説明

適応タッチスクリーンキーパッド上に表示される文字を拡大する方法

【課題】正確な選択のために十分に大きなキーを有する小さなタッチスクリーンから、英数字、シンボル又はメニュー項目を入力する方法を提供する。
【解決手段】可能性のある利用可能な文字列のリストに存在しない選択された適応タッチスクリーンキーパッドの文字がタッチスクリーンキーパッドから取り除かれ、キーパッド上の残りの文字によって占められるスペース及びそれらの文字サイズ(フォント)が拡大されて、ユーザによるそれらについての認識及び選択をはるかに容易にする。本方法は、選択可能な文字のうちの少なくとも1つを表示するボタンの選択を検出すること;選択されたボタンに表示された1つ又は複数の選択可能な文字の各々に対して1つの、少なくとも1つの文字部分列を作成すること;当該1つ又は複数の文字列に含まれないタッチスクリーン上の選択可能な文字を識別すること;識別された選択可能な文字をタッチスクリーンから削除すること;及びタッチスクリーンに残っている選択可能な文字を拡大することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に、英数字ラベル又はグラフィックアイコンによって表されるシンボルを表示することに関し、より具体的には、各キーの上に1つ又は複数の英数字を有する適応タッチスクリーン上の英数字の拡大に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]タッチスクリーンを含む航空機操縦室の演算装置などの多くの電子装置は、航空機搭乗員から入力を受け取る。タッチパネルは、コンピュータ又は他のデータ処理装置のために直観的な入力を提供する。キーボード及びマウスなどの他の入力装置が容易に利用可能でない場合、これは航空機コックピット装置において特に有用である。
【0003】
[0003]タッチスクリーンは、カーソル制御デバイス(CCD)、ハードノブ及びスイッチ、並びにハードウェアキーボードの代わりにコックピットにおいてますます使用されている。タッチスクリーンを使用する英数字入力については、仮想キーボードが通常表示され、ユーザは、実際のキーボードにキーを押しつけるのと同様に、適切なキーに触れる。しかし、ローエンドの一般的な航空用途に特に適した既知のスクリーンの多くは比較的小さく、例えば、キーの幅は約9ミリメートルであり、キーの間には2ミリメートルの間隔があり、フルキーボードを使用すると、特に乱気流中又は航空機搭乗員による手袋の使用による場合、受け入れられない接触の精度が生じ得るほど、各キーは非常に小さくなる。これらの既知のタッチパネルは、過度の量の時間にわたって航空機搭乗員の注意を要し、それによって、他の飛行業務を行うことから航空機搭乗員の注意をそらすことになる。
【0004】
[0004]容量性、抵抗性、赤外線、及び表面弾性波を含む多くの種類のタッチスクリーン検知技術が存在する。これらの技術はすべて、スクリーン上の接触を検知する。米国特許第6,492,979号は、容量性タッチスクリーン及び力センサの組み合わせの使用について開示する。米国特許第7,196,694号は、接触の位置を決定するために、タッチスクリーンの周辺装置における力センサの使用を開示する。米国特許出願公開第2007/0229464号は、タッチスクリーンを形成するためにディスプレイに重なる容量性力センサアレイを使用することを開示する。
【0005】
[0005]世界的な航空交通は10〜14年ごとに2倍になると予測され、国際民間航空機関(ICAO)は、2020年まで1年につき5パーセントの世界的な飛行機での旅行の成長を予測している。そのような成長は、安全性と性能の低下、及び航空機搭乗員の既に高い作業負荷の増加を引き起こし得る。飛行性能に関する1つのマイナスの影響は、航空機搭乗員が、コックピットの内部及び外部において他の問題に注意を払いながらデータを入力するための能力であった。容易且つ迅速にデータを入力する能力によって、航空機搭乗員の状況認識を大きく改善することができ、結果として、航空機搭乗員の作業負荷を低減することにより、飛行の安全性及び性能を高めることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,492,979号明細書
