説明

遠隔チャージ・ポンプを有する加圧流体圧流体システム

加圧流体圧流体システムは、チャージ・ポンプ(16)、チャージ・ポンプに駆動式に結合された流体圧モータ(24)、および流体圧モータを駆動するためにポンプとして機能するように適合された主流体圧ユニット(12)を含む。チャージ・ポンプ(16)は、主流体圧ユニット(12)がポンプとして機能するとき、主流体圧ユニット(12)において十分な入口圧力を維持するために、主流体圧ユニット(12)と流体連絡する。システムは、チャージ・ポンプの入口と流体連絡する流体圧流体貯槽(20)、主流体圧ユニットと流体連絡する高圧流体圧アキュムレータ(22)、およびチャージ・ポンプ(16)によって生成された流体圧流体の過剰フローを流体圧流体貯槽(20)に戻すために、主流体圧ユニットを流体圧流体貯槽(20)と流体接続する戻りフロー通路(11)をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、加圧流体圧流体システム(pressurized hydraulic fluid system)に関し、より具体的には、主ポンプと、すべての条件下において主ポンプにおいて十分な入口ヘッド圧力を維持するために提供されたチャージ・ポンプ(charge pump)とを含む加圧流体圧流体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来的には、従来の技術の加圧流体圧流体システムは、流体圧モータまたは作動装置を駆動する、あるいは高圧流体圧アキュムレータを充填するなど、さまざまな応用分野について提供されるポンプまたはモータ/ポンプなどの主流体圧ユニットを含む。通常、具体的には高性能ピストン・ポンプであるが、これに限定されない流体圧ポンプは、いくつかの動作条件についてその入口(吸引)側に対する正のヘッド圧力を必要とする。そのような動作条件の例には、高粘性流体圧流体が使用されるときの高速動作、または低温気候動作(cold weather operation)があるが、これに限定されるものではない。多くのそのような応用分野では、専用チャージ・ポンプが、入口側に対して正のヘッド圧力を創出して維持するために、流体貯槽と高性能流体圧ポンプとの間において使用される。通常、チャージ・ポンプは、主ポンプとは別の電源および主高性能流体圧ポンプを駆動する原動機によって駆動される。加圧流体圧流体システムのそのような構成は、多くの欠点を呈示し、別の電源を有する従来の技術のチャージ・ポンプは、高性能流体圧ポンプを通過する流量の変化を補償することができないということを含めて、多くの欠点を呈示する。さらに、多くの応用分野において、貯槽が取り付けられているチャージ・ポンプの近傍に電源を取り付けることが不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、電源から変換された流体圧電力の一部が「遠隔」チャージ・ポンプを駆動するために使用されることを可能にすることによって、従来の技術のこれらの欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の好ましい実施形態による加圧流体圧流体システムは、チャージ・ポンプ、チャージ・ポンプに駆動式に結合された流体圧モータ、および流体圧ポンプとして機能するように適合された主流体圧ユニットを含む。主流体圧ユニットは、流体圧ポンプとして機能するとき、流体圧モータを駆動するために提供される。本発明のチャージ・ポンプは、主流体圧ユニットが、ポンプとして機能する主流体圧ユニットにおいて十分な入口圧力を維持するために流体圧ポンプとして機能するとき、主流体圧ユニットと流体連絡する。さらに、チャージ・ポンプのフローは、主流体圧ユニットのフローに比例し、したがって、本発明の流体圧流体システムは、浪費する電力が少なくなる傾向がある。
【0005】
主流体圧ユニットは、流体圧ポンプおよび反転されたときに流体圧モータの両方として機能する容積式可逆流体圧ユニット(prositive displacement reversible hydraulic unit)であることが好ましい。
【0006】
本発明の加圧流体圧流体システムは、流体圧モータが、ポンプとして機能する主流体圧ユニットによって駆動されるときのみ、回転トルクが流体圧モータからチャージ・ポンプに伝達されることを保証する構成を含む。
【0007】
したがって、本発明は、主ポンプと、ポンプとして機能するとき主ポンプにおいて十分な入口圧力を維持するために提供されるチャージ・ポンプとを備える加圧流体圧流体システムの新規な構成を記述し、チャージ・ポンプは、チャージ・ポンプに機械式に結合され、主ポンプによって駆動される流体圧モータによって駆動される。本発明は、主ポンプを通る流量を補償するために、比例充填フローを主ポンプに提供する。
【0008】
