説明

遊技装置及び遊技場システム

【課題】 遊技装置のコネクタを変更することなく、外部出力信号を増設可能として、従来の情報と新たな遊技情報とを収集する。
【解決手段】 払い出し数の異なる複数種類のボーナス遊技を有するスロットマシン10からの外部出力信号にもとづいて遊技データを集計する遊技装置であって、外部出力信号は、ボーナス遊技状態を示す大当り信号をボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号としてスロットマシン10から出力されたものであり、遊技装置は、メダル払出信号又はメダル投入信号にもとづいて算出される、大当り信号が出力されている間のメダル払出数、差玉、ゲーム数のいずれか一以上を監視し、これらの値と所定の閾値とを比較してボーナス遊技の種類を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技情報を管理する遊技装置と、この遊技装置を備えた遊技場システムに関し、特に、遊技機と接続される遊技装置の接続端子(コネクタ)を変更することなく、従来の情報と新たな遊技情報を収集することができる遊技装置及び遊技場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技場に設置される遊技機としてスロットマシン(回胴式遊技機)が知られている。
スロットマシンは、遊技者が遊技媒体を投入してスタートレバーを操作することにより、所定の図柄を表示した複数(通常は3個)のリールが回転を開始し、各リールに対応した複数のストップボタンを任意のタイミングで押下することで回転停止装置が作動して回転するリールが停止し、停止したリールの図柄の配列に応じて所定数の遊技媒体が払い出されるという遊技機である。
【0003】
このスロットマシンにおいては、通常、遊技者にとって有利な特定遊技と、この特定遊技以外の遊技である通常遊技とが行われるようになっている。
特定遊技とは、内部抽せんの結果、所定の内容に当せんすると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することで特定遊技状態が開始し、通常遊技とは異なる制御で一回又は複数回のゲームが行われ、ある条件が成立することでその特定遊技状態が終了するというものである。
例えば、いわゆる「ボーナスゲーム」と呼ばれる、遊技者に有利な特定遊技状態が知られている。このボーナスゲームには、例えば、レギュラーボーナスゲーム(RB)やビッグボーナスゲーム(BB)などがある。
【0004】
ここで、レギュラーボーナスに入賞すると、出玉の上限値で規定されたボーナスゲームの制御が行われ、そのボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役や大量の払出のある所定の図柄配列が連続して揃うように抽せん及びリールの制御が行われ、例えば百枚以上の遊技媒体が払い出されるようになっている。
また、ビッグボーナスに入賞すると、出玉の上限値で規定されたボーナスゲームの制御が行われ、例えば、数百枚の大量の遊技媒体が払い出されるようにゲームが制御される。
【0005】
さらに、遊技者にとって有利な特定遊技としては、アシストタイム(AT)も広く知られている。
アシストタイムとは、指示された順番でストップボタンを操作したり、指示された図柄を目押しすることにより、小役が獲得できる遊技状態である。
アシストタイムを搭載したスロットマシンは、例えば、ビッグボーナスの終了後、所定の確率でアシストタイムに突入し、所定の終了条件(例えば、アシスト回数、ゲーム回数、遊技媒体獲得数など)にもとづいて終了する。このようなアシストタイムによれば、遊技媒体を徐々に獲得しながら、ゲームを消化できるので、次回のビッグボーナスに当せんする可能性が高められる。
このように、スロットマシンは、払い出し数の異なる複数種類の特定遊技(ボーナス遊技)を実行可能となっている。
【0006】
ところで、スロットマシンは、図15に示すように、台コンピュータ200などを介して、ホールコンピュータ400と呼ばれる管理装置に、所定の外部出力信号を送信する。この外部出力信号には、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、RB信号などがある。これらを入力することにより、ホールコンピュータ400は、各スロットマシン100ごとに遊技状態を解析し集計管理している。
また、特定遊技状態にアシストタイム状態(AT状態)を含むスロットマシンの中には、AT信号を出力するものがある(例えば、特許文献1参照。)。このAT信号を入力することにより、ホールコンピュータは、AT突入率やAT状態中のメダル払出数などを算出して、台ごとのAT状態を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−172192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スロットマシンから出力される外部出力信号には、次のような問題があった。
外部出力信号は、スロットマシンから出力されると、台コンピュータ、島コンピュータ、ホールコンピュータなどに代表される遊技装置で入力される。
これら遊技装置は、通常、接続端子(コネクタ)を備えており、信号線を介して送られてきた外部出力信号を、そのコネクタに配設された入力端子にて入力している。
ここで、これら信号線や入力端子の数は、従来の遊技装置においては、図15に示すように、四つであった。このため、従来のスロットマシンは、外部出力信号として四つの信号(メダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、RB信号)を送信していた。
【0009】
これに対し、特許文献1に記載の技術においては、それら四つの信号以外にAT信号などを新たな外部出力信号として送信していた。