【特許文献2】米国特許第7,196,694号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0229464号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0006]したがって、正確な選択のために十分に大きなキーを有する小さなタッチスクリーン上の複数のそのようなものから、英数字、シンボル又はメニュー項目を入力する方法を提供することが望ましい。さらに、本発明の他の望ましい特徴及び特性は、添付の図面及び本発明についてのこの背景とあわせて、本発明についての後の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0007]ユーザが所望のタッチスクリーン文字を認識し選択する可能性を増加させる、タッチスクリーン上の文字のサイズを拡大するタッチスクリーン及び方法が記載される。
[0008]タッチスクリーン上の複数のボタンに表示された複数の選択可能な文字を拡大する第1の方法は、選択可能な文字の少なくとも1つを表示するボタンを選択すること;選択されたボタンに表示された1つ又は複数の選択可能な文字の各々に対して1つの、少なくとも1つの文字部分列を作成すること;1つ又は複数の文字列に含まれないタッチスクリーン上の選択可能な文字を識別すること;タッチスクリーンから識別された選択可能な文字を取り除くこと;及び、タッチスクリーンに残る選択可能な文字を拡大することを含む。
【0009】
[0009]タッチスクリーンに表示された選択可能な文字を拡大する第2の方法は、接触によってタッチスクリーンから選択された1つ又は複数の文字を決定すること;選択されたボタンに表示された1つ又は複数の選択可能な文字の各々に対して1つの、少なくとも1つの文字部分列を作成すること;ストリングのリストに含まれないタッチスクリーン上の文字を識別すること;タッチスクリーンから識別された文字を取り除くこと;及び、タッチスクリーン上に残っている文字を拡大することを含む。
【0010】
[0010]例示的な実施例を可能にするタッチスクリーンは、各々のボタンが少なくとも1つのタッチセンサ領域(touch sensitive region)を含み各々のタッチセンサ領域が文字を表示する、複数のボタンと、タッチセンサ領域のうちの1つの選択を検知し;記憶された文字列のリスト中のどの文字列が、選択されたタッチセンサ領域に表示された文字が選択されることによって終了するかを決定し;文字列に含まれない文字をタッチセンサ領域が表示できないようにし;タッチスクリーンに残っている他のタッチセンサ領域を拡大するように構成されたプロセッサとを含む。
【0011】
[0011]本発明は、次の図面とともに以下に記載され、類似の数字は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】[0012]複数のキーパッドを含むキーボードを提示するタッチスクリーンを含む既知の航空機システムのブロック図である。
【図2】[0013]タッチスクリーン上の英数字キーボードの第1の例示的な実施例の図である。
【図3】[0014]例示的な実施例による、修正された図2の英数字キーボードの1つのキーパッドの図である。
【図4】[0015]例示的な実施例による英数字キーボードのタッチパッドを修正する方法のフローチャートである。
【図5】[0016]別の例示的な実施例による、修正された図2の英数字キーボードの1つのキーパッドの図である。
【図6】[0017]例示的な英数字キーボードの図である。
【図7】[0018]さらなる例示的な実施例による、修正された図6のキーボードの第1のバージョンの図である。
【図8】[0019]さらなる例示的な実施例による、修正された図6のキーボードの第2の修正版の図である。
【図9】[0020]さらなる例示的な実施例による、修正された図6のキーボードの第3の修正版の図である。
【図10】[0021]図8及び図9の修正を決定するアルゴリズムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0022]以下の発明の詳細な説明は本来例示的なものにすぎず、本発明又は本発明の応用及び使用を限定するようには意図されない。さらに、本発明の上述の背景又は以下の本発明の詳細な説明において示されるいかなる理論によっても束縛されるようには意図されない。
【0014】
[0023]各々のキーが少なくとも1つの文字を含む、複数の表示されたキー、すなわち、ボタンを有するキーボード・タッチスクリーンが開示される。本明細書において使用されるとき、「文字」は、英数字、アイコン、記号(signs)、単語、用語、語句など及びその組み合わせを含むように定義される。本明細書に開示される実施例は任意の応用又は環境における任意のタッチスクリーン・キーボードに適用することができるが、航空産業において使用されるキーパッドによく当てはまり、これは以下の例示的な実施例の記載の基礎となっている。データベースは可能な選択の文字リストを含む。これらの文字リストは、任意の種類の所望の選択のための識別子であってもよいが、好ましい実施例において、航空機の航行補助手段、飛行ルート用のウェイポイント(way points)、空港などであってもよい。1つ又は複数の文字を含むボタンが選択される場合、1つ又は複数の文字は、文字列になり、又は、既存の文字列に追加される。文字列に存在しないキーボード上の文字は削除され、残りの文字が拡大され、それによって、削除された文字によって以前に占められていたスペースのうちのいくらか又はすべてを満たす。
