説明

遊技用システム

【課題】記録媒体の記録情報により特定される残額を使用して遊技媒体を貸与し、該残額から消費税を徴収するときに、遊技者に生じる不利益を低減できるようにする遊技用システムを提供することである。
【解決手段】減算後の残額が税込単位額未満と判定されたとき(S43Y)、税込端数球単価に基づき、当該残額で貸出可能な遊技球の個数が算出され(S45)、その個数の遊技球の貸出しと、税込端数球単価に基づく減算とが行なわれる。そして、貸与消費単位額分の貸出しについては、払出個数指定信号による貸与消費単位額分の個数の指定(S56a)により貸与消費単位額に対応する貸出しが指示される。端数額分の貸出しでは、払出個数指定信号による端数球の指定(S56b)により端数額に対応する貸出しが指示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードユニット、または、カードユニットおよび管理装置等からなる遊技用システムに関する。詳しくは、記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、遊技機での遊技に用いられる遊技媒体を貸与する遊技用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技用システムとして従来から一般的に知られているものに、たとえば、プリペイドカード等の記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、パチンコ遊技機等の遊技機での遊技に用いられる遊技球等の遊技媒体を貸与(球貸し)するものがあった。
【0003】
このような従来の遊技用システムでは、所定額単位で遊技媒体の貸与を行なうのが一般的である。そして、このような遊技用システムにおいては、遊技媒体を貸与するときに、貸与額に消費税額を加えた額を遊技者所有の残額から減算する貸与処理を行なうことにより、貸与額の消費に対して消費税を徴収できるようにしたものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述のような消費税額を残額から減算する従来の遊技用システムにおいては、たとえば100円等の所定額(以下、単位額という)単位での遊技媒体の貸与しかできなかったので、残額として単位額未満の額(以下、端数額という)が残ってしまうときがある。たとえば、10000円の残額に対して、単位額を100円として消費税額(5%)を加えた105円を貸与ごとに減算していくと、最終的に25円という端数額が残ってしまう。従来のような遊技媒体の貸与処理では、このように生じる端数額を遊技媒体の貸与のために使用できなかったので、消費税を徴収することにより遊技者に不利益が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、記録媒体の記録情報により特定される残額を使用して遊技媒体を貸与し、該残額から消費税を徴収するときに、遊技者に生じる不利益を低減できるようにする遊技用システムを提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0007】
(1) 記録媒体の記録情報(遊技カード21)により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、遊技機(パチンコ遊技機2)での遊技に用いられる遊技媒体(遊技球)を貸与(貸出し)する遊技用システムであって、
前記記録媒体を受付ける受付手段(カードリーダライタ装置33)と、
該受付手段により受付けられた前記記録媒体の記録情報により特定される残額に基づいて、前記遊技機に遊技媒体の貸与を指示する貸与指示信号(貸出指令信号信号等)を送信することにより前記遊技機から前記遊技媒体を貸与させる(図12のS56a,S56b,S57,図13のS62)とともに、遊技媒体の貸与のために消費される貸与消費額と該貸与消費額に対応する消費税額とを前記残額から減算する(図13のS64,S67)貸与処理を行なう貸与処理手段(カードユニット制御部340)と、
該貸与処理手段が予め定められた複数個単位(たとえば、25個)での前記遊技媒体の貸与を行なわせるときの前記貸与消費額である貸与消費単位額と該貸与消費単位額に対応する消費税額とを合算した第1の合算値(税込単位額)を特定可能な第1のデータを設定する第1の設定手段(カード管理装置400、図11のS14、カードユニット制御部340、図11のS22)と、
前記遊技媒体1個あたりの前記貸与消費額である遊技媒体単価(端数球単価)と該遊技媒体単価に対応する消費税額とを合算した第2の合算値(税込端数球単価)を特定可能な第2のデータを設定する第2の設定手段(カード管理装置400、図11のS18、カードユニット制御部340、図11のS24)と、
前記貸与処理による減算後の前記残額が前記第1の合算値以上と前記第1の合算値未満とのどちらであるかを判定する残額判定手段(カードユニット制御部340、図12のS40,S43,S50)と、
該残額判定手段により減算後の残額が第1の合算値未満であると判定されたときに、前記第2のデータに基づいて、当該残額で貸与可能な遊技媒体の個数を特定する個数特定手段(カードユニット制御部340、図12のS45,S52)とを含み、
前記貸与処理手段は、前記残額判定手段により第1の合算値以上であると判定されたときに、前記貸与消費単位額に対応する遊技媒体の個数を示す第1の信号(貸与消費単位額に対応する個数を指定する払出個数指定信号および貸出指令信号)を前記貸与指示信号として1回もしくは複数回送信する(貸与消費単位額に対応する個数を指定する払出個数指定信号をS56aにおいて出力し、S62において貸与指令信号を出力する)ことにより予め定められた個数の遊技媒体を前記遊技機から貸与させ、前記第1のデータに基づいた前記減算(図13のS64)をする第1の貸与処理を行ない、一方、前記残額判定手段により第1の合算値未満であると判定されたときに、第1の合算値未満の残額分について、前記個数特定手段により特定された遊技媒体の個数を示す第2の信号(端数球の個数を指定する払出個数指定信号および貸出指令信号)を前記貸与指示信号として送信する(端数球の個数を指定する払出個数指定信号をS56bにおいて出力し、S62において貸与指令信号を出力する)ことにより当該特定された個数の遊技媒体を前記遊技機から貸与させ、前記第2のデータに基づいた前記減算(図13のS67)をする第2の貸与処理を行なう。
【0008】
このような構成によれば、貸与処理による減算後の残額が貸与消費単位額と該貸与消費単位額に対応する消費税額とを合算した第1の合算値以上であると判定されたときに、貸与消費単位額に対応する個数の遊技媒体を貸与する処理を1回もしくは複数回することにより予め定められた個数の遊技媒体を貸与し、第1のデータに基づいた前記減算をする第1の貸与処理が行なわれる。一方、貸与処理による減算後の残額が貸与消費単位額と該貸与消費単位額に対応する消費税額とを合算した第1の合算値未満であると判定されたときに、遊技媒体単価と該遊技媒体単価に対応する消費税額とを合算した第2の合算値を特定可能な第2のデータに基づいて、当該残額で貸与可能な遊技媒体の個数が特定され、特定された個数の遊技媒体の貸与と、第2のデータに基づいた減算とをする第2の貸与処理が行なわれる。残額が第1の合算値未満であっても、当該残額で貸与可能な個数の遊技媒体の貸与が行なわれるので、残額のうち貸与に使用できない額が遊技媒体単価未満となるため、記録媒体の記録情報により特定される残額を使用して遊技媒体を貸与し、該残額から消費税を徴収するときに、遊技者に生じる不利益を低減できる。さらに、第1の貸与処理を行なうときに、貸与消費単位額に対応して予め定められた貸与する遊技媒体の個数を示す第1の信号が貸与指示信号として1回もしくは複数回送信されることにより予め定められた個数の遊技媒体が貸与され、一方、第2の貸与処理を行なうときに、減算後の残額が第1の合算値未満であると判定されたときに当該残額で貸与可能な遊技媒体の個数として特定された遊技媒体の個数を示す第2の信号が貸与指示信号として送信されることにより当該特定された個数の遊技媒体が貸与される。このため、貸与消費単位額に対応する個数の遊技媒体の貸与と、第1の合算値未満の残額に基づく個数の遊技媒体の貸与とのそれぞれについて貸与する個数をより明確に示すことができる。
【0009】
(2) 前記遊技機が設けられた遊技場の外部に存在し、前記記録媒体に関する情報を管理する第三者機関(第三者機関500)に設けられ、消費税率を設定する税率設定手段(取引情報管理装置501、図10のS2)と、
前記第三者機関に設けられ、前記税率設定手段により設定された消費税率を特定可能な消費税率特定情報(消費税率設定情報)を遊技場に配信する税率配信手段(取引情報管理装置501、図10のS3)とをさらに含み、
前記第1の設定手段および前記第2の設定手段のそれぞれは、前記遊技場の内部に設けられ、前記税率配信手段から配信された前記消費税率特定情報により特定される消費税率に基づいて前記第1のデータおよび前記第2のデータの設定を行なう(図11のS13,S14,S17,S18,S22,S24)。
【0010】
このような構成によれば、第三者機関によって設定された消費税率を特定可能な消費税率特定情報が第三者機関から遊技場に配信され、遊技場に設けられた第1の設定手段および第2の設定手段のそれぞれにより、消費税率特定情報に基づいて、貸与処理に用いられる第1のデータおよび第2のデータが設定される。このため、遊技場の関係者により不正に設定された消費税率(実際の税率よりも高い税率)で残額の減算が行なわれ、遊技者が不利益を被るおそれをなくすことができる。
【0011】
(3) 前記遊技機が設けられた遊技場の外部に存在し、前記記録媒体に関する情報を管理する第三者機関(第三者機関500)に設けられ、前記第1の設定手段で用いられる前記第1の合算値、および、前記第2の設定手段で用いられる前記第2の合算値をそれぞれ設定する合算値設定手段(取引情報管理装置501、図23のS214,S215)と、
前記第三者機関に設けられ、前記合算値設定手段により設定された前記第1の合算値を特定可能な第1の合算値特定情報(税込単位額情報)および前記第2の合算値を特定可能な第2の合算値特定情報(税込端数球単価情報)を遊技場に配信する合算値配信手段(取引情報管理装置501、図23のS216)とをさらに含み、
前記第1の設定手段および前記第2の設定手段のそれぞれは、前記遊技場の内部に設けられ、前記合算値配信手段から配信された前記第1の合算値特定情報により特定される第1の合算値および前記第2の合算値特定情報により特定される第2の合算値を、前記第1のデータおよび前記第2のデータとしてそれぞれ設定する(図24のS222,S224,S22,S24)。
【0012】
このような構成によれば、第三者機関によって設定された第1の合算値を特定可能な第1の合算値特定情報、および、第2の合算値を特定可能な第2の合算値特定情報が第三者機関から遊技場に配信され、遊技場に設けられた第1の設定手段および前記第2の設定手段のそれぞれにより、第1の合算値特定情報により特定される第1の合算値および第2の合算値特定情報により特定される第2の合算値が、第1のデータおよび第2のデータとしてそれぞれ設定される。このため、遊技場の関係者により不正に設定された消費税率で貸与処理が行なわれることが防がれるので、不正に設定された消費税率(実際の税率よりも高い税率)で残額の減算が行なわれ、遊技者が不利益を被るおそれをなくすことができる。
【0013】
(4) 前記受付手段により受付けられた前記記録媒体の記録情報により特定される残額に関する残額情報を表示する表示手段(カード残額表示器8)と、
前記残額が前記貸与消費単位額以上のときには前記表示手段において前記残額情報として前記残額のうち貸与消費単位額の整数倍部分(度数)を表示させ、前記残額が前記貸与消費単位額未満のときには前記表示手段において前記残額情報として前記残額または前記個数特定手段により特定された個数(端数球数)を表示させる表示の切替え(残額の度数と端数球数との切替え)を行なう表示切替え手段(カードユニット制御部340)とをさらに含む。
【0014】
このような構成によれば、残額が貸与消費単位額以上のときには表示手段において残額情報として残額のうち貸与消費単位額の整数倍部分を表示させ、残額が貸与消費単位額未満のときには表示手段において残額情報として残額または個数特定手段により特定された個数を表示させる表示の切替えが行なわれる。このため、残額が貸与消費単位額未満のときに、残額情報が残額または個数特定手段により特定された個数により表示されるので、貸与消費単位額未満の残額情報についても遊技者に確実に認識させることができるとともに、その貸与消費単位額未満の残額情報を表示させるために表示領域を追加する必要がないようにすることができる。
【0015】
(5) 前記貸与処理手段は、前記第1の貸与処理を行なうことにより前記残額が第1の合算値未満となるときに、前記第1の信号の送信に引続いて前記第2の信号を送信する(図8の(a)、図12のS46,S49,S55〜S57,S62)。
【0016】
このような構成によれば、第1の貸与処理を行なうことにより残額が第1の合算値未満となるときに、第1の信号の送信に引続いて第2の信号が送信されるので、遊技者が第1の合算値未満の残額分で遊技媒体の貸与を受けるために新たな操作をすることが不要になるため、遊技者の手間を省くことができる。
【0017】
(6) 前記貸与処理手段は、前記第1の貸与処理を行なうことにより前記残額が第1の合算値未満となるときに、当該第1の貸与処理における最後の前記貸与消費単位額に対応する個数と前記個数特定手段により特定された個数とを合算した個数を示す第2の信号(貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合計したパルス数の払出個数指定信号)を送信する(図27の(a)、第5実施形態で引用する図26のS55d)。
【0018】
このような構成によれば、第1の合算値以上の残額を最後に使用する第1の貸与処理に伴って第2の貸与処理が行なわれ、最後の貸与消費単位額に対応する個数の遊技媒体の貸与、および、個数特定手段により特定された個数の遊技媒体の貸与が、貸与する遊技媒体の個数を示す信号を送信することにより指示されるので、遊技者が端数分の貸与を受けるために新たな操作をすることが不要になるため、遊技者の手間を省くことができる。
【0019】
(7) 前記第1の貸与処理により前記貸与消費単位額に対応する個数の遊技媒体の貸与が行なわれたことを特定可能な第1の貸与情報(単位額売上情報)を出力する第1の情報出力手段(S65)と、
前記第2の貸与処理により遊技媒体の貸与に使用された残額を特定可能な第2の貸与情報(端数額売上情報)を出力する第2の情報出力手段(S68)と、
前記第1の情報出力手段から出力される第1の貸与情報および前記第2の情報出力手段から出力される第2の貸与情報に基づいて、前記貸与消費額を集計する集計手段(カード管理装置400、図20のS193,S196等)とをさらに含む。
【0020】
このような構成によれば、第1の情報出力手段から出力される第1の貸与情報および第2の情報出力手段から出力される第2の貸与情報に基づいて、貸与消費額が集計されるので、貸与消費額を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】遊技機設置島に設置された遊技機の一例としてのパチンコ遊技機と記録媒体処理装置の一例としてのカードユニットとを示す正面図である。
【図2】パチンコ遊技機において遊技球の貸出に関する操作を行なうために設けられた貸出操作部の拡大図である。
【図3】カードユニットの正面図である。
【図4】遊技カードの構成および記録情報を示す図である。
【図5】カードユニットの構成および遊技場内外の管理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】パチンコ遊技機およびカードユニットにおける遊技球の払出しに関係する回路の構成を示すブロック図である。
【図7】カードユニットとパチンコ遊技機との動作タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図8】貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図9】カード管理データベースにおいて管理されているカードID情報およびカード残額情報に関する管理データを表形式で示す図である。
【図10】取引情報管理装置において実行される税率管理処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】カード管理装置およびカードユニット制御部において税込単位額および税込端数球単価を設定するために実行される処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】カード処理制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】カード処理制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】カード処理制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図16】球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図17】球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図18】球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図19】入金処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】カード管理装置の管理用コンピュータにより実行される集計処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態による貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図22】第2実施形態による球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【図23】第3実施形態による取引情報管理装置において実行される税率管理処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図24】第3実施形態によるカード管理装置およびカードユニット制御部において税込単位額および税込端数球単価を設定するために実行される処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図25】第4実施形態による貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。
【図26】第4実施形態によるカード処理制御の特徴部分の処理内容を示すフローチャートである。
【図27】第5実施形態による貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、遊技用システムの一例として、カードユニット、または、カードユニットおよび管理装置等からなる遊技用システムを説明するが、当該遊技用システムとしては、記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、遊技機での遊技に用いられる遊技媒体を貸与する遊技用システムであればどのような構成の遊技用システムにも適用可能である。また、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を説明するが、これに限らず、たとえばコイン遊技機、コインを使用するスロットマシン、コインの投入の代わりに所定個数の遊技球を投入してスロットマシン遊技を行なう遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体が遊技に用いられる遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
【0023】
第1実施形態
図1は、遊技機設置島に設置された遊技機の一例としてのパチンコ遊技機2と記録媒体処理装置の一例としてのカードユニット3とを示す正面図である。また、図2は、パチンコ遊技機2において遊技媒体の貸与としての遊技球の貸出に関する操作を行なうために設けられた貸出操作部50の拡大図である。以下、図1および図2を用いてパチンコ遊技機2およびカードユニットの説明を行なう。
【0024】
遊技場においては、遊技媒体の一例としての遊技球(パチンコ玉)を用いて遊技が行なわれるパチンコ遊技機2が背中合わせに(裏面側が向かい合う態様で)複数台並んで設けられた遊技機設置島200aが複数設置されている。各パチンコ遊技機2の左隣には、1台のパチンコ遊技機2に対して1対1の対応で、カードユニット3が付設されている。
【0025】
