説明

遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター

【課題】無色ないし着色された光を供給するキセノンランプに装着するフィルターであって、キセノンランプ光源Xからみて所定位置に遮光膜を有するフィルターを提供する。
【解決手段】キセノンランプ(HID)のガラス管外径に嵌合する透明円筒体であって、透明円筒体が長さ方向の全長に亘ってスリットを有し、透明円筒体の1部に、遮光膜を形成したことを特徴とする遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明に用いられているキセノンランプ又はハロゲンランプに装着する着色フィルターに関し、より詳しくは、乗り物の照明とくに自動車の照明に用いられているキセノンランプ又はハロゲンランプ等に取り付ける遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キセノンランプの外側包体は、動作中のランプ容器の温度差を減じるのに有用である。低減された温度差により、電力消費を同一にしたままランプの光束を上昇させることができる。光束の上昇は、包体がない場合の最大温度に対応する最大ランプ容器温度においてさえも実現することができる。包体のないランプにより得られるのと同一の光束を維持しながら、最大温度の低減をすることは知られている(特許文献1)。
上記光束及び最大温度は、外側包体とランプ容器との間の間隙の値に依存する。上記既知のランプは特に車両のヘッドライト用ランプとして使用するのに適している。このランプの光源、即ち放電アーク、は高輝度を有し、その際約35ワットの消費電力が比較的高い発光効率で光に変換される。結果として、上記ランプは比較的小さな反射面しか持たないヘッドライトに使用することができ、従って当該ヘッドライトは比較的小さな高さを持つようにすることができる。それにも拘わらず、上記ランプを内部に備える車両の場合、通常の白熱ランプを光源とする場合よりも一層明るく照明された道路が得られる。しかしながら、口金付き高圧放電ランプを用いるヘッドライトは漏れ光を放射し、これが上記光源の高輝度及び高光束により並びにヘッドライトの形式に依存してグレアを起こすことがあることが分かった。(特許文献2、特許文献3)
【0003】
車両のヘッドライト用ランプとして使用することができ、ランプ容器が硬質ガラスの真空筒状外側バルブにより囲まれているような高圧放電ランプを開示している(特許文献4)。このバルブには全長にわたり且つ半周より約15度少ない周にわたって放射吸収被覆が設けられ、残りの表面領域には赤外線反射型光透過被覆が設けられている。
180度−15度の周方向角度にわたる上記放射吸収被覆の目的は、放物状反射器を備えるヘッドライトにおいて右側交通及び左側交通に対して非対称な光ビームを作ることにある。
冒頭で述べたような種類のランプにおいては上記のような被覆は、外側包体に石英ガラスを用いたとしても、又赤外線反射被覆がない場合においても、ランプ寿命が著しく低下し、ランプのルーメン出力が急速に低下し且つ変形が生じるような高温の原因となることが分かった。
【0004】
さらに、自動車の照明に用いられているキセノンランプであって、図1に示すようにのガラス管表面に遮光膜を設けて、漏れ光の発生が防止されるようなランプは、知られている(特許文献5)。この発明によれば、前記外側包体は前記第2の電流導体の前記戻り部から遠くに面する該外側包帯の側で前記第1の首状部の近傍に位置する領域に光吸収被覆を有し、前記領域は少なくとも前記電極間の中心領域における前記外側包体に対する垂線と50度なる角度αをなす位置から、少なくとも前記垂線と略65度の角度βをなす位置まで延在し、上記αとβとの頂点が前記ランプ容器の前記軸上に在ることを特徴とすることにより達成される。
遅れ光は、前記第1の首状部の方向に放出され且つランプ容器材料により偏向され、次いでランプ口金の上側の周囲に延びる領域において反射器に入射するような放射により発生されることが判った。この反射器は、第2の電流導体がランプ容器の下側をランプ口金に向かって走るようにランプを保持している。
前記被覆がない場合に上記反射器に入射する光は該反射器によって反射される有用な光と混合され、ビームとなってヘッドライトレンズを介して外部に、略真っ直ぐ前方に、当該ヘッドライトの遥か前方に投射される。
前記角度αは、ヘッドライトにより形成されるビームの光束に目立った影響を及ぼすことなく、数度小さく、多分例えば40度に選定することもできる。角度βも、一層広い製造許容差を有するように大きな値に選定することもできるが、この角度を広げることは他の点で有効な効果は殆どない。