本発明の他の目的および利点は、添付の図面を考慮して考察されるとき、以下の明細書を研究することから明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1の例示的な実施形態による加圧流体圧流体システム10を概略的に示す。加圧流体圧流体システム10は、可変変位主流体圧ユニット12、主流体圧ユニット12に流体圧式に接続された遠隔の流体圧流体貯槽(remote hydraulic fluid reservoir)20、および主流体圧ユニット12に流体圧式に接続された高圧流体圧アキュムレータ22を備える。流体圧流体貯槽20は、適切な量の流体圧流体21を貯蔵して、流体圧流体21を主流体圧ユニット12に供給するために提供される。
【0011】
主流体圧ユニット12は、流体圧ポンプおよび反転されたときに流体圧モータの両方として機能する高圧ピストン・モータ/ポンプなど、容積式可逆流体圧ユニットであることが好ましい。主流体圧ユニット12は、たとえば高圧可変変位ピストン・モータ/ポンプである可変容積式モータ/ポンプなど、可変変位ポンプであることがより好ましい。この構成により、主流体圧ユニット12の変位を変更する可能であり、したがって、生成されるフローは、駆動される速度に関係なく制御することができる。可変変位モータ/ポンプの利点は、遠隔チャージ・ポンプ16が、主ユニットの速度の変化を自己補償するだけでなく、回転あたりの変位をも自己補償することである。しかし、任意の適切な流体圧モータ/ポンプまたはポンプ・ユニットが、本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。
【0012】
すべての条件下において主流体圧ユニット12において十分な入口ヘッド圧力を創出して維持するために、主流体圧ユニット12が流体圧ポンプとして機能するとき、加圧流体圧流体システム10は、チャージ・ポンプ16をさらに含む。チャージ・ポンプ16は、限定はしないが、遠心ポンプなど、非容積式流体圧ポンプ(non−positive displacement hydraulic pump)であることが好ましく、これは、主流体圧ユニット12の必要性に自動的に基づく可変チャージ・ポンプ・フローを見込む。非容積式チャージ・ポンプの使用により、主ポンプ12が、初期開始時にチャージ・ポンプ16を経て流体を引き出すことが可能になる。容積式チャージ・ポンプまたは非容積式のチャージ・ポンプの選択において考慮される決定因子の1つは、使用される流体圧流体の作業粘性範囲(working viscosity range)である。容積式チャージ・ポンプが使用されるとき、チャージ・ポンプが初期開始中に「フリーホイール」することを可能にするために、オーバーラン・クラッチ28に依拠する。チャージ・ポンプの非容積式(non−positive)の性質のために、ある程度の固有の圧力規制が可能である。これは、遠心ポンプのフローが、ポンプの入口ポートおよび出口ポートの両端の圧力差の増大と共に迅速に降下するためである。代替として、チャージ・ポンプ16は、速度および流体条件が保証されるときに使用される容積式流体圧ポンプとすることが可能である。
【0013】
チャージ・ポンプ16は、流体圧流体貯槽20から入口流体圧通路17を介して流体圧流体21を受け取り、主流体圧通路11および出口流体圧通路14を介して流体21を主流体圧ユニット12に供給する。図1に示されるように、出口流体圧通路14は、チャージ・ポンプ16から1方向においてのみ流体フローを可能にする逆止め弁44を含む。チャージ・ポンプ16は、貯槽20に隣接して配置されることが好ましい。チャージ・ポンプ16は、流体圧流体の粘性が高いとき、最も好適な吸引条件を提供するために、貯槽20に直接取り付けられることがさらに好ましい。貯槽20およびチャージ・ポンプ16は、主流体圧ユニット12から離れて配置することができる。
【0014】
チャージ・ポンプ16は、主流体圧ユニット12が、入口に対するヘッド圧力を構築するために、流体圧ポンプとして機能するとき、すべての条件下において、十分な量の流体圧流体21が主流体圧ユニット12に供給されることを保証するのに十分な変位を有する。チャージ・ポンプ16は、すべての条件下において、ポンプとして作用する主流体圧ユニット12が消費するより多い量の流体圧流体21を生成することが好ましい。流体圧流体21の過剰フローは、圧力安全弁32、粒子フィルタ34、熱交換器36、および逆止め弁42を含む戻りフロー通路(return flow passage)30を経て遠隔貯槽20に戻る。
【0015】
さらに、戻りフロー通路30は、粒子フィルタ34が詰まった場合に粒子フィルタ34を迂回するためのフィルタ迂回線35、および熱交換器36が詰まった場合に熱交換器36を迂回するための熱交換器迂回線35を含む。次に、フィルタ迂回線35は、逆止め弁35’を備え、一方、熱交換器迂回線37は、逆止め弁37’を備える。
【0016】
