道路の排水構造とこれに用いる埋設側溝
【課題】 排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水でき、排水層の目詰まりを有効に防止できる道路の排水構造を提供する。
【解決手段】 内部に排水路4を有する不透水性材料よりなる暗渠部材1の上面に排水性舗装9の排水層14が敷設され、この排水層14に浸透した水分を暗渠部材1の排水路4に導くようにした、排水性舗装が施された道路の排水構造において、排水層14に浸透した水分を下方に排水する排水溝6を暗渠部材1の上面に形成し、その排水溝6の底部から排水路4に連通しかつ当該排水溝6に充満した水分によって排水層14に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路5を、暗渠部材1の内部に形成する。
【解決手段】 内部に排水路4を有する不透水性材料よりなる暗渠部材1の上面に排水性舗装9の排水層14が敷設され、この排水層14に浸透した水分を暗渠部材1の排水路4に導くようにした、排水性舗装が施された道路の排水構造において、排水層14に浸透した水分を下方に排水する排水溝6を暗渠部材1の上面に形成し、その排水溝6の底部から排水路4に連通しかつ当該排水溝6に充満した水分によって排水層14に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路5を、暗渠部材1の内部に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水性舗装が施された道路の排水構造とこれに用いる埋設側溝に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路の排水性舗装技術として、路盤上に敷設した不透水層の上に、透水性機能を有する多孔質のアスファルト混合物よりなる排水層を配置するものがある。この排水性舗装が施工された道路では、雨水は排水層を浸透して不透水層の上を流れることで排水される。このため、道路の表面に水分が溜まらなくなり、車両の走行安全性が向上したり、排水層内の空隙によりエンジン音やタイヤのエアポンピング音が吸収され、交通騒音が低減されるという利点がある。
このような排水性舗装が施工された道路の側縁に設置する埋設側溝として、排水性舗装の端部を敷設可能な受容段部として形成し、排水層に浸透した水分を排水路に導くための集水口を当該受容段部に設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2849347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の埋設側溝は、当該側溝の長手方向に沿って一定間隔おきに設けた受容段部に集水口を形成し、この各集水口から排水層に浸透した水分を下方に排水するようにしているので、各集水口の直上付近にある水分は排出され易いが、集水口から離れた部分にある水分は排出され難い。
このため、道路の場所によって排水性能が大きく異なり、排水層における特に集水口から離れた部分において、土砂は粉塵が内部に堆積して排水層に目詰まりが発生し易く、排水性舗装の排水性能が早期に阻害され得るという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水でき、排水層の目詰まりを有効に防止できる道路の排水構造とこれに用いる埋設側溝を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明の排水構造は、内部に排水路を有する不透水性材料よりなる暗渠部材の上面に排水性舗装の排水層が敷設され、この排水層に浸透した水分を前記暗渠部材の排水路に導くようにした排水性舗装の排水構造において、前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記暗渠部材の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記暗渠部材の内部に形成されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の埋設側溝は、排水性舗装が施された道路に埋設されるブロック本体を備えた埋設側溝であって、長手方向に延びる排水路が前記ブロック本体の断面内部に形成されている埋設側溝において、前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記ブロック本体の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記ブロック本体の内部に形成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、排水層に浸透した水分が、暗渠部材である埋設側溝のブロック本体の上面に形成された排水溝に排水される。このため、この排水溝を道路の所定方向(例えば、道路の縦断方向)に沿って延設させることにより、排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水することができる。
また、本発明によれば、排水溝の底部から排水路に連通する導水路が、当該排水溝に充満した水分によって排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる。
【0009】
このため、例えば大雨等のために排水溝に水分が充満すると、上記ヘッド圧に伴うポンピング作用により、排水層の内部に存在していた土砂や粉塵が水分とともに排水溝に向かって下方に引き込まれ、排水層の内部に土砂や粉塵が堆積する目詰まり現象を防止ないし抑制することができる。これにより、排水性舗装の排水性能が早期に阻害されるのが有効に防止される。
【0010】
本発明において、前記排水溝の上面開口部はメッシュ部材により透水可能に閉塞することが好ましい。
この場合、排水溝の上方に敷設される排水性舗装の排水層がメッシュ部材によって支承されるので、排水溝の開口幅をある程度広げても排水層の強度を確保することができる。このため、排水層の強度低下を招来することなく、排水溝の排水量を増大することができる。
【0011】
本発明の埋設側溝において、前記排水溝を、前記ブロック本体の幅方向に離れて複数本設けることができ、この場合には、当該複数の排水溝を、前記ブロック本体の上面の幅方向一端部又は他端部のうちのいずれかの位置に縁石を取り付けた状態においても、当該複数の排水溝のうちのいずれかが前記縁石によって塞がれない位置に配置することが好ましい。なお、前記複数の排水溝は、前記ブロック本体の幅方向一端部側に配置された内側排水溝と、同方向他端部側に配置された外側排水溝とから構成することができる。
この場合、ブロック本体の上面の幅方向一端部又は他端部のうちのいずれかの位置に縁石を取り付けたとしても、縁石によって塞がれていない方の排水溝を通して、排水層に浸透した水分を排水路に排水することができる。従って、ブロック本体に縁石を連結する場合であっても、排水性舗装による排水機能を有効に確保することができる。
【0012】
また、前記縁石は、長手方向に延びる通水溝を下面に有するとともに、その通水溝から前記排水性舗装側に通じる集水口を有していてもよい。また、前記メッシュ部材が樹脂製であることが好ましい。
