説明

部品洗浄装置及びそのフィルタ部材

【課題】油分が付着した部品を洗浄する部品洗浄装置について、優れた油分除去能を発揮することに加え、除去した油分を過大な手間やコストを要することなく適切に処理できるようにする。
【解決手段】アルカリ性電解水を洗浄液22として使用し油分が付着した部品を洗浄部10で洗浄して、使用後の洗浄液22を回収し洗浄液浄化手段を有する洗浄液浄化部5で油分を除去することで洗浄液22を循環使用する部品洗浄装置1Aにおいて、その洗浄液浄化手段が、シート状の濾材521,522,523で管状構造を形成しその周壁を外側から中心孔へ洗浄液22が通過することで油分を捕捉するものであって中心軸線に対し直角な面による断面形状が菊花状となるように濾材521,522,523を周壁の厚さ方向に往復させて外周面側と内周面側とで逆向きに折り返してなるフィルタ部材52を備えているものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品洗浄装置及びそのフィルタ部材に関し、殊に、油分が付着した部品を電解水系の洗浄液で洗浄するとともに使用後の洗浄液を回収し循環使用する部品洗浄装置、及びその部品洗浄装置に配設され洗浄に使用した洗浄液から油分を中心とする不純物を除去するためのフィルタ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス加工や切削加工など、機械加工で製作される金属部品等には切粉などの固形塵の他に加工に伴う油分が付着している場合が多く、次の工程や出荷の前に洗浄装置で洗浄し油分を中心とした汚れを除去して清浄な状態にすることが行われており、このような洗浄装置として例えば特開平9−75875号公報に記載され図9の配置図に示すような部品洗浄装置1Cが知られている。
【0003】
この部品洗浄装置1Cは、洗浄部12の洗浄槽に加工後の部品3を配置し、これに洗浄液22を注入して超音波洗浄やバブル洗浄を行い、オーバーフロー分の洗浄液22を洗浄液貯蔵部20に回収する。そして、回収した洗浄液22をフィルタ装置6に送って切粉などの固形塵を除去した後、油水分離部42に送り洗浄液22中に分散する油分を分離・除去し不純物の無い状態に再生して洗浄部12に送るようになっている。
【0004】
このようにして洗浄液22を浄化しながら繰り返し循環使用することで、洗浄液22の廃棄に伴う手間・コスト、及び環境破壊の問題を最小限に抑えることができる。また、斯かる構成の部品洗浄装置1Cの場合、油水分離部42で分離された油分は所定の処理ルートに送られ、濃縮装置等で濃縮した液状として廃棄または処理される。しかし、この油分をそのまま河川や土壌に廃棄すれば大きな環境破壊に繋がることになり、これを環境破壊に繋がらない状態にまで処理する場合には、多大な手間やコストを要することになる。
【0005】
そこで、例えば目の細かい濾材を用いたフィルタ部材を用いて微細なエマルジョン状に分散した油分を捕捉し、このフィルタ部材ごと固形ゴミとして廃棄または焼却することが考えられる。しかし、目の細かいフィルタ部材は短期間で目詰まりを生じて処理能力が低下することから、頻繁にフィルタ部材の交換作業を要することになり、メンテナンスに要する手間及びコストが過大なものとなってしまう。
【0006】
一方、洗浄液22を再使用することにおいても、所定期間使用した後に洗浄液22には劣化が生じていることから、最終的には交換されて廃棄または処理されるのが通常である。斯かる洗浄液として、従来はフロンやトリクロロエタンなどの有機塩素化合物が多用されていたが、オゾン層破壊防止等の環境保護の観点から使用が規制されるようになった。そこで、これら従来の洗浄液に代替するものとして、例えば特開平9−137287号公報に記載されているように、強酸性電解水や強アルカリ性電解水等の電解水系洗浄液が注目されており、殊に、強アルカリ性電解水は油分の付着した部品の洗浄に優れた効力を発揮するものとして周知である。
【0007】
このような電解水系洗浄液は水を主原料としているため、廃棄時において環境への影響が小さいことが利点である。また、例えば特開2001−89879号公報に記載されているように、洗浄に使用した電解水を回収して再使用する部品洗浄装置も普及しており、環境への影響を一層小さくすることを可能としたものが知られている。しかしながら、このような部品洗浄装置においても、洗浄液から除去された油分の廃棄・処理の問題は依然として解決されていない。