【0015】
[0024]技法及び技術が、機能的な及び/又は論理的なブロックコンポーネントの観点から、並びに、様々な計算コンポーネント又は装置によって実行することができる動作、タスクの処理及び機能の記号による(symbolic)表現に関して、本明細書において記載されてもよい。そのような動作、タスク及び機能は、時には、コンピュータにより実行されるもの、コンピュータ化されるもの、ソフトウェアにより実施されるもの、又はコンピュータにより実施されるものと呼ばれる。実際、1つ又は複数のプロセッサ装置が、システムメモリ中のメモリ位置においてデータビットを表す電気信号を操作することのほか、信号について他の処理をすることにより、記載された動作、タスク及び機能を実行することができる。データビットが保持されるメモリ位置は、データビットに対応する特定の電気的特性、磁気的特性、光学的特性、又は有機的特性を有する物理的位置である。図に示される様々なブロックコンポーネントが、指定された機能を行うように構成された任意の数のハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント及び/又はファームウェアコンポーネントによって実現され得ることが認識されるべきである。例えば、システム又はコンポーネントの実施例は、例えば、メモリ素子、デジタル信号処理素子、論理素子、ルックアップテーブルなど、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ又は他の制御装置の制御下で様々な機能を実行し得る様々な集積回路コンポーネントを使用してもよい。
【0016】
[0025]簡潔さのために、グラフィック及び画像の処理、ナビゲーション、飛行計画、航空機制御、航空機データ通信システム、並びに特定のシステム及びサブシステムの他の機能的な側面(並びにそれらの個々の動作コンポーネント)に関連する従来の技術は、本明細書において詳細に記載されなくてもよい。さらに、本明細書に含まれる様々な図面に示される接続線は、様々な要素の間の例示的な機能的関係及び/又は物理的結合を表すように意図される。多くの代替的なもしくは追加の機能的関係又は物理的接続が主題の実施例に示されてもよいことが注目されるべきである。
【0017】
[0026]図1を参照すると、操縦室表示システム100は、ユーザインターフェース102、プロセッサ104、時々地形回避及び警報システム(TAWS)と呼ばれる1つ又は複数の地形データベース106、1つ又は複数のナビゲーションデータベース108、様々なセンサ112、様々な外部データソース114、及び1つ又は複数の表示装置116を含む。ユーザインターフェース102は、プロセッサ104と動作可能に通信し、ユーザ109(例えば、パイロット)から入力を受け取り、ユーザ入力に応答して、指令信号をプロセッサ104へ供給するように構成される。ユーザインターフェース102は、1つ又は複数のボタン、スイッチ又はノブ(図示せず)を含むがこれらに限定されない様々な既知のユーザインターフェース装置のうちの任意のもの又は組み合わせであってもよい。図示された実施例において、ユーザインターフェース102は、タッチパネル107及びタッチパネル制御装置111を含む。タッチパネル制御装置111はタッチパネル107に駆動信号113を提供し、検知信号115がタッチパネル107からタッチパネル制御装置111に提供され、それは、圧力の分散についての信号117をプロセッサ104に周期的に提供する。プロセッサ104は、制御装置の信号117を解釈し、例えば、ディスプレイ116に信号119を提供する。したがって、ユーザ109は、より完全に以下に記載されるように、英数字データを入力するためにタッチパネル107を使用する。
【0018】
