説明

運動エネルギー生産装置

【課題】本発明は、外部の起動エネルギーをかりずに、それほど大きくない衝撃力の水流を用いるだけで、回転動作を行って電気エネルギーを持続的に生み出すことが可能な運動エネルギー生産装置を提供する。
【解決手段】回転メカニズムと、前記回転メカニズムに連結される増速機と、前記増速機に連結される発電素子とからなる。前記回転メカニズムには、中心軸と、前記中心軸を取り囲む外縁領域とが設けられる。前記外縁領域内には、放射線状に間隔を空けて並べられた複数の仕切り板が設けられ、前記仕切り板は、上に傾斜するように外側から内側に向かって設けられる。前記仕切り板は、その数量を増減させることにより、間隔の調整が行われ、それにより、異なる容積の複数の収容領域が形成される。前記回転メカニズムの中心軸は、増速機に枢設され、さらに、増速機を介して、発電素子に枢設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動エネルギー生産装置に関し、特に外部の起動エネルギーがなくても回転動作を行い、電気エネルギーを生み続けることができる運動エネルギー生産装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地球のエネルギーは使われ続けており、温暖化現象が日増しに深刻になっているとともに、エネルギーも日々枯渇していっている。それに対応するために、各国はいずれも、自然を生かして電気エネルギーを生産する努力をしている。現在の発電方式には、火力、水力、風力、原子力等がある。火力発電に関して言うと、石油の燃焼を発電の基礎とするため、地球の資源と関係あるだけでなく、燃焼とも関係があり、温暖化現象の元凶になっている。
【0003】
水力発電に関して言うと、ダムを建設する必要があり、しかも、その発電機モジュールは複数からなり、使用する際は、一定の衝撃力をもつ水流を利用して発電機モジュールを回転させることで、連動した発電機が電気エネルギーを生産する。このため、コストが高くつくだけでなく、発電機を設置する適切な場所を探すのが大変であり、あまり広まっていない。
【0004】
風力発電に関して言うと、高いタワーを建てる必要があり、タワーの頂端に大型のブレードを設けなければならない。使用する際は、一定の風力によってブレードを動かし、その回転に連動した発電機により電気エネルギーが生じる。この方法は、コストが高く、しかも、ずっと風が吹く地域に設置しなければならず、風力が小さい地域では使用することができない。
【0005】
原子力発電に関して言うと、きれいにするのが難しいエネルギーであり、その安全性と地球に対する汚染に関し、環境保護の観点から、有識者から疑問視され、議論されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、従来の技術に存在する欠点を解決するために、本発明は、外部の起動エネルギーをかりずに、それほど大きくない衝撃力の水流を用いるだけで、回転動作を行って電気エネルギーを持続的に生み出すことが可能な運動エネルギー生産装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による運動エネルギー生産装置は、回転メカニズムと、前記回転メカニズムに連結される増速機と、前記増速機に連結される発電素子とからなる。前記回転メカニズムには、中心軸と、前記中心軸を取り囲む外縁領域とが設けられる。前記外縁領域内には、放射線状に間隔を空けて並べられた複数の仕切り板が設けられ、前記仕切り板は、上に傾斜するように外側から内側に向かって設けられる。前記仕切り板は、その数量を増減させることにより、間隔の調整が行われ、それにより、異なる容積の複数の収容領域が形成される。前記回転メカニズムの中心軸は、増速機に枢設され、さらに、増速機を介して、発電素子に枢設される。
【0008】
前記運動エネルギー生産装置の回転メカニズムは、タワーに設けられる。
【0009】
前記前記回転メカニズムの中心軸の軸受台は、回転メカニズムを前記中心軸を支点にして回転させるために、タワーに固定される。
【0010】
前記運動エネルギー生産装置の回転メカニズムの外縁領域は、垂直部と水平部とからなる。
【0011】
前記運動エネルギー生産装置の増速機と発電素子の間には、回転をさらにスムーズにするために、それぞれ、ユニバーサルジョイントに連結される。
【0012】
前記運動エネルギー生産装置の回転メカニズムと、回転メカニズムに連結される増速機及び発電素子及びタワーは、複数個、上下に重ねて設けられる。
【0013】
前記運動エネルギー生産装置の上、下に重ねられた複数の前記回転メカニズムと、回転メカニズムに連結される増速機及び発電素子及びタワーの外側には、管体が設けられるとともに、底層には、水槽が設けられ、管体は、底層の水槽に連結されて、前記管体の頂縁は最上層の回転メカニズムに配置され、吸い上げポンプにより、底層の水槽の水が、最上層まで吸い上げられる。
