説明

部品保管スペースの評価システムおよび方法

【課題】 生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因の分析を容易にすることができる部品保管スペースの評価システムおよび方法を提供する。
【解決手段】 分析手段14は、シミュレーション手段11によるシミュレーション結果を、分析手順に従って分析する。分析方法表示手段16は、シミュレーション結果に基づく分析結果、たとえば統計処理手段141によって統計処理された結果および影響度算出手段142によって算出された影響度を、分析手順の評価項目ごとに表示する。さらに、次の分析手順について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための絞込み条件があると、その絞込み条件を分析結果とともに表示する。ユーザ入力手段17は、表示された絞込み条件の中から、部品保管スペースの占有率を高くしていると考えられる主たる要因に関係すると思われる絞込み条件を選択して、絞り込みを実行していく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産に用いる部品の保管スペースを評価する部品保管スペースの評価システムおよび方法に関し、より詳細には、生産活動における部品倉庫の状況をコンピュータ上でシミュレーションし、シミュレーション結果に基づいて部品倉庫の評価および分析を行うことができる部品保管スペースの評価システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生産あるいは物流の状況をコンピュータ上で再現するシミュレーションにおいては、シミュレーション対象となる要素の評価項目たとえば生産/物流の評価項目についての評価結果から、シミュレーション結果の良否を判断している。シミュレーション結果が不良であるとき、その評価項目について、なぜそのようなシミュレーション結果が得られたのか、その原因を推定するために、あるいはより良いシミュレーション結果を得るために、シミュレーションの条件を変更して再度シミュレーションを実行している。
【0003】
シミュレーションは、シミュレーション専用のプログラムによって、入力されたデータの内容に従って実行される。シミュレーション専用のプログラムは、目的の仕様通りにシミュレーションを動作させるために作成されたプログラムである。
【0004】
第1の従来の技術として、製造ラインの問題点を抽出し、抽出した問題点に対する改善策を明示することができる製造ライン評価支援装置がある。この製造ライン評価支援装置は、製造ラインの各要素のシミュレーション結果データを、予め記憶されている評価ルールを用いて評価し、製造ライン構成要素に関する問題点を抽出する。そして、抽出した問題点に対して、改善案検討フローを用いて改善案を出力する。評価ルールは、評価項目および評価基準ならびに評価フローからなる。問題点抽出および改善案選択のための手作業を削減することができる(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
第2の従来の技術として、生産不可能な計画を立案した原因を究明し、対策案の決定を支援する原因究明システムがある。この原因究明システムは、最新の生産計画の結果およびその生産計画に対する入力データと、前回の生産計画の結果およびその生産計画に対する入力データとの差分から、生産不可能となった原因品目およびその原因品目に係るデータを抽出し出力する。さらに、抽出したデータつまり生産不可能となった原因品目に係るデータを作成した作成部署に、対策案を立案するための情報を提示する(たとえば特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−280730号公報
【特許文献2】特開平11−29659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
シミュレーションの結果が導き出された要因を推定する作業において、その結果に関係する要因は1つであるとは限らず、さらに1つの要因がさまざまな結果を生じさせる。したがって、グラフあるいは数値などの結果を見ただけでは、その結果が導き出された主要因を特定することは困難であることが多い。特に、意図しない結果になった場合、要因を特定するまでに多くの労力が必要となる。
【0008】
さらに、シミュレーションを動作させるためのプログラム自体の不具合によって、意図しない結果になる場合もある。このような場合、意図しない結果になった要因がプログラムであるか否かを判断するために、結果を想定しやすいデータを入力し、想定した結果と同じシミュレーション結果が出力されるかを確認する。あるいはプログラムの途中に動作確認用の出力機能を追加し、誤った動作をするプログラムを特定している。すなわち、シミュレーションプログラムの不具合を発見することも困難な作業である。同様に、シミュレーションの入力データについても、誤ったデータが入力されると、意図しない結果になる場合もある。この場合も、どの入力データが誤っているかを推定することは難しく、データ入力の誤りを発見することも困難な作業である。
【0009】
しかしながら、いずれの従来の技術も、生産活動における問題点を抽出し、抽出した問題点に対して対策案を提示するものであるが、予め用意されている対策案の中から、抽出された問題点に対応する対策案を提示するものであり、問題点の要因の分析を行なうためのものではないという問題がある。たとえば、設備の稼働率が問題点である場合、稼働率を下げている要因の分析を行うことはできない。
【0010】
本発明の目的は、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因の分析を容易にすることができる部品保管スペースの評価システムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報を入力する入力手段と、
コンピュータを用いて、入力手段によって入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするシミュレーション手段と、
シミュレーション手段によるシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報、およびシミュレーション結果を予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順を表す分析手順情報を記憶する記憶手段と、
分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報を表示する絞込み条件情報表示手段と、
絞込み条件情報表示手段によって絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件を選択する選択手段と、
記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を、記憶手段に記憶される分析手順情報が示す分析手順に従って分析し、分析手順に従って分析する際、選択手段によって絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析する分析手段と、
分析手段によって分析された分析結果を表す分析結果情報を分析手順ごとに表示する分析結果表示手段とを含むことを特徴する部品保管スペースの評価システムである。
【0012】
本発明に従えば、入力手段によって、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報が入力され、シミュレーション手段によって、コンピュータを用いて、入力手段によって入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移がシミュレーションされ、記憶手段によって、シミュレーション手段によるシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報、およびシミュレーション結果を予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順を表す分析手順情報が記憶される。そして、絞込み条件情報表示手段によって、分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報が表示され、選択手段によって、絞込み条件情報表示手段によって絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件が選択される。さらに、分析手段によって、記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果が、記憶手段に記憶される分析手順情報が示す分析手順に従って分析され、分析手順に従って分析される際、選択手段によって絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析され、分析結果表示手段によって、分析手段によって分析された分析結果を表す分析結果情報が分析手順ごとに表示されるので、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因を順次絞り込むことができ、要因の特定を容易にすることができる。
【0013】
また本発明は、前記分析手段は、記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を統計的に処理する統計処理手段と、評価項目に対する要因ごとの影響度を計算する影響度計算手段とを含み、
前記分析結果情報は、少なくとも、統計処理手段によって統計的に処理された結果を表す統計処理結果情報、および影響度計算手段によって計算された影響度を表す影響度情報を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、前記分析手段に含まれる統計処理手段によって、記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果が統計的に処理され、前記分析手段に含まれる影響度計算手段によって、評価項目に対する要因ごとの影響度が計算され、前記分析結果情報は、少なくとも、統計処理手段によって統計的に処理された結果を表す統計処理結果情報、および影響度計算手段によって計算された影響度を表す影響度情報を含むので、統計的に処理された結果たとえば最小値、最大値、あるいは平均値などの結果、および影響度たとえば置場区分毎の保管面積の影響度のうち異常なものを容易に見つけることができる。
【0015】
また本発明は、前記記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を表示するシミュレーション結果表示手段をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、シミュレーション結果表示手段によって、前記記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果が表示されるので、シミュレーション結果の正常性についても検討することができる。