この場合、排水層の表面やその内部から側縁にしみ出してきた水分を、縁石の集水口を通して長手方向に延びる通水溝に取り込むことができ、前記通水溝の位置を前記排水溝の位置に合わせることで水分を効率よく排水路に流すことができる。また、メッシュ部材が樹脂製であれば、例えば金属製の場合と異なり、道路の舗装時に切削機械が破損するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上の通り、本発明によれば、排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水できるとともに、導水路のポンピング作用によって排水層の内部に土砂や粉塵が堆積する目詰まり現象を防止ないし抑制できるので、排水性舗装の排水性能が早期に阻害されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一の道路の排水構造を示す幅方向断面図である。
【図2】埋設側溝のブロック本体の斜視図である。
【図3】埋設側溝を道路の側縁に設置した状態を示す斜視図である。
【図4】第二の道路の排水構造を示す幅方向断面図である。
【図5】第二の実施形態に係る埋設側溝のブロック本体の斜視図である。
【図6】同埋設側溝を用いた第一の排水構造を示す幅方向断面図である。
【図7】縁石と接合部材を示す斜視図である。
【図8】縁石の変形例を示す斜視図である。
【図9】透水試験に使用した試験水槽の断面図である。
【図10】開口幅と定水位透水量との関係を示すグラフである。
【図11】位透水係数との関係を示すグラフであり、(b)は開口幅と定水位透水係数との関係を示すグラフである。
【図12】(a)は試験水槽の下面に溝カバーを連結した場合の断面図であり、(b)はその溝カバーに更に排水管を接続した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る埋設側溝1が排水性舗装9の道路脇に設置された第一の道路の排水構造を示している。
本実施形態の埋設側溝1は、排水性舗装9が施された道路に埋設される暗渠部材としてのプレキャストコンクリート製のブロック本体2よりなり、このブロック本体の上面2aには、歩道部10と車道部11とを区分けする縁石3が設置されている。すなわち、本実施形態の道路は縁石3を介して歩道部10と車道部11とに区分けされている。
【0016】
本実施形態の道路では、車道部11に排水性舗装9が施工されている。この排水性舗装9は、路盤12上に不透水層13を敷設するとともに、この不透水層13の上に多孔質のアスファルト混合物よりなる透水機能を有する排水層14を施工することによって構成されている。なお、不透水層13と排水層14との間は、例えばタックコートを塗布することによって接着性を向上させている。
【0017】
図1及び図2に示すように、埋設側溝1のブロック本体2は断面方形状をなしており、その内部には長手方向に延びる円管状の排水路4が形成されている。この排水路4の直径は300mmであり、流れ込む多量の雨水等を排出できるようになっている。なお、上記排水路4の直径は特に限定されるものではなく、水量に応じて他の寸法としてもよい。
ブロック本体の上面2aは平面状に形成され、縁石3を取り付けるための取付面となっている。そして、ブロック本体2には、排水層14に浸透した水分(例えば雨水等)を排水路4に導くべく、排水路4に連通する二組の導水路5が設けられている。
【0018】
これら二組の導水路5は、排水路4の内面上部から車道側寄りの位置から車道側へ斜め上方に延び、車道側端部近傍に上部開口5Aaを有する内導水路5Aと、排水路4の内面上部から歩道側寄りの位置から歩道側へ斜め上方に延び、歩道側端部近傍に上部開口5Baを有する外導水路5Bとから構成されている。
また、ブロック本体2の上面には、上記導水路5と交差しつつ長手方向に延びる二本の排水溝6が形成されている。
【0019】
これら排水溝6は、ブロック本体2の車道側寄りに配置された内側排水溝6Aと、同本体2の歩道側寄りに配置された外側排水溝6Bとからなり、これらの排水溝6A,6Bは、それぞれ上方に開口した状態で、ブロック本体2の長手方向(道路の縦断方向)に沿って互いに平行して直線状に延びている。
内側排水溝6Aの底部には、内導水路5Aの上部開口5Aaが連通しており、外側排水溝6Bの底部には、外導水路の上部開口5Baが連通している。これら内導水路5Aと外導水路5Bは、ブロック本体2の長手方向に沿って一定間隔おきに配置されている(図2参照)。
【0020】
排水溝6の上部開口は、それぞれ樹脂製の断面円弧状のメッシュ部材15により長手方向に沿って透水可能に閉塞されている。これらメッシュ部材15は、排水層14が排水溝6に陥没するのを防止しつつ透水機能を確保するものであり、排水層14に浸透した水分やこれに含有する粉塵や土砂等を通過させる程度の空隙率を有している。また、このメッシュ部材15は、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂で成形されており、高い耐圧性能を有している。
また、本実施形態では、上記導水路5は、排水溝6の底部から排水路4に連通しているとともに、当該排水溝6に充満した水分によって排水層14に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる管路長及び管路径に設定されている。
【0021】
本実施形態の埋設側溝1によれば、道路の長手方向(縦断方向)の広い範囲に渡って上記排水溝6が形成されているので、排水層14に浸透した水分を当該排水溝6に沿った道路の広い範囲で効率よく排水することができる。
また、排水溝6に水分が充満すると導水路5が上記ヘッド圧を発生させるので、このヘッド圧に伴うポンピング作用により、排水層14の内部に存在していた土砂や粉塵が水分とともに排水溝6に向かって下方に引き込まれ、排水層14の内部に土砂や粉塵が堆積する目詰まり現象を防止ないし抑制することができる。
【0022】
なお、一般に、排水層14に目詰まりが発生すると排水層14の洗浄を行うが、従来では、排水層14の外部から高圧水を噴射するとともに吸引を行う専用車両を用いていたため手間とコストがかかっていた。
この点、本実施形態の埋設側溝1では、長手方向に沿った排水溝6を上面2aに備えているため、道路の縦断方向に沿って均等でかつ高い排水性能を有する。従って、排水層14の外部から高圧水を噴射するだけで、目詰まりした粉塵や土砂を排水溝6に排出して取り除くことができる。
【0023】
図1に示すように、前記縁石3は、下方へ向かうに従って片側が広がる断面略矩形状に形成されているとともに、平面状の下面を有している。この縁石3は、ブロック本体2の上面2aに当該ブロック本体2に対する幅方向の相対的な位置を変更して取り付けられるようになっている。
また、縁石3の幅方向幅はブロック本体2の上面2aよりも小さく設計されており、縁石3が上面2aの歩道側の端部及び車道側の端部のうちいずれの位置に取り付けられた状態においても、内側排水溝6A或いは外側排水溝6Bのうちのいずれかが縁石3に塞がれないようになっている。
【0024】
また、図1に示す道路の排水構造では、縁石3は上面2aの歩道側の端部において、縁石3の歩道側側面とブロック本体2の歩道側側面とが面一となるように取り付けられている。そして、上部開口6Baは縁石3の下に隠れており、上部開口6Aaは、縁石3が取り付けられている部分以外の位置にあるため、縁石3に塞がれないようになっている。
縁石3の下面には、長手方向に延びる通水溝7が縁石3の長手方向両端に渡って形成されている。この通水溝7は、下方へ向かうに従って幅方向両側に広がる断面台形形状に形成されており、水分を縁石3内部で長手方向に流す機能を有している。なお、通水溝7は本実施形態の形状に限定するものではなく他の形状としてもよい。
【0025】
また、図3に示すように縁石3の両端部には、前記通水溝7から排水性舗装側(車道側)に通じる集水口8が形成されている。
