説明

遠心圧縮機

【課題】遠心圧縮機1の作動の安定性を十分に確保した上で、遠心圧縮機1の圧縮機効率及び耐久性を向上させること。
【解決手段】各ブレード15の後縁15r側の羽根厚中心線15cがインペラ9の径方向D2に対してインペラ9の回転方向D3側へ傾斜してあって、流出開口部25内、トリートメント空洞部21内、又は抽気開口部23内に複数枚のフィン27が周方向に沿って間隔を置いて設けられ、各フィン27がインペラ9の径方向D2に対してインペラ9の回転方向D3の反対方向側へ傾斜していること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心力を利用して空気等のガスを圧縮する産業用遠心圧縮機、ガスタービン用遠心圧縮機等の遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な産業用遠心圧縮機等の遠心圧縮機の構成について図3(b)、図5、及び図6を参照して説明する。なお、図中、「F」は、前方向、「R」は、後方向をそれぞれ指している。
【0003】
図5及び図6に示すように、一般的な遠心圧縮機101は、ハウジング103を具備しており、このハウジング103は、内側に、シュラウド(内壁)103sを有している。また、ハウジング103のシュラウド103s内には、インペラ105が回転可能に設けられており、このインペラ105は、その軸心105c周りに回転可能かつ外周面(ハブ面)107hがインペラ105の軸方向D1から径方向D2外側へ延びたディスク(ホイール)107、及びこのディスク107の外周面107hに間隔を置いて設けられた複数枚のブレード(羽根)109を備えている。なお、各ブレード109の軸長、具体的には、各ブレード109の前縁109fのチップ端109feから後縁109rのハブ端109reまでのインペラ105の軸方向D1の長さは、同じ長さに設定されている。
【0004】
ここで、図3(b)に示すように、各ブレード109の後縁109r側の羽根厚中心線109cは、インペラ105の径方向D2に対してインペラ105の回転方向D3の反対側へ傾斜しており、換言すれば、インペラ105は、所謂バックワードインペラとして構成されている。また、ブレード109の出口羽根角βの符号は負になっている。
【0005】
図6に示すように、ハウジング103におけるインペラ105の入口側には、空気(ガスの一例)Aを吸入する吸入口111が形成されている。また、ハウジング103におけるインペラ105の出口側には、圧縮した空気Aを昇圧して排気するディフューザ流路(排気流路の一例)113が形成されている。
【0006】
従って、遠心圧縮機101を運転する場合には、インペラ105を回転させることにより、吸入口111からインペラ105側に吸入した空気Aを遠心力を利用して圧縮すると共に、圧縮した空気Aを排気流路113から排気することができる。
【0007】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献3に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−209694号公報
【特許文献2】特開2004−27931号公報
【特許文献3】特開2001−289197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年、遠心圧縮機101の高圧力比の要請が強くなっており、それに伴い、インペラ105の周速(回転速度)は高くなる傾向にある。一方、インペラ105の周速が高くなると、ディスク107の背面107dの外縁付近と空気Aとの摩擦損失、及びハウジング103のシュラウド103sとインペラ105の出口の手前側を流れる空気Aとの摩擦損失が増大して、遠心圧縮機101の圧縮機効率が低下すると共に、空気Aとの摩擦によるインペラ105の一部に大きな温度上昇が生じて、遠心圧縮機101の耐久性が低下するという問題がある。
【0010】
