説明

配線パターンデータの生成方法

【課題】配線パターンに対する電子ビーム露光のスループットを高くする。
【解決手段】トラックパターンが連結された複数の平行配線パターンを生成する工程S2と、異なる配線経路の経路端部が同じトラックパターン内に配置されないように生成する工程S4と、前記経路端部が配置されたトラックパターンのトラックパターン終端部および当該トラックパターンのトラックパターン始端部に連結された隣接トラックパターンのトラックパターン終端部のうちの前記配線経路が通らないトラックパターン終端部を切り欠く工程S6と、前記トラックパターン終端部の切り欠き後に前記トラックパターンが並置された基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子と当該基本ブロックパターンの配置位置とを有する配線パターンデータを生成する工程S10とを有すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線パターンデータの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(Integrated Circuit; 以下、ICと呼ぶ)の製造工程では、半導体基板上に形成したレジスト膜を露光して、所望のパターン(形状)をレジスト膜に転写する。
【0003】
レジスト膜の露光方法の一つに、電子ビーム露光法がある。電子ビーム露光法としては、可変矩形ビームでパターンを1つ1つ塗りつぶしていく可変矩形描画(Variable Shaped Beam; VSB)法がよく知られている。しかし、VSB法には、露光回数が多くなるため、スループットが低いという問題点がある。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、キャラクタープロジェクション(Character Projection;以下、CPと呼ぶ)法が開発された。CP法では、ブロックマスクを通して電子ビームをレジスト膜に照射することで、ブロックマスクの開口部の形状(以下、ブロックマスクパターン)をレジスト膜に転写する。従って、1回の電子ビーム露光で所定の領域(例えば、一辺が1μmの矩形領域)内のパターンが一括形成されるので、スループットが向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−129265号公報
【特許文献2】特許第3886695号公報
【特許文献3】特開2003−17388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ICのレイアウトパターンには、ゲート回路やメモリセル等のセルパターンとセルパターンを接続する配線パターン(複数の配線全体の形状)が含まれている。複数の異なるセルパターンから、共通のパターンを抽出することは容易である。従って、セルパターンから抽出したパターンをブロックマスクパターンとすることで、セルパターンに対するスループットが高くなる。
【0007】
一方、配線パターンの形状は多様であり、複数の配線パターンから共通のパターンを抽出することは困難である。このため、配線パターンの電子ビーム露光には、VSB法が用いられている。
【0008】
このため、電子ビーム露光法には、配線パターンに対するスループットが低いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の問題を解決するために、本方法の一観点によれば、一方向に延在する複数のトラックパターンが前記一方向に交差する交差方向に所定のピッチで配置された複数の基本ブロックパターンを配線領域内で連結して、トラックパターンが連結された複数の平行配線パターンを生成する平行配線パターン生成工程と、トラックパターンを通る配線経路を、異なる配線経路の経路端部が同じトラックパターン内に配置されないように生成する配線経路の生成工程と、前記経路端部が配置されたトラックパターンのトラックパターン終端部および当該トラックパターンのトラックパターン始端部に連結された隣接トラックパターンのトラックパターン終端部のうちの前記配線経路が通らないトラックパターン終端部を切り欠く切り欠き工程と、前記トラックパターン終端部の切り欠き工程の後に、前記配線領域内の前記基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子と当該基本ブロックパターンの配置位置とを有する配線パターンデータを生成する配線パターンデータの生成工程とを有し、前記ブロックパターン識別子は、前記基本ブロックパターンに含まれるトラックパターンのトラックパターン終端部を切り欠いて生成される互いに異なる複数の切り欠きブロックパターンおよびトラックパターン終端部が切り欠かれていない前記基本ブロックパターンのいずれかに対応付けられている配線パターンデータの生成方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本実施の形態によれば、配線パターンに対する電子ビーム露光のスループットが高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1で生成される配線パターンデータを用いて、配線パターンをレジスト膜に描画する電子ビーム露光装置の構成図である。
【図2】ブロックマスクの平面図である。
【図3】ブロックエリアの平面図である。
【図4】実施の形態1の配線パターンデータの生成方法を実行する配線パターンデータ生成装置の構成図である。
【図5】実施の形態1の配線パターンデータの生成方法のフローチャートである。
【図6】平行配線パターンの生成工程により生成される複数の平行配線パターンの一例である。
【図7】配線領域に配置される基本ブロックパターンの一例である。
【図8】第2の平行配線パターンの一例である。
【図9】配線経路の生成工程のフローチャートである。
【図10】配線経路の生成工程を説明するパターン図である。
【図11】配線経路の生成工程を説明するパターン図である。
【図12】接続ビアパターンの配置位置を説明する図である。
【図13】トラックパターン終端部の切り欠き工程を説明する図である。
【図14】トラックパターン終端部の切り欠き工程を説明する図である。
【図15】ブロックパターン識別子を説明する図である。
【図16】配線パターンデータのデータ構造を示す図である。
【図17】実施の形態2の配線パターンの生成方法のフローチャートである。
【図18】ダングリング配線長の短縮工程のフローチャートである。
【図19】ダングリング配線長の短縮工程を説明するパターン図である。
【図20】ダングリング配線長の短縮工程を説明するパターン図である。
【図21】実施の形態2の配線データの生成工程を説明するパターン図である。
【図22】実施の形態2の配線データの生成工程を説明するパターン図である。
【図23】実施の形態2の配線パターンデータの一例である。
【図24】実施の形態3の配線経路の生成工程のフローチャートである。
【図25】トラック増設および迂回経路探索工程のフローチャートである。
【図26】トラック増設および迂回経路探索工程を説明するパターン図である。
【図27】トラック増設および迂回経路探索工程を説明するパターン図である。
【図28】実施の形態4の配線パターンの生成方法を説明するパターン図である。
【図29】ダミーパターンを説明するパターン図である。
【図30】論理ゲートの外部接続端子とトラックパターンの関係を説明する図である。
【図31】実施の形態5の接続ビアデータの生成方法を説明するパターン図である。
【図32】接続ビアデータのデータ構造を示す図である。
【図33】実施の形態6の配線経路の生成工程を説明するパターン図である。
【図34】実施の形態6の配線経路の生成工程を説明するパターン図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。尚、図面が異なっても対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態で生成する配線パターンデータに基づいて、配線パターン(複数の配線全体の形状)をレジスト膜14に描画する電子ビーム露光装置2の構成図である。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態の電子ビーム露光装置2は、電子銃4、コリメート磁気レンズ6a、第1のアパーチャ8a、第1の偏向器10a、第2のアパーチャ8b、および第2の偏向器10bを有している。第1のアパーチャ8aおよび第2のアパーチャ8bの開口部の形状は、矩形である。
【0015】