[0027]プロセッサ104は、プログラム命令に応答して動作する、多数の既知の汎用マイクロプロセッサのうちの任意の1つ又はアプリケーションに特有のプロセッサであってもよい。図示された実施例において、プロセッサ104は内蔵RAM(ランダム・アクセス・メモリ)103及び内蔵ROM(読み取り専用メモリ)105を含む。プロセッサ104を制御するプログラム命令は、RAM103及びROM105のいずれか又は両方に格納されてもよい。例えば、オペレーティングシステムソフトウェアがROM105に格納されてもよい一方、様々なオペレーティングモード・ソフトウェアルーチン及び様々な動作パラメータはRAM103に格納されてもよい。例示的な実施例を実行するソフトウェアは、ROM105又はRAM103のいずれかに格納される。これがオペレーティングシステムソフトウェア及びソフトウェアルーチンを格納する1つのスキームの例示的なものにすぎず、様々な他の記憶スキームが実施され得ることが認識される。プロセッサ104がプログラマブルプロセッサだけでなく様々な他の回路を使用して実施されてもよいことがさらに認識される。例えば、デジタル論理回路とアナログ信号処理回路を使用することもできる。
【0019】
[0028]メモリ103及び105は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能なディスク、CD−ROM又は当技術において既知の任意の他の形式の記憶媒体として実現されてもよい。この点において、プロセッサ104がメモリ103及び105から情報を読み出したりメモリ103及び105へ情報を書き込んだりできるように、メモリ103及び105はプロセッサ104に結合されてもよい。代替的に、メモリ103及び105はプロセッサ104にとって不可欠であってもよい。例として、プロセッサ104並びにメモリ103及び105はASIC内に存在してもよい。実際、表示装置116の機能的又は論理的なモジュール/コンポーネントは、メモリ103及び105に保持されるプログラムコードを使用して実現されてもよい。さらに、メモリ103及び105は、以下の記載から明らかになるように、表示装置116の動作をサポートするために利用されるデータを格納するために使用することができる。
【0020】
[0029]プロセッサ104がどれほど具体的に実施されても、それは、地形データベース106、ナビゲーションデータベース108及び表示装置116と動作可能に通信し、様々なセンサ112から様々な種類の慣性データを受信し、例えば、GPS受信機122及びILS受信機118などの外部データソース114から様々な他のアビオニクス関連のデータを受信するように結合される。プロセッサ104は、慣性データ及びアビオニクス関連データに応答して、地形データベース106の1つ又は複数から地形データを選択的に取り出し、ナビゲーションデータベース108の1つ又は複数からナビゲーションデータを選択的に取り出し、表示装置116に適切な表示コマンドを供給するように構成される。表示装置116は、表示コマンドに応答して、様々な種類のテキスト情報、グラフィック情報及び/又はアイコン情報を選択的にレンダリングする。テキスト情報、グラフィック情報及び/又はアイコン情報が表示装置116によってレンダリングされる好ましい方法は、以下により詳細にさらに記載される。
【0021】
[0030]地形データベース106は、航空機が飛んでいる地形についての様々な種類のデータ表現を含み、ナビゲーションデータベース108は様々な種類のナビゲーション関連のデータを含む。センサ112は、例えば、航空機の速度、機首方位、高度及び姿勢を含む航空機の状態の表現など、様々な種類の慣性データを供給するために、現在知られているか又は今後開発される様々な種類の慣性センサ、システム、及び/又はサブシステムを使用して実施されてもよい。ILS受信機118は、着陸の直前及び着陸中に航空機に水平ガイダンス(又はローカライザ)及び垂直ガイダンス(又は滑空角)を提供し、ある定点において、特定の滑走路への着陸についての基準点への距離を示す。GPS受信機122は、地球の周囲を回る様々なGPS衛星(図示せず)によって送信されるGPS放送信号の1つ又は複数を受信するように各々のチャネルが調整される、多重チャネル受信機である。
【0022】
[0031]上述のように、表示装置116は、プロセッサ104から供給された表示コマンドに応答して、様々なテキスト情報、グラフィック情報及び/又はアイコン情報を選択的にレンダリングし、それによって、ユーザ109に視覚フィードバックを供給する。表示装置116が、ユーザ109によって見ることのできるフォーマットでテキスト情報、グラフィック情報及び/又はアイコン情報をレンダリングするのに適している多数の既知の表示装置のうちの任意のものを使用して実施することができることが認識される。そのような表示装置の限定的でない例は、様々なブラウン管(CRT)ディスプレイ、様々な種類のLCD(液晶ディスプレイ)及びTFT(薄膜トランジスタ)ディスプレイなどの様々な平面パネルディスプレイを含む。表示装置116はさらに、パネルに取り付けられたディスプレイ、HUD(ヘッドアップディスプレイ)投影又は多数の既知の技術のうちの任意のものとして実施されてもよい。表示装置116が多数の種類の航空機操縦室ディスプレイのうちの任意のものとして構成されてもよいことがさらに留意される。例えば、それは、いくつか例を挙げると、多機能ディスプレイ、水平姿勢指示計又は垂直姿勢指示計として構成されてもよい。しかし、図示された実施例において、表示装置116のうちの1つはタッチスクリーンとして構成される。