つまり、遠心圧縮機101の圧力比を高めつつ、遠心圧縮機101の圧縮機効率及び耐久性を向上させることを困難であるという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴は、遠心力を利用してガスを圧縮する遠心圧縮機において、内側にシュラウド(内壁)を有したハウジングと、前記ハウジングの前記シュラウド内に回転可能に設けられ、軸心(インペラの軸心)周りに回転可能かつ外周面(ハブ面)が軸方向から径方向外側に向かって延びたディスク(ホイール)、及び前記ディスクの外周面に周方向に間隔を置いて設けられた複数枚のブレード(羽根)を備えたインペラと、を具備し、前記ハウジングにおける前記インペラの入口側にガスを吸入する吸入口が形成され、前記ハウジングにおける前記インペラの出口側に圧縮したガスを排気する排気流路が形成され、各ブレードの後縁側の羽根厚中心線が前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向側へ傾斜してあって、前記ハウジングの内部に環状のトリートメント空洞部が形成され、前記ハウジングの前記シュラウドにおける前記ブレードの前縁よりも下流側に空気を抽気可能な抽気開口部(抽気穴)が前記トリートメント空洞部に連通して形成され、前記ハウジングの前記シュラウドにおける前記ブレードの前縁よりも上流側にガスを前記インペラの入口側へ流出可能な流出開口部(流出穴)が前記トリートメント空洞部に連通して形成され、前記流出開口部内、前記トリートメント空洞部内、又は前記抽気開口部内に複数枚のフィンが周方向に沿って間隔を置いて設けられ、各フィンが前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向の反対側へ傾斜していることを要旨とする。
【0013】
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において、「ガス」とは、空気、窒素ガス、水素ガス等を含む意であって、「上流」とは、主流のガスの流れ方向から見て上流のことであって、「下流」とは、主流のガスの流れ方向から見て下流のことである。また、「複数枚のブレード」は、軸長の同じ複数枚のブレードの他に、軸長の異なる複数枚のブレードを含む意であって、「複数枚のブレード」が軸長の異なる複数枚のブレードである場合には、「前記ブレードの前縁よりも上流側」とは、軸長の最も長いブレードの前縁よりも上流側のことである。
【0014】
本発明の特徴によると、前記遠心圧縮機を運転する場合には、前記インペラを回転させることにより、前記吸入口から前記インペラ側に吸入したガスを遠心力を利用して圧縮すると共に、圧縮したガスを前記排気流路から排気することができる。
【0015】
前記遠心圧縮機の運転中に、前記吸入口から吸入されるガスの流量(実際の流量)が少なくなると、前記インペラ側へ吸入したガスの一部が前記抽気開口部内に抽気され、前記トリートメント空洞部内に流入する。そして、前記トリートメント空洞部内に流入したガスは、前記抽気開口部側から前記流出開口部側へ流れて、前記流出開口部から前記インペラの入口側へ流出する。これにより、前記インペラ側へ吸入したガスの一部を前記流出開口部と前記抽気開口部との間で循環させて、前記インペラ側へ吸入されるガスの見かけの流量を実際の流量よりも多くすることができる。
【0016】
前述の作用の他に、各ブレードの後縁側の羽根厚中心線が前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向側へ傾斜してあるため、前記インペラの半径を縮小して、前記インペラの周速を下げても、前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向の反対側へ傾斜している場合に比べて、設計点付近(設計点を含む)における断熱ヘッド(後述の段落[0035][0036]参照)を十分に確保することができる。
【0017】
各ブレードの後縁側の羽根厚中心線が前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向側へ傾斜してあるため、サージ近傍における断熱ヘッドが低下する傾向にあるものの、各フィンが前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向の反対側へ傾斜しているため、前記流出開口部から流出するガスに前記インペラの回転方向と反対方向の旋回(旋回流)を与えることができ、結果的にサージ近傍における断熱ヘッドの低下を十分に抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明よれば、サージ近傍における断熱ヘッドの低下を十分に抑えると共に、前記インペラの半径を縮小して、前記インペラの周速を下げても、設計点付近における断熱ヘッドを十分に確保できるため、前記遠心圧縮機の作動の安定性を十分に確保した上で、前記遠心圧縮機の圧力比