説明

配管継手装置

【課題】半嵌合を未然に防止できる配管継手装置を実現する。
【解決手段】雄側継手部22の先端部に配設される第2のOリング5bは、雄側継手部22の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置において第1配管2に配設され、係止部14の先端が第2のOリング5bの先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように配管継手10が第1配管2に装着され、挿入口33の先端は、雌側継手部32の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において第2配管3に形成され、挿入口33に配設される第1のOリング5aは、挿入口33の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置において第2配管3に配設されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されている。これにより、半嵌合を未然に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雄側継手部を有する流体用配管と雌側継手部を有する流体用配管とを接続する配管継手を備える配管継手装置に関するものであり、例えば、車両空調用冷凍サイクルの冷媒用配管の配管継手に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の配管継手装置として、例えば、特許文献1に示されるものが知られている。すなわち、雄側継手部を有する第1配管と雌側継手部を有する第2配管とを係止する配管継手を備えている。この配管継手には、筒状に形成された本体の一端から軸心に対して対向する位置に、一対の第1溝部が形成されており、更に本体の両端部における第1溝部あるいは第2溝部が形成されていない円周上の薄肉部に、軸心に向かって突出する係止部が形成されている。
【0003】
そして、その配管継手が、第1配管または第2配管のいずれかに装着されて、配管継手が装着されていない他方の配管を接続する際に、配管継手の係止部が拡径・縮径可能に構成されてワンタッチで挿入して固定するようにしている。
【特許文献1】特開2005−155766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のような形状の配管継手は、第1配管と第2配管との接続部の外周側に装着されているため、配管継手の外形形状が接続部よりも大きくなる問題がある。この配管継手を小型化とするために、例えば、第1配管の外周側と第2配管の雌側継手部の内周側との間に、配管継手を配設する配管継手装置がある。
【0005】
図13は、参考例の配管継手装置を示す分解断面図である。図13に示すような配管継手装置は、雄側継手部110を有する第1配管100と、雌側継手部130を有する第2配管120と、第1配管100と第2配管120とを係止する配管継手150とから構成されている。
【0006】
雄側継手部110には、第1Oリング141と第2Oリング142が嵌入される円環状の凹状溝部111が形成されるとともに、雄側継手部110の根元部に外方に突き出した膨拡部112が形成されている。この膨拡部112の後方側外周には、凹状の溝部からなる制止部113が形成されている。制止部113は、配管継手150を第1配管100の外周に装着するときに、配管継手150の軸方向の位置決めを行うための溝である。
【0007】
雌側継手部130には、雄側継手部110を内嵌する挿入口131と、この挿入口131よりも拡径された拡管部132と、この拡管部132から前方に延設された延設筒部133とを形成している。挿入口131は、雄側継手部110に設けられたOリング141、142をシールするための内周面である。
【0008】
拡管部132は、膨拡部112を内嵌するための内周面である。延設筒部133は、拡管部132よりも外方に拡径されて延設されるとともに、延設筒部133の内周面には、凹状の溝部からなる内径段差部134が形成されている。内径段差部134内に配管継手150の係止部151が内嵌することにより、係止部151の一端が内径段差部134に当接され、反対側の他端が膨拡部112に当接される。
【0009】
配管継手150は、第1配管100に形成された制止部113の外周に装着するように形成されている。配管継手150は、第1配管100および第2配管120に対して同軸的に形成されており、拡径、縮径可能な係止部151が延設筒部133の内周側と、第1配管100の外周側との間の隙間に配設されている。
【0010】
配管継手150は、内径段差部134と膨拡部112とをそれぞれ係止する係止部151と、その係止部151を径方向に弾性変位させるための弾性変位部152と、配管継手150を第1配管100の外周に装着するための配管装着部153とから構成されている。
【0011】
以上のような構成による配管継手装置では、第1配管100の外周に配管継手150を装着して、雌側継手部130内に雄側継手部110を挿入して、第1配管100と第2配管120とを接続する。このとき、手作業で接続を行うと、挿入荷重のピークが複数回発生することが分かる。つまり、第1Oリング141を挿入口131に嵌入するとき、第2Oリング142を挿入口131に嵌入するとき、および配管継手150の係止部151を内径段差部134に嵌入するときの3回、挿入荷重のピークが発生する。
【0012】
そのため、第1Oリング141を挿入口131に嵌入したときの挿入荷重のピークによって、作業者が接続作業を完了したと勘違いしてしまい接続作業を停止してしまう恐れがある。つまり、配管継手150が半嵌合の状態であっても、作業者の勘違いによる判断により、接続作業を停止してしまうこともある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、半嵌合を未然に防止できる配管継手装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項9に記載の技術的手段を採用する。請求項1に記載の発明では、雄側継手部(22)を有する第1配管(2)と、雌側継手部(32)、およびその雌側継手部(32)の先端側に第1配管(2)側に向かって延設される延設筒部(37)を有する第2配管(3)と、第1配管(2)の外周面と延設筒部(37)の内周面との間に配設され、拡径、縮径可能な係止部(14)を有し、第1配管(2)と第2配管(3)とを係止する配管継手(10)とを備え、
配管継手(10)は、雄側継手部(22)の根元部後方に装着され、雄側継手部(22)が雌側継手部(32)に嵌め合わされる嵌合部(22、32)において、雄側継手部(22)および雌側継手部(32)の少なくとも一方に、少なくとも1つのOリング(5a〜5c)が配設されている配管継手装置において、
雄側継手部(22)を雌側継手部(32)に嵌入するとき、係止部(14)が延設筒部(37)の被係止部に接触開始するタイミングと、Oリング(5a〜5c)が第1配管(2)または第2配管(3)の被接触部に接触開始するタイミングとが略同一となるように、Oリング(5a〜5c)が第1配管(2)および第2配管(3)の少なくとも一方に配設されていることを特徴としている。
【0015】
この発明によれば、係止部(14)およびOリング(5a〜5c)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重によって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)が、雌側継手部(32)に形成され、雄側継手部(22)および雌側継手部(32)のそれぞれに、少なくとも1つのOリング(5a〜5c)が配設され、挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、雄側継手部(22)の先端部に配設される第2のOリング(5b)は、挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、第2のOリング(5b)は、雄側継手部(22)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置において、第1配管(2)に配設され、係止部(14)の先端が第2のOリング(5b)の先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、配管継手(10)が第1配管(2)に装着され、挿入口(33)の先端は、雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において、第2配管(3)に形成され、第1のOリング(5a)は、挿入口(33)の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置において、第2配管(3)に配設されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、雄側継手部(22)と雌側継手部(32)とのそれぞれに設けたOリング(5a、5b)が、係止部(14)を含めて同時に嵌め合わせることができる。これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)が、雌側継手部(32)に形成され、拡管部(34)が、延設筒部(37)と挿入口(33)との間に形成され、円筒状のスペーサ(6)が、拡管部(34)の内周側に嵌合され、雄側継手部(22)および雌側継手部(32)のそれぞれに、少なくとも1つのOリング(5a、5b)が配設され、挿入口(33)の先端に配設される第1のOリング(5a)は、雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、雄側継手部(22)の先端部に配設される第2のOリング(5b)は、スペーサ(6)の内周面と接触してシール機能を果たし、第2のOリング(5b)は、雄側継手部(22)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置において、第1配管(2)に配設され、係止部(14)の先端が第2のOリング(5b)の先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、配管継手(10)が第1配管(2)に装着され、スペーサ(6)の先端が雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に位置するように、スペーサ(6)が拡管部(34)に嵌合され、第1のOリング(5a)は、スペーサ(6)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置において、第2配管(3)に配設されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0019】
この発明によれば、係止部(14)および二つのOリング(5a、5b)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0020】
また、第2配管(3)の雌側継手部(32)に第1のOリング(5a)を嵌入するための凹状溝部(33a)を形成しなくても、雌側継手部(32)内に第1のOリング(5a)を配設することができる。これにより、雌側継手部(32)の加工を簡略することができる。更に、凹状溝部(33a)への第1のOリング(5a)の組付け工数の低減が図れる。
【0021】