本発明による高圧放電ランプの好ましい実施例においては、前記外側包体が前記放電経路の両側部であって第2の電流導体の戻り部に面する側に帯状の光吸収被覆を有し、これら帯状被覆が互いに離れて面し略165度の角度γをなす縁と、相対向し相互に85度〜145度の角度δをなす縁とを有し、γとδとの頂点が前記ランプ容器の軸上に位置する。
上記角度γは、左側交通用又は右側交通用の非対称ビームの角度である。角度δの選択の自由度により、製造の許容差が得られ、前記帯状部の所望の最小幅及び許容される最大幅が与えられるが、後者は温度的理由により超過してはならないと記載している。
【0005】
また、 キセノンランプガラス管外径に嵌合する透明円筒体に顔料のみを焼き付けしてなる透明円筒体であって、長さ方向の全長に亘ってスリットを有するキセノンランプ用着色フィルターは知られている(特許文献6)。ここでは、自動車の照明に用いられているキセノンランプは、電流を流した直後は青白色の光が発せられているが、3〜5分後にはこの光の色温度が低下し、黄色に変化する傾向にあった。色温度を上げるためにキセノンランプ又はハロゲンランプに装着できる着色フィルターが開示されている。
【0006】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願公開第0570068−A1号公報
【特許文献2】ヨーロッパ特許出願公開第0581354−A1号公報
【特許文献3】ヨーロッパ特許出願公開第0579326−A1号公報
【特許文献4】ヨーロッパ特許出願公開第0237647−A1号公報
【特許文献5】日本国特許第3095416号明細書
【特許文献6】日本国特許第3574389号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のキセノンランプのガラス管上に直接遮光膜を塗布する場合、モリブデン線(HIDバルブの先端部において、むき出しになっている線)が遮光膜焼付け時に酸化され、細くなってしまったり、遮光膜の塗布工程では「ゴミ」、「垂れ」、「気泡」に起因する塗装不具合が生じやすいが、この場合、不具合になっている遮光膜を剥離しにくく、フッ酸のような強酸で剥離すると、バルブも溶解し、バルブの破裂につながったり、遮光膜を付したHIDバルブの色温度を変化させるために、青色膜などを塗布しようとした場合、遮光膜周辺の膜厚が厚くなり、均一なコーティングができにくいなどの弊害があった。
本発明は、無色ないし着色された光を供給するキセノンランプに装着するフィルターに着目し、キセノンランプ光源Xからみて所定位置に遮光膜を有するフィルターを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明者は鋭意研究した結果、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、キセノンランプ(HID)のガラス管外径に嵌合する透明円筒体であって、透明円筒体が長さ方向の全長に亘ってスリットを有し、透明円筒体の1部に、遮光膜を形成したことを特徴とする遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルターである。
本発明においては、透明円筒体のスリット又は透明円筒体の端面の円周面に設けた凹部に、環嵌合する凸部を台座に設けることができる。
また、本発明においては、透明円筒体を、無色又は着色したものとすることができる。
さらに、本発明では、着色が、着色物質を分散させた着色ガラス又は無着色ガラスの表面に着色物質を焼き付けた着色ガラスとすることができる。
また、本発明においては、透明円筒体21と台座12の間にガラス管11の外径よりやや大きいスプリングを入れて、リード線との接合部14をスリット22に合わせて着色フィルター2を嵌合させた後、透明円筒体21の先端部をリード線との接合部14を過ぎるまで押し込み、透明円筒体21を約90度回転させ、スプリングの付勢により、台座12とリード線との接合部14の間に、着色フィルター2を保持することができる。
さらに、本発明では、遮光膜が、少なくとも光源Xにおけるキセノンランプガラス管に対する垂線と50度なる角度αをなす位置から、少なくとも前記垂線と略65度の角度βをなす位置まで延在し、上記αとβとの頂点がキセノンランプガラス管の前記軸上に在ることができる。
さらにまた、本発明では、遮光膜が、フィルターの面側部であって帯状の光吸収被覆32を有し、これら帯状被覆は互いに離れて面し略165度の角度γをなす縁と、相対向し相互に85度〜145度の角度δをなす縁とを有し、上記γとδとの頂点がキセノンランプガラス管の前記軸上に在ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、どのようなキセノンランプに適用することが出来るため、色温度を上げると同時に、遮光膜を形成することが出来、キセノンランプガラス管(バルブ)上に直接遮光膜を塗布する場合の次のような弊害を取り除くことが出来、製造上極めて優位なものである。
