説明

遊技機

【課題】特別遊技状態において貯留皿が遊技球満タン状態の場合、特別遊技演出中に実行される特定演出の実行開始前に遊技球満タン状態を確実に解消させるように遊技球満タン報知を実行する遊技機を提供する。
【解決手段】大当り遊技状態において貯留皿が遊技球満タン状態になった場合、報知手段は、事前判定手段により、大当り演出実行中に所定のタイミングで確変昇格演出が実行されないと事前に判定された場合には、通常報知態様により遊技球満タン状態であることを報知し、前記確変昇格演出が実行されると事前に判定された場合には、確変昇格演出実行開始前の所定期間において通常報知態様とは異なる特別報知態様により遊技球満タン状態を報知可能な特別報知期間が設定され、その特別報知期間において貯留皿が遊技球満タン状態の場合には、特別態様にて遊技球満タン報知が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、貯留皿が遊技球満タン状態のときに遊技者に遊技球満タン状態を報知する報知手段を有する遊技機に関するものである。
【0002】
近年主流のパチンコ遊技機においては、遊技球が始動口に入賞したことを条件に大当り抽選が行なわれ、この大当り抽選で当選した場合に、大入賞口が予め設定された複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。
【0003】
この種のパチンコ遊技機には、遊技者が操作可能な演出ボタンが設けられている。例えば、画像表示器により通常遊技状態のときに行なわれるリーチ演出や再抽選演出等の変動演出や、大当り遊技状態のときに行なわれる大当り演出中に実行される確変昇格演出等の特定演出のとき、その表示画面に遊技者に演出ボタンの操作を促すボタン演出が行なわれ、遊技者が演出ボタンを操作すると、それを契機に演出の内容が変更されて大当りの当選の期待度や単発の大当りから確変大当りへの昇格の有無が報知される。
【0004】
ところで、大当り遊技状態では、所定の入賞条件に基づいて大入賞口の開閉動作が繰り返し行なわれ、大入賞口へ遊技球が入賞すると相当数の賞球が貯留皿に払い出されるので、短時間で貯留皿が遊技球満タン状態となるため、遊技者にその旨を報知する遊技球満タン報知が実行される。
【0005】
特許文献1のパチンコ遊技機においては、大当り遊技中に受皿が賞球で満タン状態になったとき、表示灯の点灯点滅表示により遊技球満タン状態であることが報知され、その後所定時間遅れてスピーカから警告音が報知される。特許文献2のパチンコ遊技機においては、満タン検出装置により受皿に遊技球を供給する供給通路に所定量の遊技球が充満したことが検出されたとき、遊技状態が大当り遊技状態の場合には、図柄表示装置の表示画面に球抜きを促す表示メッセージが表示されると共に、スピーカから球抜きを促す音声メッセージが出力される一方、通常遊技状態の場合には、表示メッセージのみが実行される。
【0006】
特許文献3のパチンコ遊技機においては、装飾図柄表示器によりリーチ状態でゲーム演出が行なわれているときに、貯留皿が遊技球満タン状態になった場合でも、遊技球満タン報知は実行されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−136046号公報
【特許文献2】特開2009−309号公報
【特許文献3】特開2008−161555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2のパチンコ遊技機においては、大当り遊技状態において、特定演出における演出ボタン操作が有効になるボタン演出実行中に、貯留皿の遊技球満タン状態が報知されると、ボタン演出に対する遊技者の意識が薄れてしまい、ボタン演出の所期の演出効果が低下する虞がある。
【0009】
特許文献3のパチンコ遊技機においては、特定演出実行中において貯留皿の遊技球満タン状態になっても、その旨が報知されないので、遊技者は遊技球満タン状態に気付きにくくなるため、遊技球満タン状態が解消されない。更に、大入賞口への遊技球の入賞による賞球の払出しが続く場合、貯留皿に連通する払出通路に遊技球が滞留して球詰まり状態になると、遊技球を発射できなくなるため、折角の賞球獲得チャンスを逃してしまい不利益を被ることになる。このような問題を加味すれば、特定演出の実行開始前に遊技球満タン状態を確実に解消させるように遊技者に促せばよいが、その為の特別な対策は施されていない。
【0010】
本発明の目的は、特別遊技状態において貯留皿が遊技球満タン状態の場合、特別遊技演出中に実行される特定演出の実行開始前に遊技球満タン状態を確実に解消させるように遊技球満タン報知を実行する遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は以下の構成を有するものである。尚、参照符号は、本願発明の理解促進の為に図面に図示した構成要素との対応関係の一例を示したものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1の発明(遊技機)は、始動条件の成立により特別遊技を実行させるか否か判定する判定手段と、前記判定手段(51)により特別遊技を実行させると判定された場合に、所定の入賞口(13a) を開放する前記特別遊技を実行する特別遊技手段(13b,13d,53)と、前記特別遊技手段(13b,13d,53)により前記特別遊技が実行されているときに特別遊技演出を実行する特別遊技演出手段(54,19) と、前記所定の入賞口(13a) に遊技球(P) が入賞した場合に設定数の遊技球(P) を貯留皿(5) に払出す払出手段(25)と、前記貯留皿(5) の遊技球満タン状態を検出する満タン検出手段(27)と、前記満タン検出手段(27)により遊技球満タン状態が検出された場合に、遊技球満タン状態であることを報知する報知手段(55,34,35,19,39,40,41)とを備え、前記特別遊技演出手段(54,19) は、前記特別遊技演出を実行中に所定のタイミングで特定演出を実行する特定演出手段(54,19) を有し、前記報知手段(55,34,35,19,39,40,41)は、前記特定演出が実行されるか否か事前に判定する事前判定手段(57)を有し、前記事前判定手段(57)により前記特定演出が実行されないと判定された場合には、第1の態様により遊技球満タン状態であることを報知し、前記事前判定手段(57)により前記特定演出が実行されると判定された場合には、前記第1の態様とは異なる第2の態様により遊技球満タン状態であることを報知することを特徴としている。