請求項4に記載の発明では、外方に突き出した膨拡部(24)が、雄側継手部(22)の根元部に設けられ、膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が、膨拡部(24)と第1配管(2)の先端との間に形成され、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、この挿入口(33)と延設筒部(37)との間において段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、雌側継手部(32)に設けられ、雄側継手部(22)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、雄側継手部(22)の先端部に配設される第1のOリング(5a)は、挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、雄側継手部(22)の段差部(27)に配設される第2のOリング(5b)は、準拡管部(39)の内周面と接触してシール機能を果たし、第2のOリング(5b)は、係止部(14)の先端から先端方向にX2寸法離れた位置に配設され、第1のOリング(5a)は、第2のOリング(5b)の先端から更に先端方向にX1寸法離れた位置に配設され、準拡管部(39)の先端は、雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に形成され、挿入口(33)の先端は、準拡管部(39)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に形成されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0022】
この発明によれば、二つのOリング(5a、5c)を雄側継手部(22)に配設したときにおいても、係止部(14)および二つのOリング(5a、5b)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0023】
請求項5に記載の発明では、外方に突き出した膨拡部(24)が、雄側継手部(22)の根元部に設けられ、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、この挿入口(33)と延設筒部(37)との間において膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)とが、雌側継手部(32)に設けられ、雄側継手部(22)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、雄側継手部(22)の先端部に配設される第1のOリング(5a)は、挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、雄側継手部(22)の膨拡部(24)に配設される第2のOリング(5b)は、拡管部(34)の内周面と接触してシール機能を果たし、第2のOリング(5b)は、係止部(14)の先端から先端方向にX2寸法離れた位置に配設され、第1のOリング(5a)は、第2のOリング(5b)の先端から更に先端方向にX1寸法離れた位置に配設され、拡管部(34)の先端は、雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に形成され、挿入口(33)の先端は、拡管部(34)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に形成されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0024】
この発明によれば、二つのOリング(5a、5c)を雄側継手部(22)に配設したときにおいても、係止部(14)および二つのOリング(5a、5b)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0025】
請求項6に記載の発明では、外方に突き出した膨拡部(24)が、雄側継手部(22)の根元部に設けられ、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、この挿入口(33)と延設筒部(37)との間において膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)とが、雌側継手部(32)に設けられ、この雌側継手部(32)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、拡管部(34)に配設される第2のOリング(5b)は、膨拡部(24)の外周面と接触してシール機能を果たし、第2のOリング(5b)は、延設筒部(37)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に配設され、第1のOリング(5a)は、第2のOリング(5b)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に配設され、膨拡部(24)の先端は、第1配管(2)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に形成され、係止部(14)の先端が膨拡部(24)の先端から更に反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、配管継手(10)が第1配管(2)に装着されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0026】
この発明によれば、二つのOリング(5a、5b)を雌側継手部(32)に設けた場合においても、係止部(14)およびOリング(5a、5b)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで一度の挿入荷重によって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0027】
請求項7に記載の発明では、外方に突き出した膨拡部(24)が、雄側継手部(22)の根元部に設けられ、膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が膨拡部(24)と第1配管(2)の先端との間に形成され、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、この挿入口(33)と延設筒部(37)との間において段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、雌側継手部(32)に設けられ、雌側継手部(32)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、準拡管部(39)に配設される第2のOリング(5b)は、段差部(27)の外周面と接触してシール機能を果たし、第2のOリング(5b)は、延設筒部(37)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に配設され、第1のOリング(5a)は、第2のOリング(5b)の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置に配設され、段差部(27)の先端は、第1配管(2)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に形成され、係止部(14)の先端が段差部(27)の先端から更に反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、配管継手(10)が第1配管(2)に装着されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、またX2寸法とY2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0028】
この発明によれば、二つのOリング(5a、5b)を雌側継手部(32)に設けた場合においても、係止部(14)およびOリング(5a、5b)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで一度の挿入荷重によって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0029】
請求項8に記載の発明では、外方に突き出した膨拡部(24)が、雄側継手部(22)の根元部に設けられ、膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が、膨拡部(24)と第1配管(2)の先端との間に形成され、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、この挿入口(33)と延設筒部(37)との間において膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)と、更に挿入口(33)と拡管部(34)との間において段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、雌側継手部(32)に設けられ、雄側継手部(22)に、3つのOリング(5a、5b、5c)が配設され、雄側継手部(22)の先端部に配設される第1のOリング(5a)は、挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、雄側継手部(22)の段差部(27)に配設される第2のOリング(5b)は、準拡管部(39)の内周面と接触してシール機能を果たし、雄側継手部(22)の膨拡部(24)に配設される第3のOリング(5c)は、拡管部(34)の内周面と接触してシール機能を果たし、第3のOリング(5c)は、係止部(14)の先端から先端方向にX3寸法離れた位置において、膨拡部(24)に配設され、第2のOリング(5b)は、第3のOリング(5c)の先端から更に先端方向にX2寸法離れた位置において、段差部(27)に配設され、第1のOリング(5a)は、第2のOリング(5b)の先端から更に先端方向にX1寸法離れた位置において、第1配管(2)の先端部に配設され、拡管部(34)の先端は、雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY3寸法離れた位置に形成され、準拡管部(39)の先端は、拡管部(34)の先端から更に反先端方向にY2寸法離れた位置に形成され、挿入口(33)の先端は、準拡管部(39)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に形成されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、X2寸法とY2寸法とが、そしてX3寸法とY3寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
【0030】
この発明によれば、三つOリング(5a〜5c)を雌側継手部(32)に設けた場合においても、係止部(14)およびOリング(5a〜5c)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重によって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0031】