この集水口8は、隣接する縁石3の端面同士が合わさることによって構成されているものであり、埋設側溝1を設置した状態において集水口8の上部は排水層14の表面よりも上に出ており、その下部は排水層14の表面よりも下に配置されている。従って、排水層14の表面から流れてくる水分、及び排水層14の内部からその側縁にしみ出してくる水分が、集水口8から通水溝7に取り込まれるようになっている。
【0026】
図1に示す排水構造において、排水層14は不透水層13及びブロック本体2の上面2aに施工されており、ブロック本体2は排水性舗装9の表面に露出していない。そして、ブロック本体2の上面2aのうち縁石3が取り付けられている部分以外の部分には排水層14が施工され、この排水層14の下面がブロック本体2の上面2aと一致している。
これにより、内側排水溝6Aの上部開口が、前記メッシュ部材15を介した状態で排水層14の下面に突き合うような状態となっており、排水層14の内部を浸透してその下面にしみ出してきた水分が内側排水溝6Aを通じて上部開口に入り、内導水路5Aを通って排水路4に流れ出されるようになっている。
【0027】
また、図1に示す排水構造において、縁石3の下には通水溝7と合わさるようにして外側排水溝6Bの上部開口が位置しており、集水口8から取り込まれた、排水層14の表面及び側縁から流れてきた水分は通水溝7や外側排水溝6Bを通って外導水路5Bの上部開口5Baに入り、外導水路5Bを通って排水路4に流れ出るようになっている。
【0028】
図4は、第二の道路の排水構造を示したものである。
図4の排水構造では、縁石3はブロック本体2の上面2aの車道部11側端部に取り付けられており、歩道部10には透水性舗装19が施工されている。この透水性舗装19は透水層16、その下の透水性路盤(砕石)17、さらにその下のフィルター層(砂)18からなるものである。同図に示すように上面2aのうち縁石3が取り付けられている部分より歩道側の部分には、透水性路盤17及びその上の透水層16が施工されている。
【0029】
内側排水溝6Aの上部開口6Aaは縁石3の下に隠れており、外側排水溝6Bの上部開口6Baは透水性路盤17に接している。
図4の排水構造によれば、排水層14の表面や側縁から流れ出た水分は縁石3の集水口8で取り込まれ、通水溝7から内側排水溝6A、そして内導水路5Aを通って排水路4に流れ出る。一方、歩道部10では、透水性舗装19の下部に透水しきれない余剰の水分は、ブロック本体2の外側排水溝6Bから取り込まれ、外導水路5Bを通って排水路4に流れ出ることになる。
【0030】
このように、本実施形態の埋設側溝1によれば、縁石3がブロック本体2に対する位置を変更して取り付け可能になっているので、横断防止柵等の各種埋設物(図示せず)を縁石3の側近に設置する際に、埋設物をブロック本体2に干渉させずに設置することができる。
具体的には、埋設物を縁石3の車道側の側近に設置するときは、図4に示す排水構造を採用して埋設物とブロック本体2が干渉しないようにし、埋設物を縁石3の歩道側の側近に設置するときは、図1に示す排水構造を採用して埋設物とブロック本体2が干渉しないようにすればよい。
【0031】
更に、ブロック本体2の上面2aが平面状となっているため、下面が平面状となっていればどのような縁石でも取り付けることができ、規格品(JIS規格品等)としての縁石を採用すればコストを抑えることもできる。例えば、幅方向中央部に三つ目の導水管(図示せず)を設け、このような縁石をブロック本体2の上面2aの当該幅方向中央部に取り付けた場合には、縁石の下の排水溝の上部開口は塞がれることになるが、車道側の排水性舗装の水分は内側排水溝6Aから内導水路5Aへ排水することができ、歩道側の透水性舗装の余剰の水分は外側排水溝6Bから外導水路5Bへ排水することができる。
【0032】
このように、縁石3の側近に設置する横断防止柵等、各種埋設物の位置に応じてブロック本体2に対する縁石3の位置を変更することにより、ブロック本体2と各種埋設物との干渉を避けることができる。
また、ブロック本体2の排水溝6、縁石3が上記のいずれの位置に取り付けられても一部の上部開口が縁石3によって塞がれない位置に設けられていることから、ブロック本体2の排水溝6を経由した排水路4への集水機能を確保することができる。
【0033】
図5及び図6は本発明の第二実施形態に係る埋設側溝20を示している。
本実施形態の埋設側溝20が上記実施形態と異なる点は、ブロック本体21の導水路22の上部開口22aが、上面2aの幅方向に沿って広げられている点である。なお、上記実施形態の埋設側溝1と共通する点については同符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、ブロック本体21は、上面2aから所要深さで形成されかつ幅方向に延びる横溝として構成された上部開口22aと、排水路4の内面最上部から上方に延びる縦水路22bとからなる単一の導水路22を有している。
【0034】
上記縦水路22bは、上部開口22aの幅方向中央から下方へ延びており、上部開口22aに入ってきた水分が縦水路22bを通って排水路4へ流されるようになっている。
なお、本実施形態では、縁石の両端部同士を合わせることで導水路22が構成されるように、縁石の両端部に上部開口22a、水路22bを縦に分割したうちの片方を形成しているが、導水路22を設ける箇所は限定するものはなく、例えばブロック本体21の長手方向中央部、あるいは長手方向に所要間隔をあけて設けるようにしてもよい。
【0035】
上部開口22aは、上面2aの幅方向一端部から他端部に渡って、道路側から歩道側へ貫通するように形成されている。これにより、縁石3が上面2aの幅方向一端部及び他端部のうちのいずれの位置に取り付けられた状態においても、排水溝6及び導水路22の上部開口22aの一部が縁石3に塞がれないようになっている。
このように構成された埋設側溝20では、排水溝6を伝ってきた水分は上部開口22aに集約されて縦水路22bを通って排水路4へ流れ込む。
【0036】
従って、外側排水溝6Bの上方に縁石3を設置した場合(図6の排水構造)でも、内側排水溝6Aの上方に設置した場合でも、排水性舗装9の排水層14の水分を排水路4へ流すことができる。
なお、上部開口の幅方向長さを上面2aよりも小さくして、当該上部開口を道路側から歩道側へ貫通しない凹形状としてもよい。その際、排水性舗装9の表面やその側縁からしみ出してくる水分は、縁石3の集水口8から通水溝7へ入り、この通水溝7で長手方向へ流され導水路22の上部開口22aから水路22bで排水路4へ流される。
【0037】
なお、本発明は上記各実施形態に限定するものではない。
例えば、ブロック本体2に形成する排水溝6は、当該本体2の長手方向の全範囲に渡って延設されていなくてもよく、長手方向中途で分断していてもよい。
また、図7に示すように、隣接する縁石3間に、排水性舗装側に開いた下部集水口23aを有する接合部材23を設けてもよい。この下部集水口23aは、接合部材23の両側に二箇所形成されており、それとともに隣接する縁石3の通水溝7を連通させるための長手方向の溝24も形成されている。
【0038】
当該下部集水口23があるため、縁石3に集水口を設けることなく排水層14の表面や側縁から流れ出てくる水分をブロック本体2の導水路4へ流すことができる。
また、接合部材23は弾性体からなる素材で形成されており、隣接する縁石3の接合端面の形状を合わせなくても縁石3同士を簡単に接合することができる。なお、接合部材の素材は限定するものではなく、他の素材を用いて形成してもよい。
【0039】
また、図8に示すように、幅方向に貫通する凹部26を縁石25に形成することにより排水層14の表面から流れてくる水分、排水層14の縁端からしみ出してくる水分、あるいは歩道部10の透水性舗装の表面から流れてくる水分を当該凹部26により集水し、これを凹部26に対応する位置にあるブロック本体2の導水路5に通して排水路4に流すようにしてもよい。