このカードユニット3においては、遊技場において遊技者に対して個別に発行された遊技カードを遊技球の貸出し(貸与、球貸しともいう)を受けるために使用することができる。遊技カードは、たとえば、遊技場内に設置されたカード販売機または遊技場のカウンタ等の所定の発行場所において、遊技者が発行を受けることができる記録媒体である。この遊技カードは、発行時にカード残額として所定金額(たとえば、10000円、5000円、1000円等の所望の金額)のデータが記録された状態で発行されるプリペイド機能と、発行後に遊技者がカード残額を増やす入金をすることができる入金機能とを有する。この遊技カードは、非接触型のICカードにより構成されており、後述するように、カードIDおよびカード残額等の各種情報がカード情報として記録される。
【0026】
また、遊技機設置島200aにおいては、一端部に、遊技機設置島200aにおける紙幣の搬送制御等の遊技機設置島200aに関する各種の制御を行なう島端制御装置および紙幣の回収ボックス等の機器が設けられた島端制御ボックス201が設けられている。
【0027】
カードユニット3の下端部に設けられたカード挿入排出口4に遊技者が遊技カードを挿入すれば、カードユニット3内に設けられているカードリーダライタ装置によって、挿入された遊技カードの記録情報(データ)が読取られる。パチンコ遊技機2の上皿5の所定位置には、図2に示されるような貸出スイッチ80、返却スイッチ81、カード残額表示器8、度数ランプ52、および、端球数ランプ53が配置された貸出操作部50が設けられている。
【0028】
カード残額表示器8においては、遊技カードに記録されているカード残額に関する情報が表示される。カード残額表示器8は、3桁の数字を表示することが可能な7セグメントLEDよりなる。貸出スイッチ80が押圧操作(貸出操作)されると、読取られたデータにより特定されるカード残額から、遊技者により設定された設定貸出額に消費税額を合算した額が引落され、引落し額に相当する個数の遊技球(貸球)がパチンコ遊技機2の上皿5に貸出(払出)される。つまり、遊技球の貸出しのために消費される金額である貸与消費額と該貸与消費額に対応する消費税額とを合算した引落し額がカード残額から減算されることとなる。このように、遊技球の貸出し時においては、貸出金額に対する消費税額がカード残額からの引落しにより徴収されるのである。
【0029】
遊技球の貸出額には、たとえば、単位額(以下、貸与消費単位額という、100円)+消費税金額(たとえば、消費税率が5%であれば5円)という所定の税込貸出単位額(以下、単に税込単位額という、105円)が予め定められている。このため、貸球の払出しおよびカード残額の引落しは、原則的に税込単位額を1単位として行なわれる。また、貸球の払出しおよびカード残額の引落しは、例外的に税込単位額未満の端数額分についても行なわれる。端数額分の貸球の払出しについては、たとえば、遊技球単価(4円)+消費税金額(たとえば、消費税率が5%であれば0.2円)という所定の税込端数球単価(遊技球1個あたりの貸出消費額)が予め定められている。このため、端数額分の貸球の払出しおよびカード残額の引落しは、基本的に税込端数球単価に基づいて行なわれる。カード残額表示器8では、カード残額が度数(貸与消費単位額の整数倍部分の値、つまり、カード残額を100で除算した整数部分)または端数球数(税込単位額未満のカード残額で払出可能な遊技球数)によりカード残額が示される。カード残額表示器8でカード残額が度数で表示されるときには、度数ランプ52が点灯表示される。一方、カード残額表示器8でカード残額が端数球数で表示されるときには、端球数ランプ53が点灯表示される。カード残額表示器8では、カード残額が貸与消費単位額以上であるときにカード残額が度数で表示され、カード残額が貸与消費単位額未満であるときにカード残額が端数球数で表示されるように、カード残額に基づいてカード残額の表示形態が切替えられる。
【0030】
カード残額がカード残額表示器8での残額表示は、たとえば、次のように行なわれる。遊技カード21のカード残額が10000円であるときに500円ずつ貸出しが行なわれていくときには、1回分の引落し額が525円であり、カード残額が100度数(10000円)→94度数(9475円)→89度数(8950円)→・・・→5度数(550円)→5端数球(25円)というように表示される。このように、カード残額表示器8では、1つの表示器でありながらも、度数と端数球数とが容易に識別可能な態様で表示される。また、カードユニット3とパチンコ遊技機2との間は、配線によって接続されており、データのやり取りができるように構成されている。
【0031】
遊技カードが挿入されて、遊技者の操作に応じて遊技球の貸出しが行なわれる場合には、カードユニット3から貸出指令信号等の信号がパチンコ遊技機2に送信される。パチンコ遊技機2では、貸出指令信号等の信号に従って払出制御が行なわれることにより、上皿5に所定数の貸球(貸出される遊技球)が払出される。これにより、上皿5に払出された貸球をパチンコ遊技機2に設けられた遊技領域53へ弾発発射することが可能となり、パチンコ遊技機2において遊技を行なうことが可能となる。遊技者により返却スイッチ81が押圧操作されると、挿入されていた遊技カードが遊技者に返却される。
【0032】
また、遊技カードがカード挿入排出口4より挿入されており、かつ、後述するような入金許容条件が成立している状態で、カードユニット3に設けられている紙幣投入口61に遊技者が紙幣を投入するか、または、カードユニット3に設けられている硬貨投入口62に硬貨を投入することにより、その投入金額分の金額がカード残額に加算される。このように投入貨幣に相当する金額をカード残額へ加算してカード残額を更新することが、入金と呼ばれる。
【0033】
また、遊技機設置島200aにおいて、裏面側が対向配置された2列のパチンコ遊技機2およびカードユニット3の列間の空間には、紙幣搬送装置の搬送路が設けられている。カードユニット3により受付けられた紙幣は、紙幣を識別する処理が行なわれた後、カードユニット3の裏面側から搬送路上に排出され、遊技機設置島200aの端部に設けられた回収ボックスまで搬送されて回収される。
【0034】
遊技者が打球操作ハンドル51を操作すれば、上皿5にある遊技球が1発ずつ弾発発射され、遊技領域53内に打込まれる。遊技領域53に打込まれた打球(打玉)が始動入賞口54に入賞すれば、入賞球が始動入賞球センサ(図示省略)により検出され、遊技領域53の中央部に設けられた変動表示装置55の変動表示領域(たとえば、変動表示領域は、左,中,右に並んだ3つの変動表示領域を有する)において、数字等の複数種類の図柄よりなる特別図柄の変動表示(更新表示または変動表示とも呼ばれる)が開始される。なお、打球が始動入賞口54に入賞することを特に始動入賞と呼ぶ。
【0035】
そして、変動表示装置55における特別図柄の変動表示の停止結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777等のゾロ目の図柄の組合せ)である大当り図柄となれば、特定遊技状態としての大当り状態が発生する。大当り図柄の組合せは、複数種類あり、それらのうちのいずれかの大当り図柄の組合せが停止表示されれば、大当り状態が発生する。
【0036】
大当り状態が発生すれば、ソノイド(図示省略)が励磁され、これにより、変動表示装置55の下方部分に位置する可変入賞球装置56に設けられた開閉板57が開成状態となって大入賞口が開き、可変入賞球装置56が遊技者にとって有利な第1の状態となる。そして、可変入賞球装置56においては、遊技球の可変入賞球装置56への所定個数(たとえば10個)の入賞、あるいは所定期間(たとえば30秒間)の経過のうち、いずれか早い方の条件が成立することによりこの第1の状態が終了し、開閉板57が閉成して遊技者に不利な第2の状態に変化する。
【0037】
変動表示装置55の変動表示中に再度打球が始動口54に入賞すれば、その始動入賞が記憶されて変動表示装置55が可変停止した後再度可変開始できる状態になるまで待ってその始動入賞に基づいて変動表示装置55が再度可変開始される。この始動入賞記憶の上限値は、「4」に定められており、所定箇所に表示される。
【0038】
可変入賞球装置56が第1の状態となっている期間中に可変入賞球装置56内に進入した入賞球は10カウントセンサ(図示省略)あるいは特定入賞球センサ(図示省略)により検出される。入賞球が特定入賞球センサにより検出されれば、その回における可変入賞球装置56の第1の状態が終了するのを待って再度可変入賞球装置56を第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。
【0039】
繰返し継続制御が終了した後、いわゆる大当り状態が終了して、再び大当りが発生しない限り開閉板57が開成しない状態となる。なお、このような状態に移行した際、状態移行前に発生した大当りが、特に、ある特別の図柄の組合せによるものである場合には、大当りが発生する確率が高くなるように制御される。つまり、大当りが発生する図柄の組合せが複数種類あり、そのうちのある図柄の組合せで大当りが発生した場合に、大当りが発生する確率が高くなるように制御されるのである。
【0040】
このように大当り確率の変動した遊技状態が特に確率変動状態(略称、確変)と呼ばれる。このような大当り確率が変動した状態は、たとえばその次の大当りが発生するまで継続する。
【0041】
また、遊技領域53においては、前述した始動入賞口54の他にも、通常の入賞口58が設けられている。また、いずれの入賞領域(入賞口および可変入賞球装置内の入賞領域)にも入賞しなかった遊技球は遊技領域53の下部に設けられたアウト口58により回収される。アウト口58により回収された遊技球および入賞領域に入賞した遊技球は、パチンコ遊技機2の内部で合流されて、所定の排出経路を経て外部に排出される。
【0042】
このようなパチンコ遊技機2においては、遊技球が入賞した場合に、入賞の種類に応じて所定個数の賞球が払出され、その遊技球を用いて引続き打球発射を繰返し行なって遊技が行なえる。貸出のために払出される遊技球および賞球として払出される遊技球は、ともに所定の補給経路を経てパチンコ遊技機2の内部に補給される。払出される遊技球は、基本的に上皿5に送られるが、上皿5が満杯(満タン)になったときについては上皿5の下方に設けられた下皿6へ送られる。
【0043】
次に、カードユニット3の構成を詳細に説明する。図3はカードユニット3の正面図である。
【0044】
カードユニット3内の前面側の下端部においては、カード挿入排出口4が設けられており、その奥側に、ICカードリーダライタを含むカードリーダライタ装置33が備えられている。カードリーダライタ装置33には、遊技カード21に設けられたアンテナコイル部(図4参照)と通信をするためのアンテナコイルよりなる通信部が設けられている。これらアンテナコイル間でデータの通信を行なうことにより、カードリーダライタ装置33は、遊技カード21に対して情報の読出しおよび書込みが可能である。カードリーダライタ装置33には、制御部が備えられており、遊技カード21に対する情報の読出しおよび書込みに関する制御の他、次のような制御も行なう。遊技カード21が内部に挿入されたときに、制御部は、挿入されたことを所定のセンサにより検出し、遊技カード21を受付けたことを示すカード受付信号をカードユニット制御部340に送信する。また、制御部は、内部に挿入された遊技カード21を排出したときに、カード処理完了信号をカードユニット制御部340に送信する。また、内部に挿入された遊技カード21から記憶データが正常に読取れない等の所定の異常が検出されたとき、制御部は、遊技カードに異常があることを示すカード異常信号をカードユニット制御部340に送信する。
【0045】
カードユニット3の最も上部には、カードユニット3が、カード管理装置(図5参照)に対してオンライン状態にある場合にあるか否かを報知するオンライン表示ランプ91が設けられている。このオンライン表示ランプ91は、カードユニット3がカード管理装置に対してオンライン状態にある場合には点灯し、オフライン状態にある場合には消灯する。オンライン表示ランプ91の下部には、カードユニット3の使用の可否を報知するためのランプよりなる使用可表示器92が設けられている。この使用可表示器92は、カードユニット3が使用可能である場合に点灯し、使用不可能である場合に消灯する。
【0046】
また、カードユニット3内でなんらかのエラーが発生した場合、または、カードユニット3とパチンコ遊技機2との間で通信エラーが発生した場合には、使用可表示器92が点滅する。
【0047】
遊技使用可表示器92の下方には、紙幣投入口61と硬貨投入口62とが上下方向に並んで設けられている。紙幣投入口61には、1000円,2000円,5000円,10000円という複数種類の紙幣を投入することができる。硬貨投入口62には、100円,500円という複数種類の硬貨を投入することができる。
【0048】
紙幣投入口61に紙幣を投入すれば、紙幣識別装置(図5参照)により紙幣が取込まれて適正な紙幣であるか否かの判別が行なわれる。また、硬貨投入口62に硬貨を投入することにより、硬貨識別装置(図5参照)により硬貨が取込まれて適正な硬貨であるか否かの判別が行なわれる。このような紙幣および硬貨、すなわち、貨幣が適正であり、かつ、挿入されている遊技カード21が適正なものである場合には、次のように状況に応じて、遊技カード21への入金を行なうことができる。
【0049】
入金を処理するための入金モードとしては、カード残額が前述の税込端数球単価(遊技球1個の単価(4円)+消費税額(0.2円)=4.2円)未満となったときに入金許容条件が成立する第1入金モードと、カード残額が前述の税込単位額(105円)未満となったときに入金許容条件が成立する第2入金モードとが設けられている。入金モードは、第1または第2のいずれかの入金モードとなるように、遊技場内に設けられたカード管理装置において選択的に設定される。そして、カード管理装置で設定された入金モードを示す情報が各カードユニット3に配信され、各カードユニット3において、配信された情報により示される入金モードが設定される。各入金モードでは、入金額に上限値(たとえば、10000円)が設定されており、過剰な入金が制限されている。
【0050】
硬貨投入口62の下方には、投入した硬貨が内部で詰まった場合に返却を要求するために操作する返却ボタン93が設けられている。返却ボタン93が操作されると、操作に応じて、機械的な排出動作が行なわれることにより、投入した硬貨が表示プレート30の下方に設けられた硬貨返却口94から返却される。また、返却ボタン93の下方には、遊技球の貸出が可能か否かを示すためのランプよりなる貸出可表示器96が設けられている。貸出可表示器96は、貸出が可能なときに点灯され、貸出が不可能なときに消灯される。
【0051】
貸出可表示器96の下方には、各種の表示および操作を行なうための表示プレート30が設けられている。この表示プレート30には、貨幣利用可ランプ13、金額設定ボタン14、金額表示器15、金額表示器17、玉表示器18、連結台方向表示器19、および、カード挿入表示器20が設けられている。
【0052】
貨幣利用可ランプ13は、遊技カード21への入金および遊技カード23の発行のために貨幣(紙幣および硬貨)を紙幣投入口61または硬貨投入口62へ投入可能であるか否かを報知するためのものである。貨幣利用可ランプ13は、紙幣および硬貨のうちの少なくとも一方が投入可能である場合に点灯し、紙幣および硬貨の両方が投入不可能である場合に消灯する。
【0053】
金額設定ボタン14は、遊技カード21を用いた1回の貸出に使用されるカード残額の金額(以下、設定貸出額と呼ぶ)を設定するためのものであり、操作を行なうことにより、設定貸出額を選択することができる。この金額設定ボタン14を押圧操作する毎に、1回の貸出に用いられるカード残額が切換えられる。金額設定ボタン14により選択できる金額は、たとえば、100円、200円、300円、400円、500円、…1000円というように複数種類設けられており、金額設定ボタン14の操作によりいずれかの金額を選択的に決定することができる。このため、遊技者は、自由に設定貸出額を選択設定することができる。
【0054】
金額設定ボタン14の操作と設定貸出額の選択との関係は次の通りである。たとえば、設定貸出額には、初期値(デフォルト値)が定められており、金額設定ボタン14が1回押圧操作されるごとに、設定貸出額が100円、200円、300円、400円、500円、…1000円の順に切換えられ、1000円の選択状態からさらに1回操作が行なわれると、設定貸出額が再度100円に戻って引続き同様の順序で切換えられる。つまり、金額設定ボタン14が操作されるごとに複数種類の設定貸出額がローテーションする。
【0055】
設定貸出額の初期値は、複数種類の金額のうちから選択された1つの金額が設定される。設定貸出額には、前述した複数種類の選択可能な設定貸出額のうちの1つが初期値として予め定められている。設定貸出額の初期値は、たとえば、遊技者が設定貸出額として選択する確率が最も高いと認められる金額(たとえば、前述した金額例の場合には500円等)に設定するのが望ましく、そのような設定を行なえば、遊技者が設定貸出額の変更をする操作をする手間を省くことが可能となるので、遊技者にとって便利なものとなる。
【0056】
金額設定ボタン14の操作に応じて選択された設定貸出額は、金額表示器15により表示される。そして、金額設定ボタン14を操作してたとえば200円の設定貸出額が選択されている状態で、遊技カード21が挿入され、かつ、パチンコ遊技機2に設けられた貸出スイッチ80が操作された場合には、その遊技カード21に記録されているカード残額から200円に消費税額を加えた額の消費金額(210円)分が引落されて200円分の貸球がパチンコ遊技機2から払出される。
【0057】
また、遊技カード21がカード挿入排出口4から排出されて遊技者により遊技カード挿入口4から抜取られた場合のように、遊技カード21の使用が終了した時から新たな遊技カード21が使用されずに所定時間(たとえば1分間)経過した場合には、1回の貸出し(球貸し)に用いられる設定貸出額の設定値が前述した初期値に戻されて、その初期値(500円)が金額表示器15に表示される。
【0058】
金額表示器17は、遊技カード21への入金のために投入された金額等の各種の情報を表示するためのものである。さらに、この金額表示器17は、エラーコードの表示にも兼用されている。たとえば、当該カードユニット3に発生した種々の異常状態やカードユニット3とそれに対応したパチンコ遊技機2との間での通信異常等、異常原因ごとにエラーコードを表示することが可能である。
【0059】
玉表示器18は、当該カードユニット3が、遊技球を貸出すためのものであるかメダルを貸出すためのものであるかを選択的に点灯表示するものである。カードユニット3の中には、遊技球の貸出ではなくてスロットマシン等のメダル(コイン)の貸出を行なうためのものもあり、それとの区別が玉表示器18の点灯表示により認識できるように構成されている。
【0060】
連結台方向表示器19は、当該カードユニット3がどちらのパチンコ遊技機2に配線接続されているかを点灯表示するためのものである。カード挿入中ランプ20は、遊技カード21が遊技カード挿入口4に挿入されて、受付けられていることを点灯表示により報知するためのものである。
【0061】
表示プレート30の下方には、硬貨返却口94が設けられている。投入された硬貨は、前述したように硬貨返却口94から返却可能である。硬貨返却口94の下方には、数値を入力可能なテンキーを含む数値入力部95が設けられている。
【0062】
遊技カード21がカード挿入排出口4に挿入された状態で遊技に使用され、遊技者が遊技終了操作としての返却スイッチ81の押圧操作を行なえば、更新されたカード残額が記録された遊技カード21が遊技カード挿入口4から外側に一部が飛出るような態様で排出(返却)される。遊技者は、このような状態で排出された遊技カード21を抜取ることにより、排出された遊技カード21を受取る。
【0063】
次に、遊技カード21を詳細に説明する。図4は、遊技カード21の構成および記録情報を示す図である。図4において、(a)には遊技カード21の一部破断平面図、(b)には遊技カード21の記録情報がそれぞれ示されている。
【0064】
図4の(a)を参照して、遊技カード21は、非接触型のICカードよりなる。遊技カード21の内部においては、ICチップ21aと、ICチップ21aに接続されたアンテナコイル21bとが一端部に設けられている。このようなICチップ21aとアンテナコイル21bとは、遊技カード21の内部に埋込まれた態様で設けられている。図においては、ICチップ21a,アンテナコイル21bの近傍を破断した状態が示されており、ICチップ21a,アンテナコイル21bがカード内部に埋込まれている構成が示されている。アンテナコイル21bは、カードリーダライタ装置33が出力する電磁波を受信する。これにより、ICチップ21aにおいて電源電力が発生してICチップ21aが動作する。また、アンテナコイル21bは、カードリーダライタ装置33との間で各種データの送受信を行なう。
【0065】
前述のカードリーダライタ装置33には、前述したカードのアンテナコイル部21bと通信をするためのアンテナコイルよりなる通信部が設けられており、カードリーダライタ装置33内の空間においては、通信部と向かい合う位置にアンテナコイル部21bがある場合に、遊技カード21とカードリーダライタ装置33とが通信可能な状態となり、遊技カードの記録情報の読出しおよび書込みが可能となる。このような通信部が設けられた周辺の位置の内部空間が、遊技カード21を受付けるカード受付部を構成している。