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記報知手段(55,34,35,19,39,40,41)は、前記事前判定手段(57)により前記特定演出が実行されると判定された場合、前記特定演出の実行開始前の所定期間において前記第2の態様により遊技球満タン状態であることを報知し、前記所定期間以前の期間において前記第1の態様により遊技球満タン状態であることを報知することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によれば、特別遊技状態において貯留皿が遊技球満タン状態になった場合、特別遊技演出実行中に所定のタイミングで特定演出が実行されないと事前に判定された場合には、第1の態様により遊技球満タン状態であることを報知し、特定演出が実行されると事前に判定された場合には、第2の態様により遊技球満タン状態であることを報知するので、特定演出の実行開始前に遊技球満タン状態を確実に解消させるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】パチンコ遊技機の背面図である。
【図3】(A)満タン検出機構の検知板が遊技球満タン非検知位置に移動した状態を示す拡大図である。 (B)検知板が遊技球満タン検知位置に移動した状態を示す拡大図である。
【図4】遊技盤の正面図である。
【図5】パチンコ遊技機の制御系ブロック図である。
【図6】パチンコ遊技機の機能ブロック図である。
【図7】大当り判定テーブルを含む図表である。
【図8】複数種類の遊技演出パターンを示す図表である。
【図9】遊技球満タン報知態様を示す図表である。
【図10】(a)〜(c)大当り遊技状態において特別報知期間の設定期間の一例を示すタイムチャートである。
【図11】遊技制御基板におけるタイマ割込処理のフローチャートである。
【図12】始動口SW処理のフローチャートである。
【図13】特別図柄処理のフローチャートである。
【図14】大当り判定処理のフローチャートである。
【図15】演出制御基板におけるタイマ割込処理のフローチャートである。
【図16】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図17】変動演出選択処理のフローチャートである。
【図18】当り演出選択処理のフローチャートである。
【図19】遊技球満タン報知処理のフローチャートである。
【図20】変更形態に係る遊技球満タン報知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を閉じた状態で施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球Pが流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
【0017】
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球Pを貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5の右部に遊技者が操作可能な演出ボタン6と十字キー7が装着されている。貯留皿5の右下側には発射ハンドル8が装着されている。発射ハンドル8が回動操作されると、貯留皿5から球発射機構(図示略)の発射部に導入された遊技球Pが発射され、貯留皿5に複数の遊技球Pが貯留している場合には、複数の遊技球Pが球発射機構から約0.6秒間隔で連続発射される。
【0018】
図4、図5に示すように、鉛直な盤面を形成する遊技盤4には、ガイドレール9が略環状に設けられ、ガイドレール9の内側に遊技領域4aが形成されている。遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、ゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々、配置されている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、遊技球Pを検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。尚、SWはスイッチを意味する。
【0019】
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球Pを検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11dを有する。尚、SOLはソレノイドアクチュエータを意味する。大入賞口装置13は、大入賞口13aに入賞した遊技球Pを検出する大入賞口SW13cと、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。
【0020】
遊技開始後、通常遊技状態において、遊技者が発射ハンドル8を右回しに回動操作して、第1始動口10や複数の一般入賞口14への入賞を狙って、遊技球Pの到達位置を遊技領域4aの左側領域へ集中させる左打ちを行なう。遊技領域4aの左側領域に発射された遊技球Pは、複数の障害釘や風車15に当たって方向を換えながら落下していき、第1始動口10、一般入賞口14の何れかに入賞するか、最下端まで落下して球排出口16から排出される。
【0021】
遊技球Pが第1始動口10に入賞した場合には大当り抽選が行なわれ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが予め設定された複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。
【0022】
大当り遊技状態や通常遊技状態において、遊技者は、大入賞口13aや第2始動口11aへの遊技球Pの入賞を狙うため、発射ハンドル8を最大操作位置まで操作して、遊技球Pを最大発射強度で連続的に発射させて、その到達位置を遊技領域4aの右側領域へ集中させる右打ちを行なう。右側領域に到達した遊技球Pは、ゲート12を通過するか、又は、第2始動口11aや大入賞口13aへ入賞するか、最下端まで落下して球排出口16から排出される。
