説明

配線基板およびその製造方法、並びに電子機器

【課題】転写対象となる駆動回路素子に作用する圧力を均一にすることができ、信頼性のある配線基板を製造することができる配線基板の製造方法、並びに当該配線基板を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る配線基板は、基板に形成され、複数の画素を備える画素領域101と、基板上において画素領域101の周囲の一部に配置され、各画素を駆動する駆動回路素子15と、基板上における画素領域101の周囲であって、駆動回路素子15が配置された領域以外の領域の一部に配置されたダミー素子15Dとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の製造方法および電子機器に関し、特に、画素領域の周囲の駆動領域に駆動回路素子を備える配線基板の製造方法、および当該配線基板を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自由に折り曲げられる電子機器が注目されている。例えば、フレキシブルディスプレイは、持ち運びの軽さ、衝撃の吸収性、手になじむ柔軟性などユビキタス社会の一役を担う電子機器となりうる。
【0003】
フレキシブルディスプレイの製造方法として、他の基板(転写元基板)に予め薄膜トランジスタ(TFT)等を用いて回路素子を複数形成しておき、可撓性基板と転写元基板を対向配置し、基板間に圧力をかけることにより、複数の当該回路素子を可撓性基板上に一度に転写する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
回路素子は、例えば、フェースダウン(基板側に端子を向けること)で異方性導電接着剤を介して可撓性基板上に固定される。異方性導電接着剤は、接着剤(バインダ)中に導電性粒子が分散されており、回路素子に圧力をかけて、バインダを押し広げ、回路素子と可撓性基板の電極間に導電性粒子を少なくとも1個以上挟みこむことで、回路素子の電気的導通および機械的接合が得られる。したがって、複数の回路素子を一度に転写する場合には、全ての回路素子に対して均一に所望の圧力をかける必要がある。
【特許文献1】特開2003−297974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば画素領域の周囲の駆動領域に配置される駆動回路素子を一度に転写する場合、駆動領域に駆動回路素子が偏って配置されていると、駆動回路素子間において圧力が不均一となる。この結果、圧力が不足している箇所の駆動回路素子において、電気的導通が得られないという問題があった。
【0006】
異方性導電接着剤を用いない場合、例えば、駆動回路素子の端子と基板上の配線を直接接続するような場合や、接着剤を介してフェースアップで駆動回路素子を基板上に固定する場合であっても、駆動回路素子の電気的導通あるいは機械的接合を得るため均一に圧力をかけることは重要である。
【0007】
本発明の目的は、転写対象となる駆動回路素子に作用する圧力を均一にすることができ、信頼性のある配線基板を製造することができる配線基板の製造方法、並びに当該配線基板を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る配線基板は、基板上に、複数の画素を備える画素領域と、前記画素領域に隣接する駆動領域と、を有し、前記駆動領域に配置され、前記複数の画素を駆動する駆動回路素子と、前記駆動領域であって、前記駆動回路素子が配置された領域以外の領域の一部に配置されたダミー素子と、を有する。
【0009】
これによれば、画素領域の周囲の駆動領域の一部であって、駆動回路素子が配置された領域以外の領域にダミー素子が配置されていることから、駆動領域に偏って駆動回路素子が配置されていた場合においても、駆動領域に均一に素子(駆動回路素子およびダミー素子)を配置することができる。この結果、基板にこれらの素子を転写する際に、全ての駆動回路素子に均一な圧力をかけることができる。なお、ダミー素子とは、画素の駆動に寄与しない素子であり、回路を内蔵していてもしていなくてもよい。
【0010】
前記駆動回路素子は、前記駆動回路素子の端子を前記基板に向けて配置されており、前記基板上の配線と前記端子とが電気的に接続されている。これにより、駆動回路素子の端子と、基板上の配線との電気的接続が得られる。
【0011】
前記駆動回路素子と前記基板との間に、前記端子と前記配線とを電気的に接続し、かつ、前記駆動回路素子と前記基板とを接着する導電接着剤が形成されている。これにより、駆動回路素子の電気的接続および機械的接合が得られる。
【0012】
