説明

遊技機

【課題】 始動入賞口に遊技球を入賞させて表示装置の識別情報を変動させるゲームと、遊技球を規定数取り込んで表示装置の識別情報を変動させるゲームとの両方を楽しめる封入球式遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、遊技制御装置は、遊技球を発射させ、その遊技球が始動口に入球することにより、表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う通常モード(第1の遊技モード)と、遊技球を発射させないで、持球数から規定数を取り込むことで、表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う特別モード(第2の遊技モード)とを区別して制御可能な遊技モード制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技を行う封入球式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このような従来の遊技機としては、遊技球を始動口に入賞させることにより特別図柄表示装置の識別情報(図柄:いわゆる特図)を変動させ、特定の図柄になると、大当りを発生させるパチンコ遊技機がある。
なお、特別図柄表示装置は単に表示装置ともいう。
また、遊技球を規定数取り込み、スタートレバー操作で回胴を回転させ、ストップボタンを押して各回胴を停止させ、回胴の図柄が揃うと大当りを発生させるゲーム性を有する球スロ式遊技機がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−112922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の遊技球を始動口に入賞させることにより特別図柄表示装置の特図を変動させるパチンコ遊技機は、始動口入賞への入賞スランプがあり、特図が変動しない期間が発生するし、大当りになるまでは遊技が単調になるおそれがある。
一方、前述の球スロ式遊技機は、遊技球を規定数取り込み確実に回胴を回転させることのできるゲームであるが、遊技球を使用していることの意味が余り感じられず、パチンコ遊技の醍醐味が十分でなかった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、始動入賞口に遊技球を入賞させて表示装置の識別情報を変動させるゲームと、遊技球を規定数取りんで表示装置の識別情報を変動させるゲームとの両方を楽しむことができる封入球式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、複数の識別情報を変動表示させる表示装置と、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、を備え、
始動口に遊技球を入球させて前記表示装置の識別情報を変動表示させ、前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると特別遊技状態を発生させ、
前記遊技制御装置により、遊技結果が前記特別遊技状態を含む所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記遊技制御装置は、
遊技球を発射させ、その遊技球が前記始動口に入球することにより、前記表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う第1の遊技モードと、
遊技球を発射させないで、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことで、前記表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う第2の遊技モードと、を区別して制御可能な遊技モード制御手段を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、
遊技者の操作により、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことを指示可能な取込操作手段と、
前記取込操作手段からの指示を受けると、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込み、前記表示装置の識別情報の変動を開始させる指令を出力する変動開始指令手段と、を備え、
前記遊技モード制御手段は、
前記第2の遊技モードのとき、前記変動開始指令手段からの指示に基づいて前記表示装置の識別情報の変動を開始させることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、開閉部材によって開閉する大入賞口を有する変動入賞装置を備え、
前記遊技モード制御手段は、
前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると、前記変動入賞装置の大入賞口を所定時間開放させて遊技球を入賞させ、該入賞に対応する賞球を遊技者の利益としての持球数に加算し、
前記表示装置の識別情報が前記特別遊技状態より遊技者の利益が少ない特定態様となる特定遊技状態になると、前記変動入賞装置の大入賞口を開放させずに、所定の賞球を遊技者の利益としての持球数に加算するように制御することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記遊技モード制御手段は、
当該封入球式遊技機の電源投入時及び前記遊技制御装置のリセット時は、第1の遊技モードに制御し、
前記表示装置における識別情報がモード変更態様になると、第1の遊技モードから第2の遊技モードに切り換えて制御し、
切り換えた後の第2の遊技モードでは、次の特別遊技状態が発生するまで又は前記表示装置における識別情報の変動回数が予め定められた回数になるまで第2の遊技モードを継続する制御を行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
遊技者の選択により、第2の遊技モードへの切り換えを前記遊技モード制御手段に指示可能なモード切換操作手段を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、
遊技者へ情報を報知する報知手段を備え、
前記報知手段は、
前記遊技モード制御手段が第1の遊技モードから第2の遊技モードへの切り換え制御を開始した場合、遊技モードを切り換えた旨及び第2の遊技モードの説明を遊技者に報知することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記始動口に入球した遊技球を所定範囲で記憶可能な特図始動入賞記憶手段と、
開閉部材を有するとともに前記始動口として機能し、普通図柄可変表示装置における普図変動表示ゲームの停止表示態様が当り態様となった場合に、前記開閉部材を開放状態にする普通変動入賞装置と、
前記普通変動入賞装置に入球した遊技球を所定範囲で記憶可能な普図始動入賞記憶手段と、を備え、
前記遊技モード制御手段は、
第2の遊技モードになると、第1の遊技モード中の前記普図始動入賞記憶手段の記憶はクリアし、前記特図始動入賞記憶手段の記憶はそのまま持ち越すように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、始動入賞口に遊技球を入賞させて表示装置の識別情報を変動させるゲームと、遊技球を規定数取りんで表示装置の識別情報を変動させるゲームとの両方を楽しむことができ、遊技が単調にならず、パチンコ遊技の醍醐味が十分に味わえる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】パチンコ機の前面側斜視図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の前面図である。
【図3】パチンコ店のシステム構成図である。
【図4】パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図5】遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】特図ゲーム処理を示すフローチャートである。
【図8】特図普段処理を示すフローチャートである。
【図9】特図1変動開始処理1を示すフローチャートである。
【図10】特図1大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図11】特図1小当り判定処理を示すフローチャートである。
【図12】特図1特別モード抽選処理を示すフローチャートである。
【図13】特図1停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図14】特図表示中処理を示すフローチャートである。
【図15】特図表示中処理を示すフローチャートである。
【図16】時短回数更新処理を示すフローチャートである。
【図17】始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図18】取込みコマンド受信割込み処理を示すフローチャートである。
【図19】始動口入賞時共通処理を示すフローチャートである。
【図20】小当り終了処理を示すフローチャートである。
【図21】封入球制御装置の取込スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図22】操作・表示パネルの画面例を示す図である。
【図23】表示装置の画面例を示す図である。
【図24】遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図25】タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図26】特図ゲーム処理を示すフローチャートである。
【図27】特図普段処理を示すフローチャートである。
【図28】特図1変動開始処理1を示すフローチャートである。
【図29】特図1大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図30】特図1小当り判定処理を示すフローチャートである。
【図31】特図1停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図32】特図表示中処理を示すフローチャートである。
【図33】特図表示中処理を示すフローチャートである。
【図34】時短回数更新処理を示すフローチャートである。
【図35】始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図36】取込みコマンド受信割込み処理を示すフローチャートである。
【図37】始動口入賞時共通処理を示すフローチャートである。
【図38】小当り終了処理を示すフローチャートである。
【図39】特別モード切替処理を示すフローチャートである。
【図40】封入球制御装置の取込スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図41】封入球制御装置の特別モード切替スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
【図42】操作・表示パネルの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
以下、本発明の実施例1として、封入球式遊技機をパチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図1は本例のパチンコ機1(封入球式遊技機)の前面側斜視図である。
このパチンコ機1は、いわゆる封入球式遊技機と称されるもので、封入球制御(持ち玉制御)を行って遊技の進行を管理する遊技制御装置(図4参照)を備え、遊技機本体内に所定数(例えば、30個)の遊技球を封入しておき、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット)より入力された球貸し情報に基づいた持球数を基に、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行い、その遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益(持球数)を増加させ、かつ遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用してパチンコ遊技を行う機構になっている。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤20(図2に示す)が取り付けられている。
【0010】
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤20の後述する遊技領域22が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
このガラス枠5の下側には下部パネル6が設けられ、下部パネル6には操作・表示パネル7が配置されている。
また、パチンコ機1には遊技媒体貸出装置としてのカードユニット15(CRユニット:カード式球貸制御ユニット)が併設されている。カードユニット15はカード挿入口16に遊技カードを挿入して、遊技者が後述の操作・表示パネル7(パチンコ機1側に配置)の球貸ボタン204(図22参照)を操作することにより、所定度数の球貸しを行うようになっている。
【0011】
図2に示すように、遊技盤20は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されたものである。遊技領域22は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球が賞球として遊技者の持球数に加算される構成となっている。
また、前面枠4の開閉側(図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
【0012】
また、ガラス枠5の下部に設けられた操作・表示パネル7(報知手段)は、例えば液晶表示器からなり、メッセージ、持球数、球貸度数などを表示したり、球貸し、遊技の精算などの操作を行うためのものである(詳細は図22参照)。操作・表示パネル7の横には、遊技者が操作する押ボタン式の演出操作スイッチ9(図4参照)が設けられている。
また、下部パネル6には、効果音等を出力する下スピーカ10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11とが設けられている。
さらに、図1において、符号12で示すものは、ガラス枠5の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号13で示すものは、ガラス枠5の上部前面に設けられた複数のムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト13は、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ12とムービングライト13は図4に示す装飾表示LED141を構成する。
また、図1において、符号14a、14bで示すものは、ガラス枠5の上部左右両側に設けられた効果音等を出力する上スピーカである。
【0013】
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号21は遊技盤20のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されている。
遊技領域22には、図2に示すように、アウト球流入口23、センターケース24、第1始動入賞口25、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26、変動入賞装置27、一般入賞口28〜31、普図始動ゲート32、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤20の遊技領域22外には、一括表示装置35が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域22の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
【0014】
センターケース24は、遊技盤20の裏側に取り付けられる表示装置41(図4に示す)の表示部41a(図2に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース24には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤20のセンターケース24以外の部分(遊技領域22外でもよい)にも設けられる。なお、遊技盤20(センターケース24含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤装飾装置を構成する。また、センターケース24に設けられた電動役物は、盤演出装置を構成する。なお、盤演出装置を構成する電動役物は、遊技盤20のセンターケース24以外の箇所に設けられてもよい。
【0015】
表示装置41(報知手段、普通図柄可変表示装置)は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
また、後述の図23に詳細を示すように、表示部41a(画面)には「特別モード突入」などのメッセージも表示可能になっている。
さらに表示部には、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。なお、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
【0016】
また始動入賞口25,26は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では図2に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口25は常に開口している。下側の第2始動入賞口26は、開閉部材26aを左右両側に有し、これら開閉部材26aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、図2に示すようにこれら開閉部材26aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口25,26は、センターケース24の中央部下方に配置されている。
なお、第2始動入賞口は普通電動役物(普電)ともいい、普通変動入賞装置に相当する。
また変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口27aは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
【0017】
前述したように、表示装置41の表示部41a(画面)には、特図とは別に普図の画像も表示しており、普図ゲームについて説明すると、以下の通りである。したがって、表示装置41は普通図柄可変表示装置に相当する。
遊技球が普図始動ゲート32を通過したとき、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図表示器を配置してもよい)で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われ、停止した普図が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される(表示部41aでの具体的な普図変動表示エリア(普通図柄変動表示器に相当)は後述の図23(a)参照)。