【0023】
遊技球Pがゲート12を通過した場合には当り抽選が行なわれ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。遊技球Pが各入賞口11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞について各入賞口11a,13a,14毎に設定数の遊技球Pが賞球として払出される。
【0024】
遊技盤4の右下部に各種表示を行なう遊技表示盤17が設けられ、この遊技表示盤17は、第1特図表示器17a、第2特図表示器17b、普図表示器17c、第1特図保留ランプ17d、第2特図保留ランプ17e、普図保留ランプ17fを備えている。
【0025】
第1特図表示器17aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ17dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球Pが入賞する毎に1加算される。第2特図表示器17bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ17eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球Pが入賞する毎に1加算される。
【0026】
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
【0027】
普図表示器17cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ17fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球Pが入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
【0028】
遊技盤4には、センタ役物18が取り付けられている。センタ役物18は、遊技盤4の前面よりも前方へ張出す枠部材であり、遊技盤4の上部から中央部分に亙って遊技領域4aの半分以上を占めるサイズで設けられたセンタ役物本体18aと、センタ役物本体18aの後側に設けられたセンタ役物ベース枠(図示略)とを有する。
【0029】
センタ役物18には、遊技演出用の画像表示器19及び可動役物装置20が装備されている。画像表示器19は、センタ役物本体16aの内側領域の大部分に臨むように、センタ役物ベース枠に後側から装着されている。画像表示器19には、通常遊技状態のとき、第1又は第2特図表示器17a,17bの第1又は第2特別図柄の変動表示に連動して、例えば3列の演出図柄(数字、文字、記号等)がスクロール方式で変動表示され、大当りである場合には、変動表示中の第1又は第2特別図柄が停止するタイミングで同一又は関連性のある演出図柄が有効ライン上に停止表示される。
【0030】
また、画像表示器19には、通常遊技状態のとき、変動演出としてのリーチ無演出、リーチ演出や再抽選演出が表示され、大当り遊技状態のとき、特別遊技演出としての大当り演出や、大当り演出実行中に所定のタイミングで行われる特定演出としての確変昇格演出が表示される。リーチ演出は、演出図柄が停止表示するまでに大当り(通常大当り/確変大当り)の当選の期待度を報知する演出である。再抽選演出は、大当り図柄として同一の通常図柄(例えば、偶数の演出図柄)を一旦停止表示した後に、それらの通常図柄が再変動して確変図柄(例えば、奇数の演出図柄)に変更される演出である。確変昇格演出は、大当り演出中に確変大当りに当選したことを知らずに通常大当りが発生したように見せかける演出が実行されている途中で通常大当りから確変大当りへ昇格したように見せる演出である。
【0031】
これら変動演出や特定演出の実行中に画像表示器19の表示画面に遊技者に演出ボタン6の操作を促すボタン演出が実行され、そのメッセージに従って演出ボタン6を操作すると、それを契機に演出の内容が変更されて、大当りの当選の有無や通常大当りから確変大当りへの昇格の有無が報知される。このボタン演出は、演出ボタン6を操作させることで遊技者の遊技への参加意欲を高める為に行われる。
【0032】
可動役物装置20は、大当り抽選に関する報知(例えば、大当り抽選での当選、或いは当選期待度が高い旨の報知等)を行うために作動して、剣を模した形状の役物部材20aが、画像表示器19の画面前側の演出領域を遊技盤の盤面と平行な左右方向へ移動する。
【0033】
図2に示すように、パチンコ遊技機1の開閉枠2の裏側には、裏機構板21が着脱自在に装着されている。この裏機構板21には後述の遊技制御基板31等の各種回路基板が配置され、これら回路基板を保護する為の保護カバー22が設けられている。保護カバー22は透明な合成樹脂材料で構成され、その表面には、内部で発生する熱を逃がすための複数の小径の放熱孔22aが形成されている。
【0034】
裏機構板21の上部側には、外部の遊技球補給機構から遊技球Pが供給される球補給タンク23と、球補給タンク23から延びるタンクレール24が設けられている。裏機構板21の左部に払出機構25(払出手段)が設けられ、この払出機構25の上端がタンクレール24に接続され、払出機構25の下端が払出通路26(図3参照)に接続されている。遊技球Pを貸し出す場合や払い出す場合に、払出機構25から払い出された遊技球Pは、払出通路26を経由して貯留皿5に払い出される。
【0035】
図2、図3に示すように、払出通路26の下流側には、満タン検出機構27(満タン検出手段)が設けられている。この満タン検出機構27は、検知板28と、満タン検出SW29を有し、払出通路26の下流側が遊技球満タン状態であるか否かを検出するものである。図3(A), (B)に示すように、検知板28は正面視扇状に形成され、裏機構板21に前後方向の枢支軸28bを介して揺動自在に枢支されている。満タン検出SW29は、満タン検出機構27内に設けられた回路基板に取り付けられ、発光素子と受光素子を対向配置したフォトインタラプタにより構成されている。
【0036】