更に、ブロック本体2に設ける導水路5の配置は適宜変更できる。例えばブロック本体2に設ける導水路5を、ブロック本体2の幅方向に離れて三箇所以上に配置してもよい。また、縁石3の通水溝や集水口の形状及び大きさは任意に変更可能であり、縁石3の取り付け位置も現場の状況に応じて自由に変更することができる。
【0040】
また、上記各実施形態では、排水性舗装9の排水層14の内部の水分を排水するための暗渠部材として、断面円形の排水路4を有する埋設側溝1を使用しているが、暗渠部材はかかる埋設側溝1に限定されるものではなく、現場打ちコンクリート製のカルバート構造の排水施設であってもよい。
【実施例】
【0041】
以下、導水路5によるポンピング作用の発生条件を検証するための透水試験の内容とその結果について説明する。
図9は、上記透水試験に用いた試験水槽30の断面図である。
この試験水槽30は、30cm平方の正方形状の内空部を有する筒状体31と、この筒状体31の下方開口を閉塞する底板部32とから構成されており、この底板部32の中央部には、開口幅Dが変更自在なスリット状の底面開口33が形成されている。
【0042】
上記試験水槽30の内部に、次の諸元を有する排水性舗装の排水層34を充填し、この状態で、水位が7.5cmとなるように試験水槽30の内部に水を入れ、底面開口33から流出する水量(排水層34の透水量)を測定した。
〔排水層の諸元〕
厚さT:5.5cm
空隙率:約20%
骨 材:13mm以下
【0043】
図10は、上記透水試験によって得られた開口幅D(cm)と定水位透水量(cc/min)との関係を表すグラフであり、図11(a)は、同試験によって得られた開口幅D(mm)と変水位透水係数との関係を表すグラフである。また、図11(b)は、同試験によって得られた開口幅D(cm)と定水位透水係数との関係を表すグラフである。
なお、変水位透水係数とは、水槽30への水分の供給を止めて水位を舗装上10cmから低下させながら水分を底面開口33から流出させた場合の透水係数であり、定水位透水係数とは、水槽30内の水位を舗装上2cmに保持した状態で水分を底面開口33から流出させた場合の透水係数のことを意味する。
【0044】
図10に示すように、開口幅Dと定水位透水量は概ね比例関係になっているので、開口幅Dを大きくするほど、底面開口33からの流量(排水層34の透水量)が増大する。
ところが、図11(a)及び(b)に示すように、開口幅Dと変水位透水係数及び定水位透水係数との関係を見ると、開口幅Dの大小に拘わらず一定値である筈のそれらの透水係数が、開口幅Dが10cmを下回った時点から、当該開口幅Dが小さくなるほど飛躍的に増大することが判明した。
【0045】
従って、排水層34の上面を超える水位の浸水があった場合において、開口幅Dが10cm以下のスリットを当該排水層44の下面側に設けるようにすれば、排水層34が有する空隙率に固有の本来的な透水係数よりも大きい透水性能が得られる。
そこで、本出願の発明者は、透水係数が増大した排水層34の下面に密閉した溝又は管路を接続すれば、ポンピング作用によって底面開口33からの流量が増大するものと想定し、図12(a)に示すように、水抜き孔35を底部に有する溝カバー36(前記実施形態の排水溝6に相当)を底面開口33に接続した。なお、図12に示す底面開口33の開口幅Dは4.7cmに設定し、溝カバー36の高さHは3.5cmに設定した。
【0046】
ところが、上記溝カバー36を設けただけでは、溝カバー36の内部に排水が完全に充満せずに流れが不連続となり、ポンピング作用によって底面開口33からの流量は増大しなかった。
そこで、図12(b)に示すように、溝カバー36の水抜き孔35に、排水管37(前記実施形態の導水路5に相当)を接続した。なお、図12(b)に示す排水管37の内径は2.5cmであり、管路長Lは3.5cmである。
【0047】
すると、底面開口33から流下する水分は溝カバー36の内部に充填され、その後、連続的に排水管37から排水された。
そして、排水管37なしの図12(a)の場合と、排水管37付きの図12(b)の場合の単位面積当たりの流量を測定したところ、前者の場合では31.2(cc/min・cm2)であり、後者の場合では66.0(cc/min・cm2)であり、排水管37付きの場合の方が流量が大幅に増大した。
【0048】
これにより、排水層34の透水係数が増大する程度に開口幅Dが絞られたスリット(底面開口33)に、所定の管路長Lを有する排水管37付きの溝カバー36を装着すると、その排水管37によるヘッド圧(図12ではH+L)によって溝カバー36内に充填された水分が排水層34に浸透した水分を下方に吸引し(ポンピング作用)、これによって底部開口33からの流量が大幅に増大することが判明した。
【0049】
従って、上面2aに排水層14が敷設される前記埋設側溝1において、その上面2aに溝幅が10cm以下の排水溝6を形成し、この排水溝6の底部から、所定長さの管路状の導水路5を延設することにより、排水層14の表層以上に雨水が浸水した時に、上記ポンピング作用によって排水量が増大する埋設側溝1を得ることができる。
なお、前記実施形態において、排水溝14の溝幅は、10cm以下でかつ2.5cm以上に設定することが好ましい。その理由は、2.5cm未満の場合には、見かけの透水係数は向上するものの、降雨流出量に対して絶対的な排水量が不足することになるからである。
【符号の説明】
【0050】
1 埋設側溝(暗渠部材)
2 ブロック本体
3 縁石
4 排水路
5 導水路
6 排水溝
6A 内側排水溝
6B 外側排水溝
7 通水溝
8 集水口
9 排水性舗装
14 排水層
15 メッシュ部材
23 接合部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水性舗装が施された道路の排水構造とこれに用いる埋設側溝に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路の排水性舗装技術として、路盤上に敷設した不透水層の上に、透水性機能を有する多孔質のアスファルト混合物よりなる排水層を配置するものがある。この排水性舗装が施工された道路では、雨水は排水層を浸透して不透水層の上を流れることで排水される。このため、道路の表面に水分が溜まらなくなり、車両の走行安全性が向上したり、排水層内の空隙によりエンジン音やタイヤのエアポンピング音が吸収され、交通騒音が低減されるという利点がある。
このような排水性舗装が施工された道路の側縁に設置する埋設側溝として、排水性舗装の端部を敷設可能な受容段部として形成し、排水層に浸透した水分を排水路に導くための集水口を当該受容段部に設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2849347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の埋設側溝は、当該側溝の長手方向に沿って一定間隔おきに設けた受容段部に集水口を形成し、この各集水口から排水層に浸透した水分を下方に排水するようにしているので、各集水口の直上付近にある水分は排出され易いが、集水口から離れた部分にある水分は排出され難い。