図1にさらに示されるように、加圧流体圧流体供給システム10は、熱交換器36を通って流れる流体圧流体21を強制的に冷却するために、熱交換器36に関連付けられた冷却ファン38をさらに含む。冷却ファン38は、電気モータ30によって選択的に駆動される。当業者なら、電気モータの他に、冷却ファン38を駆動するために、電気モータの他に、あらゆる他の適切な電源を使用することが可能であることを理解するであろう。
【0017】
チャージ・ポンプ16は、チャージ・ポンプ16に動作式に結合された容積式流体圧モータ18によって駆動される。より具体的には、図1に示されるように、流体圧モータ18の出力シャフト24は、流体圧モータ18が、ポンプとして機能する主流体圧ユニット12によって駆動されるとき、1方向Mにおいてのみ流体圧モータ18からチャージ・ポンプ16に回転トルクを伝達するように構成された1方クラッチ28を経て、チャージ・ポンプ16の駆動シャフト26に機械式に接続可能である。明らかに、流体圧モータ18が反対方向に回転するとき、回転トルクは、チャージ・ポンプ16の駆動シャフト26に伝達されない。したがって、1方向クラッチ28は、アキュムレータ22からの反対フローがチャージ・ポンプ16を反対に駆動することを防止するために提供される。この1方向クラッチ28は、流体圧モータ18が、チャージ・ポンプ16から主流体圧ユニット12の入口ポートへのフローを生成する方向においてのみチャージ・ポンプ16を駆動することを可能にする。主流体圧ユニット12を通過するあらゆる反対フローは、圧力安全弁32を介して貯槽20に戻る。チャージ・ポンプ16を通る反対フローは、逆止め弁44の1方向フロー機能によって防止される。
【0018】
1方向オーバーラン・クラッチは、当技術分野において周知であり、自転車ドライブなどの低速デバイスから自動車変速機およびトルク変換器などの高速機構まで、様々な応用分野において広く使用されている。現在、使用されている商用の1方向クラッチは、一般的に、輪止めタイプ、ローラ・ランプ・タイプ、ラチェット・タイプなどである。クラッチが作動されていないときは両方向のフリーホイーリングを可能にするが、クラッチが作動しているときは1つのオーバーラン方向においてのみ回転することが可能である選択可能1方向クラッチなど、流体圧モータ18とチャージ・ポンプ16との間のあらゆる他の適切なタイプの1方向クラッチが使用されることも可能であることが理解されるであろう。当業者なら、チャージ・ポンプ16を流体圧モータ18に選択的に接続する摩擦クラッチ・パックなど、流体圧モータ18とチャージ・ポンプ16との間の任意の適切なタイプのクラッチが使用されることも可能であることを理解するであろう。
【0019】
次いで、流体圧モータ18は、主流体圧ユニット12が流体圧ポンプとして機能するとき、主流体圧ユニット12によって駆動される。流体圧モータ18および主流体圧ユニット12は、流体圧線15を介して互いに流体圧式に接続される。流体圧モータ18は、高圧流体圧アキュムレータ22に流体圧式にさらに接続される。アキュムレータ22は、当技術分野において周知のハイドロニューマチック・アキュムレータ(hydro−pneumatic accumulator)であることが好ましい。しかし、あらゆる他の適切なタイプの流体圧アキュムレータも、本発明の範囲内にある。当業者なら、アキュムレータ22の目的は、加圧された流体圧流体の形態で、減速中に熱として一般に散逸する制動動作中の車両の運動エネルギーなどの運動エネルギーを回収し、貯蔵することであることを理解するであろう。アキュムレータ22の代わりに、流体圧シリンダ、流体圧モータ、圧力安全弁など、あらゆる適切な流体圧デバイスを使用することができることが理解されるであろう。
【0020】
図1に示される加圧流体圧流体システム10は、以下のように機能する。車両のドライブトレインなど、運動エネルギーの外部源が、方向Pにおいて駆動シャフト13を経て主流体圧ユニット12を駆動する際、主流体圧ユニット12は、ポンプとして機能し、方向Fにおいて流体圧通路15を経て流体圧モータ18に供給される流体圧圧力を生成する。その後、流体圧モータ18を出た加圧流体圧流体は、流体圧通路23を出て高圧流体圧アキュムレータ22を充填する。同時に、主流体圧ユニット12によって生成された流体圧圧力は、方向Mにおいて流体圧モータ18を駆動し、次いで、流体圧モータ18は、1方向クラッチ28によって結合された出力シャフト24および駆動シャフト26によりチャージ・ポンプ16を駆動する。その後、チャージ・ポンプ16は、入口流体圧通路17を介して流体圧流体貯槽20から流体圧流体21を引き出し、図1に示される方向Fにおいて流体圧通路11および14を介して主流体圧ユニット12の入口に加圧流体圧流体を供給する。上記において開示されたように、チャージ・ポンプ16は、すべての条件下においてポンプとして機能する主流体圧ユニット12において十分な入口ヘッド圧力を維持するように十分に大きい加圧流体圧流体フローを生成する。チャージ・ポンプ16からの流体圧流体21の過剰フローは、戻りフロー通路30を経て遠隔貯槽20に戻る。貯槽20への方向において、流体圧流体の過剰フローは、流体圧流体21が冷却される熱交換器36を通過し、貯槽20に入る前に流体圧流体21を不純物から清浄する粒子フィルタ34を通過する。