【0014】
本発明には、タワーに配置される回転メカニズムが設けられ、前記回転メカニズムには、中心軸と、前記中心軸を取り囲むとともに、垂直部と水平部とからなるU字状の外縁領域が設けられる。前記外縁領域には、放射線状に間隔を空けて並べられた複数の仕切り板が設けられ、前記仕切り板は、上に傾斜するように外側から内側に向かって設けられ、それにより、複数の収容領域を形成する。前記回転メカニズムの中心軸は、増速機後に枢設され、さらに、増速機を介して発電素子に連結される。以上の構造により、回転メカニズムを水流の下方に配置し、回転メカニズムの各収容領域によって水の重量を受けた後、水の重さにより回転メカニズムが固定された方向へ回転し、それに増速機が連動し、増速機によって速度が増した後、発電素子の軸心が連動して、電気エネルギーが生じる。
【0015】
本発明の回転メカニズムと増速機の間、及び、増速機と発電素子の間には、回転をさらにスムーズにするために、それぞれ、ユニバーサルジョイントに連結される。
【発明の効果】
【0016】
本発明には、運動エネルギーの生産に外部の起動エネルギーをかりる必要がなく、それほど大きくない衝撃力の水流を用いるだけで、回転を行って持続的に電気エネルギーを生み出すことができるという有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】本発明の断面図である。
【図3】本発明の動作を示した説明図である。
【図4】本発明の動作を示した説明図である。
【図5】本発明の回転メカニズムの別の実施例を示した説明図である。
【図6】本発明の実施例2を示した概略図である。
【図7】本発明の実施例3を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
図1と図2を参照する。図1と図2は、本発明の斜視図と断面図である。図に示すように、本発明は、回転メカニズム1と、回転メカニズム1に連結される増速機2と、増速機2に連結される発電素子3と、をからなる。その内、回転メカニズム1は、タワー4に取り付けられる。回転メカニズム1には、中心軸11と、中心軸11を取り囲む外縁領域12とが設けられ、中心軸11の軸受台をタワー4に固定することにより、回転メカニズム1は、中心軸11を支点にして回転する。外縁領域12は、垂直部121、水平部122からなりU字状を形成する。外縁領域12内には、放射線状に間隔を空けて並べられた複数の仕切り板13が設けられる。仕切り板13は、上に傾斜するように外側から内側に向かって設けられることにより複数の収容領域14を形成する。本実施例において、収容領域14と中心軸11の間隔Xは、必要に応じて変更することで、異なる長さのモーメントアームを形成し、回転メカニズム1の回転速度を変えることができる。
【0019】
回転メカニズム1の中心軸11は、増速機2に枢設され、増速機2は、ユニバーサルジョイント31に枢設され、ユニバーサルジョイント31を介して発電素子3(発電機)に連結される。
【0020】
前述の構成部材を組み合わせてなる運動エネルギー生産装置は、回転メカニズム1を水流の下方に配置し、回転メカニズム1の各収容領域14によって水の重量を受けた後、水の重さにより回転メカニズム1が固定された方向へ回転し、それに増速機2が連動し、増速機2によって速度が増した後、発電素子3の軸心が連動して、電気エネルギーが生じ、各種電気機器に電力を供給することができる。
【0021】
図3と図4を参照する。図3と図4は、本発明の動作を示した説明図である。図に示すように、本発明を使用する時は、回転メカニズム1を水流の下方(例えば、川や渓流等の垂直落下する場所)に配置することで、水流は回転メカニズム1の各収容領域14に流れ落ち、それにより、各収容領域14が水の重量を受けた後、水の重さで下に移動し、回転メカニズム1が中心軸11を支点として、固定された方向に回転し、さらには、増速機2が連動し、増速機2によって速度が増した後、発電素子3の軸心が連動して、電気エネルギーが生じ、各種電気機器の電源に電力を供給することができる。なお、回転メカニズム1と増速機2の間、増速機2と発電素子3の間は、ユニバーサルジョイント31によって相互に連結させるため、回転がスムーズになる。
【0022】
図2に示すように、本発明の回転メカニズム1の収容領域14と中心軸11の間隔Xは、異なるニーズに合わせて変更することができ、それにより、異なる長さのモーメントアームを形成させることができる。例えば、設置する空間を大きくすることで、本発明は、収容領域14の幅を広くすることができ、それにより、回転メカニズム1が動作する際の力を節約することができ、ひいては、回転メカニズム1が回転する速度が更に速くなり、エネルギー生産の効率も自然と高くなる。
【0023】