【0017】
また本発明は、前記評価項目は、部品置場区分ごとの占有率の推移、製品の機種別の利用面積の時間推移、製品の1日当たりの生産台数の時間推移、部品ごとの滞留時間の時間推移、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間の時間推移、不良品台数の時間推移、部品の在庫数時間推移、および納入量の時間推移のうちの少なくとも1つの評価項目を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、前記評価項目は、部品置場区分ごとの占有率の推移、製品の機種別の利用面積の時間推移、製品の1日当たりの生産台数の時間推移、部品ごとの滞留時間の時間推移、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間の時間推移、不良品台数の時間推移、部品の在庫数時間推移、および納入量の時間推移のうちの少なくとも1つの評価項目を含むので、部品置場区分ごとの占有率、製品の機種別の利用面積、製品の1日当たりの生産台数、部品毎の滞留時間、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間、不良品台数、部品の在庫数、および納入量などについて分析することができる。
【0019】
また本発明は、前記シミュレーション条件情報は、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースのうち少なくともいずれか1つの情報を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、前記シミュレーション条件情報は、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースのうち少なくともいずれか1つの情報を含むので、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースをシミュレーションのパラメータとして変更することができる。
【0021】
また本発明は、前記シミュレーション手段は、部品納入から生産完了までの生産ラインの動作を、部品納入時刻の変動、生産台数の変動、および生産の不良数の変動のうち少なくともいずれか1つをパラメータにしてシミュレーションすることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、前記シミュレーション手段は、部品納入から生産完了までの生産ラインの動作を、部品納入時刻の変動、生産台数の変動、および生産の不良数の変動のうち少なくともいずれか1つをパラメータにしてシミュレーションするので、生産ラインの動作を一貫して分析することができる。
【0023】
また本発明は、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報を入力する入力工程と、
コンピュータを用いて、入力工程で入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするシミュレーション工程と、
シミュレーション工程でのシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報を記憶する記憶工程と、
分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報を表示する絞込み条件情報表示工程と、
絞込み条件情報表示工程で絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件を選択する選択工程と、
記憶工程で記憶されたシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を、予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順に従って分析し、分析手順に従って分析する際、選択工程で絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析する分析工程と、
分析工程で分析された分析結果を表す分析結果情報を分析手順ごとに表示する分析結果表示工程とを含むことを特徴する部品保管スペースの評価方法である。
【0024】
本発明に従えば、入力工程では、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報を入力し、シミュレーション工程では、コンピュータを用いて、入力工程で入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションし、記憶工程では、シミュレーション工程でのシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報を記憶する。そして、絞込み条件情報表示工程では、分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報を表示し、選択工程では、絞込み条件情報表示工程で絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件を選択する。さらに、分析工程では、記憶工程で記憶されたシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を、予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順に従って分析し、分析手順に従って分析する際、選択工程で絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析し、分析結果表示工程では、分析工程で分析された分析結果を表す分析結果情報を分析手順ごとに表示するので、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因を順次絞り込むことができ、要因の特定を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因を順次絞り込むことができ、要因の特定を容易にすることができるので、保管スペースを圧迫する要因を排除するための対策を早急に検討し、対応することができる。
【0026】
また本発明によれば、統計的に処理された結果たとえば最小値、最大値、あるいは平均値などの結果、および影響度たとえば置場区分毎の保管面積の影響度のうち異常なものを容易に見つることができるので、部品保管スペースの占有率を高くしている要因の絞込みを容易にすることができる。
【0027】
また本発明によれば、シミュレーション結果の正常性についても検討することができるので、プログラムの不具合あるいは入力データの入力ミスの有無の可能性についても確認することができる。
【0028】
また本発明によれば、部品置場区分ごとの占有率、製品の機種別の利用面積、製品の1日当たりの生産台数、部品毎の滞留時間、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間、不良品台数、部品の在庫数、および納入量などについて分析することができる。したがって、多角的に分析することができ、保管スペースを圧迫する要因の特定を的確に行うことができる。
【0029】
また本発明によれば、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースをシミュレーションのパラメータとして変更することができる。したがって、これらのパラメータを変更することによって、通常想定されるグラフと比較した異常値の発見が容易となり、プログラムの不具合あるいは入力データの入力ミスの発見を容易にすることができる。
【0030】
また本発明によれば、生産ラインの動作を一貫して分析することができるので、生産ライン全他機の中で、保管スペースを圧迫する要因の特定を的確に行うことができる。
【0031】
また本発明によれば、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因を順次絞り込むことができ、要因の特定を容易にすることができるので、本発明による部品保管スペースの評価方法を用いれば、保管スペースを圧迫する要因を排除するための対策を早急に検討し、対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、本発明の実施の一形態である部品納入指示システム1の機能ブロックの構成を示す。部品保管スペースの評価システムである部品納入指示システム1は、データ入力手段10、シミュレーション手段11、シミュレーション状況蓄積手段12、シミュレーション結果表示手段13、分析手段14、分析手順蓄積手段15、分析方法表示手段16、およびユーザ入力手段17を含む。
【0033】
部品納入指示システム1のハードウエアは、たとえば図示しないコンピュータ、少なくとも半導体メモリおよびハードディスク装置などのいずれかを含む記憶装置、少なくともキーボードおよびマウスなどのいずれかを含む入力装置、および液晶ディスプレイなどの表示装置を含む出力装置によって構成される。これらの構成要素は、一般的に用いられているものであり、説明は省略する。部品納入指示システム1は、記憶装置に記憶されるプログラムをコンピュータに実行させることによって、データ入力手段10、シミュレーション手段11、シミュレーション状況蓄積手段12、シミュレーション結果表示手段13、分析手段14、分析手順蓄積手段15、分析方法表示手段16、およびユーザ入力手段17の各機能を実現する。本発明に係る部品保管スペースの評価方法は、部品納入指示システム1で処理される。
【0034】
データ入力手段10は、シミュレーションを実行するために必要なデータ、たとえば部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースなどのデータを図示しない入力装置によって入力する。
【0035】
シミュレーション手段11は、データ入力手段10によって入力された入力データに基づいて、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移などを、コンピュータによってシミュレーションする。その際、シミュレーション手段11は、擬似的に時間を進めながら、部品納入時刻の変動、生産台数の変動、および生産の不良の変動などをパラメータとして変化させて、部品納入から生産完了までの動作を含めてシミュレーションする。そして、シミュレーション結果として、たとえば部品置場の置場区分ごとの占有率の推移、生産リードタイム、あるいは生産台数を出力する。一般的なシミュレーションでは、シミュレーション結果と、目標とした結果とを比較し、あるいはシミュレーション結果から分かるシミュレーション要素の稼働率を確認し、必要に応じて入力データを変更して、再度シミュレーションを行い、入力データ変更の効果を確認する。シミュレーション手段11も、入力データを変更することによって、再度シミュレーションを行うことができる。シミュレーション手段11については、図20〜図31を用いてさらに詳細に説明する。
【0036】