請求項9に記載の発明では、外方に突き出した膨拡部(24)が、雄側継手部(22)の根元部に設けられ、膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が、膨拡部(24)と第1配管(2)の先端との間に形成され、雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、この挿入口(33)と延設筒部(37)との間において膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)と、更に挿入口(33)と拡管部(34)との間において段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、雌側継手部(32)に設けられ、雌側継手部(32)に、3つのOリング(5a、5b、5c)が配設され、挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、準拡管部(39)に配設される第2のOリング(5b)は、段差部(27)の外周面と接触してシール機能を果たし、拡管部(34)に配設される第3のOリング(5c)は、膨拡部(24)の外周面と接触してシール機能を果たし、第3のOリング(5c)は、延設筒部(37)の先端から反先端方向にY3寸法離れた位置において、拡管部(34)に配設され、第2のOリング(5b)は、第3のOリング(5c)の先端から更に反先端方向にY2寸法離れた位置において、準拡管部(39)に配設され、第1のOリング(5a)は、第2のOリング(5b)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置において、挿入口(33)に配設され、段差部(27)の先端は、第1配管(2)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に形成され、膨拡部(24)の先端は、段差部(27)の先端から更に反先端方向にX2寸法離れた位置に形成され、係止部(14)の先端が、膨拡部(24)の先端から更に反先端方向にX3寸法離れた位置に位置するように、配管継手(10)が第1配管(2)に装着されるとともに、X1寸法とY1寸法とが、X2寸法とY2寸法とが、そしてX3寸法とY3寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴としている。
この発明によれば、三つOリング(5a〜5c)を雌側継手部(32)に設けた場合においても、係止部(14)およびOリング(5a〜5c)のそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重によって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0032】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(第1実施形態)
第1実施形態による配管継手装置を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施形態では、配管継手装置を車両空調用冷凍サイクルの冷媒配管に適用したものである。図1は、配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。図2は、第1配管と第2配管との連結前の状態を示す分解断面図である。図3は、第1配管と第2配管との嵌合開始状態を示す分解断面図である。図4(a)及び図4(b)は、係止部材の外観形状を示す斜視図である。
【0034】
本実施形態の配管継手装置は、図1に示すように、雄側継手部22を有する第1配管2、雌側継手部32を有する第2配管3、および配管継手である係止部材10から構成される。配管継手装置は、雌側継手部32内に雄側継手部22を挿入して、第1配管2と第2配管3とを接続している。第1配管2の外周側に係止部材10が装着されており、この係止部材10を介して第1配管2と第2配管3とを係止するように構成される。
【0035】
第1配管2は、冷媒を流通するために筒状に形成され、その挿入側先端部には、筒部21より拡径された雄側継手部22が形成されている。雄側継手部22には、ゴム材からなる第2のOリング5bが嵌入される円環状の凹状溝部23が形成されるとともに、その凹状溝部23の反先端部側、すなわち雄側継手部22の根元部に外方に突き出した膨拡部24が形成されている。この雄側継手部22の根元部後方に、配管継手である係止部材10が装着されている。
【0036】
膨拡部24は、外形が外方に拡径された略円筒形状に形成され、膨拡部24の後方側に配置される筒部21と膨拡部24との段差面が、係止部材10の係止部14と係止する第1被係止部26として形成されている。膨拡部24の前方側の端面は、第2配管3に形成された拡管部34の根元部に当接される。
【0037】
膨拡部24の後方側の筒部21には、凹状の溝部からなる制止部21bが形成されている。この制止部21bは、係止部材10を第1配管2の外周に装着するときに、係止部材10の軸方向の位置決めを行うための溝である。つまり、第1配管2と第2配管3とを接続するときに、第1配管2の外周に装着された係止部材10が筒部21の後方側にずれることを防止するストッパー機能を有している。
【0038】
本実施形態では、制止部21bを凹状の溝部で形成したが、第1配管2の筒部21の外周に凸状の凸部を形成し、係止部材10側にその凸部と嵌め合う凹状の凹部を形成して、係止部材10の軸方向の位置決めを行うようにしても良い。
【0039】
一方、第2配管3は、冷媒を流通するために筒状に形成され、挿入側先端部には、筒部31より拡径された雌側継手部32が形成されている。この雌側継手部32には、第1配管2の雄側継手部22を内嵌する挿入口33、この挿入口33よりも拡径された拡管部34、この拡管部34から前方に延設された延設筒部37が形成されている。
【0040】
この挿入口33には、ゴム材からなる第1のOリング5aが嵌入される円環状の凹状溝部33aが形成されている。挿入口33は、雄側継手部22に配設された第2のOリング5bをシールするための内周面を構成している。挿入口33に配設された第1のOリング5aは、雄側継手部22の先端側外周面でシールされる。
【0041】
拡管部34は、雄側継手部22の膨拡部24を内嵌するように形成されている。拡管部34の根元側には、円錐状のテーパー面35が形成されて、挿入口33の先端に繋がれている。このテーパー面35には、膨拡部24の先端が当接される。
【0042】
延設筒部37は、拡管部34よりも外方に拡径されて、第2配管3の先端に延設されるとともに、その先端を内周側に折り曲げることにより、延設筒部37の内周面に凹状の溝部からなる内径段差部38を形成している。内径段差部38には、係止部材10の係止部14が内嵌される。内径段差部38の先端側は、係止部14の第2当接部14aに当接するように形成されている。
【0043】
第1配管2と第2配管3とが接続された状態、即ち膨拡部24が拡管部34のテーパー面35に当接したときに、係止部材10の係止部14が内径段差部38に内嵌可能なように、内径段差部38は、凹状の溝部として形成される。
【0044】
これら挿入口33、テーパー面35、拡管部34、および内径段差部38は、筒部31の先端側を拡管などの塑性加工によって形成される。ここで、本実施形態の内径段差部38は、凹状の溝部を延設筒部37の内周面の全周にわたって形成したが、これに限らず、部分的に凹状の溝部を形成しても良い。
【0045】
係止部材10は、第1配管2に形成された膨拡部24の反先端部側の外周に装着されている。係止部材10は、弾性変位を許容する樹脂材料によって形成される。係止部材10は、金属材料で、あるいは樹脂材料と金属材料とを組み合わせて一体的に成形しても良い。
【0046】
係止部材10は、第1配管2および第2配管3に対して同軸的に形成されており、第2配管3の延設筒部37の内周側と、第1配管2の筒部21の外周側との間の隙間に、配設されている。係止部材10は、図4(a)及び図4(b)に示すように、内径段差部38と膨拡部24とに係止する係止部14と、その係止部14を径方向に弾性変位させるための弾性変位部13と、係止部材10を第1配管2の外周面に装着するための配管装着部12とから構成されている。
【0047】
係止部14は、軸心CLに対して対向する位置に複数(本例では2個)形成されている。この係止部14の数は、配管における圧力に応じて設定される。本実施形態では、軸心に対して対向する一対の係止部14が、組を成して形成されているが、複数組の係止部14が円周方向に分散して、例えば、等間隔に配置されても良い。
【0048】
係止部14の先端側には、凸状の第1当接部14eが形成されている。この第1当接部14eが、膨拡部24に形成された第1被係止部26に係止される。そして、第1当接部14eとは反対側となる軸方向の他端側には、直線状の第2当接部14aが形成され、この第2当接部14aが第2配管3に形成された内径段差部38の先端に係止される。
【0049】
つまり、係止部14の軸方向の両端面において、一方の端面である第1当接部14eが第1配管2の第1被係止部26に係止され、他方の端面である第2当接部14aが第2配管3の内径段差部38に係止されることになる。
【0050】
また、第1配管2と第2配管3とが接続された後に、第1及び第2配管2、3内に流体が封入されて内部圧力が上昇すると、内圧によって第1、第2配管2、3には、それぞれ接続相手側の継手部から離間する方向(抜け方向)に力が作用する。その結果、第2当接部14aは、内径段差部38の先端と当接し、内径段差部38に係止される。
【0051】
また、係止部14は、周方向に湾曲した円弧状の隆起部として形成されている。係止部14は、軸方向断面において、長方形もしくは略台形となる形状で形成されており、テーパー状のテーパー面部14bが形成されており、そのテーパー面部14bに繋がれる外周面は、円筒面として形成されている。
【0052】
また、係止部14の先端内周面に形成された段差面が、第1当接部14eを構成しており、膨拡部24に形成された第1被係止部26に係止される。また、係止部14の後端面に形成された端面が第2当接部14aを構成しており、第2配管3の内径段差部38の先端に係止される。
【0053】
以上の通り、係止部14の一端(第1当接部14e)を膨拡部24に係止させ、その他端(第2当接部14a)を内径段差部38の先端に係止させることにより、第1配管2と第2配管3とが接続できる。また、係止部14の先端にテーパー面部14bを設けたため、第2配管3に第1配管2を挿入するときに、延設筒部37の先端で係止部14を縮径することができ、係止部材10を延設筒部37の内周側にスムーズに挿入することができる。
【0054】
係止部材10の配管装着部12は、略C型の円筒形状に形成されており、第1配管2の外周に弾性変位させて装着されている。略C型で薄肉の円筒状に形成することにより、第1配管2の外周に装着するときに、略C型の開口部を開いて第1配管2の側方から装着することができる。また、配管装着部12には、第1配管2の筒部21に形成された制止部21bに係合する複数の爪部12aが、配管装着部12の内周側に折り曲げて形成されている。
【0055】
弾性変位部13は、配管装着部12の後端と係止部14とを繋ぐとともに、係止部14を径方向に弾性変位するように形成している。弾性変位部13は、その一端が配管装着部12の後端から径方向外方に延びて、軸方向にUターンするように延設させ、その先端が係止部14に繋ぐように形成されている。
【0056】
弾性変位部13の厚さは、係止部14の厚さよりも充分に小さく形成されている。従って、同じ樹脂材料によって形成されていても、径方向に関して充分な柔軟性を有し、係止部14が径方向に弾性変位可能に構成されている。弾性変位部13は、配管装着部12の軸心CLに対して、対称位置で対向するように一対形成されている。
【0057】
ところで、雄側継手部22が雌側継手部32に嵌め合わされる嵌合部(22、32)に二つのOリング5a、5bが配設されている場合であって、雌側継手部32内に雄側継手部22を挿入して第1配管2と第2配管3とを接続するとき、二つのOリング5a、5bのそれぞれが嵌合部22、32に挿入されるときの挿入荷重のピークが発生する。