ところが、同文献のように外部出力信号を増やすためには、遊技装置において、その外部出力信号と同数の入力端子を有するコネクタを取り付ける必要があった。そうすると、入力端子の数が増加してコストアップにつながるとともに、遊技機毎にコネクタを変更しなければならず手間がかかっていた。
また、コストアップを回避するために、コネクタを変更せずに、外部出力信号を増やすためには、従来送信していた外部出力信号のうち一以上の信号を減らすことが考えられる。そうすると、遊技装置で収拾するデータが減ってしまい遊技状態の集計管理に支障をきたすこととなっていた。
【0010】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、遊技装置のコネクタを変更することなく、外部出力信号を増設可能として、従来の情報と新たな遊技情報とを収集する遊技装置及び遊技場システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明の遊技装置は、払い出し数の異なる複数種類のボーナス遊技を有するスロットマシンからの外部出力信号にもとづいて遊技データを集計する遊技装置であって、外部出力信号は、ボーナス遊技状態を示す大当り信号をボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号としてスロットマシンから出力されたものであり、遊技装置は、メダル払出信号又はメダル投入信号にもとづいて算出される、大当り信号が出力されている間のメダル払出数、差玉、ゲーム数のいずれか一以上を監視し、これらの値と所定の閾値とを比較してボーナス遊技の種類を特定する構成としてある。
【0012】
また、本発明の遊技場システムは、払い出し数の異なる複数種類のボーナス遊技を有するスロットマシンと、このスロットマシンから出力された外部出力信号を入力して遊技データを集計する遊技装置とを備えた遊技場システムであって、スロットマシンは、ボーナス遊技状態を示す大当り信号をボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号として外部出力信号を出力し、遊技装置は、特許請求の範囲の請求項1〜4のいずれかに記載の遊技装置としてある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の遊技装置及び遊技場システムによれば、スロットマシンから出力される外部出力信号のうちボーナス遊技状態を示す大当り信号を、ボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号として出力可能としたので、従来のBB信号とRB信号を一の外部出力信号として出力することができる。これにより、遊技情報を減らすことなく、外部出力信号の数を減らすことができ、この分新たな信号を送信することができる。このため、遊技装置のコネクタを変更することなく、外部出力信号を増設可能として、従来の情報と新たな遊技情報とを収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態における遊技場システムの構成を示す概略図である。
【図2】スロットマシン、台コンピュータ、及び、外部出力信号の構成を示すブロック図である。
【図3】外部出力信号の他の構成を示すブロック図である。
【図4】外部出力信号のさらに他の構成を示すブロック図である。
【図5】台コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図6】ホールコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図7】台コンピュータにおける信号判定方法の実行手順を示すフローチャートである。
【図8】信号判定方法に関する信号等の経時変化を示す図であって、(a)は、BB+RB信号の波形図、(b)は、BBと判定されたことを示すパルス波の出力タイミングを示す波形図、(c)は、RBと判定されたことを示すパルス波の出力タイミングを示す波形図、(d)は、メダル払出枚数又は差枚数の推移と閾値との比較を示すグラフである。
【図9】閾値の自動設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】特賞出玉振分処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】閾値算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】閾値の自動設定処理を実行したときの算出結果の例示を示す図である。
【図13】閾値の自動設定処理を実行したときの他の算出結果の例示を示す図である。
【図14】ホールコンピュータにおける画面表示の例を示す図である。
【図15】従来の遊技場システム及び外部出力信号の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技装置及び遊技場システムの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
[遊技装置及び遊技場システム]
まず、本発明の遊技装置及び遊技場システムの実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の遊技場システムの構成を示す概略図である。
同図に示すように、遊技場システム1は、複数のスロットマシン10と、これらスロットマシン10毎に設けられた複数の台コンピュータ20と、スロットマシン10の島単位に設けられた複数の島コンピュータ30と、これら島コンピュータ30に接続されたホールコンピュータ40とを備えている。
【0017】