更に、電子ビーム露光装置2は、ブロックマスク12、フォーカシング磁気レンズ6b、第3の偏向器10c、および可動ステージ18を有している。可動ステージ18には、レジスト膜14が形成された半導体基板16が載置される。
【0016】
電子銃4から放射された電子ビーム20は、コリメート磁気レンズ6aにより平行ビームに変換される。平行ビームに変換された電子ビーム20は、第1のアパーチャ8a、第1の偏向器10a、および第2のアパーチャ8bにより、ブロックマスクパターンと同程度のサイズを有する矩形ビームに成形される。矩形ビームの一辺は、例えば1.0〜1.5μmである。
【0017】
その後、電子ビーム20は、第2の偏向器10bにより、ブロックマスク12に設けられたブロック(所定の形状を有する開口部が設けられた領域)に照射される。ブロックマスク12を透過した電子ビーム20はフォーカシング磁気レンズ6bと第3の偏向器10cにより、レジスト膜14の所定の領域に結像される。これにより、ブロックマスクパターンがレジスト膜14に転写される。
【0018】
この露光プロセスの繰り返しにより、ICレイアウトパターンの大部分がレジスト膜14に転写される。ブロックマスクパターンの転写で形成できない部分は、VSB法により描画される。
【0019】
電子ビーム露光装置2による露光工程は、露光制御装置(図示せず)により制御される。露光工程の制御は、記録媒体(図示せず)に記録された露光データに基づいて行われる。露光データは、ICレイアウトデータに基づいて生成される。このICレイアウトデータは、本実施の形態で生成する配線パターンデータおよび接続ビアデータを有している。
【0020】
レジスト膜14は、例えばポジ型レジストである。ポジ型レジスト膜に転写される配線パターンは、ダマシン法による配線形成に適している。一方、ネガ型レジスト膜に転写される配線パターンは、非ダマシン法による配線形成に適している。したがって、非ダマシン法による配線形成では、レジスト膜14としてネガ型レジスト膜が用いられる。
【0021】
図2は、ブロックマスク12の平面図である。ブロックマスク12の平面形状は、例えば1辺が5cm程度の正方形である。図2に示すように、ブロックマスク12には、複数のブロックエリア22が設けられている。図3は、ブロックエリア22の平面図である。
【0022】
ブロックエリア22は、例えば対角線が4.4mm程度の矩形領域である。ブロックエリア22の中心部には、図3に示すように、複数のブロック24が設けられている。ブロック24は、例えば一辺が1.0μm×1.0μm程度の矩形領域である。ブロック24には、露光パターンに対応する開口部が設けられている。
【0023】
各ブロックエリア22には、ICレイアウトパターンが有する層(例えば、ゲート層、配線層、ビア層)ごとに、それぞれの層の描画に用いられるブロックが設けられる。各ブロックエリア22には、例えば4000個程度のブロック24が設けられる。ブロックエリア22の四隅には、矩形スリット26が設けられる。この矩形スリット26は、露光位置の位置合わせおよびVSB法による可変矩形パターンの生成に用いられる。
【0024】
図4は、本実施の形態の配線パターンデータの生成方法を実行するコンピュータ28の構成図である。図4に示すように、コンピュータ28は、CPU(Central Processing Unit)28a、ROM(Read Only Memory)28b、およびRAM(Random Access Memory)28cを有している。更に、コンピュータ28は、第1のHDD(Hard Disk Drive)28d、第2のHDD28e、GB(Graphics Board)28f、I/F(Interface)28g、バス28h、入力装置28i、および表示装置28jを有している。
【0025】
CPU28aは、コンピュータ28の各ハードウエアを制御するプロセッサである。CPU28aは、第1のハードディスク28dに記録されたプログラムをRAM28cにロードし、ロードされたプログラムを実行する。
【0026】
第1のハードディスク28dには、本実施の形態の配線パターンデータの生成方法をコンピュータ28に実行させる配線パターンデータ生成プログラム30が記録されている。この配線パターンデータ生成プログラム30を実行することで、コンピュータ28は配線パターンデータ生成装置になる。第1のハードディスク28dには、論理合成プログラム(図示せず)や配置配線プログラム(Position & Route プログラム)31など配線パターンデータ生成プログラム30を支援するプログラムも記録されている。
【0027】
ROM28bには、CPU28aが実行する基本的なプログラム等が記録されている。RAM28cには、プログラム以外にも、CPU28aが各種演算処理を実行する際に、演算途中のデータが一時的に記録される。
【0028】
第2のハードディスク28eには、後述するブロックパターン・データベース32とスタンダードセル・ライブラリ34が記録されている。スタンダードセル・ライブラリ34には、スタンダードセル(標準的な機能を有する回路)の機能やスタンダードセルのセルパターン(回路パターン)が記録されている。
【0029】
GB28fは、CPU28aから受け取った命令に従って描画処理を実行し、得られた画像データを映像信号に変換して表示装置28j供給する。I/F28gは、入力装置28iに入力されたデータの表現形式を変更してCPU28a等に送出する。
【0030】
バス28hには、CPU28a、ROM28b、RAM28c、第1のHDD28d、第2のHDD28e、GB28f、およびI/F28gが接続されている。これらハードウエアの間のデータの受け渡しは、バス28hを介して行われえる。
【0031】
表示装置28jは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、GB28fが供給する映像信号を表示する。入力装置28iは、例えばキーボードやマウスを有しており、ユーザの操作に応じてデータを生成して、I/F(Interface)28gに供給する。
【0032】
RAM28cにロードされた論理合成プログラム(図示せず)が起動されると、コンピュータ28は、ICの仕様を論理式で記述する。更に、コンピュータ28は、記述された論理式をネットリストに変換する。
【0033】
配置配線プログラム31が起動されると、コンピュータ28は、ネットリストにしたがって、スタンダードセル・ライブラリ34に登録されたセルパターンをセルパターン配置面に配置する。
【0034】
スタンダードセル・ライブラリ34には、論理ゲート、メモリセル、および周辺回路などのセルパターン(回路パターン)が登録されている。セルパターンは、複数のパターン層が積層された立体構造を有している。
【0035】
一つ論理ゲートの層数は少数である。従って、論理ゲートに対するセルパターンは、略全てセルパターン専用のセルパターン配置面(ゲート層)に配置することができる。
【0036】
一方、メモリや周辺器回路の層数は多数である。このため、メモリや周辺器回路のセルパターンの一部は、配線パターン形成面(配線層)にも配置される。
【0037】
コンピュータ28は、メモリや周辺器回路のセルパターンが配置される領域を避けて、配線パターン形成面に配線領域を設定する。この配線領域に、配線パターンが形成される。
【0038】
その後、配線データ生成プログラム30が起動され、コンピュータ28は、本実施の形態の配線パターンデータの生成方法を実行する。
【0039】
図5は、本実施の形態の配線パターンデータの生成方法のフローチャートである。図5に示すように、配線パターンデータの生成方法は、平行配線パターンの生成工程(S2)、配線経路の生成工程(S4)、トラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)、接続完了判定工程(S8)、および配線パターンデータの生成工程(S10)を有している。
【0040】
―平行配線パターンの生成工程(S2)―
図6は、平行配線パターンの生成工程(S2)により生成される複数の平行配線パターン36の一例である。図7は、配線領域38に配置される基本ブロックパターン40の一例である。
【0041】
基本ブロックパターン40は、図7に示すように、一方向42に延在する複数のトラックパターン(ストライプ状のパターン)44を有している。これらのトラックパターン44は、一方向42に交差(好ましくは、直交)する交差方向46に所定のピッチPで配置されている。尚、破線48は、基本ブロックパターン40の外縁を示している。
【0042】