また、本発明に係る配線基板は、複数の第1配線と、複数の第2配線と、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との交差に対応して形成される複数の画素と、前記複数の第1配線の一端側に配置された複数の第1駆動回路素子と、前記複数の第1配線の他端側に配置された複数の第1ダミー素子と、前記複数の第2配線の一端側に配置された複数の第2駆動回路素子と、前記複数の第2配線の他端側に配置された複数の第2ダミー素子と、を有するものでもよい。
【0013】
また、本発明に係る配線基板は、複数の第1配線と、複数の第2配線と、前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との交差に対応して形成される複数の画素と、前記複数の第1配線の一端側に配置された複数の第1駆動回路素子と、前記複数の第1配線の他端側に配置された複数の第2駆動回路素子と、前記複数の第1駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第1ダミー素子と、前記複数の第2駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第2ダミー素子と、を有するものでもよい。
【0014】
上記の配線基板において、前記複数の第2配線の一端側に配置された複数の第3駆動回路素子と、前記複数の第2配線の他端側に配置された複数の第4駆動回路素子と、前記複数の第3駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第3ダミー素子と、前記複数の第4駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第4ダミー素子と、をさらに有することが好ましい。
【0015】
上記の配線基板において、前記複数の駆動回路素子が前記複数のダミー素子を介して繋がって形成されていることが好ましい。これにより、当該駆動回路素子およびダミー素子を転写する際の効率が向上する。
【0016】
本発明に係る配線基板の製造方法は、画素領域を有する第1基板と、前記画素領域に対応する領域を取り囲むように駆動回路素子およびダミー素子が複数形成された第2基板とを、前記駆動回路素子および前記ダミー素子を介在させた状態で対向配置させる工程と、前記第1基板および前記第2基板間に圧力をかけて、前記第1基板の前記画素領域の周囲に前記駆動回路素子および前記ダミー素子を転写する工程と、を有する。
【0017】
これによれば、第2基板側に駆動回路素子およびダミー素子を形成することにより、第1基板および第2基板間に圧力をかけた状態において、画素領域を取り囲むように駆動回路素子およびダミー素子が介在することから、画素領域を中心とした素子(駆動回路素子およびダミー素子)の偏りを解消することができ、駆動回路素子に均一に圧力をかけることができる。
【0018】
上記配線基板の製造方法において、前記画素領域に対応する領域を取り囲むように複数の前記駆動回路素子および前記ダミー素子が繋がって形成されている前記第2基板を対向配置させることが好ましい。転写すべき駆動回路素子およびダミー素子が繋がっていることにより、アライメント等を簡略化でき、効率的な転写が可能となる。
【0019】
本発明に係る配線基板の製造方法は、第1基板の画素領域の周囲の一部にダミー素子を形成する工程と、前記第1基板と、前記画素領域に対応する領域の周囲の一部であって前記ダミー素子と重ならない領域に前記駆動回路素子が複数形成された第2基板とを、前記ダミー素子および前記駆動回路素子を介在させた状態で対向配置させる工程と、前記第1基板および前記第2基板間に圧力をかけて、前記第1基板に前記駆動回路素子を転写する工程と、を有する。
【0020】
これによれば、第1基板側にダミー素子を形成しておくことにより、第1基板および第2基板間に圧力をかけた状態において、画素領域を取り囲むように駆動回路素子およびダミー素子が介在することから、画素領域を中心とした素子(駆動回路素子およびダミー素子)の偏りを解消することができ、駆動回路素子に均一に圧力をかけることができる。
【0021】
本発明に係る電子機器は、上述した配線基板を備える。これにより、信頼性のある配線基板が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る配線基板の要部平面図である。
図1に示すように、配線基板10は、アクティブマトリクス回路が形成された画素領域101と、画素領域101の周囲の駆動領域に配置され、各画素1を駆動する駆動回路素子15X,15Y(以下「駆動回路素子15」と総称する。)と、画素領域101の周囲の駆動領域であって、駆動回路素子15が配置された領域以外の領域に配置されたダミー素子15Dとを有する。
【0023】
