説明

遊技機

【課題】 新たな部品を追加することなく、配線ケーブルを拘束することで、コストの低減を図るとともに、部品を着脱することなく挿抜可能としながら、配線ケーブルを確実に拘束する遊技機を提供する。
【解決手段】 外周面に複数の図柄が表されたリールと、リールを回転駆動させるモータ43と、リールの回転位置を検出するセンサ44と、図柄を照明する照明ユニットと、これらを支持するベース体42と、を有するリールモジュールを備える遊技機であって、ベース体42は、モータ43、照明ユニット及びセンサ44にそれぞれ接続される配線ケーブルKを拘束する拘束構造(4811,4812、480)を有し、拘束構造は、ベース体42に一体成形された構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面に図柄の表されたリールを備える遊技機に関し、特に、リールに絡まないように配線ケーブルを拘束させる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン、パチンコ機などの遊技機には、外周面に図柄の表された複数のリールの収納されたリールユニットを備えるものがある。
例えば、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダル(コイン)や遊技球(パチンコ球)を投入してスタートレバーを押下操作することにより、外周面に所定の絵柄や数字,文字等の図柄が表された複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止したリール上の図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体が払い出されるように構成され、このような複数のリールは、一体的にユニット化されたリールユニットに収納されている。
【0003】
リールユニットには、通常、リールと、リールを回転駆動させるモータと、リールの回転位置を検出するセンサと、リールに表された図柄を照明する照明ユニットと、これらを支持するベース体とを備えるリールモジュールが、水平方向に積層された状態で複数収納されている。また、複数のリールモジュールを収納する収納ラックには、各リールモジュールから引き出される配線ケーブルと接続されるコネクタの実装された基板が装着されている。
【0004】
このような配線ケーブルは、弛んだ状態のまま配線されると、リールに絡まるおそれがあることから、所々で拘束されながら、リールモジュールから引き出されるようになっている。
例えば、特許文献1には、配線ケーブルを、ベース体と所定の基板との間に拘束する発明が提案されている。これにより、配線ケーブルの弛みが解消され、リールとの干渉を避けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−049022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1のように、部品によって配線ケーブルを拘束すると、配線ケーブルを交換したいときなどのメンテナンスを行うときには、部品を取り外さなければならないため、作業効率を低下させていた。
また、配線ケーブルをモータなどの必須の構成部品によって拘束することになると、配線ケーブルを引き回す自由度が狭くなることから、配線の引出部までの配線経路を確保するために、配線ケーブルを必要以上に長くしなければならなかった。
また、配線の引き回し自由度を向上すべく配線ケーブルを拘束するための新たな部品を設けることもできるが、いずれの場合でもコストの上昇は避けられなかった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために提案されたもので、新たな部品を追加することなく、配線ケーブルを拘束する拘束構造をベース体に一体形成することで、コストの低減を図るとともに、部品を着脱することなく挿抜可能としながら、配線ケーブルを確実に拘束する遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、外周面に複数の図柄が表されたリールと、前記リールを回転駆動させるモータと、前記リールの回転位置を検出するセンサと、前記図柄を照明する照明ユニットと、これらを支持するベース体と、を有するリールモジュールを備える遊技機であって、前記ベース体は、前記モータ、前記照明ユニット及び前記センサにそれぞれ接続される配線ケーブルのうちの少なくとも一の配線ケーブルを拘束する拘束構造を有し、前記拘束構造は、前記ベース体に一体成形された構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る遊技機によれば、新たな部品を追加することなく、配線ケーブルを拘束することで、コストの低減を図るとともに、部品を着脱することなく挿抜可能としながら、配線ケーブルを確実に拘束することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】遊技機の概略正面図である。
