説明

適応MIDI風制御システム

空気圧及び/又は空気流を検知するシステム制御デバイスで、このデバイスは、空気センサーの相対的な方位を表示する電磁信号を提供するように構成された方位センサーを有している。このデバイスは、音楽シンセサイザーパッケージや、音楽シンセサイザーパッケージをセットアップするソフトウェアパッケージのようなソフトウェアパッケージを有するインターフェースに使用される、あるイベント情報を提供するため、2つのセンサーからの信号を組み合わせるように構成された信号プロセッサを有している。このデバイスは、当該デバイスの部品の表面である基準と空気センサーとの相対的な位置を表示する信号を提供するように構成された位置センサーを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願についてのクロス・リファレンス
本件特許出願は、発明の名称「MIDI対応風制御システム」の、ビー、デュロンなどによる、2007年11月28日出願の、米国仮特許出願60/996,662号の利益を請求し、この内容は、参照され、ここに組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、概して、空気作動システムコントローラに関し、より詳しくは、音楽のシンセサイザ・ソフトウェア及びハードウェアを含む、ソフトウェアパッケージ及びハードウェアを制御するために用いる空気作動システムコントローラに関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
例えば、コンピュータ制御のようなシステム制御の分野は、限定されるものではないが、公知のマウス、タッチスクリーン及びトラックボールなどのような手保持装置により支配される。
【0004】
しかし、ここでは、ハンドフリーが望ましいという状況がある。このような状況は、限定されるものではないが、身体的に障害をもつ人々がシステムを制御するためには、望ましく、必要でもある。四肢麻痺患者は、例えば、頭部動作、言葉、吸ったり吹いたりする能力が不自由な中での制御が規制されることになる。
【0005】
限定されるものではないが、吸ったり吹いたりの組み合わせや、規制された範囲での頭部の動作により、実際の楽器が完全に制御でき、作動できるようにしたデバイスを、汎用コンピュータ・プログラムのようなシステムで制御するデバイスを持つことはたいへん望ましいことである。
【発明の開示】
【0006】
発明の開示
本発明は、空気圧と空気流を使用する制御デバイスのシステムと方法に関する。
【0007】
好ましい実施形態では、空気センサーが、空気圧又は空気流あるいはこれらの組み合わせを表示する電磁信号を提供するように構成されている。加えて、方位センサーが、前記空気センサーとの相対的な方位又は方位の変化あるいはこれらの組み合わせを表示する他の電磁信号を提供するように構成されている。信号プロセッサが、あるイベント情報を提供するため、前記2つのセンサーからの信号を組み合わせるように構成されプログラムされている。このイベント情報は、ソフトウェアパッケージと結びつけられて使用され、このソフトウェアパッケージは、限定されるものではないが、音楽シンセサイザーパッケージや、音楽シンセサイザーパッケージのようなものをセットアップするソフトウェアパッケージなどである。
【0008】
さらに好ましい実施形態では、位置センサーが、空気センサーの相対的位置を表示する信号を提供するように構成されている。例えば、この位置は、限定されるものではないが、システム制御デバイスのコンポーネントの1表面の平面が、関連する基準点あるいは線である。
【0009】
信号プロセッサは、イベント情報を提供する空気及び方位信号と位置信号とを組み合わせるように構成されている。
【0010】
これら及び他の本発明の特徴は、以下の図面を参照することによって、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の代表的なシステム制御デバイス10を示す。
【図2】本発明の他の代表的なシステム制御デバイスを表す正面図である。
【図3】図2に示される代表的なシステム制御デバイスの平面図を示す。
【図4】図2に示される代表的なシステム制御デバイスの側面図を示す。
【図5】本発明の他の代表的なシステム制御デバイスの平面図を示す。
【図6】本発明の代表的な実施形態に使用されるステップを示す流れ線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明を実施するための形態
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照することにより詳述するが、類似する要素は可能な限り同じ番号により示す。
【0013】
あらゆる合理的試みが、スケールに関して実施形態の種々の要素を表すために添付図面においてなされているが、二次元の紙面の限界で常にそうすることが可能でないこともある。したがって、示された実施形態相互間で種々の特徴の関係を適切に表し、かつ、合理的に簡略したやり方で本発明を適切に表すため、添付の図面に絶対的スケールから逸脱することは、時に必要となる。しかし、当業者は、開示された実施形態におけるあらゆるスケールの逸脱の可能性を制限しないことを認め及び承認するであろう。
