説明

部品供給装置

【課題】ボールフィーダ部から直進フィーダ部への部品供給時における部品詰まりを解消できる部品供給装置を提供する。
【解決手段】部品T、T1、T2を配列して振動供給するボールフィーダ部1と、ボールフィーダ部1の部品排出部13に連通し、部品T、T1、T2を連続流動させる直進フィーダ部2とを含み、直進フィーダ部2の上流端近傍21のレール26、27、28の一部をレール離脱部24、25として駆動機構22を介して離脱可能な構成とし、センシング手段5により上流端近傍21において部品T、T1、T2の連続流動が途切れたことを検知した場合、駆動機構22を駆動させてレール離脱部24、25を離脱させ、詰まった部品T、T1、T2を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置に係り、特に、ボール部内に収容されたボルト又はナット等の部品を整列状態で移載部に搬送して次工程に供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ボール部内に収容されたボルト又はナット等の部品をボールフィーダ部によって加振することにより直進フィーダ部に配列して供給し、次に直進フィーダ部によって加振することにより上記部品を直進フィーダ部内を整列状態で順次搬送し移載部(切出口)に供給し、この移載部に設けられた移載装置を介して上記部品を次工程に供給するように構成された部品供給装置が知られている。この部品供給装置は、ボールフィーダ部、及び直進フィーダ部にそれぞれ設けられた加振機によって部品に振動を付加するように構成されている。
【0003】
このような部品供給装置では、ボールフィーダ部から直進フィーダ部に供給される部品量に比べ、この直進フィーダ部から移載部に搬出される部品量が少ない場合に、直進フィーダ部に多数の部品が密集状態となって停滞し、部品詰まりが発生し易くなる。
【0004】
このため、直進フィーダ部において部品が停滞しているか否かを検出するセンサを設け、このセンサによって部品過多による停滞が発生していることが確認された場合に、加振機の作動を停止させることにより部品詰まりの発生を防止する技術が知られている。また、直進フィーダ部に位置する部品数を検出するセンサを設け、このセンサによって直進フィーダ部に位置する部品数が多い程加振機の駆動力を弱くすることにより、直進フィーダ部における部品詰まりの発生を防止する技術が提案されている(特許文献1)。
【0005】
しかしながら、ボール部内に収容されたボルト若しくはナット等の部品をボールフィーダ部から直進フィーダ部に配列して供給し、直進フィーダ部によって部品を整列状態で順次搬送し移載部(切出口)に供給する部品供給装置において、最も発生しやすいボールフィーダ部から直進フィーダ部への部品供給時の部品詰まりに関するものは見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−89331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解決し、ボールフィーダ部から直進フィーダ部への部品供給時における部品詰まりを解消できる部品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明者は、直進フィーダ部の上流端近傍に、上流端近傍の所定箇所の部品の有無を確認するセンシング手段を設け、部品の連続流動が途切れたことを検知した場合、上流端近傍のレールの一部を離脱させ、部品を排出することにより詰まりを解消させることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
(1) 少なくとも、部品を配列して振動供給するボールフィーダ部と、ボールフィーダ部の部品排出部に連通し、部品を連続流動させる直進フィーダ部とを設けた部品供給装置において、直進フィーダ部の上流端近傍に配置され、上流端近傍の所定箇所の部品の有無を確認するセンシング手段と、直進フィーダ部の上流端近傍のレールの一部を、レール離脱部として駆動機構を介して離脱可能な構成をなし、直進フィーダ部上流端近傍に詰まった部品を落下させる部品落下手段と、センシング手段により部品の連続流動が途切れたことを検知した場合、部品落下手段の駆動機構を駆動させ、レール離脱部を離脱させるように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする部品供給装置。
【0010】
(1)の部品供給装置によれば、部品詰まりが発生する可能性のある直進フィーダ部の上流端近傍に配置した上流端近傍の所定箇所の部品の有無を確認するセンシング手段により部品の連続流動が途切れたことを検知した場合、上流端近傍のレールの一部をレール離脱部として駆動機構によって離脱させ部品を排出することによって、詰まりを解消することができる。部品詰まりが発生する可能性のある箇所において詰まりの原因になっている部品を排出させ、直進フィーダ部の搬送を自動復帰させることができるので、部品供給装置としての作業効率を向上させることができる。
【0011】