【0023】
[0032]第1の例示的な実施例による、英数字タッチスクリーン200が図2に示され、各々が示されるような文字(A−Z)を表示するためのタッチセンサ領域を含む、9個の円形ボタン又はキー201−209を含む。円形ボタン201−209の数は1から複数までに達し得る。ボタン201−208は3つのタッチセンサ領域を含み、ボタン209は2つのタッチセンサ領域を含むが、ボタンは、そのような数に限定されるべきではなく、文字を定義する複数のそのようなタッチセンサ領域を含み得る。さらに、上記の例示的な実施例においては英文字が図示されているが、文字は、任意の言語の、数字、シンボル、アイコン、記号(サイン)、単語、用語及び語句を、1つだけ又は組み合わせたものなどであってもよい。好ましい第1の実施例において、各ボタンの直径は少なくとも26ミリメートルであり、隣接したボタン間に少なくとも2ミリメートルの間隔がある。小さなタッチスクリーンにおいて実施される場合、記載された実施例の価値は特に高いが、より大きなタッチスクリーンにおいて利用することもできる。
【0024】
[0033]図3を参照すると、表示されたボタン201は、3つの拡大レベルで示される。ボタン201は、文字「A」、「B」及び「C」をそれぞれ含む、タッチセンサ領域301、302及び303を含む。タッチタッチセンサ領域301、302、303は、ユーザの接触が検知される可能性を高めるために、それぞれ文字「A」、「B」及び「C」を含む表示された領域311、312、313より大きい。ボタン201の特定の部分(タッチセンサ領域301、302、303のうちの1つ)へのユーザの接触により、特定の触れられた部分に対応する単一の文字「A」又は「B」又は「C」のうちの1つが選択される。選択方法のステップを指定するために、ボタン201がボタン201、201及び201と呼ばれることに留意されたい。
【0025】
[0034]ボタン201への接触が検知される場合、文字「A」又は「B」又は「C」は各々、部分列(substring)になり、既存の部分列に追加される。部分列は、記載された例示的な実施例における、航空機航行補助施設、飛行ルートのウェイポイント、空港などの物体又は処理を表す、メモリ105中のデータベースに格納された1つ又は複数の文字である。例えば、文字「A」を含むタッチセンサ部301に触れられると、「A」は部分列になり、既存の部分列が「TU」ならば、追加された部分列は「TUA」となる。同様に、「B」又は「C」が選択されれば、部分列「TUB」又は「TUC」が作成される。次いで、選択された文字を含む部分列は、複数の文字列を含むデータベースと比較される。「B」及び「C」を含む文字列が有効な部分列、例えばTUB及びTUC、のデータベースだが文字「A」で終わる文字列が存在しない場合、次に、文字「A」を含むタッチセンサ領域301は削除され、文字「B」を含むタッチセンサ領域302及び文字「C」を含むタッチセンサ領域303が、それぞれ新たなタッチセンサ領域304及び305としてボタン201に示されるような拡大された形式で表示される。この方法が繰り返されてもよい。ボタン201上のタッチセンサ領域304及び305のうちの1つが触れられる場合、対応する文字「B」322又は「C」323は、既存の部分列「A」及び「TUA」に追加される。例えば、文字「B」が選択される場合、部分列は「AB」及び「TUAB」となる。例えば、「ABC」及び「TUABC」についてデータベースに文字列が存在しない場合、「C」は表示されたボタンから取り除かれ、文字「B」のためのタッチセンサ領域304が、文字「B」332を含むタッチセンサ領域306として、201に示されるようにさらに拡大された形式で表示される。
【0026】