このため、道路の場所によって排水性能が大きく異なり、排水層における特に集水口から離れた部分において、土砂は粉塵が内部に堆積して排水層に目詰まりが発生し易く、排水性舗装の排水性能が早期に阻害され得るという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水でき、排水層の目詰まりを有効に防止できる道路の排水構造とこれに用いる埋設側溝を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明の排水構造は、内部に排水路を有する不透水性材料よりなる暗渠部材の上面に排水性舗装の排水層が敷設され、この排水層に浸透した水分を前記暗渠部材の排水路に導くようにした排水性舗装の排水構造において、前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記暗渠部材の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記暗渠部材の内部に形成されていることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の埋設側溝は、排水性舗装が施された道路に埋設されるブロック本体を備えた埋設側溝であって、長手方向に延びる排水路が前記ブロック本体の断面内部に形成されている埋設側溝において、前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記ブロック本体の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記ブロック本体の内部に形成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、排水層に浸透した水分が、暗渠部材である埋設側溝のブロック本体の上面に形成された排水溝に排水される。このため、この排水溝を道路の所定方向(例えば、道路の縦断方向)に沿って延設させることにより、排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水することができる。
また、本発明によれば、排水溝の底部から排水路に連通する導水路が、当該排水溝に充満した水分によって排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる。
【0009】
このため、例えば大雨等のために排水溝に水分が充満すると、上記ヘッド圧に伴うポンピング作用により、排水層の内部に存在していた土砂や粉塵が水分とともに排水溝に向かって下方に引き込まれ、排水層の内部に土砂や粉塵が堆積する目詰まり現象を防止ないし抑制することができる。これにより、排水性舗装の排水性能が早期に阻害されるのが有効に防止される。
【0010】
本発明において、前記排水溝の上面開口部はメッシュ部材により透水可能に閉塞することが好ましい。
この場合、排水溝の上方に敷設される排水性舗装の排水層がメッシュ部材によって支承されるので、排水溝の開口幅をある程度広げても排水層の強度を確保することができる。このため、排水層の強度低下を招来することなく、排水溝の排水量を増大することができる。
【0011】
本発明の埋設側溝において、前記排水溝を、前記ブロック本体の幅方向に離れて複数本設けることができ、この場合には、当該複数の排水溝を、前記ブロック本体の上面の幅方向一端部又は他端部のうちのいずれかの位置に縁石を取り付けた状態においても、当該複数の排水溝のうちのいずれかが前記縁石によって塞がれない位置に配置することが好ましい。なお、前記複数の排水溝は、前記ブロック本体の幅方向一端部側に配置された内側排水溝と、同方向他端部側に配置された外側排水溝とから構成することができる。
この場合、ブロック本体の上面の幅方向一端部又は他端部のうちのいずれかの位置に縁石を取り付けたとしても、縁石によって塞がれていない方の排水溝を通して、排水層に浸透した水分を排水路に排水することができる。従って、ブロック本体に縁石を連結する場合であっても、排水性舗装による排水機能を有効に確保することができる。
【0012】
また、前記縁石は、長手方向に延びる通水溝を下面に有するとともに、その通水溝から前記排水性舗装側に通じる集水口を有していてもよい。また、前記メッシュ部材が樹脂製であることが好ましい。
この場合、排水層の表面やその内部から側縁にしみ出してきた水分を、縁石の集水口を通して長手方向に延びる通水溝に取り込むことができ、前記通水溝の位置を前記排水溝の位置に合わせることで水分を効率よく排水路に流すことができる。また、メッシュ部材が樹脂製であれば、例えば金属製の場合と異なり、道路の舗装時に切削機械が破損するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上の通り、本発明によれば、排水層の内部の水分を道路の広い範囲で効率よく排水できるとともに、導水路のポンピング作用によって排水層の内部に土砂や粉塵が堆積する目詰まり現象を防止ないし抑制できるので、排水性舗装の排水性能が早期に阻害されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一の道路の排水構造を示す幅方向断面図である。
【図2】埋設側溝のブロック本体の斜視図である。
【図3】埋設側溝を道路の側縁に設置した状態を示す斜視図である。
【図4】第二の道路の排水構造を示す幅方向断面図である。
【図5】第二の実施形態に係る埋設側溝のブロック本体の斜視図である。
【図6】同埋設側溝を用いた第一の排水構造を示す幅方向断面図である。
【図7】縁石と接合部材を示す斜視図である。
【図8】縁石の変形例を示す斜視図である。
【図9】透水試験に使用した試験水槽の断面図である。
【図10】開口幅と定水位透水量との関係を示すグラフである。
【図11】位透水係数との関係を示すグラフであり、(b)は開口幅と定水位透水係数との関係を示すグラフである。
【図12】(a)は試験水槽の下面に溝カバーを連結した場合の断面図であり、(b)はその溝カバーに更に排水管を接続した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る埋設側溝1が排水性舗装9の道路脇に設置された第一の道路の排水構造を示している。
本実施形態の埋設側溝1は、排水性舗装9が施された道路に埋設される暗渠部材としてのプレキャストコンクリート製のブロック本体2よりなり、このブロック本体の上面2aには、歩道部10と車道部11とを区分けする縁石3が設置されている。すなわち、本実施形態の道路は縁石3を介して歩道部10と車道部11とに区分けされている。
【0016】
本実施形態の道路では、車道部11に排水性舗装9が施工されている。この排水性舗装9は、路盤12上に不透水層13を敷設するとともに、この不透水層13の上に多孔質のアスファルト混合物よりなる透水機能を有する排水層14を施工することによって構成されている。なお、不透水層13と排水層14との間は、例えばタックコートを塗布することによって接着性を向上させている。
【0017】
図1及び図2に示すように、埋設側溝1のブロック本体2は断面方形状をなしており、その内部には長手方向に延びる円管状の排水路4が形成されている。この排水路4の直径は300mmであり、流れ込む多量の雨水等を排出できるようになっている。なお、上記排水路4の直径は特に限定されるものではなく、水量に応じて他の寸法としてもよい。
ブロック本体の上面2aは平面状に形成され、縁石3を取り付けるための取付面となっている。そして、ブロック本体2には、排水層14に浸透した水分(例えば雨水等)を排水路4に導くべく、排水路4に連通する二組の導水路5が設けられている。
【0018】
これら二組の導水路5は、排水路4の内面上部から車道側寄りの位置から車道側へ斜め上方に延び、車道側端部近傍に上部開口5Aaを有する内導水路5Aと、排水路4の内面上部から歩道側寄りの位置から歩道側へ斜め上方に延び、歩道側端部近傍に上部開口5Baを有する外導水路5Bとから構成されている。
また、ブロック本体2の上面には、上記導水路5と交差しつつ長手方向に延びる二本の排水溝6が形成されている。