スロットマシン10は、パチスロ機とも呼ばれる遊技機であり、遊技場に複数設置されている。具体的には、スロットマシン10は、同図に示すように、複数のスロットマシン10が所定数単位でまとめられた、いわゆる「島」単位で設置されており、遊技場内に複数の遊技機島が並列されるようになっている。
このスロットマシン10は、通常のスロットマシンと同様の構成、機能を備えており、遊技媒体となるメダルを使用した遊技の内容や方法も既存のスロットマシン遊技機と同様のものとなっている。
【0018】
ただし、本実施形態のスロットマシン10は、外部出力信号(シリアル信号)の種類が、従来のスロットマシン(図15に示すスロットマシン)と異なる。
本実施形態のスロットマシン10は、図2に示すように、外部出力信号を生成する信号生成部11と、それら外部出力信号を遊技装置へ送信する通信部12とを備えている。
信号生成部11は、スロットマシン10の遊技媒体となるメダルの投入数を示すメダル投入信号と、入賞メダルの払出数を示すメダル払出信号と、ボーナス遊技状態を示すBB+RB信号の三つの状態信号を生成する。
これらのうち、BB+RB信号は、ビッグボーナス状態とレギュラーボーナス状態の二つのボーナス遊技状態を示す信号であって、それらボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号として生成され、スロットマシン10から出力されるものである。
【0019】
通信部12は、複数の外部出力端子13を有しており、これら外部出力端子13から遊技装置へ外部出力信号を送信する。
なお、通信部12の外部出力端子13と遊技装置の接続端子21との間には、信号線が接続されており、外部出力信号を通すようになっている。
【0020】
また、スロットマシン10の信号生成部11は、図3に示すように、メダル投入信号、メダル払出信号、BB+RB信号の他に、AT信号を新たな外部出力信号として生成し、外部出力端子13(同図においては、第四出力端子)は、そのAT信号を出力することができる。
AT信号は、アシストタイム状態の発生中に出力される信号である。
なお、新たな外部出力信号は、本実施形態においてはAT信号とするが、AT信号に限るものではなく、例えば、RT信号、ドア開信号、設定変更中信号などであってもよい。
【0021】
さらに、スロットマシン10の信号生成部11は、図4に示すように、メダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、AT信号、そしてRB信号の五つの外部出力信号生成し、外部出力端子13(同図においては、第一出力端子〜第五出力端子)は、それら五つの外部出力信号を出力することができる。
ただし、遊技装置の接続端子21では、入力可能な外部出力信号の数を四つとしている。このため、五つの外部出力信号を四つにして遊技装置へ送らなければならない。本実施形態においては、BB信号を送る信号線にリレー接点(図4のa)を設け、ここにRB信号を入力する。これにより、RB信号をBB信号に重畳し、BB+RB信号として、遊技装置の接続端子21(同図においては、第三入力端子)に入力することができる。よって、スロットマシン10から出力された五つの外部出力信号は、遊技装置では、四つの信号として入力される。
【0022】
このように、各スロットマシン10の外部出力端子11から出力される各種信号は、図2〜図4に示すように、対応する台コンピュータ20の接続端子21で入力され、さらに、島コンピュータ30を介してホールコンピュータ40に出力されるようになっている。
【0023】
なお、各スロットマシン10の上方あるいは側方には、データ表示機(呼び出しランプ、図示せず)を備えることができる。データ表示機は、大当りに入賞するなどした場合に遊技者に告知するために点灯又は点滅する発光装飾器具である。このデータ表示機は、大当り回数、ゲーム回数などを表示する機能も備えている。
【0024】
台コンピュータ20は、各スロットマシン10ごとに設けられた信号中継装置であって、図5に示すように、接続端子21を有する通信部22と、記憶部23と、判定部24と、表示抽出部25と、制御部26とを有している。
通信部22は、スロットマシン10や島コンピュータ30に接続されており、これらスロットマシン10や島コンピュータ30との間で所定の信号(データ)を送受信する。この送受信する信号には、外部出力信号や閾値などがある。
ここで、外部出力信号は、スロットマシン10から送られてくる信号であって、通信部22の接続端子21で受信される。
閾値とは、BB+RB信号の示すボーナス状態がBB又はRBのいずれであるかを判定するための設定値をいい、ホールコンピュータ40から送られてくるデータである。
【0025】
記憶部23は、通信部22で受信された所定のデータや、台コンピュータ20の有する各種機能を実行するためのプログラムを記憶する。この記憶部23が記憶する所定のデータとしては、例えば、外部出力信号の示す遊技情報や、その外部出力信号にもとづき算出された遊技情報、閾値などがある。
判定部24は、BB+RB信号の示すボーナス状態がBB又はRBのいずれであるかについて、閾値を用いて判定する。この判定の方法については、後記の「信号判定方法」で詳述する。
表示抽出部25は、データ表示機(図示せず)に表示させるデータを抽出し、データ表示機へ送る。この抽出するデータは、ホールコンピュータ40などで選択されたものである。
【0026】
制御部26は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶部23に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、台コンピュータ20の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、台コンピュータ20の有する各種機能を実行・制御する。
【0027】