[0035]図4は、表示システム100などの操縦室表示システムによる使用に適している表示処理400の例示的な実施例を示すフローチャートである。処理400は、ホスト航空機の搭載された表示要素上に文字を表示する方法の1つの実施例を表す。処理400に関して行われる様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はその任意の組み合わせによって行われてもよい。説明の目的のために、処理400についての以下の記載は、図3、5−9に関して本明細書にて言及される要素を参照してもよい。実際、処理400の一部は、記載されたシステムの異なる要素、例えば、プロセッサ、表示素子又はデータ通信コンポーネント、によって行われてもよい。処理400が任意の数の追加の又は代替的なタスクを含むことができ、図4に示されるタスクが図示された順に実行される必要はなく、処理400が本明細書において詳細に記載されていない追加の機能を有するより包括的な手続き又は処理へ組み込まれてもよいことが認識されるべきである。さらに、図4に示される1つ又は複数のタスクは、意図した全体の機能が完全なままである限り、処理400の実施例から省略することができる。
【0027】
[0036]本明細書において様々な例示的な実施例について記載する方法のステップのフローチャート400が図4に記載され、少なくとも1つの文字を表示するボタンの接触を検出すること402、選択されたボタンに表示された1つ又は複数の選択可能な文字の各々に対して1つの、少なくとも1つの文字部分列をプロセッサが作成すること404を含む。これらの少なくとも1つの文字部分列は、次いで、有効な文字列(つまり、データベース中の文字列)と比較される406。当該少なくとも1つの文字部分列を含まないタッチスクリーン上の選択可能な文字は、無効なものとして識別され408、タッチスクリーンから取り除かれる410。タッチスクリーンに残っている選択可能な文字は、次いで、以前に表示された文字が占領していた領域において拡大された形式で表示される412。
【0028】
[0037]オプションとして、選択された個々の文字に対応するタッチセンサ領域は、選択のために視覚フィードバックを提供するよう、強調される。例えば、図5の例において、タッチセンサ領域301、304及び306は強調される。
【0029】
[0038]図6−8に示される第2の例示的な実施例は、26個のボタン、すなわち英語のアルファベットの文字の各々に対するタッチセンサ領域を有する、タッチスクリーン又はキーボード600を含む。選択可能なボタンのうちの1つ、例えばボタン「R」が触れられる場合、文字「R」は、部分列になるか、又は以前に格納された既存の部分列に追加される。例えば、既存の部分列がない場合、部分列は「R」となり、複数の有効な文字列を含むデータベースと比較される。「R」で始まり例えば「E」、「T」、「Y」、「P」、「S」、「G」、「J」、「X」、「V」及び「M」のうちの少なくとも1つ又は複数の例を含まない文字列がない場合、文字「E」、「T」、「Y」、「P」、「S」、「G」、「J」、「X」、「V」及び「M」に対するボタンは図7に示されるように削除される。文字「Q」、「W」、「R」、「U」、「I」、「O」、「A」、「D」、「F」、「H」、「K」、「Z」、「C」、「B」及び「M」についての残りのボタンは、最初のタッチスクリーン(図6)によって以前に占められていたその領域を実質的に満たすために、拡大された形式で表示される。1つの行においてより多くのボタンが削除される場合、その行のボタンは、文字が削除されなかったか又はより少ない文字が削除された行のボタンよりも広がって表示されることに留意されたい。この処理は繰り返されてもよい。例えば、文字「U」のボタンが触れられ(図8)、「RUQ」、「RUF」、「RUZ」、「RUC」、「RUB」及び「RUM」に対する文字列がない場合、文字「Q」、「F」、「Z」、「C」、「B」及び「M」についてのボタンは図9に示すように削除される。文字「W」、「R」、「U」、「I」、「O」、「A」、「D」、「H」及び「K」についての残りのボタンは、タッチスクリーンの先の表示されたバージョン(図8)によって占められていたその領域を実質的に満たすように、拡大された形式で表示される。すべてのボタンがある行から取り除かれる場合、他の行のボタンの表示される高さが増加され、削除された行によって以前に占められていたスペースを使用することに留意されたい。
【0030】
[0039]上述の実施例におけるボタンの表示サイズの決定は、以下の例示的なアルゴリズム(図10)を使用することによってなされてもよく1002、ここで、
X=タッチスクリーン上のキーパッド領域の全幅、
Y=ボタン間のスペースの幅、
L=個々のボタンの幅、
H=個々のボタンの高さ、
T=タッチスクリーン上のキーパッド領域の高さの合計
である。
【0031】
