説明

道路舗装車両

【課題】耐久性および信頼性の高い電動道路舗装車両を提供する。
【解決手段】道路舗装車両は、エンジン11と、発電機12と、電動モータ21〜23と、制御ボックス18と、ラジエータ15と、ファン13等とを備える。発電機12は、エンジン11の駆動によって発電を行う。電動モータ21〜23は、発電機12による電力によって道路舗装車両の所定の装置を駆動する。制御ボックス18は、電動モータ21〜23を制御する。ラジエータ15は、エンジンによる熱気を冷却するための構成である。ファン13は、エンジン11による熱気を吸引し、吸引した空気を道路舗装車両の車外へ排出する。制御ボックス18は、ファン13による空気の流れが制御ボックス18からエンジン11への向きとなる位置に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト舗装を行う道路舗装車両に関し、より特定的には、少なくとも一部の装置を電気で駆動させる電動道路舗装車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アスファルトフィニッシャ等の道路舗装車両においては、エンジンにより油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから吐出される圧油により油圧モータ等のアクチュエータを駆動させる油圧駆動方式が採用されている。また、油圧駆動構造が採用される道路舗装車両においては、吸排気方法としては、作動油を冷却するオイルクーラおよびエンジンのラジエータの冷却効率を高めるために、冷めた外気を車体内に吸い込む方法が採用されている。
【0003】
一方、道路舗装車両の一部のアクチュエータ(例えば走行機構やスクリード等に用いるモータ)を電気駆動させる電気駆動方式も提案されている(例えば特許文献1参照)。すなわち、エンジンにより発電機を駆動し、発電機による電力をアクチュエータの動力源とする道路舗装車両も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−269204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の油圧駆動方式においては、オイルクーラにて作動油が冷却されるので、車体内の雰囲気温度が高温になっても、主要構造である油圧ポンプ、制御弁および油圧モータの機能および信頼性が低下することはない。そのため、従来の油圧駆動方式においては、吸排気方式として、外気を車体内に吸い込む方式を採用することに問題はない。
【0006】
一方、電気駆動方式においては、油圧駆動方式に比べて動力伝達効率が良くなるので動力損失として発生する発熱量は低下するものの、エンジン、ラジエータおよびマフラー等からの発熱は発生する。また、電気駆動方式においては、電動のアクチュエータを制御するための制御機器等については高温時の耐久性および信頼性が十分でない。そのため、従来の油圧駆動方式と同様に車体内への吸気を行う方法を採用するとすれば、車体内が高温になる結果、制御機器等の寿命が短くなったり、動作が不安定になったりするおそれがある。
【0007】
それ故、本発明の目的は、耐久性および信頼性の高い電動道路舗装車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、下記の構成を採用した。
【0009】
発明は、アスファルト舗装を行う道路舗装車両である。道路舗装車両は、エンジンと、発電機と、電動モータと、電気制御部と、冷却部と、排気部とを備える。発電機は、エンジンの駆動によって発電を行う。電動モータは、発電機による電力によって道路舗装車両の所定の装置を駆動する。電気制御部は、電動モータを制御する。冷却部は、エンジンによる熱気を冷却するためのものである。排気部は、エンジンによる熱気を吸引し、吸引した空気を道路舗装車両の車外へ排出する。電気制御部は、排気部による空気の流れが電気制御部からエンジンへの向きとなる位置に配置される。
【0010】
記の構成によれば、車体内においては排気部による空気の流れが電気制御部からエンジンへの向きとなり、エンジンによって熱せられた空気が車体の外部へ排出される。したがって、エンジンで発生する熱気は、電気制御部の方へ流入せずに外部へ排出され、電気制御部には熱気が当たらないので、電気制御部が高温となることを防止することができる。その結果、電気制御部ひいては道路舗装車両の耐久性および信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、排気部を吐き出し型とし、車体内において排気部による空気の流れが電気制御部からエンジンへの向きとなるように各構成を配置することによって、電気制御部が高温となることを防止することができる。その結果、耐久性および信頼性の高い電動道路舗装車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係るアスファルトフィニッシャの外観構成図