島コンピュータ30は、遊技機10の島ごとに設けられており、台コンピュータ20から送られてきた信号を入力し、この信号に対して所定の処理を行い、ホールコンピュータ40の要求に応じて、その処理後の信号をホールコンピュータ40に送信する。
また、島コンピュータ30は、ホールコンピュータ40から送られてきた信号(例えば、閾値を示す信号など)を台コンピュータ20へ送ることができる。
【0028】
ホールコンピュータ(管理装置)40は、スロットマシン10からの外部出力信号を、台コンピュータ20及び島コンピュータ30を介して受信し、その集計を行うデータ集計用のコンピュータであり、通常、遊技場管理者が操作可能な場所、例えば、カウンタ奥の管理室等に設置されている。
このホールコンピュータ40は、図6に示すように、通信部41と、記憶部42と、入力操作部43と、出力表示部44と、制御部45とを有している。
通信部41は、島コンピュータ30に接続されており、所定の信号を送受信する。
【0029】
記憶部42は、例えば、ROM、RAM、HDDなどで構成することができ、所定のデータや、ホールコンピュータ40の有する各種機能を実行するためのプログラムを記憶する。この記憶部42が記憶する所定のデータとしては、例えば、BBやRBを判定するための閾値、各スロットマシン10の遊技に関する情報などがある。
入力操作部43は、例えば、キーボードやマウスなどで構成されており、遊技場の従業員等が操作することにより、所定のデータや指示、命令などを選択・入力できるようになっている。この入力操作部43を操作して入力されるデータには、BBかRBを判定する閾値などが含まれる。
【0030】
出力表示部44は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT(ブラウン管)、プラズマディスプレイなどで構成することができ、遊技ホール側の従業員等による入力操作部43での指示入力操作の内容にもとづいて、所定のデータを表示する。
制御部45は、例えば、CPUにより構成することができ、記憶部42に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、ホールコンピュータ40の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、ホールコンピュータ40の有する各種機能を実行・制御する。
また、制御部45は、閾値を自動設定することができる。この閾値の自動設定については、後記の「閾値の自動設定方法」にて詳述する。
さらに、制御部45は、各スロットマシン10からのメダル投入信号にもとづいて、当該スロットマシン10で行われるゲーム数をカウントすることもできる。
【0031】
なお、遊技場システム1には、遊技データ表示装置(図示せず)を備えることができる。遊技データ表示装置は、ハブ(図示せず)を介してホールコンピュータ40に接続されており、このホールコンピュータ40で集計・管理されている各スロットマシン10の遊技情報のうち、主に遊技者に有用となる情報等が随時閲覧可能に提供・表示される表示装置である。
この遊技データ表示装置は、情報を画面表示可能な液晶ディスプレイや操作パネル等を有しており、遊技者が操作可能な場所、例えば、遊技場の入り口近傍や、遊技機島の島端等に設置されている。
【0032】
また、遊技場システム1が導入された遊技場には、図1に示す各装置の他、例えば、遊技媒体の貸出機、遊技媒体の計数機、景品交換用POS端末などの各種機器や装置等を設置することができる。
さらに、遊技場によっては、スロットマシン10以外の遊技機として、例えば、パチンコ機等が設置されることもあり、そのような遊技場においても、図1に示したような本実施形態の遊技場管理装置のシステムを適用することができる。
なお、本実施形態においては、台コンピュータ20、島コンピュータ30、ホールコンピュータ40、その他遊技場システム1に接続可能な装置や機器を、「遊技装置」というものとする。
【0033】
[信号判定方法]
次に、本実施形態の遊技装置の動作(信号判定方法)について、図7、図8(a)〜(d)を参照して説明する。
図7は、台コンピュータにおける信号判定方法の実行手順を示すフローチャートである。図8(a)は、BB+RB信号の波形図である。図8(b)は、BBと判定されたことを示すパルス波の出力タイミングを示す波形図である。図8(c)は、RBと判定されたことを示すパルス波の出力タイミングを示す波形図である。図8(d)は、メダル払出枚数又は差枚数の推移と閾値との比較を示すグラフである。
【0034】
遊技装置である台コンピュータ20の記憶部23は、予め、BB又はRBを判定するための閾値を記憶する。この記憶により、閾値が設定される(図7のステップ10)。この閾値は、例えば、図8(d)に示すように、「200」などと設定することができる。
なお、閾値は、遊技場の管理者がホールコンピュータ40の入力操作部43にて手入力により入力することができる。この場合、閾値は、ホールコンピュータ40から台コンピュータ20へ送信され、記憶部23に記憶される。
また、閾値は、遊技装置が自動的に設定することもできる。自動で設定する方法については、後記の「閾値の自動設定方法」で詳述する。
【0035】
スロットマシン10の信号生成部11は、遊技の内容に応じて外部出力信号を生成する。本実施形態において、生成される外部出力信号は、図2に示すように、メダル投入信号と、メダル払出信号と、BB+RB信号が含まれている。通信部12は、外部出力端子13を介して、その外部出力信号を出力する。
台コンピュータ20の接続端子21は、信号線を介して、それら外部出力信号を入力する(ステップ11)。
【0036】
次いで、台コンピュータ20の判定部24は、BB+RB信号を監視し、大当り状態が開始したか否かを判断する(ステップ12)。この判断は、BB+RB信号がON又はOFFのいずれの状態であるかを判断することにより行われる(図8(a)参照)。