シミュレーション状況蓄積手段12は、シミュレーション手段11によってシミュレーションされたシミュレーション結果を、記憶し蓄積する。シミュレーション結果表示手段13は、シミュレーションの状況、シミュレーション結果、および後述すると統計処理の結果などを図示しない表示装置に表示する。
【0037】
分析手段14は、シミュレーション手段11によるシミュレーションが完了し、シミュレーション結果がシミュレーション状況蓄積手段12に記憶されると、分析手順に従って、分析手順ごとの選択対象である評価項目についてシミュレーション結果を分析する。選択対象は、たとえば選択対象Aとして、部品置場区分ごとの占有率の推移、選択対象B1として、機種の利用面積つまり製品の機種別の利用面積の時間推移、選択対象B2として、日産台数つまり製品の1日当たりの生産台数の時間推移、選択対象C1として、部品ごとの滞留時間の時間推移、選択対象C2として、後述する限定範囲に含まれる部品の利用面積構成、選択対象C3として、欠品した時間の時間推移、選択対象Dとして、部品の在庫数時間推移および納入量の時間推移、および選択対象Eとして、不良品台数の時間推移である。
【0038】
保管スペースシミュレーションすなわちシミュレーション手段11によるシミュレーションでは、入力条件として設定した部品置場について、部品が溢れることなく、かつ生産に必要な部品が不足するという欠品の無いことが重要になる。そのため、分析手順は、まず、選択対象Aつまり部品置場区分ごとの占有率の推移について分析する。そして、選択対象Aの分析の後に、選択対象B1および選択対象B2を分析し、選択対象B1および選択対象B2の分析の後に、選択対象C1、選択対象C2、および選択対象C3を分析し、選択対象C1、選択対象C2、および選択対象C3の分析の後に、選択対象Dを分析し、選択対象Dの分析の後に、選択対象Eを分析する。
【0039】
分析手段14は、統計処理手段141および影響度算出手段142を含む。統計処理手段141は、シミュレーション結果に対して、最小値、最大値、あるいは平均値などの統計的な処理を行う。影響度算出手段142は、評価項目に対する要因ごとの影響度を計算する。影響度は、評価項目についてのシミュレーション結果について、各要因がシミュレーション結果に占める割合あるいはシミュレーション結果に対する割合を、評価項目ごとに定めた指数であり、割合が大きいほど影響度が高い。分析手順蓄積手段15は、分析手順を図示しない記憶装置に予め記憶している。
【0040】
分析方法表示手段16は、ユーザによる分析を可能にするために、分析手段14によって分析された分析結果、たとえば統計処理手段141によって統計処理された結果および影響度算出手段142によって算出された影響度を、分析手順の評価項目ごとに図示しない表示装置に表示する。さらに、次の分析手順について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための絞込み条件があると、その絞込み条件を分析結果とともに表示する。ユーザ入力手段17は、分析方法表示手段16によって絞込み条件が表示されると、表示された絞込み条件の中から、部品保管スペースの占有率を高くしていると考えられる要因に関係すると思われる絞込み条件を選択入力する。
【0041】
このように、分析手順における各手順において、分析方法表示手段16によるユーザへのシミュレーション結果の表示と、ユーザ入力手段17によるユーザからの絞込み条件の選択入力の受付を行い、分析手順に従って順次分析しながら、部品保管スペースの占有率を高くしている要因となる部品、機種、あるいは時間帯などの絞り込みを実行していく。分析手順における分析方法は、選択対象ごとに定義されており、図19についての説明で詳述する。
【0042】
図2は、図1に示した影響度算出手段142が算出した置場区分ごとの占有率の影響度についての影響度算出結果例21を示す。影響度算出結果例21は、選択対象Aつまり置場区分ごとの占有率について、影響度の大きい置場区分の順序で、各置場区分の保管スペース占有率(以下「保管面積占有率」ともいう)および発生時刻を示す。保管スペース占有率は、保管スペースを占有している占有率のうち最大の占有率であり、発生時刻は、その最大の占有率が発生した時刻である。影響度は、値が「1」の影響度が最も大きく、数字が上昇するに従って影響度が少なくなる。
【0043】
部品倉庫のどこに部品を置くかは、部品ごとに設定した置場区分で定義されており、この置場区分に割り当てられているスペースに対して、利用されたスペースの割合を占有率として計算している。この占有率が100%に近づくほど、部品を保管する余裕がなくなっていることを示す。そのため、部品置場における置場区分で、シミュレーション期間の中で最も高い占有率となった値を部品置場の占有率とし、占有率が高いものを影響度の高いものとしている。
【0044】
図2には、影響度「1」として、置場区分「S3」が発生時刻「9時」に保管スペース占有率「99%」になったことが示されている。影響度「2」は、置場区分「S1」について、保管スペース占有率「80%」および発生時刻「14時」と示され、影響度「3」は、置場区分「S2」について、保管スペース占有率「70%」および発生時刻「9時」と示されている。
【0045】
図3は、図1に示した影響度算出手段142が算出した機種ごとの利用面積の影響度についての影響度算出結果例22を示す。影響度算出結果例22は、選択対象B1つまり機種の利用面積について、影響度の大きい機種の順序で、機種および利用面積を示す。図3には、影響度「1」として、機種「M3」および利用面積「50%」が示され、影響度「2」として、機種「M1」および利用面積「30%」が示され、影響度「3」として、機種「M2」および利用面積「20%」が示されている。
【0046】
図4は、図1に示した影響度算出手段142が算出した機種ごとの低下率の影響度についての影響度算出結果例23を示す。影響度算出結果例23は、選択対象B2つまり機種の日産台数について、影響度の大きい機種の順序で、低下率および発生時刻を示す。低下率は、目標の日産台数に満たなかった不足台数を目標の日産台数で除算した値を百分率で表したものであり、発生時刻は、その最大の低下率になった時刻である。図4には、影響度「1」として、機種「M3」、低下率「40%」、および発生時刻「9時」が示され、影響度「2」として、機種「M1」、低下率「10%」、および発生時刻「14時」が示され、影響度「3」として、機種「M2」、低下率「9%」、および発生時刻「9時」が示されている。
【0047】
図5は、図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの滞留時間の影響度についての影響度算出結果例24を示す。影響度算出結果例24は、選択対象C1つまり部品の滞留時間について、影響度の大きい部品の順序で、滞留時間を示す。滞留時間は、部品が部品保管スペースに滞留している時間つまり部品保管スペースに入庫されてから出庫されるまでの時間である。図5には、影響度「1」として、部品「P4001」および滞留時間「130時間」が示され、影響度「2」として、部品「P4201」および滞留時間「100時間」が示され、影響度「3」として、部品「P5004」および滞留時間「90時間」が示されている。
【0048】
図6は、図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの利用面積比率の影響度についての影響度算出結果例25を示す。影響度算出結果例25は、選択対象C2つまり部品の利用面積比率について、影響度の大きい部品の順序で、利用面積比率および発生時刻を示す。利用面積比率は、その部品が部品保管スペースを利用している面積のうち最大面積の利用可能面積に対する割合であり、発生時刻は、その最大の利用面積比率になった時刻である。図6には、影響度「1」として、部品「P1001」、利用面積比率「40%」、および発生時刻「9時」が示され、影響度「2」として、部品「P2001」、利用面積比率「35%」、および発生時刻「14時」が示され、影響度「3」として、部品「P1004」、利用面積比率「25%」、および発生時刻「9時」が示されている。
【0049】
図7は、図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの欠品時刻の影響度についての影響度算出結果例26を示す。影響度算出結果例26は、選択対象C3つまり部品の欠品について、影響度の大きい部品の順序で、欠品時刻(差)および欠品時間を示す。欠品時刻(差)は、後述する部品置場区分の占有率の推移についての分析結果に対して、選択項目として選択される時間帯の範囲で、最も早い時刻を基準とし、その基準の時刻との時間差である。欠品時間は、欠品となってから部品が補充されて欠品が解消されるまでの時間である。図7には、影響度「1」として、部品「P1001」、欠品時刻(差)「−10分」、および欠品時間「4時間」が示され、影響度「2」として、部品「P2001」、欠品時刻(差)「−12分」、および欠品時間「3時間」が示され、影響度「3」として、部品「P1004」、欠品時刻(差)「−11分」、および欠品時間「2時間」が示されている。
【0050】
図8は、図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの納入時刻の影響度についての影響度算出結果例27を示す。影響度算出結果例27は、選択対象Dつまり部品の納入について、影響度の大きい部品の順序で、納入時刻(差)および納入量(差)を示す。納入時刻(差)は、納入予定時刻と納入完了時刻との差であり、納入量(差)は、納入予定量と納入完了量との差であり、ここでの納入量はその部品が生産で消費される時間に換算して計算している。たとえばその部品を生産で使用する機種が1時間に100台生産され、1つの機種で部品1個が使用される場合、納入量(差)「2時間」は、その機種を2時間生産するために必要な部品の個数「200個」に相当する。納入量を時間に換算することによって、納入時刻との比較を行ないやすくすることができる。図8には、影響度「1」として、部品「P1001」、納入時刻(差)「−60分」、および納入量(差)「−2時間」が示され、影響度「2」として、部品「P2001」、納入時刻(差)「−12分」、および納入量(差)「3時間」が示され、影響度「3」として、部品「P1004」、納入時刻(差)「−11分」、および納入量(差)「2時間」が示されている。
【0051】
図9は、図1に示した影響度算出手段142が算出した機種ごとの不良率の影響度につての影響度算出結果例28を示す。影響度算出結果例28は、選択対象Eつまり機種の不良台数について、影響度の大きい機種の順序で、不良率および発生時刻を示す。図9には、影響度「1」として、機種「M1」、不良率「10%」、および発生時刻「9時」が示され、影響度「2」として、機種「M2」、不良率「1.2%」、および発生時刻「14時」が示され、影響度「3」として、機種「M3」、不良率「1.1%」、および発生時刻「9時」が示されている。
【0052】