アルゴリズムのステップは、文字入力(ボタンに触れること)を検知すること1004、将来の無効なボタン入力(存在しない文字列)を決定すること1006、無効なボタンを削除すること1008、少なくとも1つのボタンが任意の行から削除される1010場合、各行についてL=(X−((残っているボタンの数−1)Y))/残っているボタンの数とすること1012、及び、各行における残っているボタンの幅をその行についての新たな値Lへと増加させること1014を含む。ステップ1014に続いて、又はステップ1010がNOであって少なくとも1つの行からすべてのボタンが削除されはしない1016場合、ステップ1008が繰り返される。
【0032】
[0040]少なくとも1つの行からすべてのボタンが削除される場合1016、各々の残っている行に対して、H=(T−((残っている行の数−1)Y))/残っている行の数とする1018。次いで、残っている個々のボタンの高さが新たな値Hへと増加される1020。
【0033】
[0041]したがって、可能性のある利用可能な文字列のリスト中に存在しない選択された文字がタッチスクリーンキーパッドから取り除かれ、キーパッド上の残りの文字によって占められるスペースが、ユーザによるそれらについての認識及び選択を容易且つ信頼できるものにするために、より大きなフォントで、拡大された領域において表示される。
【0034】
[0042]少なくとも1つの例示的な実施例が本発明の上記の詳細な説明において提示されたが、膨大な数の変更が存在することが認識されるべきである。また、例示的な実施例が単なる例であり、本発明の範囲、適用可能性又は構成をいかなるようにも限定するようには意図されないことが認識されるべきである。より正確に言えば、先の詳細な説明は、本発明の例示的な実施例の実施のための便利なロードマップを当業者に提供するものであり、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施例において記載された要素の機能及び構成に様々な変更がなされてもよいことが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応タッチスクリーンキーパッド上の複数のボタンに表示された複数の選択可能な文字を拡大する方法であって、
前記選択可能な文字の少なくとも1つを表示するボタンについての接触を検出するステップと、
前記選択されたボタンに表示された前記少なくとも1つの選択可能な文字の各々に対して1つの、少なくとも1つの文字部分列を作成するステップと、
前記少なくとも1つの文字部分列を複数の文字列と比較するステップと、
前記少なくとも1つの文字部分列を含まない文字列を無効なものとして識別するステップと、
前記無効な文字列に含まれる前記タッチスクリーン上の選択可能な文字を削除するステップと、
前記タッチスクリーンに残っている前記選択可能な文字のうちの少なくともいくつかを拡大された形式で表示するステップと
を含む方法。
【請求項2】
適応性タッチスクリーンキーパッドに表示された選択可能な文字を拡大する方法であって、
接触による前記タッチスクリーンから選択された少なくとも1つの文字を決定するステップと、
前記選択されたボタンに表示された前記少なくとも1つの選択可能な文字の各々に対して1つの、少なくとも1つの文字部分列を作成するステップと、
前記少なくとも1つの文字部分列で始まらない文字列のリストに含まれる、前記タッチスクリーン上の文字を識別するステップと、
前記識別された文字を前記タッチスクリーンキーパッドから削除するステップと、
前記タッチスクリーンに残っている文字のうちの少なくともいくつかを拡大された形式で表示するステップと
を含む方法。
【請求項3】
キーパッドに文字を表示するためのシステムであって、
前記キーパッドを表示するように構成されたタッチスクリーンと、
複数のボタンを前記キーパッドに表示し、各ボタンが、各々が少なくとも1つの文字を表示する少なくとも1つのタッチセンサ領域を含み、
前記タッチセンサ領域のうちの1つの選択を検知し、
格納された文字列のリスト中のどの文字列が、前記選択されたタッチセンサ領域に表示される文字を含むかを決定し、
前記文字列に含まれない文字を表示するタッチセンサ領域を削除し、
前記タッチスクリーンに残っている他のタッチセンサ領域を拡大された形式で表示する
ように構成されたプロセッサと
を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−194978(P2012−194978A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−57208(P2012−57208)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】