判断の結果、BB+RB信号がOFFであるとき(例えば、図8(a)の[1]の場合)は、大当り状態が開始していないものとする。この場合は、大当り状態が開始されるまで待機する。
一方、BB+RB信号がONになったとき(例えば、図8(a)の[2]の場合)は、大当り状態が開始したものと判断し、判定部24は、メダル払出信号にもとづいて、その大当り状態中の払出枚数(セーフ)をカウント(計数)する(ステップ13)。
【0037】
判定部24は、メダルの払出枚数をカウントするとともに、BB+RB信号を監視し、BB+RB信号がOFFになったか否か、つまり、その大当り状態が終了したか否かを判断する(ステップ14)。
判断の結果、BB+RB信号のON状態が続いており、大当り状態が終了していないときは、判定部24は、払出枚数のカウントを続行する(ステップ13)。
一方、BB+RB信号がOFFとなり、大当り状態が終了したとき(例えば、図8(a)の[3]に達したとき)は、判定部24は、メダルの払出枚数のカウントを終了する(ステップ15)。このように、払出枚数のカウントは、大当り状態が開始してから終了するまで行われる。つまり、BB+RB信号がON状態である期間(図8においては、[2]と[3]との間)に行われる。この間、カウント値は、図8(d)に示すように増加する。
【0038】
払出枚数のカウントを終了すると、判定部24は、記憶部23から閾値を取り出し、この閾値とカウントした払出枚数とを比較する(ステップ16)。
比較の結果、閾値よりも払出枚数の方が多いときは(ステップ17のYes)、その大当りはBBであると判定する(ステップ18)。
一方、閾値よりも払出枚数の方が少ないときは(ステップ17のNo)、その大当りはRBであると判定する(ステップ19)。
【0039】
図8(d)について見てみると、[2]〜[3]間でカウントした払出枚数は、閾値よりも多くなっている。このため、この大当り状態は、BBであると判定される。この場合、BBを示すパルス信号が出力される(同図(b))。
これに対し、[4]〜[5]間でカウントした払出枚数は、閾値よりも少なくなっている。このため、この大当り状態は、RBであると判定される。この場合、RBを示すパルス信号が出力される(同図(c))。
【0040】
このような処理によれば、BB信号とRB信号を一つの信号(BB+RB信号)として一つの信号線から入力した場合でも、遊技装置は、そのBB+RB信号の示す大当り状態がBB又はRBのいずれの状態であるかを判断することができる。
そして、BBとRBのそれぞれについて、発生回数や払出枚数などの遊技情報を従来通り集計管理することができる。
【0041】
なお、本実施形態の信号判定方法においては、払出枚数と閾値との比較を、大当り状態の終了後としているが(図7のステップ16)、大当り状態の終了後に限るものではなく、例えば、大当り状態の開始直後から払出枚数と閾値との比較を行うこともできる。この場合、払出枚数が増えるたびに閾値と比較し、その払出枚数が閾値を超えた時点で該大当り状態をBBと判定し、この時点でBBを示すパルス信号を出力する。一方、払出枚数が閾値を超えないまま大当り状態が終了したときは、該大当り状態をRBと判定し、この時点でRBを示すパルス信号を出力する。これにより、BB信号を早いタイミングで出力することができる。
【0042】
また、BBとRBの判定は、本実施形態においては、メダルの払出枚数を用いたが、払出枚数に限るものではなく、例えば、差枚数(差玉)やゲーム数などを用いることもできる。これらの場合も、閾値を設定し、BB+RB信号が出力されているとき(ONのとき)の差玉又はゲーム数をカウント(計数)し、このカウント値と閾値とを比較して、閾値との大小により、BB又はRBのいずれのボーナス遊技の種類であるかを判定することができる。
【0043】
(閾値の自動設定方法)
次に、閾値を自動で設定する方法について、図9〜図11を参照して説明する。
図9は、閾値の自動設定方法の全体の流れを示すフローチャートである。図10は、特賞出玉振分処理の手順を示すフローチャートである。図11は、閾値算出処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
(1)全体の流れ
ホールコンピュータ40の制御部45は、記憶部42から特賞出玉のデータを所定数取り出す(特賞出玉の取得、ステップ20)。この特賞出玉の例を、図12(a)に示す。
次いで、制御部45は、それら取り出した特賞出玉のデータを昇順でソートする(ソート処理、ステップ21)。このソートした特賞出玉のデータの例を、図12(b)に示す。
【0045】
続いて、制御部45は、特賞出玉の枚数ごとにデータ数をカウントする(ステップ22)。例えば、図12(c)に示すように、1枚から99枚までの特賞出玉のデータ数を0件、100枚のデータ数を1件、101枚のデータ数を1件、102枚のデータ数を5件、103枚から297枚までのデータ数を0件というように算出する。
そして、制御部45は、特賞出玉の件数を変数Y(X)で表し、この変数Y(X)にデータ数を与える。例えば、特賞出玉が1枚の場合は、Y(1)=0となる。また、特賞出玉が101枚の場合は、Y(101)=1となる。さらに、特賞出玉が102枚の場合は、Y(102)=5となる。
【0046】
そして、制御部45は、特賞出玉の最大枚数に1を加算し、この値を変数MAXに付与する(ステップ23)。図12(c)において、特賞出玉の最大枚数は、「302」である。このため、変数MAXに与えられる値は、302+1=303となる。
その後、制御部45は、特賞出玉振分処理(ステップ24)と、閾値算出処理(ステップ25)を実行する。これらの各処理については、後記の「(2)特賞出玉振分処理」、「(3)閾値算出処理」で詳述する。
【0047】
(2)特賞出玉振分処理
制御部45は、各変数に初期値を与える(ステップ30)。
具体的には、A=0、S=1、T=1、X=0、Z=0となる。