普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われ、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図始動記憶表示器を配置してもよい)で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。なお、普図の確率を高確率にすれば、普図当たりしやすくなる。
ここで、時短について説明しておくと、以下のようなものである。
時短は「時間短縮」の略で、大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口26)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポートを行うことで、一定の特図の変動表示ゲームの実施回数まで持ち玉(持球数)を減らさずに効率よく特図を変動させる機能である。
【0018】
次に一括表示装置35は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
【0019】
なお、この一括表示装置35の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部等で行われる特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」と表記する。
このように、この一括表示装置35は、遊技者に認識しにくいかもしれないが遊技制御装置101が直接制御するもので、遊技盤20の検査などで使用されるものである。例えば、より遊技者に認識しやすい遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば変動表示装置41の表示部、或いは遊技盤20に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
【0020】
C.遊技店のシステム構成
次に、図3は本実施例のパチンコ機1が多数設置された遊技店のシステム構成を示す図である。
図3において、遊技店にはカード管理装置51、カード発行機52、カード精算機53、ホールコンピュータ54、多数のパチンコ機1a乃至1n及びカードユニット15a乃至15nが配置されている。
カード管理装置51はカード会社(図示略)と電話回線(例えば、ISDN等のデジタル回線)で結ばれており、カード会社はプリペイドカードを遊技カード(記憶媒体)として発行したり、遊技店における遊技カードに関する精算を行ったり、また、必要に応じてカード管理装置51の各種情報を受信したりする。遊技店は、カードの発行情報とか、必要な情報をカード会社から得たり、問い合わせる等のために電話回線を介してカード会社と接続されている。
【0021】
カード管理装置51はカード発行機52、カード精算機53、多数のカードユニット15a乃至15nに対して情報伝送路55を介して接続されている。カード管理装置51はカード発行機52、カード精算機53、多数のカードユニット15a乃至15nを端末装置として扱い、これらの各端末装置の情報を管理する制御を行うとともに、各端末装置に挿入/排出される遊技カードの識別情報に基づいて各遊技カードに記憶された金額情報および遊技価値情報と同等の情報を記憶管理するような制御を行う。
【0022】
カード発行機52はカード会社から購入したカードを遊技カードとして遊技者に発行するもので、例えば1000円、2000円、3000円、5000円の遊技価値を付加して遊技カードを発行する。カード発行機52はカード管理装置51との間で情報伝送路55を介して情報(例えば、遊技カードの売上情報等)の転送を行うとともに、遊技カードの発行に必要な制御を行う。
カード精算機53は遊技カードの度数残高や持球数に基づいて、遊技カードを精算するためのもので、例えば度数残高に応じた金額を返却したり、景品交換に必要な制御を行ったり、また、カード管理装置51との間で情報伝送路55を介して情報(例えば、景品交換のための制御情報等)の転送を行う。
【0023】
カードユニット15a乃至15nは、遊技カードが挿入されることにより、遊技カードの情報(金額データ、持球数データ等)を読み取って球貸しを行ったり、遊技者の獲得した持球数を遊技カードに記憶したりするもので、カード管理装置51との間で情報伝送路55を介して情報(例えば、球貸しや持球数の記録のための制御情報等)の転送を行うとともに、遊技カードによる球貸し等に必要な制御を行う。
カードユニット15a乃至15nはそれぞれパチンコ機1a乃至1nに併設されて配置されており、両者の間は信号やデータの伝送が可能になっている。
ホールコンピュータ54は遊技店の管理室に設置されるとともに、各パチンコ機1a乃至1nに対して情報伝送路56を介して接続され、各パチンコ機1a乃至1nからの遊技データ等を収集して遊技店の営業管理を行うものである。具体的には、多数のパチンコ機1a乃至1nから必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させたり、営業上必要なデータの演算処理を行う。
【0024】
D.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、図4を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味し、「SOL」はソレノイドを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置101、封入球制御装置102、演出制御装置103、発射制御装置104を備えている。これらの各装置及び図4に示す各電子部品には電源装置(図示略)から必要な電源が供給される。なお、遊技制御装置101と封入球制御装置102を一体化して遊技制御装置とした構成でもよい。
【0025】
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置101の構成と、この遊技制御装置101に接続される機器について説明する。
遊技制御装置101は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、CPU111、ROM112、RAM113及び検査装置のための試射試験端子114を備えている。
CPU111は、封入球遊技を管理する遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行う。ROM112は、遊技プログラムを格納しており、RAM113は遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
なお、CPU111、ROM112、RAM113は、遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されている。
試射試験端子114は、CPU111から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子114及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、遊技場で使用される遊技制御装置には未実装となる。
【0026】
ここで、図4ではスイッチをSWと表記し、ソレノイドをSOLと表記している。
遊技制御装置101には、第1始動口スイッチ120(図4では始動口1SW)、第2始動口スイッチ121(図4では始動口2SW)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、枠開放スイッチ125からの検出信号が入力される。
第1始動口スイッチ120は前記第1始動入賞口25に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ121は前記第2始動入賞口26に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
【0027】
カウントスイッチ124は前記変動入賞装置27の大入賞口に入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。また、入賞口スイッチ123は一般入賞口28〜31に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ122は前記普図始動ゲート32を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ120、121、122、123、124は、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
また、枠開放スイッチ125ははガラス枠5が開放されていることを検出するセンサである。
【0028】
次に、遊技制御装置101は、封入球制御装置102、演出制御装置103、普電ソレノイド131、大入賞口ソレノイド132、普図・特図表示器133及び外部情報端子板134と接続されている。なお、普図・特図表示器133は一括表示装置35を構成する表示器である。
普電ソレノイド131は第2始動入賞口26の開閉部材を開閉させるソレノイド、大入賞口ソレノイド132は変動入賞装置27の開閉部材を開閉させるソレノイド、一括表示装置133は前述したように、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示や遊技状態の表示を行うものである。遊技制御装置101は、これらの普電ソレノイド131、大入賞口ソレノイド132、一括表示装置133に対して必要な制御信号を出力する。
また、遊技制御装置101は封入球制御装置102に対して封入球遊技に必要な制御情報を出力するとともに、封入球制御装置102からは遊技球の回収などに関する情報が入力されるようになっている。
さらに、遊技制御装置101からは演出制御装置103に対して、パラレル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
【0029】
また、遊技制御装置101からは外部情報端子板134を介してホールコンピュータ54に遊技情報が出力される。遊技情報としては、例えば遊技制御装置101に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を回動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が回動開始、或いは、図柄の回動停止をトリガに図柄回転を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号、等、外部へ報知する信号である。
ここで、遊技制御装置101は遊技球を発射させ、その遊技球が始動口(特図の始動入賞口25、26)に入球することにより、表示装置41の識別情報を変動させるゲームを行う通常モード(第1の遊技モード)と、遊技球を発射させないで、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことで、表示装置41の識別情報を変動させるゲームを行う特別モード(第2の遊技モード)と、を区別して制御可能な構成になっている。
【0030】
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置103の構成と、この演出制御装置103に接続される機器について説明する。
演出制御装置103は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
演出制御装置103は遊技制御装置101のCPU111からの制御コマンド(8ビットのデータ信号)を解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をして下スピーカ10及び上スピーカ14a、14bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾LED141の駆動制御などの処理を実行するとともに、演出操作スイッチ9からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
【0031】
(封入球制御装置関係)
次に、封入球制御装置102の構成と、この封入球制御装置102に接続される機器について説明する。
封入球制御装置102は、封入球遊技に必要な制御を行うもので、主に封入球の発射から回収までの処理(球貸し制御も含む。以下同様)を行う第1CPU151、ROM152及びRAM153と、操作・表示パネル7に関連する処理を行う第2CPU154、ROM155、RAM156及びVDP157と、通信インターフェース158とを備えている。
第1CPU151は、封入球の発射から回収までの制御に必要な演算処理を行う。ROM152は、封入球の発射から回収までの制御に必要なプログラムを格納しており、RAM153は同プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。なお、第1CPU151、ROM152及びRAM153は、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されている。
【0032】
第2CPU154は、操作・表示パネル7に関連する制御(ただし、球貸ボタン204(図21参照)の操作処理は含む。以下、同様)に必要な演算処理を行う。ROM155は、操作・表示パネル7に関連する制御に必要なプログラムを格納しており、RAM156は同プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。VDP157は操作・表示パネル7に表示する画像、キャラクタ、フォントを駆動制御する。
通信インターフェース158はカードユニット15と封入球制御装置102との間の通信をサポートする処理を行う。
なお、通信インターフェース158はパチンコ機1側と球を貸し出すカードユニット15側との配線接続のための基板である。この基板で両者の配線接続がされていないと、パチンコ機1では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
【0033】
封入球制御装置102には、発射球検出スイッチ161、ファール球検出スイッチ162、アウト球検出スイッチ163、第1封入球検出スイッチ164(図4では封入球検出1SW)、第2封入球検出スイッチ165(図4では封入球検出2SW)からの検出信号が入力される。
発射球検出スイッチ161は発射ボリューム(詳細は後述)の操作によって遊技領域22に発射された球を1個ずつ検出するセンサであり、ファール球検出スイッチ162は遊技領域22に達せずにファールとなった球を1個ずつ検出するセンサである。アウト球検出スイッチ163は遊技領域22から回収した球(アウト球及びセーフ球の両方を含む)を1個ずつ検出するセンサである。
第1封入球検出スイッチ164は、遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ165は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機1に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球の最大と最小の封入球の数をチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。
封入球制御装置102では、上記各スイッチ161乃至165からの検出信号を受けて、封入球の発射から回収までの球の挙動監視、ファール球の有無、封入球の最大と最小の封入球数のチェック等の処理を行うとともに、カードユニット15から送られてくる球貸し情報などに基づいて操作・表示パネル7の貸し球を加えて遊技者の持球数を表示するなどの制御を行う。
【0034】
次に、封入球制御装置102は、遊技制御装置101、発射制御装置104、操作・表示パネル7、カードユニット15と接続されている。
遊技制御装置101からは封入球制御装置102に対して賞球信号が出力され、これを受けて封入球制御装置102では遊技者の持球数を電子的に増加させ、操作・表示パネル7に表示させる等の制御を行う。
一方、封入球制御装置102から遊技制御装置101に対して、賞球加算のエラー信号などの情報が出力される。
発射制御装置104は封入球制御装置102から発射許可信号、停電検出信号を受けるようになっている。発射制御装置104は発射ボリューム171の操作に従って遊技球を発射位置まで送る球送りソレノイド172及び発射位置にある遊技球を発射する発射ソレノイド173を制御するとともに、発射制御装置104にはタッチセンサ174や発射停止スイッチ175からの信号が入力されている。タッチセンサ174は遊技者が発射ボリューム171にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ175は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
【0035】
また、封入球制御装置102からはエラー表示LED176に対して所定の異常(例えば、球の発射不能、球詰まりなど)の場合にエラー信号が出力され、エラー信号に応じてエラー表示LED176が点灯(あるいは点滅)する。
さらに、封入球制御装置102からは研磨装置モータ177に対して信号が出力され、この信号を受けて研磨装置モータ177はパチンコ機1の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置を作動させて、球の研磨を行う。なお、球の研磨はパチンコ機1の内部で行うのではなく、例えばパチンコ機1の外部(例えば、島設備)に封入球研磨装置を配置しておき、そこで球の研磨を行って、各台に供給するような構成でもよい。
【0036】
封入球制御装置102は操作・表示パネル7との間で信号の授受を行っており、操作・表示パネル7はLCDユニット181とタッチパネル182を備えている。LCDユニット181は液晶表示装置により構成され、球貸し時や遊技中などにおける情報を遊技者に報知するためのものである。具体的には、後述の図21に示すように、球貸度数、持球数、持球への加算数(遊技制御装置101からの賞球信号を受けて加算)、通常モード、特別モードの表示を行う他、球貸、精算、休憩などの操作ボタンが画面上に配置された構成となっている。そして、球貸、精算、休憩などの操作ボタンに対しては、タッチパネル182がLCDユニット181の表面上に配置されることにより、遊技者の指がタッチすることで、球貸、精算、休憩などの操作を行うことが可能になっている。
【0037】
ここで、遊技制御装置101は遊技モード制御手段、特図始動入賞記憶手段、普図始動入賞記憶手段の機能を実現する。また、操作・表示パネル7、表示装置41は報知手段の機能を実現する。
【0038】
なお一般に、パチンコ機1の機種交換などの場合には、カードユニット15を除くパチンコ機全体を交換するか、或いはパチンコ機の枠側(封入球制御装置含む)を残して遊技盤側(遊技盤と遊技制御装置などの主要な制御装置含む)だけを交換する場合もある。ただし、貸球4円であれば、何れも4円のものが使用されるが、例えば貸球1円専用台であれば、遊技盤側も枠側も貸球1円専用のものが使用されることを前提としている。
【0039】
E.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
まず、パチンコ機1には所定数の封入球が封入されて一定時間研磨装置で研磨されている。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置101のバッファから演出制御装置103に送信され、表示装置41の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、遊技者がカードユニット15に遊技カードを挿入して、所定単位度数の球貸し操作(例えば、操作・表示パネル7の球貸ボタン204を押す:図22参照)を行うと、所定数の持球数(例えば、125個)が加算されて、操作・表示パネル7の持球数表示部203に表示される。