画素領域101は、平面形状が四角形となっている。本願明細書において、画素領域とは、アクティブマトリクス回路等が形成されるべき領域をいう。したがって、画素領域101とは、アクティブマトリクス回路等が形成される前であって、後にアクティブマトリクス回路等が形成されることとなる領域をも意味する。各画素1には、後述するように、例えばスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)と、画素電極等が形成されている。画素領域101における薄膜トランジスタは、例えば、活性層として有機半導体層が用いられる。
【0024】
駆動回路素子15は、薄膜トランジスタのゲートのオン、オフを制御する垂直駆動回路素子15Xと、薄膜トランジスタのソースにデータを供給する水平駆動回路素子15Yとに大別される。駆動回路素子15は、薄膜トランジスタ、例えば活性層としてポリシリコンを用いたポリシリコンTFTにより形成される。駆動回路素子15は、画素領域101の周囲の一部に配置されている。本実施形態では、画素領域101の一辺にのみ垂直駆動回路素子15Xが配置され、画素領域101の他の一辺にのみ水平駆動回路素子15Yが配置されている。駆動回路素子15は、配線13を介して各画素1に電気的に接続されている。また、駆動回路素子15は、バスライン13aを介して不図示の他の素子に接続されている。
【0025】
なお、各画素1は、複数の第1配線と複数の第2配線との交点に応じて形成されている。第1配線とは、例えば薄膜トランジスタのゲートに電圧を供給するゲート線であり、第2配線とは、例えば薄膜トランジスタのソースにデータを供給するデータ線である。走査線は垂直駆動回路素子15Xに、データ線は水平駆動回路素子15Yに、それぞれ駆動されている。
【0026】
ダミー素子15Dは、画素領域101の周囲の駆動領域であって駆動回路素子15が配置されていない領域の一部、本例では、駆動回路素子15の2辺に沿って配置されている。画素領域101の周囲の駆動領域に駆動回路素子15およびダミー素子15Dを均一に、例えば占有面積のバランスよく配置することが好ましい。ダミー素子15Dは、機械的特性、例えば、厚み、形状、弾性が駆動回路素子15と一致または近似していればよい。ダミー素子15Dは、駆動回路素子15と同じ回路を内臓していてもよく、または、回路を内蔵していなくてもよい。ダミー素子15Dは、画素1の駆動に寄与しないものであるため、駆動回路素子15と画素1とは電気的に接続されていない。
【0027】
図2は、配線基板10の要部断面図である。
図2に示すように、配線基板10は、可撓性基板11上に、上述した駆動回路素子15、ダミー素子15D、およびアクティブマトリクス回路18を有する。以下、各部の詳細について説明する。
【0028】
可撓性基板11は、本発明の基板の一例であり、例えば樹脂または金属からなる。樹脂としては、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリレート樹脂等が挙げられるが、特に限定はない。ただし、本発明の基板は、可撓性を有していなくてもよい。
【0029】
配線13は、可撓性基板11上に形成されており、駆動回路素子15およびアクティブマトリクス回路18を電気的に接続している。配線13は、金属材料、例えば、Au、Ta、Cu、Ti、Ni、Agなどの単層膜または多層膜により形成されている。
【0030】
駆動回路素子15は、その端子17を可撓性基板11側に向けて実装されており、異方性導電接着剤14を介して配線13に電気的に接続されている。なお、接着機能と導電性を兼ね備えるものであれば、異方性導電接着剤以外の導電接着剤を用いてもよい。駆動回路素子15は、薄膜トランジスタ16により所望の回路が形成されている。図2では、1つの薄膜トランジスタ16のみを図解しているが、駆動回路素子15は、複数の薄膜トランジスタ16を内蔵している。
【0031】
図2では、ダミー素子15Dは、駆動回路素子15と同様の構造をもつ例を示している。ダミー素子15Dと、可撓性基板11との間には、異方性導電接着剤14が形成されている。ダミー素子15Dの領域には、配線13が形成されておらず、アクティブマトリクス回路18とダミー素子15Dとは電気的に接続されていない。なお、ダミー素子15Dと駆動回路素子15の高さをさらに同じにするため、ダミー素子15Dの領域に、アクティブマトリクス回路18に接続しない配線を配置してもよい。
【0032】
図3は、駆動回路素子15と可撓性基板11の間の領域における拡大断面図である。
図3に示すように、異方性導電接着剤14は、主に導電性粒子14aと接着剤(バインダ)14bから構成されており、前者は対向する電極同士(本例では、端子17と配線13)を電気的に導通させるもの、後者は、接続部を機械的に固定するための役割を担う。