図10は、図1に示した分析方法表示手段16による選択対象の表示要否の判定規則30の一例を示す。この判定規則30は、選択対象ごとに、表示の判定および基準を示す。選択対象は、分析手順における選択対象を示し、表示の判定は、分析手段14が各選択対象について分析した分析結果を表示する必要があるか否かを示し、基準は、表示の判定に示された表示条件の基準であり、この基準が満たされると表示が必要であることを示す。図10には、選択対象A、選択対象B1、選択対象B2、選択対象C2、および選択対象Dについては、表示の判定が「必要」であり、基準は規定されていない。選択対象C1については、滞留時間が基準「1日」より長い場合に、表示が必要であることを示し、選択対象C3については、欠品時間が基準「1時間」より長い場合に、表示が必要であることを示し、選択対象Eについては、不良率が基準「3%」より悪い場合に、表示が必要であることを示している。
【0053】
図11は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する部品置場区分の占有率の推移についての分析結果例41を示す。分析結果例41は、分析結果のタイトルとして<選択対象A>、選択項目として「選択項目:部品置場の置場区分、時間帯」、表示データとして「表示データ:部品置場区分の占有率の推移」、影響度算出結果例411、グラフ表示選択欄412、グラフ欄413、部品置場の選択欄414、時間帯の選択欄415、および「次ステップへ」ボタン416を表示する。
【0054】
選択項目は、各分析手順における分析結果に対して選択される項目であり、分析結果例41では、「部品置場の置場区分」および「時間帯」について選択項目があることを示している。表示データは、その分析手順において、ユーザに表示するグラフなどの表示内容を示す項目であり、分析結果例41では、「部品置場区分の占有率の推移」である。影響度算出結果例411は、置場区分ごとの占有率の影響度についての算出例であり、図2に示した影響度算出結果例21と同じ内容である。影響度算出結果例21では、影響度の高いものから上位3つを表示しているが、それ以下の影響度について、スクロールして表示するようにしてもよく、以下の影響度算出結果例についても同じである。
【0055】
グラフ表示選択欄412は、グラフ欄413に表示するグラフを選択するための入力欄である。分析結果例41には、影響度算出結果例411の影響度ごとに、入力欄すなわちチェックマークを付ける四角の入力欄が3つ示されている。ユーザは、この入力欄のうちのいずれか1つにチャックマークを付けることによって、表示したいグラフを選択することができる。分析結果例41では、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、置場区分「S3」が選択されている。
【0056】
グラフ欄413は、グラフ表示選択欄412で選択された影響度に対応するグラフを表示する。ユーザは、グラフ表示選択欄412で、チェックマークを付ける入力欄を変えることによって、グラフ欄413に表示させるグラフを変更することができる。分析結果例41では、影響度の最も高い部品置場の置場区分S3についての占有率推移のグラフが示されている。縦軸が占有率(%)および横軸が予め定める基準日からの経過日数(日)である。
【0057】
部品置場の選択欄414は、部品置場の置場区分を選択するための入力欄である。ユーザは、表示されたグラフを確認し、分析の必要な部品置場を選択する。分析結果例41では、置場区分「S3」が入力され表示されている。時間帯の選択欄415は、時間帯を選択するための入力欄であり、分析結果例41では、「2日〜3日」が入力され表示されている。下線を付された部分が入力され表示されている情報である。以下の分析結果例についても下線が付された部分が入力され表示されている情報であることを示す。「次ステップへ」ボタン416は、次の分析手順へ進むための操作ボタンであり、たとえばマウスを用いて画面に表示されるポインタを「次ステップへ」ボタン416の位置にあわせ、左クリックすることによって操作する。以下の分析結果例の「次ステップへ」ボタンについても操作方法は同じである。次の分析手順では、部品置場の選択欄414で選択された置場区分および時間帯の選択欄415で選択された時間帯で分析を行なう。
【0058】
図12は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する利用面積の時間推移についての分析結果例42を示す。分析結果例42は、分析結果のタイトルとして<選択対象B1>、選択項目として「選択項目:機種」、表示データとして「表示データ:利用面積の時間推移」、影響度算出結果例421、グラフ表示選択欄422、グラフ欄423、機種の選択欄424、および「次ステップへ」ボタン425を表示する。
【0059】
分析結果例42では、選択項目は、「機種」についての選択項目があることを示し、表示データは、「利用面積の時間推移」である。影響度算出結果例421は、利用面積の時間推移についての算出例であり、図3に示した影響度算出結果例22と同じ内容である。グラフ表示選択欄422は、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、機種「M3」が選択されている。グラフ欄423は、影響度の最も高い機種M3についての利用面積の時間推移が示されている。縦軸が利用面積(m)および横軸が予め定める基準日からの経過日数(日)である。機種の選択欄424は、機種を選択するための入力欄であり、機種「M3」が入力され表示されている。
【0060】
図13は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する日産台数の時間推移についての分析結果例43を示す。分析結果例43は、分析結果のタイトルとして<選択対象B2>、選択項目として「選択項目:機種」、表示データとして「表示データ:日産台数の時間推移」、影響度算出結果例431、グラフ表示選択欄432、グラフ欄433、機種の選択欄434、および「次ステップへ」ボタン435を表示する。
【0061】
分析結果例43では、選択項目は、「機種」についての選択項目があることを示し、表示データは、「日産台数の時間推移」である。影響度算出結果例431は、日産台数の時間推移についての算出例であり、図4に示した影響度算出結果例23と同じ内容である。グラフ表示選択欄432は、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、機種「M3」が選択されている。グラフ欄433は、影響度の最も高い機種M3についての日産台数の時間推移が示されている。縦軸が日産台数(台数)および横軸が予め定める基準日からの経過日数(日)である。機種の選択欄434は、機種を選択するための入力欄であり、機種「M3」が入力され表示されている。
【0062】
図14は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する部品ごとの滞留時間の時間推移についての分析結果例44を示す。分析結果例44は、分析結果のタイトルとして<選択対象C1>、選択項目として「選択項目:部品」、表示データとして「表示データ:部品ごとの滞留時間の時間推移」、影響度算出結果例441、グラフ表示選択欄442、グラフ欄443、部品の選択欄444、および「次ステップへ」ボタン445を表示する。
【0063】
分析結果例44では、選択項目は、「部品」についての選択項目があることを示し、表示データは、「部品ごとの滞留時間の時間推移」である。影響度算出結果例441は、部品ごとの滞留時間の時間推移についての算出例であり、図5に示した影響度算出結果例24と同じ内容である。グラフ表示選択欄442は、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、部品「P4001」が選択されている。グラフ欄443は、影響度の最も高い部品P4001についての滞留時間の時間推移が示されている。縦軸が滞留時間(時間)および横軸が1日の生産時間を8時から18時までとしたときの時刻である。部品の選択欄444は、部品を選択するための入力欄であり、部品「P4001」が入力され表示されている。
【0064】
図15は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する限定範囲に含まれる部品の利用面積構成についての分析結果例45を示す。分析結果例45は、分析結果のタイトルとして<選択対象C2>、選択項目として「選択項目:部品」、表示データとして「表示データ:限定範囲に含まれる部品の利用面積構成」、影響度算出結果例451、グラフ欄452、部品の選択欄453、および「次ステップへ」ボタン454を表示する。
【0065】
分析結果例45では、選択項目は、「部品」についての選択項目があることを示し、表示データは、「限定範囲に含まれる部品の利用面積構成」である。限定範囲とは、前の分析手順で限定された範囲つまり絞込み条件によって限定された範囲をいい、分析結果例45では、選択対象Aで限定された部品置場区分「S3」の範囲である。利用面積構成は、その限定された置場区分に保管されている各部品の構成比を示す。影響度算出結果例451は、限定範囲に含まれる部品の利用面積構成についての算出例であり、図6に示した影響度算出結果例25と同じ内容である。グラフ欄452は、影響度の最も高い機種M3についての面積比が示されている。部品の選択欄453は、部品を選択するための入力欄であり、部品「P1001」が入力され表示されている。
【0066】
図16は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する欠品した部品の欠品時間の時間推移についての分析結果例46を示す。分析結果例46は、分析結果のタイトルとして<選択対象C3>、選択項目として「選択項目:部品」、表示データとして「表示データ:欠品した部品の欠品時間の時間推移」、影響度算出結果例461、グラフ表示選択欄462、グラフ欄463、部品の選択欄464、および「次ステップへ」ボタン465を表示する。
【0067】
分析結果例46では、選択項目は、「部品」についての選択項目があることを示し、表示データは、「欠品した部品の欠品時間の時間推移」である。影響度算出結果例461は、欠品した部品の欠品時間の時間推移についての算出例であり、図7に示した影響度算出結果例26と同じ内容である。グラフ表示選択欄462は、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、部品「P1001」が選択されている。グラフ欄463は、影響度の最も高い部品P1001についての欠品時間時間推移が示されている。縦軸が欠品時間(時間)および横軸が1日の生産時間を8時から18時までとしたときの時刻である。部品の選択欄464は、部品を選択するための入力欄であり、部品「P1001」が入力され表示されている。
【0068】
図17は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する部品の在庫数および部品納入量の時間推移についての分析結果例47を示す。分析結果例47は、分析結果のタイトルとして<選択対象D>、表示データとして「表示データ:・部品の在庫数の時間推移/・部品納入量の時間推移」、影響度算出結果例471、グラフ表示選択欄472、グラフ欄473、および「OK」ボタン474を表示する。