【特許文献1】特開平9−75875号公報
【特許文献2】特開平9−137287号公報
【特許文献3】特開2001−89879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、油分が付着した部品を洗浄するための部品洗浄装置について、優れた油分除去能を発揮することに加え、除去した油分を過大な手間やコストを要することなく適切に処理できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、洗浄液として所定のアルカリ性電解水を使用して、油分が付着した部品を洗浄部で洗浄し、洗浄に使用した後の油分を含む洗浄液を回収し所定の洗浄液浄化手段で油分を除去することにより洗浄液を循環使用する部品洗浄装置において、その洗浄液浄化手段が、シート状の濾材が周壁からなる管状構造を形成してその周壁を外側から中心孔に向かって洗浄液が通過することで洗浄液中に分散した油分を捕捉するものであってその管状構造の中心軸線に対し直角な面による断面形状が菊花状となるように濾材を周壁の厚さ方向に往復させて外周面側と内周面側とで逆向きに折り返してなるフィルタ部材を備えている、ことを特徴とするものとした。
【0010】
洗浄に使用した洗浄液中に分散する油分をフィルタ部材で捕捉する際には、濾材の表面側から捕捉され捕捉が進むに従い濾材が目詰まりを起こし、洗浄液の流通が妨げられて比較的短期間で使用不能となるところ、このようにシート状の濾材を断面菊花状となるように折り返して管状のフィルタ部材の周壁を構成させたことにより、濾材が断面円形の場合等と比べて格段に表面積(濾過面積)が大きくなるため、長期間に亘って優れた油分除去能を発揮しやすいものとなる。
【0011】
また、この場合、そのフィルタ部材は複数枚のシート状の濾材が重ねられた状態で形成されてなるものとすれば、より多量の油分を捕捉できるとともに確実な洗浄液浄化能を発揮するものとなり、この重ねられた濾材が内側のものになるに従い目が細かくなっているものとすれば、油分の捕捉が外側の濾材から内側の濾材に亘って平均化しやすく油分捕捉のキャパシティが一層大きいものとなる。
【0012】
さらに、上述した洗浄装置において、そのフィルタ部材を構成する濾材には、平均ポア径が3.5μm以下のものが少なくとも含まれているものとすれば、洗浄液中に微細化して分散した油分を確実に捕捉しやすいものとなる。
【0013】
さらにまた、上述した洗浄装置を、その洗浄液浄化手段のフィルタ部材だけで洗浄液からの油分の捕捉を行うものとされ、油分を捕捉した後のフィルタ部材が単独で交換可能とされていることを特徴とするものとすれば、洗浄液から油分を分離・集積して液体の状態で貯留または送出する他の手段が不要となって装置の構成が簡易なものとなり、且つ、フィルタ部材は固形ゴミとして処分できることから、捕捉した油分の廃棄・処理が極めて容易となるとともに環境への影響も極めて少ないものとなる。
【0014】
加えて、シート状の濾材が周壁からなる管状構造を形成してこの周壁を外側から中心孔に向かって洗浄液が通過することで油分を捕捉するものであって、その管状構造の中心軸線に対し直角な面による断面形状が菊花状となるように濾材を周壁の厚さ方向に往復させて外周面側と内周面側とで逆向きに折り返してなり、上述した部品洗浄装置の洗浄液浄化手段の一部を構成するものとしてカートリッジ式に着脱可能に装着される、ことを特徴とするフィルタ部材とすれば、上述した部品洗浄装置に使用することで優れた油分除去能を長期間に亘って発揮するものとなり、且つ、交換容易でメンテナンスのコスト及び手間を軽減したものとなる。
【発明の効果】
【0015】
アルカリ性電解水を洗浄液として循環使用するとともに、洗浄液浄化手段にシート状の濾材を断面菊花状となるように折り返して周壁を形成させてなる管状のフィルタ部材を備えた本発明によると、油分除去能を充分に発揮するとともに、除去した油分を過大な手間やコストを要することなく適切に処理できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。尚、本発明において強アルカリ性電解水とはpH10.5以上のアルカリ性電解水を指し、また、平均ポア径はバブルポイント法により測定された平均孔径を指すものとする。
【0017】