(2) (1)に記載の部品供給装置であって、レール離脱部の近接位置に、レール離脱部の離脱時にレール離脱部に向かいエアを噴出するエア噴出し部を更に備えたことを特徴とする部品供給装置。
【0012】
(2)の部品供給装置によれば、部品の連続流動が途切れたことを検知した場合、詰まりの原因になっている部品を更に確実に排出することができる。
【0013】
(3) (1)又は(2)に記載の部品供給装置であって、部品が頭部にワッシャ部を有するボルト又はナットであって、直進フィーダ部の上方からのガイドは、ボルト又はナットの頭部のワッシャ部に一対のガイドバーを上方より近接するよう構成されたことを特徴とする部品供給装置。
【0014】
(3)の部品供給装置によれば、上方の一対のガイドバーと下方のレールとの間のクリアランスを、ボルト又はナットの頭部の公差に関係なく、ボルト又はナットの頭部のワッシャ部の厚みの公差のみを考慮して設定できるため、上方の一対のガイドバーと下方のレールとの間の部品詰まりが発生し難い部品供給装置とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品搬送の詰まりが発生する可能性がある直進フィーダ部上流端近傍で部品の詰まりを検出して排出することにより、フィーダ部の搬送を自動復帰することができ、作業効率を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る部品供給装置の全体構成を示す平面図
【図2】本発明に係る部品供給装置の全体構成を示す正面図
【図3】aは本発明に係る部品供給装置の要部拡大平面図、bはaの切断線A−Aにおける部品供給装置の要部断面図
【図4】aは本発明に係る部品供給装置の要部拡大平面図、bはaの切断線B−Bにおける部品供給装置の要部断面図
【図5】制御部の構成を示すブロック図
【図6】aは本発明に係る部品供給装置の要部拡大平面図、bはaの切断線A−Aにおける部品供給装置の要部断面図
【図7】aは本発明に係る部品供給装置の要部拡大平面図、bはaの切断線B−Bにおける部品供給装置の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1乃至図7(b)に基づき、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る部品供給装置100の全体構成を示す。この部品供給装置100は、ボルト又はナット等の部品Tを収容するボールフィーダ部1と、このボールフィーダ部1の外周部に沿って設置された直進フィーダ部2と、この直進フィーダ部2の下流端部20に連通された移載部3とを有している。ここで、移載部3は、移載部3に設けられた移載装置(図示せず)を介して部品Tを次工程に供給するように構成されている。
また、上記ボールフィーダ部1内には、ホッパー等(図示しない)からボルト又はナット等の部品Tが適宜補充されるようになっている。
【0019】
上記ボールフィーダ部1の下方には、ボールフィーダ部1内に収容された部品Tに振動(例えば、捻り振動)を付与する電磁振動式の加振機4が設けられている。そして、上記加振機4によってボールフィーダ部1内の部品Tを振動させることにより、部品Tをボールフィーダ部1の内周面に設けられた螺旋状の搬送路11に沿って移動させると共に部品Tの形状に対応した搬送レール12に所定の姿勢で整列させ、更に部品Tをボールフィーダ部1の部品排出部13を経由して、部品排出部13に連通している直進フィーダ部2の上流端近傍(部品導入部)21に供給するように構成されている。直進フィーダ部2の下方には、直進フィーダ部2に供給された部品Tに振動(例えば、直線振動)を付与することにより部品Tに搬送力を付与する電磁振動式の加振機8が設けられている。
【0020】
直進フィーダ部2の上流端近傍21は、直進フィーダ部2に載置された部品Tの姿勢をボールフィーダ部1の部品排出部13に載置された部品Tの姿勢と実質的に同一に保持し、部品Tを部品排出部13から直進フィーダ部2の上流端近傍21に滑らかに移動できるように構成されている。しかしながら、ボールフィーダ部1の部品排出部13と直進フィーダ部2の上流端近傍21とはそれぞれ別体であり両者の間に隙間があり、また、ボールフィーダ部1と直進フィーダ部2は、それぞれ別々に加振されるためボールフィーダ部1と直進フィーダ部2との境目では部品Tの振動が変化する。従って、直進フィーダ部2の上流端近傍21、すなわち、ボールフィーダ部1と直進フィーダ部2の境目では、一つ前の部品Tへの乗り上げ、噛み込みなどにより部品Tの詰まりが発生する可能性がある。
【0021】
図3(a)、3(b)、4(a)及び4(b)は、部品Tが頭部T1hにワッシャ部T1wを有するボルトT1である場合における、部品排出部13及び直進フィーダ部2の詳細構造を示す。搬送レール12は一対のレールであり、ボルトT1の搬送レール12における整列姿勢は、ワッシャ部T1wが搬送レール12の上に乗り、ネジ部がその一対のレールの間から下に突出するものである。搬送レール12は、ボルトT1をボールフィーダ部1の振動によって搬送レール12の上を整列状態で直進フィーダ部2に向かい搬送できる。
【0022】