【0021】
当業者なら、主流体圧ユニット12がポンプとして機能するとき、主流体圧ユニット12の駆動シャフト13の回転速度が増大する場合、流体圧モータ18の回転速度も増大し、その結果、チャージ・ポンプ16の回転速度も増大することを理解するであろう。その結果、主流体圧ユニット12に供給される流体圧流体21の量も増大する。したがって、加圧流体圧流体システム10は、主流体圧ユニット12を通る流量の変化を自己補償し、それにより、システム10を動作するのに必要な全エネルギーを低減し、主流体圧ユニット12がポンプとして機能するとき、すべての条件下において主流体圧ユニット12の入口に対する十分なヘッド圧力を維持する。
【0022】
しかし、圧力アキュムレータ22に貯蔵されている加圧流体圧流体が、主流体圧ユニット12を駆動するために使用される場合、主流体圧ユニット12は、モータとして機能し、駆動シャフト13を回転させるトルクを生成する。この場合、高圧流体圧アキュムレータ22からの加圧流体圧流体は、流体圧通路23、流体圧モータ18、および流体圧通路15を経て主流体圧ユニット12に供給される。流体圧モータ18の出力シャフト24は、高圧流体圧アキュムレータ22の加圧流体圧流体によって駆動されて回転するが、チャージ・ポンプ16は、具体的には流体圧モータ18が、ポンプとして機能する主流体圧ユニット12によって駆動されるとき、1方向においてのみ流体圧モータ18からチャージ・ポンプ16に回転トルクを伝達する1方向クラッチ28のために動作不能であることに留意されたい。主流体圧通路11を経て主流体圧ユニット12を出た流体圧流体は、戻りフロー通路30を経て遠隔貯槽20に流れる。再び、貯槽20への方向において、流体圧流体のフローは、熱交換器36および粒子フィルタ34を通過する。
【0023】
図2は、本発明による加圧流体圧流体システム110の第2の例示的な実施形態を示す。図1に示された例示的な実施形態から変更されていない構成要素、またはそれと同じ方式で機能する構成要素は、同じ参照符号で名称付けされている。
【0024】
より具体的には、図2に示されるように、流体圧モータ18は、流体圧モータ18が、ポンプとして機能する主流体圧ユニット12によって動作されるとき(1方向クラッチを使用せずに)、1方向Mにおいてのみ流体圧モータ18からチャージ・ポンプ16に回転トルクを伝達するように構成された駆動シャフト124を経て、チャージ・ポンプ16に直接機械式に結合される。
【0025】
さらに、本発明の第2の例示的な実施形態の加圧流体圧流体システム110は、迂回逆止め弁123’を含むモータ迂回線123を備える。モータ迂回線123は、流体圧モータとして機能する主流体圧ユニット12が、高圧流体圧アキュムレータ22からの加圧流体圧流体によって駆動されるとき、流体圧モータ18を迂回するために提供される。モータ迂回線123は、圧力アキュムレータ22からの反対フローが、迂回逆止め弁123’を介して流体圧モータ18の回りを自由に進行することができるように、流体圧通路23より小さい流体圧抵抗を流体フローに対して有することに留意されたい。流体圧モータ18のポートの両端の圧力差がわずかである、または圧力差がないので、モータ18がチャージ・ポンプ16を駆動するのは不可能である。
【0026】
図2に示される加圧流体圧流体システム110は、以下のように機能する。流体圧流体システム110の動作は、主流体圧ユニット12が、車両のドライブトレインなど、運動エネルギーの外部源によって駆動されるポンプとして機能するとき、流体圧流体システム10の動作とほぼ同一である。この状況では、モータ迂回線123は、迂回逆止め弁123’によって遮断される。その結果、ポンプ12によって生成されたすべての流体フローは、方向Fにおいて流体圧通路15を経て流体圧モータ18に供給され、それにより、チャージ・ポンプ16を駆動する。その後、流体圧モータ18を出た加圧流体圧流体は、流体圧通路23を経て高圧流体圧アキュムレータ22を充填する。
【0027】
しかし、圧力アキュムレータ22に貯蔵されている加圧流体圧流体が、主流体圧ユニット12を駆動するために使用される場合、主流体圧ユニット12は、モータとして機能し、駆動シャフト13を駆動するトルクを生成する。この場合、圧力アキュムレータ22からの加圧流体圧流体は、モータ迂回線123および流体圧通路15を経て主流体圧ユニット12に供給され、したがって流体圧モータ18を迂回する。圧力アキュムレータ22からの加圧流体圧流体が流体圧モータ18に供給されないので、モータ18は、チャージ・ポンプ16を駆動せず、したがって、チャージ・ポンプ16を動作不能にする。したがって、本発明の第2実施形態による流体圧システム110の特定の構成は、流体圧モータ18が、ポンプとして機能する主流体圧ユニット12によって駆動されるときのみ、流体圧モータ18からチャージ・ポンプ16への回転トルクが伝達されることを保証する。主流体圧通路11を経て主流体圧ユニット12を出た流体圧流体は、戻り流れ通路30を経て遠隔貯槽20に流れる。再び、貯槽20への方向において、流体圧流体のフローは、熱交換器36および粒子フィルタ34を通過する。