【0019】
これら排水溝6は、ブロック本体2の車道側寄りに配置された内側排水溝6Aと、同本体2の歩道側寄りに配置された外側排水溝6Bとからなり、これらの排水溝6A,6Bは、それぞれ上方に開口した状態で、ブロック本体2の長手方向(道路の縦断方向)に沿って互いに平行して直線状に延びている。
内側排水溝6Aの底部には、内導水路5Aの上部開口5Aaが連通しており、外側排水溝6Bの底部には、外導水路の上部開口5Baが連通している。これら内導水路5Aと外導水路5Bは、ブロック本体2の長手方向に沿って一定間隔おきに配置されている(図2参照)。
【0020】
排水溝6の上部開口は、それぞれ樹脂製の断面円弧状のメッシュ部材15により長手方向に沿って透水可能に閉塞されている。これらメッシュ部材15は、排水層14が排水溝6に陥没するのを防止しつつ透水機能を確保するものであり、排水層14に浸透した水分やこれに含有する粉塵や土砂等を通過させる程度の空隙率を有している。また、このメッシュ部材15は、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂で成形されており、高い耐圧性能を有している。
また、本実施形態では、上記導水路5は、排水溝6の底部から排水路4に連通しているとともに、当該排水溝6に充満した水分によって排水層14に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる管路長及び管路径に設定されている。
【0021】
本実施形態の埋設側溝1によれば、道路の長手方向(縦断方向)の広い範囲に渡って上記排水溝6が形成されているので、排水層14に浸透した水分を当該排水溝6に沿った道路の広い範囲で効率よく排水することができる。
また、排水溝6に水分が充満すると導水路5が上記ヘッド圧を発生させるので、このヘッド圧に伴うポンピング作用により、排水層14の内部に存在していた土砂や粉塵が水分とともに排水溝6に向かって下方に引き込まれ、排水層14の内部に土砂や粉塵が堆積する目詰まり現象を防止ないし抑制することができる。
【0022】
なお、一般に、排水層14に目詰まりが発生すると排水層14の洗浄を行うが、従来では、排水層14の外部から高圧水を噴射するとともに吸引を行う専用車両を用いていたため手間とコストがかかっていた。
この点、本実施形態の埋設側溝1では、長手方向に沿った排水溝6を上面2aに備えているため、道路の縦断方向に沿って均等でかつ高い排水性能を有する。従って、排水層14の外部から高圧水を噴射するだけで、目詰まりした粉塵や土砂を排水溝6に排出して取り除くことができる。
【0023】
図1に示すように、前記縁石3は、下方へ向かうに従って片側が広がる断面略矩形状に形成されているとともに、平面状の下面を有している。この縁石3は、ブロック本体2の上面2aに当該ブロック本体2に対する幅方向の相対的な位置を変更して取り付けられるようになっている。
また、縁石3の幅方向幅はブロック本体2の上面2aよりも小さく設計されており、縁石3が上面2aの歩道側の端部及び車道側の端部のうちいずれの位置に取り付けられた状態においても、内側排水溝6A或いは外側排水溝6Bのうちのいずれかが縁石3に塞がれないようになっている。
【0024】
また、図1に示す道路の排水構造では、縁石3は上面2aの歩道側の端部において、縁石3の歩道側側面とブロック本体2の歩道側側面とが面一となるように取り付けられている。そして、上部開口6Baは縁石3の下に隠れており、上部開口6Aaは、縁石3が取り付けられている部分以外の位置にあるため、縁石3に塞がれないようになっている。
縁石3の下面には、長手方向に延びる通水溝7が縁石3の長手方向両端に渡って形成されている。この通水溝7は、下方へ向かうに従って幅方向両側に広がる断面台形形状に形成されており、水分を縁石3内部で長手方向に流す機能を有している。なお、通水溝7は本実施形態の形状に限定するものではなく他の形状としてもよい。
【0025】
また、図3に示すように縁石3の両端部には、前記通水溝7から排水性舗装側(車道側)に通じる集水口8が形成されている。
この集水口8は、隣接する縁石3の端面同士が合わさることによって構成されているものであり、埋設側溝1を設置した状態において集水口8の上部は排水層14の表面よりも上に出ており、その下部は排水層14の表面よりも下に配置されている。従って、排水層14の表面から流れてくる水分、及び排水層14の内部からその側縁にしみ出してくる水分が、集水口8から通水溝7に取り込まれるようになっている。
【0026】
図1に示す排水構造において、排水層14は不透水層13及びブロック本体2の上面2aに施工されており、ブロック本体2は排水性舗装9の表面に露出していない。そして、ブロック本体2の上面2aのうち縁石3が取り付けられている部分以外の部分には排水層14が施工され、この排水層14の下面がブロック本体2の上面2aと一致している。
これにより、内側排水溝6Aの上部開口が、前記メッシュ部材15を介した状態で排水層14の下面に突き合うような状態となっており、排水層14の内部を浸透してその下面にしみ出してきた水分が内側排水溝6Aを通じて上部開口に入り、内導水路5Aを通って排水路4に流れ出されるようになっている。
【0027】
また、図1に示す排水構造において、縁石3の下には通水溝7と合わさるようにして外側排水溝6Bの上部開口が位置しており、集水口8から取り込まれた、排水層14の表面及び側縁から流れてきた水分は通水溝7や外側排水溝6Bを通って外導水路5Bの上部開口5Baに入り、外導水路5Bを通って排水路4に流れ出るようになっている。
【0028】
図4は、第二の道路の排水構造を示したものである。
図4の排水構造では、縁石3はブロック本体2の上面2aの車道部11側端部に取り付けられており、歩道部10には透水性舗装19が施工されている。この透水性舗装19は透水層16、その下の透水性路盤(砕石)17、さらにその下のフィルター層(砂)18からなるものである。同図に示すように上面2aのうち縁石3が取り付けられている部分より歩道側の部分には、透水性路盤17及びその上の透水層16が施工されている。
【0029】
内側排水溝6Aの上部開口6Aaは縁石3の下に隠れており、外側排水溝6Bの上部開口6Baは透水性路盤17に接している。
図4の排水構造によれば、排水層14の表面や側縁から流れ出た水分は縁石3の集水口8で取り込まれ、通水溝7から内側排水溝6A、そして内導水路5Aを通って排水路4に流れ出る。一方、歩道部10では、透水性舗装19の下部に透水しきれない余剰の水分は、ブロック本体2の外側排水溝6Bから取り込まれ、外導水路5Bを通って排水路4に流れ出ることになる。
【0030】
このように、本実施形態の埋設側溝1によれば、縁石3がブロック本体2に対する位置を変更して取り付け可能になっているので、横断防止柵等の各種埋設物(図示せず)を縁石3の側近に設置する際に、埋設物をブロック本体2に干渉させずに設置することができる。
具体的には、埋設物を縁石3の車道側の側近に設置するときは、図4に示す排水構造を採用して埋設物とブロック本体2が干渉しないようにし、埋設物を縁石3の歩道側の側近に設置するときは、図1に示す排水構造を採用して埋設物とブロック本体2が干渉しないようにすればよい。
【0031】
更に、ブロック本体2の上面2aが平面状となっているため、下面が平面状となっていればどのような縁石でも取り付けることができ、規格品(JIS規格品等)としての縁石を採用すればコストを抑えることもできる。例えば、幅方向中央部に三つ目の導水管(図示せず)を設け、このような縁石をブロック本体2の上面2aの当該幅方向中央部に取り付けた場合には、縁石の下の排水溝の上部開口は塞がれることになるが、車道側の排水性舗装の水分は内側排水溝6Aから内導水路5Aへ排水することができ、歩道側の透水性舗装の余剰の水分は外側排水溝6Bから外導水路5Bへ排水することができる。