1.モリブデン線(HIDバルブの上にむき出しになっている線)が遮光膜焼付け時に酸化され、細くなってしまう。
2.遮光膜の塗布工程では「ゴミ」、「垂れ」、「気泡」に起因する塗装不具合が生じやすいが、この場合、不具合になっている遮光膜を剥離しにくい。フッ酸のような強酸で剥離すると、バルブも溶解し、バルブの破裂につながる。
3.遮光膜を付したHIDバルブの色温度を変化させるために、青色膜などを塗布しようとした場合、遮光膜周辺の膜厚が厚くなり、均一なコーティングができにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のフィルターに用いる透明フィルターの材料は、透明で600℃以上の高温にたえるものであれば良いが、通常、パイレックス<登録商標>ガラス若しくは石英ガラスで作られている。このようなガラスは、無色のもの着色したもの双方を利用することが出来る。着色は、ガラス自身に着色剤を分散せたものでも、円筒状の内側若しくは外側あるいは両側のガラス表面を着色したものでも良い。
無着色ガラスを着色する場合には無機質顔料を単独で使用してもよく、無機質顔料とバインダーを混合した分散液を使用してもよい。無機質顔料としてははコバルト、ニッケル、クロム、アンチモン、鉄、金、銀、銅などの金属単体、これら金属の酸化物あるいはこれら金属とアルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどとの複合酸化物などが挙げられる。
バインダーとしてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、酸化アルミニウム、ガラス粉末、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム、ジメチルポリシロキサンあるいはアルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウムなどのアルコキシ基を有する金属のゾルーゲル反応化合物などの単独使用あるいは併用が挙げられる。
無機質顔料はバインダー溶液あるいは分散液に分散してもよく、無機質顔料の分散液とバインダー溶液あるいは分散液を混合してもよい。
本発明において着色膜の塗布は、浸漬塗装方法(ディピングコート)や回転塗装方法(スピンコート)やハケやローラによる塗装があるが、浸漬塗装方法(ディピングコート)と回転塗装方法(スピンコート)が好ましく用いられる。
【0011】
これらの無機質顔料とバインダーの分散に使用される溶剤としてはエタノールや2-プロパノールのようなアルコール類、酢酸エチルや酢酸ブチルのようなエステル系溶剤、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤、エチルセロソルブやブチルセロソルブのようなセロソルブ系溶剤、トルエンやキシレンのような芳香族系溶剤などが挙げられ、単独使用あるいは併用される。
また、本発明において、遮光膜に使用される顔料としては600℃以上の耐熱性を有する無機質顔料であれば特に制限はない。無機質顔料の例としては鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、亜鉛、バリウム、アルミニウム、金、銀などの金属単体、それら金属の酸化物、複合酸化物、窒化物、珪化物、炭酸塩などの単独使用あるいは併用が挙げられる。
これらの無機質顔料はバインダー溶液あるいは分散液に分散してもよく、無機質顔料の分散液とバインダー溶液あるいは分散液を混合してもよい。
バインダーの例としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、酸化アルミニウム、ガラス粉末、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム、ジメチルポリシロキサンあるいはアルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウムなどのアルコキシ基を有する金属のゾルーゲル反応化合物などの単独使用あるいは併用が挙げられる。
これらの無機質顔料とバインダーの分散に使用される溶剤としてはエタノールや2-プロパノールのようなアルコール類、酢酸エチルや酢酸ブチルのようなエステル系溶剤、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤、エチルセロソルブやブチルセロソルブのようなセロソルブ系溶剤、トルエンやキシレンのような芳香族系溶剤あるいは水などが挙げられ、単独使用あるいは併用される。
【0012】