【0066】
ICチップ21aには、電源部、制御部、メモリ(図示省略)等の各種構成要素が設けられており、電源部により電源電力が発生されて各部に供給され、制御部およびメモリ等が動作する。制御部は、各種の演算および制御が実行可能なプロセッサであり、制御用プログラムを実行することによりデータの送受信およびデータの読出しおよび書込み等の各種制御を行なう。メモリは、電力がない状態でもデータを失うことなく記憶するものであり、カード情報を記憶保持する。
【0067】
図4の(b)を参照して、遊技カード21には、シリアル番号情報211、カードID情報212、カード残額情報213、発行店情報214、発行日情報215、セキュリティ情報216、および、その他の情報217がメモリに記録される。遊技カード21のメモリにおいては、これらの情報を記録するためにそれぞれの情報を記録する領域が設けられている。
【0068】
シリアル番号情報211は、カード製造会社により各カードに個別に付与されたシリアル番号を特定する情報である。カードID番号情報212は、遊技場において各カードを識別するために各カードに付与された識別情報であるカードID番号を特定する情報である。カード残額情報213は、カード残額を特定する情報であり、本実施の形態においては金額の形式で記録されている。発行店情報212は、遊技カード21が発行された遊技場を特定する情報である。カード残額情報213は、カード残額を特定する情報である。発行日は、遊技カード21が発行された日を特定する情報である。セキュリティ情報216は、遊技カード21のセキュリティチェックをするための情報であり、このセキュリティ情報216が予め定められたセキュリティ情報と一致する場合に、当該カードが正規のカードであると判定される。そして、遊技カード21には、このような情報以外にも、各種の情報、すなわち、その他の情報217が記録されている。
【0069】
次に、カードユニット3の構成および遊技場100内外の管理システムの構成を説明する。図5は、カードユニット3の構成および遊技場内外の管理システムの構成を示すブロック図であり、一部の構成については図示および説明を省略している。
【0070】
遊技場100においては、前述したパチンコ遊技機2およびカードユニット3の他に、ホール管理コンピュータ800、島端末装置50、カード管理装置400、および、中継装置60等の各種装置が設けられている。
【0071】
カードユニット3における制御装置34のカードユニット制御部340は、紙幣識別装置31、硬貨識別装置32、カードリーダライタ装置33、センサ・ランプ類91,92,…,20、金額設定ボタン14、および、数値入力部95と接続されている。また、カードユニット制御部340は、パチンコ遊技機2に設けられ、遊技球の貸出し制御および賞球の払出し制御を行なうことが可能な制御用のマイクロコンピュータよりなる払出制御部200と通信部36を介して相互通信可能な態様で接続されている。さらに、カードユニット制御部340は、通信部36を介して、パチンコ遊技機2に設けられた貸出スイッチ80、返却スイッチ81、カード残額表示器8、度数ランプ52、端球数ランプ53、および、遊技制御部300と接続されている。遊技制御部300は、前述したような変動表示装置55の制御等のパチンコ遊技機における各種の遊技制御を行なうマイクロコンピュータを含む制御部であり、払出制御部200に対して、入賞に応じた賞球の払出しを指令する信号としての賞球払出個数データを出力することが可能である。払出制御部200は、遊技制御部300およびカードユニット制御部340からの指示に応じて、賞球および貸球を払出す動作を行なう払出モータを備えた払出装置90を制御することにより、賞球および貸球を払出させる払出制御を行なう。
【0072】
紙幣識別装置31は、紙幣投入口61から投入された紙幣が適正な紙幣であるか否かを識別する識別部および紙幣搬送用の搬送部(ともに図示省略)を含む。紙幣識別装置31では、投入された紙幣を搬送部により識別部まで送り、識別部により紙幣の識別処理(紙幣の種類も識別する)を行ない、紙幣の識別結果を示す情報をカードユニット制御部340へ与える。紙幣識別装置31は、カードユニット制御部340からの制御信号により制御される。
【0073】
硬貨識別装置32は、投入された硬貨が適正な硬貨であるか否かを識別する識別部および硬貨搬送用の搬送部(ともに図示省略)を含む。硬貨識別装置32では、投入された硬貨を搬送部により識別部まで送り、識別部により硬貨の識別処理(硬貨の種類も識別する)を行ない、硬貨の識別結果を示す情報をカードユニット制御部340へ与える。硬貨識別装置32は、カードユニット制御部340からの制御信号により制御される。
【0074】
カードユニット制御部340は、オフライン表示ランプ91、遊技使用可表示器92、貸出可表示器96、貨幣利用可ランプ13、金額表示器15、金額表示器17、玉表示器18、連結台方向表示器19、カード挿入表示器20のそれぞれに表示制御信号を与え、各ランプおよび表示器について、前述したような表示制御を行なう。また、カードユニット制御部340は、金額設定ボタン14から操作信号を受け、その操作信号に応じて、前述したような制御を行なう。
【0075】
また、カードユニット制御部340は、遊技カード21がカード挿入排出口4に挿入されている状態で貨幣が投入された場合には、入金許容条件が成立したことを条件として、その投入貨幣に相当する金額を遊技カード21のカード残額へ加算するための入金制御を行なう。
【0076】
また、制御装置34のカードユニット制御部340は、貸出スイッチ80からの貸出操作信号に応じて、貸出制御を行なう。また、カードユニット制御部340は、返却スイッチ81からの返却操作信号に応じて遊技カード21の返却制御を行なう。また、カードユニット制御部340は、パチンコ遊技機2に設けられたカード残額表示器8へ表示制御信号を与えて、のカード残額をカード残額表示器8に表示させる制御を行なう。そして、カード残額表示器8に度数を表示させるときには、度数ランプ52へ制御信号を与えて度数ランプ52を点灯させる制御を行ない、一方、カード残額表示器8に端球数を表示させるときには、端球数ランプ53へ制御信号を与えて端球数ランプ53を点灯させる制御を行なう。
【0077】
さらに、カードユニット3に何らかの異常が発生した場合には、制御装置34は、その異常原因を示すエラーコードを金額表示器17またはカード残額表示器8に表示させる制御を行なう。
【0078】
カードユニット制御部340では、遊技カード21挿入時における貸出操作があった場合において、カード残額を引落して遊技球を貸出すための制御を行なう。その遊技球を貸出すための制御の際に、カードユニット制御部340は、貸出金額に相当する個数の遊技球を貸出すための貸出指令信号(貸与指示信号)をパチンコ遊技機2における払出制御部200へ送信する制御を行なう。
【0079】
貸出指令信号は、遊技球の貸出しを1貸与消費単位額ずつ、または、端数額分指令する信号である。たとえば、5貸与消費単位額分の遊技球の貸出しを指令する場合には、1貸与消費単位額の遊技球の貸出しを指令する貸出指令信号が5回送られることとなる。払出制御部200では、カードユニット制御部340から貸出指令信号等の信号を受けて貸球を貸出す制御を行ない、1単位額分の払出しを行なうごとに、貸出完了信号をカードユニット制御部340に返信する。また、払出制御部200では、端数額分の払出しを行なうときには、指令された端数額分の貸球の払出しを行なうことに応じて、貸出完了信号をカードユニット制御部340に返信する。端数額分の貸出し個数は、前述の税込端数球単価(遊技球1個あたりの貸出単価に消費税額が加算された単価)に基づいて決められる。
【0080】
カードユニット制御部340では、遊技カード21から読出してカードユニット制御部340が記憶しているカード残額を、貸出指令信号を出力するごとに減算更新する(具体的には、税込単位額分、すなわち、貸与消費単位額および貸与消費単位額に対応する消費税額分を減算更新する)演算を行なうとともに、カードリーダライタ装置33においてセットされている遊技カード21のカード残額を更新後のカード残額に書換える制御を行なう。さらに、カードユニット制御部340では、カード残額の減算更新に応じて更新されたカード残額をカード残額表示器8に表示する制御を行なう。このようなカード残額の表示制御を実行するときにおいて、カードユニット制御部340は、カード残額が貸与消費単位額以上のときにはカード残額表示器8に度数を表示させるとともに、度数ランプ52を点灯させる制御を行ない、カード残額が貸与消費単位額未満のときにはカード残額表示器8に端球数を表示させるとともに、端球数ランプ53を点灯させる制御を行ない、カード残額表示器8に端数球数を表示させる表示の切替え制御を行なう。
【0081】
また、遊技カード21への入金が行なわれた場合には、入金額を示す入金情報がリアルタイムでカードユニット制御部340から通信部35および通信部37を介してカード管理装置400およびホール管理コンピュータ800に出力される。また、遊技カード21のカード残額の引落しによる貸出しが行なわれた場合には、貸出し金額を示す消費金額データとしての売上情報(単位額の貸出のときは単位額売上情報、端数額の貸出のときは端数額売上情報)がリアルタイムで、カードユニット制御部340から通信部35および通信部37を介してカード管理装置400およびホール管理コンピュータ800に出力される。
【0082】
このような入金情報および売上情報が出力される場合には、その情報に、カードユニットを識別するユニット識別情報および遊技カードのID情報を示す信号が付加される。これにより、これらの情報が入力されるカード管理装置400およびホール管理コンピュータ800のそれぞれにおいては、入力された情報がどの遊技カードの情報であるかということ、および、どのカードユニット3から出力されたものであるかということを把握できる。
【0083】
このようにカード管理装置400へ出力される情報は、遊技場100内に設けられた複数の中継装置60により中継されてカード管理装置400へ与えられる。中継装置60は、遊技場100内の遊技機設置島200aごとに1つ設けられた情報中継機能を有する装置であり、遊技機設置島内の複数のカードユニット3から出力される各種情報の中継を行なう。各中継装置60に対して複数のカードユニット3が通信可能に接続されている。そして、複数の中継装置60は、カード管理装置400に対して通信可能に接続されており、カード管理装置400に直接的に接続された中継装置60以外は、他の中継装置60を介してデータをカード管理装置400まで送る。
【0084】
また、ホール管理コンピュータ800へ出力される情報は、遊技場100内に設けられた島端末装置50により中継されてホール管理コンピュータ800へ与えられる。島端末装置50は、遊技場100内の遊技機設置島200aごとに1つ設けられ、情報集計機能等の情報処理機能を有する装置であり、各遊技機設置島200a島内の各カードユニット3から出力される情報を受けて、それぞれの信号をホール管理コンピュータ800へ送る。
【0085】
カード管理装置400は、すべての遊技カード21およびすべてのカードユニット3を管理するための各種の処理を実行する管理用のコンピュータを含む管理装置である。カード管理装置400は、遊技場100に1つ設けられており、遊技場100で発行されたすべての遊技カード21、および、遊技場100内に設置されたすべてのカードユニット3を統括的に管理する。その管理内容には、カードユニット3の稼動状況の管理、カードユニット3の売上管理、および、遊技カード21の管理が含まれている。
【0086】
カード管理装置400においては、ハードディスク装置等の外部記憶装置またはRAM等の内部記憶装置等の記憶部において、各遊技カードを管理するためのカード管理データベースが格納されている。カード管理データベースにおいては、たとえば、カードID情報とカード残額情報とを対応付けて記憶しており、各遊技カード21のカード残額が管理できるデータが含まれている。また、カード管理装置400においては、遊技カード21ごと、あるいは、カードユニット3ごとに、入金情報、および、売上情報等の情報を分類集計することにより、遊技場100の経営管理に役立つことができるような集計管理データベースも備えている。
【0087】
遊技場100の外部には、遊技カード21が使用されている複数の遊技場100について遊技カードに関する情報を統括的に管理する第三者機関(遊技場および遊技者以外の第三者により設立された機関)500が設けられている。この第三者機関500においては、複数の遊技場100における遊技カード21を使用した取引において用いられる消費税率等の取引設定情報を設定し、たとえば、消費税率等の各種取引設定情報を各遊技場100に配信することが可能な取引情報管理装置501が設けられている。
【0088】
この取引情報管理装置501は、管理用のコンピュータにより構成され、通信回線を介して各遊技場100のカード管理装置400と通信可能に接続されている。そして、取引情報管理装置501は、たとえば、各カード管理装置400に消費税率設定情報を毎日配信する。各カード管理装置400では、取引情報管理装置501から配信された消費税率設定情報に基づいて、遊技場100内のすべてのカードユニット3で遊技球の貸出しに伴って徴収する消費税の税率である消費税率が適正な消費税率となるように、前述の税込単位額および税込端数球単価を設定する。
【0089】
カード管理装置400で設定された税込単位額および税込端数球単価のそれぞれのデータは、カード管理装置400から遊技場100内のすべてのカードユニット3に送信される。カードユニット3では、カードユニット制御部340に設けられたRAM等の記憶部においてカード管理装置400から送信された税込単位額および税込端数球単価のそれぞれのデータが記憶され、貸出しの際における消費税額の徴収のために用いられる。
【0090】
遊技者がカードユニット3に遊技カード21を挿入した場合、カードユニット3は、まず、カードリーダライタ装置33によりその遊技カード21の記録情報を読出し、その読出した情報に基づいて、中継装置60を介した通信によりカード管理装置400へ認証用データ(カードID情報,カード残額情報,セキュリティ情報)を送る。この認証用データは、挿入されたカードが適正なカードであることを認証するために用いられるデータであり、この認証データに基づいて適正なカードであると認められた場合に、遊技カード21を用いた入金および貸出等の各種処理を行なうことができるようになる。
【0091】
カード管理装置400では、カードユニット3から送られてきた認証用データに含まれる遊技カードID情報に対応して会員管理データベースに記憶されている認証用データ(カードID情報,カード残額情報,セキュリティ情報)を読出し、その読出した認証用データとカードユニット3から送られてきた認証用データとを照合し、データが一致した場合に、その遊技カード21が適正な遊技カードであることを認証してその使用を許容し、使用を許容する旨を示す許容情報をカードユニット3へ返信する。つまり、遊技者は遊技カード21を自由に挿入できるが、そのカードを用いた入金および貸出しはカード管理装置400によりカードの認証がされたことを条件として行なわれるのである。
【0092】
また、前述したように遊技カード21を用いて貸出しおよび入金が行なわれたときには、売上情報および入金情報が、カードID情報とともに、中継装置60を介した通信によりカード管理装置400に与えられる。カード管理装置400では、受信した売上情報および入金情報に基づいて、管理している各遊技カードの残額の情報を更新する処理を行なう。これにより、カード管理装置400では、各遊技カードのカード残額を正確に管理する。
【0093】
また、カードユニット3とカード管理装置400との間がオンライン状態である場合には、前述したようにカードユニット3とカード管理装置400との間で情報の通信をしながら遊技カード21の認証を行なうが、カードユニット3とカード管理装置400との間がオフライン状態である場合には、カードユニット3単体で遊技カード21の認証を行なうようにしてもよい。その場合の認証は、たとえば、カードユニット3のカードユニット制御部340にセキュリティ情報を記憶しておき、そのセキュリティ情報と遊技カード21から読出したセキュリティ情報とが一致した場合に、その遊技カード21が適正なカードであると認証する簡易な認証を行なう。そのようなオフライン状態の場合には、不正行為を防ぐことを目的として、入金の上限値をオンライン状態の場合の上限値よりも低い金額に設定する。
【0094】
また、本実施の形態では、貸与消費単位額分の貸出しを行なうことによりカード残額が税込単位額未満となるときに、貸与消費単位額に対応する個数の貸出しを行なうことに引続いて税込単位額未満の端数額分の貸出しを行なう第1払出モードと、端数額分の貸出については貸与消費単位額分の貸出しとは独立して行なう第2払出モードとのうちから選択された何れかの払出モードで貸出しが行なわれる。カード管理装置400では、係員の選択操作に応じて、これらの払出モードのうちから遊技場内で統一的に用いる払出モードを選択して設定する機能を有する。そして、カード管理装置400は、設定された払出モードを特定する払出モード情報を各カードユニット3に送信する。各カードユニット3では、カード管理装置400から送信されてきた払出モード情報に基づいて払出モードを設定し、その設定された払出モードで貸出しを行なう。
【0095】
精算装置72は、遊技カード21のカード残額の精算を要求する遊技者に対して、そのような精算のための処理を行なうものである。精算装置72は、カード管理装置400と通信可能に接続されており、入力部、表示部、処理部(精算処理を実行可能なマイクロコンピュータ)、現金払出部、および、通信部を含む。カード残額の精算を希望する遊技者は、遊技カード21を精算装置72まで持って行って精算装置72にそのカードを挿入して精算処理を受けることができる。
【0096】
遊技者が精算装置72に遊技カード21を挿入すると、精算装置72は、挿入された遊技カード21の記録情報を読出し、その読出した情報に基づいて、カード管理装置400へ認証用データ(カードID情報,カード残額情報,セキュリティ情報)を送る。そして、カード管理装置400では、精算装置から送られてきた認証用データを遊技カード21に記録された認証用データ(カードID情報,カード残額情報,セキュリティ情報)と、カードユニット3から送られてきた認証用データに含まれる遊技カードID情報に対応してカード管理データベースに記憶されている認証用データ(カードID情報,カード残額情報,セキュリティ情報)とを照合し、データが一致した場合に、その遊技カード21が適正な遊技カードであることを認証してその使用を許容し、使用を許容する旨を示す許容情報を精算装置72へ返信する。つまり、遊技カード21を用いた精算は、カード管理装置400によりカードの認証がされたことを条件として行なわれるのである。
【0097】
精算装置72は、カードの認証がされた場合に、表示部にカード残額を表示し、挿入されている遊技カード21のカード残額の全額に相当する現金を現金払出部から払出す精算処理を行なう。このような精算装置72が設けられていることにより、遊技者の希望に応じて、カード残額を現金として遊技者に払出すことができる。このような精算が行なわれた場合、精算後のカード残額情報が遊技カードID情報とともに精算装置72からカード管理装置400に送られ、これにより、カード管理装置400は、そのように送られてくる情報に基づいてカード管理データベースにおいて該当する遊技カードIDのカード残額を更新する。
【0098】
次に、パチンコ遊技機2およびカードユニット3における遊技球の払出しに関係する回路の構成を説明する。図6は、パチンコ遊技機2およびカードユニット3における遊技球の払出しに関係する回路の構成を示すブロック図である。
【0099】
パチンコ遊技機2において、遊技制御部300は、遊技制御基板(図示省略)に設けられており、その基板に設けられた入出力回路301を介して、遊技球の入賞に応じて払出す賞球の個数を示すデータとしての賞球払出個数データを出力する。賞球払出個数データは、払出制御基板(図示省略)に設けられた払出制御部200に、その基板に設けられた入出力回路201を介して入力される。
【0100】
ここで、パチンコ遊技機2において賞球および貸球を払出すための主な構成について簡単に説明する。パチンコ遊技機2の裏面側には、賞球および貸球を払出すために、遊技球を貯留する球タンク、球タンクに貯留された遊技球を流下させるタンクレール等の球供給経路、球供給経路から供給されてきた遊技球を払出すために駆動される払出モータが備えられた払出装置90(図5参照)、払出装置90からの遊技球を上皿5に誘導する払出経路、上皿5が満杯となって遊技球を貯留できなくなったときに下皿6に遊技球を誘導する払出経路、および、払出装置からの遊技球をパチンコ遊技機2の外部に誘導する球抜きをするための球抜経路等の構造物が設けられている。このような構成のパチンコ遊技機2の裏面側には、遊技球の払出制御に用いられる各種センサおよびモータ等の機器が設けられている。