【0014】
図1は、本発明の代表的なシステム制御デバイス10を示す。システム制御デバイス10は、吹き込み又は吸い込み(別名、すすり)に使われるマウスピース12と、空気流及び/又は空気圧又はこれらの組合せを測定することができる空気センサー14と、空気センサー14の相対的な方位又は方位の変化又はこれらの組合せを測定することができる方位センサー16と、空気センサー14と信号プロセッサ22とを接続する信号接続部材18と、方位センサー16と信号プロセッサ22とを接続する信号接続部材20と、を有している。信号プロセッサ22は、出力ポート24も有している。
【0015】
図2は、本発明の代表的なシステム制御デバイス21を表す。システム制御デバイス21は、マウスピース支持体27により支持されたマウスピース12、マウスピース12に取り付けられた空気センサー14、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26、リニアガイド28、前記リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26に軸25により取り付けられた方位センサー16、回転軸受31、及び、基板30、を有している。システム制御デバイス21は、信号プロセッサ22も有している。システム制御デバイス21は、汎用コンピュータ34と表示画面36の接続部材32も有している。
【0016】
好ましい実施形態において、基板30は、特定の方位において保持されている。基板30は、例えば、ハーモニカ・ラック・ホルダにおいて保持されるように構成されている。基板30は、スタンド又は支持体にクランプ又は取り付けるために、限定されるものではないが、ベルクロ形式の材料、吸引コップ又は他の手段などの取付機構で取付けられる。リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26は、例えば、方位センサー16及び回転軸受31の組合せによって基板30に回転可能に取り付けられている。方位センサー16は、限定されるものではないが、例えば、回転型ポテンショメータであってもよい。リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26は、リニアガイド28を有し、これに沿ってマウスピース支持体27が動く。
【0017】
好ましい実施形態では、空気センサー14は、マウスピース12における空気の速度、方向又は圧力あるいはこれらの組合せを検知できる。リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26も、マウスピース支持体27のリニア位置を検知でき、これにより空気センサー14のリニア位置又は位置の変化が、限定されるものではないが、例えば、方位センサー16又は回転軸受31の面のようないくつかの基準に関連して検知できることになる。方位センサー16は、基板30に関連するリニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26の方位を検知でき、これにより基板30に関する空気センサー14の方位又は方位の変化を検知できる。空気センサー14、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26及び方位センサー16の出力は、電磁信号の形式を取っており、信号プロセッサ22に中継されたり、信号プロセッサ22によってイベント情報と組合せられたりするが、このイベント情報とは、限定されるものではないが、例えば、音符を演奏するピッチ又は強度や、音量、ビブラート又はパン、合図、もとの速さをセットするクロック信号又はこれらのいくつかの組合せ、のようなパラメータのための制御信号である。出力は、例えば、電子楽器、コンピュータ及び他の伝達装置が、各々を制御及び同期を可能にするミディ(MIDI)業界標準プロトコルと互換性があるイベントに結合される。ミディは、例えば、コンピュータ、シンセサイザ、MIDIコントローラ、サウンドカード、サンプラ及びドラム・マシンをお互いに制御したり、システムデータの交換を許容する。空気センサー14は、限定されるものではないが、例えば、ミネソタ州、ゴールデン・ヴァリーのハネウェルにより供給されるAWMlOOOシリーズ質量流量センサーのようなマイクロブリッジ質量流量センサーがある。このようなセンサーは、正確に繰り返される流れを検知できる。
【0018】
表示画面36は、限定されるものではないが、楽器の種類、演奏されている音符及び演奏されている音量を表示し、フィードバックの提供に使用できる。
【0019】
図3は、図2に示される代表的なシステム制御装置の平面図を示す。この図は、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26がどのように軸受40によって方位センサー16に回転可能に接続されるかを示す。この図は、方位センサー16がブラケット38によってどのように基板30に連結されるかも示す。さらにこの図は、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26が、空気センサー14に関する位置37を、空気センサー14から、例えば、方位センサー16の第1の面に関する面に存在する基準線39までの距離41を効果的に測定することによって得るための使い方を示している。