例えば、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行されると、短時間で貯留皿5に設定数の賞球が払い出されるので、貯留皿5の遊技球Pが満杯状態となり、更に、払出機構25の払出モータ36の駆動により大入賞口13aへの遊技球Pの入賞による賞球の払出しが続く場合、払出通路26の下流側に遊技球Pが滞留し、その後、払出通路26の下流側が遊技球満タン状態(球詰まり状態)になる。
【0037】
払出通路26の下流側が遊技球満タン状態になると、複数個の遊技球Pにより検知板28が図3(A)に示す状態から図3(B)の払出通路26の外側へ押されるように揺動する。検知板28が払出通路26の外側へ揺動すると、満タン検出SW29が検知板28の遮蔽部28aを検出してオン状態(又はオフ状態)となり、遊技球満タン状態が検出される。満タン検出SW29により遊技球満タン状態が検出されると、払出制御基板32に満タン検出SW29のオン信号(又はオフ信号)が出力され、その検出信号に基づいて払出モータ36が停止する。このとき、図4に示すように、画像表示器19の表示画面には、遊技者に遊技球Pを貯留皿5から外部へ球抜きするようメッセージが表示されると共に、スピーカ39から球抜き指示の音声メッセージや警告音が出力される。
【0038】
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図5に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを有するコンピュータを備えている。演出制御基板33は更に実時間を計時出力する計時手段としてのリアルタイムクロック(RTC)を備えている。
【0039】
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、一般入賞口SW14aからの球検出信号と、払出制御基板32からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器17a〜17c、図柄保留ランプ17d〜17fを制御し、演出制御基板33と払出制御基板32に制御情報(遊技情報)を出力する。
【0040】
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、払出球検出SW37、球有り検出SW38、満タン検出SW29からの検出信号とを受けて、払出モータ36を制御し、各入賞口10,11a,13a,14への遊技球Pの入賞1個について、各入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球Pを貯留皿5に払出し、遊技制御基板31に制御情報(払出情報)を出力する。
【0041】
演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、演出ボタン6からのボタン操作信号を受けて画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、画像表示器19とスピーカ39とを制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、主に画像制御基板34のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ40と盤ランプ41を制御する。枠ランプ40は開閉扉3に設けられ、盤ランプ41は遊技盤4に設けられている。
【0042】
次に、遊技制御基板31及び演出制御基板33のコンピュータによる機能について説明する。先ず、図6に示すように、遊技制御基板31のコンピュータにより、判定値取得手段50、大当り判定手段51、保留記憶手段52、大当り発生手段53が構成されている。
【0043】
判定値取得手段50は、第1又は第2始動口10,11aを遊技球Pが通過したことを条件として大当り判定値(判定情報)を取得する。遊技制御基板31には、カウンタ値を設定範囲(例えば、図7に示す「0〜65535」)内で微小時間毎に順次更新するカウンタ回路(図示略)が設けられており、第1特図保留数が4未満の場合に、遊技球Pが第1始動口10に入賞した時にカウンタ回路により更新されたカウンタ値が大当り判定値として取得され、第2特図保留数が4未満の場合に、遊技球Pが第2始動口11aに入賞した時にカウンタ回路により更新されたカウンタ値が第2大当り判定値として取得される。
【0044】
大当り判定手段51は、判定値取得手段50により取得された大当り判定値に基づいて遊技者に有利な特別遊技である大当り遊技を実行させるか否か判定する。図7に示すように、取得された大当り判定値が予め設定され複数の大当り特定値の何れか否か判定され、大当り特定値である場合に大当り遊技を実行させると判定され、大当り特定値でない場合に大当り遊技を実行させないと判定される。
【0045】
この大当り判定手段51による判定結果を示す特別図柄が第1又は第2特図表示器17a,17bに変動表示後に停止表示される。図7に示すように、大当りとしては、大当り遊技後に当選確率が高確率である高確率状態に移行する確変大当りと、大当り遊技後に当選確率が低確率である低確率状態に移行する通常大当りとが設けられている。
【0046】
保留記憶手段52は、第1又は第2特図表示器17a,17bに特別図柄を変動表示中に第1又は第2始動口10,11aを遊技球Pが通過した場合に、判定値取得手段50が取得した大当り判定値を記憶する。保留記憶手段52に1以上の大当り判定値が記憶されている場合、つまり、第1又は第2特図保留数が1以上の場合、第1又は第2特図表示器17a,17bに特別図柄が停止表示された後、保留記憶手段52に記憶されている大当り判定値のうち消化優先順位が最も高い大当り判定値が、大当り判定手段51により大当り判定に供され保留記憶手段52から消去される。ここで、保留記憶手段52に最も先に記憶された大当り判定値から消化されるが、第1大当り判定値よりも第2大当り判定値の方が優先して消化される。
【0047】
大当り発生手段53は、大当り判定手段51からの大当り判定を受けることを条件に、遊技制御プログラムに含まれる大入賞口作動ルーチンにより大入賞口SOL13dを駆動して開閉部材13bを開閉作動させて、大当り遊技を実行する。この大当り遊技では、例えば、大入賞口13aが15回開放され、大入賞口13aの1回の開放を1ラウンドとして、最大で15ラウンド行われる。1ラウンドは、大入賞口13aに所定数(例えば、10個)の遊技球Pが入賞するか、又はその開放時から所定時間(例えば、29.5秒)経過するまで維持される。ここで、大入賞口SOL13d、開閉部材13b、大当り発生手段53等により特別遊技手段が構成されている。