【0101】
確認センサ68a,68b、計数センサ69a,69b、満タンスイッチ70、球抜きスイッチ71、位置センサ72、タンク球センサ73、および、入賞球センサ82a,82bのそれぞれの検出出力が検出回路78から入出力回路201を介して払出制御部200に入力される。
【0102】
確認センサ68a,68bは、払出装置90に供給される遊技球があることを確認(検出)するための検出手段である。遊技球の供給経路が2条設けられているため、確認センサは、それぞれの供給経路に対応するように2つ設けられている。計数センサ69a,69bは、払出装置90から払出経路に払出された遊技球を計数(検出)するための検出手段である。遊技球の払出経路が2条設けられているため、計数センサは、それぞれの払出経路に対応するように2つ設けられている
また、満タンスイッチ70は、下皿が遊技球で満杯になったことを検出するための検出手段である。球抜きスイッチ71は、遊技場の係員による所定の球抜き操作を検出するための検出手段である。位置センサ72は、払出装置90の払出モータにより駆動される球送り部材の動作位置を光学的に検出するための検出手段である。ここで、球送り部材は、払出モータ75によって回転駆動される回転部材であって、外周面に螺旋状の球送り用の溝が形成されており、半回転するごとに遊技球を1個ずつ払出すように遊技球を送り出す動作を行なう部材である。位置センサ72は、球送り部材の動作状態を認識するために、球送り部材の動作位置を検出する。タンク球センサ73は、球タンク内の遊技球の有無を検出するための検出手段である。
【0103】
払出制御部200は、入出力回路201を介して駆動回路79に払出ランプ74点灯用の制御信号を入力させる。駆動回路79では、入力された制御信号に応じて払出ランプ74を点灯または消灯させるランプ駆動を行なう。また、払出制御部200は、入出力回路201を介して駆動回路80に払出モータ75の制御信号を入力させる。駆動回路80では、入力された制御信号に応じて払出モータ75を駆動する。
【0104】
払出制御部200は、入出力回路201を介して駆動回路81にソレノイド駆動用の制御信号を入力させる。駆動回路81では、入力された制御信号に応じて排出ソレノイド76,77を駆動する。ここで、排出ソレノイド76,77について説明する。入賞球は、パチンコ遊技機2の内部で集合させられ、払出制御のために1個ずつ所定の保持位置に送られて所定の保持部材により保持され、入賞球に対する賞球の払出しが行なわれた後、排出ソレノイド76,77が保持部材による保持を解除する動作をさせることにより、パチンコ遊技機2の外部へ排出される。払出制御部200では、入賞球に対する賞球の払出しが行なわれるごとに、駆動回路81に制御信号を与えて排出ソレノイド76,77を駆動することにより、入賞球を外部へ排出させる制御を行なう。この実施の形態の場合は、入賞球の種別に応じて2箇所に分かれて入賞球が集合させられるとともに賞球払出しのために保持されるので、排出ソレノイドは2つ設けられている。
【0105】
また、2箇所に集合させられた入賞球は、入賞球センサ82a,82bによりそれぞれ検出される。入賞球センサ82a,82bの検出出力は、検出回路78から入出力回路201を介して払出制御部200に入力される。また、入賞球センサ82a,82bの検出出力は、図示を省略するが、遊技制御部300にも入力されている。遊技制御部300では、入賞球センサ82a,82bにより入賞球が検出されたときに、前述の賞球払出個数データを払出制御部200へ送信する。
【0106】
また、カードユニット制御部340は、貸出の制御を実行するために、入出力回路341を介してVL信号(接続信号)、BRDY信号(ユニット動作信号)、BRQ信号(貸出要求・指令信号)、および、BNM信号(払出個数指定信号)を出力する。これら信号は、入出力回路202を介して払出制御部200に入力される。また、払出制御部200は、貸出の制御を実行するために、入出力回路202を介してEXS信号(貸出準備・完了信号)、および、PRDY信号(パチンコ機動作信号)を出力する。これら信号は、入出力回路341を介してカードユニット制御部340に入力される。
【0107】
図7は、カードユニット3とパチンコ遊技機2との動作タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【0108】
まず電源が投入される(パワーオンされる)と、PRDY信号がONとなり、パチンコ遊技機2側で遊技球の払出しが可能な状態であることが示される。PRDY信号がONとなった状態が払出可能信号として認識される。次に、貸出スイッチ80が操作されて貸出操作信号がONになると、貸与消費単位額の整数倍分の貸出(貸与)が行なわれるときには、それに応じてBRDY信号がONになり、カードユニット3が貸出可能な状態となる。その時点から所定の遅延時間a(たとえば20msec)だけ経過した時点で、BNM信号が貸与消費単位額に対応する個数(25個)分のパルス数の所定パルス幅のパルス信号となった後にBRQ信号がONになる。このようなBRQ信号とBNM信号との関係により貸与消費単位額分の貸出しであることが示されるとともに、このようなパルスの個数によって貸与消費単位額分の貸出球数が指定される。このようにBRQ信号がONになることにより、カードユニット制御部340から払出制御部200への貸出要求信号が出力される。つまり、BRQ信号がONになった状態が貸出要求信号として認識される。所定の遅延時間aを設けた理由はBRDY信号がONになったことを払出制御部200側で判定するのに十分な時間を設けてノイズによる誤動作を防止するためである。
【0109】
このBRQ信号がONになった時点から、後述するタイマT1で計測される貸出準備信号確認時間b(b≦T1)が経過したEの時点で、EXS信号がONになり、貸出準備信号が払出制御部200からカードユニット制御部340に出力される。つまり、このようにEXS信号がONになった状態が貸出準備信号として認識される。EXS信号がONになった時点から後述するタイマT9で計測される貸出指令信号確認時間c(c≦T9)が経過した時点で、BRQ信号がOFFになり、貸出指令信号がカードユニット制御部340から払出制御部200へ出力される。つまり、このようにBRQ信号がOFFになった状態が、貸出指令信号として認識される。そして、BRQ信号がOFFになった時点から後述するタイマT3によって計測される貸出完了信号確認時間d(d≦T3)が経過した時点で、EXS信号がOFFになり、貸出完了信号が払出制御部200からカードユニット制御部340に出力される。つまり、このようにEXS信号がOFFになった状態が、貸出完了信号として認識される。
【0110】
さらに、EXS信号がOFFになった時点から後述するタイマT7で計測される次貸出要求信号確認時間e(e≦T7)だけ経過した時点で、BNM信号が次の貸与消費単位額に対応する個数(25個)分のパルス数の所定パルス幅のパルス信号となった後にBRQ信号がONになり、次の貸出要求信号が出力されて、前述と同様に貸出準備信号の出力、貸出指令信号の出力、および、貸出完了信号の出力が繰返される。
【0111】
カードユニット制御部340から払出制御部200に端数球の貸出しが要求されるときには、BRQ信号がONになる前にBNM信号が端数球の払出個数分のパルス数の所定パルス幅のパルス信号となる。このようなBRQ信号とBNM信号との関係により、端数球の貸出しであることが示されるとともに、このようなパルスの個数によって端数球の貸出球数が指定される。このように、貸与消費単位額分の払出個数と端数球の払出し個数とは、ともに、BNM信号のパルス数により指定される。
【0112】
次に、貸出要求信号および払出個数指定信号について具体的に説明する。図8は、貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。図8においては、貸与消費単位額に相当する個数(消費税額は貸出しのために使用されるのではなく、別途徴収されるものであると考えれば、貸与消費単位額に対応する個数である)の貸出しが行なわれるとき、および、税込単位額未満の端数額に相当する個数の貸出しが行なわれるときについて、貸出要求信号と払出個数指定信号との関係が、払出モードごとに示されている。
【0113】
この実施の形態の場合は、前述したように、貸出しの払出モードとして、第1払出モードと第2払出モードとのいずれかで貸出しが行なわれる。図8においては、第1払出モードでの例が(a)に示され、第2払出モードでの例が(b)に示される。
【0114】
図8を参照して、払出個数指定信号では、短周期でBNM信号がON状態とOFF状態とが繰返す態様の比較的小さいパルス幅のパルスPが払出個数分だけ出力されることにより、パルスの数により払出個数が指定される。貸与消費単位額分の貸出しが行なわれるときには、BRQ信号がONとなる貸出要求信号が出力される前にBNM信号において払出個数指定信号のパルスが貸与消費単位額分の払出個数(25個)と同じ数だけ出力されることにより、パルスの数により貸与消費単位額分の払出個数が指定される。一方、端数額分の貸出しが行なわれるときには、BRQ信号がONとなる貸出要求信号が出力される前にBNM信号において払出個数指定信号のパルスが端数額分の払出個数と同じ数だけ出力されることにより、パルスの数により端数額分の払出個数が指定される。このように、BNM信号のパルス数とBRQ信号による貸出要求信号とにより、パルス数で指定された数の遊技球の貸出しが払出制御部20に対して要求される。
【0115】
貸与消費単位額分の貸出しと端数額分の貸出しとの両方の場合において、BNM信号において払出個数指定信号のパルスが出力されるため、払出制御部20では、BRQ信号がONとなる前に出力された払出個数指定信号のパルス数が貸与消費単位額分の個数(25個)を示すものか否かに基づいて、貸与消費単位額分の貸出しの要求であるか、端数額分の貸出しの要求であるかの判別が行なわれる。払出制御部20では、払出個数指定信号のパルスを計数することにより、貸与消費単位額および端数額のそれぞれに対応して払出す遊技球の個数を把握する。
【0116】
(a)に示す第1払出モードでは、貸出スイッチ80の操作に応じて貸与消費単位額分の貸出しを行なうことによりカード残額が税込単位額未満となるときに、最後の貸与消費単位額の貸出のための貸出要求信号が出力された後に、貸出スイッチ80の操作を要さずに、引続いて端数球の個数を指定する払出個数指定信号のパルスが出力された後に貸出要求信号が出力されることにより最後の貸与消費単位額分の遊技球の貸出しに引続いて端数額分の遊技球の貸出しが行なわれる。
【0117】
(b)に示す第2払出モードでは、貸出スイッチ80の操作に応じて貸与消費単位額分の貸出しを行なうことによりカード残額が税込単位額未満となるときであっても、最後の貸与消費単位額の貸出のための貸出要求信号が出力された後は、貸出スイッチ80の操作が新たに行なわれなければ端数球の貸出しが行なわれない。つまり、貸与消費単位額分の貸出しと別に、貸出スイッチ80の操作が新たに行なわれれば、端数球の個数を指定する払出個数指定信号のパルスが出力された後に貸出要求信号が出力される。
【0118】
次に、カード管理装置400で格納されているカード管理データベースにおいて管理されているカードID情報およびカード残額情報に関する管理データを説明する。図9は、カード管理データベースにおいて管理されているカードID情報およびカード残額情報に関する管理データを表形式で示す図である。
【0119】
図9を参照して、各遊技カードについては、カードIDのデータに対応して、カード残額および発行日等のデータが記憶されている。カード残額情報については、前述したように各遊技カードに関する売上情報および入金情報がカード管理装置400に入力されるごとに更新される。これにより、カード管理装置400では、カード管理データベースに記憶されたデータに基づいて、各遊技カードの残額を管理することができる。
【0120】
次に、取引情報管理装置501における管理用のコンピュータにより実行される消費税率を管理するための税率管理処理を説明する。この税率管理処理は、取引情報管理装置501の管理用のコンピュータにおいて各種制御のために実行されるメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。図10は、取引情報管理装置501において実行される税率管理処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0121】
まず、ステップS(以下、単にSという)1により、管理用のコンピュータの記憶部に記憶された適正な消費税率(たとえば、5%)を示す消費税率データが読出される。そして、S2により、S1で読出した消費税率データを、各遊技場100のカード管理装置400へ配信する消費税率データとして設定する処理(たとえば、配信用のデータとして所定の記憶領域へ記憶する処理)が行なわれる。そして、S3に進み、S2により設定された消費税率データを各遊技場100のカード管理装置400へ消費税率設定情報として配信する処理が行なわれた後、リターンする。このような消費税率設定情報の配信は、毎日、各遊技場100の営業開始前の所定時刻に実行される。
【0122】
次に、取引情報管理装置501から配信されてきた消費税率データに基づいて、税込単位額および税込端数球単価を設定するために、カード管理装置400における管理用のコンピュータおよびカードユニット制御部340により実行される処理を説明する。
【0123】
図11は、カード管理装置400およびカードユニット制御部340において税込単位額および税込端数球単価を設定するために実行される処理の処理内容を示すフローチャートである。図11においては、カード管理装置400により実行される税込貸出額管理処理が(a)に示され、カードユニット制御部340により実行される税込貸出額設定処理が(b)に示される。
【0124】
(a)の税込貸出額管理処理は、カード管理装置400の管理用のコンピュータにおいて各種制御のために実行されるメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。
【0125】
まず、S11により、取引情報管理装置501から配信された消費税率設定情報を受信したか否かが判断される。S11により受信していないと判断された場合は、この税込貸出額管理処理が終了し、リターンする。一方、S11により受信したと判断された場合は、S12により、遊技場において設定されている貸与消費単位額(たとえば、100円)を示す単位額設定データがカード管理装置400の記憶部から読出される。そして、S13により、受信した消費税率設定情報が示す消費税率データと、S12で読出された単位額設定データとに基づいて、貸与消費単位額と該貸与消費単位額に対応する消費税額とを合算した第1の合算値である税込単位額(たとえば、105円)を算出する演算(100円+100円×0.05=105円)が行なわれる。
【0126】
次に、S14により、S13で算出された税込単位額を遊技場100内の各カード3での貸出しに用いる額のデータとして設定する処理が行なわれる。そして、S15により、S14で設定された税込単位額を示す情報を各カードユニット3へ送信するための処理が行なわれる。
【0127】
次に、S16により、遊技場において設定されている端数球単価(遊技球1個あたりの単価であり、たとえば、4円)を示す端数球単価設定データがカード管理装置400の記憶部から読出される。そして、S17により、受信した消費税率設定情報が示す消費税率データと、S16で読出された端数球単価設定データとに基づいて、遊技媒体1個あたりの貸与消費額である遊技媒体単価(端数球単価)と該遊技媒体単価に対応する消費税額とを合算した第2の合算値である税込端数球単価(たとえば、4.2円)を算出する演算(4円+4円×0.05=4.2円)が行なわれる。
【0128】
次に、S18により、S17で算出された税込端数球単価を遊技場100内の各カード3での貸出しに用いる額のデータとして設定する処理が行なわれる。そして、S19により、S18で設定された税込端数球単価を示す情報を各カードユニット3へ送信するための処理が行なわれる。S18の後、この税込貸出額管理処理が終了し、リターンする。
【0129】
(b)の税込貸出額設定処理は、カードユニット制御部340において各種制御のために実行されるメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。
【0130】
まず、S21により、カード管理装置400から送信された税込単位額を示す情報を受信したか否かが判断される。S21により受信したと判断された場合は、S22により、受信した税込単位額を、記憶部に記憶するとともに、貸出時におけるカード残額の演算に用いるデータ(第1のデータ)として設定する処理が行なわれた後、S23に進む。一方、S21により受信していないと判断された場合は、そのままS23に進む。
【0131】
S23では、カード管理装置400から送信された税込端数球単価を示す情報を受信したか否かが判断される。S23により受信したと判断された場合は、S24により、受信した税込端数球単価を、記憶部に記憶するとともに、貸出時におけるカード残額の演算に用いるデータ(第2のデータ)として設定する処理が行なわれる。一方、S23により受信していないと判断された場合、および、S24の処理後は、この税込貸出額設定処理が終了し、リターンする。
【0132】
このように設定された税込単位額および税込端数球単価は、後述するカード処理制御において遊技球の貸出しのために用いられる。
【0133】
次に、カードユニット制御部340において遊技カード21の残額に基づいて遊技球の貸出しを行なうために実行されるカード処理制御を説明する。このカード処理制御は、カードユニット制御部340において各種制御のために実行されるメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。図12〜図14は、カード処理制御の処理内容を示すフローチャートである。以下に示すカード処理制御においては、各種の判定および演出で、図11のS14により設定された税込単位額のデータおよび図11のS18により設定された税込端数球単価のデータが用いられる。
【0134】
まず、S31により、図3で示した金額設定ボタン14により設定された設定貸出額のデータの読出しが行なわれる。次に、S32に進み使用可表示器92(図3参照)を点灯させて使用可能である旨の表示を行なう。次にS33に進み、カードリーダライタ(図中R/Wで省略)装置33の制御部から前述のカード受付信号の入力があったか否かの判断が行なわれる。S33で入力がないと判断された場合にはS76に進み、カードリーダライタ装置33の制御部から前述のカード異常信号の入力があったか否かの判断がなされる。S76で、入力がなかったと判断された場合は、再びS33に戻る。このループの巡回途中で、適正な遊技カード21が受付けられてカード受付信号が入力されれば、カード受付信号の入力があった旨の判定が行なわれて、S34に進む。
【0135】
一方、S76でカード異常信号の入力があったと判断されれば、S35に進み、カード異常原因をカード残額表示器8にエラーコードで表示する制御が行なわれる。具体的には、挿入されたカードの読取不能、セキュリティエラー等の異常原因の種類を示すエラーコードがカード残額表示器8により表示される。そして、S36に進み、使用可表示器92を点滅させる。
【0136】
また、S34に進んだ場合は、遊技カード21から読出したカードID情報、カード残額情報、および、セキュリティ情報をカード管理装置400に送信して前述のようなカード情報の照合(データが一致するかどうかの確認)をするための処理が行なわれる。そして、S35により、カード管理装置400から返信されてきた照合結果の情報が前述の許容情報であるか否かが判断される。S35により遊技カード21の使用が許容されないと判断された場合は、S37により、挿入されている遊技カード21を排出して遊技者に返却する処理が行なわれる。一方、S35により遊技カード21の使用が許容されたと判断された場合は、S36により、カード挿入表示器20および貸出可表示器96を点灯させ、カード残額表示器8により現時点でのカードの残額の表示をさせるための処理が行なわれる。
【0137】
次にS38に進み、貸出スイッチ80による貸出操作があったか否かの判断が行なわれる。S38により貸出操作がないと判断された場合は、S39に進み、返却スイッチ81による返却操作があったか否かの判断が行なわれる。S39により返却操作がないと判断された場合は、S38に戻る。S39により返却操作があったと判断された場合は、S40により貸出可表示器96を消灯した後、S75に進み、遊技カード21の返却のための制御が行なわれる。具体的に、S75では、カードリーダライタ装置33の制御部に残額書込信号、および、カード排出指令信号を出力する処理がなされる。ここで、残額書込信号は、現在残額を特定して遊技カード21への書込みを指示する信号である。カード排出指令信号は、遊技カード21を返却するための排出を指示する信号である。これにより、カードリーダライタ装置33の制御部は、挿入されている遊技カード21を遊技者側に返却する制御を行なう。
