説明

過電流防止機能付き電源コンセント

【課題】内部短絡による過電流が流れることを防止し、一方、ごみ集積等に起因した微弱電流が流れることによる発熱を事前に早期検出することを可能とする。
【解決手段】コンセント口5a−5cと、コンセント端子7と、を備え、上記コンセント端子7とコンセント口5a−5cとの間の電流路21を流れる電流検出部15と、駆動信号に応答して上記電流路を遮断する電流路遮断部17と、コンセント口近傍の温度を検出する温度センサ9a−9cとを具備し、マイコン13により、電流検出部15の検出出力から過電流が流れたかを判断して上記電流路遮断部17を制御して電流路21を遮断制御し、温度センサ9a−9cの検出出力からコンセント口近傍温度が規定温度を超えたかを判断して電流路遮断部17を制御して電流路21を遮断側に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流防止機能付き電源コンセントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビ、パソコン、ビデオ機器、エアコン、等の各種の電気機器では、そのACプラグを電源コンセントに差込んで、電気機器の電源スイッチをONにして電気機器に電源を供給する一方、その電源スイッチをOFFにしてその電源の供給を停止する。このような電気機器に対する電源の供給および供給停止を遠隔位置から無線で自動的に行うことができる技術も幾つか提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−117539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、電源コンセントが複数配置されているオフィス等において、各電源コンセントそれぞれに複数の電気機器が差し込まれている場合、電気機器の電源スイッチの操作により電源の供給遮断操作が例えば上記のように便利に行われても、電気機器プラグの一対の端子が電源コンセントの一対のコンセント口に差し込まれた状態で放置されている機会が多くなっている。もちろん、電源コンセント未使用の状態で長期に放置されている場合もある。
【0005】
このような電源コンセントが上記放置とは無関係に故障等により内部短絡した場合では、一挙に短絡電流が流れて発熱を起こし安全でなくなるので、このような短絡防止を図った電源コンセントはこれまでにも多数提案されている。
【0006】
一方、上記短絡ではなく、上記放置等により一対のコンセント口間の絶縁樹脂製コンセント表面へのごみ集積の問題がある。こうしたごみ集積があっても、一対のコンセント口間のコンセント表面は距離が長く、電気的に十分に絶縁状態となっているので、その絶縁は確保され、上記機会が増加しても安全は保たれている。
【0007】
しかしながら、そのごみ堆積が過剰になってくるような場合、ごみ内部の不純物が、電流が流れ易い導体状態となりやすい。このような導体状態となって放置されていると、一対のコンセント口間のコンセント表面の電気絶縁状態は低くなり、微弱な電流が流れ、そのごみ集積箇所が発熱してくるようになる。
【0008】
本発明においては、内部短絡で短絡電流が過電流として一挙に流れて発熱して可燃することを効果的に防止する一方で、ごみ集積等で上記のような微弱電流による発熱がある場合、そのことを事前に早期検出して可燃する以前に防止可能とした電源コンセントを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による電源コンセントは、コンセント端子と、コンセント口と、上記コンセント端子とコンセント口との間の電流路を流れる電流の検出部と、駆動信号に応答して上記電流路を遮断する電流路遮断部と、コンセント口近傍の温度を検出する温度センサと、を具備してなり、マイコンにより、上記電流検出部の検出出力から過電流が流れたと判断したときは上記電流路遮断部により上記電流路を接続側から遮断側に制御し、また、上記温度センサの検出出力からコンセント口近傍温度が規定温度を超えたと判断したときは上記電流路遮断部により上記電流路を遮断側に制御するようになっていることを特徴とする。
【0010】
コンセント口は1つでも複数でも含む。
【0011】
以上において、本発明の電源コンセントによれば、電流路に過電流が流れているとき、およびコンセント口近傍温度が規定温度を超えたときは、電流路が接続側から遮断側に制御されるので、電源コンセントが例えば内部短絡して過電流が流れるような場合、一挙に短絡電流が流れて発熱を起こすようなことがなく安全である一方、上記短絡ではなく、一対のコンセント口間の絶縁樹脂製コンセント表面にごみが集積されてこのごみに流れる電流でコンセント口近傍温度が規定温度を超えるような場合も、電流路が接続側から遮断側に制御され、これにより、上記ごみ集積があっても、電源コンセント使用上の安全性を保つことができるようになる。
【0012】
なお、上記規定電流は、コンセント口のごみ集積等で流れる電流により発熱し、その発熱による温度が例えば発火する温度より低い温度となる電流であり、この規定電流の設定により電源コンセントがごみ集積等で発火することを事前に防止する。