【0069】
分析結果例47では、表示データは、「・部品の在庫数の時間推移」および「・部品納入量の時間推移」である。影響度算出結果例471は、部品の在庫数の時間推移および部品納入量の時間推移についての算出例であり、図8に示した影響度算出結果例27と同じ内容である。グラフ表示選択欄472は、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、部品「P1001」が選択されている。グラフ欄463は、影響度の最も高い部品P1001についての在庫数および納入量の時間推移が示されている。縦軸が在庫数および納入量(個数)ならびに横軸が1日の生産時間を8時から18時までとしたときの時刻である。「OK」ボタン474は、分析が終了し、画面を閉じるために操作する操作ボタンである。操作方法は、「次ステップへ」ボタンと同様である。
【0070】
図18は、図1に示した分析方法表示手段16が表示する機種ごとの不良品台数の時間推移についての分析結果例48を示す。分析結果例48は、分析結果のタイトルとして<選択対象E>、選択項目として「−」、表示データとして「表示データ:機種ごとの不良品台数の時間推移」、影響度算出結果例481、グラフ表示選択欄482、グラフ欄483、および「OK」ボタン484を表示する。
【0071】
分析結果例48では、選択項目は、「−」であり、選択項目がないことを示し、表示データは、「機種ごとの不良品台数の時間推移」である。影響度算出結果例481は、機種ごとの不良品台数の時間推移についての算出例であり、図9に示した影響度算出結果例28と同じ内容である。グラフ表示選択欄482は、影響度「1」に対応する入力欄にチェックマークが付されており、機種「M1」が選択されている。グラフ欄483は、影響度の最も高い機種M1についての不良率の時間推移が示されている。縦軸が不良率(%)および横軸が1日の生産時間を8時から18時までとしたときの時刻である。「OK」ボタン484は、分析が終了し、画面を閉じるために操作する操作ボタンである。操作方法は、「次ステップへ」ボタンと同様である。
【0072】
図19は、図1に示した分析手段14が分析する分析手順のフローチャートを示す。シミュレーション手段11によるシミュレーションが完了し、シミュレーション結果がシミュレーション状況蓄積手段12に記憶されると、ステップS1に移る。
【0073】
各分析手順における分析方法は、選択項目、表示データ、影響度の指標、および影響度の順位を含み、分析手順によっては、限定範囲を含む。選択項目は、各分析手順での分析結果に対して選択される項目であり、表示データは、影響度が高いと判定された内容についてユーザに表示するグラフなどの表示内容を示す項目であり、影響度の指標は、影響度の高さを判定するための評価対象であり、影響度の順位は、影響度の指標における数値がどうなれば影響度が高いかを示すものであり、限定範囲は、選択項目の影響度を算出する際に「限定範囲」で設定された中から選択することを示すものである。
【0074】
ステップS1では、選択対象Aすなわち部品置場区分ごとの占有率の時間推移について分析を行なう。ステップS1の分析手順では、選択項目は、「部品置場の置場区分、時間帯」であり、表示データは、「部品置場区分ごとの占有率の時間推移」であり、影響度の指標は、「部品置場区分ごとの最大の占有率」であり、影響度の順位は、「高いほど」である。選択対象Aについての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図11に示した分析結果例41として表示される。ステップS2では、ユーザ入力手段17によって部品置場の選択および時間帯の選択が行なわれ、ステップS3、ステップS5、およびステップS7に分岐する。
【0075】
ステップS3およびステップS4の処理と、ステップS5およびステップS6の処理とは、ステップS2の処理の後、並行して実行される。すなわち、選択対象B1および選択対象B2の2つの画面が表示される。このとき、選択対象Aの画面を消去してもよいし、残しておいてもよい。さらにユーザが不要と判断した画面は、消去してもよい。画面表示については、以下の選択対象についても同様である。
【0076】
ステップS3では、選択対象B1すなわち機種の利用面積の時間推移について分析を行なう。ステップS3の分析手順では、選択項目は、「機種」であり、表示データは、「機種の利用面積の時間推移」であり、限定範囲は、選択対象Aの結果である「部品置場の置場区分および時間帯」であり、影響度の指標は、「利用面積」であり、影響度の順位は、「広いほど」である。ここでは、部品保管スペースの利用面積を基準に影響度を判定する。部品の欠品の影響は、欠品した部品と同じ機種に影響するため、機種別の利用面積の変化を評価している。選択対象B1についての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図12に示した分析結果例42として表示される。ステップS4では、ユーザ入力手段17によって機種の選択が行なわれ、ステップS9およびステップS11に進む。
【0077】
ステップS5では、選択対象B2すなわち日産台数の時間推移について分析を行なう。ステップS5の分析手順では、選択項目は、「機種」であり、表示データは、「日産台数の時間推移」であり、限定範囲は、選択対象Aの結果である「部品置場の置場区分および時間帯」であり、影響度の指標は、「日産台数の低下」であり、影響度の順位は、「低いほど」である。ここでは、日産台数の時間推移を影響度の指標とする。機種によって生産の変動は異なるため、日産台数の変化を評価することで影響度を判定している。選択対象B2についての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図13に示した分析結果例43として表示される。ステップS6では、ユーザ入力手段17によって機種の選択が行なわれ、ステップS9、ステップS11、およびステップS14に進む。
【0078】
ステップS7およびステップS8の処理と、ステップS9およびステップS10の処理と、ステップS11およびステップS12の処理とは、ステップS3およびステップS4の処理ならびにステップS5およびステップS6の処理が終了した後、並行して実行される。
【0079】
ステップS7では、選択対象C1すなわち部品ごとの滞留時間の時間推移について分析を行なう。ステップS7の分析手順では、選択項目は、「部品」であり、表示データは、「部品ごとの滞留時間の時間推移」であり、限定範囲は、選択対象Aの結果である「部品置場の置場区分および時間帯」であり、影響度の指標は、「滞留時間」であり、影響度の順位は、「長いほど」である。滞留時間が長い部品は、部品倉庫にあっても生産に使われていない時間が長いことを示すため、部品納入の間違いがあること、あるいは部品が使われる機種の生産が終了してもその部品が残ったままになっていることを示す。このような部品は、在庫スペースを消費するだけで生産に寄与しないため、置場区分の占有率に余裕が無い場合、このような部品を移動することで保管スペースを有効に活用することが可能となる。選択対象C1についての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図14に示した分析結果例44として表示される。ステップS8では、ユーザ入力手段17によって部品の選択が行なわれ、ステップS13に進む。
【0080】
ステップS9では、選択対象C2すなわち限定範囲に含まれる部品の利用面積構成について分析を行なう。ステップS9の分析手順では、選択項目は、「部品」であり、表示データは、「限定範囲に含まれる部品の利用面積構成」であり、限定範囲は、選択対象Aの結果である「部品置場の置場区分および時間帯」ならびに選択対象Bの結果であるで「機種」あり、影響度の指標は、「面積」であり、影響度の順位は、「広いほど」である。利用面積が広い部品は、保管スペースの占有率が高いためである。選択対象C2についての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図15に示した分析結果例45として表示される。ステップS10では、ユーザ入力手段17によって部品の選択が行なわれ、ステップS13に進む。
【0081】
ステップS11では、選択対象C3すなわち欠品した時間の時間推移について分析を行なう。ステップS11の分析手順では、選択項目は、「部品」であり、表示データは、「欠品した時間の時間推移」であり、限定範囲は、選択対象Aの結果である「部品置場の置場区分および時間帯」ならびに選択対象Bの結果であるで「機種」あり、影響度の指標は、「欠品した時刻、欠品した長さ」であり、影響度の順位は、「・時刻が選択対象Aで選択した時間に近い/・欠品した時間が長い」である。部品の欠品は、生産の停止につながり、逆に生産が停止しても部品納入が継続される部品は、納入後も生産で消費されることはないため、部品在庫の増加につながる。そこで、この分析手順で、欠品する部品の分析を実施している。選択対象C3についての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図16に示した分析結果例46として表示される。ステップS12では、ユーザ入力手段17によって部品の選択が行なわれ、ステップS13に進む。
【0082】
ステップS13の処理は、ステップS7およびステップS8の処理、ステップS9およびステップS10の処理、ならびにステップS11およびステップS12の処理が終了した後実行される。ステップS13では、選択対象Dすなわち部品の在庫数時間推移および納入量の時間推移について分析を行なう。ステップS13の分析手順では、選択項目は、「−」であり、表示データは、「部品の在庫数時間推移、納入量の時間推移」であり、限定範囲は、選択対象Aの結果である「時間帯」および選択対象Cの結果である「部品」であり、影響度の指標は、「・納入予定時刻と納入完了時間の差/・納入予定量と納入完了量の差」であり、影響度の順位は、「・納入予定時刻と納入完了時間の差が大きい/・納入予定量と納入完了量の差が大きい」である。納入時刻が早いか、納入量が多いほど部品在庫数が増加し、逆に納入時刻が遅いか、納入量が少ないと欠品につながるため、予定時刻と納入完了時刻との差分、および予定納入量と納入量との差分で影響度を判定する。選択対象Dについての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図17に示した分析結果例47として表示される。
【0083】
ステップS14の処理は、ステップS13の処理が終了した後実行される。ステップS14では、選択対象Eすなわち不良品台数の時間推移について分析を行なう。ステップS14の分析手順では、選択項目は、「−」であり、表示データは、「不良品台数の時間推移」である。限定範囲は、選択対象Aの結果である「時間帯」および選択対象Bの結果であるで「機種」あり、影響度の指標は、「不良品台数」であり、影響度の順位は、「・時刻が選択対象Aで選択した時間に近い/・多いほど」である。これによって、部品の欠品による生産台数の減少か、不良による生産台数の減少かを見分けることが可能となる。選択対象Eについての分析結果は、分析方法表示手段16によって、たとえば図18に示した分析結果例48として表示される。