【0040】
遊技者が発射ボリューム171を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール21を介して遊技領域22に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置101から演出制御装置103に送信され、表示部41aにおいて特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口23に流入する。
遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に回収されて循環し、再び発射位置に導かれることになる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
【0041】
この発明概念は、以下のように示される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、複数の識別情報を変動表示させる表示装置と、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、を備え、
始動口に遊技球を入球させて前記表示装置の識別情報を変動表示させ、前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると特別遊技状態を発生させ、
前記遊技制御装置により、遊技結果が前記特別遊技状態を含む所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機という概念である。
【0042】
ここで、遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させるとは、遊技球がセーフになるか、アウトになるかの判定を行い、セーフには、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26を含む)に球が入ることが対応する。
また、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させる場合には、セーフ球に基づいて賞球が持球数に加算される他に、大当りが発生して大量の賞球が大入賞口に入って持球数に加算される場合も含み、これらは遊技者の利益を増加させることに相当する。
遊技結果が表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になるとは、表示装置の図柄が「7,7,7」などの大当り図柄に揃って大当りが発生することで、大当りには、16R大当り、15R大当り、10R大当り、2R確変大当り、2R突確大当りなどの各種大当りが含まれる。
【0043】
なお、封入された遊技球による遊技結果がセーフ又はアウトとの判定は、所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定に相当する。セーフ球による賞球や大当りの発生による賞球などは、所定の利益状態の場合に遊技者の利益(持球数)を増加させることに相当する。
この場合、大当りや大当り後の一定期間ではない通常モードでは遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される一方、入賞があれば、入賞毎に当該入賞口に対応する賞球数が持球数に加算される封入球遊技が行われる。
【0044】
そして、この変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、通常モードにおいて、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、いわゆる時短(特図等の変動表示時間を短くして変動表示ゲームの頻度を高め当り易くするもの)も行われる。
【0045】
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置27の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり大当りラウンド数などを遊技者に報知するための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置101から演出制御装置103に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
【0046】
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
【0047】
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口25又は26にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
【0048】
なお本形態例では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特図1保留表示と特図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口25に入賞すると、第1始動記憶(特図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。また、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口26に入賞すると、第2始動記憶(特図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口26に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
【0049】
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、表示部41a等で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われる。そして、この普図変動表示ゲーム結果(停止した普図)が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
この普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われる。これにより、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
【0050】
次に、特別モードについて概略説明すると、パチンコ機1の電源投入時及び遊技制御装置101のリセット時は、通常モードで遊技が開始され、このモードでは遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される一方、一般入賞があれば、入賞毎に当該入賞口に対応する賞球数が持球数に加算される。また、始動入賞口(特図の始動入賞口25又は26)に遊技球が入ることにより、表示装置41の特図変動が開始されるとともに、予め決められた所定の賞球数が持球数に加算される。そして、始動入賞で抽出された大当り乱数が大当り判定用のゾーンにあれば、大当りが発生し、大当り遊技が行われる。
また、大当り判定とは別に、同じく始動入賞で抽出された大当り乱数を用いて特別モードになるか否かの抽選が行われ、当選すれば特別モードに移行する。
特別モードでは、持球数から規定数(5個。なお、規定数5個は例であり、5個でなくてもよい。以下同様。)を取り込んで、特図変動を開始する。ここで、取り込むとは、持球数から減算する数だけの封入球を発射位置において、球を発射し、発射した球が始動入賞口に入ったという遊技を実行する概念に相当するもので、これにより、持球数から規定数(5個)を取り込むだけで特図変動を開始し、実際に球を発射しなくても、単に持球数から規定数(5個)を減算するのと引き換えに、特図変動を開始するというゲームである。
このとき、持球数から規定数(5個)を取り込んで特図変動しても、始動入賞口に入ったという意味の賞球は持球数に加算されない。つまり、始動入賞口による賞球はない。
そして、特別モードは次回の大当りが発生するまで継続していく。なお、特別モードは、次回の大当りが発生するまで、又は予め定められた特図の変動回数だけ(例えば、100回)継続するようにしてもよい。
【0051】
F.制御系の動作
次に、遊技制御装置101及び封入球制御装置102の制御内容を説明する。最初に遊技制御装置101について図5〜図20により説明する。
(a)遊技制御装置のメイン処理
まず、図5により、遊技制御装置101のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、CPU111に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、遊技制御装置101に電源を供給している電源装置(図示略)の電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置からリセット信号が遊技制御装置101に入力されてCPU111のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU111が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU111が起動する。また、作業者が遊技制御装置101のRAM113等の初期化をしようとする場合には、電源装置の初期化スイッチをオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
【0052】
そしてCPU111が起動すると、まず割込みを禁止し、CPU111に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、RAM113へのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS1乃至S4)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS4が設けられている。
【0053】
次に、封入球制御基板(封入球制御装置102)との通信ライン確認がNGかどうかを判断する。これは、遊技制御装置101と封入球制御装置102との間の通信ラインが確立しているかどうかを確認するもので、NGなら後述のステップS28にジャンプしてRWMアクセス(RAM113へのアクセス)を禁止した後、待機する。
一方、封入球制御装置102との通信ライン確認がOKなら、ステップS6に進んで、この時点での待機中(ウェイト中)に停電が発生したか否かを判別する。停電が発生していればステップS28にジャンプしてRWMアクセス(RAM113へのアクセス)を禁止した後、待機し、停電が発生していなければ、次のステップS7で演出制御基板(演出制御装置103)の起動待ちのウェイト時間が経過したか否かを判断する。起動待ちのウェイト時間が経過していなければ、ステップS5に戻ってルーチンを繰り返し、同ウェイト時間が経過すると、ステップS8に進んで電源装置の初期化スイッチを押しながらの電源投入であるかを判断する。
【0054】
初期化スイッチを押しながらの電源投入であれば、ステップS14にジャンプする。一方、初期化スイッチを押さないで電源投入したのであれば、ステップS9に進んでRAM113の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時であるとしてステップS10に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS14に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS26で設定されるものである。このステップS9では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
【0055】
次にステップS10では、RAM113(図5ではRWMと表記、以下同様)のデータのチェックサムを算出し、ステップS11で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM113のデータが壊れているとき)には、ステップS14に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS12に進む。
ステップS12では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップS13で特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を演出制御装置103に送信する。このステップS13を経ると、ステップS17に進む。
【0056】
初期化スイッチを押しながらの電源投入でステップS14にジャンプした場合やステップS9、S11からステップS14にジャンプした場合には、このステップS14を含めてステップS14〜16の処理を行う。
ステップS14以降の処理に進むと、遊技制御装置101のRAM113内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップS14では使用する全てのRAM113の領域をクリアする。具体的には、RAM113において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップS15で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブし、ステップS16で電源投入時のコマンド(電源投入コマンド)を演出制御装置103に送信する処理を行う。電源投入コマンドが送信されると、他の制御装置は、この電源投入コマンドを受けて、例えば演出制御装置103であれば枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行う。
【0057】
ステップS16を経ると、ステップS17に進み、例えばCPU111の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップS18では、CPU111に内蔵されるCPU周辺回路に設けられた乱数生成回路の起動設定を行う。この乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数のうち一部の乱数の初期値は、後述するステップS20の処理によってソフト的に設定される。
【0058】
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)、特別モード乱数(特別モードとするか否かを決定するための乱数)、小当たり乱数(小当たりとするか否かを決定するための乱数)などがある。ただし、本実施例では、大当り乱数で大当りとするか否か、小当りとするか否か、特別モードとするか否かを決定している。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップS18,20で対象とする乱数は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
【0059】
次いでステップS19では、割込みを許可し、次のステップS20では、初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に当り等をねらうことが困難になるように、乱数の初期値を更新する処理である。
次いでステップS21に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS22で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS23に進み、オンしていなければステップS20に戻る。通常運転中は、ステップS20〜S22を繰り返す。
【0060】
そして、ステップS23に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS24に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS22に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS24以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS23で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
【0061】
そしてステップS24に進むと、割込を禁止した後、次のステップS25で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS26で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS26を経ると、次のステップS27で、RAM113のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS28でRAM113へのアクセスを禁止した後、待機する。なお図5において、「RWM」とあるのはRAM113を意味する。
なお、以上のステップS24〜S28の停電処理は、停電によって電源電圧がCPU111の動作電圧未満に低下する前に行われる。
【0062】
(b)遊技制御装置のタイマ割込処理
次に、遊技制御装置101のタイマ割込処理を図6により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップS17,S19の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
【0063】
このタイマ割込処理では、まずステップS31で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップS32の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ120、121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
【0064】
次に、ステップS33で、後述するステップS41,S42,S43,S44で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、その後、ステップS34,S35で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。なお、大当り乱数とは別に特別モード乱数(特別モードとするか否かを決定するための乱数)、小当たり乱数(小当たりとするか否かを決定するための乱数)を使用する場合は、これらの乱数をソフト乱数としてもよい。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」づつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
【0065】
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類が有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置103が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置103が具体的な変動態様を決定する。
【0066】
次いで、ステップS36では、賞球数に対応する信号(コマンド)を封入球制御装置102に送信する処理(賞球コマンド送信処理)を行う。これは、一般入賞、始動入賞、変動入賞装置27への入賞があると、これらの入賞に対して予め設定された賞球数を持球数に加算するコマンドを送信するものである。