【図2】車体の内部構成を上方から見た図
【図3】車体の内部構成を側方から見た図
【図4】車体の内部構成を前方から見た図
【図5】本実施形態の変形例に係る車体における各構成の配置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るアスファルトフィニッシャについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャの外観構成図である。本実施形態に係るアスファルトフィニッシャ1は、主要なアクチュエータ(走行機構、コンベヤ、スクリュー等の駆動モータ)を電気的に駆動することによって、エネルギー消費を低減することができるものである。
【0014】
[1.アスファルトフィニッシャの全体構成]
まず、アスファルトフィニッシャ1の全体構成について説明する。図1において、アスファルトフィニッシャ1は、車体2と、スクリード装置9とを備えている。車体2は、ホッパ3、前輪4、後輪5、コンベヤ6、ならびにスクリュー7を有している。前輪4および後輪5は、アスファルトフィニッシャ1の走行機構であり、前輪4が操向輪であり後輪5が駆動輪である。ホッパ3は、車体2の前部(図1に示すx軸正方向側)に設けられ、供給側(ダンプカー等)からアスファルト合材を受け入れるためのものである。コンベヤ6は、ホッパ3の下側から車体2の後部まで設けられ、ホッパ3で受けたアスファルト合材を後方へ搬送する。スクリュー7は、コンベヤ6で搬送されてきたアスファルト合材を左右方向へ拡幅しつつ路面に拡散する。スクリード装置9は、路面に拡散されたアスファルト合材を敷き均す。なお、スクリード装置9はレベリングアーム8によって車体2と上下可動に連結され、スクリード装置9の高さは適宜調節される。運転席は車体2の後方(スクリード装置9の上方)に設けられる。
【0015】
以上の構成により、アスファルトフィニッシャ1は、ホッパ3に供給されたアスファルト合材をコンベヤ6を介して後方のスクリュー7から路面に拡散し、拡散されたアスファルト合材をスクリード装置9によって均一平坦に転圧して舗装する。なお、図1に示す構成は、従来のアスファルトフィニッシャと同じであってもよい。また、図1に示す構成は一例であり、本発明は任意の道路舗装車両(道路舗装機械)に適用可能である。また、図1に示すアスファルトフィニッシャ1の構成は一例であり、アスファルトフィニッシャ1が備える構成は上記に限られない。例えば他の実施形態においては、アスファルトフィニッシャ1は、路面を敷き固めるためのタンパ装置や、タンパ装置を加熱するタンパ加熱装置等を有していてもよい。また、スクリード装置9は、主スクリードと伸縮スクリードとを有し、伸縮可能な構成であってもよい。
【0016】
[2.車体における各構成の配置]
次に、車体2に設けられる各構成の配置について説明する。図2〜図4は、車体2における各構成の配置を示す図である。図2は車体2の内部構成を上方から見た図であり、図3は車体2の内部構成を側方から見た図であり、図4は車体2の内部構成を前方から見た図である。なお、図2〜図4においては、アスファルトフィニッシャ1が備える構成のうちで本発明に関連する構成を主に表し、コンベヤ6やスクリュー7等の構成については、図面をわかりやすくする目的で図示を省略している。本実施形態においては、図2〜図4に示すように、電動のアクチュエータを制御する電気制御機器(制御ボックス18)が高温にならないような各機器の配置および吸排気方法を採用することによって、アスファルトフィニッシャ1の耐久性および信頼性を向上するものである。以下、車体2に設けられる各構成の詳細について説明する。
【0017】
アスファルトフィニッシャ1は、エンジン11および発電機12を備える。動力源であるエンジン11は、発電機12に機械的に接続されており、発電機12を回転駆動する。エンジン11は典型的にはディーゼルエンジンであるが、他のタイプのエンジンであってもよい。図2および図3に示すように、本実施形態においては、エンジン11は、車体2の筐体10における前側(図2に示すx軸正方向側)に配置される。
【0018】
発電機12は、エンジン11の駆動によって発電を行う。本実施形態では、発電機12は三相交流同期発電機であるとするが、発電機12の種類はどのようなものであってもよい。なお、図示しないが、発電機12は制御ボックス18に電気的に接続されており、発電機12による三相交流電気出力は制御ボックス18に入力される。図2および図4に示すように、本実施形態においては、発電機12は、エンジン11の側方(y軸方向側)に配置される。
【0019】
アスファルトフィニッシャ1は、エンジン11による熱気を冷却するための冷却部(ラジエータ15)を備える。また、アスファルトフィニッシャ1は、エンジン11の周囲の空気(エンジン11による熱気)を吸引し、吸引した空気をアスファルトフィニッシャ1の車体の外部へ排出する排気部を備える。排気部の具体的な構成はどのようなものであってもよいが、本実施形態においては、アスファルトフィニッシャ1は、排気部として、ファン13、排気管14、マフラー16、および排気室17を備える。