を高めつつ、前記インペラ等とガスとの摩擦損失を低減して、前記遠心圧縮機の圧縮機効率を向上させると共に、ガスとの摩擦による前記インペラの一部の温度上昇を抑えて、前記遠心圧縮機の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1(a)は、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機におけるインペラの部分正面図、図1(b)は、図2におけるIB-IB線に沿った断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機の模式的な側断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機におけるブレード出口の速度三角形を示す図、図3(b)は、一般的な遠心圧縮機におけるブレード出口の速度三角形を示す図である。
【図4】図4(a)は、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機におけるブレード入口の速度三角形を示す図、図4(b)は、一般的な遠心圧縮機におけるブレード入口の速度三角形を示す図である。
【図5】図5は、一般的な遠心圧縮機におけるインペラの部分正面図である。
【図6】図6は、一般的な遠心圧縮機の模式的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について図1(a)(b)から図4(a)(b)を参照して説明する。なお、図面中において、「F」は、前方向、「R」は、後方向をそれぞれ指してある。
【0021】
図1(a)及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機1は、ガスタービン又は産業用空気設備等に用いられ、遠心力を利用して空気(ガスの一例)Aを圧縮するものである。そして、本発明の実施形態に係る遠心圧縮機1の具体的な構成は、以下のようになる。
【0022】
本発明の実施形態に係る遠心圧縮機1は、ハウジング3を具備しており、このハウジング3は、内側にシュラウド(内壁)5sを有したハウジング本体5と、このハウジング本体5の後側に設けられたシールプレート7とを備えている。なお、シールプレート7は、ガスタービン又は産業用空気設備等における別のハウジング(図示省略)に一体的に連結又は一体形成されている。
【0023】
ハウジング本体5のシュラウド5s内には、インペラ9が回転可能に設けられている。
【0024】
具体的には、ハウジング本体5のシュラウド5s内には、ディスク(ホイール)11が設けられており、このディスク11は、インペラ9の軸心9c周りに回転可能であって、別のハウジングに回転可能に設けられたロータ軸13に一体的に連結されている。また、ディスク11の外周面(ハブ面)11hは、インペラ9の軸方向(前後方向)D1から径方向D2外側に向かって延びてあって、ディスク11の背面11dは、シールプレート7に対向してある。
【0025】
ディスク11の外周面11hには、同じ軸長の複数枚のブレード(羽根)15が周方向に間隔を置いて設けられており、各ブレード15のチップ端(先端)15tは、ハウジング本体5のシュラウド5sに沿うように延びている。また、各ブレード15の軸長、具体的には、各ブレード15の前縁15fのチップ端15feから後縁15rのハブ端15reまでのインペラ9の軸方向D1の長さは、同じ長さに設定されている。なお、軸長の同じブレード15を用いる代わりに、軸長の異なる複数種のブレード(図示省略)を用いても構わない。
【0026】
ハウジング本体5におけるインペラ9の入口側(ハウジング本体5の前側部)には、空気をインペラ9側へ吸入する吸入口17が形成されている。また、ハウジング本体5におけるインペラ9の出口側には、圧縮した空気Aを減速させて排気する環状のディフューザ流路19(排気流路の一例)が形成されている。更に、ハウジング本体5の適宜位置には、空気Aを吐出する吐出口(図示省略)が形成されており、この吐出口は、ディフューザ流路19に連通してある。
【0027】
続いて、本発明の実施形態の要部について説明する。
【0028】
図1(a)及び図3(a)に示すように、各ブレード15の後縁15r側の羽根厚中心線15cは、インペラ9の径方向D2に対してインペラ9の回転方向D3側へ傾斜しており、換言すれば、インペラ9は、所謂フォワードインペラとして構成されており、ブレード15の出口羽根角βの符号は、正になっている。なお、ブレード15の出口羽根角βとは、インペラ9の径方向D2とブレード15の後縁15r側の羽根厚中心線15cとのなす角のことをいう。