【0033】
導電性粒子14aには、電気的導通だけでなく、隣接する電極間に接触しない形状および適度な分散率が要求される。導電性粒子14aは、金属核(ニッケル(Ni)単体や金メッキ処理をおこなったNi)と樹脂核(スチレン、アクリルおよび酸化チタン等)に金メッキ処理したもの、さらには、これら粒子の上に熱や圧力で破壊、溶融する絶縁皮膜を有したもの等様々な種類がある。形状は、球形に近いものが選択され、使用される製品に合わせて、数μmから数十μmまでの粒径の材料が用いられている。また、バインダ14bには、合成ゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が用いられる。
【0034】
接続原理は、ある一定時間、熱と圧力を加えること(熱圧着加工)で、バインダ14bを押し広げ、対向電極間(本例では端子17と配線13間)に導電性粒子を少なくとも1個以上挟みこむことで、圧着部における厚み方向に対しては導電性、一方、面方向に対しては絶縁性という電気的異方性が得られる。
【0035】
以上のように、可撓性基板11上に駆動回路素子15が実装されて、配線基板10が構成されている。なお、図1では、可撓性基板11上に駆動回路素子15およびダミー素子15Dのみが実装されている例を示しているが、他の素子が実装されていてもよい。
【0036】
上記の本実施形態では、異方性導電接着剤14を介して端子17と配線13とを電気的に接続する例について説明したが、はんだバンプなどにより端子17を形成し、端子17と配線13とを直接接続してもよい。また、駆動回路素子15の端子17を、可撓性基板11側に向けて実装されている例を説明したが、可撓性基板11とは反対側に端子17を向けて駆動回路素子15を実装し、可撓性基板11の配線13と、駆動回路素子15の端子17とを接続する別個の配線を形成してもよい。この場合には、駆動回路素子15と可撓性基板11との間には、一般的な熱硬化性または熱可塑性の接着剤が設けられる。
【0037】
図4〜図9を参照して、本実施形態に係る配線基板の製造方法を説明する。
まず、図4(a)に示すように、可撓性基板11上に配線13を形成する。配線13は、例えば可撓性基板11上に金属膜を成膜し、金属膜をパターニングすることにより形成される。金属膜の材料については、上述した通りである。または、配線13は、例えば導電性材料を含む溶液を塗布し、塗布膜に対して加熱等の処理を行なった後、塗布膜をパターニングすることにより形成してもよい。さらに、配線13は、印刷法を用いて形成することもできる。印刷法では、導電性材料を含む溶液の液滴を用いて所望のパターンを描画できるため、パターニングが不要となる。
【0038】
次に、図4(b)に示すように、可撓性基板11をこれより硬い支持基板30に貼り付ける。支持基板30に可撓性基板11を貼り付けるのは、駆動回路素子15(部材)の実装工程におけるアライメントを容易にし、かつ、加圧時にかかる荷重を分散させる等のためである。支持基板30として、上記作業を行なうのに適した剛性を有する材料、例えばガラス基板を使用する。
【0039】
次に、図4(c)に示すように、可撓性基板11上であって、駆動回路素子15およびダミー素子15Dが配置される領域に、異方性導電接着剤14を形成する。例えば、異方性導電接着剤14をスクリーン印刷などで形成する。なお、異方性導電接着剤14をスクリーン印刷以外、例えばディスペンス技術を用いて形成してもよい。また、異方性導電接着剤14はペースト状である必要はなく、フィルム状のものを貼り付けてもよい。さらに、駆動回路素子15の端子17を可撓性基板11側に向けない場合には、通常の接着剤を設ければよい。
【0040】
一方で、別の基板上に、薄膜トランジスタを備える駆動回路素子を形成する。以下に、薄膜トランジスタ(TFT)としてポリシリコンTFTの製造プロセスの一例について説明する。
【0041】
図5(a)に示すように、石英やガラス等からなる基板(保持基板)40上に、SiH4を用いたプラズマCVDや、Si26を用いたLPCVD法により、アモルファスシリコンからなる剥離層41を形成する。続いて、剥離層41上に酸化シリコンからなる下地層42を形成した後、下地層42上にアモルファスシリコン層43aを形成する。
【0042】
次に、図5(b)に示すように、アモルファスシリコン層43aにレーザを照射することにより、アモルファスシリコンを結晶化させてポリシリコン層43を形成する。続いて、ポリシリコン層43をパターニングした後、ポリシリコン層43上に例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜44を形成する。
【0043】