【0032】
このように、縁石3の側近に設置する横断防止柵等、各種埋設物の位置に応じてブロック本体2に対する縁石3の位置を変更することにより、ブロック本体2と各種埋設物との干渉を避けることができる。
また、ブロック本体2の排水溝6、縁石3が上記のいずれの位置に取り付けられても一部の上部開口が縁石3によって塞がれない位置に設けられていることから、ブロック本体2の排水溝6を経由した排水路4への集水機能を確保することができる。
【0033】
図5及び図6は本発明の第二実施形態に係る埋設側溝20を示している。
本実施形態の埋設側溝20が上記実施形態と異なる点は、ブロック本体21の導水路22の上部開口22aが、上面2aの幅方向に沿って広げられている点である。なお、上記実施形態の埋設側溝1と共通する点については同符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、ブロック本体21は、上面2aから所要深さで形成されかつ幅方向に延びる横溝として構成された上部開口22aと、排水路4の内面最上部から上方に延びる縦水路22bとからなる単一の導水路22を有している。
【0034】
上記縦水路22bは、上部開口22aの幅方向中央から下方へ延びており、上部開口22aに入ってきた水分が縦水路22bを通って排水路4へ流されるようになっている。
なお、本実施形態では、縁石の両端部同士を合わせることで導水路22が構成されるように、縁石の両端部に上部開口22a、水路22bを縦に分割したうちの片方を形成しているが、導水路22を設ける箇所は限定するものはなく、例えばブロック本体21の長手方向中央部、あるいは長手方向に所要間隔をあけて設けるようにしてもよい。
【0035】
上部開口22aは、上面2aの幅方向一端部から他端部に渡って、道路側から歩道側へ貫通するように形成されている。これにより、縁石3が上面2aの幅方向一端部及び他端部のうちのいずれの位置に取り付けられた状態においても、排水溝6及び導水路22の上部開口22aの一部が縁石3に塞がれないようになっている。
このように構成された埋設側溝20では、排水溝6を伝ってきた水分は上部開口22aに集約されて縦水路22bを通って排水路4へ流れ込む。
【0036】
従って、外側排水溝6Bの上方に縁石3を設置した場合(図6の排水構造)でも、内側排水溝6Aの上方に設置した場合でも、排水性舗装9の排水層14の水分を排水路4へ流すことができる。
なお、上部開口の幅方向長さを上面2aよりも小さくして、当該上部開口を道路側から歩道側へ貫通しない凹形状としてもよい。その際、排水性舗装9の表面やその側縁からしみ出してくる水分は、縁石3の集水口8から通水溝7へ入り、この通水溝7で長手方向へ流され導水路22の上部開口22aから水路22bで排水路4へ流される。
【0037】
なお、本発明は上記各実施形態に限定するものではない。
例えば、ブロック本体2に形成する排水溝6は、当該本体2の長手方向の全範囲に渡って延設されていなくてもよく、長手方向中途で分断していてもよい。
また、図7に示すように、隣接する縁石3間に、排水性舗装側に開いた下部集水口23aを有する接合部材23を設けてもよい。この下部集水口23aは、接合部材23の両側に二箇所形成されており、それとともに隣接する縁石3の通水溝7を連通させるための長手方向の溝24も形成されている。
【0038】
当該下部集水口23があるため、縁石3に集水口を設けることなく排水層14の表面や側縁から流れ出てくる水分をブロック本体2の導水路4へ流すことができる。
また、接合部材23は弾性体からなる素材で形成されており、隣接する縁石3の接合端面の形状を合わせなくても縁石3同士を簡単に接合することができる。なお、接合部材の素材は限定するものではなく、他の素材を用いて形成してもよい。
【0039】
また、図8に示すように、幅方向に貫通する凹部26を縁石25に形成することにより排水層14の表面から流れてくる水分、排水層14の縁端からしみ出してくる水分、あるいは歩道部10の透水性舗装の表面から流れてくる水分を当該凹部26により集水し、これを凹部26に対応する位置にあるブロック本体2の導水路5に通して排水路4に流すようにしてもよい。
更に、ブロック本体2に設ける導水路5の配置は適宜変更できる。例えばブロック本体2に設ける導水路5を、ブロック本体2の幅方向に離れて三箇所以上に配置してもよい。また、縁石3の通水溝や集水口の形状及び大きさは任意に変更可能であり、縁石3の取り付け位置も現場の状況に応じて自由に変更することができる。
【0040】
また、上記各実施形態では、排水性舗装9の排水層14の内部の水分を排水するための暗渠部材として、断面円形の排水路4を有する埋設側溝1を使用しているが、暗渠部材はかかる埋設側溝1に限定されるものではなく、現場打ちコンクリート製のカルバート構造の排水施設であってもよい。
【実施例】
【0041】
以下、導水路5によるポンピング作用の発生条件を検証するための透水試験の内容とその結果について説明する。
図9は、上記透水試験に用いた試験水槽30の断面図である。
この試験水槽30は、30cm平方の正方形状の内空部を有する筒状体31と、この筒状体31の下方開口を閉塞する底板部32とから構成されており、この底板部32の中央部には、開口幅Dが変更自在なスリット状の底面開口33が形成されている。
【0042】
上記試験水槽30の内部に、次の諸元を有する排水性舗装の排水層34を充填し、この状態で、水位が7.5cmとなるように試験水槽30の内部に水を入れ、底面開口33から流出する水量(排水層34の透水量)を測定した。
〔排水層の諸元〕
厚さT:5.5cm
空隙率:約20%
骨 材:13mm以下
【0043】
図10は、上記透水試験によって得られた開口幅D(cm)と定水位透水量(cc/min)との関係を表すグラフであり、図11(a)は、同試験によって得られた開口幅D(mm)と変水位透水係数との関係を表すグラフである。また、図11(b)は、同試験によって得られた開口幅D(cm)と定水位透水係数との関係を表すグラフである。
なお、変水位透水係数とは、水槽30への水分の供給を止めて水位を舗装上10cmから低下させながら水分を底面開口33から流出させた場合の透水係数であり、定水位透水係数とは、水槽30内の水位を舗装上2cmに保持した状態で水分を底面開口33から流出させた場合の透水係数のことを意味する。
【0044】
図10に示すように、開口幅Dと定水位透水量は概ね比例関係になっているので、開口幅Dを大きくするほど、底面開口33からの流量(排水層34の透水量)が増大する。
ところが、図11(a)及び(b)に示すように、開口幅Dと変水位透水係数及び定水位透水係数との関係を見ると、開口幅Dの大小に拘わらず一定値である筈のそれらの透水係数が、開口幅Dが10cmを下回った時点から、当該開口幅Dが小さくなるほど飛躍的に増大することが判明した。
【0045】
従って、排水層34の上面を超える水位の浸水があった場合において、開口幅Dが10cm以下のスリットを当該排水層44の下面側に設けるようにすれば、排水層34が有する空隙率に固有の本来的な透水係数よりも大きい透水性能が得られる。
そこで、本出願の発明者は、透水係数が増大した排水層34の下面に密閉した溝又は管路を接続すれば、ポンピング作用によって底面開口33からの流量が増大するものと想定し、図12(a)に示すように、水抜き孔35を底部に有する溝カバー36(前記実施形態の排水溝6に相当)を底面開口33に接続した。なお、図12に示す底面開口33の開口幅Dは4.7cmに設定し、溝カバー36の高さHは3.5cmに設定した。