【0029】
図1(b)及び図2に示すように、ハウジング本体5の内部には、環状のトリートメント空洞部21が形成されている。また、ハウジング本体5のシュラウド5sにおけるブレード15の前縁15fよりも下流側(後側)には、空気Aを抽気可能な環状の抽気開口部(抽気穴)23が形成されており、この抽気開口部23は、トリートメント空洞部21に連通してある。更に、ハウジング本体5のシュラウド5sにおけるブレード15の前縁15fよりも上流側(前側)には、空気Aをインペラ9の入口側へ流出可能な環状の流出開口部(流出穴)25が形成されており、この流出開口部25は、トリートメント空洞部21に連通してある。
【0030】
流出開口部25内には、複数枚のフィン27が周方向に沿って間隔を置いて設けられており、各フィン27は、インペラ9の径方向D2に対してインペラ9の回転方向D3の反対側へ傾斜している。なお、複数のフィン27が流出開口部25内に設けられる代わりに、トリートメント空洞部21内又は抽気開口部23内に設けられるようにしても構わない。
【0031】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0032】
(i) 通常の作用
遠心圧縮機1を運転する場合には、ロータ軸13の回転によってインペラ9を一体的に回転させることにより、吸入口17からインペラ9側に吸入した空気Aを遠心力を利用して圧縮すると共に、圧縮した空気Aをディフューザ流路19から昇圧して排気することができる。
【0033】
遠心圧縮機1の運転中に、吸入口17から吸入される空気Aの流量(実際の流量)が少なくなると、インペラ9側へ吸入した空気Aの一部が抽気開口部23内に抽気され、トリートメント空洞部21内に流入する。そして、トリートメント空洞部21内に流入した空気Aは、抽気開口部23側から流出開口部25側へ流れて、流出開口部25からインペラ9の入口側へ流出する。これにより、インペラ9側へ吸入した空気Aの一部を流出開口部25と抽気開口部23との間で循環させて、インペラ9側へ吸入される空気Aの見かけの流量を実際の流量よりも多くすることができる。
【0034】
(ii) 特有の作用
遠心圧縮機1の圧力比に相関するものとして断熱ヘッドHがあり、断熱ヘッドHが大きくなると遠心圧縮機1の圧力比が大きくなるようになっている。そして、断熱ヘッドHは、次式によって示される。
【0035】
H=η(U2Cu2−U1Cu1)G ‥‥式(1)
η:圧縮機効率
2:ブレード出口周速(インペラ出口周速)
Cu2:ブレード出口絶対速度(インペラ出口絶対速度)の周方向成分
1:ブレード入口周速(インペラ出口周速)
Cu1:ブレード入口絶対速度(インペラ入口絶対速度)の周方向成分
G:空気の流量
インペラ9の入口で旋回流がない場合には、ブレード入口絶対速度の周方向成分Cu1を無視することができ、式(1)を次式に置き換えることができる。
【0036】
H=ηU2Cu2G ‥‥式(2)
各ブレード15の後縁15r側の羽根厚中心線15cがインペラ9の径方向D2に対してインペラ9の回転方向D3側へ傾斜してあるため、前述の式(2)を考慮すると、インペラ9の半径を縮小して、インペラ9の周速を下げても、一般的な遠心圧縮機(101)のようにインペラ(105)の径方向D2に対してインペラ(105)の回転方向D3の反対側へ傾斜している場合に比べて(図3(b)参照)、図3(a)に示すように、ブレード出口絶対速度の周方向成分Cu2を高めて、設計点付近における断熱ヘッドHを十分に確保することができる。
【0037】
ここで、図3(a)(b)において、C2は、ブレード出口絶対速度(インペラ出口絶対速度)であって、V2は、ブレード出口相対速度(インペラ出口相対速度)である。
【0038】
各ブレード15の後縁15r側の羽根厚中心線15cがインペラ9の径方向D2に対してインペラ9の回転方向D3側へ傾斜してあるため、前述の式(1)を考慮すると、サージ近傍において、ブレード出口絶対速度の周方向成分Cu2が小さくなって、サージ近傍における断熱ヘッドHが低下する傾向にある(図3(a)参照)。一方、各フィン27がインペラ9の径方向に対してインペラ9の回転方向の反対側へ傾斜しているため、流出開口部25から流出する空気Aにインペラ9の回転方向D3の反対方向の旋回(旋回流)を与えることができ、図4(a)に示すように、ブレード入口絶対速度の周方向成分Cu1の負の値が大きくすることができる。これにより、結果的にサージ近傍における断熱ヘッドHの低下を十分に抑えて、サージ近傍における断熱ヘッドHを設計点における断熱ヘッドHよりも高くすることができる。