【0138】
一方、S38により貸出操作があったと判断された場合は、S41に進み、遊技カード21の現在残額、すなわちカード残額表示器8に表示されている残額が金額設定ボタン14によって設定された設定貸出額に消費税が課税された税込設定額以上であるか否かの判断が行なわれる。
【0139】
S41により現在残額が税込設定額以上であると判断された場合は、S42により、現在設定されている払出モードが第1払出モードであるか否かが判断される。S42により第1払出モードであると判断された場合は、S43により、現在残額から税込設定額を減算した結果が税込単位額未満であるか否かが判断される。つまり、S43では、一連の貸出後の残額が端数額になるか否かが判断される。
【0140】
S43により税込単位額未満ではない(税込単位額以上である)と判断された場合は、S44により、今回の貸出額のデータとして現在の税込設定額をセットする処理が行なわれる。S44の後は、後述するS54に進む。一方、S43により税込単位額未満であると判断された場合は、S45により、その税込単位額未満の残額を税込端数球単価で除算することにより、貸出可能な端数球の個数を算出(特定)する処理が行なわれる。本実施の形態においては、遊技カード21に税込端数球単価未満の残額が残っている状態で入金が可能であることから、残額を税込端数球単価で除算した商の整数部分を端数球の個数として特定する。なお、入金ができないようなシステムの場合には、前記商の少数部分について切上げて端数球の個数を特定したり、切捨てて端数球の個数を特定するようにして遊技カード21に残額が残らないようにしてもよい(たとえば、残額が25円の場合、25÷4.2=5.9・・・を6玉あるいは5玉と特定)。そして、S46により、今回の貸出額のデータとして、現在の税込設定額に、S45で算出した個数の端数球の払出しに必要となる税込端数額を加算した額をセットする処理が行なわれる。具体的に、S46における税込端数額は、S45で算出した端数球の個数に税込端数球単価を乗算することにより算出する。
【0141】
また、前述のS42により第1払出モードではないと判断された場合、すなわち、第2払出モードである場合は、S44により、今回の貸出額のデータとして現在の税込設定額をセットする処理が行なわれた後、後述するS54に進む。つまり、第1払出モードでは、端数額分の貸出しについては最後の単位額分の貸出しに引続いて行なう必要がある。しかし、第2払出モードでは、端数額分の貸出しが必要なときに行なわれるので、端数球の個数の算出は行なわれない。
【0142】
また、前述のS41により現在残額が税込設定額以上ではない(税込設定額未満)と判断された場合は、図13のS47に進む。このように現在残額が税込設定額に満たない場合は、その税込設定額を貸出額にセットしてその税込設定額分の遊技球を払出すわけにはいかないので、以下に示すように、現在残額によって払出が可能な上限額を払出モードに応じて貸出額にセットする処理がなされる。S47では、現在設定されている払出モードが第1払出モードであるか否かが判断される。S47により第1払出モードであると判断された場合は、S48により、現在残額のすべてを貸出しに使用したときに払出さなければならない端数球の個数が算出される。具体的に、S48では、現在残額を税込単位額で除算して余りを求めることにより、現在残額のすべてを貸出しに使用したときに生じる税込単位額未満の端数額(演算結果の余りの額)を算出し、さらに、当該端数額を税込端数球単価で除算することにより、端数球の個数(演算結果の商の額)が算出される。
【0143】
S48の後、S49により、今回の貸出額のデータとして、現在残額のすべてを貸出しに使用したときに払出し可能な貸与消費単位額分の払出しに要する税込額に、S48により算出された端数球の個数の払出しに必要となる税込端数額を加算した額をセットする処理が行なわれる。この場合の払出し可能な貸与消費単位額分の払出しに要する税込額は、税込単位額に、現在残額で税込単位額の払出しができる回数を乗算することにより算出される。また、この場合の税込端数額は、S48により算出された端数球の個数に税込端数球単価を乗算することにより算出される。S49の後は、S54に進む。
【0144】
また、前述のS47により第1払出モードではないと判断された場合、すなわち第2払出モードの場合は、S50に進み、現在残額が税込単位額以上であるか否かが判断される。S50により税込単位額以上であると判断された場合は、S51により、今回の貸出額のデータとして、現在残額のすべてを貸出しに使用したときに払出し可能な貸与消費額分の払出しに要する税込額をセットする処理が行なわれる。この場合の払出し可能な貸与消費単位額分の払出しに要する税込額は、税込単位額に、現在残額で税込単位額の払出しができる回数を乗算することにより算出される。S51の後は、S54に進む。
【0145】
一方、S50により税込単位額以上ではないと判断された場合、すなわち、税込単位額未満の場合は、S52により、現在残額を税込端数球単価で除算することにより、貸出可能な端数球の個数を算出する処理が行なわれる。そして、S53により、今回の貸出額のデータとして、S52で算出した個数の端数球の払出しに必要となる税込端数額をセットする処理が行なわれる。具体的に、S53における税込端数額は、S52で算出した端数球の個数に税込端数球単価を乗算することにより算出する。S53の後は、S54に進む。
【0146】
図12に示されるS54では、貸出可表示器96を消灯する処理がなされる。一旦貸出操作がなされてそれに基づく貸出動作が完了するまでは次の貸出操作を受付けないようにしているために、後述するS81により貸出可表示器96が点灯される処理が行なわれるまでは貸出可表示器96を消灯して貸出操作ができない旨を表示するのである。
【0147】
次にS55により、貸出額が税込単位額以上であるか否かが判断される。S55により税込単位額以上であると判断された場合は、S56aにより、貸与消費単位額分の貸出個数に対応する数(25個)のパルスを出力する払出個数指定信号が出力された後、S57に進み、貸出要求信号が出力され、S58に進む。つまり、貸与消費単位額の払出しの場合は、貸与消費単位額分の貸出個数に対応する数の払出個数指定信号のパルスが出力された後に、貸出要求信号が出力されることとなる。一方、S55により税込単位額以上ではないと判断された場合は、S56bによりS45、S48、または、S52により算出された端数球の個数に対応する数のパルスを出力する払出個数指定信号が出力された後、S57に進み、貸出要求信号が出力されることとなる。
【0148】
S57の後、S58により、タイマT1がセットされる。そして、S59に進み、払出制御部200から貸出準備信号が入力されたか否かの判断がなされる。S59により貸出準備信号が入力されていないと判断された場合は、S60により、タイマT1が終了したか否かが判断される。S60により、タイマT1が終了していないと判断された場合は、S58に戻る。このような貸出準備信号が入力されたか否かの判断は、S60でタイマT1が終了したと判断されるまでS58に戻る処理が行なわれることにより、タイマT1が終了するまで繰返し行なわれる。
【0149】
払出制御部200では、S56aまたはS56bによる払出個数指定信号およびS57による貸出要求信号を受けて、貸出が可能な状態であれば貸出しのための準備制御を行なった後にS112(図15)によりカードユニット制御部340に貸出準備信号を出力する処理がなされる。S58によりセットされたタイマT1が終了する以前に払出制御部200から貸出準備信号が入力されれば、S59から後述するS62に進む。一方、タイマT1が終了するまでに貸出準備信号が入力されなかった場合には、S60からS61に進み、貸出要求信号の出力を停止し、貸出額をクリアする処理がなされてS38に進む。
【0150】
パチンコ遊技機2が既に貸球の払出しを行なっている場合、または、入賞に伴う賞球の払出しを行なっている場合には、後述するS125,S126,S110〜S112の処理が行なわれないために、T1が終了するまで払出制御部200から貸出準備信号の出力がなされないのであって、その場合にはS61による処理が行なわれないのである。なお、このT1は、たとえば10msec以上で10sec以下程度の時間である。
【0151】
また、タイマT1が終了する以前に払出制御部200から貸出準備信号が入力されてS59からS62に進んだ場合は、図13を参照して、貸出指令信号が払出制御部200に出力される。その後、後述するように、払出制御部200からの貸出完了信号が待たれる。
【0152】
次に、S63により、今回の貸出しについて、貸与消費単位額分の払出個数指定信号(25個のパルス)が出力されたか否かが判断される。つまり、S63では、今回の貸出しが、単位額の貸出しと端数額の貸出しとのうちのどちらであるかが判断される。S63により貸与消費単位額分の払出個数指定信号が出力されたと判断された場合は、貸与消費単位額の貸出しの場合であり、S64に進み、現在残額から税込単位額を減算するとともに、貸出額から税込単位額単位額を減算する処理がなされる。つまり、S56a,S62により貸与消費単位額分の払出個数指定信号を出力した後に貸出指令信号を出力した場合には、後述するようにパチンコ遊技機2側の払出制御部200で貸与消費単位額(たとえば100円)に相当する遊技球(25個)が貸出されるのであり、その貸出される遊技球に相当する金額である貸与消費単位額に消費税額を加えた税込単位額を、現在残額から減算するとともにS44,S46,S49,S51でセットされた貸出額から減算するのである。一方、S56b,S62により端数額分の払出個数指定信号を出力した後に貸出指令信号を出力していれば、その払出個数指定信号のパルス数で特定された個数、すなわち、S45、S48またはS52で特定された個数の遊技球がパチンコ遊技機2から貸出される。このように、払出個数指定信号を出力した後に貸出指令信号を出力することにより、払出個数指定信号により指定した個数の遊技球がパチンコ遊技機2から貸出される。
【0153】
次にS65に進み、カード管理装置400に、税込単位額分の売上があったことを示す単位額売上情報を出力する処理がなされる。この単位額売上情報では、売上があった遊技カード21を特定するカードID情報、および、遊技カー21ドが使用されたカードユニット3のユニット識別情報も示される。カード管理装置400では、このように出力された単位額売上情報を受信し、税込単位額に基づいて、対応する遊技カード21の残額の更新および売上データの集計等の処理が行なわれる。次に、S66によりホール管理コンピュータ800に単位額売上情報を出力する処理がなされ、その後、後述するS70へ進む。ホール管理コンピュータ800では、このように出力された単位額売上情報を受信し、売上データの集計等の処理の管理が行なわれる。
【0154】
一方、前述のS63により貸与消費単位額分の払出個数指定信号が出力されていないと判断された場合は、端数額の貸出しの場合であり、S67に進み、現在残額から払出個数指定信号のパルス数により示した端数球の個数に対応する税込端数額を減算するとともに、貸出額から当該税込端数額を減算する処理がなされる。次にS68に進み、カード管理装置400に、税込端数額分の売上があったことを示す端数額売上情報を出力する処理がなされる。この端数額売上情報においては、払出個数指定信号により示した端数球の個数に対応する税込端数額が示され、さらに、前述のカードID情報、および、前述のユニット識別情報も示される。
【0155】
カード管理装置400では、このように出力された端数額売上情報を受信し、端数額売上情報により示される税込端数額に基づいて、対応する遊技カード21の残額の更新および売上データの集計等の処理が行なわれる。次に、S69によりホール管理コンピュータ800に端数額売上情報を出力する処理がなされ、その後、後述するS70へ進む。ホール管理コンピュータ800では、このように出力された端数額売上情報を受信し、売上データの集計等の処理の管理が行なわれる。
【0156】
図14を参照して、S70へ進んだ場合は、タイマT3がセットされる。このタイマT3は、払出制御部200側での貸球の払出しに要する時間等を考慮してたとえば10sec程度に設定されている。そして、S71により、払出制御部200から貸出完了信号の入力を受けたか否かが判断される。S71により貸出完了信号の入力を受けていないと判断された場合は、S72によりタイマT3が終了したかが判断される。S72では、タイマT3が終了したと判断されるまでS71に戻る。
【0157】
タイマT3が終了する以前において払出制御部200から貸出完了信号の入力があった場合にはS71から後述するS79に進む。一方、タイマT3が終了するまでに貸出完了信号の入力がなかった場合にはS72からS73に進み、使用可表示器92が消灯されてS74に進む。そして、S74以降の遊技カード21の返却制御が行なわれる。つまり、払出制御部200から貸出準備信号の入力があり払出制御部200により貸出制御が行なわれているはずであるにもかかわらず、T3が終了しても貸出完了信号が払出制御部200から送信されてこないということは、パチンコ遊技機2側の球払出装置等に何らかの異常が発生したことが考えられるのであり、その場合には挿入されている遊技カード21を遊技者に返却するのである。
【0158】
S71からS79に進んだ場合は、貸出額=0であるか否かの判断がなされる。前述したようにセットされた貸出額に相当する遊技球のうち、まだ払出されていない未払出分が残っている場合には貸出額は「0」となっていないためにS79から前述のS55に進み、前述のようなS55〜S57の処理が再度行なわれる。一方、貸出額分の遊技球がすべて払出されている場合には、貸出額=0となっているためにS79からS80に進み、現在残額が税込端数球単価未満であるか否かの判断が行なわれる。
【0159】
そして、挿入カードの現在残額がまだ税込端数球単価以上残っており、S80により現在残額が税込端数球単価未満ではないと判断された場合は、S81に進み、貸出可表示器96が点灯される。そして、前述のS38に進み、再度、貸出操作および返却操作が待たれる。一方、S80により税込端数球単価未満であると判断された場合には、S82に進み、カードリーダライタ装置33の制御部に前述の残額書込信号およびカード排出指令信号を出力する処理がなされる。これにより、カードリーダライタ装置33の制御部は、挿入されている遊技カードを遊技者側に返却する制御を行なう。
【0160】
次にS83により、カード挿入表示器20が点滅させられる。そして、S84により、タイマT4がセットされる。このタイマT4は、カードリーダライタ装置33が遊技カード21を返却(排出)するのに十分な時間を考慮して設定されているものである。そして、S85により、カードリーダライタ装置33の制御部からカード処理完了信号を受けたか否かが判断される。S85によりカード処理完了信号を受けていないと判断された場合は、S86によりタイマT4が終了したかが判断される。S86では、タイマT4が終了したと判断されるまでS85に戻る。このタイマT4が終了する以前にカード処理完了信号を受信しなかった場合には、S86からS87に進み、カード処理機異常をカード残額表示器8によりコードで表示する処理が行なわれるとともに使用可表示器92が点滅制御される。具体的には、たとえば挿入カードへの残額の書込不能や書込んだデータの読取確認をした場合のエラー等をコードにより表示する。
【0161】
一方、タイマT4の終了する以前においてカード処理完了信号を受信した場合には、S85からS88に進み、カード挿入表示器20が消灯される。そして、S89により、所定の貸出異常があったか否かの判断が行なわれる。S89により貸出異常がなかったと判断された場合は、前述のS33に進み、新たな遊技カード21の受付待ち状態となる。一方、S89により貸出異常があったと判断された場合は、S90に進み、払出制御部200から払出可能信号の入力が待たれる。S90により払出可能信号が入力されたと判断された場合は、前述のS2に進む。ここで、本実施の形態においては、遊技球を貸与してカード残額を減算する処理である貸与処理後にカード残額が税込端数球単価未満となったときには、一旦遊技カード21を返却することとしているが、カード残額が税込端数球単価未満の遊技カード21が新たに挿入された場合には、後述する入金処理を行なう必要があるため、当該遊技カード21を返却することなく内部に保持することとされている。なお、貸与処理後にカード残額が税込端数球単価未満となったときにも、遊技カード21を返却せずに続けて入金処理を可能としてもよい。
【0162】
以上に説明したように、パチンコ遊技機2で税込単位額(たとえば105円)に相当する遊技球(たとえば25個)または税込端数額に相当する遊技球が貸出されるごとに払出制御部200からカードユニット制御部340に貸出完了信号が出力される。そして、カードユニット制御部340では、その貸出完了信号が入力されるたびに貸出額分の遊技球がすべて貸出されたか否かの判断を行ない、未だに貸出されていない未貸出分がある場合にはその未貸出分をすべて貸出すまで税込単位額または税込端数額の貸出が繰返し行なわれる。
【0163】
このように、S41やS50において残額(減算後のカード残額)が第1の合算値としての税込単位額以上であると判定されたとき(実際にはS41においては、残額が税込設定額以上か否かが判定されているが、税込設定額以上であれば当然に税込単位額以上であるから、S41において税込設定額以上と判定されれば、税込単位額以上と判定されることとなる)には、貸与消費単位額に対応する個数(25個)を指定する払出個数指定信号をS56aにおいて出力し、S62において貸出指令信号を出力するという処理を1回もしくは複数回行なうことにより、予め定められた個数〔{貸与消費単位額に対応する個数(25個)×前記出力処理の回数(1回もしくは複数回)}で得られる個数〕の遊技球を遊技機から貸与(払出)させ、S64におけるカード残額の減算を前記出力処理と同回数行なうことにより、カード残額を{(税込単位額)×(前記出力処理の繰返し回数)}だけ減算する{つまり、第1のデータ(税込単位額)に基づいて減算する})第1の貸与処理が行なわれる。つまり、本実施形態においては、S56aで貸与消費単位額に対応する個数を指定する払出個数指定信号を出力し、S62において貸出指令信号を出力することが、貸与消費単位額(100円)に対応する遊技媒体の個数(25個)に基づく遊技媒体の貸与を指示する第1の信号を貸与指示信号として送信する処理に対応する。
【0164】
ここで、第1の信号を送信する処理は、{(税込設定額)÷(税込単位額)}回(S44,S46で税込設定額がセットされた場合)または、{S49,S51でセットされた税込額(カード残額のうちの税込単位額の整数倍部分)÷(税込単位額)}回行なわれる。したがって、税込設定額やS49,S51でセットされた税込額が税込単位額に等しければ、第1の信号を送信する処理は1回となり、税込設定額やS49,S51でセットされた税込額が税込単位額の2倍以上なら第1の信号を送信する処理は複数回となる。
【0165】
また、S43やS50において残額(減算後のカード残額)が第1の合算値としての税込単位額未満であると判定されたときには、S45やS52で特定された端数球の個数を指定する払出個数指定信号をS56bにおいて出力し、S62において貸与指令信号を出力することにより、当該特定された個数の遊技球を遊技機から貸与(払出)させ、S67においてカード残額から{(税込端数球単価)×(前記特定された個数)}を減算する(つまり、第2のデータ(税込端数球単価)に基づいて減算する)第2の貸与処理が行なわれる。つまり、本実施形態においては、S56bで端数球の個数を指定する払出個数指定信号を出力し、S62において貸出指令信号を出力することが、S45やS52(個数特定手段)により特定された遊技媒体の個数を示す第2の信号を貸与指示信号として送信する処理に対応する。
【0166】
さらに、第1の払出モードが設定されているときには、端数球が生じる場合に、S46またはS49により、払出し可能な貸与消費単位額に加えて、税込端数額が貸出額としてセットされるので、貸出額が税込単位額未満となるまで、S56aで貸与消費単位額に対応する個数を指定する払出個数指定信号を出力し、S62において貸出指令信号を出力する処理が、1回または複数回繰返されることによって、前述の第1の信号を貸与指示信号として1回もしくは複数回繰返し送信することにより予め定められた個数の遊技媒体が遊技機から貸与される。そして、このような貸与に応じて前述の第1のデータに基づいた減算をする第1の貸与処理を行なうことにより残額が第1の合算値としての税込単位額未満となるときに、端数球の個数を指定する払出個数指定信号がS56bにより出力され、S62において貸出指令信号を出力する処理が行なわれことによって、当該第1の貸与処理(第1の信号の送信)に引続いて、第2の信号が貸与指示信号として送信されることにより前述のように特定された個数の遊技球を遊技機から貸与させるとともに、前述の第2のデータに基づいた減算をする第2の貸与処理が行なわれる。
【0167】