【図2】遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【図3】リールユニットの外観斜視図を示し、(a)は、前方から見た斜視図であり、(b)は、後方から見た斜視図である。
【図4】リールユニットの分解斜視図である。
【図5】リールモジュールの分解斜視図である。
【図6】拘束構造をベース体の正面側から見た外観斜視図である。
【図7】拘束構造をベース体の背面側から見た外観斜視図である。
【図8】拘束構造を示し、(a)は、ベース体の背面図であり、(b)は、A−A断面図であり、(c)は、B−B断面図であり、(d)は、A−A断面矢視図である。
【図9】配線ケーブルの拘束状態を示し、(a)は、ベース体の正面側から見た斜視図であり、(b)は、ベース体の背面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
リールユニットを備える遊技機には、スロットマシンをはじめ、パチンコ機など様々な種類があるが、本実施形態では、スロットマシンを実施例に挙げて説明する。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる一般的な回胴式遊技機であるものの、新たな部品を追加することなく、配線ケーブルの拘束構造をベース体に一体形成することで、コストの低減を図るとともに、部品の着脱を行うことなく挿抜可能としながら、配線ケーブルを確実に拘束するようになっている。
以下、このような作用効果を発揮する本実施形態に係るスロットマシン1の各部の構成について詳述する。
【0013】
[スロットマシン本体]
図1は、スロットマシンの外観を示す概略正面図、図2は、スロットマシンの内部構成を示す概略斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール41a,41b,41cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0014】
スロットマシン1は、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成され、内部には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部10、制御部10からの指令により、表示器8,スピーカ9,LED等のランプ類を制御する演出制御部20、及び必要な機械,装置等が収納されている。
【0015】
前扉1aは、図2に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る複数の操作手段が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0016】
操作手段としては、メダルが投入されるメダル投入口2と、装置内部にクレジットとして貯留されたメダルをゲームに投じるベットボタン2aと、各リール41a,41b,41cの回転を始動させるスタートレバー3と、回転している各リール41a,41b,41cを停止させる3つの停止ボタン5a,5b,5cなどが設けられている。
さらに、前扉1aには、各リール41a,41b,41cに表示された図柄を視認可能とする表示窓6が、各操作手段の上側に設けられている。また、前扉1a上部には、効果音等が出力されるスピーカ9が設けられている。
【0017】
筐体1bの中央には、リール41a,41b,41c備えるリールユニット4が設けられる。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置7が設けられる。メダル払出装置7には、メダルを貯留するホッパー7aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー7aに誘導されるようになっている。
【0018】
スロットマシン1では、上記の各操作手段からの信号やメダルセレクタ2bからの信号に基づき、制御部10が、リールユニット4、メダル払出装置7などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技が進行する。
【0019】
具体的には、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が制御部10に入力される。また、ベットボタン2aが操作された場合は、その検出信号が制御部10に入力される。制御部10は、これらの検出信号の入力数からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
ゲーム可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、制御部10は、リールユニット4に対して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