【0048】
次に、図6に示すように、演出制御基板33のコンピュータにより、演出表示制御手段54、報知制御手段55が構成されている。演出表示制御手段54は、通常遊技状態や大当り遊技状態のときに、画像表示器19に種々の遊技演出を表示させる。
【0049】
この遊技演出では、通常遊技状態のとき、例えば、第1又は第2始動口10,11aを遊技球Pが通過したことを条件に、第1又は第2特図表示器17a,17bに特別図柄の変動表示中に画像表示器19に前記の複数の演出図柄が変動後停止するように表示され、これら複数の演出図柄が変動表示されてから停止表示するまでの間、前記のリーチ無演出やリーチ演出や再抽選演出等の変動演出が実行される。また、遊技演出では、大当り遊技状態のとき、例えば、前記の大当り演出や、大当り演出実行中に所定のタイミング(例えば、15ラウンドのうちの10ラウンド目の途中)で前記の確変昇格演出等の特定演出が実行される。
【0050】
演出表示制御手段54は遊技演出選択手段56を有する。遊技演出選択手段56は、通常遊技状態のとき、大当り判定手段51の判定結果に基づいて、図8に示す複数種類の変動演出パターンの中から実行する演出パターンを択一的に選択する。遊技演出選択手段58は、大当り遊技状態のとき、当選した大当りの種類(通常大当り、確変大当り)に応じて、図8に示す複数種類の大当り演出パターンの中から実行する演出パターンを択一的に選択する。ここで、演出表示制御手段54と、画像制御基板34、画像表示器19等により、特別遊技演出手段、特定演出手段が構成されている。
【0051】
報知制御手段55は、払出制御基板32から遊技制御基板31を介して満タン検出SW29からオン信号を受信した場合、貯留皿5が遊技球満タン状態であることを遊技者に報知する遊技球満タン報知を実行する。報知制御手段55は、事前判定手段57と報知態様選択手段58と、特別報知期間設定手段59を有する。
【0052】
事前判定手段57は、大当り遊技状態のとき、大当り演出実行途中で特定演出が実行されるか否かを特定演出の実行開始前に判定する為に、前記遊技演出選択手段58により特定演出を含む大当り演出パターンが選択されたか否か判定する。報知態様選択手段58は、事前判定手段57の判定結果に基づいて、図9に示す2種類の遊技球満タン報知態様の中の何れか1つの報知態様を選択する。事前判定手段57により特定演出が実行されないと判定された場合には通常報知態様(第1の態様)が選択され、事前判定手段57により特定演出が実行されると判定された場合には通常報知態様とは異なる特別報知態様(第2の態様)が選択される。
【0053】
図9に示すように、通常報知態様は、画像表示器19によるメッセージ表示(「球を抜いて下さい」)と、スピーカ39による音声メッセージ(「球を抜いて下さい」)や警告音の出力により遊技球満タン状態を報知する。特別報知態様は、画像表示器19によるメッセージの表示とスピーカ39による音声メッセージの出力に加えて、枠ランプ40と盤ランプ41による点灯点滅表示により遊技球満タン状態を過大報知する。ここで、報知手段は、報知制御手段55と、画像制御基板34と、ランプ制御基板35と、画像表示器19と、スピーカ39と、枠ランプ40と、盤ランプ41等により構成されている。
【0054】
特別報知期間設定手段59は、大当り遊技状態のときに、事前判定手段57により大当り演出実行途中で特定演出が実行されると判定された場合、その判定結果と、遊技制御基板31からの大当りラウンド情報に基づいて、特定演出の実行開始前の所定期間において特別報知態様にて遊技球満タン状態を報知可能な特別報知期間を設定する。この特別報知期間に貯留皿5が遊技球満タン状態の場合には、特別報知態様にて遊技球満タン状態が報知される。
【0055】
例えば、図10(a)に示すように、大当り遊技状態において、大当り演出実行途中で確変昇格演出が実行されると判定された場合、15ラウンドのうちの確変昇格演出が実行される10ラウンド目よりも1つの前の9ラウンド目の実行中において大入賞口13aに遊技球Pが所定個(例えば、5個)入賞した時から確変昇格演出が実行開始される10ラウンド目の途中までの期間において特別報知期間が設定される。
【0056】
また、例えば、図10(b)に示すように、大当り遊技状態において、15ラウンドのうちの確変昇格演出が実行される10ラウンドよりも1つ前の9ラウンドの終了時から確変昇格演出が実行開始される10ラウンド目の途中までの期間において特定報知期間が設定される。
【0057】
また、例えば、図10(c)に示すように、大当り遊技状態において、15ラウンドのうちの10ラウンドの開始時から確変昇格演出が実行開始される10ラウンド目の途中までの期間において特別報知期間が設定される。
【0058】
図10(a)〜(c)において、大当り遊技状態において、15ラウンドのうちの特別報知期間が設定される以外の期間、即ち、特別報知期間以前と特別報知期間以後の期間については、通常報知態様にて遊技球満タン状態を報知可能な通常報知期間が設定される。通常報知期間に貯留皿5が遊技球満タン状態の場合、通常報知態様にて遊技球満タン報知が行われる。また、通常報知期間から特別報知期間に亙って遊技球満タン状態が続く場合には、それらの期間の切り換わりに合わせて遊技球満タン報知が通常報知態様から特別報知態様に切り換えられる。
【0059】
また、特定報知期間から通常報知期間に亙って遊技球満タン状態が続く場合には、それらの期間の切り換わりに合わせて遊技球満タン報知が特別報知態様から通常報知態様に切り換えられる。
【0060】
次に、遊技制御基板31のコンピュータが前記機能を達成するために実行する処理についてフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=1,2,3・・・)は、各ステップである。尚、この各制御処理の制御プログラムは、遊技制御基板31のROMに予め格納されている。
【0061】