次いで、ステップS37で受信コマンド解析処理を行う。これは、封入球制御装置102から受信したコマンドを解析し、各種のフラグセット等を行うものである。次いで、ステップS38でエラー監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、賞球加算の過剰エラーや、ガラス枠5の開放状態、及び大入賞口27a、普電26の開放中以外での不正入賞などを監視するための処理である。
【0067】
例えば、この処理で監視するエラーの種類は、以下の通りである。
・前枠開放(ガラス枠5開放)
・遊技枠開放(前面枠4開放)
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・磁石不正
・振動不正
・電波不正
・封入球異常(これは、基本的に封入球制御装置102で監視するが、LED報知をするためにエラーの状態を遊技制御装置101(主基板)に伝えるようにする。LEDを制御するのは演出制御装置102であり、それと通信できるのは遊技制御装置101であるため。)
封入球異常には、下記がある。
(a)封入球不足
(b)封入球過剰
(c)浮遊球発生
(d)通路球詰まり
【0068】
次いで、ステップS39に進み、精算中あるいは休憩中であるかを判定する。遊技者が精算中あるいは休憩中であれば、ステップS40乃至ステップS42をジャンプしてステップS43に進む。これは、遊技者が精算中あるいは休憩中であれば、封入球遊技を行わないので、ステップS43にジャンプするものである。
精算中あるいは休憩中でなければ、ステップS40に進み、入賞口スイッチ監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ120、121、入賞口スイッチ123、及びカウントスイッチ124)を監視し、例えばカウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、15個の賞球の持球数加算を封入球制御装置102に要求する前準備などの処理を実行するものである。
【0069】
次に、ステップS41では、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる(詳細後述する)。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置103などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
【0070】
次いで、ステップS42では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置103などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
次に、ステップS43では、セグメントLED編集処理を実行する。これは、ステップS41の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄やステップS42の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置35の本特図の表示器(LED、7セグメントの表示器)において表示するための処理である。
次に、ステップS44では外部情報編集処理を実行する。これは、遊技制御装置101からホールコンピュータ54、カードユニット15等の外部装置へ出力しようとするデータの編集を行うものである。
その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS45でタイマ割込み要求をクリアし、ステップS46で退避させたレジスタを復帰させ、ステップS47で割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
【0071】
(c)遊技制御装置の特図ゲーム処理
次に、前記タイマ割込処理における特図ゲーム処理S41を図7により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS61で始動口スイッチ監視処理を実行する。これは、前述したように設定される入力フラグを監視し、始動口スイッチ120、121の入力フラグが設定されていると、大当たり乱数の値を抽出し記憶するなどの処理を実行するものである(詳細後述する)。
次いでステップS62でカウントスイッチ監視処理が行われる。これは、カウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、大入賞口27aに遊技球が入賞したとして、所定の処理を実行するものである。
【0072】
次いでステップS63では、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ、当該タイマの−1更新後に、ステップS64に進む。ステップS64では、特図ゲーム処理タイマ=「0」であるかどうかを判断し、「0」でなければ、ステップS73にジャンプしてステップS66乃至ステップS72、ステップS501の特図ゲーム処理は行わない。一方、特図ゲーム処理タイマ=「0」であれば、ステップS65に進む。
なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する処理番号による分岐後の各処理(ステップS66〜S72、ステップS501)において、それぞれ所定の値にタイマ値が設定されるものであり、この特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたときにステップS65以降を実行すべきタイミングになるように設定される。これにより、ステップS63を実行した時点で、ステップS65以降を実行すべきタイミングになっていると、ステップS64の判定結果が肯定的になり、ステップS65以降(ステップS72〜S74、ステップS501含む)が実行される。そして、ステップS63を実行した時点で、ステップS65以降を実行すべきタイミングでない場合には、ステップS64の判定結果が否定的になり、ステップS73、74のみが実行される構成となっている。
【0073】
次いで、ステップS65では処理番号により分岐する。ここでは、後述する処理番号による分岐のために、例えば特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定し、特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる。次いで、処理番号により分岐する。
即ち、処理番号0でステップS66(特図普段処理)へ、処理番号1でステップS67(特図変動中処理)へ、処理番号2でステップS68(特図表示中処理)へ、処理番号3でステップS69(ファンファーレ/インターバル中処理)へ、処理番号4でステップS70(大入賞口開放中処理)へ、処理番号5でステップS71(大入賞口残存球処理)へ、処理番号6でステップS72(大当り終了処理)へ、処理番号7でステップS501(
小当り終了処理)へ進む。なお、客待ち状態(デモ中)は、処理番号0である。
【0074】
そして、ステップS66(特図普段処理)では、特図保留数(特図変動表示ゲーム未実施で保留になっている特図始動記憶の数)がゼロで特図変動表示ゲームを実行中でないときには、客待ち状態の表示を表示装置41で行うための処理を行う。また、この特図普段処理では、次の特図変動表示ゲームを開始するための処理(特図変動開始処理)を行う。この特図変動開始処理では、特図1及び特図2の始動記憶を監視し、何れかの特図始動記憶があれば、対応する変動表示(第1又は第2変動表示)を開始するための設定(演出制御装置103に送信する変動パターンコマンドの設定など)を実行し、処理番号を1とした後にリターンする。特図保留数がゼロで次の特図変動表示ゲームを実行しない場合には、そのまま(処理番号は0のまま)リターンする。
【0075】
また、ステップS67(特図変動中処理)では、特図変動開始処理で設定された変動時間が経過するまで、特図を変動表示させるための処理が行われる。そして、前記変動時間が経過すると、特図の図柄を停止させるコマンド(図柄停止コマンド)を演出制御装置103に送信する処理を実行した後、処理番号を2としてリターンする。設定された変動時間が未経過のときは、そのままリターンする(処理番号は1のままとする)。
また、ステップS68(特図表示中処理)では、特図の変動表示結果を一定時間(1秒〜2秒)表示するための処理を行う。前記一定時間の表示が終了すると、大当りなら処理番号を3とし、小当りなら処理番号を7、はずれなら処理番号を0としてリターンする。前記一定時間が未経過のときは、そのままリターンする(処理番号は2のままとする)。
【0076】
また、ステップS69(ファンファーレ/インターバル中処理)では、大当り直後にはファンファーレ音等をスピーカ12a等から出力するファンファーレ処理を実行し、大当りのインターバル期間にはインターバル期間の表示等を実現するためのインターバル処理を実行し、変動入賞装置27の大入賞口開放を開始するタイミングで処理番号を4にする。
また、ステップS70(大入賞口開放中処理)は、変動入賞装置27の大入賞口27aを開放している間の処理である。大入賞口開放が終了すると処理番号を5にする。
【0077】
また、ステップS71(大入賞口残存球処理)では、大入賞口開放終了の間際に大入賞口27aに入った遊技球を確実にカウントするために一定時間待機する処理を行い、この一定時間が経過した後に、大当りのラウンドが残っているときには処理番号を3にし、大当りのラウンドが残っていないときには処理番号を6としてリターンする。
またステップS72(大当り終了処理)では、大当たり終了後に特図普段処理S66を実行するための処理を行い、処理番号を0に戻してリターンする。
次に、小当たりの各処理について説明すると、ステップS68で小当りと決定された直後からファンファーレ音等をスピーカ12a等から出力して小当りの演出を行うが、大当りの場合と異なり、大入賞口の開放は行わない。小当り演出時間が経過するとステップS501(小当り終了処理)を実行する。ステップS501(小当り終了処理)では、規定賞球数を持球数に加算するためのコマンドを封入球制御装置102に送信し、特図普段処理S66を実行するための処理を行い、処理番号を0に戻してリターンする。
このように、小当りの場合には大入賞口の開放がないので、大当り時のような小当りファンファーレ中処理、小当り中処理、小当り残存球処理は行わない制御内容になっている。
【0078】
次に、処理番号に応じた上記何れかの処理が終了すると、ステップS73に進み、特図1変動制御処理を行う。具体的には、特図1の一括表示装置35での表示(本特図1の表示)を制御するためのテーブルを準備し、この本特図1の変動表示のための制御処理を行う。
次いでステップS74に進み、特図2変動制御処理を行う。具体的には、特図2の一括表示装置35での表示(本特図2の表示)を制御するためのテーブルを準備し、この本特図2の変動表示のための制御処理を行い、その後リターンする。
【0079】
(d)遊技制御装置の特図普段処理
次に、前記特図ゲーム処理におけるステップS66で実行される特図普段処理を図8により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS81で特図2の保留数が「0」でないかどうかを判断する。ここでは、特図2の方を特図1よりも優先的に判断するため、先に特図2の保留数をチェックすることにしている。
特図2の保留数が「0」であれば、続いてステップS82で特図1の保留数が「0」でないかどうかを判断する。特図1の保留数が「0」であれば、すなわち、特図1、2の何れも保留数が「0」のときは、ステップS83に進み、客待ちデモ画面を開始済みかどうかを判断し、客待ちデモ画面を開始済みであれば、ステップS86で特図普段処理移行のデータを設定してリターンする。
一方、客待ちデモ画面を開始済みでなければ、ステップS84で客待ちデモ中フラグをセットし、ステップS85で客待ちデモコマンドを演出制御装置103に送信する。これにより、演出制御装置103の制御により、表示装置41に客待ちデモ画面が表示されることになる。次いで、ステップS86で特図普段処理移行のデータを設定してリターンする。したがって、次回は特図普段処理に移行することになる。
一方、ステップS81の判定結果がYESなら、すなわち、特図2の保留数が「0」でなければ保留があるので、ステップS87に分岐し、特図2変動開始処理1を実行してリターンする。
また、ステップS82の判定結果がYESなら、すなわち、特図1の保留数が「0」でなければ保留があるので、ステップS88に分岐し、特図1変動開始処理1を実行してリターンする。
【0080】
(e)遊技制御装置の特図1変動開始処理1
次に、前記特図普段処理におけるステップS88で実行される特図1変動開始処理1を図9により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS91で特図1大当り判定処理を行う。これは、特図1に対応する大当り乱数が大当りしているかどうかを判定する処理である(詳細は後述)。
次いで、ステップS511で特図1小当り判定処理を行う。これは、特図1に対応する大当り乱数が小当りしているかどうかを判定する処理である(詳細は後述)。次いで、ステップS512で特図1特別モード抽選判定処理を行う。これは、特図1に対応する大当り乱数が特別モードに当選しているかどうかを判定する処理である(詳細は後述)。
次いで、ステップS92で特図1停止図柄設定処理を行う。これにより、特図1が大当り又は外れの何れであっても特図1の抽出乱数に対応した図柄が設定される。
次いで、ステップS93で特図1停止図柄番号に対応する試験信号出力データを設定する。これは、今回の特図1停止図柄を所定の試験装置で検査するために必要なデータを設定するものであり、設定データはタイマ割込み処理のステップS33で外部に出力される。次いで、ステップS94で特図1変動フラグをセットする。これにより、特図1あるいは特図2のどちらであるかを判断可能にする。
【0081】
次いで、ステップS95で変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備し、続くステップS96〜ステップS99の4つのステップで特図の変動に関する情報の細かな設定を行う。すなわち、ステップS96で特図情報設定処理、ステップS97で後半変動パターン設定処理、ステップS98で変動パターン設定処理、ステップS99で変動開始情報設定処理をそれぞれ行う。これにより、特図1がどのようなパターンで変動するかが細かく設定される。
次いで、ステップS100で特図1変動開始に関する試験信号出力データを設定する。これは、今回の特図1変動開始に関するデータを所定の試験装置で検査するために必要なデータを設定するものである。次いで、ステップS101で客待ちデモ中フラグをクリアして特図1の変動開始に備え、その後、ステップS102で特図変動中処理移行のデータ(例えば、処理番号を1)を設定してリターンする。
【0082】
(f)遊技制御装置の特図1大当り判定処理
次に、前記特図1変動開始処理におけるステップS91で実行される特図1大当り判定処理を図10により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS111で特図1大当りフラグをクリアし、ステップS112で大当り乱数セーブ領域(特図1の保留数1用)から大当り乱数(なお、ここでの大当り乱数の意味は、大当りかどうかを判断するために始動入賞のタイミングで抽出された判定用の抽出乱数のことである)をロードする。これにより、始動入賞口25への遊技球の入賞時に格納した大当り乱数が取り出される。次いで、ステップS113で今回ロードした大当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定し、YESならルーチンを終了してリターンし、NOならステップS114に進む。
【0083】
ここで、実際に大当りとなる乱数(大当り決定乱数)は一定の幅(ゾーン)で複数の値が配列されており、例えば高確率ならその幅が広く、低確率なら幅が狭く設定されている。そして、抽出した大当り乱数が複数の大当り決定乱数の何れかと等しいならば、大当り発生と判断する。
そのため、ステップS114では高確率中であるかを判断し、高確率中であればステップS115で高確率時の上限判定値を設定してステップS117に進み、高確率中でなければステップS116で低確率時の上限判定値を設定してステップS117に進む。ステップS117では今回ロードした大当り乱数が上限判定値を超えているか否かを判定し、YESなら大当り発生ではないと判断してリターンし、NOなら今回ロードした大当り乱数が大当り発生の乱数ゾーンにあると判断してステップS118に進む。そして、ステップS118では大当り発生であるから、特図1大当りフラグをセットしてリターンする。
このようにして、大当り判定のための抽出乱数値を高確率時又は低確率時の大当り判定ゾーンの乱数値と比較して一致していれば、大当り発生と判断して特図1大当りフラグがセットされる。
【0084】
(g)遊技制御装置の特図1小当り判定処理
次に、前記特図1変動開始処理におけるステップS511で実行される特図1小当り判定処理を図11により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS521で特図1小当りフラグをクリアし、ステップS522で大当り乱数セーブ領域(特図1の保留数1用)から大当り乱数(ここでの大当り乱数の意味は、大当りかどうかを判断するために始動入賞のタイミングで抽出された判定用の抽出乱数のことであり、これを小当り判定にも使用するものである)をロードする。これにより、始動入賞口25への遊技球の入賞時に格納した大当り乱数が取り出される。次いで、ステップS523で今回ロードした大当り乱数が小当り下限判定値未満であるか否かを判定し、YESならルーチンを終了してリターンし、NOならステップS524に進む。
【0085】
ここで、実際に小当りとなる乱数(小当り決定乱数)は一定の幅(ゾーン)で複数の値が配列されており、例えば高確率ならその幅が広く、低確率なら幅が狭く設定されている。そして、抽出した大当り乱数が複数の小当り決定乱数の何れかと等しいならば、小当り当選と判断する。
そのため、ステップS524では特別モード中であるかを判断し、特別モード中であればステップS525で特別モード時の小当り上限判定値を設定してステップS527に進み、特別モード中でなければステップS526で特別モード時以外の小当り上限判定値を設定してステップS527に進む。ステップS527では今回ロードした大当り乱数が小当り上限判定値を超えているか否かを判定し、YESなら小当り当選ではないと判断してリターンし、NOなら今回ロードした大当り乱数が小当り当選の乱数ゾーンにあると判断してステップS528に進む。そして、ステップS528では小当り当選であるから、特図1小当りフラグをセットしてリターンする。
このようにして、大当り判定のための抽出乱数値を小当り当選ゾーンの乱数値と比較して一致していれば、小当り当選と判断して特図1小当りフラグがセットされる。
【0086】
(h)遊技制御装置の特図1特別モード抽選処理
次に、前記特図1変動開始処理におけるステップS512で実行される特図1特別モード抽選処理を図12により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS531で特別モード当選フラグをクリアし、次いで、ステップS532で高確率中か、ステップS533で時短中か、ステップS534で特別モード中か、ステップS535で特図1大当り又は小当りかをそれぞれ判定する。