【0020】
図4は、図2に示される代表的なシステム制御デバイスの側面図を示す。この図は、方位センサー16が、空気センサー14に関する平面と、限定されるものではないが、例えば、基板30の表面の平面に対し平行な面である参考基準46との間の角42を測定することによって、空気センサー14に関する方位44を得るための使い方を示している。
【0021】
図5は、本発明の他の代表的なシステム制御デバイス41の平面図を示す。制御デバイス41は、マウスピース支持体27に対する1以上の飛び飛びの停止点を有するリニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26を有している。飛び飛びの停止点は、例えば、1以上のマグネット48によって形成されている。
【0022】
図6は、本発明の代表的な実施形態に使用されるステップを示す流れ線図である。信号プロセッサ22又は汎用コンピュータ34は、例えば、最初、セットアップ・モード50になるように構成される。セットアップ・モード50は、例えば、オペレータが、周知のコンピュータ・マウス、タッチパッド又はトラックボールのような汎用選択デバイスとしてシステム制御デバイス10を使用することを許容する。セットアップ・モード50では、ユーザーは、限定されるものではないが、例えば、信号プロセッサ22あるいは汎用コンピュータ34に対する入力のいずれか又はそれらのいくつかの組合せを制御できるグラフィック・ユーザーインターフェースのような、あらゆるソフトウェアと接続するためシステム制御デバイス10を使用することができる。システム制御デバイス10は、例えば、ステップ10において、入力モード52を選択するために使用される。この入力モード52は、限定されるものではないが、例えば、ユーザーがセンサー、即ち、空気センサー14、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26及び方位センサー16のいずれかが使用されように構成したり、また、それらが使用され、結合され、センサーの範囲をイベントの範囲にマッピングする方法を構成する、モードである。例えば、特定の動作範囲は、演奏モード時の1オクターブの音域に変換するように選択することができる。入力モード52において、ユーザーは、例えば、吸い込み及び吹き込みの空気センサー14が、異なる楽器の開始に使用したり、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26が演奏すべき音色にリンクされたり、及び、方位センサー16が演奏すべき音符のピッチあるいは演奏すべき音符の持続時間又はこれらの組合せにリンクされるように構成できる。
【0023】
ステップ54において、システム制御デバイス10は、信号プロセッサ22又は汎用コンピュータ34、第三者ハードウェア又はソフトウェアあるいはこれらの組合せを実行するソフトウェアによって合成されるあるタイプの楽器を選ぶために使用することができる。
【0024】
ステップ56において、システム制御デバイス10は、限定されるものではないが、例えば、楽器の調律又は楽器の音質のような楽器のパラメータを選ぶために使用することができる。
【0025】
ステップ58において、ユーザーは、それらが演奏する準備できたかどうか尋ねられる。まだ演奏準備できていないならば、システムは、例えば、ステップ52に戻り、ユーザーがそれらを調整し手直しすることを許容する。
【0026】
ユーザーが演奏準備できると、システムは、ステップ60に移り、システム制御デバイス10は、楽器又はステップ54において選ばれた楽器を制御するように使用される。ステップ60の演奏モードにおいて、システムは、メモリ機能を有することができる。
【0027】
本発明の他の実施形態では、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26は、他の位置感知デバイス、限定されるものではないが、例えば、視覚距離センサー、短い範囲のレーダーシステム、加速器又はこれらのいくつかの組合せ、によってもとへ戻すことができる。リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26は、限定されるものではないが、例えば、ドイツ、バーデンのロウク エンジニアリング(Loke engineering)により供給される、非接触距離センサーがある。同様に、本発明の他の実施形態では、方位センサー16は、限定されるものではないが、例えば、ジャイロスコープを含む他のセンサーによって置換することができる。方位センサー16、及び、リニアポテンショメータ・スライド・アセンブリ26は、限定されるものではないが、例えば、カリフォルニア州 サニーヴェールのインベンセンスによって供給される2軸線ジャイロスコープが組み込まれたマイクロ エレクトロメカニカル システムズ(Micro Electromechanical Systems、MEMS)のようなジャイロスコープ、及び/又は、限定されるものではないが、例えば、マサチュセッツ州 ノーウッドのアナログ・デバイシイズによって供給された3軸検知加速度計ADXL330のような加速度計チップ、又はこれらのいくつかの組合せ、である。