次に、払出制御部200において遊技球を払出す制御のために行なわれる球払出制御の処理を説明する。この球払出制御は、払出制御部200において各種制御のために実行されるメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。図15〜図18は、球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【0168】
図15を参照して、まずS101により、確認センサA,Bともに球ありの検出をしている(両センサの検出位置の両方に遊技球が存在する場合)か否かの判断が行なわれる。S101により両センサともに球がある場合以外であると判断された場合は、S118に進む。S118では、計数センサA(69a),B(68b)のいずれかが遊技球の流下を検出したか否かの判断が行なわれる。S118により検出していないと判断された場合は、S121に進み、確認センサA(68a),B(68b)のいずれかが球の流下を検出したか否かの判断が行なわれる。S118により検出していないと判断された場合は、S122に進み、払出モータ75が回転中であるか否かの判断が行なわれる。S122により回転中でないと判断された場合は、S101に戻る。
【0169】
このS101,S118,S121,S122からなるループの巡回途中で、S122により払出モータ75が回転中であると判断された場合は、S122に進んで払出異常がエラー原因表示器(図示省略)によりコードで表示されるとともに、S124により球抜処理が行なわれた後、図18のS165に進む。S122による払出モータ75が回転中であるか否かの判断は、具体的には、位置センサ72が前述の球送り部材の回転を検出したことに基づいて行なわれる。
【0170】
このS122により回転中であると判断されるということは、遊技球の払出制御が行なわれていないにもかかわらず払出モータ75が回転した場合であり、このような異常は、払出モータ75の駆動回路80が故障していることが考えられる。そのような場合には、駆動回路80の故障を報知するとともに、球抜き処理を行なって、前述の球タンクおよびタンクレール内の遊技球を機外に抜取ることにより、大量の遊技球が誤って上皿5に払出されることを防止するのである。
【0171】
次に、前述のループの巡回途中で計数センサA,Bまたは確認センサA,Bのいずれかが球の流下を検出した場合には、S118またはS121からS119に進む。S119では、遊技球の払出制御が行なわれていないにもかかわらず遊技球が払出された旨の異常報知が前述のエラー原因表示器によりコードで表示される。そして、S120により、球抜き処理が行なわれた後、図18のS165に進む。
【0172】
また、前述のS101により両センサともに球があると判断された場合は、S102に進み、満タンスイッチ70による満タン検出がされたか否かの判断が行なわれる。S102により満タン検出がされたと判断された場合は、前述のS118に進むが、S102により満タン検出がされていないと判断された場合は、S103に進み、未払出数=0であるか否かの判断が行なわれる。この「未払出数」は、払出すべき遊技球のうちいまだに払出しが行なわれていない遊技球の数を意味し、S110,S111,S126でセットされ、後述するS142により払出カウンタのカウント値だけ減算され、S117によりクリアされるデータである。
【0173】
そして、S103により未払出数が「0」であると判断された場合は、S104に進み、球抜きスイッチ71がON状態(球抜き操作がされた状態)であるか否かが判断される。S104によりON状態であると判断された場合は、S105に進み、前述した球抜きを行なう球抜き処理が行なわれた後、S165に進む。一方、S104によりON状態でないと判断された場合は、S104aに進み、カードユニット制御部340からの払出個数指定信号のパルスの入力があったか否かの判断が行なわれる。
【0174】
S104aによりパルスの入力があったと判断された場合は、S104bに進み、その入力された(受信された)パルス数の計数が行なわれ、S106に進む。一方、S104aによりパルスの入力がなかったと判断された場合は、そのままS106に進む。S106では、カードユニット制御部340からの前述の貸出要求信号があったか否かの判断が行なわれる。具体的に、S106では、BRQ信号がON状態となったときに貸出要求信号であると判断する。
【0175】
S106により貸出要求信号が入力されていないと判断された場合は、S108により、タイマT7が終了したか否かが判断される。このタイマT7は、一定期間に限り入賞球の払出し要求の受付よりも貸出要求の受付の方を優先させるために設けられたものであり、後述のS150によりセットされる。このタイマT7は、図8に示されるような払出個数指定信号のパルスについて、貸出しの払出個数が取りうる最大個数(貸与消費単位額分の25個)分のパルス数の出力に要する時間および貸球要求信号を受信する受信待ちの時間を考慮して、そのような最大個数分のパルス数の出力合計時間および貸球要求信号受信待ち時間の合算値よりも長い所定時間に設定されている。S108により、タイマT7が終了していないと判断された場合は、S104aに戻る。これにより、S104aによるパルスの入力判断およびS104bによる払出個数指定信号のパルス数の計数は、貸出要求信号が入力されるまで、または、S108でタイマT7が終了したと判断されるまで繰返し行なわれる。そして、貸出要求信号が入力されたか否かの判断は、S108でタイマT7が終了したと判断されるまで繰返し行なわれる。
【0176】
タイマT7が終了するまでの間に貸出要求信号が入力されなかった場合には、図16のS125に進む。一方、タイマT7が終了する以前において、貸出要求信号が入力された場合には、S107に進み、タンク球センサ73が球を検出しているか否かの判断が行なわれる。
【0177】
S107によりタンク球センサ73が検出していないと判断された場合は、球貯留タンク151内に遊技球がない場合であり、貸出要求信号に基づいて球の払出制御ができないために、前述のS108に進む。一方、S107によりタンク球センサ73が検出していると判断された場合は、S109aに進み、未払出数Iおよび今回払出数Jのそれぞれのデータに、受信した払出個数指定信号により示された貸出個数(貸与消費単位額分の25個または端数球の個数)、すなわち、S104bで計数された払出個数指定信号の受信パルス数が貸出個数のデータとしてセットされる。ここで、今回払出数Jとは、後述するS148により出力される売上情報で示す貸出個数を特定できるようにするために用いられるデータである。カードユニット制御部340から要求されている貸出しが、貸与消費単位額分の貸出しと端数額分の貸出しとのどちらであるのかについて、払出制御部200では、払出個数指定信号のパルス数、すなわち、今回払出数Jに基づいて判断する。さらに、S109aにおいては、払出状態を示すデータが「貸出」にセットされる。つまり、第2実施形態の場合は、貸与消費単位額分の貸出しのときと端数額分の貸出しのときとの両方の場合において、払出す遊技球の個数が払出個数指定信号のパルスの数により示されるため、受信パルス数に応じて払出個数をセットするのである。S109aの後、S112に進む。
【0178】
S112では、カードユニット制御部340に前述の貸出準備信号を出力する処理が行なわれる。そして、S113に進み、タイマT9がセットされる。次に、S114により、カードユニット制御部340からの貸出指令信号の入力があるか否かの判断がなされる。S114により入力がないと判断された場合は、S115により、タイマT9が終了したか否かが判断される。S115により、タイマT9が終了していないと判断された場合は、S114に戻る。このような貸出指令信号が入力されたか否かの判断は、S116でタイマT9が終了したと判断されるまでS114に戻る処理が行なわれることにより、タイマT9が終了するまで繰返し行なわれる。タイマT9が終了するまでの間にS114により貸出指令信号が入力されたと判断された場合は、S115に進み、前述の貸出中表示器の点滅を開始する制御が行なわれた後、図17のS128に進む。一方、S116でタイマT9が終了したと判断された場合は、S117により未払出数Iがクリアされた後にS101に戻る。
【0179】
次に、図16を参照して、S125では、遊技制御部300からの賞球払出個数データが入力されたか否かの判断が行なわれる。S125により賞球払出個数データが入力されていないと判断された場合は、S101に進む。一方、S125により賞球払出個数データが入力されたと判断された場合は、S126により、未払出数Iにその入力された賞球払出個数をセットする処理が行なわれる。そして、S127に進み、払出ランプ74が点灯開始される。その後、図17のS128に移行する。
【0180】
次に、図17を参照して、S128では、払出モータ75の回転制御が行なわれる。そして、S129に進み、位置センサ72(図4参照)が球送り部材の半回転を検出したか否かが判断される。S129により半回転が検出されていないと判断された場合は、また遊技球が払出されていないので、S101に進む。一方、S129により半回転が検出されたと判断された場合は、遊技球が払出されたので、S130に進み、回転カウンタが「1」だけ加算更新される。回転カウンタは、球送り部材が半回転するたびに「1」ずつ加算更新されるものであり、後述するS140によりクリアされる。
【0181】
次にS131に進み、計数センサ69a(A),69b(B)がONになったか否かの判断がなされる。S131によりONになっていないと判断された場合は、後述するS138に進む。一方、S131によりONになっていると判断された場合は、S132に進み、払出カウンタが「1」だけ加算更新される。次にS133により、払出状態が「貸出」であるか否かの判断が行なわれる。S133により「貸出」であると判断された場合は、後述するS138に進む。一方、S133により「貸出」ではないと判断された場合、すなわち、入賞球に基づいた賞球の払出状態である場合にはS134に進み、賞球払出数が「1」だけ加算更新される。すなわち、賞球が1個払出されるごとにS134により賞球払出数が「1」ずつ加算されるのである。
【0182】
次に、S135により、賞球払出数が「a」になったか否かの判断が行なわれる。S135によりなっていないと判断された場合は、後述するS138に進む一方、S135によりなったと判断された場合は、S136に進み、ホール管理コンピュータ800に賞球払出信号が出力される。ホール管理コンピュータ800では、この賞球払出信号に基づいて、遊技場にとって不利益となる不利益球数を検出する。このように、所定個数の賞球が払出される毎に賞球払出信号が1パルスだけホール用管理コンピュータに出力されるのであり、この1パルスの賞球払出信号が出力されるのに要する賞球の払出個数が「a」であり、たとえば10個に設定されている。そして、賞球払出信号が出力された後、S117により、賞球払出数がクリアされてS138に進む。
【0183】
S138では、前述の回転カウンタの値が未払出数Iに達しているか否かの判断が行なわれる。S138により未だに達していないと判断された場合には、S101に戻る。この回転カウンタは、前述したように、球送り部材が半回転して遊技球が1個払出口側に払出されるごとに「1」ずつ加算更新されるものであるために、この回転カウンタの値と払出された遊技球の個数とは正常な払出が行なわれている限り一致するはずである。そして、S138により回転カウンタの値が未払出数Iと一致した場合と判断された場合は、S139により払出モータ75が停止される。そして、S140により回転カウンタがクリアされた後、S141に進む。
【0184】
S141では、払出カウンタの値と未払出数Iの値との大小関係が判別される。払出装置90が正常に作動している場合には、回転カウンタの値が未払出数Iに達した段階で払出カウンタの値=未払出数Iとなっているはずであり、その場合には、S141からS144に進み、未払出数Iと払出カウンタとをクリアした後に、後述するS145に進む。
【0185】
また、払出装置90の作動不良や払出すべき遊技球の球詰まり等に起因して払出カウンタの値が未払出数Iよりも小さい場合には、S141からS142に進み、「未払出数I−払出カウンタの値」の計算結果を新たな未払出数Iに更新する処理が行なわれた後、S143により払出カウンタがクリアされ、S128に戻る。つまり、実際に払出された遊技球の数が払出さなければならない遊技球の個数未満であった場合には、その不足分の遊技球の個数がS142により算出され、その不足分が新たな未払出数に設定されてS128以降の処理によりその不足分の遊技球の払出制御が行なわれるのである。
【0186】
また、払出装置90の作動不良等に起因して払出カウンタの値が未払出数Iを超えた場合には、S141からS151に進み、払出異常が発生した旨を前述のエラー原因表示器によりコードによって表示する処理が行なわれる。そして、S152により、球抜き処理が行なわれた後、図18のS165に進む。
【0187】
S145に進んだ場合は、払出状態が「貸出」であるか否かの判断が行なわれる。S145により「貸出」でないと判断された場合は、図18に示すS153に進む。一方、S145により「貸出」であると判断された場合には、S146に進み、カードユニット制御部340に貸出完了信号を出力する処理がなされる。そして、S147に進み、前述の貸出中表示器が消灯される。
【0188】
次に、S148により、ホール用管理コンピュータ800に対し、単位額売上情報、または、端数額売上情報を出力する処理が行なわれる。これらの売上情報は、売上があった遊技カードを特定するカードID情報、および、遊技カードが使用されたカードユニット3の識別情報が示される点で共通する。これらの売上情報は、前述のカードユニット制御部340から出力される各売上情報と比べて、売上額が金額ではなく、貸球の貸出個数で示される点で異なる。つまり、払出制御部200は、税込単位額および税込端数球単価に関するデータを記憶していないため、今回払出数Jに基づいて、単位額売上情報には税込単位額に対応して払出された個数が売上個数として示され、端数額売上情報には税込端数額に対応して払出された個数が売上個数として示される。
【0189】
ホール管理コンピュータ800では、このように出力された単位額売上情報および端数額売上情報が受信され、貸出個数が金額データに変換され売上データの集計等の処理が行なわれる。なお、単位額売上情報および端数額売上情報については、この例に限らず、カードユニット制御部340から出力される単位額売上情報および端数額売上情報と同様に、売上額を金額により特定してもよい。次に、S149により、今回払出数Jがクリアされ、S15026により、タイマT7がセットされてS101に戻る。
【0190】
また、図18を参照して、S153に進んだ場合は、以下に示すように、賞球の払出制御が終了した入賞球を1個ずつ機外に排出するための制御が行なわれる。まず、S153により、タイマT8がセットされる。このタイマT8は、入賞球の排出処理のチェックに必要となる時間を計時するためのものである。次にS154に進み、払出ランプ74が消灯される。そして、S155により、賞球払出個数データがあるか否かの判断が行なわれる。賞球払出個数データは、前述したように、遊技制御部300から送信されてくるものであり、前述したように2箇所に集合させられた入賞球を検出する入賞球センサ82a,82bからの検出信号が遊技制御部300に入力されている限り、遊技制御部300から払出制御部200にこの賞球払出個数データが伝送され続ける。
【0191】
そして、入賞球に基づいた賞球の払出制御の最中に何らかの異常が起こって入賞球センサからの検出信号が遊技制御部300に入力されなくなった場合には、この賞球払出個数データが遊技制御部300から入力されなくなるのである。その場合には、S155からS156に進み、払出異常が発生したことが前述したエラー原因表示器によりコードによって表示されるとともに、S157により、球抜き処理が行なわれる。その後、後述するS165に進む。一方、S155により、賞球払出個数データの入力があると判断された場合は、S158に進み、センサ識別データが「センサA」であるか否かの判断が行なわれる。
【0192】
この判断は、前述した賞球の払出制御が、入賞球センサA(82a)からの検出出力に基づいて行なわれた場合には、入賞球センサA(82a)からハイレベル信号が出力されるのであり、その場合には、S158により「センサA」であると判断なされて、S166に進むことになる。一方、前述した賞球の払出制御が、入賞球センサB(182b)の検出出力に基づいて行なわれた場合には、入賞球センサB(182b)からローレベル信号が出力されることになるのであり、その場合には、S158により「センサA」ではないと判断されて、S159に進むことになる。
【0193】
S166では、排出ソレノイドA(76)をONにして入賞球センサA(82a)の検出部に位置する遊技球の落下を阻止している保持部材(排出ソレノイドAにより駆動される保持部材)を退避させて入賞球が下方に落下可能な状態にする。次にS167に進み、賞球払出個数データがあるか否かの判断がなされる。排出ソレノイドAにより駆動される保持部材を後方に退避させた段階で、入賞球センサA(82a)の検出部に位置する遊技球が下方に落下し始めるのであるが、その落下し始めてから入賞球検出センサA(82a)の検出部外にまで遊技球が落下するまでは入賞球検出センサA(82a)からの検出出力が遊技制御部300に入力され続けるのであり、その結果遊技制御部300から払出制御部200に賞球払出個数データが出力され続けることになる。
【0194】
その間は、S167によりYESの判断がなされて、S168に進み、タイマT8が終了したか否かの判断がなされ、終了するまで前記S166,S167の処理が繰返し実行される。そして、タイマT8が終了するまでの間に、遊技球が入賞球検出センサA(82a)の検出部外にまで落下すれば、S167によりNOの判断がなされてS169に進み、排出ソレノイドA(76)がOFFに制御されてS101に戻る。ところが、球詰まりや排出ソレノイドA(76)の故障等に起因して、排出ソレノイドA(76)をONにする制御を行なったとしても、タイマT8の終了するまでの間に賞球払出個数データの入力が停止されなかった場合には、S163に進み、このようなエラー原因が前述のエラー原因表示器によりコードによって表示される。次にS164に進み、球抜き処理が行なわれた後、S165に進む。
【0195】
S165では、リセットボタン(図示省略)によるリセット操作があったか否かの判断が行なわれ、リセット操作があるまで待機する。このリセットボタン(図示省略)が操作されればS101に戻る。
【0196】
また、S158により「センサA」ではないと判断された場合は、S159〜S162のステップに従って、排出ソレノイドB(77)を動作させて入賞球センサB(82b)の検出部に位置する入賞球を1個下方に落下させるための制御が行なわれるのであり、この制御は前述したS166〜S169の制御と同じであるために、ここでは説明の繰返しを省略する。
【0197】
次に、遊技カード21に入金をするために実行される入金処理について説明する。この入金処理は、カードユニット制御部340において前述のメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。図19は、入金処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0198】
まず、S171により、遊技カード21の挿入中であるか否かが判断される。S171により挿入中ではないと判断された場合は、この入金処理が終了し、リターンする。一方、S171により挿入中であると判断された場合は、S172により、紙幣投入口61または硬貨投入口62への貨幣の投入があったか否かが判断される。
【0199】
S172により貨幣の投入がなかったと判断された場合は、この入金処理が終了し、リターンする。一方、S172により貨幣の投入があったと判断された場合は、S173により、紙幣識別装置31および硬貨識別装置32から与えられた識別情報に基づいて投入金額を認識し、その投入金額を金額表示器17に表示させる処理が行なわれる。そして、S174に進み、現在の入金モードが第1入金モードであるか否かが判断される。
【0200】
S174により第1入金モードであると判断された場合は、S175に進み、カード残額が税込端数球単価未満であるか否かが判断される。すなわち、S174では、貸出しが不可能なカード残額になっているかどうかが判断されるのである。
【0201】
S175により税込端数球単価未満ではないと判断された場合は、第1入金モードでの入金許容条件が成立しないので、S180により、投入された金額の貨幣を紙幣投入口61および硬貨投入口62から返却するための処理が行なわれる。その後、S179により投入金額の表示がクリアされた後、この入金処理が終了し、リターンする。
【0202】