【0020】
図2および図4に示すように、本実施形態においては、冷却部および排気部は、エンジン11の側方に配置される。具体的には、エンジン11の側方に内側からファン13、ラジエータ15、および排気室17が順に配置される。ファン13、ラジエータ15、および排気室17は互いに接続されている。本実施形態において、ファン13は排気型(吐き出し型)であり、エンジン11側から空気を吸い込んでラジエータ15側に排出する(図4に示す点線の矢印参照)。したがって、エンジン11側の空気は、ファン13によって吸引され、ラジエータ15を介して排気室17に流入する。排気室17の上面は筐体10の上面によって構成されており、当該上面には排気口が形成される。したがって、排気室17に流入した空気は車体2の上方へ排出される(図3および図4に示す一点鎖線の矢印参照)。
【0021】
冷却部であるラジエータ15は、排気部によって排出されるエンジン11の熱気を冷却する。なお、ラジエータ15の具体的な配置位置は上記実施形態に限らず、エンジン11による熱気を冷却することができる位置に配置されればよい。
【0022】
また、図2に示すように、エンジン11には排気管14を介してマフラー16が接続される。エンジン11の排気は、排気管14を通ってマフラー16から排出される。ここで、本実施形態においては、排気部は、エンジン11の排気を、吸引した車体2内の空気と共に車体2の上方へ排出する。具体的には、マフラー16は、排気室17の内部に設けられ、エンジン11の排気を排気室17内に(上方へ向けて)排出する(図3および図4に示す一点鎖線の矢印参照)。したがって、エンジン11の排気は、ファン13によって排出される筐体10内の熱気(エンジン11による熱気)と共に、排気室17から車体2の上方へ排出される。このように、本実施形態においては、エンジン11の排気は、排気部によって排出される排気風と共に車体2の上方へ舞い上げられるので、エンジン11の排気に含まれる黒煙がホッパ3内のアスファルト合材の上に落下することを防止することができる。
【0023】
また、本実施形態においては、アスファルトフィニッシャ1は、車体2の上方へ排気を行うので、車体2の後方の運転者、ならびに、アスファルトフィニッシャ1の周囲の作業者および通行人に熱気(排気)を当てないようにすることができる。なお、他の実施形態においては、排気部による排気方向は任意であり、車体の上方に限らず、例えば側方に向かって排気を行うようにしてもよい。
【0024】
また、アスファルトフィニッシャ1は、電動モータ(各モータ21〜23)を備える。電動モータは、発電機12による電力によってアスファルトフィニッシャの所定の装置を駆動するものである。本実施形態においては、所定の装置とは、走行機構、コンベヤ6、およびスクリュー7であり、アスファルトフィニッシャ1は、走行用モータ21、2つのコンベヤ用モータ22、2つのスクリュー用モータ23という3つの電動モータを備える。走行用モータ21はミッション19に機械的に接続され、ミッション19は駆動軸24を介して図示しない後輪5に機械的に接続されている。走行用モータ21は、ミッション19および駆動軸24を介して後輪5を駆動する。2つのコンベヤ用モータ22は、コンベヤ6に含まれる左右2つのコンベヤをそれぞれ1つずつ駆動する。2つのスクリュー用モータ23は、スクリュー7に含まれる左右2つのスクリューをそれぞれ1つずつ駆動する。なお、発電機12による電力によって駆動される所定の装置は、どのようなものであってもよい。例えば他の実施形態においては、アスファルトフィニッシャ1は、スクリードを加熱する装置を電気駆動するようにしてもよいし、タンパ装置を電気駆動するようにしてもよい。
【0025】
図2および図3に示すように、上記各モータ21〜23は、エンジン11の後方に配置される。具体的には、筐体10の内部において、エンジン11の後方に走行用モータ21が配置され、走行用モータ21の後方にコンベヤ用モータ22が配置される。スクリュー用モータ23は、筐体10の外側の後方に配置される。
【0026】
また、アスファルトフィニッシャ1は、上記電動モータを制御する電気制御部(制御ボックス18)を備える。制御ボックス18は、各モータ21〜23に電気的に接続されており、各モータ21〜23の動作を制御する。制御ボックス18の具体的な構成はどのようなものであってもよいが、本実施形態においては、制御ボックス18は、コントローラと、各モータ21〜23をそれぞれ制御する3つのインバータとを有している。コントローラは、操作者(オペレータ)からの操作指示等に基づいて、各インバータを制御する。各インバータは、発電機12から供給される三相交流の電力を所望の周波数に変換して出力することで、各モータ21〜23をそれぞれ駆動する。