【0058】
即ち、一方の第1のOリング5aが雄側継手部22に挿入されるときの挿入荷重のピークと、他方の第2のOリング5bが雌側継手部32に挿入されるときの挿入荷重のピークの2回、ピークが発生する。さらに、係止部材10の係止部14が内径段差部38内に嵌合されるときに発生する挿入荷重のピークもある。
【0059】
そこで、本実施形態では、複数回発生する挿入荷重のピークを、少なくとも一回感じたときに、係止部14および二つのOリング5a、5bが、それぞれの嵌合部(22、32)に、ほぼ同時に嵌合が完了できるように構成されている。具体的には、図2に示すように、係止部材10の装着位置と二つのOリング5a、5bの配設位置との関係を、図中に示すX1、X2、Y1、Y2となる隔たり寸法によって設定している。
【0060】
図中に示すX1は、二つのOリング5a、5bのうち、雄側継手部22に配設される第2のOリング5bの配設位置を示す隔たり寸法である。即ち、雄側継手部22の先端から第2のOリング5bの先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。第1配管2には、凹状溝部23が、雄側継手部22の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に、第2のOリング5bの先端を配置するように形成されている。
【0061】
図中に示すY1は、二つのOリング5a、5bのうち、雌側継手部32に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。即ち、挿入口33の先端から第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。第2配管3には、凹状溝部33aが、挿入口33の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置に、第1のOリング5aの先端を配置するように形成されている。
【0062】
そして、図中に示すX1とY1とは、同一の隔たり寸法に設定されている。これにより、雌側継手部32に雄側継手部22を挿入して第1配管2と第2配管3とを接続するとき、一方の第2のOリング5bが挿入口33の先端(内周面)に接触すると同時に、他方の第1のOリング5aが雄側継手部22の先端に接触することになる。
【0063】
図中に示すX2は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。即ち、第2のOリング5bの先端から係止部14の先端までの隔たり寸法を、X2寸法で示している。言い換えれば、第2のOリング5bの先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に、係止部材10の係止部14の先端が位置するように、制止部21bが第1配管2に形成されている。
【0064】
図中に示すY2は、第2配管3に形成される延設筒部37の配設位置を示す隔たり寸法である。即ち、挿入口33の先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。言い換えれば、第2配管3には、延設筒部37の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に、挿入口33の先端が形成されている。そして、図中に示すX2とY2とは、同一の隔たり寸法に設定されている。
【0065】
これにより、雌側継手部32に雄側継手部22を挿入して第1配管2と第2配管3とを接続するときに、係止部14の先端が延設筒部37の先端(被係止部とも言う)に接触すると同時に、二つのOリング5a、5bがそれぞれの被接触部に接触することになる。これを図示したのが図3であって、図3に示すように、係止部14の先端が延設筒部37の先端に接触開始したときに、一方の第2のOリング5bが挿入口33の先端に接触開始し、他方の第1のOリング5aが雄側継手部22の先端に接触開始している。
【0066】
つまり、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、被係止部及び被接触部に当たり始めるタイミングを同一にすることができる。従って、この状態で、雄側継手部22の先端を挿入口33の先端から根元側に挿入すると、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に被嵌合部に嵌合される。
【0067】
次に、以上の構成による配管継手装置の組付け方法について、図1乃至図3に基づいて説明する。まず、配管装着部12の略C型の開口部を拡げて、第1配管2の外周に係止部材10を装着する。そして、第1配管2の雄側継手部22を、図2に示すように、第2配管3の延設筒部37に対向する位置に配置させた後、雄側継手部22を延設筒部37内に挿入する。これにより、雄側継手部22の先端が第2配管3の挿入口33内に挿入される。
【0068】
その後、係止部14の先端が、図3に示すように、延設筒部37の先端に接触開始するときと同時に、雄側継手部22の第2のOリング5bの先端が挿入口33の先端に接触開始し、雌側継手部32の第1のOリング5aの先端が雄側継手部22の先端に接触開始する。
【0069】
この状態から、更に、雄側継手部22の先端を挿入口33内に挿入すると、延設筒部37の先端で係止部14のテーパー面部14bが押圧されるため、係止部14が軸心方向に縮径される。これと同時に、膨拡部24の先端側が拡管部34の先端に挿入され、雄側継手部22の第2のOリング5bが挿入口33の先端に挿入され、雄側継手部22の先端が雌側継手部32の第1のOリング5aに挿入される。
【0070】
そして、膨拡部24の先端側が、拡管部34のテーパー面35に当接される。それと共に、係止部14が、延設筒部37の内周側に拡径して挿入される。係止部14は、図1に示すように、弾性復帰して内径段差部38内に嵌合係止される。この状態では、係止部14が、延設筒部37の先端に係止される直前の状態であり、係止部14の後端と内径段差部38(即ち、延設筒部37)の先端との間には、隙間Sが形成されている。
【0071】
そして、この状態から第1配管2を左方側(抜け方向)に引っ張ると、係止部14の第1当接部14eの内壁面は、膨拡部24の第1被係止部26に係止される。また、係止部14の第2当接部14aが内径段差部38の先端に係止されることになり、第1および第2配管2、3同士が軸方向に拘束されて、第1配管2と第2配管3とが接続される。このように、第1配管2と第2配管3とが、係止部材10を介してワンタッチで接続できる。
【0072】
ここで、図5は、嵌合開始状態から嵌合完了までに至る挿入荷重と変位との関係を示す特性図である。図5中に示す実線が、本実施形態の配管継手装置による挿入荷重と変位との関係を示す特性であり、図5中に示す破線が図13に示す配管継手装置による挿入荷重と変位との関係を示す特性である。
【0073】
図13に示す配管継手装置の場合は、第1Oリング141が挿入口131に嵌入したとき(図5中に示すA1)、第2Oリング142が挿入口131に嵌入したとき(図5中に示すA2)、および配管継手150の係止部151が内径段差部134に嵌入したとき(図5中に示すA3)の3回、挿入荷重のピークが発生する。
【0074】
そのため、第1Oリング141が挿入口131に嵌入したときの挿入荷重のピーク(A1)によって、作業者が接続作業を完了したと勘違いしてしまい接続作業を停止してしまう可能性がある。つまり、図5中に示すように、半嵌合の状態で接続作業を停止してしまう領域がある。
【0075】
ところが、本実施形態の配管継手装置の場合は、図5中に示す実線のように、一回の挿入荷重のピーク(図5中に示すB1)で接続を完了することができる。つまり、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0076】
なお、本実施形態の配管継手装置は、配管接続後に第1及び第2配管2、3内に内部流体を封入すると第1、第2配管2、3内の圧力が上昇する。圧力が上昇すると、第1、第2配管2のそれぞれが反挿入方向(抜け方向)に移動される。つまり、上述したように第1及び第2配管2、3内に内部流体が封入していないときは、第1配管2を左方側(抜け方向)に強制的に引っ張ることにより、内圧が上昇したときと同じように、第1当接部14eの内壁面は、膨拡部24の第1被係止部26に係止される。また、第2当接部14aが内径段差部38の先端に係止される。
【0077】
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、二つのOリング5a、5bのうち、一方の第1のOリング5aを配設するために、雌側継手部32の挿入口33に円環状の凹状溝部33aを形成したが、雌側継手部32の拡管部34を挿入口33側に長く延ばして、拡管部34の内周と雄側継手部22の外周との間の隙間に、一方の第1のOリング5aを配設するように形成しても良い。
【0078】
図6は、第2実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図6に示すように、拡管部34の根元部が、テーパー面状でなく段差状の角部35aを形成して、挿入口33の先端に繋がれている。そして、この角部35aに第1のOリング5aを当接するするために、円筒状に形成されたスペーサ6が配設されている。このスペーサ6は、拡管部34の内周側に嵌合される。一方、スペーサ6の内径は、挿入口33の内径と略同一に設定されている。
【0079】
このように、スペーサ6の内周側が上記第1実施形態における挿入口33に相当するように形成されている。このように、スペーサ6の内周面は、雄側継手部22に配設された他方の第2のOリング5bのシール面である。
【0080】
ここで、図中に示すY1は、二つのOリング5a、5bのうち、雌側継手部32に配設される一方の第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。即ち、本実施形態では、スペーサ6の先端から第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。第2配管3には、スペーサ6の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置に第1のOリング5aの先端が配置されている。これにより、スペーサ6の軸方向長さは図中に示すY1である。
【0081】
また、図中に示すY2は、第2配管3に形成される延設筒部37の配設位置を示す隔たり寸法である。即ち、本実施形態では、スペーサ6の先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。第2配管3には、延設筒部37の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に、スペーサ6の先端が配置されるように、スペーサ6が配設されている。
【0082】
図中に示すX1及びX2は、第1実施形態で記載した隔たり寸法と同じである。そして、図中に示すX1とY1とは同一の隔たり寸法に、また、図中に示すX2とY2とは同一の隔たり寸法に設定されている。
【0083】
以上の構成による配管継手装置によれば、係止部14の先端が延設筒部37の先端(被係止部)に接触開始すると同時に、雄側継手部22の第2のOリング5bがスペーサ6の先端(被接触部)に接触開始し、雌側継手部32の第1のOリング5aが雄側継手部22の先端(被接触部)に接触開始する。
【0084】