【0020】
さらに、制御部10は、スタートレバー3が操作されたときに、ボーナス役、小役、再遊技役、ハズレの複数の抽選対象の中から今回ゲームの当選対象を抽選する内部抽選を行い、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されたタイミングに基づき、抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
【0021】
また、制御部10は、各リール41a,41b,41cに停止表示される図柄の組合せを判定し、所定の図柄の組合せのときには、メダル払出装置7に対して所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
【0022】
このように構成されたスロットマシン1において、各リール41a,41b,41cを個別に回転可能に軸支しながら収納する装置がリールユニット4である。
以下、本実施形態に係るリールユニット4について詳述する。
【0023】
[リールユニット]
図3は、リールユニットの外観斜視図を示し、(a)は、前方から見た斜視図、(b)は、後方から見た斜視図であり、図4は、リールユニットの分解斜視図である。また、図5は、リールモジュールの分解斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るリールユニット4は、それぞれ一つずつリール41を有する三つのリールモジュール40(40a,40b,40c)と、これらを収納する収納ラック46と、基板ユニット47とを備え、各リール41をそれぞれ独立して回転制御可能に構成されている。
【0024】
本実施形態のリールモジュール40は、収納ラック46の左端に収納される左リールモジュール40aと、中央に収納される中リールモジュール40bと、右端に収納される右リールモジュール40cと、からなる三つのリールモジュールからなり、収納ラック46の開口部461から挿着されるようになっている。
リールモジュール40は、図5に示すように、リール41と、ベース体42と、モータ43(パルスモータ)と、光センサ44(フォトインタラプタ)と、照明ユニット45とから構成されている。
【0025】
リール41は、複数種類の図柄が表された帯状シート411と、帯状シート411を円筒状に保形する環状のリングフレーム412と、モータ43に軸支されつつその縁端で帯状シート411を円筒状に保形するホイールフレーム413とから構成されている。
リール41は、ネジ3を介して軸432に軸止されるホイールフレーム413がモータ43によって駆動されて回転するとともに、ホイールフレーム413に形成された遮光板が光センサ44の光路を遮ることで、その回転位置を検出できるようになっている。
【0026】
照明ユニット45は、帯状シート411と軸432との間に配置され、帯状シート411の後方から図柄を照らす発光装置であり、光源としてのLEDの実装されたLED基板452と、これを支持する基板ホルダー451から構成されている。
【0027】
ベース体42は、略板状に成形された合成樹脂からなり、モータ43と、光センサ44と、照明ユニット45の取り付け部となっている。
具体的には、図5に示すように、ベース体42には、その後方から挿入されるモータ43がネジ2を介して固定されるとともに、同じく後方から挿入されるセンサ44が所定の凹部に挿嵌されて固定されるようになっている。さらに、前方から照明ユニット45がネジ4を介して固定されるようになっている。つまり、ベース体42には、モータ43と、光センサ44と、照明ユニット45が固定されているので、モータ43に軸支されたリール41もベース体42が支えるようになっている。
このような構成から、ベース体42は、収納ラック46に収納された状態で、リールモジュール40を直立不動に支える支持部としても機能するようになっている。
【0028】
具体的には、収納ラック46には、図4に示すように、ベース体42の上端部421と下端部422をそれぞれ板厚方向から挟持するガイド溝462(462a、462b、462c)が、その内側上面と底面に形成され、ベース体42をこのガイド溝462に沿って挿入するとともに、ベース体42の上下に形成された固定部423においてネジ1を介して収納ラック46と固定することで、各リール41を回転自在としながらリールモジュール40を揺動不能に収納ラック46に固定することができるようになっている。
【0029】
また、ベース体42には、モータ43と、光センサ44と、照明ユニット45が固定されているので、モータ43からのモータ配線431と、光センサ44からのセンサ配線441と、LED基板452からのLED配線4521がベース体42に集結することになる。