図11に示すように、遊技制御基板31のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、スイッチ処理(S2)、図柄処理(S3)、電動役物処理(S4)、賞球処理(S5)、出力処理(S6)が順次実行される。
【0062】
図12に示すように、S2の始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes)、第1特図保留数U1が4未満の場合(S12;Yes)、第1特図保留数U1がU+1に加算され(S13)、大当り判定値と図柄判定値が取得・格納され(S14)、第1特図保留数増加コマンドがセットされる(S15)。
【0063】
次に、第2始動口SW11cがオンの場合(S16;Yes)、第2特図保留数U2が4未満の場合に(S17;Yes)、第2特図保留数U2がU2+1に加算され(S18)、大当り判定値と図柄判定値が取得・格納され(S19)、第2特図保留数増加コマンドがセットされる(S20)。尚、S15、S20でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図11のS6の出力処理により演出制御基板33に送信される。
【0064】
図13に示すように、S3の特別図柄処理では、当り遊技フラグがON(大当り中や小当り遊技中)でない場合(S31;No)、特別図柄が変動中でない場合(S32;No)、第2特図保留数U2が1以上か否か判定され(S33)、S32の判定がYesの場合、つまり、特別図柄が変動中である場合には、S42へ移行する。
【0065】
S33の判定がYesの場合、第2特図保留数U2がU2−1に減算され(S34)、S33の判定がNoの場合、第1特図保留数U1が1以上か否か判定される(S35)。S35の判定がYesの場合、第1特図保留数U1がU1−1に減算され(S36)、S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理が実行される(S46)。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理が実行され(S38)、続いて、変動パターン選択処理が実行される(S39)。
【0066】
図14に示すように、S38の大当り判定処理では、先ず、大当り判定値処理(S51)が実行され、ここで、保留記憶手段に記憶されている大当り判定値のうち消化優先順位が最も高く、図9のS34又はS36で減算された特図保留数に対応する大当り判定値が、大当り特定値か否か判定されることで、大当りか否か判定される(S52)。
【0067】
S52の判定がYesの場合、図柄判定値処理が実行され(S53)、ここで、保留記憶手段に記憶されている図柄判定値のうち消化優先順位が最も高い図柄判定値に基づいて、大当り図柄が複数種類の大当り図柄の中から選択設定される(S54)。S52の判定がNoの場合、大当り判定値が小当り特定値か否か判定されることで、小当りか否か判定される(S55)。S55の判定がYesの場合、小当り図柄が設定される(S56)。S55の判定がNoの場合、外れ図柄が設定される(S57)。
【0068】
次に、演出制御基板33のコンピュータが前記機能を達成するために実行する処理についてフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=61,62,63・・・)は、各ステップである。この各制御処理の制御プログラムは、演出制御基板33のROMに予め格納されている。
【0069】
図15に示すように、演出制御基板33のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、コマンド受信処理(S61)、演出ボタン処理(S62)、遊技球満タン報知処理(S63)、コマンド送信処理(S64)が順次実行される。
【0070】
図16に示す、S61のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信したか否か判定され(S71)、S71の判定がYesの場合、保留数加算処理が実行され(S72)、保留数増加コマンドがセットされる(S73)。演出制御基板33のコンピュータでは、第1,第2特図保留数が管理されており、S71で受信した保留数増加コマンドの種類に応じて、S72では第1又は第2特図保留数が1加算され、S73では第1又は第2特図保留数増加コマンドがセットされる。
【0071】
次に、変動開始コマンドを受信したか否か判定され(S74)、S74の判定がYesの場合、変動演出選択処理が実行される(S75)。また、変動停止コマンドを受信した場合(S76)、変動演出終了中処理(S77)が実行され、オープニングを開始するオープニングコマンドを受信した場合には(S78;Yes)、当り演出選択処理が実行され(S79)、エンディングコマンドを受信した場合には(S80;Yes)、エンディング演出選択処理が実行される(S81)。最後に、客待ちコマンド受信処理(S82)が実行される。ここで、前記オープニングとは、大当りの最初の大入賞口13aを開放する前の所定の演出時間を意味し、前記エンディングとは、大当りの最後に大入賞口13aが閉塞した後の所定の演出時間を意味する。尚、S73でセットされたコマンド、及び、その他のステップでセットされたコマンドについては、図15のS64のコマンド送信処理により画像制御基板34、ランプ制御基板35に送信される。
【0072】
図17に示すように、S75の変動演出選択処理では、S74で受信した変動開始コマンド(特別図柄の種類と変動パターン(変動時間)の情報を含む)が解析され(S91)、演出制御基板33のコンピュータにより管理されているモードフラグが参照され(S92)、保留数減算処理が実行される(S93)。S93では特別図柄の変動に係る第1又は第2特図保留数が1減算される。
【0073】
次に、S91で解析された変動開始コマンドに含まれる情報とS92で参照されたモードフラグとに基づいて変動演出パターン選択処理が実行される(S94)。この変動演出パターン選択処理において、例えば図8に示す複数種類の変動演出の演出パターンの中の何れか1つが選択される。S94で選択された変動演出の演出パターンの情報を含む変動演出開始コマンドがセットされる(S95)。
【0074】