図1及び図3(a)に示すように、直進フィーダ部2は、ボルトT1のワッシャ部T1wを受け振動によって搬送する一対のレール26及び27を有する。直進フィーダ部2の上流端近傍21において、一方のレール26はボールフィーダ部1の部品排出部13まで伸びておらず、レール26の終端面261は、ボールフィーダ部1の部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121から所定距離L1だけ離れている。他方のレール27はボールフィーダ部1の部品排出部13まで伸びており、他方のレール27の終端面271は、端面121に近接している。ここで、所定距離L1は、ボルトT1のワッシャ部T1wの直径D1より十分大きく設定されている。
【0023】
直進フィーダ部2の上流端近傍21の付近に、可動アーム23を有する駆動機構22が、ボールフィーダ部1、及び直進フィーダ部2の設置された床面又は台部から伸びた治具によって設置されている。可動アーム23の先端には棒状のレール離脱部24が設けられており、可動アーム23が第一の位置(通常位置)のとき、レール離脱部24は、レール26(短い側のレール)とボールフィーダ部1の部品排出部13の間に配置されるように設定されている。すなわち、可動アーム23が第一の位置(通常位置)のとき、レール離脱部24のレール26の側の端面241は、レール26の終端面261と近接し、レール離脱部24の部品排出部13の側の端面242は、部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121に近接する。また、このとき、レール離脱部24の上面は、レール26の上面に実質的に連続し、レール離脱部24のレール27に面した内側面は、レール26のレール27に面した内側面に実質的に連続する。レール離脱部24及びレール27に載置されるボルトT1の姿勢はボールフィーダ部1の部品排出部13におけるボルトT1の姿勢と実質的に同一に保持されるように構成されている。この状態では、部品供給装置100は、ボルトT1を、部品排出部13からレール離脱部24及びレール27に移動させ、次に一対のレール26及び27に移動させ直進フィーダ部2内を搬送することができる。
【0024】
図4(a)及び図4(b)に示すように、可動アーム23は、第一の位置(通常位置)から第二の位置(後退位置)に移動できる(移動方向を矢印Rで示す)。駆動機構22は、その内部に可動アーム23を駆動するエアシリンダー、電磁アクチュエータ等の駆動要素(図示せず)を有しており、外部からの制御信号を受けて、可動アーム23を第一の位置から第二の位置へと、又逆に第二の位置から第一の位置へと適宜移動させることができるように構成されている。可動アーム23の動きは、直線運動、揺動であってよく、又カム機構、リンク機構を利用した曲線運動を用いてもよい。また、駆動機構22は、ボールフィーダ部1、及び直進フィーダ部2の設置された床面又は台部から伸びた治具に設置する代わりに、ボールフィーダ部1から伸びた治具、又は直進フィーダ部2から伸びた治具に設けてもよい。
【0025】
レール離脱部24、可動アーム23、及び駆動機構22は、全体として部品落下手段30を構成する。可動アーム23が第二の位置のとき、レール離脱部24は、可動アーム23が第一の位置のときのレール離脱部24の位置24Fから離れ、レール離脱部24とレール27との距離が大きくなる。このとき、レール離脱部24とレール27の距離はボルトT1のワッシャ部T1wの直径D1より十分大きくなるように設定されている。また、上述の通り、レール26の終端面261とボールフィーダ部1の部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121との間の所定距離L1はボルトT1のワッシャ部T1wの直径D1より十分大きくなるように設定されているため、可動アーム23が第二の位置(後退位置のとき、直進フィーダ部2の上流端近傍21に詰まっているボルトT1を落下させ、排出することができる。
【0026】
また、レール離脱部24の近接位置にエア噴出し部15が設けられていて、レール離脱部24の離脱時にレール離脱部24に向かいエアを噴出するよう構成されている。噴出されたエアは、ボルトT1の落下、排出を補助できる。
【0027】
直進フィーダ部2の一対のレール26及び27の上方には、ボルトT1のワッシャ部T1wを上方から近接する一対のガイドバー29が配置されている。一般に、ボルト等の部品の頭部T1hの厚み、及びワッシャ部T1wの厚みには、それぞれ寸法バラツキの存在が避けられない。従って、ボルトの頭部T1hにガイドバーを設置する場合には、ボルトの頭部T1hの公差及びワッシャ部T1wの公差の合計の寸法バラツキに対応する必要があるのに対して、ワッシャ部T1wを上方から近接する一対のガイドバー29を設置する構成によれば、上方の一対のガイドバー29と下方の一対のレール26及び27との間のクリアランス(隙間)は、ボルトの頭部T1hの公差に関係なく、ボルトのワッシャ部T1wの厚みの公差のみを考慮して設定できる。従って、この構成は、部品詰まりの可能性を低減するために有利である。
【0028】