そして、上記各判定ステップでYESであれば、いずれの場合もルーチンを終了してリターンする。これらの各ケースは、何れも特別モードを発生させる必要が無いと判断したものである。
一方、上記各判定ステップの何れもNOであれば、ステップS536に進む。すなわち、低確率中、時短中でない、特別モード中でない、特図1大当り又は小当りでもない、という条件を全て満たす場合には、特別モード抽選のチャンスを与えるべく、ステップS536以降に進むことになる。
【0087】
ステップS536では、大当り乱数セーブ領域(特図1の保留数1用)から大当り乱数(ここでの大当り乱数の意味は、大当りかどうかを判断するために始動入賞のタイミングで抽出された判定用の抽出乱数のことであり、これを特別モード抽選にも使用するものである)をロードする。これにより、始動入賞口25への遊技球の入賞時に格納した大当り乱数が取り出される。次いで、ステップS537で今回ロードした大当り乱数が特別モード下限判定値未満であるか否かを判定し、YESならルーチンを終了してリターンし、NOならステップS538に進む。
【0088】
ここで、実際に特別モード当選となる乱数(特別モード当選決定乱数)は一定の幅(ゾーン)で複数の値が配列されており、例えば特別モード下限判定値と特別モード上限判定値との間の幅で設定されている。そして、抽出した大当り乱数が複数の特別モード当選決定乱数の何れかと等しいならば、特別モード当選と判断する。
そのため、ステップS538では今回ロードした大当り乱数が特別モード上限判定値を超えているか否かを判定し、YESなら特別モード当選ではないと判断してリターンし、NOなら今回ロードした大当り乱数が特別モード当選の乱数ゾーンにあると判断してステップS539に進む。そして、ステップS539では特別モード当選であるから、特別モード当選フラグをセットしてリターンする。
このようにして、大当り判定のための抽出乱数値を特別モード当選ゾーンの乱数値と比較して一致していれば、特別モード当選と判断して特別モード当選フラグがセットされる。なお、本例において特別モードの抽選は、大当り乱数により行われるが、別途特別モード用の乱数を設けて抽選するようにしてもよい。
【0089】
(i)遊技制御装置の特図1停止図柄設定処理
次に、前記特図1変動開始処理におけるステップS92で実行される特図1停止図柄設定処理を図13により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS121で特図1大当りかどうかを判断する。これは、特図1大当りフラグがセットされているか否かで判断する。特図1大当りでなければ、ステップS551に分岐して特図1小当りかどうかを判断する。これは、特図1小当りフラグがセットされているか否かで判断する。ステップS551で特図1小当りでなければ、ステップS554にジャンプする。
また、ステップS551で特図1小当りと判断すれば、ステップS552に進み小当り時の停止図柄番号(例えば、番号101)を設定するとともに、ステップS553で小当り時の図柄情報(小当りという情報を意味する)を設定した後、ステップS124に進んで図柄情報に対応する飾り特図コマンドを設定する。ステップS124を経るとリターンする。
【0090】
ここで、停止図柄番号について説明する、例えば停止図柄番号は0から101まであり、0がはずれ、1から100までが大当りの停止図柄、101が小当りの停止図柄、102が特別モードの停止図柄というようになっている。1から100までには、いわゆる16R確変、16R通常、2R確変、2R通常のそれぞれに対応するような大当りの図柄情報が適宜、割り当てられ、101には小当りに対応するような図柄情報が適宜、割り当てられ、102には特別モードに対応するような図柄情報が適宜、割り当てられている。このような図柄情報を用いれば、少ない組み合わせの情報で判断できる利点がある。例えば、特図1なら5種類、特図2なら9種類の情報を持つように設定しておく。これに対して、停止図柄番号のみで判断すると、103種類の値から判断しなくてはならなくなる。
一方、ステップS551で特図1小当りでなく、ステップS554にジャンプしたときは、ステップS554で特別モードに当選か否かを判定し、当選でなければ、ステップS122に分岐してはずれ時の停止図柄番号(例えば、番号0)を設定するとともに、ステップS123ではずれ時の図柄情報(はずれという情報を意味する)を設定した後、ステップS124に進んで図柄情報に対応する飾り特図コマンドを設定する。ステップS124の処理は、変動開始タイミングや大当り開始タイミング等、送りたい時に飾り特図コマンドを送信できるようにRAM113に保存しておくもので、送信毎にコマンドを作成するのは手間がかかるからである。ステップS124を経るとリターンする。
また、ステップS554で特別モードに当選していれば、ステップS555に進み、特別モード当選時の停止図柄番号を設定し、ステップS556で特別モード当選時の図柄情報を設定した後、ステップS124に抜ける。このようにして、特別モード当選時の図柄設定が行われる。
【0091】
ステップS121に戻り、ステップS121で特図1大当りと判断すれば、ステップS125に進み、大当り図柄乱数セーブ領域(特図1の保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする。次いで、ステップS126で大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号(例えば、番号1から100までの何れか)を設定する。次いで、ステップS127で低確率中であるかどうかを判定し、低確率中であればステップS128で低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し、低確率中でなければ、ステップS129で高確率時、時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定する。準備されている停止図柄情報テーブル上に定義されている情報としては、以下の4つがある。
(a)図柄情報
(b)確率変動判定フラグ
(c)ラウンド数上限値情報
(d)大入賞口開放情報
なお、これらは停止図柄番号の数に合わせて複数のグループになっている。
このように、大当り時には低確率、高確率、時短の状態に応じて特図1大当り停止図柄情報テーブルが設定される。
【0092】
ステップS128又はステップS129を経ると、次いで、ステップS130〜ステップS133に進み、停止図柄情報テーブル上に定義されている4つの情報について、それぞれ設定していく。まず、ステップS130で停止図柄番号に対応する図柄情報を取得し、セーブする。大当り時の停止図柄番号は前述したように番号1から100まであるので、その中で、例えば16R確変などに対応する大当り図柄情報を決定するものである。次いで、ステップS131で停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得し、セーブする。これは、大当り動作終了後に確率変動するのか否か、時短の変動回数の違い等を含むか否かについての判定を行うフラグを取得するものである。次いで、ステップS132で停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、セーブする。これは、何ラウンドの大当りであるかを示す情報を取得するものである。次いで、ステップS133で停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、セーブする。これは、ラウンド毎の大入賞口の開放動作を示す情報を取得するもので、例えば大入賞口の29秒フルオープン、4回開閉などの情報を取得する。ステップS133を経ると、ステップS124に進んで図柄情報に対応する飾り特図コマンドを設定し、その後、リターンする。
【0093】
(j)遊技制御装置の特図表示中処理
次に、特図ゲーム処理におけるステップS68で実行される特図表示中処理を図14、図15により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS171で特図2が大当りであるか否かを判別し、大当りであればステップS174に分岐し、大当りでなければ、ステップS172に進む。ステップS172では同様に、特図1について大当りか否かを判別し、大当りであればステップS173に進み、大当りでなければステップS563にジャンプする。
特図2が大当りの場合は、ステップS174にて特図2大当りの開始に関する試験信号出力データを設定してステップS560に進み、特図1が大当りの場合は、ステップS173にて特図1大当りの開始に関する試験信号出力データを設定してステップS561に進む。何れも、所定の試験機関にデータを提供するためである。
【0094】
ステップS560では特図1、特図2の抽選結果のフラグを全てクリアし、続くステップS176で大当りのラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を設定する。大当りのラウンド数としては、前述したように、例えば通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成であれば、16Rであってもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当りを発生させる構成であれば、2Rであってもよい。何れにしても、このステップS176でのラウンド数の上限値は、ステップS132で設定された結果により決まる。
【0095】
ここで、大当りの種類と振分けは、例えば次のように設定されている。
大当りの種類としては、4R確変大当り(大当り図柄番号1)と、15R確変大当り(大当り図柄番号2)と、15R通常大当り(大当り図柄番号3)とがあり、これら大当りの種類に対してそれぞれ特定の大当り図柄(複数でもよい)が対応する設定となっている。ここで、4R確変大当りは、大当りのラウンドが4ラウンドで、大当り後に高確率となり、大当り後のサポート(普電の開閉部材26aの開動作)が次回大当りまであるものであり、特図1での選択割合は50%、特図2での選択割合は0%である。また15R確変大当りは、大当りのラウンドが15ラウンドで、大当り後に高確率となり、大当り後のサポートが次回大当りまでであり、特図1での選択割合は25%、特図2での選択割合は75%である。また15R通常大当りは、大当りのラウンドが15ラウンドで、大当り後に低確率(通常確率)となり、大当り後のサポートが特図変動回数100回までであり、特図1での選択割合は25%、特図2での選択割合は25%である。つまり、特図1では2R確変大当りが最も発生し易く、特図2では15R確変大当りが最も出易い構成となっている。但し、大当りのうちで全体として確変が発生する割合は、特図1も特図2も75%で同じである。
なお、前記4R確変大当りの代わりに2R確変大当りとしてもよい。ここで、2R確変大当りは、大当りのラウンドが2ラウンドで、大当り後に高確率となり、大当り後のサポート(普電の開閉部材26aの開動作)がないものである。
また、2R確変大当りによる確変は、確変(高確率)になっていることが遊技者に分かり難いもので、いわゆる潜伏確変に相当する。
【0096】
なお、特別遊技状態の種類等は当然に以上説明したものに限定されず、例えば小当り(大当りではないが、所定期間、大当りラウンドと同様の状態が発生するもの)が設定されていてもよい。
ただし、実施例1では、通常モード及び特別モード共に、大当りは大入賞口27aを所定時間開放させ、入賞すると対応する賞球を持球数に加算するが、小当りは大入賞口27aを開放させずに、所定の賞球数を直接持球数に加算するように設定されている。
なお、小当りとして、例えば2種類を設定し、通常モードでは小当りは大入賞口を所定時間開放させ、そこに入賞すると、対応する賞球を持球数に加算する一方、特別モードでは小当りは大入賞口を開放させず、所定の賞球数を直接に持球数に加算するという設定を
組み合わせてもよい(後述の本発明の変形例は、上記のような組み合わせでなく、通常モードでは小当りは大入賞口を所定時間開放させ、そこに入賞すると、対応する賞球を持球数に加算し、特別モードでは小当りは大入賞口を開放させず、所定の賞球数を直接に持球数に加算する設定に置き換える例である。)
この場合、2R確変大当りと同様に大入賞口を開閉する小当りがあると、この小当り(確変無し)になったのか2R確変大当り(確変有り)になったのか大入賞口の動作では分かりにくく、確率曖昧状態が発生し得る。
【0097】
次いで、ステップS177でラウンド数上限値に対応するラウンドLED表示番号を設定し、演出制御装置103にて大当りのラウンド数の表示を演出させるようにする。次いで、ステップS178で特別モード終了コマンドを封入球制御装置102に送信する。これは、大当りが発生したので、特別モードを終了させるためである。
次いで、ステップS179で確率情報コマンド(低確率)を演出制御装置103に送信する。これは、大当りの抽選確率が低く、かつ特別モード中でない場合における確率情報コマンドである。次いで、ステップS180で停止図柄に対応するファンファーレコマンドを演出制御装置103に送信する。これにより、このとき発生した大当りにふさわしいファンファーレコマンドが設定されて、大当りの映像や効果音などの演出が付与されることになる。次いで、ステップS181で停止図柄に対応する飾り特図コマンドを演出制御装置103に送信する。これらの処理により、大当りが開始すると、特図確率が低確率になること、大当りのファンファーレ発生、停止図柄を表示することが行われることになる。
【0098】
次いで、ステップS182で大入賞口開放情報と確率の状態に対応する外部情報出力データを設定する。これは、ホールコンピュータ54に出力する外部情報として、どのようなデータを出力するかを設定するものである。次いで、ステップS183で大当りの開始に関する外部情報出力データを設定する。これも、ホールコンピュータ54に出力するためのものである。次いで、ステップS561で高確率、時短の終了に関する試験信号出力データを設定する。これは、試験機関へのデータを設定するものである。次いで、ステップS185に進み、ラウンド数をリセットする。これにより、ラウンド数がゼロに戻される。
【0099】
次いで、ステップS186で普図ゲームモードフラグを普図低確率・普電サポートなしフラグとしてセットし、ステップS187で特図ゲームモードフラグを低確率としてセットし、ステップS188で遊技状態表示番号を低確率時の値に設定する。これにより、大当り中は普図が低確率、普電が低確率で開閉して遊技球の始動入賞のサポートがない状態になる。次いで、ステップS189で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし、停電に備えて内部的に情報を保存しておく。次いで、ステップS190で高確率報知フラグをクリアする。高確率報知フラグは、高確率中に停電した場合、停電復旧後は高確率中であることを遊技者に報知するために設けているフラグであり、確率の状態が変化するまで報知するようにしているため、大当りになると低確率となるので、報知を終了させるためにクリアするものである。
【0100】
次いで、ステップS562で時短変動回数をリセットする。これにより、大当りが発生することで、普図が高確率で、普電を高確率で開閉して遊技球の始動入賞をサポートする状態(時短)がリセットされる。
次いで、ステップS192で大入賞口不正監視期間フラグを不正監視期間外としてセットし、ステップS193で大入賞口不正入賞数をリセットする。大入賞口不正監視期間フラグは、大当りとなり、大入賞口が開放するようになった場合に、入賞した球は不正入賞ではないと判断するためのフラグである。なお、大当り中は大入賞口が開放していない時でも、正規入賞と判断する。また、大当りとなる度に、不正入賞数をクリアする。
このように、不可抗力や不正などで大当り中以外のときに大入賞口に入賞した遊技球のカウントをリセットしたり(特に、不可抗力によるカウントが蓄積して不正扱いとならないようにするために)、大入賞口への不正を監視する期間を外す。外さないと正規な大当り入賞とみなされず、不正入賞となるからである。
【0101】
次いで、ステップS194で大入賞口開放情報に対応するファンファーレ時間を設定する。これにより、このとき発生した大当りにふさわしいファンファーレの時間が設定されて、大当りの効果音の演出が行なわれることになる。次いで、ステップS195でファンファーレ処理移行のデータを設定して前述の特図ゲーム処理にリターンする。これは、特図表示中処理を終了して次の処理に相当するファンファーレ/インターバル中処理の処理番号に移行させるものである。
【0102】
一方、ステップS171、172で特図1あるいは特図2の何れかの大当りでもなければ、図15に示すステップS563に分岐して特図2の小当りかどうかを判断する。特図2の小当りでなければ、ステップS564では同様に特図1の小当りかどうかを判断する。特図1の小当りであればステップS565に進み、特図1の小当りでなければステップS575にジャンプする。
特図1が小当りの場合は、ステップS565にて特図1小当りの開始に関する試験信号出力データを設定してステップS567に進み、特図2が小当り場合は、ステップS566にて特図2小当りの開始に関する試験信号出力データを設定してステップS567に進む。何れも、所定の試験機関にデータを提供するためである。
【0103】
ステップS567では特図1、特図2の抽選結果のフラグを全てクリアし、続くステップS568で時短回数更新処理を行う。これは、時短中に回数を更新していくものである。次いで、ステップS569で小当り演出コマンドを演出制御装置103に送信する。これにより、このとき発生した小当りにふさわしい演出コマンドが設定されて、小当りの映像や効果音などの演出が付与されることになる。次いで、ステップS570で小当りの停止図柄に対応する飾り特図コマンドを演出制御装置103に送信する。これらの処理により、小当りが開始すると、その停止図柄を表示し、小当りの演出が行われることになる。
次いで、ステップS571で小当りの開始に関する外部情報出力データを設定する。これは、ホールコンピュータ54に出力する外部情報として、小当り開始データを設定するものである。次いで、ステップS572で小当り用のラウンドLED表示番号を設定し、ステップS573で小当り演出時間を設定する。これにより、このとき発生した小当りに対するLED演出等の設定が行われる。次いで、ステップS574で小当り終了処理移行のデータを設定し、リターンする。これは、特図表示中処理を終了して次の処理に相当する小当り終了処理の処理番号に移行させるものである。
【0104】
一方、ステップS563、S564で特図2の小当りあるいは特図1の小当りでもなければ、ステップS575に分岐して特別モードに当選かどうかを判断する。特別モードに当選でなければ、ステップS582にジャンプして、時短回数更新処理(ステップS568と同様)を行い、ステップS583で特図普段処理移行のデータを設定して前述の特図ゲーム処理にリターンする。これにより、特図表示中処理を終了して次の処理に相当する特図普段処理の処理番号に移行することになる。
ステップS575で特別モードに当選していれば、ステップS576に進み、特別モード当選フラグをクリアし、ステップS577で特別モード中フラグをセットする。次いで、ステップS578で特別モード開始コマンドを封入球制御装置102に送信する。これは、特別モードに当選したので、それを封入球制御装置102に通知することで、封入球制御装置102では特別モードになると、取り込み分(5個)の持球数の減算などを行ったり、特別モードへの移行を操作・表示パネル7に表示したりするためである。
【0105】