次いで、制御部45は、X=X+1を行う(ステップ31)。ここで、変数Xは、特賞出玉の枚数を示す。
続いて、制御部45は、Y(X)が0よりも大きいか否かを判断する(ステップ32)。この判断は、データ数が1以上となっている特賞出玉の枚数を、ソートされた順番(昇順)で検索するものである。具体的に、図12(c)においては、特賞出玉の枚数「1枚」から順番に検索し、データ数が1である特賞出玉の枚数「100枚」を抽出するものである。
【0048】
判断の結果、Y(X)が0よりも大きくない場合、つまり、Y(X)=0の場合(図12(c)においては、特賞出玉の枚数「1〜99枚」の場合)は、ステップ31以降の処理を実行する。
一方、Y(X)が0よりも大きい場合(図12(c)においては、特賞出玉の枚数「100枚」の場合)、制御部45は、次いで、A(S,T)にXの値を与える(ステップ33)。ここで、変数A(S,T)は、データ数が1以上の特賞出玉の枚数を示す。また、Sは、大当り状態のそれぞれに付される通し番号、Tは、一の大当たり状態における特賞出玉の枚数のそれぞれに付される通し番号を示す。具体的には、S=1、T=1、X=100であるので、A(S,T)=Xは、A(1,1)=100となる。
【0049】
続いて、制御部45は、T=T+1を実行する(ステップ34)。また、X=X+1を実行する(ステップ35)。
そして、制御部45は、Y(X)が0よりも大きいか否かを判断する(ステップ36)。
判断の結果、Y(X)が0よりも大きくない場合、つまり、Y(X)=0の場合は、Z=Z+1を実行し(ステップ37)、ステップ25以降の処理を実行する。ここで、変数Zは、データ数が0である特賞出玉の枚数が連続している数を示す。
【0050】
一方、Y(X)が0よりも大きい場合は、制御部45は、次いで、Zが30よりも大きいか否かを判断する(ステップ38)。この判断は、A(S,T)の算出が、次の大当り状態における特賞出玉に関するものか否かを判断するためのものである。
なお、Zと比較される値は、本実施形態においては、「30」としているが、「30」に限るものではなく、任意の数とすることができる。
【0051】
判断の結果、Zが30以上であるときは、S=S+1とT=1を実行し(ステップ39)、ステップ40へ移行する。
一方、Zが30未満であるときは、S=S+1及びT=1を実行せずにステップ40へ移行する。
次いで、制御部45は、A(S,T)にXの値を与える(ステップ40)。
そして、制御部45は、Z=0を算出する(ステップ41)。これは、Zをリセットするためである。
さらに、制御部45は、XがMAXよりも大きいか否かを判断する(ステップ42)。
判断の結果、Y(X)がMAXよりも大きい場合は、続いて閾値算出処理(ステップ25)を実行する。
一方、Y(X)が0よりも大きくない場合は、ステップ34以降の処理を実行する。
【0052】
この特賞出玉振分処理を実行した結果を、図12(d)に示す。
同図(a)〜(d)に示すように、制御部45は、閾値を自動的に算出するに際し、過去の特賞出玉の枚数を記憶部42から複数取り出し(同図(a))、これら複数の特賞出玉の枚数をソートし(同図(b))、特賞出玉の枚数ごとにデータ件数を求めてテーブル化し(同図(c))、このテーブル化された特賞出玉の枚数のうちデータ数が1以上のものを抽出し、それら抽出した特賞出玉の枚数のうち値の近いもの同士をまとめてグループ分けし、各グループごとにSの値を変えてA(S,T)に格納する(同図(d))。これにより、過去の特賞出玉の枚数を大当り状態ごとにまとめることができる。
なお、このように特賞出玉の枚数のグループ分けができるのは、ボーナス遊技ごとに出玉の上限値が規定されているからである。そして、このグループ分けにより、特賞出玉の枚数を大当りの種類ごとに振り分けることができる。
【0053】
(3)閾値算出処理
制御部45は、図11に示すように、各変数に初期値を与える(ステップ50)。
具体的には、S=1、T=1、U=1となる。
次いで、制御部45は、B(U)=B(U)+A(S,T)を行う(ステップ51)。ここで、変数B(U)は、大当り状態ごと(グループごと)の特賞出玉の枚数の和を示す。
続いて、制御部45は、T=T+1を行う(ステップ52)。
そして、制御部45は、A(S,T)が0と同じか否かを判断する(ステップ53)。この判断は、特賞出玉の枚数の和の算出を継続するか否かを判断するものである。
【0054】
判断の結果、A(S,T)が0ではない場合、つまり、A(S,T)が1以上の場合には、ステップ51以降の処理を実行する。
一方、A(S,T)が0と同じ場合は、制御部45は、次いで、C(U)=B(U)/(T−1)を実行する(ステップ54)。ここで、変数C(U)は、特賞出玉の枚数の和を、その特賞出玉の枚数の数で除算して得られた商、つまり、その大当り状態(そのグループ)における特賞出玉の枚数の平均値を示す。
【0055】
具体的に、図12(d)を例に算出すると、Uが1の場合(一つめの大当り状態の場合)、B(U)は、B(1)=100+101+102=303となる。また、Tは、ステップ54においては、4となる。そして、C(U)=B(U)/(T−1)は、C(U)=303/(4−1)=101となる。
さらに、Uが2の場合(二つめの大当り状態の場合)、B(U)は、B(2)=298+300+302=300となる。また、Tは、ステップ54においては、4となる。そして、C(U)=B(U)/(T−1)は、C(U)=303/(4−1)=101となる。
これらの算出結果を、図12(e)に示す。
【0056】
次いで、制御部45は、S=S+1、T=1、U=U+1を実行する(ステップ55)。
続いて、制御部45は、A(S,T)が0と同じか否かを判断する(ステップ56)。この判断は、次の大当り状態に関する特賞出玉の枚数のデータがあるか否かを判断するものである。