【0039】
なお、一般的な遠心圧縮機(101)のように各ブレード(109)の後縁側の羽根厚中心線(109c)がインペラ(105)の径方向D2に対してインペラ(105)の回転方向D3の反対側へ傾斜している場合には、サージ近傍において、ブレード入口絶対速度の周方向成分Cu1が生じないものの(図4(b)参照)、前述の式(2)を考慮すると、ブレード出口絶対速度の周方向成分Cu2が大きくなって(図3(b)参照)、サージ近傍における断熱ヘッド十分に確保することができる。
【0040】
ここで、図4(a)(b)において、Cは、ブレード入口絶対速度(インペラ入口絶対速度)であって、Vは、ブレード入口相対速度(インペラ入口相対速度)である。
【0041】
(iii) 実施形態の効果
本発明の実施形態によれば、サージ近傍における断熱ヘッドHの低下を十分に抑えつつ、インペラの半径を縮小して、インペラの周速を下げても、設計点付近における断熱ヘッドHを十分に確保できるため、遠心圧縮機1の作動の安定性を十分に確保した上で、遠心圧縮機1の圧力比を高めつつ、インペラ9等と空気Aとの摩擦損失を低減して、遠心圧縮機1の圧縮機効率を向上させると共に、空気Aとの摩擦によるインペラ9の一部の温度上昇を抑えて、遠心圧縮機1の耐久性を向上させることができる。
【0042】
また、インペラの半径を縮小しても、設計点付近における断熱ヘッドHを十分に確保できるため、遠心圧縮機1の小型化及び軽量化を十分に促進することができる。
【0043】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものでなく、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【符号の説明】
【0044】
1 遠心圧縮機
3 ハウジング
5 ハウジング本体
5s シュラウド
7 シールプレート
9 インペラ
9c 軸心
11 ディスク
15 ブレード
15c 羽根厚中心線
15f ブレードの前縁
15r ブレードの後縁
17 吸入口
19 ディフューザ流路(排気流路)
21 トリートメント空洞部
23 抽気開口部
25 流出開口部
27 フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心力を利用してガスを圧縮する遠心圧縮機において、
内側にシュラウドを有したハウジングと、
前記ハウジングの前記シュラウド内に回転可能に設けられ、軸心周りに回転可能かつ外周面が軸方向から径方向外側に向かって延びたディスク、及び前記ディスクの外周面に周方向に間隔を置いて設けられた複数枚のブレードを備えたインペラと、を具備し、
前記ハウジングにおける前記インペラの入口側にガスを吸入する吸入口が形成され、前記ハウジングにおける前記インペラの出口側に圧縮したガスを排気する排気流路が形成され、
各ブレードの後縁側の羽根厚中心線が前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向側へ傾斜してあって、
前記ハウジングの内部に環状のトリートメント空洞部が形成され、前記ハウジングの前記シュラウドにおける前記ブレードの前縁よりも下流側にガスを抽気可能な抽気開口部が前記トリートメント空洞部に連通して形成され、前記ハウジングの前記シュラウドにおける前記ブレードの前縁よりも上流側にガスを前記インペラの入口側へ流出可能な流出開口部が前記トリートメント空洞部に連通して形成され、
前記流出開口部内、前記トリートメント空洞部内、又は前記抽気開口部内に複数枚のフィンが周方向に沿って間隔を置いて設けられ、各フィンが前記インペラの径方向に対して前記インペラの回転方向の反対方向側へ傾斜していることを特徴とする遠心圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−40587(P2013−40587A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178890(P2011−178890)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】