コンピュータ28は、図6に示すように、これら複数の基本ブロックパターン40を配線パターン形成面37内の配線領域38内で連結して、トラックパターン44が連結された複数の平行配線パターン36を生成する。更に、コンピュータ28は、配線パターン形成面37(以下、第1の配線パターン形成面と呼ぶ)に積層される第2の配線パターン形成面にも複数の第2の平行配線パターンを生成する。第1の配線パターン形成面および第2の配線パターン形成面は、それぞれICが有する立体配線の下部配線層および上部配線層に対応している。
【0043】
以下、第1の配線パターン形成面に生成される平行配線パターン37aを、第1の平行配線パターンと呼ぶ。第1の配線パターン形成面37aに設けられる配線領域を、第1の配線領域と呼ぶ。また、第1の配線領域38a内で連結される基本ブロックパターンを、第1の基本ブロックパターンと呼ぶ。第1の基本ブロックパターンが有するトラックパターンを、第1のトラックパターンと呼ぶ。
【0044】
図8は、第2の平行配線パターンの一例である。コンピュータ28は、図8に示すように、第2の基本ブロックパターン40bを、第2の配線パターン形成面37b内の第2の配線領域38bで連結して、複数の第2の平行配線パターン36bを生成する。
【0045】
第1の配線領域38aおよび第2の配線領域38bは、好ましくは同一の形状および同一のサイズを有し、第1の配線パターン形成面38aおよび第2の配線パターン形成面38b内の同じ位置に配置される。
【0046】
図6に示すように、第1の基本ブロックパターン40aには、第1の方向50に延在する複数の第1のトラックパターン44aが第2の方向(好ましくは、第1の方向に直交する方向)52に所定のピッチPで配置されている。一方、第2の基本ブロックパターン40bには、第2の方向52に延在する複数の第2のトラックパターン44bが第1の方向50に所定のピッチPで配置されている。
【0047】
ところで、コンピュータ28は、トラックパターン44および基本ブロックパターン40を図形データとして取り扱う。例えば、トラックパターン44は、その頂点座標の集まりとして取り扱われる。したがって、基本ブロックパターン40は、それぞれのトラックパターンに対応する複数の頂点座標の集まりとして取り扱われる。
【0048】
今、図7に示すように、基本ブロックパターン40の左下の頂点座標Oを原点(0nm,0nm)とする。また、トラックパターン44の長さおよび幅を、それぞれ1μmおよび28nmとする。また、トラックパターンのピッチPを、112nm(=28nm×4)とする。
【0049】
この場合、一番下のトラックパターン44Aは、4つの頂点座標、a1(0nm,42nm)、a2(1,000nm,42nm)、a3(1,000nm,70nm)、およびa4(0nm,70nm)の集まりとして取り扱われる。下から2番目のトラックパターン44Bの図形データは、4つの頂点座標、(0nm,154nm)、(1,000nm,154nm)、(1,000nm,182nm)、および(0nm,182nm)の集まりとして取り扱われる。
【0050】
基本ブロックパターン40は、このような4つの頂点座標の集まりとして取り扱われる。トラックパターンおよび基本ブロックパターンに対する処理(配置、切り欠き、切り取り)は、このような画像データに対して実行される。
【0051】
―配線経路の生成工程(S4)―
図9は、配線経路の生成工程(S4)のフローチャートである。図10及び11は、配線経路の生成工程を説明するパターン図である。
【0052】
図10には、第1の配線領域38aに生成される第1の配線経路54aが示されている。図11には、第2の配線領域38bに生成される第2の配線経路54bが示されている。
【0053】
図9に示すように、配線経路の生成工程(S4)は、検索対象端子の設定工程(S12)、接続経路の探索工程(S14)、経路探索の成否判定工程(S16)、および経路未確定フラグオン工程(S18)を有している。
【0054】
―検索対象端子の設定工程(S12)―
コンピュータ28は、セルパターンをセルパターン配置面および/または配線パターン形成面に配置する際、セルパターンの外部端子パターン(又は、この外部端子パターンにビアパターンを介して接続されたビア端子パターン)を配線パターン形成面に配置する。これらの端子パターン(外部端子パターン、ビア端子パターン)は、例えばVSB法で配線領域外に形成される配線パターンにより平行配線パターン36a,36bの端部に接続される。或いは、これらの端子パターンは、平行配線パターン36a,36b内に直接設けられる。
【0055】
コンピュータ28は、配線領域外の配線パターンと平行配線パターン36a,36bの接続点および平行配線パターン36a,36bに直接設けられる端子パターンから、複数の端子パターン56a,56b(以下、検索対象端子点と呼ぶ)を順次選択する。検索対象端子点の選択は、ネットリストに定められた端子間の接続に基づいて行われる。
【0056】
図10では、第1の配線領域38aの左端に配置された第1のトラックパターン44aの一端に設けられた接続点が、第1の検索対象端子点56aとして選択されている。また、図11では、第2の配線領域38bの下端に配置された第2のトラックパターン44bの一端に設けられた接続点が、第2の検索対象端子点56bとして選択されている。
【0057】
検索対象端子の設定工程(S12)については、実施の形態4でより具体的に説明する。
【0058】
―接続経路の探索工程(S14)―
次に、コンピュータ28は、選択された検索対象端子点56a,56bを、トラックパターン44a,44bを通って接続する接続経路60を探索する。この時、コンピュータ28は、接続経路60の一部または全部として、図10及び11に示すように、トラックパターン44a,44bを通る配線経路(配線パターン内経路)54a,54bを生成する。
【0059】
例えば、第1の検索対象端子点56aに接続された第1の配線経路54a(図10)と、第2の検索対象端子点56bに接続された第2の配線経路54b(図11)が生成される。接続経路の探索は、配置配線プログラムが備えている経路探索ツールと略同じ手順で実行される。
【0060】
配線経路を生成する時、コンピュータ28は、異なる配線経路(例えば、第1の配線経路54aと第3の配線経路54c)の経路端部が同じトラックパターン内に配置されないように、配線経路54a,54bを生成する。
【0061】
尚、図10には、参考のため、第2の配線経路54bが破線で示されている。同様に、図11には、第1の配線経路54aが破線で示されている。
【0062】
コンピュータ28は、検索対象端子点を接続する接続経路の探索に成功すると、配線経路の生成工程を終了する(S17)。一方、接続経路の探索に失敗すると、経路未確定フラグをONにして配線データの生成を中止する(S19)。
【0063】
図10及び11に示すように、接続経路60が複数の配線パターン形成面に跨る場合には、コンピュータ28は、第1の配線経路54aの第1の経路端部58aと第2の配線経路54bの第2の経路端部58bを接続する接続ビアパターンを生成する。
【0064】
図12は、接続ビアパターンの配置位置を説明する図である。第1の配線パターン形成面37a及び第2の配線パターン形成面37bは、それぞれ立体配線の下部配線層および上部配線層に対応している。したがって、第1の配線パターン形成面内の位置と第2の配線パターン形成面内の位置は一対一に対応している。
【0065】
各配線パターン形成面内の対応する位置同士が重なるように、第1の配線パターン形成面37aと第2の配線パターン形成面37bを重ねると、第1のトラックパターン44aと第2のトラックパターン44bが交差する複数の格子点62が生成される。第1の経路端部58aと第2の経路端部58bを接続する接続ビアは、これら複数の格子点62のいずれかに配置される。
【0066】
ところで、格子点62は、第1の配線パターン形成面37a、第2の配線パターン形成面37b、および第1の配線パターン形成面37aと第2の配線パターン形成面37bの間に配置されるビアパターン配置面それぞれに存在する。
【0067】
このビアパターン配置面内の格子点に、接続ビアパターンは配置される。格子点に接続ビアが配置されたビアパターン配置面が、ICレイアウトパターンのビア層パターンである。
【0068】
以上の例では、接続経路60は複数の配線経路を有している。しかし、検索対象端子点56a,56bが一つの平行配線パターン上に設けられる場合には、検索対象端子点間の接続経路と配線経路は一致する。
【0069】
―トラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)―
図13及び14は、トラックパターン終端部の切り欠き工程を説明する図である。図13には、経路端部58が配置された基本ブロックパターン40cが示されている。この基本ブロックパターン40cは、図10に示す基本ブロックパターン40Cに対応している。