【0028】
図3は、本発明による加圧流体圧流体システム210の第3の例示的な実施形態を示す。図2に示された例示的な実施形態から変更されていない構成要素、またはそれと同じ方式で機能する構成要素は、同じ参照符号で名称付けされている。
【0029】
より具体的には、図3に示されるように、流体圧モータ18は、流体圧モータ18が主流体圧ポンプ212によって駆動されるとき(1方向クラッチを使用せずに)、1方向Mにおいてのみ流体圧モータ18からチャージ・ポンプ16に回転トルクを伝達するように構成された駆動シャフト124を経て、チャージ・ポンプ16に直接機械式に結合される。
【0030】
主流体圧ポンプ212は、高圧ピストン・ポンプなど、可変容積式ポンプであることが好ましい。代替として、主流体圧ポンプ212は、たとえば高圧ピストン・ポンプである容積式ポンプなど、固定変位ポンプとすることが可能である。任意の適切な流体圧ポンプが本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。主ポンプ212は、たとえば高圧可変変位ピストン・ポンプである可変容積式ポンプなど、可変変位ポンプであることがより好ましい。この構成により、主ポンプ212の変位を変更することが可能であり、したがって、生成されるフローは、駆動される速度に関係なく制御することができる。可変変位ポンプの利点は、遠隔チャージ・ポンプ16が、主ユニットの速度の変化を自己補償するだけでなく、回転あたりの変位をも自己補償することである。
【0031】
流体圧モータ18は、主流体圧ポンプ212によって駆動される。流体圧モータ18および主流体圧ポンプ212は、流体圧線215を介して互いに流体圧式に接続される。流体圧モータ18は、流体圧通路223を経て流体圧デバイス222にさらに流体圧式に接続される。次いで、流体圧デバイス222は、流体圧通路225を経て流体貯槽20に流体圧式に接続される。流体圧アキュムレータ、流体圧シリンダ、流体圧モータ、圧力安全弁など、任意の適切なタイプの流体圧デバイスが、本発明の流体圧流体システムにおいて使用されることが可能であることが理解されるであろう。したがって、主流体圧ポンプ212は、流体圧シリンダおよび流体圧モータなど、あらゆる様々な流体圧負荷を駆動し、または流体圧アキュムレータを充填するために提供される。
【0032】
動作時、主ポンプ212が駆動される際、吸引が入口側において創出され、一方、圧力上昇が主ポンプ212の出口側において創出される。主ポンプ212の出口側の圧力は、流体を流体圧モータ18の入口の中に進ませる。次いで、流体圧モータ18は、チャージ・ポンプ16を駆動する。次いで、チャージ・ポンプ16は、貯槽20から流体21を引き出し、主ポンプ212の吸引側に進ませる。適切なサイズのシステムでは、チャージ・ポンプ16の回転あたりの変位は、モータ18の回転あたりの変位より大きい。したがって、過剰な流体フローが、主ポンプ212の吸引ポートにおいて常に利用可能である。主ポンプ212の吸引側の過剰圧力を防止するために、圧力安全弁32が、最大圧力を規制するために使用される。主ポンプ212の中に引き出されるフローが過剰な状態でチャージ・ポンプ16によって生成されるフローは、圧力安全弁32にわたって放出され、貯槽20に戻る。任意選択として、フィルタおよび/熱交換器などの様々な流体調整デバイス(図3には図示されていないが、図1および2には示されている)が、安全弁32と貯槽20との間に配置されることが可能である。
【0033】
当業者なら、主ポンプのフロー性能に対して流体圧モータおよびチャージ・ポンプをサイズ決めするのは、慎重でなければならないことを理解するであろう。入口圧力要件が、主ポンプのすべての可能な動作条件の下で満たされることが保証されなければならない。モータまたはチャージ・ポンプの過剰速度を防止するように、特に慎重でなければならない。また、適切な主ポンプ入口圧力条件が、速度および変位に対する主ポンプの性能限界において満たされることを保証するように、慎重でなければならない。例として、主ポンプ入口フローの許容度は、一例として可能な場合のドレイン・フローなど、いくらかのフローがモータを通過せずに回路を出ることが可能である最悪の場合に対するものでなければならない。主ポンプの入口ポートが監視され、望ましくない動作条件を防止するために使用される直前に、圧力センサを使用することが望ましい可能性がある。
【0034】