【0028】
本発明は、構造的特徴及び/又は方法論的作用のために特定の言語で記載したが、添付の請求の範囲において定義された本発明は、必ずしも記載された特定の特徴又は作用に限定される必要はないと理解されるべきである。むしろ、特定の特徴及び作用は、請求された発明を実現する代表的な形態として開示されている。種々の変更は、本発明の趣旨又は有効範囲から逸脱することなく、当業者によって容易に考え出すことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
産業上の利用可能性
音楽の分野において、空気流により作動されるハンドフリー楽器に有効で魅力的である。このような装置は、例えば、汎用制御デバイス、特に身体的に不利な人々のための装置としてかなり有用性を持っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧又は空気流あるいはこれらの組み合わせを表示する第1の電磁信号を提供するように構成された第1の空気センサーと、
前記第1のセンサーとの相対的な方位又は方位の変化あるいはこれらの組み合わせを表示する第2の電磁信号を提供するように構成された第2の方位センサーと、
あるイベント情報を提供するため、前記第1及び第2の電磁信号を組み合わせるように構成された信号プロセッサと、
を有するシステム制御デバイス。
【請求項2】
前記第1のセンサーの基準との相対的な位置又は位置の変化を表示する第3の電磁信号を提供するように構成された第3の位置センサーを更に有し、前記信号プロセッサは、更にあるイベント情報を提供するため、前記第1及び第2の電磁信号と前記第3の電磁信号を組み合わせるように構成された請求項1に記載のシステム制御デバイス。
【請求項3】
前記イベント情報をオーディオ信号に変換するようにプログラムされたソフトウェア・プログラマブル装置を更に有する請求項1のシステム制御デバイス。
【請求項4】
前記オーディオ信号は、楽器が表すものである請求項3のシステム制御デバイス。
【請求項5】
前記イベント情報をスクリーン・カーソル・コマンドに変換するようにプログラムされたソフトウェア・プログラマブル装置を更に有する請求項1のシステム制御デバイス。
【請求項6】
前記方位センサーは、回転ポテンショメータからなる請求項1のシステム制御デバイス。
【請求項7】
前記方位センサーは、ジャイロスコープからなる請求項1のシステム制御デバイス。
【請求項8】
前記位置センサーは、リニアポテンショメータからなる請求項2のシステム制御デバイス。
【請求項9】
前記位置センサーは、加速度計からなる請求項2のシステム制御デバイス。
【請求項10】
空気圧又は空気流あるいはこれらの組み合わせを表示する第1の電磁信号を提供するように構成された第1の空気センサーを準備し、
前記第1のセンサーとの相対的な方位又は方位の変化あるいはこれらの組み合わせを表示する第2の電磁信号を提供するように構成された第2の方位センサーを準備し、
あるイベント情報を提供するため、信号プロセッサを用い、前記第1及び第2の電磁信号を組み合わせる、システムの制御方法。
【請求項11】
前記第1のセンサーの基準との相対的な位置又は位置の変化を表示する第3の電磁信号を提供するように構成された第3の位置センサーを準備し、更にあるイベント情報を提供するため、前記信号プロセッサを用い、前記第1及び第2の電磁信号と前記第3の電磁信号を組み合わせる、請求項10に記載のシステムの制御方法。
【請求項12】
前記イベント情報を、楽器を表すオーディオ信号に変換する請求項10のシステムの制御方法。
【請求項13】
前記イベント情報をスクリーン・カーソル・コマンドに変換する請求項10のシステムの制御方法。
【請求項14】
空気圧又は空気流あるいはこれらの組み合わせを表示する第1の電磁信号を提供するように構成されたセンサー手段と、
前記第1のセンサーとの相対的な方位又は方位の変化あるいはこれらの組み合わせを表示する第2の電磁信号を提供するセンサー手段と、
あるイベント情報を提供するため、前記第1及び第2の電磁信号を組み合わせる信号プロセッサ手段と、
を有するシステム制御装置。
【請求項15】
前記第1のセンサー手段の基準との相対的な位置又は位置の変化を表示する第3の電磁信号を提供するセンサー手段を更に有し、前記信号プロセッサ手段は、更にあるイベント情報を提供するため、前記第1及び第2の電磁信号と前記第3の電磁信号を組み合わせる請求項14に記載のシステム制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−505025(P2011−505025A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536183(P2010−536183)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/084935
【国際公開番号】WO2009/070711
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(510149781)マイ ミュージック マシンズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】