次いで、ステップS579で特別モード開始コマンドを演出制御装置103に送信する。これにより、特別モードへの移行やゲーム説明を表示できるようになると共に特別モードにふさわしい映像や効果音などの演出が付与されることになる。次いで、ステップS580で普図保留数を「0」クリアし、ステップS581で普図当り乱数セーブ領域を全て「0」クリアする。これは、通常モードから特別モードになったら、普図の記憶はクリアするものであり、普図当りになっても、特別モードでは球の発射がないからである。ステップS581を経ると、ステップS582、S583を経てリターンする。
【0106】
(k)遊技制御装置の時短回数更新処理
次に、前記特図表示中処理におけるステップS568などで実行される時短回数更新処理を図16より説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS601で時短中であるか否を判定し、時短中でなければ、ルーチンを終了してリターンする。一方、時短中であれば、ステップS602に進んで時短変動回数を「―1」更新(すなわち、「1」だけデクリメント)してステップS603に進み、時短変動回数=0か否かを判定する。時短変動回数=初期値100回に設定されていた場合には、ここで「1」ずつデクリメントされていくことになり、最終的に「0」になったかどうかを判断するものである。
時短変動回数が「0」でなければ、リターンしてルーチンを繰り返し、ルーチンを繰り返して時短変動回数が「0」になると、ステップS604に進んで確率情報コマンド(時短終了)を演出制御装置103に送信する。これにより、演出制御装置103の制御により時短終了の演出が行われたりすることになる。なお、時短の終了情報を封入球制御装置102に送信し、操作・表示パネル7に時短終了の旨を表示するようにしてもよい。
【0107】
次いで、ステップS605で時短の終了に関する外部情報出力データを設定し、ステップS606で時短の終了に関する試験信号出力データを設定する。これにより、ホールコンピュータ54に対して時短の終了の情報が送信されたり、試験機関に対して時短の終了の試験信号が送られたりする。
次いで、ステップS607で普図ゲームモードフラグを普図低確率・普電サポートなしフラグとしてセットし、ステップS608で特図ゲームモードフラグを低確率としてセットする。これは、時短が終了するので、普図を低確率、普電サポートなしにしたり、特図を低確率にしたりするものである。
次いで、ステップS609で遊技状態表示番号を低確率時の値に設定する。これは、一括表示装置35に低確率時の状態表示をさせるためのものである。次いで、ステップS610で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし、停電に備えて内部的に情報を保存しておく。ステップS610を経ると、ルーチンを終了する。
【0108】
(l)遊技制御装置の始動口スイッチ監視処理
次に、前記特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理S61を図17により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS621で第1始動入賞口25内の第1始動口スイッチ120(図面では、始動口1スイッチと表記)に入力があるか否かを判定する。これは、第1始動入賞口25に入賞したかどうかを判断するものである。第1始動口スイッチ120に入力がなければ、ステップS624にジャンプし、入力があると、ステップS622に進んで、始動口1入賞時設定用テーブルを準備する。ここでの入賞時設定用テーブルは、第1始動入賞口25への入賞を監視するためのテーブルである。
次いで、ステップS623で始動口入賞時共通処理を行う。これは、始動入賞があったときに、特図変動を開始させる等の全ての始動入賞に共通する処理を行うものである。
具体的には、1つの始動入賞があると、始動記憶数の範囲内で1回だけ特図変動を開始し、1つの始動入賞に対応する賞球数を払うが、操作・表示パネル7の取込ボタン207(図22参照)の起動による取込みコマンドで持球数から5個減算して特図変動を開始させる場合は賞球数を払う処理はしない。ただし、始動記憶数の範囲外の始動入賞であっても、始動入賞に変わりはないので、対応する賞球数を払う。
【0109】
次いで、ステップS624に進み、普電入賞不正発生中か否かを判定する。これは、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への正規の遊技球の入賞を監視するとともに、不正な第2始動入賞口26への入賞を監視するものである。なお、不正・入賞監視処理については、大入賞口への不正入賞の監視と、普電(普通電動役物)への不正入賞の監視とで、同じルーチンを採用している。
ステップS624の判定結果がYES(不正あり)なら、ルーチンを終了してリターンする。一方、普電入賞不正発生中でなければ、ステップS625で普電作動中か否かを判定し、普電作動中でなければリターンし、普電作動中であればステップS626で第2始動入賞口26内の第2始動口スイッチ121(図面では、始動口2スイッチと表記)に入力があるか否かを判定する。これは、第2始動入賞口26(つまり、普電入賞口)に入賞したかどうかを判断するものである。第2始動口スイッチ121に入力がなければ、ルーチンを終了してリターンし、入力があると、ステップS627に進んで、割り込みを禁止した後、ステップS628で始動口2入賞時設定用テーブルを準備する。ここでの入賞時設定用テーブルは、第2始動入賞口26への入賞を監視するためのテーブルである。
なお、上記で割り込みを禁止するのは、実際に第2始動入賞口26へ球が入賞するのと、操作・表示パネル7の取込ボタン207を押して始動入賞と同様に特図変動を開始させる場合のタイミングとが重ならないようにするために、操作・表示パネル7の取込ボタン207の起動による割り込みを禁止しておくためである。
ステップS628を経ると、ステップS629で始動口入賞時共通処理を行い、続くステップS630で割り込みを許可してルーチンを終了し、リターンする。上記ステップS627で割り込みを禁止したので、解除するものである。
【0110】
(m)遊技制御装置の取込みコマンド受信割込み処理
次に、取込みコマンド受信割込み処理を図18により説明する。
このルーチンは操作・表示パネル7の取込ボタン207の起動により封入球制御装置102から遊技制御装置101へ取込みコマンドが送信された時点の割り込みで開始される。
取込みコマンドによる割り込みがかかると、ステップS641で遊技制御装置101のCPU111内のレジスタを退避し、ステップS642で特別モード中か否かを判定する。特別モード中でなければ、ステップS645にジャンプして取込ボタン207の動作に応答して動作しない。一方、特別モード中であれば、ステップS643で受信したコマンド(取込みコマンド)は正常な取込みコマンドであるか否かを判定し、NOであれば、ステップS645にジャンプし、正常な取込みコマンドであればステップS644に進む。
なお、本実施例では、遊技制御装置101が封入球制御装置102より取込みコマンドを受信するが、遊技制御装置101に取込みボタン207の操作情報を直接入力して制御するようにしてもよい。また、取込みボタンは、タッチパネルから入力しているが、タッチパネルを介さず、取込みボタンを独立したスイッチとし遊技制御装置101に直接入力するようにしてもよい。
【0111】
ステップS644では始動口2入賞時設定用テーブルを準備する。ここでの入賞時設定用テーブルは、第2始動入賞口26への入賞を監視するためのテーブルであり、上記の正常な取込みコマンドを受けて、始動入賞があったのと等価にして、特図の変動開始を可能にするためのものである。次いで、ステップS645で始動口入賞時共通処理を行う。これは、始動入賞があったときに、特図変動を開始させる等の全ての始動入賞に共通する処理を行うものであるが、ただし、取込みコマンドによる始動入賞と判断した場合には、賞球数を払う処理はしない。
ステップS645を経ると、ステップS646で遊技制御装置101のCPU111内のレジスタを復帰させ、ステップS647で割り込み(図6の通常のタイマ割り込み)を許可してリターンする。
【0112】
(n)遊技制御装置の始動口入賞時共通処理
次に、前記始動口スイッチ監視処理における始動口入賞時共通処理(S623など)を図19により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS651で始動口信号出力回路がカウンタオーバーしないなら、始動口信号出力回路のカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。これは、ホールコンピュータ54に外部情報を出力するために、始動口信号出力回路を設けており、その始動口信号出力回路ではカウンタがオーバーした場合で始動記憶保留がされなくても、実質的に始動入賞した全ての球を計数しておく必要があるためである。カウンタは、始動記憶保留数の判断のためのものである。
次いで、ステップS652で対象の特図保留数が上限値未満であるか否かを判定し、特図保留数が上限値以上であれば、ルーチンを終了してリターンする。
一方、特図保留数が上限値未満であれば、ステップS653に進んで対象の特図保留数(特図1と特図2がある)を「+1」だけ更新(インクリメント)する。次いで、ステップS654で対応する特図保留数コマンドを演出制御装置103に送信する。これにより、演出制御装置103により始動入賞に伴う特図保留数の更新の演出が行われる。次いで、ステップS655で対応する特図保留数コマンドを封入球制御装置102に送信する。これにより、封入球制御装置102において取込スイッチが押されたときに持球数から規定数(例えば5個)を減算してよいかの判断が行えるようになる(詳細は後述)。保留数を確認せずに減算を行ってしまうと、既に保留数が上限に達してしまっている場合には始動記憶として扱われず、賞球の支払いもされないため、遊技者にとって単なる不利益となってしまうからである。
【0113】
次いで、ステップS656で大当り乱数を抽出する。これは、始動入賞のタイミングで大当り乱数を取り出すものである。次いで、ステップS657で対応する大当り乱数セーブ領域(特図の保留数用)に今回抽出した大当り乱数をセーブする。次いで、ステップS658で対象の始動口スイッチ(第1始動口スイッチ120又は第2始動口スイッチ121)に対応する大当り図柄乱数を抽出し、ステップS659で対応する大当り図柄乱数セーブ領域に今回抽出した大当り図柄乱数をセーブする。次いで、ステップS660で変動パターン乱数1を抽出し、対応する変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする。次いで、ステップS661で変動パターン乱数2を抽出し、対応する変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする。次いで、ステップS662で変動パターン乱数3を抽出し、対応する変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする。変動パターン1〜3は特図演出の変動態様を決めている。
次いで、ステップS663で特図保留情報判定処理を行う。これは、今回始動入賞した遊技球に対応する保留記憶が大当りか否かを先読みするもので、例えば停止図柄、変動パターンも先読みし、演出制御装置103へ送信するためのものである。なお、上記の先読みした結果は保存しない。ステップS663を経ると、リターンする。
【0114】
(o)遊技制御装置の小当り終了処理
次に、前記特図ゲーム処理における小当り終了処理S504を図20により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS671で小当り終了に関する外部情報出力データを設定する。これは、ホールコンピュータ54に小当り終了の情報を出力するためである。次いで、ステップS672で小当り終了に関する試験信号出力データを設定する。これは、外部の試験機関に小当り終了の試験情報を出力するためである。次いで、ステップS673でラウンドLED表示番号をリセット(今回の小当りラウンドを明示終了するため)し、ステップS674で小当り時の規定賞球数のコマンドを封入球制御装置102に送信する。これは、この実施例1では特別モード中は球を発射せず、小当りが発生しても、小当りでは大入賞口が開放しないので、小当り演出終了後に自動的に賞球コマンドを封入球制御装置102に送信し、持球数に加算されるようにするためである。
次いで、ステップS675で特図普段処理移行のデータを設定してリターンする。したがって、次回のルーチンでは特図普段処理に移行する。
【0115】
次に、封入球制御装置102の処理について図21により説明する。
(p)封入球制御装置の取込スイッチ監視処理
図21は、封入球制御装置102の取込スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
このルーチンは所定のタイマ割込周期で、操作・表示パネル7の取込ボタン207の操作を監視しているものである。ルーチンが開始されると、ステップS681で特別モード中であるか否かを判定し、特別モード中でなければ、リターンする。特別モード中であれば、ステップS682に進み、取込スイッチ(操作・表示パネル7の取込ボタン207)に入力があるか否かを判定する。取込スイッチに入力なければリターンし、入力があれば、ステップS683で持球数が特図変動のための規定数(ここでは、5個)以上であるか否かを判定する。これは、特別モード中は球を発射しなくても操作・表示パネル7の取込ボタン207を押すだけで、自動的に持球数から規定数(5個)を取り込んで特図変動を開始するゲームを行うので、最低でも規定数の持球が残存していることが必要であるから、それを確認するためである。
【0116】
ステップS683でNO(持球数が特図変動のための規定数未満)ならリターンし、YES(持球数が特図変動のための規定数以上)なら、ステップS684に進み、特図2保留数が始動記憶の上限値(例えば、4個)未満であるか否かを判定する。特図2保留数が始動記憶の上限値を超えていれば、元々、始動入賞による特図変動開始はできないので、NOに分岐してリターンする。一方、特図2保留数が始動記憶の上限値未満であれば、始動入賞による特図変動開始は可能であるから、持球数から規定数(5個)を取り込んで特図変動を開始するゲームを行うことも可能と判断し、ステップS685に進み、持球数から規定数を減算し(つまり、取り込み)、続くステップS686で規定数取り込み完了時のコマンドを遊技制御装置101に送信する。これを受けて、遊技制御装置101では取込みコマンド受信割込み処理(図18)にて、取込みコマンドを受信すると、特図変動をして大当り乱数を抽出することが行われる。ステップS686を経ると、リターンする。
【0117】
次に、図22、図23を参照して封入球遊技の具体例について説明する。
図22は、パチンコ機1に設けられている操作・表示パネル7を示す図である。
特に、図21(a)は通常モード時の例であり、操作・表示パネル7にはメッセージなどを表示するメッセージ表示部201、球貸し可能な球貸度数を表示する球貸度数表示部202、持球数を表示する持球数表示部203が設けられているとともに、球貸ボタン204、精算ボタン205、休憩ボタン206が画面上に配置されている。球貸ボタン204、精算ボタン205及び休憩ボタン206は、タッチパネル182の機能として作動するもので、遊技者がこれらのボタンに触れると、オン(あるいはオン・オフの交互動作)するようになっている。
【0118】
精算ボタン205は遊技者が遊技結果の精算を望むときに操作するもの、休憩ボタン206は遊技者が一定時間(例えば、40分)の休憩を望むときに操作するものである。精算ボタン205を押すと、遊技カードがカードユニット15から排出される。遊技者は排出された遊技カードを持ってカード精算機53に挿入することで、カード精算機53にて精算される(例えば、景品交換レシートが排出され、ホールのカウンタで景品と交換できる)。
また、休憩ボタン206を押すと、遊技カードが排出され、休憩ボタン206が点灯状態になる。メッセージ表示部201に「休憩中」という表示をしてもよい。
【0119】
次に、封入球遊技の具体例につき、場合分けして説明する。
<球貸時>
球貸時には、遊技者がパチンコ機1に併設されたカードユニット15に遊技カードを挿入して球貸し操作を行う。例えば、図22(a)に示すように、遊技者が操作・表示パネル7の球貸ボタン204を1度数分だけ押したような場合、残り度数は90というように球貸度数表示部202に表示され、持球数表示部203には「250(個)」という表示がされる。これにより、遊技者は持球数=250個の範囲内で遊技が行える。
なお、遊技開始時は、図22(a)に示すように通常モードからスタートする。
【0120】
<通常モード時>
通常モードのとき、遊技者が発射ボリューム171を操作することで、発射位置にある遊技球が遊技領域22に打込まれて、遊技が開始する。遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に回収されて循環し、再び発射位置に導かれる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると、表示装置41において特図が変動し、特図の変動表示ゲームが行われる。また、始動入賞あるいは一般入賞した場合には、入賞口に対応する賞球数が持球数に加算される。
さて、このような通常モードのときは、図22(a)に示すように、操作・表示パネル7のメッセージ表示部201に「通常モード」というメッセージが表示されて遊技者に報知される。このとき、残り度数は90という表示が球貸度数表示部202になされ、持球数表示部203には「250(個)」という表示がされている。これにより、遊技者は今は通常モードであり、持球数は250個という状態を知ることになる。また、賞球があれば、その都度、持球数表示部203に賞球数が加算されて、合計の持球数が表示される。
【0121】
ここで、特別モードなども含めて、本実施例における遊技の詳細な態様を説明すると、以下のようになる。
(A)通常モード
遊技球を発射
発射毎に、持球数を減算(「1」ずつ減算)
始動入賞により、特図変動が開始されるゲームモード
(フローチャートでは、例えば特図1についてはステップS87、88の中のステップS99で特図変動が開始する。ステップS99の処理中で演出制御装置103に変動コマンド、飾り特図コマンド(停止図柄)を送信する。なお、特図2のフローチャートは明示していないが、同一のサブルーチンステップS99を使用することになる。遊技制御装置101内部としてはステップS102を実行して特図ゲーム処理番号が1になったときである。)
入賞毎に、入賞口に対応する賞球数を持球数に加算
メッセージ表示部201に「通常モード」と表示
【0122】
(B)特別モード
特図抽選により、特別モードに突入
持球数から規定数(5個)を取り込み、特図変動を開始するゲームモード
規定数の取り込みは手動(遊技者が取込ボタン207を操作して行う)
取り込みにより、持球数から規定数(5個)を減算
遊技機の発射はしない(発射しないので、入賞はない)
メッセージ表示部201に「特別モード」と表示
通常モードから特別モードになったときに、普図記憶はクリアする
(普図当りしても、発射球がないから)
通常モードから特別モードになったときに、特図記憶はそのまま有効とする
(特別モードになると発射球はないが、それ以前の特図記憶は有効にして特図変動させるため)
小当りは高確率(小当り時の賞球数は直接、持球数に加算)
特別モードは、次の大当りになるまで継続
特別モード中に大当りになると、特別モードは終了し、遊技球を発射する通常モードになる
【0123】
(C)電源投入時/リセット時/通常時
通常モード(遊技球を発射/発射毎に持球数を減算)で遊技
始動入賞で特図変動開始
入賞毎に対応する賞球数を持球数に加算
特図、普図は低確率
始動口入賞で特図抽選:抽選結果ははずれ、大当り(低確率/高確率)、小当り、特別モード当選の何れか