判断の結果、A(S,T)が0ではない場合、つまり、A(S,T)が1以上の場合は、ステップ51以降の処理を実行する。
一方、A(S,T)が0と同じである場合、制御部45は、V=V+1を実行する(ステップ57)。ここで、変数Vは、ステップ59の式「D=C(V)+C(V+1)」に用いるC(V)を特定する。
【0057】
そして、制御部45は、C(V+1)が0であるか否かを判断する(ステップ58)。これは、閾値をすべて算出したか否かを判断するものである。
判断の結果、C(V)が0であるときは、閾値算出処理を終了する。
一方、C(V)が0ではないときは、制御部45は、続いて、D=C(V)+C(V+1)を実行する(ステップ59)。ここで、変数Dは、一の大当り状態と次の大当り状態(一のグループと次のグループ)のそれぞれについて算出された特賞出玉の枚数の平均値の和を示す。
そして、制御部45は、E(V)=D/2を実行する(ステップ60)。ここで、変数E(V)は、閾値を示す。また、「E(V)=D/2」は、一のグループの特賞出玉の枚数の平均値と次のグループの特賞出玉の枚数の平均値とを加算して2で除算した商を閾値として算出するものである。
この閾値E(V)を算出すると、ステップ57以降の処理を実行する。
【0058】
具体的に、図12(e)を例に算出すると、大当り状態ごとの特賞出玉の枚数の平均値は、C(1)=101、C(2)=300である。この場合、Dは、101+300=401となる。そして、閾値E(1)は、E(1)=401/2=200.5となる(同図(f))。
【0059】
なお、本実施形態の「信号判定方法」は、ボーナス遊技がBBとRBの二種類あることを前提としているが、ボーナス遊技は、それら二種類に限るものではなく、いわゆるミドルボーナスなどを含む三種類以上とすることもできる。
ボーナス遊技の種類がBB、RB、ミドルボーナスの三種類の場合、閾値は、BBとミドルボーナスとの間と、ミドルボーナスとRBとの間に、それぞれ設定される。
【0060】
具体的に、ボーナス遊技(グループ)が三種類の場合について、図11のステップ57〜ステップ60の処理は、次のように実行される。
前提として、各グループごとの特賞出玉の枚数の平均値は、ステップ54の処理により、次のように算出されたものとする。
C(1)=100
C(2)=200
C(3)=300
【0061】
ここで、ステップ50ではV=0が設定されているので、ステップ57を最初に処理すると、V=V+1=0+1=1となる。
ステップ58では、C(V+1)=C(1+1)=C(2)=200となり、0ではないので、ステップ59に進む。
ステップ59では、D=C(V)+C(V+1)=C(1)+C(2)=100+200=300となる。
ステップ60では、E(V)=D/2=300/150となり、グループC(1)とグループC(2)との間の閾値(一つ目の閾値)が算出される。
【0062】
次いで、ステップ57では、V=V+1=1+1=2となる。
ステップ58では、C(V+1)=C(2+1)=C(3)=300となり、0ではないので、ステップ59に進む。
ステップ59では、D=C(V)+C(V+1)=C(2)+C(3)=200+300=500となる。
ステップ60では、E(V)=D/2=500/250となり、グループC(2)とグループC(3)との間の閾値(二つ目の閾値)が算出される。
【0063】
続いて、ステップ57では、V=V+1=2+1=3となる。
ステップ58では、C(V+1)=C(3+1)=C(4)=0となり、閾値算出処理が終了する。
このように、グループが三つある場合は、閾値が二つ算出される。また、グループが四つある場合は、閾値が三つ算出される。さらに、グループが五つある場合は、閾値が四つ算出される。つまり、ボーナス遊技(グループ)が三種類以上ある場合には、各グループ間において、それぞれ閾値が算出される。
【0064】
また、本実施形態の「信号判定方法」においては、特賞出玉の枚数を用いて、閾値を自動算出したが、特賞出玉の枚数に限るものではなく、例えば、特賞遊技回数を用いて閾値を自動算出することもできる。
図13を参照して説明すると、制御部45は、記憶部42から特賞遊技回数を示すデータを取得し(同図(a))、その取得した特賞遊技回数のデータを昇順でソートし(同図(b))、ソートしたデータを特賞遊技回数ごとに分け、それら特賞遊技回数ごとにデータの発生件数を求める(同図(c))。なお、特賞遊技回数は、BB・RB信号中と所定枚数の投入信号でカウントする。
【0065】
次いで、制御部45は、データ数が1以上の特賞遊技回数を抽出する(同図(d))。ここで、特賞遊技回数を1ずつインクリメントしていったときに「0回」が連続している回数が所定数以上(例えば、5件以上)続いていると、ここで大当り状態がRBからBBに変わったものと判定する。これは、特賞遊技回数が、大当り状態ごとに、ほぼ同じに近い値になり、前後5回以上の差はないからである。
次いで、制御部45は、抽出した特賞遊技回数を大当り状態ごとに加算して和を求め、さらに、その和を1以上の特賞遊技回数の発生回数で除算して、大当り状態ごとの特賞遊技回数の平均値を算出する(同図(e))。
そして、それら算出した平均値を加算して2で除算した商を求め、この商を閾値とする(同図(f))。
このような処理によれば、特賞遊技回数を用いることで、閾値を自動的に算出し設定することができる。
なお、ホールコンピュータ40の制御部45は、閾値を自動的に算出することから、「閾値算出手段」としての機能を有している。
【0066】
以上説明したように、本実施形態の遊技装置及び遊技場システムによれば、BBとRB(その他にも、ミドルボーナスもある)などの複数のボーナス遊技を有するスロットマシンにおいて、これらのボーナス遊技状態を示す、BB信号とRB信号さらにはミドルボーナス信号(仮称)が混合した大当り信号と、この間に出力されるメダル払出信号(払出枚数又は差玉:セーフ−アウトも含む)、又はメダル投入信号(スタートレバー操作のタイミングで投入数分のパルス信号を出力する信号で、ゲーム回数を表す)とにより、各ボーナス遊技の種類を判定することができる。