図5を参照する。図5は、本発明の回転メカニズムの別の実施例を示した説明図である。図に示すように、本発明の回転メカニズム1の外縁領域12に放射線状に間隔を空けて並べられた複数の仕切り板13は、需要に合わせてその数量を増やすことができ、それにより、相対的に、その収容領域14も増やすことができる(本実施例では、図2内の仕切り板13を二倍に増やすことで、収容領域14の数量も二倍に増やしている)。それにより、回転メカニズム1を回転させる時、中心軸11水平線或いは水平線上、下方に位置する収容領域14の数量を増加させることができるため、停留する水の量も増加し、ひいては、回転メカニズム1の回転速度も速くすることができ、発電効率を高めることができる。
【0024】
(実施例2)
図6と図1を併せて参照する。図6は、本発明の実施例2を示した概略図である。図に示すように、本発明は、複数の運動エネルギー生産装置を上下に重ねて配置することで、同様に、複数の増速機2と発電素子3を設けることができる。水流が下に流れてきた時、上から下へと流れることで、各回転メカニズム1が連続して連動し、それに各増速機2と発電素子3が連動する。それにより、複数の発電素子3から生産される電気エネルギーが連結されて、大きなパワーの出力を形成させることができる。
【0025】
(実施例3)
図7を参照する。図7は、本発明の実施例3を示した概略図である。図5の上下に重ねた運動エネルギー生産装置の外側には、底層の水槽5に連結される管体6が設けられる。管体6の頂縁が運動エネルギー生産装置の最上層に配置することにより、吸い上げポンプ7を用いて、底層水槽5の水を最上層まで吸い上げることができる。それにより、回転動作を持続的に行うための動力源にすることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 回転メカニズム
11 中心軸
12 外縁領域
121 垂直部
122 水平部
13 仕切り板
14 収容領域
2 増速機
3 発電素子
31 ユニバーサルジョイント
4 タワー
5 水槽
6 管体
7 吸い上げポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転メカニズムと、前記回転メカニズムに連結される増速機と、前記増速機に連結される発電素子とからなる運動エネルギー生産装置であって、
前記回転メカニズムには、中心軸と、前記中心軸を取り囲む外縁領域とが設けられ、
前記外縁領域内には、放射線状に間隔を空けて並べられた複数の仕切り板が設けられ、前記仕切り板は、上に傾斜するように外側から内側に向かって設けられ、
前記仕切り板は、その数量を増減させることにより、間隔の調整が行われ、それにより、異なる容積の複数の収容領域が形成され、
前記回転メカニズムの中心軸は、増速機に枢設され、さらに、増速機を介して、発電素子に枢設されることを特徴とする、運動エネルギー生産装置。
【請求項2】
前記回転メカニズムは、タワーに設けられることを特徴とする、請求項1に記載の運動エネルギー生産装置。
【請求項3】
前記回転メカニズムの中心軸の軸受台は、回転メカニズムを前記中心軸を支点にして回転させるために、タワーに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の運動エネルギー生産装置。
【請求項4】
前記回転メカニズムの外縁領域は、垂直部と水平部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の運動エネルギー生産装置。
【請求項5】
前記増速機と発電素子の間には、回転をさらにスムーズにするために、それぞれ、ユニバーサルジョイントが連結されることを特徴とする、請求項1に記載の運動エネルギー生産装置。
【請求項6】
前記回転メカニズムと、回転メカニズムに連結される増速機及び発電素子及びタワーは、複数個、上下に重ねて設けられることを特徴とする、請求項1、または、請求項2に記載の運動エネルギー生産装置。
【請求項7】
前記上、下に重ねられた複数の前記回転メカニズムと、回転メカニズムに連結される増速機及び発電素子及びタワーの外側には、管体が設けられるとともに、底層には、水槽が設けられ、管体は、底層の水槽に連結されて、前記管体の頂縁は最上層の回転メカニズムに配置され、吸い上げポンプにより、底層の水槽の水が、最上層まで吸い上げられることを特徴とする、請求項6に記載の運動エネルギー生産装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−515211(P2013−515211A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556368(P2012−556368)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000250
【国際公開番号】WO2012/106835
【国際公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【出願人】(507380849)
【Fターム(参考)】