そこで、ベース体42は、後述するように、本発明に係る拘束構造を備え、これらの配線をリールモジュール40ごとに一束の配線ケーブルK(Ka,Kb,Kc)として拘束させてから、基板ユニット47に向けて引き出すようなっている。
本実施形態では、収納ラック46の上面に基板ユニット47を配置したことから、配線ケーブルK(Ka,Kb,Kc)は、ベース体42の上端部421側から引き出されるとともに、各リール41に絡まないように、リール41の配置された面の反対側の面に沿って引き出されるようになっている。
【0030】
また、拘束構造により拘束された後、各リールモジュール40から引き出された配線ケーブルKが、その弛み等によりリールユニット4の前方に向けて倒れ込むことも考えられる。配線ケーブルKが、リールユニット4の前方に向けて倒れ込むとリール41に干渉することになり、リール41の回転・停止における位置精度が低下するおそれがある。
そこで、各リールモジュール40から引き出された配線ケーブルKが、確実に基板ユニット47に向けて上方に延びるように、ベース体42を収納ラック46に取り付けるに際してベース体42と収納ラック46との間に配線ケーブルKを挟み込むようになっている。
【0031】
具体的には、図4に示すように、収納ラック46の上面側に、配線ケーブルKa〜Kcを収納可能に開口部461周縁の一部を凹ませた配線引出部463a〜463cを凹設形成するとともに、ベース体42の固定部423に、各配線引出部463を覆うカバー部4231を突出形成することで、各カバー部4231と配線引出部463a〜463cとの間に配線ケーブルKを拘束するようになっている。
これにより、各リールモジュール40から引き出された配線ケーブルKが、リールユニット4の前方に向けて倒れ込むことがなくなり、配線ケーブルKを確実に基板ユニット47側に向けることができる。
【0032】
基板ユニット47は、図示しない中継基板と基板カバーとから構成されている。
中継基板は、所定の配線ケーブルを介して制御部10と演出制御部20と接続されるとともに、さらに、モータ配線431と、センサ配線441と、LED配線4521が接続されるようになっている。
【0033】
このような構成からなるリールユニット4において、ベース体42に形成された拘束構造により、配線ケーブルKとリール41との絡まりを防止するとともに、部品を着脱することなく挿抜可能としながら、配線ケーブルKを確実に拘束するようになっている。
以下、ベース体42について詳述する。
【0034】
図6は、拘束構造をベース体の正面側から見た外観斜視図、図7は、拘束構造をベース体の背面側から見た外観斜視図である。
また、図8は、拘束構造を示し、(a)は、ベース体の背面図、(b)は、A−A断面図、(c)は、B−B断面図、(d)は、A−A断面矢視図であり、図9は、配線ケーブルの拘束状態を示し、(a)は、ベース体の正面側から見た斜視図、(b)は、ベース体の背面側から見た斜視図である。
【0035】
本発明に係る拘束構造48は、ベース体42の上端部421側であって背面側に形成され、モータ配線431と、センサ配線441と、LED配線4521とを一箇所でまとめて拘束することにより、一束の配線ケーブルKとして上方に引き出し可能にしている。
具体的には、拘束構造48は、モータ配線431と、センサ配線441と、LED配線4521(以下、これらの配線を配線ケーブルKという)を、ベース体42の表面420(背面側)との間に拘束する拘束部481と、拘束部481に拘束された配線ケーブルKの拘束部481からの脱抜を阻止する凸部482とから構成されている。
【0036】
拘束部481は、立設部4811と、延出部4812とを有し、図8(c)に示すように、断面略L字状に形成されている。
立設部4811は、ベース体42の端部に配置され、ベース体42の背面側の表面420に対して垂直に立設するリブである。
【0037】
延出部4812は、ベース体42の表面420から離間して配置されるとともに(例えば、3mm)、立設部4811に片持ち支持され、ベース体42の表面420とほぼ平行に延出形成されている。
これにより、図8(c)に示すように、立設部4811と、隣接するベース体42の表面420と、延出部4812とで囲まれる略断面コの字状の拘束スペースS2が形成され、この拘束スペースS2に配線ケーブルKが拘束されることになる。
【0038】
また、延出部4812は、図8(c)に示すように、立設部4811に支持されない側が自由端4812aとなる、矢印の方向に弾性をもって撓む片持ち梁として形成してある。
これにより、拘束スペースS2への配線ケーブルKの挿入と、拘束スペースS2からの配線ケーブルKの脱抜を、挿入口S1を介して行うことができるとともに、挿抜に際して延出部4812が弾性変形することから、挿抜時の作業労力が軽減される。
【0039】
また、延出部4812には、ベース体42の表面420に向かって突出する鉤部4813が形成されている。
拘束スペースS2に拘束された配線ケーブルKは、この鉤部4813により脱抜が妨げられ、配線ケーブルKを抜けにくくすることができる。