【0046】
ところが、上記溝カバー36を設けただけでは、溝カバー36の内部に排水が完全に充満せずに流れが不連続となり、ポンピング作用によって底面開口33からの流量は増大しなかった。
そこで、図12(b)に示すように、溝カバー36の水抜き孔35に、排水管37(前記実施形態の導水路5に相当)を接続した。なお、図12(b)に示す排水管37の内径は2.5cmであり、管路長Lは3.5cmである。
【0047】
すると、底面開口33から流下する水分は溝カバー36の内部に充填され、その後、連続的に排水管37から排水された。
そして、排水管37なしの図12(a)の場合と、排水管37付きの図12(b)の場合の単位面積当たりの流量を測定したところ、前者の場合では31.2(cc/min・cm2)であり、後者の場合では66.0(cc/min・cm2)であり、排水管37付きの場合の方が流量が大幅に増大した。
【0048】
これにより、排水層34の透水係数が増大する程度に開口幅Dが絞られたスリット(底面開口33)に、所定の管路長Lを有する排水管37付きの溝カバー36を装着すると、その排水管37によるヘッド圧(図12ではH+L)によって溝カバー36内に充填された水分が排水層34に浸透した水分を下方に吸引し(ポンピング作用)、これによって底部開口33からの流量が大幅に増大することが判明した。
【0049】
従って、上面2aに排水層14が敷設される前記埋設側溝1において、その上面2aに溝幅が10cm以下の排水溝6を形成し、この排水溝6の底部から、所定長さの管路状の導水路5を延設することにより、排水層14の表層以上に雨水が浸水した時に、上記ポンピング作用によって排水量が増大する埋設側溝1を得ることができる。
なお、前記実施形態において、排水溝14の溝幅は、10cm以下でかつ2.5cm以上に設定することが好ましい。その理由は、2.5cm未満の場合には、見かけの透水係数は向上するものの、降雨流出量に対して絶対的な排水量が不足することになるからである。
【符号の説明】
【0050】
1 埋設側溝(暗渠部材)
2 ブロック本体
3 縁石
4 排水路
5 導水路
6 排水溝
6A 内側排水溝
6B 外側排水溝
7 通水溝
8 集水口
9 排水性舗装
14 排水層
15 メッシュ部材
23 接合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に排水路を有する不透水性材料よりなる暗渠部材の上面に排水性舗装の排水層が敷設され、この排水層に浸透した水分を前記暗渠部材の排水路に導くようにした、排水性舗装が施された道路の排水構造において、
前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記暗渠部材の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記暗渠部材の内部に形成されていることを特徴とする道路の排水構造。
【請求項2】
排水性舗装が施された道路に埋設されるブロック本体を備えた埋設側溝であって、長手方向に延びる排水路が前記ブロック本体の断面内部に形成されている埋設側溝において、
前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記ブロック本体の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記ブロック本体の内部に形成されていることを特徴とする埋設側溝。
【請求項3】
前記排水溝の上面開口部がメッシュ部材により透水可能に閉塞されている請求項2に記載の埋設側溝。
【請求項4】
前記排水溝は、前記ブロック本体の幅方向に離れて複数本設けられており、
前記複数の排水溝は、前記ブロック本体の上面の横断方向一端部又は他端部のうちのいずれかの位置に縁石を取り付けた状態においても、当該複数の排水溝のうちのいずれかが前記縁石によって塞がれない位置に配置されている請求項2又は3に記載の埋設側溝。
【請求項5】
前記複数の排水溝は、前記ブロック本体の幅方向一端部側に配置された内側排水溝と、同方向他端部側に配置された外側排水溝とから構成されている請求項4に記載の埋設側溝。
【請求項6】
前記縁石は、長手方向に延びる通水溝を下面に有するとともに、その通水溝から前記排水性舗装側に通じる集水口を有している請求項4に記載の埋設側溝。
【請求項7】
前記メッシュ部材が樹脂製である請求項3に記載の埋設側溝。
【請求項1】
内部に排水路を有する不透水性材料よりなる暗渠部材の上面に排水性舗装の排水層が敷設され、この排水層に浸透した水分を前記暗渠部材の排水路に導くようにした、排水性舗装が施された道路の排水構造において、
前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記暗渠部材の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記暗渠部材の内部に形成されていることを特徴とする道路の排水構造。
【請求項2】
排水性舗装が施された道路に埋設されるブロック本体を備えた埋設側溝であって、長手方向に延びる排水路が前記ブロック本体の断面内部に形成されている埋設側溝において、
前記排水層に浸透した水分を下方に排水する排水溝が前記ブロック本体の上面に形成され、その排水溝の底部から前記排水路に連通しかつ当該排水溝に充満した水分によって前記排水層に浸透した水分を下方に吸引するヘッド圧を発生させる導水路が前記ブロック本体の内部に形成されていることを特徴とする埋設側溝。
【請求項3】
前記排水溝の上面開口部がメッシュ部材により透水可能に閉塞されている請求項2に記載の埋設側溝。
【請求項4】
前記排水溝は、前記ブロック本体の幅方向に離れて複数本設けられており、
前記複数の排水溝は、前記ブロック本体の上面の横断方向一端部又は他端部のうちのいずれかの位置に縁石を取り付けた状態においても、当該複数の排水溝のうちのいずれかが前記縁石によって塞がれない位置に配置されている請求項2又は3に記載の埋設側溝。
【請求項5】
前記複数の排水溝は、前記ブロック本体の幅方向一端部側に配置された内側排水溝と、同方向他端部側に配置された外側排水溝とから構成されている請求項4に記載の埋設側溝。
【請求項6】
前記縁石は、長手方向に延びる通水溝を下面に有するとともに、その通水溝から前記排水性舗装側に通じる集水口を有している請求項4に記載の埋設側溝。
【請求項7】
前記メッシュ部材が樹脂製である請求項3に記載の埋設側溝。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−74363(P2009−74363A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3046(P2009−3046)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【分割の表示】特願2006−322022(P2006−322022)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(392027900)株式会社イトーヨーギョー (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【分割の表示】特願2006−322022(P2006−322022)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(392027900)株式会社イトーヨーギョー (43)
【Fターム(参考)】
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