【0067】
これにより、BB信号とRB信号を一つの信号として、一つの信号線から出力させることができる。よって、台コンピュータでは、そのBB信号+RB信号が入力されているときのメダルの払出枚数のみを計数させることが可能となり、信号線の使用を削減できる。
このため、遊技装置のコネクタを変更することなく、外部出力信号の増設が可能となり、従来の情報と新たな遊技情報とを収集することができる。
【0068】
以上、本発明の遊技装置及び遊技場システムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技装置及び遊技場システムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、データ表示機が遊技データを表示する場合、BB又はRBの回数を加算表示するのではなく、ATの回数を加算して表示させることができる。また、BBは非表示で、RBとATの回数を表示させることもできる。さらに、データ表示機が液晶の場合には、BB、RB、ATすべてを表示するようにしてもよい。
【0069】
また、BB、RB、ATに関する遊技データは、データ表示機や遊技データ表示装置などの表示装置に表示させることができる。そして、これら表示装置に表示させる遊技データとしてBBと何を表示させるかを選択可能な表示選択手段を、台コンピュータ、ホールコンピュータ、データ表示機などに設けることができる。
さらに、データ表示機で表示されている遊技情報をホールコンピュータでも表示させることができる。この場合、そのホールコンピュータの画面上には、図14に示すように、データ表示機に表示させている遊技情報に「※」などの印を付けることができる。このようにすれば、データ表示機の表示内容がホールコンピュータの画面上で把握できるので、データ表示機のところまでわざわざ行かなくてもよくなる。
そして、データ表示機の表示内容(RB又はATを表示するか否か等)については、機種単位で設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、スロットマシンから出力される外部出力信号に関する発明であるため、信号を出力する装置や機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 遊技場システム
10 スロットマシン(遊技機)
20 台コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
払い出し数の異なる複数種類のボーナス遊技を有するスロットマシンからの外部出力信号にもとづいて遊技データを集計する遊技装置であって、
前記外部出力信号は、ボーナス遊技状態を示す大当り信号をボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号としてスロットマシンから出力されたものであり、
前記遊技装置は、メダル払出信号又はメダル投入信号にもとづいて算出される、大当り信号が出力されている間のメダル払出数、差玉、ゲーム数のいずれか一以上を監視し、これらの値と所定の閾値とを比較してボーナス遊技の種類を特定する
ことを特徴とする遊技装置。
【請求項2】
前記遊技装置が、前記閾値を入力する手段を有した
ことを特徴とする請求項1記載の遊技装置。
【請求項3】
前記遊技装置が、過去の遊技情報にもとづいて前記閾値を算出する閾値算出手段を有した
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技装置。
【請求項4】
前記閾値算出手段が、過去の特賞出玉数又は過去の特賞遊技回数を前記過去の遊技情報として記憶部から複数取り出し、前記複数の特賞出玉数又は特賞遊技回数のうち値の近いもの同士を一のグループとしてまとめてグループ分けし、各グループごとに平均値を算出し、一のグループの平均値と次のグループの平均値とを加算して2で除算した商を前記閾値とする
ことを特徴とする請求項3記載の遊技装置。
【請求項5】
払い出し数の異なる複数種類のボーナス遊技を有するスロットマシンと、このスロットマシンから出力された外部出力信号を入力して遊技データを集計する遊技装置とを備えた遊技場システムであって、
前記スロットマシンは、ボーナス遊技状態を示す大当り信号をボーナス遊技の種類を区別することなく一のシリアル信号として前記外部出力信号を出力し、
前記遊技装置は、前記請求項1〜4のいずれかに記載の遊技装置である
ことを特徴とする遊技場システム。
【請求項6】
前記遊技データを表示する表示装置を備え、
前記遊技装置は、前記シリアル信号にもとづいてボーナス遊技の種類ごとに集計された遊技データのうち、いずれのボーナス遊技の遊技データを前記表示装置に表示させるかを選択する表示選択手段を有し、
前記表示装置は、前記表示選択手段で選択された遊技データを表示する
ことを特徴とする請求項5記載の遊技場システム。
【請求項7】
前記遊技装置は、少なくとも四つの入力端子を備え、
前記スロットマシンは、前記シリアル信号とメダル投入信号とメダル払出信号とその他の信号とを前記外部出力信号として出力する出力端子を備え、各前記信号を前記遊技装置の入力端子に送信する
ことを特徴とする請求項5又は6記載の遊技場システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−139833(P2011−139833A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2925(P2010−2925)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】