直進フィーダ部2の上流端近傍21には、図1及び図3(a)に示すように、上流端近傍21の所定箇所におけるボールフィーダ部1から直進フィーダ部2上に搬送されたボルトT1の有無を検出する、例えば光電管スイッチからなるセンシング手段5が設けられている。
【0029】
センシング手段5の検出信号は、図5に示すように、制御部16に入力される。この制御部16には、センシング手段5の検出信号に基づいて直進フィーダ部2上の所定箇所のボルトT1の有無を検出する検出手段17と、このボルトT1の有無に対応した制御信号を駆動機構22に出力し、その制御信号によって駆動機構22の可動アーム23を第一の位置に移動させ、又は第二の位置に移動させるように制御する制御手段18とが設けられている。
【0030】
すなわち、上記検出手段17において、センシング手段5の検出信号に応じ、直進フィーダ2上の所定箇所のボルトT1の有無を判別し、その判別結果を上記制御手段18に出力するように構成されている。
【0031】
この制御手段18は、上記検出手段17の出力信号に基づき、上記所定箇所にボルトT1が存在することが確認された場合には、ボルトT1が上流端近傍21を通って連続流動していると判断し、駆動機構22の可動アーム23を第一の位置(通常位置)に保持する。
【0032】
逆に、上記所定箇所にボルトT1が存在することが確認されない場合には、ボルトT1が上流端近傍21において詰まり、ボルトT1の連続流動が途切れたときであると判断し、駆動機構22の可動アーム23を第二の位置(後退位置)に移動する。このとき、上述の通り、レール離脱部24は、可動アーム23が第一の位置のときのレール離脱部24の位置24Fから離れ、レール離脱部24とレール27の距離が大きくなることにより、上流端近傍21において詰まったボルトT1を落下させ、排出することができる。また、制御手段18は、検出手段17の出力信号に基づき、同時にエア噴出装置(図示せず)を作動させ、エア噴出し部15からエアを噴出させることができる。この場合、詰まったボルトT1の排出を更に確実に行うことができる。
【0033】
制御手段18は、詰まったボルトT1の排出が短時間で完了されるため、駆動機構22の可動アーム23を第二の位置に移動させたときから所定時間後に駆動機構22の可動アーム23を第一の位置に戻すように構成されている。このとき、詰まったボルトT1は排出されているため、部品供給装置100は、以降通常連続運転に復帰することができる。従って、移載部3を介して行われる次工程への部品供給に影響を与えることがない。
【0034】
以上、本発明の実施形態に係る部品供給装置100につき説明したが、これに限定されるものでなく、部品供給装置100には様々な変形例が可能である。図6(a)、6(b)、7(a)及び7(b)は、前述の実施形態の図3(a)、3(b)、4(a)及び4(b)に対応し、部品Tがワッシャ部を有するナットT2である場合における部品排出部13及び直進フィーダ部2の変形例を示す。この変形例は、本実施形態の搬送レール12、レール離脱部24、一対のレール26及び27とは異なる搬送レール14、レール離脱部25、レール28を有しているが、それら以外は全く同様に構成され作用するので、異なる構成要素について説明し、他は省略する。
【0035】
前述の実施形態の搬送レール12が一対のレールであるのに対して、変形例の搬送レール14は、ワッシャ部を下向きに整列したナットT2のワッシャ部を乗せる板状レール及びワッシャ部に上方から近接する一対の側方レールとから構成されている。搬送レール14が部品T(ナットT2)をボールフィーダ部1の振動によって搬送レール14の上を整列状態で直進フィーダ部2に向かい搬送できる点は、前述の実施形態の搬送レール12と同様である。
【0036】
また、前述の実施形態のレール離脱部24が、可動アーム23が第一の位置(通常位置)のとき、ボルトT1をその上に載置して搬送する一対のレール26及び27の内の一方のレール26(短い側のレール)とボールフィーダ部1の部品排出部13の間に配置される棒状の部材であるのに対して、変形例のレール離脱部25は、可動アーム23が第一の位置(通常位置)のとき、ナットT2をその上に載置して搬送する板状のレール28とボールフィーダ部1の部品排出部13の間に配置される板状の部材である。このとき、前述の実施形態のレール離脱部24のレール26の側の端面241は、レール26の終端面261と近接し、レール離脱部24の部品排出部13の側の端面242は、部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121に近接するのに対して、変形例のレール離脱部25のレール28の側の端面251は、レール28の終端面281と近接し、レール離脱部25の部品排出部13の側の端面252は、部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121に近接する。また、このとき、前述の実施形態のレール離脱部24の上面は、レール26の上面に実質的に連続し、レール離脱部24のレール27に面した内側面は、レール26のレール27に面した内側面に実質的に連続するのに対して、変形例のレール離脱部25の上面は、レール28の上面に実質的に連続する。従って、前述の実施形態と同様に、変形例のレール離脱部25及びレール28に載置されるナットT2の姿勢はボールフィーダ部1の部品排出部13におけるナットT2の姿勢と実質的に同一に保持されるように構成されている。変形例の直進フィーダ部2は、ナットT2を、部品排出部13からレール離脱部25に移動させ、次にレール28に移動させ直進フィーダ部2内を搬送することができる。