【0070】
図14には、経路端部58が配置された基本ブロックパターン40dとこの基本ブロックパターン40dに隣接する基本ブロックパターン40eが示されている。図13の基本ブロックパターン40cでは、配線経路54がトラックパターン始端部66aを通っている。一方、図14の基本ブロックパターン40dでは、配線経路54がトラックパターン終端部64bを通っている。図14の基本ブロックパターン40dは、図10の右下端の基本ブロックパターン40Dに対応している。尚、トラックパターン始端部とは、トラックパターンが延在する方向(延在方向)の起点側のトラックパターン端部である。トラックパターン終端部とは、トラックパターンの延在方向の終点側に位置するトラックパターン端部である。
【0071】
コンピュータ28は、図13及び14に示すように、経路端部58が配置されたトラックパターン44c,44dのトラックパターン終端部64a,64bのうちの配線経路54が通らないトラックパターン終端部64aを切り欠く。経路端部58は、例えば図10及び11示す第1の経路端部58aおよび第2の経路端部58bである。配線経路54は、例えば図10及び11示す第1の経路54aおよび第2の54bである。切り欠く部分の幅は、例えば、トラックパターン44cの幅である。
【0072】
或いは、コンピュータ28は、図14に示すように、経路端部58が配置されたトラックパターン44dのトラックパターン始端部66bに連結された隣接トラックパターン44eのトラックパターン終端部のうちの配線経路54が通らないトラックパターン終端部64cを切り欠く。
【0073】
図13及び14には、一方向(例えば、第1の方向50)に延在するトラックパターンに関する切り欠き工程(S6)の説明図である。この一方向とは異なる方向(例えば、第2の方向52)に延在するトラックパターンに対しても、同様の工程が行われる。以下の工程においても、同じである。
【0074】
これらのトラックパターン終端部の切り欠き処理により、配線経路54a,54bが通るトラックパターンは、配線経路54a,54bが通らないトラックパターン(以下、非通トラックパターンと呼ぶ)から分離される。その結果、接続経路60は、非通トラックパターンから分離される。これにより、検索対象端子点56a,56bを接続する配線パターンが生成される。
【0075】
―接続完了判定工程(S8)―
ネットリストには、所定の端子(例えば、セルパターンの外部端子)が接続されるように定められている。コンピュータ28は、この所定の端子が一または複数の配線経路(配線パターン内経路)を介して接続されるように、配線経路の生成工程(S4)およびトラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)を実行する。
【0076】
この際、コンピュータ28は、トラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)が終了するたびに、新たに配線経路54が通ったトラックパターンの占有フラッグをONにする。占有フラッグは、接続経路の探索工程(S14)で接続経路を探索する際に、未使用のトラックパターン(別の配線経路が通っていないトラックパターン)を検出するために用いられる。
【0077】
図5に示すように、コンピュータ28は、ネットリストに定められた未接続の端子があると判断すると、未接続の端子に対して、配線経路の生成工程(S4)およびトラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)を実行する(S8→S4→S6)。一方、コンピュータ28は、ネットリストに定められた所定の端子全てに対する接続が完了したと判断すると、配線パターンデータの生成工程(S10)に進む(S8→S10)。
【0078】
―配線パターンデータの生成工程(S10)―
次に、コンピュータ28は、配線領域内(38a,38b)の各基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子と各基本ブロックパターンの配置位置とを有する配線パターンデータを生成する(S10)。
【0079】
図15は、ブロックパターン識別子を説明する図である。図16は、配線パターンデータ74のデータ構造を示す図である。
【0080】
ブロックパターン・データベース32には、後述する欠きブロックパターン68とそのブロックパターン識別子が、対応付けられて記録されている。更に、ブロックパターン・データベース32(図4参照)には、トラックパターン終端部が切り欠かれていない基本ブロックパターン(図7)とそのブロックパターン識別子が、対応付けられて記録されている。すなわち、ブロックパターン識別子は、互いに異なる複数の切り欠きブロックパターン68およびトラックパターン終端部が切り欠かれていない基本ブロックパターンのいずれかに対応付けられている。
【0081】
切り欠きブロックパターンは、例えば図15(a)〜(c)に示すように、基本ブロックパターン40に含まれるトラックパターン44のトラックパターン終端部64を切り欠いて生成される互いに異なる複数の切りブロックパターンである。
【0082】
尚、図15には、一方向(例えば、第1の方向50)に延在するトラックパターンを有する切り欠きブロックパターンが示されている。この一方向とは異なる方向(例えば、第2の方向52)に延在するトラックパターンを有する切り欠きブロックパターンも、同様に生成される。
【0083】
コンピュータ28は、トラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)後に、ブロックパターン・データベース32から、配線領域38a,38b内の各基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子70を抽出する。この時、各基本ブロックパターンにマッチングする切り欠きパターン68のブロックパターン識別子70が抽出される。次に、コンピュータ28は、抽出したブロックパターン識別子70と基本ブロックパターンの配置位置とを有する配線パターンデータ74を生成する(S10)。
【0084】
尚、基本ブロックパターンの配置位置は、例えば基本ブロックパターンの左下の頂点座標で表される。抽出されるブロックパターン識別子70には、パターン終端部が切り欠かれていない基本ブロックパターンのブロックパターン識別子も含まれる。
【0085】
図16に示す例では、ブロックパターン識別子70と配線領域内の基本ブロックパターンの配置位置72を有するレコードが、第1配線層セル(ディレクトリ)に記録される。
【0086】
更に、コンピュータ28は、接続ビアパターンが格子点に配置されたビアパターン配置面(ビア層パターン)をサブフィールドごとに分割し、分割されたビアパターン配置面のパターン(以下、サブフィールドパターンと呼ぶ)に対応するビアブロックパターン識別子とこのサブフィールドパターンの位置とを有する接続ビアデータを生成する。接続ビアデータについては、実施の形態5で詳しく説明する。
【0087】
配線パターンデータおよび接続ビアデータは、ICレイアウトデータの一部として例えば第1のHDD28dに記録される。ICレイアウトデータには、セルパターンデータも格納される。ICレイアウトデータおよび接続ビアデータについては、実施の形態5で詳しく説明する。
【0088】
ところで、図15に示す切り欠きブロックパターン68に含まれるトラックパターンは、5本である。したがって、図15の切り欠きブロックパターン68には、31通り(=2−1)のバリエーションが存在する。この程度のバリエーションに対zするブロックを、ブロックエリア22(図3参照)を設けることは容易である。
【0089】
トラックパターンの数が増えると、切り欠きブロックパターンのバリエーションも増える。例えば、トラックパターンが12本の場合、切り欠きブロックパターンのバリエーション数は4095通り(=212−1)である。標準的なブロックエリア22に含まるブロック数は4,000程度なので、トラックパターンが12本に増えても切り欠きブロックパターンに対するブロックを全てブロックエリア22に設けることは容易である。
【0090】
そこで、本実施の形態では、切り欠きブロックパターン68と同一形状の開口部を有するブロックをブロックマスクエリア22に設け、各ブロックのブロック識別子として、ブロックパターン識別子70を用いる。
【0091】
すると、配線パターンデータ74が、ブロック識別子とブロックの露光位置を有する露光データになる。従って、配線パターンデータ74を用いて電子ビーム露光を行うとことで、配線領域38a,38b内の配線パターンがレジスト膜14に転写される。同様に、接続ビアデータを露光データとして用いことで、ビア層パターンがレジスト膜14に転写される。
【0092】
このように本実施の形態では、切り欠きブロックパターン68および/または基本ブロックパターン40を一括露光することで、配線パターンをレジスト膜14に転写する。したがって、本実施の形態によれば、配線パターンに対する電子ビーム露光のスループットが高くなる。
【0093】
尚、図10及び11に示す接続経路60は、2つの検索対象端子点を接続する経路である。しかし、接続経路60は、3つ以上の検索対象端子点を接続する経路であってもよい。
【0094】
(実施の形態2)
図17は、本実施の形態の配線データの生成方法のフローチャートである。
【0095】
図17に示すように、本実施の形態の配線データの生成方法は、図5を参照して説明した実施の形態1の「トラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)」と「接続完了判定工程(S8)」の間に、「ダングリング配線長の調整工程(S20)」を有している。そして、「配線パターンデータの生成工程(S10A)」では、ダングリング配線長が調整された配線パターンに対して配線パターンデータが生成される。尚、実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0096】
―ダングリング配線長の調整工程(S20)―
図18は、ダングリング配線長の調整工程(S20)のフローチャートである。図19及び20は、ダングリング配線長の調整工程(S20)を説明するパターン図である。
【0097】
コンピュータ28は、「トラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)」の実行後、図19に示すように、切り欠かれたトラックパターン終端部64aとこのトラックパターン終端部64aに対応する経路端部58との間のダングリング配線長Ld0が許容値(例えば、トラックパターン長の半分)を超えるかを判定する(S22)。ダングリング配線長Ld0の許容値は、トラックパターン終端部で発生する反射波の大きさ等により定められる。
【0098】
ダングリング配線長Ld0が許容値以下の場合、コンピュータ28は、ダングリング配線長の調整工程(S20)を終了する(S26)。ダングリング配線長Ld0が許容値を超える場合には、図20に示すように、トラックパターン終端部64aと経路端部58の間のダングリング配線中間部76を切り欠く(S24)。
【0099】
この時、切り欠かれる部分77と経路端部58の間のダングリング配線長Ld1が許容値以下になるように、ダングリング配線中間部(例えば、トラックパターン44の中央部)76が切り欠かれる。
【0100】
―配線データの生成工程(S10A)―
図21及び22は、配線データの生成工程(S10A)を説明するパターン図である。コンピュータ28は、まず図21に示すように、ダングリング配線中間部76が切り欠かれた基本ブロックパターン40fから切り取り枠78内のパターン(以下、部分ブロックパターンと呼ぶ)を切り取る。
【0101】
図21に示すように、切り取り枠78は、第1の端辺80aと第1の端辺80aに対向する第2の端辺80bとを有している。第1の端辺80aは、基本ブロックパターン40fをその交差方向46(図7参照)に横断し、切り欠かれたダングリング配線中間部76に配線経路54の反対側から接する辺である。第2の端辺80bは、第1の端辺80aに対向し基本ブロックパターン40fに接する辺である。
【0102】
図22(a)には、基本ブロックパターン40fから切り取られた部分ブロックパターン86の一例が示されている。図22(b)には、この部分ブロックパターン86に対応する切り欠きブロックパターン68aが示されている。
【0103】
図22(a)の部分ブロックパターン86は、図22(b)に示す切り欠きブロックパターン68aのブロックパターン終端部64側の領域82(以下、終端部側領域と呼ぶ)にマッチングしている。このように、部分ブロックパターン86は、いずれかの切り欠きブロックパターン68aの終端部側領域82にマッチングする。
【0104】
そこで、「配線データの生成工程(S10A)」では、切り取られた部分ブロックパターン86及びこの部分ブロックパターン86に終端部側領域82がマッチングする切り欠きブロックパターンの双方に対応する部分ブロックパターン識別子を用いて、配線パターンデータを生成する。
【0105】
図23は、本実施の形態の配線パターンデータ74aの一例である。配線パターンデータ74aは、実施の形態1の配線パターンデータ74(図16)と同様に、配線領域38内の基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子70とこの基本ブロックパターンの配置位置72を有している。
【0106】
配線パターンデータ74aは、更に、部分ブロックパターン86に対応する部分ブロックパターン識別子70aと部分ブロックパターン86の配置位置72aとを有している。
【0107】
部分ブロックパターン識別子70aは、部分ブロックパターン86および部分ブロックパターン86に終端部側領域82がマッチングする切り欠きブロックパターンに対応している。例えば、部分ブロックパターン識別子「CP2_HD]は、図22(a)に示す部分ブロックパターン86および図22(b)に示す切り欠きブロックパターン68aに対応している。
【0108】
コンピュータ28は、ブロックパターン・データベース32を検索して、部分ブロックパターン86に終端部側領域82がマッチングする切り欠きブロックパターン68aを検出する。更に、コンピュータ28は、検出した切り欠きブロックパターン68aのブロックパターン識別子CP2を抽出し、抽出したブロックパターン識別子の末尾に付加記号「_HD]を付加する。これにより、部分ブロックパターン識別子が生成される。生成された部分ブロックパターン識別子に対応する切り欠きブロックパターン識別子は、部分ブロックパターン識別子から付加記号「_HD]を削除することで容易に得られる。
【0109】
本実施の形態の配線データを用いる電子ビーム露光では、部分ブロックパターン識別子70aに対応する切り欠きブロックパターン68aに切り取り枠78に対応する矩形ビームが照射されて、部分ブロックパターン86がレジスト膜14に転写される。
【0110】
この時、矩形ビームに照射される領域は、切り欠きブロックパターン68aの終端部側領域82である。同様に、切り取り枠78外の領域84(図21参照)も、切り欠きブロックパターン68aに矩形ビームが照射されることで、レジスト膜14に転写される。
【0111】
図20および21に示す例では、切り取られるダングリング配線中間部76は、トラックパターン44の中央に位置している。しかし、ダングリング配線中間部76の位置は、トラックパターン44の中央に限られない。例えば、ダングリング配線長の許容値がトラックパターン長の1/4の場合には、切り取られるダングリング配線中間部76の位置としては、トラックパターンを4等分する3つの位置が好ましい。
【0112】
このように、切り取られるトラックパターン中間部76は、許容値に応じた所定の位置に設定することが好ましい。このように切り取られるトラックパターン中間部76の位置を限定することで、部分ブロックパターンのバリエーション数が少なくなる。
【0113】
尚、以上の例では、部分ブロックパターン識別子は、切り欠きブロックパターンに直接対応付けられている。しかし、部分ブロックパターン識別子は、例えば部分ブロックパターン識別子とブロックパターン識別子を対応付ける対応表を介して、切り欠きブロックパターンに対応付けられてもよい。
【0114】
(実施の形態3)
本実施の形態の配線データの生成方法は、配線経路の生成工程(S4)およびトラックパターン終端部の切り欠き工程(S6)以外は、図5に示す実施の形態1の配線データの生成方法と略同じである。図24は、本実施の形態の配線経路の生成工程のフローチャートである。
【0115】
図24に示すように、本実施の形態の配線経路の生成工程は、実施の形態1の配線経路の生成工程(図9参照)の「経路探索の成否判定工程(S16)」と「経路未確定フラグON工程(S18)」の間に追加された工程を有している。尚、実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。追加された工程は、図24に示すように、「トラック増設および迂回経路探索工程(S30)」と「経路探索の成否判定工程(S36)」である。
【0116】
―トラック増設および迂回経路探索工程(S30)―
図25は、トラック増設および迂回経路探索工程(S30)のフローチャートである。図26及び27は、トラック増設および迂回経路探索工程(S30)を説明するパターン図である。
【0117】
接続経路の探索(S14)の失敗は、トラックパターンが先に生成された配線経路により使用されている基本ブロックパターンで起きやすい。このよう場合、コンピュータ28は、例えば図26に示すように、トラックパターンが全て使用されている基本ブロックパターン40gに対して、基本ブロックパターン40Aを、例えば半ピッチ(=P/2)ずらして配置する。
【0118】
すなわち、コンピュータ28は、配線経路54が既に通っているトラックパターン(以下、経路トラックパターンと呼ぶ)44fのピッチ(すなわち、トラックパターン44のピッチP)を設計で許される最小ピッチの2倍以上に設定し、その間にトラックパターン(以下、第1の増設トラックパターンと呼ぶ)44hが介在するように、基本ブロックパターン40Aを配置する(S32)。基本ブロックパターン40Aは、トラックパターン終端部が切り欠かれていない基本ブロックパターンである。
【0119】
尚、トラックパターン44fのピッチPが広くなると配線密度が低くなり、集積回路の集積度が低下する。従って、トラックパターン44fのピッチは、設計で許される最小ピッチの4倍以下が好ましい。
【0120】
同様に、コンピュータ28は、経路トラックパターン44fに接するトラックパターン44gの間にもトラックパターン(以下、第2の増設トラックパターンと呼ぶ)44iが介在するように、基本ブロックパターン40Bを配置する(S32)。
【0121】
トラックパターン44gは、例えば、途中まで生成された接続経路側のトラックパターンである。第2のトラックパターン44iは、第1の増設トラックパターン44hに接するトラックパターンである。基本ブロックパターン40Bは、基本ブロックパターン40Aと同様、トラックパターン終端部が切り欠かれていない基本ブロックパターンである。
【0122】
ここで、トラックパターン44fを有するブロックパターン(基本ブロックパターン40g)内のトラックパターンの本数および間隔と、トラックパターン44h、44iを有するブロックパターン(基本ブロックパターン40A,40B)内のトラックパターンの本数および間隔は等しい。したがって、トラックが増設されたレイアウトパターンを基本ブロックパターン40および切り欠きブロックパターン68を用いて描画することが可能であり、ブロックマスクに搭載されるブロックパターンの数を半分に節約することができる。
【0123】
次に、コンピュータ28は、図27に示すように、第1のトラックパターン44hおよび第2のトラックパターン44iを通って、経路トラックパターン44fを迂回する接続経路(以下、迂回経路と呼ぶ)88を探索する(S34)。図27に示す迂回経路88のうちの破線で示された部分は、別の配線パターン形成面(例えば、第2の配線パターン形成面)に設けられた配線経路である。異なる配線パターン形成面に設けられる配線経路の経路端部は、接続ビアパターンにより接続される。
【0124】
経路探索に成功した場合に、経路トラックパターン44fを迂回する迂回経路88が生成される。経路探索に失敗した場合には、経路トラックパターン44fを迂回する迂回経路88が生成されない。
【0125】
コンピュータ28は、接続経路の探索に成功すると、図24に示すように、迂回経路の探索工程を終了する(S36→S17)。迂回経路の探索に失敗すると、コンピュータ28は、経路未確定フラグをONし、配線パターンデータの生成を終了する(S36→S18→S19)。
【0126】
―トラックパターン終端部の切り欠き工程―
コンピュータ28は、実施の形態1で説明したトラック終端部の切り欠き工程(S6)と同様、配線経路54の経路端部58が配置されたトラックパターンまたはその隣接トラックパターンのトラック終端部64a6,4bを切り欠く(図13及び14参照)。更に、コンピュータ28は、迂回経路88が通る第1の増設トラックパターン44Hおよびこの第1の増設トラックパターン44Hに接する第2の増設トラックパターン44Iの終端部のうちの迂回経路88が通らないトラックパターン終端部64dを切り欠く。
【0127】
本実施の形態によれば、トラックパターンが大部分使用されていている領域でも、配線経路が生成される。
【0128】
(実施の形態4)
図28は、本実施の形態の「配線パターンデータの生成方法」を説明するパターン図である。本実施の形態では、実施の形態1の接続完了判定工程(S8)と配線パターンの生成工程(S10)の間に、ダミーパターン配置工程を有している。
【0129】
図28(a)には、「平行配線の生成工程(S2)」〜「接続完了判定工程(S8)」により配線パターン形成面37に生成される配線パターン92の一例が示されている。
【0130】
図28(a)の空白領域(以下、メモリ領域と呼ぶ)94は、メモリのセルパターン(図示せず)が配置された領域である。配線パターン92の外側の領域は、周辺回路のセルパターンが配置される領域である。
【0131】
図28(a)に示すように、配線パターン形成面37には、配線経路が通らない無効領域96が広範囲に亘って発生する場合がある。
【0132】
無効領域96内の配線パターンは、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によるエッチング斑の防止には役立つ。しかし、無効領域内の配線パターンを、サイズが小さい基本ブロックパターンを用いてレジスト膜に転写することは非効率である。
【0133】
そこで、本実施の形態では、基本ブロックパターン40よりサイズが大きいダミーパターンを用いて、無効領域内の配線パターンを生成する。
【0134】
図28(b)に示すように、コンピュータ28は、まず基本ブロックパターン40より広く配線経路が通らない無効領域96内のトラックパターンを削除する。
【0135】
その後、図28(c)に示すように、コンピュータ28は、この無効領域内に基本ブロックパターン40より広いダミーパターン98を配置する。この時、無効領域内になるべく空白領域が生じないようにする。
【0136】
「配線パターンデータの生成工程(S10)」では、コンピュータ28は、実施の形態1と同様に配線データを生成し、更に、ダミーパターン98のパターン識別子とダミーパターン98の配置位置とを有する配線データを生成する。
【0137】
図29は、ダミーパターン98を説明するパターン図である。
【0138】
図29(a)には、ダミーパターン98が示されている。図29(b)には、基本ブロックパターン40が示されている。ダミーパターン98は、図29(a)に示すように、例えば1:1のライン&スペースパターン(すなわち、複数の平行配線パターン)である。
【0139】
基本ブロックパターン40の一辺は、例えば1μmである。一方、ダミーパターン94の一辺は、例えば1.5μmである。この場合、ダミーパターン98の面積(=1.5μm×1.5μm)は、基本ブロックパターン40の面積(=1μm×1μm)の2倍以上である。従って、ダミーパターン98を無効領域96に配置すると、電子ビーム露光の露光回数が半分以下になる。
【0140】
ダミーパターン98のサイズとしては、電子ビーム露光装置2が生成する最大の矩形電子ビームと同じサイズが好ましい。
【0141】
ところで、メモリセルの外部端子パターン(以下、メモリ端子パターンと呼ぶ)は、メモリ領域94に設けられる。配線パターン92内の平行配線パターンとメモリ端子パターンは、VSB法で形成される配線パターンにより接続される。この配線パターンと平行配線パターンの接続点が、検索対象端子点56a,56bとして選択される(図10および11参照)。
【0142】
図30は、論理ゲートの外部端子パターンとトラックパターンの関係を説明する図である。図30には、論理ゲートのセルパターン100(以下、ゲートパターンと呼ぶ)および基本ブロックパターン40が示されている。
【0143】
ゲートパターン100は、配線パターン形成面の下方に設けられるセルパターン配置面に配置される。このため、ゲートパターン100の外部端子パターン(以下、ゲート端子と呼ぶ)102は、図30に示すように、ビアパターン(図示せず)を介してトラックパターン44に接続される。このビアパターンとトラックパターン44の接続点も、検索対象端子点として選択される。ゲート端子パターン102は、トラックパターン44上に直接設けられることもある。この場合は、ゲート端子パターン102が、検索対象端子点として選択される。
【0144】
(実施の形態5)
実施の形態1で説明したように、配線パターンデータの生成工程(S10)では、配線パターンデータおよび接続ビアデータが生成される。しかし、実施の形態1では、接続ビアデータの生成方法については詳しく説明しなかった。本実施の形態では、接続ビアデータの生成方法の一例を詳しく説明する。
【0145】
図31は、接続ビアデータの生成方法を説明するパターン図である。図32は、接続ビアデータ116のデータ構造を示す図である。
【0146】
実施の形態1で説明したように、複数の配線パターン形成面に跨って接続経路が探索されると、接続ビアパターンが生成される。図31に示すように、接続ビアパターン104はビアパターン配置面内の格子点62に配置される。
【0147】
その後、コンピュータ28は、接続ビアパターンがその格子点に配置されたビアパターン配置面106をサブフィールド108ごとに分割する。コンピュータ28は、図32に示すように、分割されたビアパターン配置面のパターン(以下、サブフィールドパターンと呼ぶ)110に対応するビアブロックパターン識別子112およびサブフィールドパターン110の位置114とを有する接続ビアデータ116を生成する。
【0148】
図32に示す接続ビアデータでは、ビアブロックパターン識別子112とサブフィールドパターン110の位置114を有するレコードが、第1ビア層セル(ディレクトリ)に格納される。この接続ビアデータ116および配線パターンデータ74(図16)は、ICレイアウトデータの一部として、例えば第1のHDD28dに記録される。ICレイアウトデータには、セルパターンデータも記録される。セルパターンデータは、セルパターン識別子とセルパターンの配置位置を有するデータである。
【0149】
サブフィールド108としては、基本ブロックパターンより狭い領域が好ましい。例えば、サブフィールド108としては、2〜4本のトラックパターンを囲う程度の領域が好ましい。具体的には、サブフィールドとしては、並列配置された所定数(例えば、1〜6本)のトラックパターン(例えば、第2の方向52に延在するトラックパターン44b)上の格子点を有する領域が好ましい。
【0150】
ビアブロックパターン識別子112は、このようなサブフィールド110内の格子点62にビアパターン104を配置することで生成される互いに異なる複数のビアブロックパターンのいずれかに対応付けられている。
【0151】
ところで、殆どのICレイアウトパターンでは、1トラックパターン当たりのビアパターンの数は高々1つ程度ある。したがって、ビアブロックパターンとしては、1トラックパターンごとに所定数以下(例えば、一つ以下)のビアパターンを有することが好ましい。
【0152】
トラックパターンの長さが一般的なブロックパターンのサイズ(1.0〜1.5μm程度)の範囲内にある場合、回路接続には、1トラックパターン当たり1箇所程度のコンタクトポイントで十分である。このため、1トラックパターン当たりのビアパターンの数を所定数以下にすることで、ビアブロックパターンのバリエーション数を抑制しながらサブフィールドのサイズを大きくすることが可能になる。このため、ビアブロックパターンの種類を増やさずに描画図形数(すなわち、露光回数)を減らすことが可能となる。
【0153】
このようなビアブロックパターンに対して、サブフィールドパターン110が一トラックパターン当たり複数のビアパターンを有する場合がある。この場合、コンピュータ28は、サブフィールドパターンに最もマッチングするビアブロックパターンの識別子をサブフィールドパターン110に対応させる。そして、コンピュータ28は、このビアブロックパターンの識別子とサブフィールドパターン110の位置を有する第1の接続ビアデータを生成する。
【0154】
次に、コンピュータ28は、最もマッチングするビアブロックパターンに含まれないサブフィールド110内の接続ビア(以下、残存ビアパターンと呼ぶ)を単一ビアパターンの識別子に対応させる。コンピュータ28は、単一ビアパターンの識別子と残存ビアパターンの位置を有する第2の接続ビアデータを生成する。
【0155】
サブフィールドパターンは、第1の接続ビアデータおよび第2の接続ビアデータそれぞれに基づく電子ビーム露光により、レジスト膜に転写される。
【0156】
(実施の形態6)
図33及び34は、本実施の形態の配線パターンデータの生成方法を説明するパターン図である。実施の形態1および5と共通する部分については、説明を省略する。
【0157】
実施の形態1乃至5では、単一ビアパターンにより、第1の配線経路54aの経路端部58aと第2の配線経路54bの経路端部58bが接続される。
【0158】
一方、本実施の形態では、二重ビアパターンにより、第1の配線経路と第2の配線経路が接続される。
【0159】
図33に示すように、第1のトラックパターン44aおよび第2のトラックパターン44bの一方118(例えば、第2のトラックパターン)は、格子点62から突出する突出部120を有している。
【0160】
図34に示すように、コンピュータ28は、格子点62とこの格子点62から突出する突出部120に接続ビアパターン104を配置して、第1の配線経路54aの経路端部と第2の配線経路54bの経路端部を接続する。これにより、第1の配線経路54aと第2の配線経路54bが二重ビアパターンにより接続される。
【0161】
尚、図33のトラックパターン118を有する基本ブロックパターンは、格子点62の数から明らかなように、12本のトラックパターンを有している。
【0162】
ところで、実施の形態1乃至6では、コンピュータ28が、配線データの生成方法を実行する。しかし、実施の形態1乃至6で説明した配線データの生成方法の一部または全部は、人間により実行されてもよい。
【0163】
実施の形態1乃至4の基本ブロックパターンは、5本のトラックパターンを有している。しかし、基本ブロックパターンが有するトラックパターンの数は、5つには限らない。基本ブロックパターンが有するトラックパターンの数は、例えば、2〜20本でもよい。
【0164】
実施の形態2乃至6には、実施の形態1の配線データの生成方法に追加することが好まし工程が示されている。これらの工程は、組み合わせてされて実施の形態1の配線データの生成方法に追加されてもよい。
【0165】
従来のEDA(Electronic Design Automation)ツールにより配線パターンがランダムに決められる物理レイアウトパターンを一旦生成し、このレイアウトパターン内に認識される数少ない繰り返し性に基づいてブロックパターンを形成することも考えられる。しかし、ロジック回路のランダムな配線の繰り返し性は極めて薄いので、このようなブロックパターンを用いても殆ど図形圧縮効果は得らない。
【0166】
CP方式の電子ビーム露光法において描画図形数を圧縮するためには、許容される範囲内でなるべくブロックパターンのサイズを大きくし、かつブロックエリア内に設けることのできるブロック数(高々4000程度)の範囲内にブロックパターンの種類数を納めることが好ましい。
【0167】
実施の形態1乃至6によれば、ランダムな配線パターンの描画図形数が大幅に削減でき、電子ビーム露光のスループットを高めることができる。すなわち、実施の形態1乃至6によれば、描画可能な最大電子ビーム(例えば、一辺が1.0〜1.5μm程度の矩形ビーム)に近いサイズを有し且つ必要最小限のブロックパターンによって全ての配線レイアウトパターンが生成されるので、理想に近い図形削減が実現される。
【符号の説明】
【0168】
36・・・平行配線パターン
37・・・配線パターン形成面
38・・・配線領域
40・・・基本ブロックパターン
42・・・一方向
44・・・トラックパターン
46・・・交差方向
50・・・第1の方向
52・・・第2の方向
54a・・・第1の配線経路
54b・・・第2の配線経路
56a,56b・・・検索対象端子点
58,58a,58a・・・経路端部
60・・・接続経路
62・・・格子点
64a,64b・・・トラックパターン終端部
66・・・トラックパターン始端部
68・・・切り欠きブロックパターン
70・・・ブロックパターン識別子
72・・・配置位置
74・・・配線パターンデータ
76・・・ダングリング配線中間部
78・・・切り取り枠
86・・・部分ブロックパターン
98・・・ダミーパターン
106・・・ビアパターン配置面
108・・・サブフィールド
112・・・ビアブロックパターン識別子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延在する複数のトラックパターンが前記一方向に交差する交差方向に所定のピッチで配置された複数の基本ブロックパターンを配線領域内で連結して、トラックパターンが連結された複数の平行配線パターンを生成する平行配線パターン生成工程と、
トラックパターンを通る配線経路を、異なる配線経路の経路端部が同じトラックパターン内に配置されないように生成する配線経路の生成工程と、
前記経路端部が配置されたトラックパターンのトラックパターン終端部および当該トラックパターンのトラックパターン始端部に連結された隣接トラックパターンのトラックパターン終端部のうちの前記配線経路が通らないトラックパターン終端部を切り欠く切り欠き工程と、
前記トラックパターン終端部の切り欠き工程の後に、前記配線領域内の前記基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子と当該基本ブロックパターンの配置位置とを有する配線パターンデータを生成する配線パターンデータの生成工程とを有し、
前記ブロックパターン識別子は、前記基本ブロックパターンに含まれるトラックパターンのトラックパターン終端部を切り欠いて生成される互いに異なる複数の切り欠きブロックパターンおよびトラックパターン終端部が切り欠かれていない前記基本ブロックパターンのいずれかに対応付けられている
配線パターンデータの生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配線パターンデータの生成方法において、
更に、切り欠かれた前記トラックパターン終端部と前記経路端部との間のダングリング配線長が許容値を超える場合に、当該トラックパターン終端部と前記経路端部の間のダングリング配線中間部を切り欠く工程を有し、
前記配線データの生成工程は、更に、前記ダングリング配線中間部が切り欠かれた前記基本ブロックパターンを前記交差方向に横断し前記ダングリング配線中間部に前記配線経路の反対側から接する第1の端辺と前記第1の端辺に対向し当該基本ブロックパターンに接する第2の端辺とを有する切り取り枠内の部分ブロックパターンを当該基本ブロックパターンから切り取り、切り取られた前記部分ブロックパターンに対応する部分ブロックパターン識別子と当該部分ブロックパターンの位置とを有する配線パターンデータを生成し、
前記部分ブロックパターン識別子は、前記部分ブロックパターンに前記トラックパターン終端部側の領域がマッチングする前記切り欠きブロックパターンに対応していることを
特徴とする配線パターンデータの生成方法。
【請求項3】
請求項2に記載の配線パターンデータの生成方法において、
切り取られる前記トラックパターン中間部は、前記許容値に応じた所定の位置にあることを
特徴とする配線パターンデータの生成方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線パターンデータの生成方法において、更に、前記所定のピッチを設計で許される最小ピッチの2倍以上に設定し、
前記配線経路が通っている経路トラックパターンの間および前記経路トラックパターンに接するトラックパターンの間にそれぞれ第1の増設トラックパターンおよび前記第1の増設トラックパターンに接する第2の増設トラックパターンが介在するように、前記基本ブロックパターンを配置する工程と、
前記第1の増設トラックパターンおよび前記第2の増設トラックパターンを通り、前記経路トラックパターンを迂回する迂回経路を生成する工程を有し、
前記切り欠き工程は、更に、前記迂回経路が通る前記第1の増設トラックパターンおよび当該第1の増設トラックパターンに接する前記第2の増設トラックパターンのトラック終端部のうちの前記迂回経路が通らないトラックパターン終端部を切り欠くことを
特徴とする配線パターンデータの生成方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線パターンデータの生成方法において、
更に、前記基本ブロックパターンより広く前記配線経路が通らない無効領域内のトラックパターンを削除し、前記基本ブロックパターンより広いダミーパターンを前記無効領域内に配置するダミーパターン配置工程を有し、
前記配線パターンデータの生成工程では、更に、前記ダミーパターンに対応するブロックパターン識別子と当該ダミーパターの配置位置とを有する配線パターンデータを生成することを
特徴とする配線パターンデータの生成方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配線パターンデータの生成方法において、
前記平行配線パターンの生成工程は、第1の方向に延在する複数の第1のトラックパターンが第2の方向に前記所定のピッチで配置された複数の第1の基本ブロックパターンを第1の配線パターン形成面内の配線領域内で連結して複数の第1の平行配線パターンを生成し、前記第2の方向に延在する複数の第2のトラックパターンが前記第1の方向に前記所定のピッチで配置された複数の第2の基本ブロックパターンを前記第1の配線パターン形成面に積層される第2の配線パターン形成面内の配線領域で連結して複数の第2の平行配線パターンを生成し、
前記配線経路の生成工程は、更に、前記第1のトラックパターンと前記第2のトラックパターンが交差する格子点に接続ビアパターンを配置して、第1のトラックパターンに配置された第1の経路端部と第2のトラックパターンに配置された第2の経路端部を接続し、
前記配線パターンデータの生成工程は、前記接続ビアパターンが前記格子点に配置されたビアパターン配置面をサブフィールドごとに分割し、分割されたビアパターン配置面のサブフィールドパターンに対応するビアブロックパターン識別子と当該サブフィールドパターンの位置とを有する接続ビアデータを生成することを
特徴とする配線データの生成方法。
【請求項7】
請求項6に記載の配線パターンデータの生成方法において、
前記サブフィールドは、並列配置された所定数のトラックパターン上の格子点を有する領域であり、
前記ビアブロックパターン識別子は、前記サブフィールド内の前記格子点にビアパターンを配置することで生成される互いに異なる複数のビアブロックパターンのいずれかに対応付けられていることを
特徴とする配線パターンデータの生成方法。
【請求項8】
請求項7に記載の配線パターンデータの生成方法において、
前記複数のビアブロックパターンは、トラックパターンごとに所定数以下のビアパターンを有することを
特徴とする配線データの生成方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の配線パターンデータの生成方法において、
前記第1のトラックパターンおよび前記第2のトラックパターンの一方は、前記格子点から突出する突出部を有し、
前記配線経路の生成工程は、前記格子点と当該格子点から突出する突出部に接続ビアパターンを配置し、前記第1の経路端部と前記第2の経路端部を接続ビアパターンで接続することを
特徴とする配線データの生成方法。
【請求項10】
配線パターンデータの生成方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記配線パターンデータの生成方法は、
一方向に延在する複数のトラックパターンが前記一方向に交差する交差方向に所定のピッチで配置された複数の基本ブロックパターンを配線領域内で連結して、トラックパターンが連結された複数の平行配線パターンを生成する平行配線パターン生成工程と、
トラックパターンを通る配線経路を、異なる前記配線経路の経路端部が同じトラックパターン内に配置されないように生成する配線経路の生成工程と、
前記経路端部が配置されたトラックパターンのトラックパターン終端部および当該トラックパターンのトラックパターン始端部に連結された隣接トラックパターンのトラックパターン終端部のうちの前記配線経路が通らないトラックパターン終端部を切り欠く切り欠き工程と、
前記トラックパターン終端部の切り欠き工程の後に、前記配線領域内の前記基本ブロックパターンに対応するブロックパターン識別子と当該基本ブロックパターンの配置位置とを有する配線パターンデータを生成する配線パターンデータの生成工程とを有し、
前記ブロックパターン識別子は、前記基本ブロックパターンに含まれるトラックパターンのトラックパターン終端部を切り欠いて生成される互いに異なる複数の切り欠きブロックパターンおよびトラックパターン終端部が切り欠かれていない前記基本ブロックパターンのいずれかに対応付けられている
配線パターンデータ生成方法プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−26245(P2013−26245A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156205(P2011−156205)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】