従って、この状態で、雄側継手部22の先端を、挿入口33の先端から根元側に挿入すると、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に被嵌合部に嵌合することになる。このように、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0085】
また、上記第1実施形態のように、第2配管3の雌側継手部32に第1のOリング5aを嵌入するための凹状溝部33aを形成しなくても、雌側継手部32内に第1のOリング5aを配設することができる。これにより、雌側継手部32の加工を簡略することができる。更に、凹状溝部33aへの第1のOリング5aの組付け工数の低減が図れる。
【0086】
(第3実施形態)
以上の第1、第2実施形態では、二つのOリング5a、5bのうち、一方の第1のOリング5aを雌側継手部32に、他方の第2のOリング5bを雄側継手部22に配設するように構成したが、二つのOリング5a、5bを雄側継手部22に配設するように構成しても良い。
【0087】
図7は、第3実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図7に示すように、第1配管2の膨拡部24の先端側に、その膨拡部24よりも突き出し高さの低い段差部27が形成される。ただし、この段差部27の突き出し高さは、雄側継手部22の先端側よりも大きい。
【0088】
その段差部27には、凹状溝部27aを形成して二つのOリング5a、5bのうち、一方の第2のOリング5bを配設している。さらに、段差部27の先端側、即ち雄側継手部22の先端側に凹状溝部23を形成して他方の第1のOリング5aを配設している。そして、第2配管3には、延設筒部37と、膨拡部24を内嵌する拡管部34と、段差部27を内嵌する準拡管部39と、雄側継手部22の先端部を内嵌する挿入口33とが形成されている。
【0089】
準拡管部39は、拡管部34と挿入口33の間に位置しており、挿入口33よりも外方に拡径され、拡管部34よりも小径で拡管されている。準拡管部39の内周面は、第2のOリング5bのシール面であり、挿入口33の内周面は、第1のOリング5aのシール面である。
【0090】
図中に示すX2は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。第2のOリング5bの先端から係止部14の先端までの隔たり寸法を、X2寸法で示している。第2のOリング5bの先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に、係止部材10の係止部14の先端が配置されるように、制止部21bが第1配管2に形成されている。言い換えると、係止部14の先端から先端方向にX2寸法離れた位置に、第2のOリング5bの先端を配置するように、凹状溝部27aが第1配管2に形成されている。
【0091】
図中に示すX1は、雄側継手部22の先端側に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、段差部27に配設された第2のOリング5bの先端から第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。即ち、段差部27に配設された第2のOリング5bの先端から先端方向にX1寸法離れた位置に、第1のOリング5aの先端を配置するように、凹状溝部23が第1配管2に形成されている。
【0092】
図中に示すY2は、第2配管3に形成される延設筒部37の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、準拡管部39の先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。即ち、延設筒部37の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において、準拡管部39の先端が第2配管3に形成されている。
【0093】
図中に示すY1は、第2配管3に形成される挿入口33の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、準拡管部39の先端から挿入口33の先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。準拡管部39の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置において、挿入口33の先端が第2配管3に形成されている。そして、図中に示すX1とY1とは同一の隔たり寸法に、また、図中に示すX2とY2とも、同一の隔たり寸法になるように設定されている。
【0094】
以上の構成による配管継手装置によれば、第1実施形態の場合と同様に、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれを、同時に被嵌合部に嵌合することができる。このように、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0095】
(第4実施形態)
以上の第3実施形態では、一方の第2のOリング5bを第1配管2の膨拡部24の段差部27に配設したが、段差部27を設けずに、第2のOリング5bを直接膨拡部24に配設しても良い。図8は、第4実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図8に示すように、第1配管2の膨拡部24に凹状溝部24aを形成して、第2のOリング5bを配設している。また、雄側継手部22の先端側に凹状溝部23を形成して他方の第1のOリング5aを配設している。
【0096】
ここで、膨拡部24の軸方向の長さは、第2のOリング5bを配設するために長くなる。従って、第2配管3に形成される拡管部34は、長くなった膨拡部24を内嵌するように形成される。拡管部34の内周面は第2のOリング5bのシール面である。
【0097】
図中に示すX2は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、第2のOリング5bの先端から係止部14の先端までの隔たり寸法を、X2寸法で示している。即ち、第2のOリング5bの先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に、係止部材10の係止部14の先端を配置するように、制止部21bが第1配管2に形成されている。言い換えると、係止部14の先端から先端方向にX2寸法離れた位置に、第2のOリング5bの先端を配置するように、凹状溝部24aが第1配管2に形成されている。
【0098】
図中に示すX1は、雄側継手部22の先端側に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、膨拡部24に配設された第2のOリング5bの先端から第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。即ち、膨拡部24に配設された第2のOリング5bの先端から先端方向にX1寸法離れた位置に、第1のOリング5aの先端を配置するように、凹状溝部23が第1配管2に形成されている。
【0099】
図中に示すY2およびY1は、上記第3実施形態で記載された隔たり寸法と同じである。そして、図中に示すX1とY1とは同一の隔たり寸法に、また、図中に示すX2とY2とも、同一の隔たり寸法になるように設定されている。
【0100】
以上の構成による配管継手装置によれば、第1実施形態の場合と同様に、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれを、同時に被嵌合部に嵌合することができる。このように、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0101】
(第5実施形態)
以上の第3、第4実施形態では、二つのOリング5a、5bを雄側継手部22に配設するように構成したが、二つのOリング5a、5bを雌側継手部32に配設するように構成しても良い。
【0102】
図9は、第5実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図9に示すように、第2配管3の拡管部34に凹状溝部34aを形成して、一方の第2のOリング5bを配設している。さらに、挿入口33に凹状溝部33aを形成して、他方の第1のOリング5aを配設している。
【0103】
ここでは、膨拡部24の外周面が第2のOリング5bのシール面であるため、軸方向の長さが上記第4実施形態と同等長さである。従って、第2配管3に形成される拡管部34は、長くなった膨拡部24を内嵌するように形成される。
【0104】
図中に示すX2は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、膨拡部24の先端から係止部14の先端までの隔たり寸法をX2寸法で示している。第1配管2には、制止部12bが、膨拡部24の先端からX2寸法離れた反先端側の位置に係止部材10の係止部14の先端を配置するように形成されている。
【0105】
図中に示すX1は、第1配管2に形成される膨拡部24の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、雄側継手部22の先端から膨拡部24の先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。即ち、膨拡部24の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置において、膨拡部24の先端が第1配管2に形成されている。
【0106】
図中に示すY2は、雌側継手部32の拡管部34に配設される第2のOリング5bの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、拡管部34に配設された第2のOリング5bの先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。即ち、延設筒部37の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において、第2のOリング5bの先端を配置するように、凹状溝部34aが第2配管3に形成されている。
【0107】
図中に示すY1は、雌側継手部32の挿入口33に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、拡管部34に配設された第2のOリング5bの先端から挿入口33に配設された第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。そして、図中に示すX1とY1とが、また、図中に示すX2とY2とが、同一の隔たり寸法に設定されている。
【0108】
以上の構成による配管継手装置によれば、第1実施形態の場合と同様に、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれを、同時に被嵌合部に嵌合することができる。このように、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0109】
(第6実施形態)
上記第5実施形態では、一方の第2のOリング5bを第2配管3の拡管部34に配設し、第2のOリング5bのシール面を第1配管2の膨拡部24に配設するように構成したが、膨拡部24の先端側に段差部27を設け、この段差部27の外周面を第2のOリング5bのシール面として構成しても良い。
【0110】
図10は、第6実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図10に示すように、第2配管3の準拡管部39に凹状溝部39aを形成して、一方の第2のOリング5bを配設している。さらに、挿入口33に凹状溝部33aを形成して他方の第1のOリング5aを配設している。