【0037】
尚、前述の実施形態のレール26の終端面261は、ボールフィーダ部1の部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121から所定距離L1だけ離れているのに対して、変形例のレール28の終端面281は、ボールフィーダ部1の部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121から所定距離L2だけ離れている。ここで、所定距離L2は、ナットT2のワッシャ部の直径D2より十分大きく設定されている。
【0038】
図7(a)及び7(b)に示すように、変形例においても、可動アーム23は、第一の位置(通常位置)から第二の位置(後退位置)に移動できる(移動方向を矢印Rで示す)。
【0039】
前述の実施形態では、レール離脱部24、可動アーム23、及び駆動機構22が、全体として部品落下手段30を構成するのに対して、変形例では、レール離脱部25、可動アーム23、及び駆動機構22が、全体として部品落下手段31を構成する。可動アーム23が第二の位置のとき、変形例のレール離脱部25は、可動アーム23が第一の位置のときのレール離脱部25の位置25Fから離れ、レール離脱部25とレール28との距離が大きくなる。このとき、レール離脱部25とレール28の距離はナットT2のワッシャ部の直径D2より十分大きくなるように設定されている。また、上述の通り、変形例のレール28の終端面281とボールフィーダ部1の部品排出部13の直進フィーダ部2に面した端面121との間の所定距離L2は、ナットT2のワッシャ部の直径D2より十分大きく設定されているため、可動アーム23が第二の位置(後退位置のとき、直進フィーダ部2の上流端近傍21に詰まっているナットT2を落下させ、排出することができる。
【0040】
また、変形例においても、レール離脱部25の近接位置にエア噴出し部15が設けられていて、レール離脱部25の離脱時にレール離脱部25に向かいエアを噴出するよう構成されている。噴出されたエアは、ナットT2の落下、排出を補助できる。
【0041】
以上、本発明の実施形態、及び一つの変形例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態、及び一つの変形例に記載の範囲には限定されない。上記実施形態、及び一つの変形例に、多様な変更又は改良を加えることができ、そのような変更、又は改良を加えた形態も本発明の技術範囲に含まれ得る。
【符号の説明】
【0042】
1 ボールフィーダ部
2 直進フィーダ部
5 センシング手段
13 部品排出部
15エア噴出し部
18 制御手段
21 上流端近傍
22 駆動機構
23 可動アーム
24、25 レール離脱部
26 レール(一方のレール)
27 レール(他方のレール)
28 レール
29ガイドバー
30、31 部品落下手段
100 部品供給装置
T 部品
T1 ボルト
T2 ナット
T1w、T2w ワッシャ部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、部品を配列して振動供給するボールフィーダ部と、該ボールフィーダ部の部品排出部に連通し、前記部品を連続流動させる直進フィーダ部とを設けた部品供給装置において、
前記直進フィーダ部の上流端近傍に配置され、前記上流端近傍の所定箇所の前記部品の有無を確認するセンシング手段と、
前記直進フィーダ部の前記上流端近傍のレールの一部を、レール離脱部として駆動機構を介して離脱可能な構成をなし、前記上流端近傍に詰まった前記部品を落下させる部品落下手段と、
前記センシング手段により前記部品の連続流動が途切れたことを検知した場合、前記部品落下手段の前記駆動機構を駆動させ、前記レール離脱部を離脱させるように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記レール離脱部の近接位置に、前記レール離脱部の離脱時に前記レール離脱部に向かいエアを噴出するエア噴出し部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記部品が頭部にワッシャ部を有するボルト又はナットであって、前記直進フィーダの上方からのガイドは、前記ボルト又はナットの前記頭部の前記ワッシャ部に一対のガイドバーを上方より近接するよう構成された請求項1又は請求項2に記載の部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−202341(P2010−202341A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49729(P2009−49729)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】