図1は本実施の形態の部品洗浄装置1Aの構成を示す配置図を示している。この部品洗浄装置1Aは、強アルカリ性電解水を洗浄液として用い、主として機械加工等により作成された金属・プラスチック部品等に付着している油分を中心とした汚れを落とすことを目的としたものである。
【0018】
使用する洗浄液としては、純水または市水に炭酸カリウム等を溶解して電解処理すること等で陰極側に得られる強アルカリ性電解水を用い、そのpHは洗浄対象により希釈等して適宜調整するものである。尚、一般的な金属・プラスチック部品等の洗浄にはpH11.5〜13.5の範囲に調整したものが油分の洗浄効果の観点で好ましい。また、洗浄液は充分な油分洗浄能を確保するために10℃以上に加温した状態で使用することが好ましい。
【0019】
部品洗浄装置1Aは、大きく分けて、洗浄対象である部品3を配置して洗浄するための洗浄部10と、洗浄液22を貯留する洗浄液貯留部2と、洗浄に使用して汚れた洗浄液22を浄化・再生するための洗浄液浄化部5とからなる。尚、洗浄部10の上方には洗浄後に部品3の表面に残る洗浄液22を飛ばして乾燥させるためのドライヤー80が配設されている。また、図示は省略したが、部品洗浄装置1Aの洗浄行程の自動制御を行う電子制御手段、または洗浄液のpH・温度・劣化状態等を管理するための操作手段を備えた制御部が配設されているものとする。
【0020】
洗浄部10の上方に配置されたタンク型の洗浄液貯留部2には上述の洗浄液22が貯留され、これを配管で洗浄部10に送出して洗浄液22を供給するようになっている。洗浄部10には噴射口を複数備えたノズル管15が配置されており、このノズル管15に接続した配管途中に配設したポンプ7で洗浄液22を所定の噴射圧にして、載置網13上に置かれた部品3に向かって噴射するようになっている。
【0021】
この載置網13の下方には、洗浄後の洗浄液22を受けて回収する回収槽14が配置され、この回収槽14から配管が延設されて途中に配置したポンプ7により洗浄に使用後の汚れを含む洗浄水22を、最上層の洗浄液浄化部5に揚水するようになっている。
【0022】
洗浄液浄化部5には、洗浄液浄化手段として濾過ユニット50,60が配設されている。このように、本実施の形態において濾過ユニット50,60を2連式に直列配置したことにより油分除去能・洗浄液浄化能をより確実なものとしているが、必要に応じて単独式や3連式としても実施可能である。
【0023】
濾過ユニット50,60はその基本的構成が同じものであり、内部を視認可能とするために透明素材からなり底壁を有して上端が開口している筒状容器51,61の内部に、その内周面との間に所定の隙間を有してカートリッジ式に着脱可能な状態で円柱状のフィルタ部材52,62が各々挿入されており、フィルタ部材52,62の外周側の隙間に汚れた洗浄液22を導入し、その周壁を通過させて中心孔に送出する過程において油分を中心とした汚れを捕捉して浄化するものであり、浄化後の洗浄液22を中心孔から洗浄液貯留部2に送り循環使用するようになっている。
【0024】
図3(A)は濾過ユニット50においてカートリッジ式に着脱されるフィルタ部材52の拡大した正面図を示しており、図3(B)はその縦断面図を示している。図示したように、フィルタ部材52は、シート状の濾材521,522,523で全体として筒状に形成されており、その外周側及び内周側には、所定の力学的強度を有し所定サイズ以下の固体及び液体が通過可能な網状部材からなる外部カバー527、内部カバー528が配設され、その上下側をドーナツ状の蓋材525,526で封止されており、その筒状の周壁の中心を中心孔52aが貫通してなるものである。
【0025】
そして、この管状のフィルタ部材52の周壁部分を構成するシート状の濾材521,522,523の構成が、本発明における特徴部分となっている。即ち、図3(A)のX−X線に沿う拡大した断面図及びその拡大部分図(円中)である図4を参照して、このフィルタ部材52は、シート状の濾材521,522,523が所定の厚さを有する周壁の外周面側と内周面側とで逆向きに連続的に折り返されて、周壁の厚さ方向に往復しながら断面形状が全体として菊花状となるように形成されたものであり、シート状の濾材を単に筒状に形成した場合と比べて濾過面積が極めて大きくなっている点を特徴としている。
【0026】