【0111】
そして、第1配管2の膨拡部24の先端側に、その膨拡部24よりも突き出し高さの低い段差部27が形成される。ただし、この段差部27の突き出し高さは、雄側継手部22の先端側よりも大きい。また、第2配管3には、延設筒部37と、膨拡部24を内嵌する拡管部34と、段差部27を内嵌する準拡管部39と、雄側継手部22の先端部を内嵌する挿入口33とが形成されている。
【0112】
準拡管部39は、拡管部34と挿入口33の間に位置しており、挿入口33よりも外方に拡径され、拡管部34よりも小径で拡管されている。準拡管部39の内周面は、第2のOリング5bのシール面であり、挿入口33の内周面は、第1のOリング5aのシール面である。
【0113】
ここで、図中に示すX2は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、段差部27の先端から係止部14の先端までの隔たり寸法を、X2寸法で示している。即ち、段差部27の先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に、係止部材10の係止部14の先端を配置するように、制止部12bが第1配管2に形成されている。
【0114】
図中に示すX1は、第1配管2に形成される段差部27の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、雄側継手部22の先端から段差部27の先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。即ち、雄側継手部22の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に、段差部27の先端が形成されている。
【0115】
図中に示すY2は、雌側継手部32の準拡管部39に配設される第2のOリング5bの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、準拡管部39に配設された第2のOリング5bの先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。即ち、延設筒部37の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において、第2のOリング5bの先端を配置するように、凹状溝部39aが第2配管3に形成されている。
【0116】
図中に示すY1は、雌側継手部32の挿入口33に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、準拡管部39に配設された第2のOリング5bの先端から挿入口33に配設された第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。そして、図中に示すX1とY1とが、また、図中に示すX2とY2とが、同一の隔たり寸法に設定されている。
【0117】
以上の構成による配管継手装置によれば、第1実施形態の場合と同様に、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれを、同時に被嵌合部に嵌合することができる。このように、係止部14および二つのOリング5a、5bのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0118】
(第7実施形態)
以上の実施形態では、二つのOリング5a、5bを雌側継手部32もしくは雄側継手部22に配設するように構成したが、三つのOリング5a、5b、5cを雄側継手部22に配設するように構成しても良い。
【0119】
図11は、第7実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図11に示すように、第1配管2の膨拡部24に凹状溝部24aを形成して、第3のOリング5cを配設している。また、膨拡部24の先端側に、その膨拡部24よりも突き出し高さの低い段差部27が形成される。ただし、この段差部27の突き出し高さは、雄側継手部22の先端側よりも大きい。
【0120】
その段差部27には、凹状溝部27aを形成して、第2のOリング5bを配設する。また、段差部27の先端側、即ち雄側継手部22の先端側に凹状溝部23を形成して、第1のOリング5aを配設している。
【0121】
そして、第2配管3には、延設筒部37と、膨拡部24を内嵌する拡管部34と、段差部27を内嵌する準拡管部39と、雄側継手部22の先端部を内嵌する挿入口33とが形成されている。準拡管部39は、拡管部34と挿入口33の間に位置しており、挿入口33よりも外方に拡径され、拡管部34よりも小径で拡管されている。拡管部34の内周面は、第3のOリング5cのシール面であり、準拡管部39の内周面は第2のOリング5bのシール面であり、挿入口33の内周面は第1のOリング5aのシール面である。
【0122】
図中に示すX3は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、膨拡部24に配設される第3のOリング5cの先端から係止部14の先端までの隔たり寸法を、X3寸法で示している。即ち、第3のOリング5cの先端から反先端方向にX3寸法離れた反先端側の位置に、係止部材10の係止部14の先端を配置するように、制止部12bが第1配管2に形成されている。言い換えると、係止部14の先端から先端方向にX3寸法離れた位置に、第3のOリング5cの先端を配置するように、凹状溝部24aが第1配管2に形成されている。
【0123】
図中に示すX2は、雄側継手部22の段差部27に配設される第2のOリング5bの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、膨拡部24に配設された第3のOリング5cの先端から第2のOリング5bの先端までの隔たり寸法を、X2寸法で示している。、即ち、膨拡部24に配設された第3のOリング5cの先端から先端方向にX2寸法離れた位置に、第2のOリング5bの先端を配置するように、凹状溝部27aが第1配管2に形成されている。
【0124】
図中に示すX1は、雄側継手部22の先端側に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、段差部27に配設された第2のOリング5bの先端から第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。即ち、段差部27に配設された第2のOリング5bの先端から先端方向にX1寸法離れた位置に、第1のOリング5aの先端を配置するように、凹状溝部23が第1配管2に形成されている。
【0125】
図中に示すY3は、第2配管3に形成される延設筒部37の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、拡管部34の先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y3寸法で示している。言い換えれば、延設筒部37の先端から反先端方向にY3寸法離れた位置において、拡管部34の先端が形成されている。
【0126】
図中に示すY2は、第2配管3に形成される準拡管部39の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、拡管部34の先端から準拡管部39の先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。拡管部34の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において、準拡管部39の先端が第2配管2に形成されている。
【0127】
図中に示すY1は、第2配管3に形成される挿入口33の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、準拡管部39の先端から挿入口33の先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。準拡管部39の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置に、挿入口33の先端が第2配管3に形成されている。そして、図中に示すX1とY1とが、また、図中に示すX2とY2とが、更に、図中に示すX3とY3とが、同一の隔たり寸法になるように設定されている。
【0128】
以上の構成となる配管継手装置によれば、係止部14の先端が延設筒部37の先端(被係止部)に接触開始したときに、膨拡部24の第3のOリング5cが拡管部34の先端(被接触部)に接触開始し、段差部27の第2のOリング5bが準拡管部39の先端に接触開始し、第1のOリング5aが挿入口33の先端に接触開始している。従って、この状態で、雄側継手部22の先端を挿入口33の先端から根元側に挿入すると、係止部14および三つのOリング5a、5b、5cのそれぞれを、同時に被嵌合部に嵌合することができる。
【0129】
このように、係止部14および三つのOリング5a、5b、5cのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで、一回の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0130】
(第8実施形態)
上記第7実施形態では、三つのOリング5a、5b、5cを雄側継手部22に配設するように構成したが、三つのOリング5a、5b、5cを雌側継手部32に配設するように構成しても良い。
【0131】
図12は、第8実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。この場合には、図12に示すように、第1配管2には、膨拡部24と、その膨拡部24の先端側に膨拡部24よりも突き出し高さの低い段差部27とが形成される。ただし、段差部27の突き出し高さは、雄側継手部22の先端側よりも大きい。膨拡部24、段差部27および雄側継手部22の先端側の外周面は、三つのOリング5a、5b、5cのそれぞれのシール面である。
【0132】
第2配管3には、延設筒部37と、膨拡部24を内嵌する拡管部34と、段差部27を内嵌する準拡管部39と、雄側継手部22の先端側を内嵌する挿入口33とが形成されている。そして、拡管部34には、凹状溝部34aを形成して、第3のOリング5cが配設されている。準拡管部39には、凹状溝部39aを形成して、第2のOリング5bが配設されている。挿入口33には、凹状溝部33aを形成して、第1のOリング5aが配設されている。
【0133】
図中に示すX3は、第1配管2に装着する係止部材10の係止部14の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、膨拡部24の先端から係止部14の先端までの隔たり寸法を、X3寸法で示している。膨拡部24の先端から反先端方向にX3寸法離れた位置に、係止部材10の係止部14の先端を配置するように、制止部12bが第1配管2に形成されている。
【0134】
図中に示すX2は、膨拡部24の配設位置を示す隔たり寸法である。ここでは、膨拡部24の先端から段差部27の先端までの隔たり寸法を、X2寸法で示している。段差部27の先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に、膨拡部24の先端が形成されている。
【0135】
図中に示すX1は、段差部27の配設位置を示す隔たり寸法である。ここでは、段差部27の先端から雄側継手部22の先端までの隔たり寸法を、X1寸法で示している。第1配管2には、段差部27の先端から