【0084】
分析手順つまり図19に示したステップの途中であっても、要因の特定ができたと判断すれば、分析を中止してもよいし、影響度が高くないと示された項目を選択すること、あるいは分析手順を戻して、途中から分析を継続してもよい。さらに、常に影響度の最も高いものを選択することによって、分析作業の削減を図ることも可能である。
【0085】
図20は、図1に示したシミュレーション手段11の構成を示すブロック図である。シミュレーション手段11は、部品納入モジュール111、部品保管モジュール112、部品供給モジュール113、および生産処理モジュール114を含む。各モジュールについて説明する前に、シミュレーションのために、データ入力手段10によって入力される入力データについて説明する。入力データは、操業情報51、保管能力情報52、部品基本情報53、納入基本情報54、生産計画情報55、部品の納入時刻分布56、部品の不良率分布57、および生産台数の分布58を含む。
【0086】
図21は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される操業情報51の一例を示す。操業情報51は、生産が行われる1日当たりの操業時間を示し、図21に示した操業情報51は、1日当たりの操業時間が10時間であることを示している。
【0087】
図22は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される保管能力情報52の一例を示す。保管能力情報52は、部品を保管する各保管場所の保管スペースを面積で表わしている。保管場所(以下「保管エリア」ともいう)は、保管場所を識別するための保管場所識別情報たとえば「Area−1」、「Area−2」、および「Area−3によって識別する。図22に示した例では、保管エリア「Area−1」、「Area−2」、および「Area−3」について、それぞれの保管スペースの面積が2,000m、3,000m、および1,500mであることを示している。
【0088】
図23は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される部品基本情報53の一例を示す。部品基本情報53は、製品の機種を識別するための機種名たとえば「MD_11」および「MD_12」、機種を構成する部品を識別するための部品コードたとえば「CC683」、「DU685」、「CU123」、「CC684」、および「DU686」、各部品の員数、1つのパレットに積むことができる部品の個数を表すパレット部品数、パレットの大きさを表すパレット面積、ならびに保管場所を含む。員数は、機種1台を生産するのに必要となる各部品の個数のことをいう。
【0089】
図23に示した部品基本情報53は、員数がいずれも「1」個およびパレット面積がいずれも「1.80」mであり、パレット部品数および保管場所は、機種名「MD_11」および部品コード「CC683」については、「6」および「Area−1」であり、機種名「MD_11」および部品コード「DU685」については、「384」および「Area−3」であり、機種名「MD_11」および部品コード「CU123」については、「600」および「Area−2」であり、機種名「MD_12」および部品コード「CC684」については、「6」および「Area−1」であり、機種名「MD_12」および部品コード「DU686」については、「72」および「Area−3」である。たとえば、機種名「MD_11」の機種を1台生産するには、部品コード「CC683」、「DU685」、および「CU123」の各部品がそれぞれ1個ずつ必要であることを示している。部品コード「CC683」の部品は、面積が1.80mのパレットに6個積むことができることを示している。さらに、部品コード「CC683」の部品は、「Area−1」の保管場所に保管されることを示している。
【0090】
図24は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される納入基本情報54の一例を示す。納入基本情報54は、部品コード、各部品の納入単位、および安全在庫を含む。納入単位とは、部品納入1回あたりの納入量であり、なおかつ、納入時間の間隔でもある。たとえば、部品コードが「CC683」の部品の納入単位は、1回の納入で5時間の生産に必要な部品数の部品を納入し、さらに、5時間に1回の納入を行うことをも示している。安全在庫とは、部品の納入が遅れても欠品が発生することのないように余裕をもたすための部品在庫のことである。したがって、生産および部品納入が計画通りに行われれば、安全在庫として設定した部品在庫は使用されることは無い。しかし、部品納入が遅れれば、安全在庫としての部品が消費され、設定された安全在庫分までは部品納入が遅れても欠品を防ぐことができる。たとえば、部品コード「CC683」の部品の納入単位は、2時間分の安全在庫を持っていることを示している。
【0091】
図24に示した納入基本情報54は、納入単位および安全倉庫が、部品コード「CC683」について、「5H」および「2H」であり、部品コード「DU685」について、「5H」および「2H」であり、部品コード「CU123」について、「1日」および「1日」であり、部品コード「CC684」について、「5H」および「2H」であり、部品コード「DU686」について、「5H」および「2H」である。
【0092】
図25は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される生産計画情報55の一例を示す。生産計画情報55は、機種名および毎日の生産台数である日産台数を含む。図25に示した生産計画情報25は、機種名「MD_11」、「MD_12」、および「MD_13」の各機種について、それぞれ日産台数「300」台、「200」台、および「200」台が示されている。たとえば、機種名「MD_11」の機種では、毎日300台の生産を行うことが示されている。
【0093】
図26は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される部品の納入時刻分布56の一例を示す。部品の納入時刻分布56は、部品の納入時刻に関する確率分布であり、横軸は予定の納入時刻に対する納入時刻の差分の時間を示し、縦軸はその納入回数を示している。
【0094】
図27は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される部品の不良率分布57の一例を示す。部品の不良率分布57は、部品の不良率に関する確率分布であり、横軸は納入した部品の不良率(%)を示し、縦軸は部品の不良率に対する発生回数を示している。
【0095】
図28は、図1に示したデータ入力手段10によって入力される生産台数の分布58の一例を示す。生産台数の分布58は、生産台数に関する確率分布であり、横軸は1日の生産台数(台)を示し、縦軸はその生産台数に対する発生回数を示している。
【0096】
図20を参照して、部品納入モジュール111は、データ入力手段10によって入力された納入基本情報54が示す納入単位に従って、部品納入時刻を計算し、その計算結果に、部品の納入時刻分布56および部品の不良率分布57を反映させて、各部品の到着時刻および部品の納入量すなわち納入指示数量から不良品の数量を差し引いた数量をシミュレーションする。
【0097】
部品保管モジュール112は、部品納入モジュール111によってシミュレーションされた各部品の納入時刻および部品の納入量のシミュレーション結果に基づいて、各部品の在庫数を増加させる。シミュレーション開始段階における各部品の在庫数すなわち納入前の在庫数としては、納入基本情報54が示す安全在庫と、納入単位から計算される在庫数が反映される。
【0098】
生産処理モジュール114は、生産計画情報55に従った生産を行うことができるように、生産台数を増加させていくシミュレーションを行う。たとえば、図21に示す操業情報51は、1日の操業時間が10時間であることを示し、図25に示す生産計画情報55は、「MD_11」の機種について300台の生産を計画していることを示していることから、10時間で機種名「MD_11」の機種を300台生産することができるように、たとえば、1時間毎に30台ずつ生産台数を増加させていくシミュレーションを行う。このシミュレーションでは、図28に示す生産台数の分布58の平均値が計画台数と等しくなり、なおかつ分布の形状が一致するような生産台数を設定する。
【0099】
部品供給モジュール113は、生産処理モジュール114によってシミュレーションされた生産台数に従って、在庫数を減少させていくシミュレーションを行う。たとえば、機種名「MD_11」の機種について、1時間毎に30台ずつ生産台数を増加させていくシミュレーションが、生産処理モジュール433で行われた場合には、図23に示す部品基本情報53を参照し、機種名「MD_11」の機種を生産するのに必要な部品コード「CC683」、「DU685」、および「CU123」の部品を1時間ごとにそれぞれ30個ずつ各部品の在庫数から減算するシミュレーションを行う。
【0100】
図29は、図1に示したシミュレーション手段11によってシミュレーションされた生産状況のシミュレーション結果61の一例を示す。生産状況のシミュレーション結果61は、機種ごとに、各時刻における生産台数を示している。図29に示した生産状況のシミュレーション結果61には、8時から18時までの各時刻における生産台数が、機種「MD_11」について、「0」台、「26」台、「55」台、「85」台、「120」台、「148」台、「179」台、「211」台、「239」台、「273」台、および「300」台と示され、機種「MD_12」について、「0」台、「20」台、「42」台、「61」台、「82」台、「102」台、「122」台、「142」台、「162」台、「177」台、および「197」台と示され、機種「MD_13」について、「0」台、「23」台、「43」台、「60」台、「81」台、「101」台、「125」台、「147」台、「170」台、「188」台、および「208」台と示されている。このシミュレーションにおいては、生産台数に関する確率分布を加味し、機種名「MD_11」の機種について毎時間平均30台ずつ、機種名「MD_12」および「MD_13」の機種について毎時間平均30台ずつを目標に生産したとしてシミュレーションを行った結果を示している。
【0101】
