前記押圧部(30)を設けたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記案内手段(27)は前記保護部(34)内で取り付け部(35)に前後方向に設けられ且つ前記支持台(28)の被案内部(43)に摺動自在に挿通された案内突起(49)を有し、前記取り付け部(35)と前記被案内部(43)との間に付勢バネ(51)を設けたことを特徴とする請求項2又は4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記支持台(28)は前記検出スイッチ(25)を収容する収容部(42)を有し、該支持台(28)に、前記検出スイッチ(25)を覆うカバー(36)を装着し、該カバー(36)に前記押圧部(30)により押圧される被押圧部(47)を設けたことを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−86045(P2012−86045A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−283682(P2011−283682)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2010−45456(P2010−45456)の分割
【原出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】