いくつかの環境下では、主ポンプの出口ポートからのフローはわずかである、またはほとんどないが、入口ポートへのフローは存在する。たとえば、出口ポートにおいて一定圧力を維持するように変位が低減される可変変位主ポンプが使用されるとき、主ポンプの内部クリアランスおよび潤滑要件によるドレイン・フローのために、出口ポートからのフローは、わずかである、またはない可能性がある。この場合、モータ、したがってチャージ・ポンプは、遊休状態にある。チャージ・ポンプが活動的にポンピングしていない場合、適切な入口圧力条件が満たされるように慎重でなければならない。
【0035】
この問題は、遠心タイプのポンプなど、非容積式チャージ・ポンプを使用することによって解決することができる。そのようなポンプは、ポンプが停止状態にあるときでも、ポンプを通る流体の自由なフローを見込む。そのような場合、主ポンプの入口フローは一般に低減されているので、主ポンプの入口ポートの圧力は、許容可能なレベルに維持される。
【0036】
容積式チャージ・ポンプが使用される場合、適切な主ポンプ圧力条件が、すべての主ポンプ・フロー条件下において可能ではないことがあるような十分な流れ制限をチャージ・ポンプが生じるような環境となることがある。この場合、1方向クラッチが、主ポンプの出口ポート側の線のモータに対するモータとしてのチャージ・ポンプの自由回転を見込むために使用されることが可能である。そうであっても、このタイプの設計では、主ポンプの入口ポートにおける圧力が許容不可能なレベルに低下するようには、この場合はモータとして機能する自由ホイーリング・チャージ・ポンプの摩擦損失により、チャージ・ポンプの両端において圧力降下を生じないことを考慮に入れるべきである。
【0037】
したがって、本発明は、主流体圧ユニット、および主流体圧ユニットがポンプとして機能するとき、主流体圧ユニットにおいて十分な入口圧力を維持するために提供されるチャージ・ポンプを備える加圧流体圧流体システムの新規な構成を実現し、チャージ・ポンプは、チャージ・ポンプに機械式に結合された流体圧モータによって駆動され、次いで、主流体圧ユニットがポンプとして機能するとき、主流体圧ユニットによって駆動される。
【0038】
本発明の好ましい実施形態の以上の記述は、特許法の規定に従って示すために呈示された。網羅的である、または開示された精確な形態に本発明を限定することを意図するものではない。明らかな修正または変形が、上記の教示を考慮して可能である。上記において開示された実施形態は、本発明の原理およびその実用的な応用分野を最適に示し、それにより、当業者が、様々な実施形態において、また、本明細書において記載された原理に従う限り、考慮される特定の使用法に適するように様々な修正して、本発明を最適に使用することを可能にするように選択された。したがって、本発明の意図および範囲から逸脱せずに、上述された本発明において変更を実施することができる。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって確定されることも意図する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の例示的な実施形態による加圧流体圧流体供給システムの概略図である。
【図2】本発明の第2の例示的な実施形態による加圧流体圧流体供給システムの概略図である。
【図3】本発明の第3の例示的な実施形態による加圧流体圧流体供給システムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージ・ポンプと、
前記チャージ・ポンプに駆動式に結合された流体圧モータと、
前記流体圧モータを駆動するために提供された主ポンプとを備え、
前記チャージ・ポンプが、前記主ポンプにおいて十分な入口圧力を維持するために前記主ポンプと流体連絡する、加圧流体圧流体システム。
【請求項2】
適切な量の流体圧流体を貯蔵するために提供された流体圧流体貯槽をさらに備え、前記流体圧流体貯槽が、前記チャージ・ポンプの入口と流体連絡する、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項3】
前記チャージ・ポンプと前記主ポンプとの間における前記流体連絡を提供するために、前記チャージ・ポンプの出口と前記主ポンプの入口とを接続する流体圧導管をさらに備える、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項4】
前記チャージ・ポンプによって生成された前記流体圧流体の過剰フローを前記流体圧流体貯槽に戻すために、前記主ポンプを前記流体圧流体貯槽と流体接続する戻りフロー通路をさらに含む、請求項2に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項5】
前記戻りフロー通路が、圧力安全弁を含む、請求項4に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項6】
前記戻りフロー通路が、逆止め弁を含む、請求項4に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項7】