即ち、エマルジョン状に洗浄液22中に分散した油分を極めて広い表面積・濾過面積とされた濾材で効率的に捕捉することに加え、油分吸着のキャパシティが極めて大きくなっているために、すぐに目詰まりが生じないことを利点としているものである。また、濾材を複数枚重ねて配置したことで、外側の濾材で捕捉できなかった油分を内側の濾材で捕捉できるようになり、洗浄液22の浄化がより確実なものとなっている。
【0027】
また、このシート状の濾材521,522,523としては、極細繊維を不織的に絡み合わせたり部分的に結合させたりして極めて目の細かい濾材として、シート状に形成したものを使用することが好ましく、このように作成されて平均ポア径が3.5μm以下とされた濾材を使用することにより、極めて微細な油分も確実に捕捉できるものとなる。従って、本実施の形態においても3層の濾材のうち少なくとも1層において平均ポア径が3.5μm以下の濾材を使用するものとしている。
【0028】
尚、これに加えて、この3枚の濾材521,522,523を外側から順に目が細かくなるような構成・配置とすれば、様々に異なる粒径で洗浄液22中に分散した油分を、目の大きさの異なる3層の濾材521,522,523でまんべんなく捕捉することも可能となり、さらに長期間に亘って油分除去能を発揮しやすいものとなっている。
【0029】
このようなフィルタ部材52の構成は、濾過ユニット60のフィルタ部材62においても同様であり、同様の機能を有している。そのため、濾過ユニット50,60を直列的に配置したことで極めて優れた油分除去能及び洗浄液浄化機能を発揮するものであり、後続の浄化液貯留部2に送られる再生後の洗浄液は不純物が充分に除去された澄明なものとなって再使用に耐えうる状態となる。
【0030】
そして、部品洗浄装置1Aを所定期間使用した後に、上流側のフィルタ部材52、或いは両方のフィルタ部材52,62の処理能力が所定レベル以下に低下した場合には、フィルタ部材52,62の一方または両方を交換することになる。この場合、筒状容器51,61を回して外すことによりフィルタ部材52,62が露出するため、これらをめ配管配管が接続するとともによりのとうになっており発揮するカートリッジ式に容易に交換することができる。この交換の際、フィルタ部材52,62は固形ゴミとしてそのまま廃棄できるとともに焼却処理可能であり、液状の油分が環境中に流出する畏れもなく容易に処分することができる。
【0031】
尚、この2つの濾過ユニット50,60同士においても、下流側の濾過ユニット60のフィルタ部材62の方が上流側の濾過ユニット50のフィルタ部材52よりも目が細かくなるよう構成させることにより、両方の濾過ユニット50,60で油分をまんべんなく捕捉しやすいようにすることもできる。
【0032】
図2は、本実施の形態である図1の部品洗浄装置1Aの応用例としての部品洗浄装置1Bを示している。噴射洗浄方式であった上述の部品洗浄装置1Aの洗浄水噴射手段に代えて、バブル発生手段16または超音波発生手段17を配置し、回収槽14に貯留した洗浄液22中に部品3を浸漬した状態として、気泡または超音波の作用で効率的に洗浄するようにしたものであり、このような構成としても図1に示した部品洗浄装置1Aと同様の作用・効果が期待できるものである。
【0033】
図5は、図3に示した本実施の形態によるフィルタ部材52,62を実際に作成した場合の正面写真を示しており、図6はその図4(A)に示したフィルタ部材52の断面図と同様の切り口による断面写真を示し、図7はその一部を拡大した拡大部分写真を示している。これらの写真から3枚の濾材が断面菊花状に折り畳まれて周壁を形成し、その濾過面積が極めて大きくなっていることが分かる。
【0034】
図8は、そのフィルタ部材の油分除去能、即ち、洗浄水浄化能についての実験結果を示す写真である。実験において、図2に示したバブル洗浄式の部品洗浄装置と同様の装置を作成し、プレス工作油(製品名:FB−410、日本工作油製)を実験用の金属部品に刷毛で塗布したものをその洗浄部に配置し、洗浄液をpH13.2の強アルカリ性電解水(温度40℃)として、10分間浸浸させてバブル洗浄を行った。
【0035】
この10分間の洗浄により、金属部品は油分による表面のぬめりが取れて清浄な状態となったが、この洗浄作業の結果、回収槽に溜まった洗浄液が左のビーカの洗浄液であり、これを図5で示したフィルタ部材(2連式)を備えた洗浄液浄化部により浄化した後の洗浄液が右のビーカの洗浄液である。
【0036】