一方、S175により税込端数球単価未満ではないと判断された場合は、第1入金モードでの入金許容条件が成立するので、S176により、カード残額が投入金額分、すなわち、入金額分だけ加算更新される。次に、そして、S177により、S176による更新後の残額をカード残額表示器8に表示させる処理が行なわれる。そして、S178により、入金額、入金が行なわれた遊技カードのカードID、入金が行なわれたカードユニットを特定可能な情報を含む入金情報をカード管理装置400へ送信する処理が行なわれる。その後、その後、S179により投入金額の表示がクリアされた後、この入金処理が終了し、リターンする。
【0203】
また、前述のS174により第1入金モードではないと判断された場合、すなわち、第2入金モードである場合は、S181に進み、カード残額が税込単位額未満であるか否かが判断される。すなわち、S181では、貸与消費単位額での貸出しが不可能なカード残額になっているかどうかが判断されるのである。
【0204】
S181により税込単位額未満ではないと判断された場合は、第2入金モードでの入金許容条件が成立しないので、S182により、投入された金額の貨幣を紙幣投入口61および硬貨投入口62から返却するための処理が行なわれる。その後、S179により投入金額の表示がクリアされた後、この入金処理が終了し、リターンする。
【0205】
一方、S181により税込単位額未満であると判断された場合は、第2入金モードでの入金許容条件が成立するので、S176により、カード残額が投入金額分、すなわち、入金額分だけ加算更新される。その後、前述の場合と同様に、S177により更新後の残額がカード残額表示器8に表示され、S178により入金情報が送信され、S179により投入金額の表示がクリアされた後、この入金処理が終了し、リターンする。
【0206】
次に、カード管理装置400の管理用コンピュータにより実行される集計処理を説明する。この集計処理は、カード管理装置400の管理用コンピュータにおいて各種制御のために実行されるメインプログラムにより起動されるサブルーチンプログラムのうちの1つである。図20は、カード管理装置400の管理用コンピュータにより実行される集計処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0207】
まず、S191により、カードユニット3からの情報を受信した否かの判断がなされる。S191により受信していないと判断された場合は、この集計処理が終了し、リターンする。一方、S191により受信したと判断された場合は、S192に進み、遊技カードの入金情報を受信した否かの判断がなされる。S192により受信していないと判断された場合は、後述するS195に進む。
【0208】
一方、S192により受信したと判断された場合は、S193に進み、受信した情報により特定されるカードIDおよび入金額のデータに基づいて、カード管理データベースにおける当該カードIDの遊技カードに対応する入金額記憶領域へ入金額を記録し、集計する処理が行なわれる。そして、S194により、今回受信した入金額のデータに基づいて、受信したカードIDのデータに対応するカード残額を加算更新する処理が行なわれる。これにより、図9に示すように管理されている遊技カードのカード残額が入金に応じて加算更新される。S194の後、S195に進む。
【0209】
S195に進んだ場合は、貸出しによる前述の単位額売上情報または端数額売上情報を受信した否かの判断がなされる。S195により受信していないと判断された場合は、後述するS198に進む。
【0210】
一方、S195により受信したと判断された場合は、S196に進み、受信した情報により特定されるカードIDおよび売上額のデータに基づいて、カード管理データベースにおける当該カードIDの遊技カードに対応する貸出額記憶領域へ貸出額を記録し、集計する処理が行なわれる。そして、S197により、今回受信した売上額のデータに基づいて、受信したカードIDのデータに対応するカード残額を減算更新する処理が行なわれる。これにより、図9に示すように管理されている遊技カードのカード残額が貸出しに応じて減算更新される。S197の後、S198に進む。
【0211】
このように、各遊技カードについて、入金が行なわれるごとに各遊技カードの残額が加算更新されるとともに、貸出しが行なわれるごとに各遊技カードの残額が減算更新されることにより、カード管理装置400においては、カードユニット3と同様に、遊技カードの残額が管理される。
【0212】
S198に進んだ場合は、受信した情報の出力元のカードユニット3ごとに入金情報および売上情報を集計し、カードユニット3別に入金情報および売上情報の集計データを示すユニット別集計表を出力するための集計データを、受信した情報に基づいて更新する処理がなされる。このように、カード管理装置400においては、カードユニット別にデータを集計する記憶領域が設けられており、カードユニット別にデータが管理される。
【0213】
次に、S199に進み、受信した情報の出力元の遊技機設置島ごとに入金情報および売上情報を集計し、遊技機設置島別に入金情報および売上情報の集計データを示す島別集計表を出力するための集計データを、受信した情報に基づいて更新する処理がなされる。このように、カード管理装置400においては、遊技機設置島別にデータを集計する記憶領域が設けられており、遊技機設置島別にデータが管理される。
【0214】
売上情報の集計は、具体的に次のように行なわれる。たとえば、遊技場100の売上と徴収する消費税額とは、別々に分けて集計される。たとえば、単位額売上情報を受信したときには、管理している売上額のデータに貸与消費単位額を加算していくとともに、予め記憶している消費税率に基づいて貸与消費単位額に対応する消費税額を求めて、求めた消費税額を、管理している消費税額のデータに加算していく。また、端数額売上情報を受信したときには、管理している売上額のデータに消費した端数額を加算していくとともに、予め記憶している消費税率に基づいて消費した端数額に対応する消費税額を求めて、求めた消費税額を、管理している消費税額のデータに加算していく。
【0215】
次に、S200に進み、1日を複数の時間帯に分けたときの時間帯ごとに入金情報および売上情報を集計し、時間帯別に入金情報および売上情報の集計データを示す時間帯別集計表を出力するための集計データを、受信した情報に基づいて更新する処理がなされる。このように、カード管理装置400においては、時間帯別にデータを集計する記憶領域が設けられており、時間帯別にデータが管理される。
【0216】
次に、S201に進み、遊技場の日計表を作成するための集計データを、受信した情報に基づいて更新する処理がなされる。このように、カード管理装置400においては、日計表作成のためのデータを集計する記憶領域が設けられており、日計表が作成される。S201の後、この集計処理が終了し、リターンする。
【0217】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
たとえば、S41やS50において減算後のカード残額が税込単位額以上であると判定されたときに、S56aで貸与消費単位額に対応する個数を指定する払出個数指定信号を出力しS62において貸出指令信号を出力することに基づいて貸与消費単位額に対応する個数の遊技媒体を貸出す処理を1回もしくは複数回繰返すことにより予め定められた個数の遊技球を貸出させ、S64に示すように税込単位額に基づいた減算をする第1の貸与処理が行なわれる。一方、S41やS50において減算後のカード残額が税込単位額未満であると判定されたときに、たとえば、S45やS52に示すように税込端数球単価に基づいて、当該残額で貸出し可能な遊技球の個数が特定され、端数球の個数を指定する払出個数指定信号をS56bにおいて出力しS62において貸与指令信号を出力することにより、特定された個数の遊技球を貸出させ、S67に示すように税込端数球単価に基づいた減算をする第2の貸与処理が行なわれる。カード残額が税込単位額未満であっても、税込端数球単価に基づいて当該残額で貸与可能な個数の遊技球の貸出しが行なわれるので、カード残額のうち貸出しに使用できない額が税込端数球単価となるため、遊技カード21の記録情報により特定されるカード残額を使用して遊技球を貸出し、そのカード残額から消費税を徴収するときに、遊技者に生じる不利益を低減できる。
【0218】
また、図8(a)に示されるように、貸与消費単位額に対応する貸出しを行なうときに、貸与消費単位額に対応する遊技球の貸出個数(25個)を示す第1の信号(貸与消費単位額に対応する個数を指定する払出個数指定信号および貸出指令信号)が1回もしくは複数回繰返し送信されることにより予め定められた個数の遊技球が貸出され、一方、端数額に対応する貸出しを行なうときに、端数球の個数を示す第2の信号(端数球の個数を指定する払出個数指定信号および貸出指令信号)が送信されることによりその個数分の遊技球が貸出される。このため、このため、貸与消費単位額に対応する個数の遊技球の貸出しと、端数額に基づく個数の遊技球の貸出しとのそれぞれについて、貸出す個数をより明確に示すことができる。また、遊技球の貸出しのために払出制御部200側で記憶する個数のデータの種類を増加させることなく、税込単位額未満の残額、すなわち、端数額に基づいて貸出す個数をより明確に示すことができる。
【0219】
また、S3に示されるように、第三者機関500によって設定された消費税率を特定可能な消費税率設定データが取引情報管理装置501から遊技場に配信され、S13,S14,S17,S18,S22,S24に示されるように、配信されてきた消費税率設定データに基づいて、税込単位額および税込端数球単価が設定される。このため、遊技場の関係者により不正に設定された消費税率で貸出しの処理が行なわれることが防がれるので、不正に設定された消費税率(実際の税率よりも高い税率)で残額の減算が行なわれ、遊技者が不利益を被るおそれをなくすことができる。
【0220】
また、図2に示されるように、カード残額が貸与消費単位額以上のときにはカード残額表示器8において度数を表示させ、カード残額が貸与消費単位額未満のときには残額表示器8において端数球の個数を表示させる表示の切替えが行なわれる。このため、カード残額が貸与消費単位額未満のときに、カード残額表示器8に表示される端数球の個数により、貸与消費単位額未満の残額情報も遊技者に確実に認識させることができるとともに、その貸与消費単位額未満の残額情報(個数)を表示させるために表示領域を追加する必要がないようにすることができる。
【0221】
また、図8の(a)および図12のS46,S55〜S57,S62、図13のS49に示すように、第1払出モードにおいては、貸与消費単位額に対応する個数の貸出しを行なう貸出し処理を行なうことによりカード残額が税込単位額未満となるときに、当該貸出処理に引続いて、端数額に基づく貸出し処理が行なわれるので、遊技者が税込単位額未満の端数額について貸出しを受けるために新たな操作をすることが不要になるため、遊技者の手間を省くことができる。
【0222】
また、図20のS193,S196に示すように、カード管理装置400において、単位額売上情報および端数額売上情報に基づいて、貸出額データが集計されるので、貸出しによる消費額を正確に把握することができる。
【0223】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、カードユニット制御部340が、貸与消費単位額に対応する個数(25玉)の貸出しを要求するときに、貸出要求信号の前に払出個数指定信号を出力しないことにより、払出制御部200で記憶している貸与消費単位額に対応する個数(25玉)の貸出しを払出制御部200に要求する例を説明する。この第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0224】
図21は、第2実施形態による貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。図21においては、図8と同様に、貸与消費単位額に相当する個数の貸出しが行なわれるとき、および、税込単位額未満の端数額に相当する個数の貸出しが行なわれるときについて、貸出要求信号と払出個数指定信号との関係が払出モードごとに示されている。
【0225】
図21を参照して、貸与消費単位額分の個数(25個)の遊技球の貸出しが行なわれるときには、BRQ信号がONとなる貸出要求信号が出力される前にBNM信号において払出個数指定信号のパルスが出力されない。一方、端数額分の貸出しが行なわれるときには、BRQ信号がONとなる貸出要求信号が出力される前にBNM信号において払出個数指定信号のパルスPが出力される。したがって、BRQ信号がONとなって貸出要求信号が出力されたときに、払出制御部20では、BRQ信号がONとなる前に払出個数指定信号のパルスが出力されたか否かに基づいて、貸与消費単位額分の貸出しの要求であるか、端数額分の貸出しの要求であるかの判別が行なわれる。払出制御部20では、払出個数指定信号のパルスを計数することにより、端数球の払出個数を把握する。
【0226】
貸出要求信号の前に払出個数指定信号が出力されなかったときには、払出制御部200の記憶部で記憶している貸与消費単位額に対応する個数(25玉)の貸出しが払出制御部200に要求される。一方、貸出要求信号の出力前に払出個数指定信号が出力されたときには、端数球として払出す遊技球の個数をパルス信号の数により示すことによりパルス信号数分の個数の貸出しが払出制御部200に要求される。
【0227】
第2実施形態によるカード処理制御は、次のような処理内容の変更を行なうことにより実現される。まず、図12に示されたS56aが設けられない。つまり、貸出額が税込単位額以上であるとS55により判断された場合に、そのまま貸出要求信号の出力ステップであるS57に進むことにより、貸出要求信号の出力の前に払出個数指定信号が出力されないように制御される。このような処理を行なうことにより、貸出額が税込単位額以上であるときには、貸出要求信号の出力の前に払出個数指定信号が出力されないことにより、貸与消費単位額分の払出要求であることが示される。一方、貸出額が税込単位額未満であるときには、貸出要求信号の出力の前に払出個数指定信号が出力されることにより、端数額分の払出要求であることが示される。さらに、S63において、貸与消費単位額分の払出個数指定信号が送信されたか否かの判断に換えて、今回の貸出しについて、貸出要求信号の出力前に払出個数指定信号のパルスが出力されたか否かが判断される。つまり、S63では、今回の貸出しが、単位額の貸出しと端数額の貸出しとのうちのどちらであるかが判断される。S63により払出個数指定信号が出力されていないと判断された場合は、貸与消費単位額の貸出しの場合であり、S64に進み、現在残額から税込単位額を減算するとともに、貸出額から税込単位額単位額を減算する処理がなされる。一方、S63により払出個数指定信号が出力されていたと判断された場合は、端数額の貸出しの場合であり、S67に進み、現在残額から払出個数指定信号のパルス数により示した端数球の個数に対応する税込端数額を減算するとともに、貸出額から当該税込端数額を減算する処理がなされる。
【0228】
次に、第2実施形態による球払出制御を説明する。図22は、第2実施形態による球払出制御の処理内容を示すフローチャートである。
【0229】
図22の球払出制御が第1実施形態による図15の球払出制御と異なる点は、前述のS109aの代わりに、S109〜S111が設けられていることである。S109では、受信した貸出要求信号の前に払出個数指定信号が受信されたか否かが判断される。つまり、S109では、カードユニット制御部340から要求されている貸出しが、貸与消費単位額分の貸出しと、端数額分の貸出しとのどちらであるのかが判断される。
【0230】
S109により貸出要求信号の前に払出個数指定信号が受信されていないと判断された場合は、貸与消費単位額分の貸出しが要求されているので、S110により、未払出数Iに、貸与消費単位額に対応する個数の予め定められた貸出個数のデータ(25個)がセットされる。この貸与消費単位額に対応する貸出個数は、払出制御部200に設けられたROM、RAM、および、外部記憶装置等のメモリの記憶領域に予め記憶されており、S110の実行時に読出されて使用される。さらに、S110においては、今回払出数Jにも、貸与消費単位額に対応する個数の予め定められた貸出個数のデータがセットされる。さらに、S110においては、払出状態を示すデータが「貸出」にセットされる。S110の後、S112に進む。
【0231】
一方、S109により、貸出要求信号の前に払出個数指定信号が受信されていると判断された場合は、端数額分の貸出しが要求されているので、S111により、未払出数Iおよび今回払出数Jのそれぞれのデータに、払出個数指定信号により示された端数球の貸出個数、すなわち、S104bにより計数された払出個数指定信号の受信パルス数が端数球の貸出個数のデータとしてセットされる。S104bで計数される受信パルス数は、S111でセットされた個数の端数球の払出しが行なわれることに応じて初期化される。さらに、S111においては、払出状態を示すデータが「貸出」にセットされる。S111の後、S112に進む。
【0232】
このような第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。図21(a)に示されるように、貸与消費単位額に対応する貸出しを行なうときに、払出制御部200で記憶されている貸与消費単位額に対応する遊技球の貸出個数に基づく貸出しを指示する第1の信号(払出個数指定信号が出力されないときの貸出指令信号)が1回もしくは複数回繰返し送信されることにより予め定められた個数の遊技球が貸出され、一方、端数額に対応する貸出しを行なうときに、端数球の個数を示す第2の信号(払出個数指定信号および貸出指令信号)が送信されることによりその個数分の遊技球が貸出される。このため、税込単位額未満の残額、すなわち、端数額に基づいて貸出す個数をより明確に示すことができる。
【0233】
第3実施形態
次に、第3実施形態を説明する。第1実施形態においては、取引情報管理装置501からカード管理装置400へ消費税率の情報を配信し、カード管理装置400の側で税込単位額および税込端数球単価を算出する例を示した。これに対し、第3実施形態では、取引情報管理装置501の側で税込単位額および税込端数球単価を算出し、これら税込単位額および税込端数球単価の情報を取引情報管理装置501からカード管理装置400へ配信する例を説明する。この第3実施形態においては、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0234】
図23は、第3実施形態による取引情報管理装置501において実行される税率管理処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0235】
まず、S211により、管理用のコンピュータの記憶部に記憶された適正な消費税率(たとえば、5%)を示す消費税率データが読出される。そして、S212により、遊技場100において設定されている単位額(たとえば、100円)を示す単位額設定データが管理用のコンピュータの記憶部から読出される。次に、S213により、遊技場100において設定されている端数球単価(たとえば、4円)を示す端数球単価設定データが管理用のコンピュータの記憶部から読出される。
【0236】
そして、S214により、S211で読出された消費税率データと、S212で読出された単位額設定データとに基づいて、第1の合算値である税込単位額(たとえば、105円)を算出(設定)する演算(単位額と、消費税率に基づいて算出される単位額の消費税額とを合算する演算)が行なわれる。次に、S215により、S211で読出された消費税率データと、S213で読出された端数球単価設定データとに基づいて、第2の合算値である税込端数球単価(たとえば、4.2円)を算出(設定)する演算(端数球単価と、消費税率に基づいて算出される端数球単価の消費税額とを合算する演算)が行なわれる。
【0237】
そして、S214で算出された税込単位額の情報およびS215で算出された税込端数球単価の情報を含む税込貸出額情報を、各遊技場100のカード管理装置400へ配信する処理が行なわれた後、リターンする。このような税込貸出額情報の配信は、毎日、各遊技場100の営業開始前の所定時刻に実行される。
【0238】
次に、取引情報管理装置501から配信されてきた税込貸出額情報に基づいて税込単位額および税込端数球単価を設定するために、カード管理装置400における管理用のコンピュータおよびカードユニット制御部340により実行される処理を説明する。
【0239】
図24は、第3実施形態によるカード管理装置400およびカードユニット制御部340において税込単位額および税込端数球単価を設定するために実行される処理の処理内容を示すフローチャートである。図24においては、図11の場合と同様に、カード管理装置400により実行される税込貸出額管理処理が(a)に示され、カードユニット制御部340により実行される税込貸出額設定処理が(b)に示される。
【0240】
まず、(a)の税込貸出額管理処理を参照して、S221により、取引情報管理装置501から配信された税込貸出額情報を受信したか否かが判断される。S221により受信していないと判断された場合は、この税込貸出額管理処理が終了し、リターンする。一方、S221により受信したと判断された場合は、S222により、受信した税込貸出額情報に含まれる税込単位額を遊技場100内の各カード3での貸出しに用いる額としてカード管理装置400において設定する処理が行なわれる。そして、S223により、S222で設定された税込単位額を示す情報を各カードユニット3へ送信するための処理が行なわれる。