前記戻りフロー通路が、粒子フィルタを含む、請求項4に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項8】
前記戻りフロー通路が、前記粒子フィルタが詰まる場合に前記粒子フィルタを迂回するためのフィルタ迂回線を含む、請求項7に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項9】
前記戻りフロー通路が、熱交換器を含む、請求項4に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項10】
前記戻りフロー通路が、前記熱交換器が詰まる場合に前記熱交換器を迂回するための熱交換器迂回線を含む、請求項9に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項11】
前記熱交換器を通って流れる前記流体圧流体を強制的に冷却するために、前記熱交換器に関連付けられた冷却ファンをさらに含む、請求項9に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項12】
前記冷却ファンが、電気モータによって駆動される、請求項11に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項13】
前記流体圧モータが、前記主ポンプによって駆動されるときのみ、前記流体圧モータが、前記流体圧モータから前記チャージ・ポンプに回転トルクを伝達するために提供された1方向クラッチを経て前記チャージ・ポンプに駆動式に結合される、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項14】
前記主ポンプが、可変変位ピストン・ポンプである、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項15】
前記主ポンプが、流体圧ポンプおよび流体圧モータの両方として機能することができる可逆主流体圧ユニットである、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項16】
前記主流体圧ユニットおよび前記流体圧モータの両方と流体連絡する流体圧アキュムレータをさらに備え、前記アキュムレータが、前記主流体圧ユニットがモータとして機能するとき、前記主流体圧ユニットを駆動するように適合された加圧流体圧流体を貯蔵するために提供される、請求項15に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項17】
前記流体圧ユニットが、前記アキュムレータからの前記加圧流体圧流体によって駆動された前記モータとして機能するとき、前記流体圧モータを動作不能にするために、前記流体圧モータを迂回するために提供されたモータ迂回線をさらに含む、請求項16に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項18】
前記流体圧アキュムレータが、液気圧アキュムレータである、請求項16に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項19】
前記チャージ・ポンプが、非容積式流体圧ポンプである、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項20】
前記チャージ・ポンプが、遠心ポンプである、請求項19に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項21】
前記主ポンプおよび前記流体圧モータの両方と流体連絡する流体圧デバイスをさらに備える、請求項1に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項22】
前記流体圧デバイスが、流体圧アキュムレータ、流体圧シリンダ、および流体圧モータの1つである、請求項21に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項23】
前記主流体圧ユニットおよび前記流体圧モータの両方と流体連絡する流体圧デバイスをさらに備える、請求項15に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項24】
前記流体圧デバイスが、流体圧アキュムレータ、流体圧シリンダ、および流体圧モータの1つである、請求項23に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項25】
前記チャージ・ポンプが、前記流体圧流体貯槽に直接取り付けられる、請求項2に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項26】