写真から分かるように、左のビーカの洗浄液はプレス工作油がエマルジョン状に分散して白濁している。これに対し、左のビーカの洗浄液は無色澄明となっており、使用前の洗浄液と目視上同様の状態となっていた。尚、右のビーカの洗浄液は、n―ヘキサン抽出物検査でも検出下限値0.5mg/Lを満足しており、本実施の形態のフィルタ部材は優れた油分除去能、洗浄液浄化機能を発揮していたことが分かった。
【0037】
以上、述べたように、油分が付着した部品を洗浄するための部品洗浄装置について、本発明により、充分な油分除去能を発揮することに加え、除去した油分を過大な手間やコストを要することなく適切に処理できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態を示す配置図。
【図2】図1の部品洗浄装置の応用例を示す配置図。
【図3】(A)は図1の部品洗浄装置に配置して使用するフィルタ部材の正面図、(B)は(A)のフィルタ部材の縦断面図。
【図4】図3(A)のx−x線に沿う断面図、一部拡大部分図。
【図5】図3(A)のフィルタ部材を実際に作成した正面写真。
【図6】図3(B)のフィルタ部材と同様の切り口で切断した断面写真
【図7】図6の拡大部分写真。
【図8】図2の部品洗浄装置による実験結果を示す写真。
【図9】従来例の配置図。
【符号の説明】
【0039】
1A,1B 部品洗浄装置、2 洗浄液貯留部、3 部品、5 洗浄液浄化部、7 ポンプ、10,11 洗浄部、13 載置網、14 回収槽、15 ノズル管、16 バブル発生手段、17 超音波発生手段、22 洗浄水、50,60 濾過ユニット、51,61 筒状容器、52,62 フィルタ部材、80 ドライヤー、521,522,523 濾材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液として所定のアルカリ性電解水を使用して油分が付着した部品を洗浄部で洗浄し、洗浄に使用した油分を含む洗浄液を回収して所定の洗浄液浄化手段で油分を除去することにより洗浄液を循環使用する部品洗浄装置において、
前記洗浄液浄化手段は、シート状の濾材が周壁からなる管状構造を形成し前記周壁を外側から中心孔に向かって洗浄液が通過することで洗浄液中に分散した油分を捕捉するものであって前記管状構造の中心軸線に対し直角な面による断面形状が菊花状となるように前記濾材を前記周壁の厚さ方向に往復させて外周面側と内周面側とで逆向きに折り返してなるフィルタ部材を備えている、ことを特徴とする部品洗浄装置。
【請求項2】
前記フィルタ部材は、複数枚の前記シート状の濾材が重ねられた状態で形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載した部品洗浄装置。
【請求項3】
前記フィルタ部材を構成する濾材には、平均ポア径が3.5μm以下のものが少なくとも含まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載した部品洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄液浄化手段は、前記フィルタ部材だけで洗浄液中の油分の捕捉を行うものとされ、油分捕捉後の前記フィルタ部材が単独で交換可能とされている、ことを特徴とする請求項1,2または3に記載した部品洗浄装置。
【請求項5】
前記シート状の濾材が前記周壁からなる管状構造を形成し前記周壁を外側から中心孔に向かって洗浄液が通過することで油分を捕捉するものであって、前記管状構造の中心軸線に対し直角な面による断面形状が菊花状となるように前記濾材を前記周壁の厚さ方向に往復させて外周面側と内周面側とで逆向きに折り返してなり、請求項1,2,3または4に記載した部品洗浄装置の前記洗浄液浄化手段の一部を構成するものとしてカートリッジ式に着脱可能に装着される、ことを特徴とするフィルタ部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−101264(P2009−101264A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273448(P2007−273448)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(595060018)アルプス工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】