本発明において遮光膜は無機質顔料、バインダーおよび溶剤よりなる遮光膜用塗料を刷毛やインクジェットを用いて所定の位置に塗布後、乾燥あるいは焼成することにより得られる。バインダーの一部や分散剤に有機物を含んでいるため、使用時の発煙をなくするために、300℃以上で焼成することが好ましい。
本発明のフィルターに用いられる透明円筒体21は、石英ガラスかパイレックス<登録商標>が用いられ、主として経済的な理由からパイレックス<登録商標>が好適に用いられる。また、透明円筒体21は図2に示すようにスリットが入れられているが、これはキセノンランプ又はハロゲンランプが既に作成され取り付けられている場合、図2に示すようにリード線の接合部14をスリット22に通して、後からキセノンランプのガラス管にフィルターを嵌合し、装着するためのものである。
また、スリット22は遮光膜と着色膜を設けてから行っても、初めからスリット22がある透明円筒体に遮光膜と着色膜を設けてもよい。
【0013】
透明円筒体21をキセノンランプのガラス管11に嵌合した場合において、嵌合に隙間があって、透明円筒体21が不安定な場合には、透明円筒体21と台座12の間にガラス管11の外径よりやや大きいスプリングを入れて、リード線との接合部14をスリット22に合わせて遮光膜付きフィルター2を嵌合させた後、透明円筒体21の先端部をリード線との接合部14を過ぎるまで押し込み、透明円筒体21を約90度回転させ、スプリングの付勢により、台座12とリード線との接合部14の間に、遮光膜付きフィルター2を保持する。また、この構成は透明円筒体21が短い場合にも有効に適用できる。透明円筒体21は、スプリングを用いた保持のほか、透明円筒体21を、台座12との間で、耐熱性の接着剤ないしパテを用いて、固定することもできる。
【0014】
さらに、本発明においては、保護層を最外層に設けることが出来る。
保護層としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、酸化アルミニウム、ガラス粉末、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム、ジメチルポリシロキサンあるいはアルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウムなどのアルコキシ基を有する金属のゾルーゲル反応化合物などの単独使用あるいは併用が挙げられる。
焼付けは、バインダーの一部や分散剤に有機物を含んでいるため、使用時の発煙をなくするために、300℃以上で焼成することが好ましい。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
図2に示す遮光膜付フィルターを作成した。
外径11mm、内径9mm、長さ33mm、スリットの幅1mmの白色透明円筒体(パイレックス<登録商標>)21を用意した。一方、アルミン酸コバルト分散液(不揮発分:30%、主溶剤:エタノール)とメチルトリメトキシシランのゾルーゲル反応液(不揮発分:20%、溶剤:2-プロパノール)を重量比で1:3の割合で混合した。透明円筒体21をその液中に浸漬し、引き上げると透明円筒体の内部23に均一な青色の膜が出来た。室温で1時間乾燥後、400℃で2時間焼成した。
遮光膜は、エタノール/ブチルセロソルブ/ミネラルスピリット/鉄―マンガン酸化物系黒色顔料/ジメチルポリシロキサン=15/30/10/20/25よりなる遮光塗料を所定の位置に刷毛を用いて塗布した。室温で3時間乾燥させ、400℃で2時間焼き付けた。
図4に示すように、リード線との接合部14をスリット22に合わせて遮光膜付きフィルター2を嵌合させた後、透明円筒体21を約90度回転させ、遮光膜付きフィルターのスリット22に対応する台座12の凸部(図示せず)に嵌合して、遮光膜付きフィルターを固定した。
【実施例2】
【0016】
図3に示す透明円筒体の端面の円周面に凹部41を設けた外径11mm、内径9mm、長さ33mm、スリットの幅1mmの白色透明円筒体(パイレックス<登録商標>)21を用意した。
遮光膜は、実施例1で用いた遮光塗料を所定の位置に刷毛を用いて塗布した。室温で3時間乾燥させ、600℃で2時間焼き付けた。
図4に示すように、リード線との接合部14をスリット22に合わせて遮光膜付きフィルター2を嵌合させた後、透明円筒体21を約90度回転させ、スプリングの付勢により、遮光膜付きフィルターの凹部41に対応する台座12の凸部(図示せず)に嵌合して、遮光膜付きフィルターを固定した。透明円筒体21と接合部14の間にガラス管11の外径よりやや大きい絶縁性のスプリングを入れて、台座12とリード線との接合部14の間に、遮光膜付きフィルター2を確実に保持する。
【実施例3】
【0017】