【0027】
図2および図3に示すように、本実施形態においては、制御ボックス18はエンジン11の後方に配置される。ここで、排気部は車体2内の空気を吸引して車体2外へ排出するので、制御ボックス18は、排気部による空気の流れが制御ボックス18からエンジン11への向きとなる位置に配置されることになる。具体的には、排気部の吸引部分(ファン13)により近い位置にエンジン11が配置され、より遠い位置に制御ボックス18が配置される。これによって、エンジン11で発生する熱気は、制御ボックス18の方へ流入せずに外部へ排出され、制御ボックス18にはエンジン11により熱せられていない空気が当たるので、制御ボックス18が高温となることを防止することができる。その結果、制御ボックス18ひいてはアスファルトフィニッシャ1の耐久性および信頼性を向上することができる。
【0028】
本実施形態においては、制御ボックス18は、筐体10内の上端付近の位置、換言すれば、各モータ21および22あるいはミッション19よりも上側の位置に配置される。ここで、アスファルトフィニッシャ1の作業時には、車体2の下方のコンベヤ6によって高温(約150°C)のアスファルト合材が搬送されるので、アスファルト合材の熱気が車体2にも伝わることになる。そのため、制御ボックス18を筐体10内において上方に配置することによって、当該熱気によって制御ボックス18が高温になることを防止することができる。
【0029】
なお、本実施形態においては、筐体10の左右にそれぞれ1つずつ、計2つの制御ボックス18が設けられるが、他の実施形態においては、制御ボックス18の数はいくつであってもよい。
【0030】
さらに、本実施形態においては、エンジン11はホッパ3の後方に配置されるので、ホッパ3と制御ボックス18との間にエンジン11が配置されることになる(図2参照)。これによれば、ホッパ3内の高温(約150°C)のアスファルト合材の熱気がエンジン11に伝わっても、エンジン11の周囲で排気部によって排熱されるので、当該熱気が制御ボックス18にまで伝達することを防止することができ、制御ボックス18が高温となることを防止することができる。
【0031】
また、本実施形態においては、制御ボックス18と同様に各電動モータ21〜23もエンジン11の後方に配置されるので、各電動モータ21〜23についてもエンジン11で発生する熱気によって高温となることを防止することができる。
【0032】
また、本実施形態においては、アスファルトフィニッシャ1は仕切板20を備える。仕切板20は、筐体10内において、エンジン11と制御ボックス18との間に配置される(図2および図3参照)。本実施形態においては、仕切板20は、図3に示すように、筐体10の上面に接続され、筐体10の上側部分を仕切る。なお、仕切板20の材質はどのようなものであってもよいが、本実施形態においては仕切板20は鋼板であるとする。このように、エンジン11と制御ボックス18との間に仕切板20が設けられるので、エンジン11による熱気が制御ボックス18に直接当たることを防止することができ、制御ボックス18が高温となることを防止することができる。
【0033】
図3に示すように、本実施形態においては、仕切板20は、エンジン11および制御ボックス18を内部に含む筐体10の上側を仕切り、制御ボックス18の位置よりも下側において隙間が生じるように設けられる。つまり、筐体10内においては、エンジン10側の空間と制御ボックス18側の空間とが、制御ボックス18(の下端)よりも下側の位置で接続されている。したがって、制御ボックス18側の空間においては、エンジン10側の空間へ向かう空気の流れが制御ボックス18よりも下方において発生する(図3に示す点線の矢印参照)。これによって、車体2の下方のコンベヤ6によって搬送されるアスファルト合材の熱気が制御ボックス18に伝わることを防止することができ、制御ボックス18が高温となることを防止することができる。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、吐き出し型の排出部を採用し、車体2内における空気の流れが制御ボックス18からエンジン11へと向かい、エンジン11の熱気が車体2の外部に排出されるように構成する。これによって、制御ボックス18の高温化を防止することにより、電気駆動方式のアスファルトフィニッシャ1において、耐久性および信頼性を向上することができる。
【0035】
[3.変形例]
なお、車体2に設けられる各構成の配置は上記実施形態に限らず、エンジン11による熱気が制御ボックス18に当たらないように配置されれば他の構成・配置であってもよい。例えば、他の実施形態においては、以下に示す変形例のように各構成が配置されてもよい。
【0036】