当たり乱数ではずれ、大当り、小当り、特別モードを抽選
図柄乱数で低確率/高確率/時短を抽選
特別モードに当選すると、特別モードに移行
小当りは低確率(小当り時の賞球数は直接、持球数に加算)
(D)小当り
小当りは、賞球数を直接、持球数に加算(大入賞口を開放しない)
(なお、通常モードでの小当りは、大入賞口を開放するようにしてもよい)
小当りの低確率/高確率あり
特別モード中は、小当り高確率
【0124】
(E)大当り中
通常モード
発射毎に、持球数を減算
(F)大当り後(高確率)
通常モード(遊技球を発射/発射毎に持球数を減算)で遊技
高確率中であるから、特別モードに当選しても無効とする(はずれとする)
(G)大当り後(低確率)「時短中」
通常モード
時短(特図変動所定回数(例えば、100回)まで)
低確率中でも時短なので、特別モードに当選しても無効とする(はずれとする)
(H)大当り後(低確率)「時短経過後」
通常モード
時短終了
低確率、時短なしなので、特別モードに当選すると有効
【0125】
<特別モード時>
次に、再びモードの説明に戻り、特別モード時について説明する。
遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると、表示装置41において特図が変動し、特図の変動表示ゲームが行われる。この過程では、特図ゲーム処理で、大当り、小当り及び特別モードの抽選が行われ、これは、当たり乱数及び図柄乱数を用いて行われる。
そして、乱数の抽出値が特別モードとなる乱数の範囲にあれば、特別モードに当選し、特別モードに移行する。特別モードでは、持球数から規定数(5個)を取り込み、特図変動を開始するゲームモードとなる。
このような特別モードのときは、図22(b)に示すように、メッセージ表示部201に「特別モード中」及び「取込ボタンを押して下さい→」というメッセージが表示されて遊技者に報知される。そして、このメッセージ表示部201のサイドに取込ボタン207の表示が現れ、これは特別モードになると、現われるものである。遊技者が取込ボタン207に触れると、オンして、持球数から規定数(5個)を取り込み、特図変動を開始するようになる。このとき、持球数から規定数(5個)が減算される。このように、規定数の取り込みは手動(遊技者による取込ボタン207の操作)により行われる。
【0126】
この場合、操作・表示パネル7では、残り度数は90という表示が球貸度数表示部202になされ、持球数表示部203には「245(個)」という表示がされている。これは、上記のように遊技者が取込ボタン207に触れてオンしたので、持球数から規定数(5個)が取り込まれて特図変動が開始し、同時に持球数から規定数(5個)が減算されたので、持球数表示部203には「245(個)」というように、図22(a)の状態から5個減算した値(245個)が表示されるためである。
このように、遊技者は今は特別モードであり、遊技者は取込ボタン207に触れて特図変動を開始させることになり、遊技球の発射の手間が省け、あたかも球スロ式遊技機のような感覚を得て、遊技の単調さをなくすことができる。
そして、このような特別モードを継続中に、乱数の抽出値が大当りとなる乱数の範囲にあれば(例えば、特図1大当り判定処理参照)、特図大当りとなって大当りが発生し、大当り終了後は通常モードに戻る。このとき、図柄乱数で特図の確率変動の有無が決定され、それに応じて、大当り後に高確率又は低確率となる。
そして、大当り後に高確率となれば、通常モードになり、遊技球を発射し、発射毎に持球数が減算されるが、高確率中であるから特別モードに当選しても無効となる(はずれ)。一方、大当り後に低確率となれば、同じく通常モードとなり、特図変動100回までは時短となるが、時短の特典があるから、特別モードに当選しても無効となる(はずれ)。
【0127】
さて、このような特別モードの終了のときは、図22(c)に示すように、メッセージ表示部201に「特別モード終了」及び「発射を開始して下さい」というメッセージが表示されて遊技者に報知される。このとき、残り度数は90という表示が球貸度数表示部202になされ、持球数表示部203には「100(個)」という表示がされている。これにより、遊技者はこの時点で特別モードが終了し、持球数は100個という状態を知ることになる。また、特別モードの終了時点で、メッセージ表示部201のサイドに現われていた取込ボタン207の表示は消滅する。
【0128】
次に、通常モード及び特別モードにおける表示装置41の表示部41aに表示される画面例について、図23を参照して説明する。
通常モードでは、図23(a)に示すように、表示装置41の表示部41aの中央エリア41bに特図に相当する3列の数字が変動表示される(この例では、「1」、「2」、「3」)。また、表示部41aの特図始動記憶表示エリア41d(特図始動記憶表示器に相当)には特図の始動記憶がドット表示される。これにより、遊技者は特図変動に注意を払いながら、通常モードでの遊技を行う。
さらに、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、表示部41aの普図変動表示エリア41e(普図変動表示器(普通図柄可変表示装置ともいう)に相当)にて普図の図柄変動(普図変動表示ゲーム)が表示される。また、普図変動中に新たな遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、表示部41aの普図始動記憶表示エリア41f(普図始動記憶表示器に相当)に普図の始動記憶がドット表示される。これにより、遊技者は普図変動や普図記憶数も視界の範囲におきながら遊技を行う。なお、煩雑になるので、以後の図面(図23(b)等)では普図変動表示エリア41e及び普図始動記憶表示エリア41fの図示は略している。
【0129】
そして、特別モード開始時は、図23(b)に示すように、表示装置41の表示部41aの中央エリア41bに
「特別モード突入」、
「特別モード中は
取込ボタンを押すと特図が変動します
1回につき5個の持球が減算されます
遊技球の発射はありません」
とのメッセージが表示される。これにより、遊技者はパチンコ機1の正面に位置する表示装置41の画面上から速やかに特別モードの開始及び特別モードの態様を知ることができる。
【0130】
次いで、特別モード中は、図23(c)に示すように、表示装置41の表示部41aの中央エリア41bに特図に相当する3列の数字が変動表示される(この例では、「3」、「4」、「5」)。また、表示部41aの上部エリア41cには「特別モード中・・・取込ボタンを押すと特図が変動します・1回につき5個の持球が減算されます・・」とのメッセージが画面上を図中右側から左側に流れていくようにテロップ表示され、さらに表示部41aの下部エリア41dには特図の始動記憶がドット表示される。これにより、遊技者は特図変動を気にしながらも、特別モード中であることを容易に知ることができる。
次いで、特別モード終了時は、図22(d)に示すように、表示装置41の表示部41aの中央エリア41bに「特別モード終了」、「特別モードは終了しました・発射を開始して下さい。」とのメッセージが表示される。これにより、遊技者は特別モードの終了を容易に知ることができる。
【0131】
本実施例によれば、以下のような効果がある。
以上のように本実施例のパチンコ機1では、通常モードでは遊技球の発射毎に持球数が減算されて、特図変動が行われ、入賞毎に賞球数が持球数に加算される。また、大当り判定とは別に、始動入賞で抽出された大当り乱数を用いて特別モードになるか否かの抽選が行われ、当選すれば特別モードに移行する。特別モードになると、持球数から規定数(5個)を取り込み、特図変動を開始するゲームモードとなる。特別モード中に、特図が大当りになると、通常モードに戻って大当り遊技が行われる。大当り終了後は通常モードである。
したがって、遊技者は遊技球を発射させて始動口に入賞させることにより特図を変動させるゲーム(通常モード)と、遊技球を発射させずに持球数から規定数を取り込むことで特図を変動させるゲーム(特別モード)との両方のゲームを楽しむことができる。よって、遊技が単調にならず、パチンコ遊技の醍醐味を十分に味わうことができる。
特に、特別モードでは取込ボタン207をオンして持球数から規定数を取り込んで特図変動を開始させるので、確実に特図変動させることができ、従来のように特図を変動させる始動口入賞への入賞スランプのおそれがなく、多くの球を発射しても特図が変動しない期間が発生するという状態も発生せず、安心して遊技を行うことができる。
また、特別モードでは、遊技球の発射の手間が省け、あたかも球スロ式遊技機のような感覚を得て、遊技の単調さをなくすことができる。
【0132】
この発明概念は、以下のように示される。
遊技制御装置は、
遊技球を発射させ、その遊技球が前記始動口に入球することにより、前記表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う第1の遊技モードと、
遊技球を発射させないで、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことで、前記表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う第2の遊技モードと、を区別して制御可能な遊技モード制御手段を備えることを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、通常モードは第1の遊技モード、特別モードは第2の遊技モードに相当する。
【0133】
また、特別モードで取込ボタン207をオンして持球数から規定数を取り込んで特図変動を開始させることは、以下の発明概念で示される。
遊技者の操作により、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことを指示可能な取込操作手段と、
前記取込操作手段からの指示を受けると、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込み、前記表示装置の識別情報の変動を開始させる指令を出力する変動開始指令手段と、を備え、
前記遊技モード制御手段は、
前記第2の遊技モードのとき、前記変動開始指令手段からの指示に基づいて前記表示装置の識別情報の変動を開始させることを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、取込ボタン207は取込操作手段、封入球制御装置102は変動開始指令手段、遊技制御装置101は遊技モード制御手段の機能を実現する。
【0134】
本実施例では、通常モード及び特別モード共に、大当りは大入賞口27aを所定時間開放させ、入賞すると対応する賞球を持球数に加算するが、小当りは大入賞口27aを開放させずに、所定の賞球数を直接持球数に加算する。
したがって、特別モードにおいても、小当りで賞球数を直接持球数に加算するので、ゲームの進行がスピーディーであり、また、当れば確実に賞球があるので、出球率の設計がしやすいという効果がある。
【0135】
この発明概念は、以下のように示される。
開閉部材によって開閉する大入賞口を有する変動入賞装置を備え、
前記遊技モード制御手段は、
前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると、前記変動入賞装置の大入賞口を所定時間開放させて遊技球を入賞させ、該入賞に対応する賞球を遊技者の利益としての持球数に加算し、
前記表示装置の識別情報が前記特別遊技状態より遊技者の利益が少ない特定態様となる特定遊技状態になると、前記変動入賞装置の大入賞口を開放させずに、所定の賞球を遊技者の利益としての持球数に加算するように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、変動入賞装置27は上記変動入賞装置に相当し、表示装置41は上記表示装置に相当し、表示装置の識別情報が前記特別遊技状態より遊技者の利益が少ない特定態様となる特定遊技状態とは、小当り状態に相当する。つまり、特別遊技状態は大当り、遊技者の利益が少ない特定態様は小当りに相当する。
【0136】
なお、この変形例として、通常モードの小当りを実施例1と異ならせ、特別モードの小当りは実施例1と同じ構成にしてもよい。
具体的には、例えば通常モードでは、小当りは、大入賞口を所定時間開放させ、入賞すると対応する賞球を持球数に加算し(実施例1と相違)、特別モードでは、小当りは、大入賞口を開放させずに、所定の賞球数を直接持球数に加算(実施例1と同じ)するようにしてもよい。
このようにすると、通常モードの小当りで大入賞口への入賞の醍醐味が味わえる。
【0137】
本実施例では、電源投入時及び遊技制御装置101のリセット時は通常モードであり、特図ゲームにおける特図抽選で特別モードに当選することにより特別モードになり、特別モードは大当りまで(又は特図変動が予め定められた回数になるまで)続く。
したがって、通常モードは、従来と同様のパチンコ遊技ゲームなので、初めての遊技者でも違和感なく、遊技を開始することができる。
この発明概念は、以下のように示される。
遊技モード制御手段は、
当該封入球式遊技機の電源投入時及び前記遊技制御装置のリセット時は、第1の遊技モードに制御し、
前記表示装置における識別情報がモード変更態様(特図抽選で特別モードに当選する識別情報)になると、第1の遊技モードから第2の遊技モードに切り換えて制御し、
切り換えた後の第2の遊技モードでは、次の特別遊技状態が発生するまで又は前記表示装置における識別情報の変動回数が予め定められた回数になるまで第2の遊技モードを継続する制御を行うことを特徴とする封入球式遊技機。
【0138】
本実施例では、通常モードから特別モードに当選すると、当選した旨及び特別モードの説明を遊技者に分かるように表示装置41及び操作・表示パネル7にて報知している。
したがって、遊技者に対して特別モードを容易に理解させるとともに、特別モードへの期待感を演出することができる。また、遊技者の操作を分かりやすくでき、かつ操作ミスを防ぐことができる。
この発明概念は、以下のように示される。
遊技者へ情報を報知する報知手段を備え、
前記報知手段は、
前記遊技モード制御手段が第1の遊技モードから第2の遊技モードへの切り換え制御を開始した場合、遊技モードを切り換えた旨及び第2の遊技モードの説明を遊技者に報知することを特徴とする封入球式遊技機。
【0139】
本実施例では、特別モードになると、通常モード中の普図の記憶はクリアし、特図の記憶はそのまま持ち越す。
したがって、遊技者に対し、特別モードの遊技を分かりやすくすることができる。すなわち、特別モードでは遊技球を発射できないのに、第2始動入賞口26としての普通電動役物(普電)が開放する等の状態をなくし、遊技者にゲーム内容や遊技を分かりやすくできる。
【0140】
この発明概念は、以下のように示される。
始動口に入球した遊技球を所定範囲で記憶可能な特図始動入賞記憶手段と、
開閉部材を有するとともに前記始動口として機能し、普通図柄可変表示装置における普図変動表示ゲームの停止表示態様が当り態様となった場合に、前記開閉部材を開放状態にする普通変動入賞装置と、
前記普通変動入賞装置に入球した遊技球を所定範囲で記憶可能な普図始動入賞記憶手段と、を備え、
遊技モード制御手段は、
第2の遊技モードになると、第1の遊技モード中の前記普図始動入賞記憶手段の記憶はクリアし、前記特図始動入賞記憶手段の記憶はそのまま持ち越すように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、遊技制御装置101は、特図始動入賞記憶手段、普図始動入賞記憶手段、遊技モード制御手段の機能を実現する。第2始動入賞口26は普通変動入賞装置に相当する。
また、表示装置41における表示部41aの普図変動表示エリア41e(普図変動表示器)は普通図柄可変表示装置に相当する。
【実施例2】
【0141】
次に、本発明の実施例2について、図24〜図42に基づいて説明する。
実施例2は、遊技者の切り替え操作で特別モードへ切り替わる例である。
実施例2のパチンコ機の前面側斜視図、遊技盤の前面図、パチンコ店のシステム構成図及び制御系のブロック図は、図1乃至図4と同様であり、略す。
また、実施例2では遊技制御装置及び封入球制御装置のブロック構成は実施例1と同様であるが、フローチャートの内容が一部異なっている。そのため、遊技制御装置及び封入球制御装置のブロック構成図は略しており、これらの符号付けも略す。ただし、後述のように実施例2では操作・表示パネル307の構成が一部異なるので、操作・表示パネルを示す符号として307を付している(図42参照)。
実施例2において、遊技制御装置及び封入球制御装置の制御内容を説明する。最初に遊技制御装置で実行するフローチャートについて説明する。
(a)遊技制御装置のメイン処理
メイン処理は図24に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は重複するので略)。
【0142】
(b)遊技制御装置のタイマ割込処理
次に、タイマ割込処理を図25により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップS31からステップS37までの処理は実施例1と同様であり、同一ステップ番号を付している(ここまでの説明は重複するので略)。
ステップS37を経ると、次いで、ステップS500で特別モード切替処理を行う(詳細は後述の図39参照)。これは、実施例2では手動方式により、遊技者が操作・表示パネル7のモード切替ボタン211を押すことで、特別モードへの出入りを自由に選択できるように構成しているため、モード切替ボタン211の操作に応じてステップS500でモード切替を行うものである。
ステップS500を経ると、ステップS38に進み、以後、ステップS38からステップS47の処理を行う。これらの処理は、実施例1と同様であり、同一ステップ番号を付している(重複説明は略す)。
(c)遊技制御装置の特図ゲーム処理
特図ゲーム処理は図26に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(d)遊技制御装置の特図普段処理
特図普段処理は図27に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
【0143】
(e)遊技制御装置の特図1変動開始処理1
次に、特図普段処理におけるステップS88で実行される特図1変動開始処理1を図28により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS91で特図1大当り判定処理を行う。これは、特図1に対応する大当り乱数が大当りしているかどうかを判定する処理である(詳細は後述)。
次いで、ステップS511で特図1小当り判定処理を行う。これは、特図1に対応する大当り乱数が小当りしているかどうかを判定する処理である(詳細は後述)。
その後、実施例1では特図1特別モード抽選判定処理を行っているが、実施例2ではモード切替ボタン211で通常モードから特別モードへの切り替えを遊技者が手動で行う構成であるので、特図1に対応する大当り乱数が特別モードに当選しているかどうかの判定を行うステップは省いてある。
次いで、ステップS92以降の処理を行い、以降はステップS102まで実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(詳細な説明は略)。
【0144】
(f)遊技制御装置の特図1大当り判定処理
特図1大当り判定処理は図29に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(g)遊技制御装置の特図1小当り判定処理
特図1小当り判定処理は図30に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