図18に示すように、S79の当り演出選択処理では、S78で受信したオープニングコマンド(大当りの種類と大入賞口13aを開放する前の所定の演出時間の情報を含む)が解析され、そのオープニングコマンドに含まれる情報に基づいて当り演出パターン選択処理が実行される(S102)。この当り演出パターン選択処理において、例えば図8に示す複数種類の当り演出パターンの中の何れか1つの演出パターンが選択される。S102で選択された当り演出パターンの情報を含む当り演出開始コマンドがセットされる(S103)。
【0075】
図19に示すように、S63の遊技球満タン報知処理では、払出制御基板32から遊技制御基板31を介して満タン検出SW29からのオン信号(又はオフ信号)を受信して、貯留皿5が遊技球満タン状態であるか否か判定される(S111)。貯留皿5が遊技球満タン状態である場合(S111;Yes)、満タンフラグFに「1」がセットされているか否か判定される(S112)。S112の判定がYesの場合、満タンフラグFが「1」にセットされる(S113)。
【0076】
次に、遊技状態が大当り遊技状態であるか否か判定され(S114)、大当り遊技状態である場合(S114;Yes)、図8に示す複数種類の大当り演出パターンの中から特定演出を含む大当り演出パターンが選択されたか否か判定される(S115)。S115の判定がYesの場合、図10(a)〜(c)に示す特別報知期間であるか否か判定される(S116)。S116の判定結果が、Yesの場合、特別報知コマンドがセットされ(S117)、リターンする。尚、この遊技球満タン報知処理でセットされたコマンドは、図15のS64のコマンド送信処理により画像制御基板34やランプ制御基板35に送信される。
【0077】
一方、遊技状態が通常遊技状態である場合(S114;No)や、特定演出を含まない大当り演出パターンが選択された場合(S115;No)や、通常報知期間の場合には(S116;No)、通常報知コマンドがセットされ(S118)、リターンする。
【0078】
他方、S112において、満タンフラグFに「1」がセットされている場合(S112;No)、即ち、遊技球満タン状態が続いている場合、特別報知期間の開始時か否か判定され(S119)、その判定結果がYesの場合、特別報知コマンドがセットされる(S120)。即ち、通常報知態様にて遊技球満タン報知が実行されている状態で、報知期間が通常報知期間から特別報知期間に切り換わった場合、遊技球満タン報知が通常態様から特別報知態様に切り換えられる。
【0079】
一方、特別報知期間の開始時ではなく(S119;No)、特別報知期間の終了時である場合(S121;Yes)、通常報知コマンドがセットされる。即ち、特別報知態様にて遊技球満タン報知が実行されている状態で、報知期間が特別報知期間から通常報知期間に切り換わった場合、遊技球満タン報知が特別報知態様から通常報知態様に切り換えられる。一方、特別報知期間の終了時でない場合(S121;No)、リータンする。
【0080】
他方、S111において、払出制御基板32から遊技制御基板31を介して満タン検出SW29からのオフ信号(又はオン信号)を受信して、貯留皿5が遊技球満タン状態でない場合(S111;No)、満タンフラグFに「1」がセットされている場合(S123;Yes)、満タンフラグFが「0」にリセットされ(S124)、報知解除コマンドがセットされ(S125)、リターンする。一方、遊技球満タン状態でなく(S111;No)、満タンフラグFが「1」にセットされていない場合(S123;No)、リターンする。
【0081】
以上説明したパチンコ遊技機1の作用効果について説明する。
大当り判定手段51による判定結果が確変大当りの場合、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行された後、画像表示器19の表示画面において遊技者に確変大当りが発生したことを知らせずに、通常大当りが発生したように見せかける大当り演出が実行される場合、次のようになる。
【0082】
大当り遊技開始後、大当りラウンドが予め設定された15ラウンドのうちの10ラウンド目の途中で確変昇格演出が実行され、画像表示器19の表示画面に遊技者に演出ボタン6の操作を促すメッセージが表示されて、遊技者の演出ボタン6操作により確変大当りへ昇格したように見せる演出内容に切り換わる。
【0083】
事前判定手段57により大当り演出中に確変昇格演出が実行されると確変昇格演出実行開始前に判定された場合、図10(a)〜(c)に示すように確変昇格演出実行開始前の所定期間において特定報知期間が設定され、その特定報知期間に貯留皿5が遊技球満タン状態である場合、遊技者や店員が遊技球満タン状態であることをより明快に認識し得るように通常報知態様とは異なる特別報知態様にて遊技球満タン状態が過大報知されるので、確変昇格演出実行開始前に遊技球満タン状態を解消させるようにして確変昇格演出の演出効果の低下を防止することができる。
【0084】
また、大当り遊技状態において、特定報知期間以外の通常報知期間において貯留皿5が遊技球満タン状態である場合には、通常報知態様にて遊技球満タン状態が報知されるので、確変昇格演出実行中に遊技球満タン状態になっても特別報知態様にて遊技球満タン状態は報知されないため、確変昇格演出実行中にの演出効果の低下を抑え、また、遊技者にあまり不快感を与えない程度で遊技球満タン報知を実行することができる。
【0085】
更に、大当り遊技状態において、通常報知期間に貯留皿5が遊技球満タン状態である場合に、通常報知態様にて遊技球満タン状態が報知されても遊技者が気付かず、更に、特定報知期間になっても遊技球満タン状態が続いている場合でも、遊技球満タン報知が通常報知態様から特別報知態様に切り換わるので、遊技者に遊技球満タン状態であることを確実に認識させることができ、確変昇格演出実行開始前に遊技球満タン状態を確実に解消させるようにすることができる。
【実施例2】
【0086】
次に、実施例2のパチンコ遊技機1について説明するが、実施例2は実施例1を部分的に変更したものであり、実施例1と相違する点についてのみ説明する。実施例2においては、確変昇格演出実行中に貯留皿5が遊技球満タン状態の場合でも、遊技球満タン報知は実行されないように構成され、その他の期間については、実施例1と同様に、設定された通常/特別報知期間に応じて通常/特別態様にて遊技球満タン報知が実行される。