前記主ポンプが、流体圧ポンプおよび流体圧モータの両方として機能することができる可逆流体圧ユニットであり、前記流体圧ユニットが、ポンプとして機能するとき、前記チャージ・ポンプによって生成された前記流体圧流体の過剰フローを前記貯槽に戻し、前記流体圧ユニットがモータとして機能するとき、前記流体圧ユニットを出た前記流体圧流体を前記貯槽に送達するために、前記流体圧ユニットを前記貯槽と流体接続する戻りフロー通路をさらに含む、請求項2に記載の加圧流体圧流体システム。
【請求項27】
非容積式チャージ・ポンプと、
1方向クラッチを経て前記チャージ・ポンプに駆動式に結合された流体圧モータと、
前記流体圧モータを駆動するために提供された主流体圧ユニットであって、主流体圧ユニットがポンプとして機能するとき、前記チャージ・ポンプが、主流体圧ユニットにおいて十分な入口圧力を維持するために主流体圧ユニットと流体連絡する、主流体圧ユニットとを備え、
前記流体圧モータが、ポンプとして機能する前記主流体圧ユニットによって駆動されるときのみ、前記流体圧モータから前記チャージ・ポンプに回転トルクを伝達するために提供された前記1方向クラッチと、
適切な量の流体圧流体を貯蔵するために提供され、前記チャージ・ポンプの入口と流体連絡する流体圧流体貯槽と、
前記流体圧モータと流体連絡する流体圧アキュムレータと、
前記主流体圧ユニットがポンプとして機能するとき、前記チャージ・ポンプによって生成された前記流体圧流体の過剰フローを前記貯槽に戻し、前記主流体圧ユニットがモータとして機能するとき、前記主流体圧ユニットを出た前記流体圧流体を前記貯槽に送達するために、前記主流体圧ユニットを前記貯槽と流体接続する戻りフロー通路とを備え、
前記戻りフロー通路が、圧力安全弁、逆止め弁、粒子フィルタ、熱交換器、および前記熱交換器を流れる前記流体圧流体を強制的に冷却するための前記熱交換器と関連付けられた電気モータ駆動冷却ファンを含む、加圧流体圧流体システム。
【請求項28】
非容積式チャージ・ポンプと、
前記チャージ・ポンプに直接結合された流体圧モータと、
前記流体圧モータを駆動するために提供された主流体圧ユニットであって、主流体圧ユニットがポンプとして機能するとき、前記チャージ・ポンプが、主流体圧ユニットにおいて十分な入口圧力を維持するために主流体圧ユニットと流体連絡する、主流体圧ユニットと、
前記流体圧モータと流体連絡し、前記流体圧ユニットがモータとして機能するとき、前記流体圧ユニットを駆動するように適合された加圧流体圧流体を貯蔵するために提供された流体圧アキュムレータと、
前記流体圧ユニットが、前記アキュムレータからの前記加圧流体圧流体によって駆動されたモータとして機能するとき、前記流体圧モータを動作不能にするために、前記流体圧モータを迂回するために提供されたモータ迂回線と、
適切な量の流体圧流体を貯蔵するために提供され、前記チャージ・ポンプの入口と流体連絡する流体圧流体貯槽と、
前記主流体圧ユニットがポンプとして機能するとき、前記チャージ・ポンプによって生成された前記流体圧流体の過剰フローを前記貯槽に戻し、前記主流体圧ユニットがモータとして機能するとき、前記主流体圧ユニットを出た前記流体圧流体を前記貯槽に送達すために、前記主流体圧ユニットを前記貯槽と流体接続する戻りフロー通路とを備え、
前記戻りフロー通路が、圧力安全弁、逆止め弁、粒子フィルタ、熱交換器、および前記熱交換器を通って流れる前記流体圧流体を強制的に冷却するために、前記熱交換器と関連付けられた電気モータ駆動冷却ファンを含む、加圧流体圧流体システム。
【請求項29】
非容積式チャージ・ポンプと、
前記チャージ・ポンプに駆動式に接続された流体圧モータと、
前記流体圧モータを駆動するために提供された可変容積式主ポンプであって、前記チャージ・ポンプが、内部において十分な入口圧力を維持するために主ポンプと流体連絡する、可変容積式主ポンプと、
適切な量の流体圧流体を貯蔵するために提供され、前記チャージ・ポンプの入口と流体連絡する流体圧流体貯槽と、
前記流体圧モータと流体連絡する流体圧デバイスと、
前記チャージ・ポンプによって生成された前記流体圧流体の過剰フローを前記貯槽に戻すために、前記主ポンプを前記貯槽と流体接続する戻りフロー通路とを備え、
前記戻りフロー通路が、圧力安全弁を含む、加圧流体圧流体システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−528471(P2007−528471A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545635(P2006−545635)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037047
【国際公開番号】WO2005/068849
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(500187063)デーナ、コーポレイション (23)
【Fターム(参考)】