雄側継手部22の先端から反先端方向にX1寸法離れた先端側の位置に、段差部27の先端が形成されている。
【0136】
図中に示すY3は、第2配管3に形成される延設筒部37の配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、拡管部34に配設される第3のOリング5cの先端から延設筒部37の先端までの隔たり寸法を、Y3寸法で示している。延設筒部37の先端から反先端方向にY3寸法離れた位置に、第3のOリング5cの先端が配置されている。
【0137】
図中に示すY2は、準拡管部39に配置される第2のOリング5bの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、拡管部34の第3のOリング5c先端から第2のOリング5bの先端までの隔たり寸法を、Y2寸法で示している。第3のOリング5cの先端から反先端方向にY2寸法離れた反先端側の位置に、第2のOリング5bの先端が配置されている。
【0138】
図中に示すY1は、挿入口33に配設される第1のOリング5aの配設位置を示す隔たり寸法である。本実施形態では、第2のOリング5bの先端から第1のOリング5aの先端までの隔たり寸法を、Y1寸法で示している。第2のOリング5bの先端から反先端方向にY1寸法離れた位置に、第1のOリング5aが配置されている。そして、図中に示すX1とY1とが、また、図中に示すX2とY2とが、更に、図中に示すX3とY3とが、同一の隔たり寸法になるように設定されている。
【0139】
以上の構成による配管継手装置によれば、上記第7実施形態と同様に、係止部14および三つのOリング5a、5b、5cのそれぞれを、同時に被嵌合部に嵌合することができる。このように、係止部14および三つのOリング5a、5b、5cのそれぞれが、同時に嵌め合わされることで一度の挿入荷重のピークによって嵌合ができ、これにより、半嵌合を未然に防止できる。
【0140】
(他の実施形態)
以上の実施形態では、車両用空調用冷凍サイクルの冷媒配管に適用させたが、これに限定することなく、流体を封入する配管に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】第1実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】第1実施形態における第1配管と第2配管との連結前の状態を示す分解断面図である。
【図3】第1実施形態における第1配管と第2配管との嵌合開始状態を示す分解断面図である。
【図4】(a)及び(b)は第1実施形態における係止部材の外観形状を示す斜視図である。
【図5】第1実施形態における嵌合開始状態から嵌合完了までに至る挿入荷重と変位との関係を示す特性図である。
【図6】第2実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図7】第3実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図8】第4実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図9】第5実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図10】第6実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図11】第7実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図12】第8実施形態における配管継手装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図13】参考例の配管継手装置を示す分解断面図である。
【符号の説明】
【0142】
2…第1配管
3…第2配管
5a…Oリング、第1のOリング
5b…Oリング、第2のOリング
5c…Oリング、第3のOリング
6…スペーサ
10…係止部材(配管継手)
14…係止部
22…雄側継手部、嵌合部
24…膨拡部
27…段差部
32…雌側継手部、嵌合部
33…挿入口
34…拡管部
37…延設筒部
39…準拡管部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄側継手部(22)を有する第1配管(2)と、
雌側継手部(32)、およびその雌側継手部(32)の先端側に前記第1配管(2)側に向かって延設される延設筒部(37)を有する第2配管(3)と、
前記第1配管(2)の外周面と前記延設筒部(37)の内周面との間に配設され、拡径、縮径可能な係止部(14)を有し、前記第1配管(2)と前記第2配管(3)とを係止する配管継手(10)とを備え、
前記配管継手(10)は、前記雄側継手部(22)の根元部後方に装着され、
前記雄側継手部(22)が前記雌側継手部(32)に嵌め合わされる嵌合部(22、32)において、前記雄側継手部(22)および前記雌側継手部(32)の少なくとも一方に、少なくとも1つのOリング(5a〜5c)が配設されている配管継手装置において、
前記雄側継手部(22)を前記雌側継手部(32)に嵌入するとき、前記係止部(14)が前記延設筒部(37)の被係止部に接触開始するタイミングと、前記Oリング(5a〜5c)が前記第1配管(2)または前記第2配管(3)の被接触部に接触開始するタイミングとが略同一となるように、前記Oリング(5a〜5c)が前記第1配管(2)および前記第2配管(3)の少なくとも一方に配設されていることを特徴とする配管継手装置。
【請求項2】
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)が、前記雌側継手部(32)に形成され、
前記雄側継手部(22)および前記雌側継手部(32)のそれぞれに、少なくとも1つのOリング(5a〜5c)が配設され、
前記挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、前記雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記雄側継手部(22)の先端部に配設される第2のOリング(5b)は、前記挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記第2のOリング(5b)は、前記雄側継手部(22)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置において、前記第1配管(2)に配設され、
前記係止部(14)の先端が前記第2のOリング(5b)の先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、前記配管継手(10)が前記第1配管(2)に装着され、
前記挿入口(33)の先端は、前記雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置において、前記第2配管(3)に形成され、
前記第1のOリング(5a)は、前記挿入口(33)の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置において、前記第2配管(3)に配設されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、また前記X2寸法と前記Y2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項3】
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)が、前記雌側継手部(32)に形成され、
拡管部(34)が、前記延設筒部(37)と前記挿入口(33)との間に形成され、
円筒状のスペーサ(6)が、前記拡管部(34)の内周側に嵌合され、
前記雄側継手部(22)および前記雌側継手部(32)のそれぞれに、少なくとも1つのOリング(5a、5b)が配設され、
前記挿入口(33)の先端に配設される第1のOリング(5a)は、前記雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記雄側継手部(22)の先端部に配設される第2のOリング(5b)は、前記スペーサ(6)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記第2のOリング(5b)は、前記雄側継手部(22)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置において、前記第1配管(2)に配設され、
前記係止部(14)の先端が前記第2のOリング(5b)の先端から反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、前記配管継手(10)が前記第1配管(2)に装着され、
前記スペーサ(6)の先端が前記雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に位置するように、前記スペーサ(6)が前記拡管部(34)に嵌合され、
前記第1のOリング(5a)は、前記スペーサ(6)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置において、前記第2配管(3)に配設されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、また前記X2寸法と前記Y2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項4】
外方に突き出した膨拡部(24)が、前記雄側継手部(22)の根元部に設けられ、
前記膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が、前記膨拡部(24)と前記第1配管(2)の先端との間に形成され、
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、前記挿入口(33)と前記延設筒部(37)との間において前記段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、前記雌側継手部(32)に設けられ、
前記雄側継手部(22)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、
前記雄側継手部(22)の先端部に配設される第1のOリング(5a)は、前記挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記雄側継手部(22)の前記段差部(27)に配設される第2のOリング(5b)は、前記準拡管部(39)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記第2のOリング(5b)は、前記係止部(14)の先端から先端方向にX2寸法離れた位置に配設され、
前記第1のOリング(5a)は、前記第2のOリング(5b)の先端から更に先端方向にX1寸法離れた位置に配設され、
前記準拡管部(39)の先端は、前記雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に形成され、
前記挿入口(33)の先端は、前記準拡管部(39)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に形成されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、また前記X2寸法と前記Y2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項5】
外方に突き出した膨拡部(24)が、前記雄側継手部(22)の根元部に設けられ、
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、前記挿入口(33)と前記延設筒部(37)との間において前記膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)とが、前記雌側継手部(32)に設けられ、
前記雄側継手部(22)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、
前記雄側継手部(22)の先端部に配設される第1のOリング(5a)は、前記挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記雄側継手部(22)の膨拡部(24)に配設される第2のOリング(5b)は、前記拡管部(34)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記第2のOリング(5b)は、前記係止部(14)の先端から先端方向にX2寸法離れた位置に配設され、
前記第1のOリング(5a)は、前記第2のOリング(5b)の先端から更に先端方向にX1寸法離れた位置に配設され、
前記拡管部(34)の先端は、前記雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に形成され、
前記挿入口(33)の先端は、前記拡管部(34)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に形成されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、また前記X2寸法と前記Y2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項6】
外方に突き出した膨拡部(24)が、前記雄側継手部(22)の根元部に設けられ、
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、前記挿入口(33)と前記延設筒部(37)との間において前記膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)とが、前記雌側継手部(32)に設けられ、
前記雌側継手部(32)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、
前記挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、前記雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記拡管部(34)に配設される第2のOリング(5b)は、前記膨拡部(24)の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記第2のOリング(5b)は、前記延設筒部(37)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に配設され、
前記第1のOリング(5a)は、前記第2のOリング(5b)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に配設され、
前記膨拡部(24)の先端は、前記第1配管(2)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に形成され、
前記係止部(14)の先端が前記膨拡部(24)の先端から更に反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、前記配管継手(10)が前記第1配管(2)に装着されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、また前記X2寸法と前記Y2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項7】
外方に突き出した膨拡部(24)が、前記雄側継手部(22)の根元部に設けられ、
前記膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が前記膨拡部(24)と前記第1配管(2)の先端との間に形成され、
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、前記挿入口(33)と前記延設筒部(37)との間において前記段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、前記雌側継手部(32)に設けられ、
前記雌側継手部(32)に、2つのOリング(5a、5b)が配設され、
前記挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、前記雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記準拡管部(39)に配設される第2のOリング(5b)は、前記段差部(27)の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記第2のOリング(5b)は、前記延設筒部(37)の先端から反先端方向にY2寸法離れた位置に配設され、
前記第1のOリング(5a)は、前記第2のOリング(5b)の先端から反先端方向にY1寸法離れた位置に配設され、
前記段差部(27)の先端は、前記第1配管(2)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に形成され、
前記係止部(14)の先端が前記段差部(27)の先端から更に反先端方向にX2寸法離れた位置に位置するように、前記配管継手(10)が前記第1配管(2)に装着されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、また前記X2寸法と前記Y2寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項8】
外方に突き出した膨拡部(24)が、前記雄側継手部(22)の根元部に設けられ、
前記膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が、前記膨拡部(24)と前記第1配管(2)の先端との間に形成され、
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、前記挿入口(33)と前記延設筒部(37)との間において前記膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)と、更に前記挿入口(33)と前記拡管部(34)との間において前記段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、前記雌側継手部(32)に設けられ、
前記雄側継手部(22)に、3つのOリング(5a、5b、5c)が配設され、
前記雄側継手部(22)の先端部に配設される第1のOリング(5a)は、前記挿入口(33)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記雄側継手部(22)の前記段差部(27)に配設される第2のOリング(5b)は、前記準拡管部(39)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記雄側継手部(22)の前記膨拡部(24)に配設される第3のOリング(5c)は、前記拡管部(34)の内周面と接触してシール機能を果たし、
前記第3のOリング(5c)は、前記係止部(14)の先端から先端方向にX3寸法離れた位置において、前記膨拡部(24)に配設され、
前記第2のOリング(5b)は、前記第3のOリング(5c)の先端から更に先端方向にX2寸法離れた位置において、前記段差部(27)に配設され、
前記第1のOリング(5a)は、前記第2のOリング(5b)の先端から更に先端方向にX1寸法離れた位置において、前記第1配管(2)の先端部に配設され、
前記拡管部(34)の先端は、前記雌側継手部(32)の先端から反先端方向にY3寸法離れた位置に形成され、
前記準拡管部(39)の先端は、前記拡管部(34)の先端から更に反先端方向にY2寸法離れた位置に形成され、
前記挿入口(33)の先端は、前記準拡管部(39)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置に形成されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、前記X2寸法と前記Y2寸法とが、そして前記X3寸法と前記Y3寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項9】
外方に突き出した膨拡部(24)が、前記雄側継手部(22)の根元部に設けられ、
前記膨拡部(24)よりも外方への突き出し高さが低い段差部(27)が、前記膨拡部(24)と前記第1配管(2)の先端との間に形成され、
前記雄側継手部(22)の先端部を内嵌する挿入口(33)と、前記挿入口(33)と前記延設筒部(37)との間において前記膨拡部(24)を内嵌する拡管部(34)と、更に前記挿入口(33)と前記拡管部(34)との間において前記段差部(27)を内嵌する準拡管部(39)とが、前記雌側継手部(32)に設けられ、
前記雌側継手部(32)に、3つのOリング(5a、5b、5c)が配設され、
前記挿入口(33)に配設される第1のOリング(5a)は、前記雄側継手部(22)の先端部の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記準拡管部(39)に配設される第2のOリング(5b)は、前記段差部(27)の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記拡管部(34)に配設される第3のOリング(5c)は、前記膨拡部(24)の外周面と接触してシール機能を果たし、
前記第3のOリング(5c)は、前記延設筒部(37)の先端から反先端方向にY3寸法離れた位置において、前記拡管部(34)に配設され、
前記第2のOリング(5b)は、前記第3のOリング(5c)の先端から更に反先端方向にY2寸法離れた位置において、前記準拡管部(39)に配設され、
前記第1のOリング(5a)は、前記第2のOリング(5b)の先端から更に反先端方向にY1寸法離れた位置において、前記挿入口(33)に配設され、
前記段差部(27)の先端は、前記第1配管(2)の先端から反先端方向にX1寸法離れた位置に形成され、
前記膨拡部(24)の先端は、前記段差部(27)の先端から更に反先端方向にX2寸法離れた位置に形成され、
前記係止部(14)の先端が、前記膨拡部(24)の先端から更に反先端方向にX3寸法離れた位置に位置するように、前記配管継手(10)が前記第1配管(2)に装着されるとともに、
前記X1寸法と前記Y1寸法とが、前記X2寸法と前記Y2寸法とが、そして前記X3寸法と前記Y3寸法とが、それぞれ略同一の隔たり寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配管継手装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−286369(P2008−286369A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134658(P2007−134658)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】