次に、図5(c)に示すように、ゲート絶縁膜44上に金属膜を成膜し、当該金属膜をパターニングすることによりゲート電極45を形成する。続いて、ゲート絶縁膜44およびゲート電極45上に、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜46を形成する。
【0044】
次に、図5(d)に示すように、層間絶縁膜46およびゲート絶縁膜44にポリシリコン層43に達する2つのコンタクトホールを形成する。続いて、当該コンタクトホール内を埋め込む金属膜を層間絶縁膜46上に形成し、当該金属膜をパターニングすることにより、ソース電極47およびドレイン電極48を形成する。
【0045】
以上により、基板40上に剥離層41を介してポリシリコンTFTからなる薄膜トランジスタ16が形成される。図5では、1つの薄膜トランジスタ16のみを図解したが、実際には、大型の基板40上に複数の薄膜トランジスタ16が形成される。続いて、薄膜トランジスタ16に接続する端子17を形成し、各素子間の境界に溝を形成することにより、各駆動回路素子15が形成される。
【0046】
図6(a)に、このようにして駆動回路素子15が形成された基板40を示す。基板40上には、画素領域101に対応する、すなわち画素領域101と同等の寸法をもつ領域101Aの周囲に、駆動回路素子15およびダミー素子15Dが図1に示したのと同様の配置で形成されている。ダミー素子15Dは、駆動回路素子15と同じ構造のものである。なお、図6(a)に示す素子の配置は、基板40上への駆動回路素子15の形成当初から実現されている必要はなく、後述するように可撓性基板11へ素子15を転写して、残った素子により図6(a)に示す配置を実現してもよい。
【0047】
図6(b)に示すように、可撓性基板11の画素領域101と、基板40の領域101Aが対向するように両者を対向配置し、基板40に圧力をかけながら、異方性導電接着剤14にエネルギー(例えば熱)を供給して硬化させる。これにより、異方性導電接着剤14を介して駆動回路素子15と配線13との電気的接続および駆動回路素子15と可撓性基板11との機械的接合がなされる。
【0048】
当該工程において、画素領域101の周囲に均一に配置された駆動回路素子15およびダミー素子15Dが、可撓性基板11および基板40に介在している状態となる。この結果、可撓性基板11および基板40を平行に保ったまま、駆動回路素子15およびダミー素子15Dに均一に圧力をかけることができ、全ての駆動回路素子15について、異方性導電接着剤14を介した電気的導通が得られる。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、駆動回路素子15およびダミー素子15Dと、基板40との間の剥離層41にエネルギーを供給する。例えば、剥離層41にエキシマレーザを照射する。これにより、剥離層41がアブレーションし、僅かな力で駆動回路素子15およびダミー素子15Dが剥がれやすい状態となる。なお、剥離層41のアブレーションに必要なエネルギーが供給できれば、エキシマレーザ以外のレーザを用いてもよい。
【0050】
次に、図7(b)に示すように、基板40を駆動回路素子15およびダミー素子15Dから剥がすことにより、本実施形態に係る配線基板10が製造される。
【0051】
本実施形態では、フレキシブルディスプレイ用の配線基板10を製造するため、図7(c)に示すように、可撓性基板11の画素領域101上に、さらに有機薄膜トランジスタを用いてアクティブマトリクス回路18を形成する。アクティブマトリクス回路18は、複数の有機薄膜トランジスタを備えており、複数の有機薄膜トランジスタにより所望の機能を実現する回路が形成されている。なお、アクティブマトリクス回路18は、有機薄膜トランジスタ以外の能動素子または受動素子を用いて所望の機能を実現するように構成されていてもよい。
【0052】
以下に、有機薄膜トランジスタの製造プロセスの一例について説明する。なお、図8では、フレキシブル基板11の裏面にある支持基板30を省略している。
【0053】
図8(a)に示すように、可撓性基板11上に、ソース電極21aおよびドレイン電極22aを形成する。例えば、ソース電極21aおよびドレイン電極22aは、配線13と同時に形成する。あるいは、ソース電極21aおよびドレイン電極22aは、例えば導電性材料を含む溶液を塗布し、塗布膜に対して加熱等の処理を行なった後、塗布膜をパターニングすることにより形成できる。また、ソース電極21aおよびドレイン電極22aは、印刷法を用いて形成することもできる。印刷法では、導電性材料を含む溶液の液滴を用いて所望のパターンを描画できるため、パターニングが不要となる。導電性材料としては、Pd、Pt、Au、W、Ta、Mo、Al、Cr、Ti、Cuもしくはこれらを含む合金等の金属材料を用いても、インジウムティンオキサイド(ITO)等の金属酸化物材料等を用いてもよい。