【0013】
また、好ましくは、電源コンセントにコンセント口近傍温度が規定温度を超える以前に、上記規定温度を超える状態近くにごみが集積されていることを表示することである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、内部短絡で短絡電流が過電流として一挙に流れて発熱して可燃することが防止され、一方、ごみ集積等に起因した微弱電流が流れることによる発熱を事前に早期検出して可燃を事前に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施形態に係る電源コンセントの外観の概略構成を示す図である。
【図2】図2は図1の電源コンセントの内部ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る電源コンセントを説明する。図1に本発明の実施形態に係る電源コンセントの外観の概略構成、図2に電源コンセントの内部ブロックをそれぞれ示す。
【0017】
図1を参照して、電源コンセント1は、矩形形状のケーシング3に複数のコンセント口5a−5cと、コンセント端子7とを備える。実施形態ではコンセント口は3つであるが、1つでもよい。ケーシング3の表面におけるコンセント口5a−5c近傍に温度センサ9a−9cが設けられ、また、側面に、警告表示部11が設けられている。
【0018】
図2を参照して、電源コンセント1は、上記温度センサ9a−9cに加えて、マイコン13、電流検出部15、電流路遮断部17、AC/DC電源19を有する。
【0019】
電流検出部15は、例えば抵抗とこれに並列接続した電圧計とで構成されており、抵抗両端間の電圧を電圧計で計測し、その計測電圧を各コンセント口5a−5cとコンセント端子7とを接続する電流路21を流れる電流の検出出力としてマイコン13に入力するようになっている。マイコン13ではこの検出出力から、電流路21に規定電流を超えた過電流が流れているか否かを判断する。電流路21に過電流が流れていると判断した場合、マイコン13は電流路遮断部17を制御して電流路21を接続側から遮断側に制御する。電流路遮断部17は例えばマイコン13により通電制御されるリレーコイルと、電流路21間にモータリレー接点とを含み、マイコン13はリレーコイルへの通電制御でリレー接点をオンオフすることで電流路21の接続と遮断とを行う。
【0020】
また、マイコン13は、温度センサ9a−9cからの検出出力に基づいて、コンセント口5a−5c近傍温度が規定温度を超えたか否かを判断する。マイコン13は、コンセント口5a−5c近傍温度が規定温度を超えたと判断すると、電流路遮断部17を制御して電流路21を接続側から遮断側に制御する。一方、マイコン13は、警告表示部11上に、コンセント口5a−5c近傍温度を表示するようにし、コンセント口5a−5c近傍温度が規定温度を超えたと判断した場合、警告表示を行う。
【0021】
以上説明したように本実施形態では、電流路に過電流が流れているとき、およびコンセント口近傍温度が規定温度を超えたときは、電流路が接続側から遮断側に制御されるので、電源コンセントが例えば内部短絡して過電流が流れるような場合、一挙に短絡電流が流れて発熱を起こすようなことがなく安全である一方、上記短絡ではなく、一対のコンセント口間の絶縁樹脂製コンセント表面にごみが集積されてこのごみに流れる電流でコンセント口近傍温度が規定温度を超えるような場合も、電流路が接続側から遮断側に制御され、これにより、上記ごみ集積があっても、電源コンセント使用上の安全性を保つことができるようになる。
【0022】
なお、温度センサ9a−9cは、通常のセンサでよいが、例えば検出出力を無線で送信できるセンサであってもよい。この場合は、マイコン13側では無線で送信される検出出力を受信できる無線機を内蔵する必要がある。
【符号の説明】
【0023】
1 電源コンセント
3 ケーシング
5a−5c コンセント口
7 コンセント端子
9a−9c 温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンセント端子と、コンセント口と、上記コンセント端子とコンセント口との間の電流路を流れる電流の検出部と、駆動信号に応答して上記電流路を遮断する電流路遮断部と、コンセント口近傍の温度を検出する温度センサと、を具備してなり、マイコンにより、上記電流検出部の検出出力から過電流が流れたと判断したときは上記電流路遮断部により上記電流路を接続側から遮断側に制御し、また、上記温度センサの検出出力からコンセント口近傍温度が規定温度を超えたと判断したときは上記電流路遮断部により上記電流路を遮断側に制御するようになっている、ことを特徴とする電源コンセント。
【請求項2】
コンセント口近傍温度を表示すると共に、その温度が所定温度を超えたときに警告表示する表示部をケーシングに備えた、請求項1に記載の電源コンセント。

【図1】
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【図2】
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