図30は、図1に示したシミュレーション手段11によってシミュレーションされた部品の在庫状況のシミュレーション結果62の一例を示す。部品の在庫状況のシミュレーション結果62は、部品納入指示システム1において、シミュレーション手段11によってシミュレーションされた各部品の在庫状況のシミュレーション結果であり、部品ごとに、各時刻における部品の在庫数を示している。図30に示した部品の在庫状況のシミュレーション結果62には、8時から18時までの各時刻における部品の在庫数が、部品コード「CC683」の部品について、「210」個、「184」個、「155」個、「125」個、「90」個、「212」個、「181」個、「149」個、「121」個、「87」個、および「60」個と示され、部品コード「DU685」の部品について、「210」個、「184」個、「155」個、「125」個、「90」個、「212」個、「181」個、「149」個、「121」個、「87」個、および「60」個と示され、部品コード「CU123」の部品について、「600」個、「574」個、「545」個、「515」個、「480」個、「452」個、「421」個、「389」個、「361」個、「327」個、および「300」個と示され、部品コード「CC684」の部品について、「140」個、「120」個、「98」個、「79」個、「58」個、「138」個、「118」個、「98」個、「78」個、「63」個、および「43」個と示され、部品コード「DU686」の部品について、「140」個、「120」個、「98」個、「79」個、「58」個、「138」個、「118」個、「98」個、「78」個、「63」個、および「43」個と示されている。
【0102】
たとえば、機種名「MD_11」の機種の部品コード「CC683」の部品について、8時の時点で部品在庫が安全在庫の量の状態で部品納入が実施された場合の在庫量は、次のようにして求める。まず納入基本情報54が示す納入単位が5時間、すなわち納入量が生産の5時間分であることを示すので、機種名「MD_11」の機種の1日の生産量たとえば300台に、員数たとえば1個を乗算して1日に必要な部品の個数を求め、求めた1日に必要な部品の個数を操業時間10時間で除算することによって、1時間の生産に必要な部品の個数たとえば300*1/10=30個を求める。1時間の生産に必要な部品の個数に、納入単位の5時間を乗算した値が納入量たとえば150個となる。この納入量の値にさらに納入基本情報54が示す安全在庫2時間分たとえば60個を加算した値たとえば150個+60個=210個が在庫量となる。さらに、9時には、機種名「MD_11」の機種が26台生産されると、9時での部品コード「CC683」の部品の在庫数は、210個から26個を差し引いた184個として示されている。同様にして、18時の終了時間まで、1時間毎に在庫数がシミュレーションされ、そのシミュレーション結果が図30の部品の在庫状況のシミュレーション結果62に示されている。
【0103】
図31は、図1に示したシミュレーション手段11によってシミュレーションされた部品の占有状況のシミュレーション結果63の一例を示す。部品の占有状況のシミュレーション結果63は、各保管場所の保管スペースに対する部品の占有状況のシミュレーション結果であり、保管場所ごとに、各時刻における部品の占有率を示している。図31に示した部品の占有状況のシミュレーション結果63には、8時から18時までの各時刻における部品の占有率が、保管エリア「Area−1」について、「80」%、「75」%、「70」%、「65」%、「60」%、「55」%、「50」%、「45」%、「40」%、「35」%、および「30」%として示され、保管エリア「Area−2」について、「75」%、「70」%、「65」%、「60」%、「55」%、「50」%、「45」%、「40」%、「35」%、「30」%、および「25」%として示され、保管エリア「Area−3」について、「85」%、「81」%、「77」%、「73」%、「68」%、「64」%、「60」%、「56」%、「52」%、「48」%、および「43」%として示されている。たとえば、保管エリア「Area−1」の保管スペースにおける8時時点での部品の占有率は、80%であることが示されている。
【0104】
占有率は、保管能力情報52、部品基本情報53、および各部品の在庫状況に基づいて求めることができる。たとえば、図23に示す部品基本情報53から、部品コード「CC683」の部品および部品コード「CC684」の部品は、それぞれ、1.80mのパレット1枚に6個積むことができることが分かる。部品コード「CC683」の部品210個に対して必要なパレット数は、210個を6個で除算し、少数点以下を切り上げた36枚となる。したがって、部品コード「CC683」の部品210個分の面積は、パレット面積1.80mに36枚を乗じた64.8mとなる。さらに、部品コード「CC683」の部品は、保管エリア「Area−1」の保管場所に保管されており、保管能力情報52が示す保管エリア「Area−1」の保管スペースが2,000mであることから、保管エリア「Area−1」における部品コード「CC683」の部品210個分の占有率は、64.8÷2000×100=3.24%となる。このようにして求められた保管エリア「Area−1」の保管場所に保管されている各部品の占有率を合計した結果が、図31に示した部品の占有状況のシミュレーション結果63に示されている。
【0105】
このように、入力手段であるたとえばデータ入力手段10によって、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報が入力され、シミュレーション手段であるたとえばシミュレーション手段11によって、コンピュータを用いて、入力手段によって入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移がシミュレーションされ、記憶手段であるたとえばシミュレーション状況蓄積手段12によって、シミュレーション手段によるシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報、およびシミュレーション結果を予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順を表す分析手順情報が記憶される。そして、絞込み条件情報表示手段であるたとえば分析方法表示手段16によって、分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報が表示され、選択手段であるたとえばユーザ入力手段17によって、絞込み条件情報表示手段によって絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件が選択される。さらに、分析手段であるたとえば分析手段14によって、記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果が、記憶手段に記憶される分析手順情報が示す分析手順に従って分析され、分析手順に従って分析される際、選択手段によって絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析され、分析結果表示手段であるたとえば分析方法表示手段16によって、分析手段によって分析された分析結果を表す分析結果情報が分析手順ごとに表示されるので、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因を順次絞り込むことができ、要因の特定を容易にすることができる。したがって、保管スペースを圧迫する要因を排除するための対策を早急に検討し、対応することができる。
【0106】
さらに、前記分析手段に含まれる統計処理手段であるたとえば統計処理手段141によって、記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果が統計的に処理され、前記分析手段に含まれる影響度計算手段であるたとえば影響度算出手段142によって、評価項目に対する要因ごとの影響度が計算され、前記分析結果情報は、少なくとも、統計処理手段によって統計的に処理された結果を表す統計処理結果情報、および影響度計算手段によって計算された影響度を表す影響度情報を含むので、統計的に処理された結果たとえば最小値、最大値、あるいは平均値などの結果、および影響度たとえば置場区分毎の保管面積の影響度のうち異常なものを容易に見つることができる。したがって、部品保管スペースの占有率を高くしている要因の絞込みを容易にすることができる。
【0107】
さらにまた、シミュレーション結果表示手段によって、前記記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果が表示されるので、シミュレーション結果の正常性についても検討することができる。したがって、プログラムの不具合あるいは入力データの入力ミスの有無の可能性についても確認することができる。
【0108】
さらに、前記評価項目は、部品置場区分ごとの占有率の推移、製品の機種別の利用面積の時間推移、製品の1日当たりの生産台数の時間推移、部品ごとの滞留時間の時間推移、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間の時間推移、不良品台数の時間推移、部品の在庫数時間推移、および納入量の時間推移のうちの少なくとも1つの評価項目を含むので、部品置場区分ごとの占有率、製品の機種別の利用面積、製品の1日当たりの生産台数、部品毎の滞留時間、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間、不良品台数、部品の在庫数、および納入量などについて分析することができる。したがって、多角的に分析することができ、保管スペースを圧迫する要因の特定を的確に行うことができる。
【0109】
さらにまた、前記シミュレーション条件情報は、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースのうち少なくともいずれか1つの情報を含むので、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースをシミュレーションのパラメータとして変更することができる。したがって、これらのパラメータを変更することによって、通常想定されるグラフと比較した異常値の発見が容易となり、プログラムの不具合あるいは入力データの入力ミスの発見を容易にすることができる。
【0110】
さらに、前記シミュレーション手段は、部品納入から生産完了までの生産ラインの動作を、部品納入時刻の変動、生産台数の変動、および生産の不良数の変動のうち少なくともいずれか1つをパラメータにしてシミュレーションするので、生産ラインの動作を一貫して分析することができる。したがって、生産ライン全他機の中で、保管スペースを圧迫する要因の特定を的確に行うことができる。
【0111】