【0241】
次に、S224により、受信した税込貸出額情報に含まれる税込端数球単価を遊技場100内の各カード3での貸出しに用いる額としてカード管理装置400において設定する処理が行なわれる。そして、S225により、S224で設定された税込端数球単価を示す情報を各カードユニット3へ送信するための処理が行なわれる。
【0242】
(b)の税込貸出額設定処理の処理内容は、図11に示した(b)の税込貸出額設定処理の処理内容と同様である。このため、重複した説明は、繰返さない。
【0243】
このような第3実施形態については、前述した各実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。S216に示されるように、第三者機関500によって設定された税込単位額情報および税込端数球単価情報が取引情報管理装置501から遊技場に配信され、S222,S224,S22,S24に示されるように、配信されてきた消費税率設定データに基づいて、税込単位額および税込端数球単価が設定される。このため、遊技場の関係者により不正に設定された消費税率で貸出しの処理が行なわれることが防がれるので、不正に設定された消費税率(実際の税率よりも高い税率)で残額の減算が行なわれ、遊技者が不利益を被るおそれをなくすことができる。
【0244】
第4実施形態
次に、第4実施形態を説明する。この第4実施形態では、カード残額のうち最後に残った貸与消費単位額分の貸出し個数を、端数額分の貸出個数と合わせてパルスにより示す例を説明する。この第4実施形態においては、第2実施形態と異なる点を主として説明する。
【0245】
図25は、第4実施形態による貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。図25においては、図21と同様に、貸与消費単位額に相当する個数の貸出しが行なわれるとき、および、税込単位額未満の端数額に相当する個数の貸出しが行なわれるときについて、貸出要求信号と払出個数指定信号との関係が払出モードごとに示されている。
【0246】
図25を参照して、第1払出モードにおいては、前述したように、貸与消費単位額分の貸出しを行なうことによりカード残額が税込単位額未満となるときに、最後の貸与消費単位額に対応する個数の貸出しを行なうことに引続いて税込単位額未満の端数額分の貸出しを行なうのであるが、その最後の貸与消費単位額に対応する個数の貸出しの際に、払出個数を、貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合計した払出個数指定信号のパルスPの数によって示すことにより、最後の貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とをまとめて指定する。
【0247】
この第4実施形態の場合、第1払出モードにおいて、最後の貸与消費単位額分の貸出しおよび端数額分の貸出しについて、BNM信号において払出個数指定信号のパルスが出力される。このため、払出制御部20では、BRQ信号がONとなる前に出力された払出個数指定信号のパルス数のうち、貸与消費単位額分の個数(25個)分のパルスについては貸与消費単位額分の貸出しの要求であると判別し、残りの個数分のパルスについては端数額分の貸出しの要求であると判別する。
【0248】
次に、第4実施形態によるカード処理制御を説明する。図26は、第4実施形態によるカード処理制御の特徴部分の処理内容を示すフローチャートである。この図26においては、第2実施形態において説明した処理内容(図12のカード処理制御においてS56aを設けず、S63の判断を変更したもの)のカード処理制御のうち、図12のS55〜S57に該当する部分と置き換えられるステップのみが示されている。
【0249】
図26のカード処理制御が第2実施形態において説明したカード処理制御と異なる点は、前述のS55〜S57の代わりに、S55a〜55eが設けられていることである。S55aでは、貸出額が税込単位額以上であるか否かが判断される。S55aにより税込単位額以上であると判断された場合は、S55bに進み、貸出額から税込単位額を減算して得られる額が税込単位額以上であるか否かが判断される。
【0250】
S55bにより税込単位額以上であると判断された場合は、S55cにより貸出要求信号が出力され、S58に進む。一方、S55bにより税込単位額以上ではないと判断された場合は、S55dにより、貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合計したパルス数の払出個数指定信号が出力された後、55cにより貸出要求信号が出力され、S58に進む。一方、S55aにより税込単位額以上ではないと判断された場合は、S55eにより端数額分の貸出個数のパルス数の払出個数指定信号が出力された後、S55cにより貸出要求信号が出力され、S58に進む。このようなカード処理制御が実行されることにより、図25に示したような信号が出力可能となる。
【0251】
また、この第4実施形態の場合には、S55dにより出力される払出個数指定信号によって、最後の貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合算した遊技球の個数がパルスの数により示される。このようなS55dにより最後の貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合算した遊技球の個数を示す払出個数指定信号を出力することが、第1の貸与処理を行なうことにより残額が第1の合算値(税込単位額)未満となるときに、最後の貸与消費単位額に対応する個数と個数特定手段により特定された個数とを合算した遊技球の個数を示す払出個数指定信号である第2の信号を送信する処理に該当する。カード残額の更新および売上情報の送信等の処理においては、払出個数指定信号のパルス数のうち、貸与消費単位額分の個数(25個)分のパルスについては貸与消費単位額分の貸出しの要求であると識別され、残りの個数分のパルスについては端数額分の貸出しの要求であると識別される。
【0252】
このような第4実施形態については、前述した各実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。図25(a)に示されるように、カード残額のうち最後の貸与消費単位額に対応する貸出しが行なわれるときに、最後の貸与消費単位額に対応して貸出す個数と、端数額に対応して貸出す個数とを合算した遊技球の個数を示す払出個数指定信号が送信されるので、遊技者が税込単位額未満の端数額分で遊技球の貸出しを受けるために新たな操作をすることが不要になるため、遊技者の手間を省くことができる。
【0253】
第5実施形態
次に、第5実施形態を説明する。この第5実施形態では、第1実施形態の場合のように貸与消費単位額に対応する貸出し個数を端数額分の貸出し個数の場合と同様に払出個数指定信号のパルスにより示す構成において、前述した第4実施形態の場合と同様に、カード残額のうち最後に残った貸与消費単位額分の貸出し個数を、端数額分の貸出個数と合わせてパルスにより示す例を説明する。この第5実施形態においては、第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0254】
図27は、第5実施形態による貸出要求信号および払出個数指定信号の関係を示すタイミングチャートである。図27においては、図8と同様に、貸与消費単位額に相当する個数の貸出しが行なわれるとき、および、税込単位額未満の端数額に相当する個数の貸出しが行なわれるときについて、貸出要求信号と払出個数指定信号との関係が払出モードごとに示されている。
【0255】
図27を参照して、第1払出モードにおいては、前述したように、貸与消費単位額分の貸出しを行なうことによりカード残額が税込単位額未満となるときに、最後の貸与消費単位額に対応する個数の貸出しを行なうことに引続いて税込単位額未満の端数額分の貸出しを行なうのであるが、その最後の貸与消費単位額に対応する個数の貸出しの際に、払出個数を、貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合計した払出個数指定信号のパルスPの数によって示すことにより、最後の貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とをまとめて指定する。
【0256】
第5実施形態によるカード処理制御は、図26のカード処理制御の特徴部分について、貸出額から税込単位額を減算して得られる額が税込単位額以上であるとS55bにより判断された場合に、貸与消費単位額分の貸出個数を示すパルス数の払出個数指定信号を出力するステップを設け、そのステップにより払出個数指定信号を出力した後にS55cに進むように変更を加えた処理を、図12に示されたカード処理制御における対応部分と置換えることにより実現される。また、第5実施形態による球払出制御は図15〜図18に示された球払出制御と同様の制御が行なわれる。
【0257】
この第5実施形態の場合には、第1払出モードにおいて、図26のS55bにおいて貸出額−税込単位額が税込単位額未満と判定されたときにS55dにより出力される払出個数指定信号によって、最後の貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合算した遊技球の個数がパルスの数により示される。このようなS55bにおいて貸出額−税込単位額が税込単位額未満と判定され、S55dにより最後の貸与消費単位額分の貸出個数と端数額分の貸出個数とを合算した遊技球の個数を示す払出個数指定信号を出力することが、第1の貸与処理を行なうことにより残額が第1の合算値(税込単位額)未満となるときに、最後の貸与消費単位額に対応する個数と個数特定手段により特定された個数とを合算した遊技球の個数を示す払出個数指定信号である第2の信号を送信する処理に該当する。カード残額の更新および売上情報の送信等の処理においては、払出個数指定信号のパルス数のうち、貸与消費単位額分の個数(25個)分のパルスについては貸与消費単位額分の貸出しの要求であると識別され、残りの個数分のパルスについては端数額分の貸出しの要求であると識別される。
【0258】
このような第5実施形態については、前述した各実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる他、次のような特徴的な効果を得ることができる。図27(a)に示されるように、カード残額のうちの最後の貸与消費単位額に対応する貸出しが行なわれるときに、最後の貸与消費単位額に対応して貸出す個数と、端数額に対応して貸出す個数とを合算した個数を示す払出個数指定信号が送信されるので、遊技者が税込単位額未満の端数額分で遊技球の貸出しを受けるために新たな操作をすることが不要になるため、遊技者の手間を省くことができる。
【0259】
次に、以上に説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、貸出しをするときの税込単位額以上であるか否か等のカード残額の判定に関する処理、および、端数額および端数球の払出し個数の算出等の端数球の特定に関する処理をカードユニット3が行なう例を示した。このような場合には、カードユニット3のみにより、記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、遊技機での遊技に用いられる遊技媒体を貸与する遊技用システムが構成されると考えることができる。
【0260】
(2) 前述した実施の形態においては、貸出しをするときの税込単位額以上であるか否か等のカード残額の判定に関する処理、および、端数額および端数球の払出し個数の算出等の端数球の特定に関する処理をカードユニット3が行なう例を示した。しかし、これに限らず、このような処理をカード管理装置400において行ない、そのような判定結果や、端数額および端数球の払出個数等の特定結果を示す情報をカードユニット3(カードユニット制御部340)に通知するようにしてもよい。このような場合には、カードユニット3およびカード管理装置400により、記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、遊技機での遊技に用いられる遊技媒体を貸与する遊技用システムが構成されると考えることができる。
【0261】
(3) 前述した実施の形態においては、カード管理装置400において、遊技カード21をカードIDに基いて管理し、遊技カード21の認証を行なう例を示した。しかし、これに限らず、遊技カード21をカードIDに基いて管理せず、カードユニット3において遊技カード共通のセキュリティ情報を記憶し、セキュリティ情報の照合に基いてカードユニット3のみにより遊技カード21の認証を行なうようにしてもよい。
【0262】
(4) 前述した実施の形態においては、カード残額において税込端数球単価未満の残額が残る例を示した。しかし、これに限らす、税込端数球単価未満の残額については、残額を「0」にして遊技場側の利益にするか、または、税込端数球単価に繰上げて端数球1個分の払出しとして設定して遊技者側の利益にするかのいずれかの処理をしてもよい。その場合には、残額が「0」であることを条件に入金を行なうようにしてもよい。そして、このような処理のうちどちらの処理を実行するかをカード管理装置400において選択的に設定できるようにしてもよい。
【0263】
(5) 前述した実施の形態においては、貸出しが行なわれるごとに売上情報を出力する例を示した。しかし、これに限らず、遊技カード21を返却するときに売上情報をまとめて出力するようにしてもよい。
【0264】
(6) 前述した単位額売上情報と、端数額売上情報とは、個別に設けられた信号線を用いてパラレルに送信するようにしてもよく、または、1つの信号線を用いてシリアルに送信するようにしてもよい。
【0265】
(7) 前述した端数球の払出個数については、税込端数球単価に基づいて残額から算出する例を示した。しかし、これに限らず、端数球の払出個数については、1個が4.2円、2個が8.2円、・・・24個が100.8円というように個数別に税込端数額を設定したデータテーブルを記憶しておき、そのデータテーブルからカード残額に応じて端数球の払出個数を読出して用いるようにしてもよい。
【0266】
(8) 前述した実施の形態においては、すべての遊技者が利用可能な遊技カードをカードユニット3において使用できる例を示した。しかし、これに限らず、遊技カードとしては、遊技場において会員として登録された遊技者に対して個別に発行された会員カードと、すべての遊技者が利用できるビジターカードとの2種類のカードを使用することができるようにしてもよい。このような場合は、会員カードのみに入金機能を持たせるようにしてもよい。
【0267】
(9) 前述した実施の形態においては、カード残額に税込単位額未満の端数額が生じるか否かの判定を貸出操作があったときに行なう例を示した。しかし、これに限らず、カード残額に税込単位額未満の端数額が生じるか否かの判定は、遊技カード21がカードユニット3に挿入された時点で行なうようにしてもよい。そのような判定を行なう場合、入金があったときには、カード残額に税込単位額未満の端数額が生じるか否かの判定を、入金により更新されたカード残額に基づいて行なうようにしてもよい。
【0268】
(10) 前述した実施の形態においては、貸出しがあるごと、および、入金があるごとに、遊技カード21の側で記録されたカード残額を更新する例を示した。しかし、これに限らず、遊技カード21の側で記録されたカード残額は、遊技カード21が返却されるまでは更新せず、遊技カード21が返却されるときに、遊技カード21が挿入されから返却されるまでに行なわれた引落しおよび入金により更新されてカードユニット制御部340において記憶されていたカード残額に基づいて、まとめて更新するようにしてもよい。
【0269】
(11) 前述した実施の形態においては、各カードユニット3において、カード管理装置400から送信されてきた払出モード情報に基づいて遊技球の払出モードを設定し、その設定された払出モードで貸出しを行なう例を説明した。しかし、これに限らず、各カードユニット3において、遊技球の払出モードを選択する操作を行なう操作部を設け、遊技者の操作に基づいて遊技球の払出モードが設定され、その設定された払出モードで貸出しを行なうようにしてもよい。
【0270】
(12) 前述した実施の形態においては、カード残額が貸与消費単位額以上であるときにカード残額表示器8でカード残額が度数で表示されるともに度数ランプ52が点灯表示され、カード残額が貸与消費単位額未満であるときにカード残額表示器8でカード残額が端数球数で表示されるとともに端球数ランプ53が点灯表示される例を示した。しかし、これに限らず、端球数ランプ53の代わりに、カード残額が端数額であるときにカード残額が金額で表示されることを点灯表示することにより示すための端球額ランプを設け、カード残額が貸与消費単位額未満であるときにカード残額表示器8でカード残額を端数金額で表示させるとともに端球額ランプを点灯表示させる制御を行なうようにしてもよい。
【0271】
また、前述した実施の形態においては、カード残額が貸与消費単位額以上であるか否かによりカード残額表示器8の表示を切換えているが、これに限らず、カード残額が税込単位額以上のときには度数表示を行ない、カード残額が税込単位額未満のときには端数球の個数で表示するようにしてもよい。
【0272】
(13) 前述した実施の形態においては、遊技カードとして、非接触式のICカードを一例として示した。しかし、これに限らず、遊技カードとしては、接触式のICカードを用いてもよい。また、遊技カードとしては、ICカードに限らず、磁気記憶式のカード等のその他の記憶媒体を用いてもよい。つまり、遊技カードとしては、記録情報により遊技者所有の残額が特定される記録媒体であればどのような記憶媒体を用いてもよい。
【0273】
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0274】
21 遊技カード、2 パチンコ遊技機、3 カードユニット、33 カードリーダライタ装置、340 カードユニット制御部、500 第三者機関、501 取引情報管理装置、8 カード残額表示器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に応じて、遊技機での遊技に用いられる遊技媒体を貸与する遊技用システムであって、
前記記録媒体を受付ける受付手段と、
該受付手段により受付けられた前記記録媒体の記録情報により特定される残額に基づいて、前記遊技機に遊技媒体の貸与を指示する貸与指示信号を送信することにより前記遊技機から前記遊技媒体を貸与させるとともに、遊技媒体の貸与のために消費される貸与消費額と該貸与消費額に対応する消費税額とを前記残額から減算する貸与処理を行なう貸与処理手段と、
該貸与処理手段が予め定められた複数個単位での前記遊技媒体の貸与を行なわせるときの前記貸与消費額である貸与消費単位額と該貸与消費単位額に対応する消費税額とを合算した第1の合算値を特定可能な第1のデータを設定する第1の設定手段と、
前記遊技媒体1個あたりの前記貸与消費額である遊技媒体単価と該遊技媒体単価に対応する消費税額とを合算した第2の合算値を特定可能な第2のデータを設定する第2の設定手段と、
前記貸与処理による減算後の前記残額が前記第1の合算値以上と前記第1の合算値未満とのどちらであるかを判定する残額判定手段と、
該残額判定手段により減算後の残額が第1の合算値未満であると判定されたときに、前記第2のデータに基づいて、当該残額で貸与可能な遊技媒体の個数を特定する個数特定手段とを含み、
前記貸与処理手段は、前記残額判定手段により第1の合算値以上であると判定されたときに、前記貸与消費単位額に対応する遊技媒体の個数を示す第1の信号を前記貸与指示信号として1回もしくは複数回送信することにより予め定められた個数の遊技媒体を前記遊技機から貸与させ、前記第1のデータに基づいた前記減算をする第1の貸与処理を行ない、一方、前記残額判定手段により第1の合算値未満であると判定されたときに、第1の合算値未満の残額分について、前記個数特定手段により特定された遊技媒体の個数を示す第2の信号を前記貸与指示信号として送信することにより当該特定された個数の遊技媒体を前記遊技機から貸与させ、前記第2のデータに基づいた前記減算をする第2の貸与処理を行なうことを特徴とする、遊技用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−99510(P2010−99510A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24442(P2010−24442)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【分割の表示】特願2003−418515(P2003−418515)の分割
【原出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】