特に、鉤部481は、立設部4811側には表面420と直交する垂直面4813bが形成されるものの、自由端4812a側には傾斜面4813aが形成されている。
これにより、拘束スペースS2からの配線ケーブルKの脱抜を妨げながら、拘束スペースS2への配線ケーブルKの挿入を容易にすることができる。
【0040】
さらに、拘束構造48は、拘束部481に拘束された配線ケーブルKの拘束部481からの脱抜を阻止する凸部482を備えている。
凸部482は、拘束部481に近接するベース体42の表面420に立設され(例えば、本実施形態では、拘束部481よりもさらに上端部421側)、延出部4812の延出する方向と直交する方向に沿って、鉤部4813と並んだ位置に形成されている(図8(a)、(d)参照)。
このように凸部482を、ベース体42の表面420に立設するとともに、延出部4812の延出する方向と直交する方向に沿って鉤部4813と並んだ位置に形成することにより、延出部4812の延出する方向と直交する方向に沿って形成される拘束スペースS2を確保しながら、凸部482が鉤部4813と行き違いに交差することになるため、拘束スペースS2からの配線ケーブルKの脱抜をより困難にすることができる。
特に、凸部482の頂面と鉤部4813の頂面とを、図8(d)中、上下方向(表面420に対して垂直方向)において、行き違いに交差するようにオーバーラップさせることにより、配線ケーブルKの脱抜をさらに困難にしてある。
また、配線ケーブルKを拘束スペースS2から脱抜する際には、図8(d)中、凸部482を一方の手で上方に押すとともに、配線ケーブルKを他方の手でつまみながら下方に引くことにより、凸部482と拘束部481の間に隙間を形成させて、配線ケーブルKを簡単に取り外すことができる。
【0041】
また、凸部482は、延出部4812の延出する方向の面側に傾斜面482aが形成されている。
これにより、挿入口S1から拘束スペースS2への配線ケーブルKの挿入を容易にすることができる。
一方、傾斜面482aと反対側の面を表面420と直交する垂直面482bとして形成することで、拘束スペースS2からの配線ケーブルKの脱抜を阻止するようになっている。
特に、垂直面482bは、図8(d)に示すように、鉤部481の垂直面4813bとほぼ同一の仮想平面上に位置するように配置されていることから、拘束スペースS2を確実に確保しながら、拘束スペースS2からの配線ケーブルKの脱抜をより強固に阻止するようになっている。
また、垂直面482bは、図9(b)に示すように、カバー部4231と対向配置されていることから、垂直面482bとカバー部4231との間に、配線ケーブルKを保持できるようになっている。
【0042】
また、凸部482は、その周縁のベース体42を、延出部481の延出する方向に沿って略コの字状に切り欠いた切欠部4821を有し、弾性変形可能に形成されている。
これにより、配線ケーブルKの挿抜に際して、図8(b)に示すように、凸部482を矢印方向に撓ませることができることから、挿抜時の作業労力が軽減される。
【0043】
このように構成された拘束構造48によって拘束された配線ケーブルKを、図9に示す。
同図に示すように、配線ケーブルKは、延出部4812の延出する方向と直交する方向に沿って図中上方に引き出され、基板ユニット47に向かうようになっている。
また、拘束スペースS2に拘束されている配線ケーブルKは、図9(a)に示すように、鉤部4813によって脱抜が妨げられるとともに、図9(b)に示すように、凸482によって脱抜がさらに強固に阻止されていることが分かる。
【0044】
そして、配線ケーブルKをこのような拘束状態にするには、配線ケーブルKを挿入口S1から指で押し込むことで簡単に挿入することができる。この押し込み力により、延出部4812と凸部482とを相互に異なる方向に弾性変形させることで、挿入口S1を押し広げることができるため、簡単に配線ケーブルKを拘束スペースS1に挿入することができる。
また、配線ケーブルKを拘束スペースS1から脱抜する際には、延出部4812と凸部482とを相互に異なる方向に弾性変形させることで、挿入口S1を押し広げることができるため、簡単に脱抜することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、新たな部品を追加することなく、配線ケーブルKを拘束することで、コストの低減を図るとともに、部品を着脱することなく挿抜可能としながら、配線ケーブルKを確実に拘束することができる。
【0046】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0047】
例えば、本実施形態では、拘束構造48をベース体42の背面側に形成したが、正面側に形成することもできる。
また、凸部482を、その周縁のベース体42を切り欠いて弾性変形可能に形成したが、弾性変形しないように切り欠かないようにしてもよい。