なお、遊技制御装置の特図1特別モード抽選処理は無い(実施例2ではモード切替ボタン211で特別モードへの切り替えを行うため)。
【0145】
(i)遊技制御装置の特図1停止図柄設定処理
次に、特図1停止図柄設定処理を図31により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップS121で特図1大当りかどうかを判断し、特図1大当りであれば、ステップS125に進み、ステップS125からステップS133までの処理を実行し、続くステップS124を経てリターンする(ステップS125からステップS133までの処理は、実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(重複説明は略)。
一方、ステップS121で特図1大当りでなければ、ステップS551に分岐して特図1小当りかどうかを判断する。これは、特図1小当りフラグがセットされているか否かで判断する。ステップS551で特図1小当りでなければ、ステップS122にジャンプしてはずれ時の停止図柄番号(例えば、番号0)を設定するとともに、ステップS123ではずれ時の図柄情報(はずれという情報を意味する)を設定した後、ステップS124に進んで図柄情報に対応する飾り特図コマンドを設定し、リターンする。
また、ステップS551で特図1小当りと判断すれば、ステップS552に進み小当り時の停止図柄番号(例えば、番号101)を設定するとともに、ステップS553で小当り時の図柄情報(小当りという情報を意味する)を設定した後、ステップS124に進んで図柄情報に対応する飾り特図コマンドを設定する。ステップS124を経るとリターンする。
このように、実施例1では特別モード当選時の図柄設定処理が必要であるのに対して、実施例2では不要(ステップS554,555,556が不要)であるため、フローチャートが異なっている。
【0146】
(j)遊技制御装置の特図表示中処理
次に、特図ゲーム処理におけるステップS68で実行される特図表示中処理を図32、図33により説明する。
このルーチンでは、ステップS171からステップS195までの処理は、実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
ステップS171、172で特図1あるいは特図2の何れかの大当りでもなければ、図33に示すステップS563に分岐して特図2の小当りかどうかを判断する。特図2の小当りでなければ、ステップS564では同様に特図1の小当りかどうかを判断する。特図1の小当りであればステップS565に進み、特図1の小当りでなければステップS582にジャンプする。
特図1が小当りの場合は、ステップS565にて特図1小当りの開始に関する試験信号出力データを設定してステップS567に進み、特図2が小当り場合は、ステップS566にて特図2小当りの開始に関する試験信号出力データを設定してステップS567に進む。何れも、所定の試験機関にデータを提供するためである。
【0147】
ステップS567を経ると、ステップS568からステップS574までの処理を行うが、これらの処理は実施例1と同様であり、同一ステップ番号を付している(重複説明は略)。
一方、ステップS563、S564で特図2の小当りあるいは特図1の小当りでもなければ、ステップS582に分岐して、時短回数更新処理(ステップS568と同様)を行い、ステップS583で特図普段処理移行のデータを設定して前述の特図ゲーム処理にリターンする。これにより、特図表示中処理を終了して次の処理に相当する特図普段処理の処理番号に移行することになる。
実施例1と異なり、ステップS563、S564で特図2の小当りあるいは特図1の小当りでない場合に、特別モードに当選かどうかの判断が無い。実施例2ではモード切替ボタン211で特別モードへの切り替えを行うからである。
【0148】
(k)遊技制御装置の時短回数更新処理
時短回数更新処理は図34に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(l)遊技制御装置の始動口スイッチ監視処理
始動口スイッチ監視処理は図35に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(m)遊技制御装置の取込みコマンド受信割込み処理
取込みコマンド受信割込み処理は図36に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(n)遊技制御装置の始動口入賞時共通処理
始動口入賞時共通処理は図37に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(o)遊技制御装置の小当り終了処理
小当り終了処理は図38に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
【0149】
(p)遊技制御装置の特別モード切替処理
次に、遊技制御装置で実行される特別モード切替処理を図39により説明する。
このルーチンは、図25に示すタイマ割込み処理におけるステップS500の詳細を示すもので、操作・表示パネル7のモード切替ボタン211の操作などを判断するものである。
このルーチンが開始されると、ステップS701で特別モード切替スイッチの入力コマンドを封入球制御装置から受信したか否かを判定する。特別モード切替スイッチの入力コマンドを受信していなければ、ルーチンを終了してリターンする。一方、特別モード切替スイッチの入力コマンドを受信したなら、ステップS702で受信したコマンドは正常か否かを判定し、正常でなければリターンする。
受信したコマンドが正常であれば、ステップS703で低確率中か、ステップS704で大当り中かをそれぞれ判定し、低確率中でないとき、大当り中のときは、何れもリターンする。一方、ステップS703で低確率であり、かつステップS704で大当り中でないときは、ステップS705以降の処理を実行する。
【0150】
すなわち、特別モード切替スイッチの入力コマンドを受信したとき、コマンドが正常、低確率中、大当り中ではないという条件を全て満たす場合に、ステップS705に進んで特別モードフラグをモード中とモード中以外で切り替える。
これは、実施例2では操作・表示パネル7のモード切替ボタン211を押す度に、特別モードから通常モードへ、あるいはその逆で、通常モードから特別モードへと切り替え操作可能な構成になっているからである。
次いで、ステップS706でフラグに対応する特別モードコマンドを封入球制御装置に送信し、ステップS707でフラグに対応する特別モードコマンドを演出制御装置に送信する。これにより、封入球制御装置では操作・表示パネル7に特別モードであることを表示させたり、取込ボタン207を表示させる等の制御を行う。また、演出制御装置では特別モードへと切り替えられたことにふさわしい演出を行う。ステップS707を経ると、リターンする。
このように、実施例2では手動方式により、遊技者が操作・表示パネル7のモード切替ボタン211を押すことで、特別モードへの出入りを自由に選択できる。なお、このモード切替ボタン211の操作は、球を発射させる必要のある大当り中等は無効になっている。
【0151】
(q)封入球制御装置の取込スイッチ監視処理
取込スイッチ監視処理は図40に示され、これは実施例1と同様で、同一ステップ番号を付している(説明は略)。
(r)封入球制御装置の特別モード切替スイッチ監視処理
図41は、封入球制御装置の特別モード切替スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
このルーチンが開始されると、ステップS711で特別モード切替スイッチに入力があるか否かを判定し、入力がなければリターンする。一方、特別モード切替スイッチに入力があれば、ステップS712に進み、特別モード切替スイッチ入力ありのコマンドを遊技制御装置(主制御基板)に送信する。これにより、操作・表示パネル7のモード切替ボタン211が押されると、遊技制御装置では、それを受けて前述の特別モード切替処理を行い、特別モードに切り替えたなら表示装置41に「特別モード」などの表示をしたり、演出などの必要な制御を行う。ステップS712を経ると、リターンする。
【0152】
次に、実施例2における操作・表示パネル307の画面例について、図42を参照して説明する。
通常モードでは、図42(a)に示すように、操作・表示パネル307のメッセージ表示部201に「通常モード」というメッセージが表示されて遊技者に報知される。このとき、残り度数は90という表示が球貸度数表示部202になされ、持球数表示部203には「250(個)」という表示がされている。これにより、遊技者は今は通常モードであり、持球数は250個という状態を知ることになる。また、賞球があれば、その都度、持球数表示部203に賞球数が加算されて、合計の持球数が表示される。
また、なお、球貸ボタン204、精算ボタン205、休憩ボタン206の機能は実施例1と同様である。
一方、メッセージ表示部201のサイドにはモード切替ボタン211が配置されており、遊技者がモード切替ボタン211を押す度に、特別モードから通常モードへ、あるいはその逆で、通常モードから特別モードへと切り替え操作可能になっている。
【0153】
このような通常モードのときは、遊技者がモード切替ボタン211を押すと、図42(b)に示すように、メッセージ表示部201に「特別モード中」及び「取込みボタンを押して下さい→」というメッセージが表示されて遊技者に報知される。そして、このメッセージ表示部201のサイドに取込ボタン207の表示が現れ、これは特別モードになると、現われるものである。遊技者が取込ボタン207に触れると、オンして、持球数から規定数(5個)を取り込み、特図変動を開始するようになる。このとき、持球数から規定数(5個)が減算される。このように、規定数の取り込みは手動(遊技者による取込ボタン207の操作)により行われる。
【0154】
この場合、操作・表示パネル307では、残り度数は90という表示が球貸度数表示部202になされ、持球数表示部203には「245(個)」という表示がされている。これは、上記のように遊技者が取込ボタン207に触れてオンしたので、持球数から規定数(5個)が取り込まれて特図変動が開始し、同時に持球数から規定数(5個)が減算されたので、持球数表示部203には「245(個)」というように、図42(a)の状態から5個減算した値(245個)が表示されるためである。
したがって、実施例2においても、特別モード中は遊技者は取込ボタン207に触れて特図変動を開始させることになり、遊技球の発射の手間が省け、あたかも球スロ式遊技機のような感覚を得て、遊技の単調さをなくすことができる。
そして、このような特別モード継続中に特図大当りが発生すると、通常モードに戻る。大当り終了後は通常モードである。特別モードの終了のときは、図42(c)に示すように、メッセージ表示部201に「特別モード終了」及び「発射を開始して下さい」というメッセージが表示されて遊技者に報知される。このとき、残り度数は90という表示が球貸度数表示部202になされ、持球数表示部203には「100(個)」という表示がされている。これにより、遊技者はこの時点で特別モードが終了し、持球数は100個という状態を知ることになる。また、特別モードの終了時点で、メッセージ表示部201のサイドに現われていた取込ボタン207の表示は消滅する。
【0155】
実施例2によれば、以下のような効果がある。
実施例2によれば、通常モード中に遊技者がモード切替ボタン211を押すことで、容易に特別モードへ切り替えられる。そして、特別モード中は遊技者は取込ボタン207に触れて特図変動を開始させることになり、実施例1と同様に、遊技球の発射の手間が省け、あたかも球スロ式遊技機のような感覚を得て、遊技の単調さをなくすことができる。
また、遊技者の選択(モード切替ボタン211を押す)により、特別モードに切り替えることができるので、遊技者自身が主体的にゲームに参加する態様となり、遊技者の飽き防止につながるという効果がある。
【0156】
この発明概念は、以下のように示される。
遊技者の選択により、第2の遊技モードへの切り換えを遊技モード制御手段に指示可能なモード切換操作手段を備えることを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、モード切替ボタン211はモード切換操作手段に相当する。
また、実施例2では操作・表示パネル307のモード切替ボタン211を押す度に、特別モードから通常モードへ、あるいはその逆で、通常モードから特別モードへと切り替え操作可能な構成になっているが、この発明概念は、以下のように示される。
遊技者の選択により、モードの切り替えを遊技モード制御手段に指示可能なモード切換操作手段を備え、
前記モード切換操作手段は、第1の遊技モードから第2の遊技通常モードへ、あるいはその逆で、第2の遊技モードから第1の遊技モードへと切り替え操作可能な構成であり、
前記遊技モード制御手段は、前記モード切換操作手段からの指示に従ってモードを切り替えることを特徴とする封入球式遊技機。
【0157】
次に、本発明の変形例について説明する。
(1)上記実施例では、大当り後に高確率のときは特別モードに当選しても無効としつつ、次回の大当り発生まで高確率を継続させているが、これに限るものではない。
例えば、大当り後は特別モードとし、大当り後に高確率であっても、大当り終了後に特図変動70回までしか特別モードが継続しない構成(いわゆる回数切り確変)、あるいは高確率から低確率に落ちる転落抽選(転落すると、特別モード終了)ありの構成にしてもよい。これは、回数限定や転落抽選ありの確変(ST(スペシャルタイム)切り)のことで、ST機とも称されるものである。
このような構成にすると、遊技場側の利益をより考慮しながら、遊技に変化を与えることができる。
【0158】
(2)特別モードに関する遊技者への報知では報知手段がメッセージ報知を主に行っているが、画面での報知に限らず、音、音声などの多様な報知演出を組み合わせてもよい。
(3)本実施例では、遊技カードとしてカード会社が発行するプリペイドカードを使用しているが、遊技カード(記憶媒体)としては、遊技店が発行するハウスカードのようなものを使用してもよい。例えば、遊技店の会員に対してハウスカードを発行し、そこに貸球度数などを記憶して、封入球遊技を行うようにしてもい。また、ハウスカードには貯球データを格納可能にしてもよい。
【0159】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0160】
1、1a乃至1n パチンコ機(封入球式遊技機)
7,307 操作・表示パネル(報知手段)
15、15a乃至15n カードユニット(遊技媒体貸出装置)
20 遊技盤
25 第1始動入賞口
26 第2始動入賞口(普通電動役物(普電))
27 変動入賞装置
28〜31 一般入賞口
41 表示装置(報知手段、普通図柄可変表示装置)
41e 普図変動表示エリア(普通図柄可変表示装置)
101 遊技制御装置(遊技モード制御手段、特図始動入賞記憶手段、普図始動入賞記憶手段)
102 封入球制御装置(変動開始指令手段)
103 演出制御装置
104 発射制御装置
207 取込ボタン(取込操作手段)
211 モード切替ボタン(モード切換操作手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、複数の識別情報を変動表示させる表示装置と、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、を備え、
始動口に遊技球を入球させて前記表示装置の識別情報を変動表示させ、前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると特別遊技状態を発生させ、
前記遊技制御装置により、遊技結果が前記特別遊技状態を含む所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記遊技制御装置は、
遊技球を発射させ、その遊技球が前記始動口に入球することにより、前記表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う第1の遊技モードと、
遊技球を発射させないで、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことで、前記表示装置の識別情報を変動させるゲームを行う第2の遊技モードと、を区別して制御可能な遊技モード制御手段を備えることを特徴とする封入球式遊技機。
【請求項2】
遊技者の操作により、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込むことを指示可能な取込操作手段と、
前記取込操作手段からの指示を受けると、遊技者の利益としての持球数から規定数を取り込み、前記表示装置の識別情報の変動を開始させる指令を出力する変動開始指令手段と、を備え、
前記遊技モード制御手段は、
前記第2の遊技モードのとき、前記変動開始指令手段からの指示に基づいて前記表示装置の識別情報の変動を開始させることを特徴とする請求項1記載の封入球式遊技機。
【請求項3】
開閉部材によって開閉する大入賞口を有する変動入賞装置を備え、
前記遊技モード制御手段は、
前記表示装置の識別情報が所定態様となる特別遊技状態になると、前記変動入賞装置の大入賞口を所定時間開放させて遊技球を入賞させ、該入賞に対応する賞球を遊技者の利益としての持球数に加算し、
前記表示装置の識別情報が前記特別遊技状態より遊技者の利益が少ない特定態様となる特定遊技状態になると、前記変動入賞装置の大入賞口を開放させずに、所定の賞球を遊技者の利益としての持球数に加算するように制御することを特徴とする請求項1又は2記載の封入球式遊技機。
【請求項4】
前記遊技モード制御手段は、
当該封入球式遊技機の電源投入時及び前記遊技制御装置のリセット時は、第1の遊技モードに制御し、
前記表示装置における識別情報がモード変更態様になると、第1の遊技モードから第2の遊技モードに切り換えて制御し、
切り換えた後の第2の遊技モードでは、次の特別遊技状態が発生するまで又は前記表示装置における識別情報の変動回数が予め定められた回数になるまで第2の遊技モードを継続する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の封入球式遊技機。
【請求項5】
遊技者の選択により、第2の遊技モードへの切り換えを前記遊技モード制御手段に指示可能なモード切換操作手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の封入球式遊技機。
【請求項6】
遊技者へ情報を報知する報知手段を備え、
前記報知手段は、
前記遊技モード制御手段が第1の遊技モードから第2の遊技モードへの切り換え制御を開始した場合、遊技モードを切り換えた旨及び第2の遊技モードの説明を遊技者に報知することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の封入球式遊技機。
【請求項7】
前記始動口に入球した遊技球を所定範囲で記憶可能な特図始動入賞記憶手段と、
開閉部材を有するとともに前記始動口として機能し、普通図柄可変表示装置における普図変動表示ゲームの停止表示態様が当り態様となった場合に、前記開閉部材を開放状態にする普通変動入賞装置と、
前記普通変動入賞装置に入球した遊技球を所定範囲で記憶可能な普図始動入賞記憶手段と、を備え、
前記遊技モード制御手段は、
第2の遊技モードになると、第1の遊技モード中の前記普図始動入賞記憶手段の記憶はクリアし、前記特図始動入賞記憶手段の記憶はそのまま持ち越すように制御することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の封入球式遊技機。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate