説明

配線体の配設構造、携帯電話、および配線部品

【課題】 金型を用いることなく、当該筐体内に配線しながら、防水性付与が可能な、配線体の配設構造、それを用いた携帯電話、および配線部品を提供する。
【解決手段】 熱収縮チューブ5と、筐体41,43に設けられた凸状部41d,43dの配線体挿入口41h、43hとを備え、フレキシブルプリント配線板3は、熱収縮チューブ5および配線体挿入口41h,43hを通るように位置し、熱収縮チューブは配線体挿入口の凸状部分41d,43dに収縮して密着し、その間の熱収縮チューブ部分は、配線体に対して中を通させながら非密着状態にあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線体の配設構造、携帯電話、および配線部品に関し、より具体的には、フレキシブルプリント回路基板(フレキシブルプリント配線板)等を携帯電話等の筐体の防水性を害さないように設けることができる配線体の配設構造、それを用いた携帯電話、および配線部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノート型パソコン等は、ヒンジで連結された2つの筐体間にフレキシブルプリント配線板等の配線体を架け渡す構造が用いられる。近年、これら電子機器に防水性が求められる趨勢にあるが、とくに携帯電話は、プールやバスルーム等での使用機会が増えるに伴い、2つの筐体がともに防水性を備えることが必要とされる。この目的のために、フレキシブルプリント配線板等にシール部を射出成形によって熱圧着しながら形成し、各筐体の挿入口に水密に嵌め合わせるフレキシブルプリント配線板一体型ガスケットが提案されている(特許文献1)。また、筐体間を電気接続するフレキシブルプリント配線板のための挿入口部分、および当該筐体を構成する上/下ケース間の部分に、一体型パッキンを配設する提案もなされている(特許文献2)。この構造の場合、挿入口部分に、2つの半割状パッキン収納部を設け、それぞれに収納された半割パッキンが、挿入されたフレキシブルプリント配線板を上下から挟んで水密性を保つ。上記の構造によって、携帯電話等の防水性を得ることができる。
【特許文献1】実用新案登録第3127071号公報
【特許文献2】特開2005−32752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のシール部またはパッキン部分は、しかしながら、水密性を保持するため、いずれも金型を用いた精密加工が必要である。携帯電話は季節ごとにモデル変更を行うことが多く、金型の変更も頻繁に行われる。このため、一つの金型による製造個数は十分多くなく、製造コストに占める金型費用の比率が高くなる傾向にある。このため、金型を用いることなく、十分な防水性を得ることができる、配線体の配設構造の開発が要求されている。また、2つの筐体間に限らず、一般に、1つの筐体内の電子部品に筐体外からフレキシブルプリント配線板等の配線体によって信号を伝達する場合に、当然、防水性を求められる。このような1つの筐体内に配線する場合にも、金型を用いないで、配線体の配設構造を設けることが要求される。本発明は、金型を用いることなく、当該筐体内へと配線しながら防水性付与が可能な、配線体の配設構造、それを用いた携帯電話、および配線部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の配線体の配設構造は、防水性を保持しながら筐体に配線体を挿入するために設けられる。この配線体の配設構造は、配線体と、筐体と、熱収縮チューブと、該筐体に設けられた凸状の配線体挿入口とを備える。配線体は、熱収縮チューブおよび配線体挿入口を通っており、熱収縮チューブの一端側は配線体挿入口の凸状部分に収縮して密着し、熱収縮チューブの他端側が、いずれかの部材に、防水性を保持するように収縮して密着していて、熱収縮チューブの一端側および他端側の間の熱収縮チューブ部分は、配線体に中を通させながら該配線体に対して非密着状態にあることを特徴とする。
【0005】
上記の構成によれば、金型を用いることなく、熱収縮チューブによって筐体挿入口(一端側)と、いずれかの部材(他端側)とをカバーすることで、防水性を確保することができる。凸状の配線体挿入口は、筐体の製造側による筐体製造の簡単な修正で実現することができる。また、熱収縮チューブは、凸状の配線体挿入口のサイズやいずれかの部材のサイズ等に合わせて、径および肉厚について多くのサイズが用意されている中から適切なものを選ぶことができる。熱収縮を行う温度、耐熱性など、材質的にも多くの仕様が、市販されている。このため、とくに精密加工が必要なパッキンなどを用いることなく、確実な防水性を得ることができる。
また、上記の熱収縮チューブの一端側および他端側の間の熱収縮チューブ部分を、配線体に対して非密着状態にするので、配線体に対する拘束を小さくでき、配線体の弾性、柔軟性を生かして、組み立て時の配設作業などを容易化することができる。さらに、2つの筐体を連結するヒンジなどの動きに対して障害を生じにくくすることができる。
この配設構造は、部品コスト自体において経済性が優れているだけでなく、携帯電話等の電子部品に組み立てる組み立て工数などについても経済性に優れている。なお、密着するとは、収縮力に駆動されて相手部材に押し付けられることをいっており、相手部材との間に、接着剤や、その他のものが介在してもよい。また、凸状の配線体挿入口については、筐体に設けられた配線体挿入口が凸状部をもつ構造が一般的である。すなわち、筐体壁の貫通孔(挿入口)と共通に円筒部(凸状部)などが突き出している構造が一般的である。
【0006】
上記の筐体と異なる他の筐体を備え、該他の筐体は凸状の配線体挿入口を有し、前記配線体はその配線体挿入口を通っており、熱収縮チューブの他端側が、他の筐体の配線体挿入口の凸状部分に収縮して密着しており、配線体と熱収縮チューブとが密着している部分はない構造をとることができる。これによって、2つの筐体内に位置する電子部品どうしを、防水性を確保しながら配線体で電気的に接続することができる。
【0007】
上記の熱収縮チューブの端部が密着する相手部材の部分と、当該熱収縮チューブの端部とを接着剤で接着することができる。これによって、より確実に熱収縮チューブと、筐体または配線体との密着性または防水性を高めることができる。また、不測の事態での熱収縮チューブと相手部との脱離を防止することができる。ここで、熱収縮チューブの端部が密着する相手部材とは、筐体の挿入口の凸状部、および/または、配線体をさす。
【0008】
上記の熱収縮チューブの端部が密着する相手部材の面、および/または、その熱収縮チューブの当該密着面に、凹凸部を設けてもよい。これによって、簡単な構造で、防水性を高め、熱収縮チューブを凸状部と脱離しにくくすることができる。また接着剤を用いる場合には、凹凸部は接着剤の滞留部または停留部として機能して、接着剤を配置することが容易となる。凹凸部は、凸状部外周を周回するように配置される場合が多い。
【0009】
本発明の携帯電話は、上記のいずれか1つの配線体の配設構造を備えることを特徴とする。これによって、入手容易で安価な部品を用いて、防水性に優れた携帯電話を得ることができる。
【0010】
本発明の他の配線部品は、配線体と熱収縮チューブとを備え、配線体は熱収縮チューブを通り抜ける長さを有する。そして、熱収縮チューブでは、両端の部分の内径が、該両端の間の部分の内径よりも大きく、配線体と熱収縮チューブとが密着している部分はないことを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、架設された2つの筐体間に熱収縮チューブ内を、配線体が通り抜けている。配線体は、熱収縮チューブによってゆるい拘束を受けるだけで、その弾性、柔軟性を、組み立て作業時、および組み立て後の筐体の開閉時に、生かすことができる。組み立てサイドでは、2つの筐体の配線体挿入口の凸状部に対して熱収縮作業を行ない、配線体は、上述のように、可動なので、コネクタを用いた電気的接続の作業などを容易化することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、金型を用いることなく、当該筐体内へと配線しながら防水性付与が可能な、配線体の配設構造、それを用いた携帯電話、および配線部品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態における携帯電話50を示す図である。また図2は、携帯電話50の断面図である。図1において、携帯電話50は、入力部54と、その入力部54とヒンジ42を介在させて接続されている表示部53とを備える。入力部54と表示部53とは、ヒンジ42を軸として回転することにより開閉可能となっている。表示部53にはLCD(Liquid Crystal Display)を用いた表示画面56が設けられている。表示部53の表示画面56より上方(ヒンジ42から遠ざかる方向)にスピーカ58が設けられている。入力部54には、電話番号やアルファベットなどの記号を入力するための入力キー(以下、単に「キー」と記す)57が複数個配置されている。また、入力部54から見て、ヒンジ42と反対側の端にマイク59が配置されている。
【0014】
この携帯電話50には、入力部54に位置する第1の筐体41と、表示部53に位置する第2の筐体43とが設けられ、両者の間にヒンジ部42を備える。図2に示すように、第1の筐体41には、携帯電話の入力キー基板31が収納され、また第2の筐体43には、表示部基板32が収納されている。入力キー基板31において入力された情報は、フレキシブルプリント配線板3を経て、表示部基板32に届けられる。フレキシブルプリント配線板3の配線部3bは、長くしてヒンジの軸42aを回って、第1および第2の筐体41,43に配置するのがよい。第1の筐体41の入力キー基板31が収納されている空間は、凸状部41dに設けられたフレキシブルプリント配線板挿入口41h以外の部分は、実質的に封鎖されている。また、第2の筐体43の表示部基板32が収納されている空間は、凸状部43dに設けられたフレキシブルプリント配線板挿入口43h以外の部分は、実質的に封鎖されている。図2において、第1の筐体41のフレキシブルプリント配線板挿入口41hは、フレキシブルプリント配線板3が通り抜けており、熱収縮チューブ5の挿入口部分5aが密着している。フレキシブルプリント配線板3の第1の筐体41内の端は、電極部3aを経て、コネクタ21に接続されている。また、フレキシブルプリント配線板3の第2の筐体43内の端は、電極部3aを経て、コネクタ22に接続されている。
【0015】
第2の筐体43のフレキシブルプリント配線板挿入口43hは、熱収縮チューブ5の挿入口部分5aに密着されている。第1の筐体41と第2の筐体43との間のフレキシブルプリント配線板3は、熱収縮チューブ5の中を、非密着状態で通っている。これによって、ともに挿入口41hおよび43hの箇所以外は実質的に封鎖された2つの筐体41,43は、挿入口41h,43hにおいて防水性の配線体の配設構造を設けられ、配線3によって連絡される。この結果、携帯電話50を風呂やプール中で、使用することが可能になる。
これによって、部品点数を増やすことなく、防水性を確保しながら配線体を配設することができる。とくに、熱収縮チューブ5のみを用いるので、金型を用いる必要がない。このため、モデルのバージョンアップを頻繁に繰り返す携帯電話に対して、素早く対応することができ、かつ安価な防水構造の提供が可能になる。本実施の形態における配線体の配設構造は、上記のように携帯電話への用途が重要であるが、携帯電話に限定されず、他の電気製品に用いることができる。
【0016】
図2によれば、第1および第2の筐体41,43、およびその間にヒンジ42が配置されている。本実施の形態では、熱収縮チューブ5が、第1の筐体41の挿入口41hから第2の筐体43の挿入口43hまで、連続して配置されている点に特徴を有する。熱収縮チューブ5の両端に位置する挿入口の凸状部41d,43dに対応する部分5a(以下、挿入口部分5aと記す)は、ともに、第1および第2の筐体41,43の挿入口41h,43hの凸状部41d,43dの外周面に、密着している。熱収縮チューブ5の配線部分5bは、フレキシブルプリント配線板3の配線部3bに密着せず、非密着状態で小さい隙間をもつようにする。これによって、配線体3,5の剛性等を高めず、柔軟に変形させることができる。フレキシブルプリント配線板の配線部3bおよび熱収縮チューブの配線部分5bは、太めになり、ヒンジの軸42aを周回させることは得策ではなく、図2に示すように、長さに余裕を持たせて、両方の筐体41,43の間に配設するのがよい。
【0017】
図3は、図2の第1の筐体41の挿入口41hの凸状部41dの付近の拡大図である。筐体41の挿入口41hの凸状部41dの外周面に、凹凸部41tを周回させてもよい。この周回する凹凸部41tの頂部(単数でも複数でもよい)と、熱収縮チューブ5の挿入口部分5aとの防水性または水密性を高めることができる。凹凸部41tは、1つの周回する凸部または頂部で形成されてもよい。筐体41の凸状部41dの外周面に凹凸部41tを設けてもよいが、熱収縮チューブ5の内面に微細な凹凸を設けて、筐体の凸状部41dの外周面との摩擦力を高めてもよい。
【0018】
図3に示すように、熱収縮チューブ5は、接着剤7を内表面に塗布されたり、または接着剤7を内層剤として複層構成されていてもよい。また、熱収縮チューブ5に配置するのではなく、密着の相手方の筐体41の側に塗布してもよい。接着剤7は、水密性を保持できれば、どのようなものでもよいが、熱収縮チューブ5の内面に配置する場合は、熱収縮させる際に接着させることから撥水性のホットメルト接着剤を用いるのがよい。たとえば、筐体41と、熱収縮チューブ5とが密着する部分に、接着剤7を配置して接着することができる。ここで、熱接着チューブ5の内面には凹凸部を設けて、接着剤が停留または滞留しやすくすることができる。また、たとえば、筐体41の凸状部41dの外周面およびフレキシブルプリント配線板の配線部3bと、熱収縮チューブ5の内面との間に接着剤7を配置して接着することもできる。この場合、熱収縮チューブ5の内面に凹凸部を設けて、接着剤の停留性をよくするのがよい。撥水性の接着剤の停留性の向上によって、フレキシブルプリント配線板の配設構造の防水性をより向上することができる。
【0019】
図4は、図2に用いる配線部品20を示す図である。熱収縮チューブ5の配線部分5bは、フレキシブルプリント配線板の配線部3bに対して非密着であり、隙間があり、ゆるく拘束する程度である。熱収縮チューブ5の挿入口部分5aは、筐体の挿入口の凸状部41d,43dを含む径となるようにする。図4に示すフレキシブルプリント配線板3は、配線部3bが紙片程度の厚みをもつ板状であるが、配線を束ねて丸断面とした配線体であってもよい。図5は、多数の配線を結束した丸断面の配線体3を用いた配線部品20を示す図である。熱収縮チューブ5の配線部分5bは、図4と同様に、配線体3の配線部3bに非密着であり、隙間がある。このような配線体と熱収縮チューブとの間に隙間をもつ構造は、配線体3が丸断面をもつ場合、無駄な空間をもたないという点で有利である。配線体3の配線の電極部3aは、プリント回路基板を接続して形成するのがよい。
【0020】
(熱収縮チューブ):熱収縮チューブ5は、押出成形等によって製造した合成樹脂製のチューブを、熱収縮性を付与するために電子線照射によって架橋処理した後、加熱下で径方向に拡大させ、ついで拡径状態のまま急冷することによって製造される。架橋処理は、上述のように、電子線照射以外に、化学架橋、水架橋などを用いることができる。上記の合成樹脂には、耐水性、絶縁性などが要求されるため、ポリオレフィン系樹脂が好適に使用される。ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等をあげることができる。このほか、上記のポリオレフィン系樹脂に柔軟性を付与するためにα−オレフィン以外の他のモノマーを導入することもできる。エチレン-プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の共重合体も好適に使用することができる。
熱収縮チューブの寸法について説明する。熱収縮前、すなわち拡径ままの状態で、公称内径5mmの場合、通常、正確には内径は5mmを少し超えており、たとえば5.60±0.30の範囲にある。そして、収縮後には、たとえば内径2.90mmレベルに収縮する。肉厚については、収縮前に公称0.20mmの場合、収縮後0.4mm±010mmに厚くなる。
熱収縮チューブは、住友電工ファインポリマー株式会社のスミチューブ(登録商標)などの市販品を用いることができる。
(接着剤):筐体には、マグネシウム合金、アルミニウム合金、チタン合金の軽量金属や、それら軽量金属に樹脂コートしたもの、とくにフッ素樹脂コートしたものが用いられる。またフレキシブルプリント配線板等には絶縁樹脂が被覆される。接着剤には、これら筐体および絶縁樹脂に、接着するものであれば、何でもよい。
【0021】
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、モデルのバージョンアップを頻繁に行う携帯電話等の分野において、金型を用いることなく防水性の配線体の配設構造を、迅速に、かつ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態におけるフレキシブルプリント配線板の配設構造を含む携帯電話を示す斜視図である。
【図2】フレキシブルプリント配線板の配設構造を備える携帯電話機を示す断面図である。
【図3】図2のフレキシブルプリント配線板の配設構造の部分拡大図である。
【図4】フレキシブルプリント配線板を含む配線部品を示す図である。
【図5】フレキシブルプリント配線板を含む他の配線部品を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
3 配線体(フレキシブルプリント配線板)、3a 電極部(プリント回路基板)、3b 配線部(配線)、5 熱収縮チューブ、5a 熱収縮チューブの挿入口部分、5b 熱収縮チューブの配線部分、7 接着剤、10 配線体の配設構造、20 配線部品、21,22 コネクタ、31 入力キー基板、32 表示部基板、41 第1の筐体、41d 凸状部、41h 配線体挿入口、41t 凹凸部、42 ヒンジ、42a ヒンジ軸、43 第2の筐体、43d 凸状部、43h 配線体挿入口、43t 凹凸部、50 携帯電話(機)、53 表示部、54 入力部、56 表示画面、57 キー、58 スピーカ、59 マイク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水性を保持しながら筐体に配線体を挿入するために設けられる配線体の配設構造であって、
配線体と、
筐体と、
熱収縮チューブと、
前記筐体に設けられた凸状の配線体挿入口とを備え、
前記配線体は、前記熱収縮チューブおよび前記配線体挿入口を通っており、
前記熱収縮チューブの一端側は前記配線体挿入口の凸状部分に収縮して密着し、
前記熱収縮チューブの他端側が、いずれかの部材に、防水性を保持するように収縮して密着していて、
前記熱収縮チューブの前記一端側および他端側の間の熱収縮チューブ部分は、前記配線体に中を通させながら該配線体に対して非密着状態にあることを特徴とする、配線体の配設構造。
【請求項2】
前記筐体と異なる他の筐体を備え、該他の筐体は凸状の配線体挿入口を有し、前記配線体はその配線体挿入口を通っており、前記熱収縮チューブの他端側が、前記他の筐体の配線体挿入口の凸状部分に収縮して密着しており、前記配線体と熱収縮チューブとは密着している部分がないことを特徴とする、請求項1に記載の配線体の配設構造。
【請求項3】
前記熱収縮チューブの端部が密着する相手部材の部分と、当該熱収縮チューブの端部とが接着剤で接着されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線体の配設構造。
【請求項4】
前記熱収縮チューブの端部が密着する相手部材の面、および/または、その熱収縮チューブの当該密着面に、凹凸部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の配線体の配設構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の配線体の配設構造を備えることを特徴とする、携帯電話。
【請求項6】
配線体と熱収縮チューブとを備える配線部品であって、
前記配線体は前記熱収縮チューブを通り抜ける長さを有し、
前記熱収縮チューブでは、両端の部分の内径が、該両端の間の部分の内径よりも大きく、
前記配線体と熱収縮チューブとは密着している部分がないことを特徴とする、配線部品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−165001(P2012−165001A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−91151(P2012−91151)
【出願日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【分割の表示】特願2008−173715(P2008−173715)の分割
【原出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】