【0087】
図20に示すように、遊技球満タン報知処理では、S111〜S116の処理が実行され、遊技状態が通常遊技状態である場合(S114;No)や、特定演出を含まない大当り演出パターンが選択されたと事前に判定された場合(S115;No)や、通常報知期間の場合に(S116;No)、確変昇格演出実行中か否か判定される(S131;Yes)。S131の判定がNoの場合、通常報知コマンドがセットされ(S132)、リターンする。
【0088】
一方、S131の判定がYesの場合、通常報知コマンドがセットされずにリターンする。即ち、確変昇格演出実行中に貯留皿5が遊技球満タン状態であっても、遊技球満タン報知は実行されない。
【0089】
他方、貯留皿5が遊技球満タン状態であり、満タンフラグFが「1」にセットされている場合(S111;Yes、S112;No)、即ち、遊技球満タン状態が続いている場合、特別報知期間の開始時でなく、特別報知期間の終了時である場合(S119;No、S121;Yes)、報知解除コマンドがセットされ(S133)、リターンする。即ち、即ち、特別報知期間後の確変昇格演出実行中には遊技球満タン状態であっても、遊技球満タン報知が停止される。
【0090】
一方、特別報知期間終了時ではなく(S121;No)、確変昇格演出終了時である場合(S134:Yes)、通常報知コマンドがセットされる(S135)。即ち、遊技球満タン状態で確変昇格演出が終了した場合、その終了時から通常報知態様にて遊技球満タン報知が実行される。確変昇格演出終了時でない場合(S134;No)、通常報知コマンドはセットされずにリターンする。即ち、確変昇格演出実行中において遊技球満タン状態が続いている場合でも、遊技球満タン報知は実行されない。
【0091】
このパチンコ遊技機1によれば、大当り遊技状態において、確変昇格演出実行中に貯留皿5が遊技球満タン状態であっても、遊技球満タン報知が実行されないので、確変昇格演出実行中に確変昇格演出の演出効果が低下するのを確実に防止する。
【0092】
前記実施例を次のように部分的に変更してもよい。
(1)特定報知期間は、図10(a)〜(c)に示した期間に限られるものではなく、確変昇格演出の実行開始前の所定期間であればよい。
(2)特定演出は、実施例で示した確変昇格演出に限られるものではない。その他、大当り演出中に実行されるボタン演出を含む種々の特定演出の実行開始前の所定期間において特別報知期間を設定してもよい。
【0093】
(3)前記実施例の内容に加えて、通常遊技状態において、変動演出としてのリーチ演出や再抽選演出の実行開始前の所定期間において特別報知期間を設定するように構成してもよい。この場合、特別報知期間において貯留皿5が遊技球満タン状態の場合、特別報知態様にて遊技球満タン報知が実行される。通常遊技状態において特別報知期間が設定される期間以外の期間、即ち、特別報知期間以前と特別報知期間以後の期間については、通常報知態様にて遊技球満タン状態を報知可能な通常報知期間が設定される。
【0094】
(4)遊技球満タン報知態様は、実施例で示した報知態様に限られるものではなく、種々の報知態様で構成してもよい。例えば、通常報知態様を画像表示器19によるメッセージ表示のみ又はスピーカ39による音声メッセージのみとしてもよい。また、通常報知態様をメッセージ表示のみとした場合、特別報知態様をメッセージ表示と音声メッセージとしてもよい。
【0095】
(5)本発明は、実施例で示したパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機等、遊技球Pを使用する全ての遊技機に適用可能である。
(6)その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態が実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0096】
P 遊技球
1 パチンコ遊技機
5 貯留皿
13a 大入賞口
13b 開閉部材
13d 大入賞口SOL
19 画像表示器
25 払出機構
27 満タン検出機構
34 画像制御基板
35 ランプ制御基板
39 スピーカ
40 枠ランプ
41 盤ランプ
51 大当り判定手段
53 大当り発生手段
54 演出表示制御手段
57 事前判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動条件の成立により特別遊技を実行させるか否か判定する判定手段と、
前記判定手段により特別遊技を実行させると判定された場合に、所定の入賞口を開放する前記特別遊技を実行する特別遊技手段と、
前記特別遊技手段により前記特別遊技が実行されているときに特別遊技演出を実行する特別遊技演出手段と、
前記所定の入賞口に遊技球が入賞した場合に設定数の遊技球を貯留皿に払出す払出手段と、
前記貯留皿の遊技球満タン状態を検出する満タン検出手段と、
前記満タン検出手段により遊技球満タン状態が検出された場合に、遊技球満タン状態であることを報知する報知手段とを備え、
前記特別遊技演出手段は、前記特別遊技演出を実行中に所定のタイミングで特定演出を実行する特定演出手段を有し、
前記報知手段は、
前記特定演出が実行されるか否か事前に判定する事前判定手段を有し、
前記事前判定手段により前記特定演出が実行されないと判定された場合には、第1の態様により遊技球満タン状態であることを報知し、前記事前判定手段により前記特定演出が実行されると判定された場合には、前記第1の態様と異なる第2の態様により遊技球満タン状態であることを報知することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記報知手段は、
前記事前判定手段により前記特定演出が実行されると判定された場合、前記特定演出の実行開始前の所定期間において前記第2の態様により遊技球満タン状態であることを報知し、前記所定期間以前の期間において前記第1の態様により遊技球満タン状態であることを報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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