図5は、上記実施形態の変形例に係る車体2における各構成の配置を示す図である。図5は、車体2の内部構成を上方から見た図である。なお、図5において、図2と同じ構成要素には図2と同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0037】
本変形例において、各構成要素の機能や動作は上記実施形態と同様であり、一部の構成要素の配置が上記実施形態とは異なる。図5に示すように、本変形例においては、走行用モータ21およびミッション19等の走行に関する構成は車体2内に配置されない。本変形例においては、これらの構成は、アスファルトフィニッシャ1の車輪あるいは(アスファルトフィニッシャ1がクローラ型である場合には)クローラ内に配置される。
【0038】
本変形例においては、車体2の筐体10内において排気部、エンジン11、および発電機12が前から順に並ぶように配置される。本変形例においては、走行用モータ21およびミッション19等が筐体10内に配置されないので、図5に示すように排気部、エンジン11、および発電機12を前後方向に並べて配置することができる。なお、制御ボックス18、コンベヤ用モータ22、およびスクリュー用モータ23の配置は上記実施形態と同様である。
【0039】
上記のように、本変形例においては、冷却部および排気部は、エンジン11の前方に配置され、発電機12は、エンジン11の後方に配置され、制御ボックス18は、エンジン11および発電機12の側方に配置される。ここで、本変形例においても上記実施形態と同様、排気部は車体2内の空気を吸引して車体2外へ排出する。したがって、制御ボックス18は、排気部による空気の流れが制御ボックス18からエンジン11への向きとなる位置に配置されることになる。したがって、本変形例においても上記実施形態と同様、エンジン11で発生する熱気は、制御ボックス18の方へ流入せずに外部へ排出されるので、制御ボックス18が高温となることを防止することができる。その結果、制御ボックス18ひいてはアスファルトフィニッシャ1の耐久性および信頼性を向上することができる。
【0040】
なお、上記変形例においては、筐体10内に仕切板が設けられない構成であったが、他の実施形態においては、筐体10内に仕切板を設けるようにしてもよい。例えば、筐体10の前側の壁からエンジン11の側方まで前後方向に延びる仕切板が設けられてもよい。また、この仕切板は、上記実施形態と同様、筐体10の上側を仕切り、制御ボックス18の位置よりも下側において隙間が生じるように設けられることが好ましい。
【0041】
また、上記実施形態においてはアスファルトフィニッシャを例として説明を行ったが、本発明は、リペーバ、リミキサー等、スクリードによりアスファルト舗装を行う任意の道路舗装車両(道路舗装機械)に利用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明は、耐久性および信頼性の高い電動道路舗装車両を提供すること等を目的として、アスファルトフィニッシャ等の道路舗装車両に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 アスファルトフィニッシャ
2 車体
3 ホッパ
4 前輪
5 後輪
6 コンベヤ
7 スクリュー
8 レベリングアーム
9 スクリード
10 筐体
11 エンジン
12 発電機
13 ファン
14 排気管
15 ラジエータ
16 マフラー
17 排気室
18 制御ボックス
20 仕切板
21 走行用モータ
22 コンベヤ用モータ
23 スクリュー用モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルト舗装を行う道路舗装車両であって、
エンジンと、
前記エンジンの駆動によって発電を行う発電機と、
前記発電機による電力によって前記道路舗装車両の所定の装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータを制御する電気制御部と、
前記エンジンによる熱気を冷却するための冷却部と、
前記エンジンによる熱気を吸引し、吸引した空気を前記道路舗装車両の車外へ排出する排気部とを備え、
前記電気制御部は、前記排気部による空気の流れが前記電気制御部から前記エンジンへの向きとなる位置に配置される、道路舗装車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−87620(P2013−87620A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138627(P2012−138627)
【出願日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【分割の表示】特願2011−229766(P2011−229766)の分割
【原出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000235163)範多機械株式会社 (26)
【Fターム(参考)】