外径11mm、内径9mm、長さ33mm、スリットの幅1mmの白色透明円筒体(パイレックス<登録商標>)21に代えて、青色透明円筒体(パイレックス<登録商標>)を用いたほかは実施例1と同じにして、図2に示す遮光膜付きフィルターを作成した。
【実施例4】
【0018】
外径11mm、内径9mm、長さ33mm、スリットの幅1mmの白色透明円筒体(パイレックス<登録商標>)21に代えて、青色透明円筒体(パイレックス<登録商標>)を用いたほかは実施例2と同じにして、図3に示す遮光膜付きフィルターを作成した。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の遮光膜付キセノンランプ用フィルターは、手軽に製造できるので、既に製造されたキセノンランプすべてに適用することが出来るばかりか、キセノンランプガラス管に遮光膜を直接焼き付けないので、安全に製造することが出来、産業上の利用可能性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の遮光膜付きキセノンランプ
【図2】実施例で用いた遮光膜付きフィルターの見取り図
【図3】別の実施例で用いた遮光膜付きフィルターの見取り図
【図4】キセノンランプと遮光膜付きフィルターの見取り図
【符号の説明】
【0021】
1 キセノンランプ
11 ガラス管
12 台座
13 リード線
14 接合部
2 着色フィルター
21 透明円筒体
22 スリット
23 透明円筒体の内面
31 遮光膜
32 遮光膜
41 嵌合のための凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キセノンランプ(HID)のガラス管外径に嵌合する透明円筒体であって、透明円筒体が長さ方向の全長に亘ってスリットを有し、透明円筒体の1部に、遮光膜を形成したことを特徴とする遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。
【請求項2】
透明円筒体のスリット又は透明円筒体の端面の円周面に設けた凹部に、環嵌合する凸部を台座に設けた請求項1に記載した遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。
【請求項3】
透明円筒体が、無色又は着色されている請求項1又は請求項2に記載した遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。
【請求項4】
着色が、着色物質を分散させた着色ガラス又は無着色ガラスの表面に着色物質を焼き付けて行われる着色ガラスである請求項3に記載した遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。
【請求項5】
透明円筒体21と台座12の間にガラス管11の外径よりやや大きいスプリングを入れて、リード線との接合部14をスリット22に合わせて着色フィルター2を嵌合させた後、透明円筒体21の先端部をリード線との接合部14を過ぎるまで押し込み、透明円筒体21を約90度回転させ、スプリングの付勢により、台座12とリード線との接合部14の間に、着色フィルター2を保持することを特徴とする遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。
【請求項6】
遮光膜が、少なくとも光源Xにおけるキセノンランプガラス管に対する垂線と50度なる角度αをなす位置から、少なくとも前記垂線と略65度の角度βをなす位置まで延在し、上記αとβとの頂点がキセノンランプガラス管の前記軸上に在ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載した遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。
【請求項7】
遮光膜が、フィルターの面側部であって帯状の光吸収被覆32を有し、これら帯状被覆は互いに離れて面し略165度の角度γをなす縁と、相対向し相互に85度〜145度の角度δをなす縁とを有し、上記γとδとの頂点がキセノンランプガラス管の前記軸上に在ることを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載した遮光膜付きキセノンランプ(HID)用フィルター。


【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−103305(P2007−103305A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295278(P2005−295278)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(505378600)株式会社日本コーティング (3)
【Fターム(参考)】