また、拘束部481の上方に凸部482を設けたが、拘束部481の下方、又は、拘束部481の上下に凸部482を設けることもできる。
【0048】
また、本実施形態では、凸部482を、ベース体42に一体形成したが、別パーツとしてもよい。
また、傾斜面482aと垂直面482bとをほぼ連続してつなげたが、途中に平坦部を設けて不連続につなげることもできる。
また、立設部4811と凸部482を支持ずる側とを対向配置させ、延出部4812の延出する方向と、凸部482の延びる方向とを行き違いに交差させたが、凸部482を支持ずる側を立設部4811と同じ側に形成することもできる。
また、拘束部481に、モータ配線431と、センサ配線441と、LED配線4521のすべての配線(配線ケーブル)を拘束させたが、拘束する配線の数は問わず、いずれか一の配線、さらには、少なくとも一本の配線が拘束されていれば足りる。
【0049】
また、本実施形態では、各リールモジュール40において、ベース体42の左側にリール41を配置したが、ベース体42の右側にリール41を配置することもできる。
また、スロットマシンを例に挙げて説明したが、リールユニットを備えるパチンコ機やその他の遊技機にも適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、外周面に図柄の表された複数のリールを収納するリールユニットを備える遊技機に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 スロットマシン
2 メダル投入口
3 スタートレバー
4 リールユニット
40(40a,40b,40c) リールモジュール
41(41a,41b,41c) リール
42 ベース体
4231 カバー部
43 モータ
45 照明ユニット
451 基板ホルダー
452 LED基板
46 収納ラック
461 開口部
463 配線引出部
47 基板ユニット
48 拘束構造
481 拘束部
4811 立設部
4812 延出部
4813 鉤部
4813a 傾斜面
482 凸部
4821 切欠部
482a 傾斜面
5(5a,5b,5c) 停止ボタン
6 表示窓
7 メダル払出装置
8 表示器
9 スピーカ
10 制御部
20 演出制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に複数の図柄が表されたリールと、前記リールを回転駆動させるモータと、前記リールの回転位置を検出するセンサと、前記図柄を照明する照明ユニットと、これらを支持するベース体と、を有するリールモジュールを備える遊技機であって、
前記ベース体は、
前記モータ、前記照明ユニット及び前記センサにそれぞれ接続される配線ケーブルのうちの少なくとも一の配線ケーブルを拘束する拘束構造を有し、
前記拘束構造は、前記ベース体に一体成形された
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記拘束構造は、
前記ベース体の表面に立設される立設部と、
前記ベース体の表面から離間して配置されるとともに前記立設部に片持ち支持され、前記ベース体の表面とほぼ平行に延出する延出部とを、有する断面略L字状の拘束部を備え、
前記拘束部は、
前記延出部の自由端側に、前記ベース体の表面に向かって突出するとともに、少なくとも自由端側に傾斜面を有する鉤部を備え、
前記延出部の自由端側から挿入される前記配線ケーブルを、隣接するベース体の表面と前記延出部との間に拘束する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記拘束構造は、
前記拘束部に近接する前記ベース体の表面に立設される凸部を備え、
前記凸部は、前記延出部の延出する方向と直交する方向に沿って、前記鉤部と並んだ位置に形成されるとともに、前記延出部の延出する方向の面側に傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記凸部の周縁の前記ベース体を、前記延出部の延出する方向に沿って略コの字状に切り欠き、前記凸部を弾性変形可能に形成した
ことを特徴とする請求項3記載の遊技機。
【請求項5】
前記ベース体の取り付けを介して、前記リールモジュールを収納する収納ラックを備え、
前記収納ラックは、前記拘束構造により拘束された前記配線ケーブルを外部に引き出し可能に、前記開口部周縁の一部を凹ませた配線引出部を備え、
前記ベース体は、前記配線引出部を覆うカバー部を備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−22047(P2013−22047A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156372(P2011−156372)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】