さらにまた、入力工程では、生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報を入力し、シミュレーション工程では、コンピュータを用いて、入力工程で入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションし、記憶工程では、シミュレーション工程でのシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報を記憶する。そして、絞込み条件情報表示工程では、分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報を表示し、選択工程では、絞込み条件情報表示工程で絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件を選択する。さらに、分析工程では、記憶工程で記憶されたシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を、予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順に従って分析し、分析手順に従って分析する際、選択工程で絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析し、分析結果表示工程では、分析工程で分析された分析結果を表す分析結果情報を分析手順ごとに表示するので、生産に用いる部品の保管スペースを圧迫する要因を順次絞り込むことができ、要因の特定を容易にすることができる。したがって、本発明による部品保管スペースの評価方法を用いれば、保管スペースを圧迫する要因を排除するための対策を早急に検討し、対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の一形態である部品納入指示システム1の機能ブロックの構成を示す。
【図2】図1に示した影響度算出手段142が算出した置場区分ごとの占有率の影響度についての影響度算出結果例21を示す。
【図3】図1に示した影響度算出手段142が算出した機種ごとの利用面積の影響度についての影響度算出結果例22を示す。
【図4】図1に示した影響度算出手段142が算出した機種ごとの低下率の影響度についての影響度算出結果例23を示す。
【図5】図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの滞留時間の影響度についての影響度算出結果例24を示す。
【図6】図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの利用面積比率の影響度についての影響度算出結果例25を示す。
【図7】図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの欠品時刻の影響度についての影響度算出結果例26を示す。
【図8】図1に示した影響度算出手段142が算出した部品ごとの納入時刻の影響度についての影響度算出結果例27を示す。
【図9】図1に示した影響度算出手段142が算出した機種ごとの不良率の影響度につての影響度算出結果例28を示す。
【図10】図1に示した分析方法表示手段16による選択対象の表示要否の判定規則30の一例を示す。
【図11】図1に示した分析方法表示手段16が表示する部品置場区分の占有率の推移についての分析結果例41を示す。
【図12】図1に示した分析方法表示手段16が表示する利用面積の時間推移についての分析結果例42を示す。
【図13】図1に示した分析方法表示手段16が表示する日産台数の時間推移についての分析結果例43を示す。
【図14】図1に示した分析方法表示手段16が表示する部品ごとの滞留時間の時間推移についての分析結果例44を示す。
【図15】図1に示した分析方法表示手段16が表示する限定範囲に含まれる部品の利用面積構成についての分析結果例45を示す。
【図16】図1に示した分析方法表示手段16が表示する欠品した部品の欠品時間の時間推移についての分析結果例46を示す。
【図17】図1に示した分析方法表示手段16が表示する部品の在庫数および部品納入量の時間推移についての分析結果例47を示す。
【図18】図1に示した分析方法表示手段16が表示する機種ごとの不良品台数の時間推移についての分析結果例48を示す。
【図19】図1に示した分析手段14が分析する分析手順のフローチャートを示す。
【図20】図1に示したシミュレーション手段11の構成を示すブロック図である。
【0113】
【図21】図1に示したデータ入力手段10によって入力される操業情報51の一例を示す。
【図22】図1に示したデータ入力手段10によって入力される保管能力情報52の一例を示す。
【図23】図1に示したデータ入力手段10によって入力される部品基本情報53の一例を示す。
【図24】図1に示したデータ入力手段10によって入力される納入基本情報54の一例を示す。
【図25】図1に示したデータ入力手段10によって入力される生産計画情報55の一例を示す。
【図26】図1に示したデータ入力手段10によって入力される部品の納入時刻分布56の一例を示す。
【図27】図1に示したデータ入力手段10によって入力される部品の不良率分布57の一例を示す。
【図28】図1に示したデータ入力手段10によって入力される生産台数の分布58の一例を示す。
【図29】図1に示したシミュレーション手段11によってシミュレーションされた生産状況のシミュレーション結果61の一例を示す。
【図30】図1に示したシミュレーション手段11によってシミュレーションされた部品の在庫状況のシミュレーション結果62の一例を示す。
【図31】図1に示したシミュレーション手段11によってシミュレーションされた部品の占有状況のシミュレーション結果63の一例を示す。
【符号の説明】
【0114】
1 部品納入指示システム
10 データ入力手段
11 シミュレーション手段
12 シミュレーション状況蓄積手段
13 シミュレーション結果表示手段
14 分析手段
15 分析手順蓄積手段
16 分析方法表示手段
17 ユーザ入力手段
111 部品納入モジュール
112 部品保管モジュール
113 部品供給モジュール
114 生産処理モジュール
141 統計処理手段
142 影響度算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報を入力する入力手段と、
コンピュータを用いて、入力手段によって入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするシミュレーション手段と、
シミュレーション手段によるシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報、およびシミュレーション結果を予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順を表す分析手順情報を記憶する記憶手段と、
分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報を表示する絞込み条件情報表示手段と、
絞込み条件情報表示手段によって絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件を選択する選択手段と、
記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を、記憶手段に記憶される分析手順情報が示す分析手順に従って分析し、分析手順に従って分析する際、選択手段によって絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析する分析手段と、
分析手段によって分析された分析結果を表す分析結果情報を分析手順ごとに表示する分析結果表示手段とを含むことを特徴する部品保管スペースの評価システム。
【請求項2】
前記分析手段は、記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を統計的に処理する統計処理手段と、評価項目に対する要因ごとの影響度を計算する影響度計算手段とを含み、
前記分析結果情報は、少なくとも、統計処理手段によって統計的に処理された結果を表す統計処理結果情報、および影響度計算手段によって計算された影響度を表す影響度情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の部品保管スペースの評価システム。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されるシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を表示するシミュレーション結果表示手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の部品保管スペースの評価システム。
【請求項4】
前記評価項目は、部品置場区分ごとの占有率の推移、製品の機種別の利用面積の時間推移、製品の1日当たりの生産台数の時間推移、部品ごとの滞留時間の時間推移、絞込み条件によって限定された部品の利用面積構成、欠品した時間の時間推移、不良品台数の時間推移、部品の在庫数時間推移、および納入量の時間推移のうちの少なくとも1つの評価項目を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の部品保管スペースの評価システム。
【請求項5】
前記シミュレーション条件情報は、部品納入方法、製品の機種別生産計画、部品構成表、部品が必要とする保管スペース、各部品の部品置場区分、および部品置場区分の保管可能スペースのうち少なくともいずれか1つの情報を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の部品保管スペースの評価システム。
【請求項6】
前記シミュレーション手段は、部品納入から生産完了までの生産ラインの動作を、部品納入時刻の変動、生産台数の変動、および生産の不良数の変動のうち少なくともいずれか1つをパラメータにしてシミュレーションすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の部品保管スペースの評価システム。
【請求項7】
生産に用いる部品を保管する部品保管スペースに保管されている部品が占有する部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするための条件を表すシミュレーション条件情報を入力する入力工程と、
コンピュータを用いて、入力工程で入力されたシミュレーション条件情報が示す条件で部品保管スペースの占有率の推移をシミュレーションするシミュレーション工程と、
シミュレーション工程でのシミュレーション結果を表すシミュレーション結果情報を記憶する記憶工程と、
分析手順の評価項目について、部品保管スペースの占有率を高くしている要因を絞込むための予め定める絞込み条件があると、予め定める絞込み条件を表す絞込み条件情報を表示する絞込み条件情報表示工程と、
絞込み条件情報表示工程で絞込み条件情報が表示されると、表示された絞込み条件情報が示す絞込み条件の中から少なくとも1つの絞込み条件を選択する選択工程と、
記憶工程で記憶されたシミュレーション結果情報が示すシミュレーション結果を、予め定める評価項目ごとに分析するための分析手順に従って分析し、分析手順に従って分析する際、選択工程で絞込み条件が選択されていると、選択された絞込み条件で分析する分析工程と、
分析工程で分析された分析結果を表す分析結果情報を分析手順ごとに表示する分析結果表示工程とを含むことを特徴する部品保管スペースの評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−225700(P2008−225700A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60979(P2007−60979)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】