【0054】
次に、図8(b)に示すように、ソース電極21aおよびドレイン電極22a、並びにその間における可撓性基板11上に、有機半導体層23を形成する。有機半導体層23は、例えば、有機半導体材料またはその前駆体を含む溶液を塗布(供給)した後、必要に応じてこの塗布膜に対して加熱等の処理を施し、パターニングすることにより形成することができる。また、有機半導体層23は印刷法を用いて形成することもできる。有機半導体材料としては、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン等の低分子の有機半導体材料を用いても、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)のような高分子の有機半導体材料(共役系高分子材料)を用いてもよい。
【0055】
次に、図8(c)に示すように、少なくとも有機半導体層23を覆うように、ゲート絶縁層24を形成する。ゲート絶縁層24は、絶縁材料またはその前駆体を含む溶液を塗布塗布(供給)した後、必要に応じてこの塗膜に対して加熱等の処理を施すことにより形成することができる。また、ゲート絶縁層24は印刷法を用いて形成することもできる。ゲート絶縁層24は、SiO2等の無機絶縁材料であっても、ポリスチレン、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のような有機絶縁材料を用いてもよい。
【0056】
次に、図8(d)に示すように、ゲート絶縁層24上に、ゲート電極25aを形成する。ゲート電極25aは、例えば導電性材料を含む溶液を塗布し、塗布膜に対して加熱等の処理を行なった後、塗布膜をパターニングすることにより形成できる。また、ゲート電極25aは、印刷法を用いて形成することもできる。導電性材料としては、Pd、Pt、Au、W、Ta、Mo、Al、Cr、Ti、Cuもしくはこれらを含む合金等の金属材料を用いても、インジウムティンオキサイド(ITO)等の金属酸化物材料等を用いてもよい。
【0057】
以上により、可撓性基板11上に有機薄膜トランジスタ20が形成される。この有機薄膜トランジスタ20の形成プロセスにより、アクティブマトリクス回路18が形成される。
【0058】
図9(a)は、アクティブマトリクス回路18における1つの画素を示す図である。上述した有機薄膜トランジスタ20をマトリックス状に形成するプロセスにおいて、さらに、当該有機薄膜トランジスタ20のドレイン電極22aに接続する画素電極22がマトリックス状に形成され、有機薄膜トランジスタ20のソース電極21aに接続するデータ線21が垂直方向に形成され、有機薄膜トランジスタ20のゲート電極25aに接続するゲート線25が水平方向に形成されることにより、アクティブマトリクス回路18が形成される。例えば、画素電極22およびデータ線21は、有機薄膜トランジスタ20のソース電極21aおよびドレイン電極22aと同時に形成される。また、ゲート線25は、ゲート電極25aと同時に形成される。
【0059】
次に、図9(b)に示すように、アクティブマトリクス回路18の上層に例えばマイクロカプセル27を分散させたフィルムを形成する。マイクロカプセル27内には、それぞれ特性の異なる複数種の電気泳動粒子、例えば、電荷および色の異なる2種の電気泳動粒子を含む電気泳動分散液が封入されている。続いて、マイクロカプセルを含むフィルム上に、対向電極28を形成する。例えば、ITO等の透明電極材料からなるシートをラミネートする。なお、対向電極28を含む対向基板を配線基板に貼り付けてもよい。この場合には、可撓性を有する対向基板を使用する。
【0060】
以上のようにして、電気泳動表示デバイス用の配線基板が製造される。なお、本発明に係る配線基板は、有機EL表示デバイス用、液晶デバイス用等にも使用することができ、表示方式に限定はない。また、本実施形態に係る配線基板は、ディスプレイ以外にも適用可能である。
【0061】
電気泳動表示デバイスでは、ゲート線25に選択信号(選択電圧)が供給されると、この選択信号が供給されたゲート線25に接続する有機薄膜トランジスタ20がオン状態となる。これにより、当該有機薄膜トランジスタ20に接続されているデータ線21と画素電極22とは実質的に導通する。このとき、データ線21に所望のデータ(電圧)を供給した状態であれば、このデータ(電圧)は画素電極22に供給される。このとき、画素電極22と対向電極28との間に電界が生じ、この電界の方向、強さ等に応じて、マイクロカプセル27中の電気泳動粒子はいずれかの電極22または28に向かって電気泳動する。
【0062】
一方、この状態から、ゲート線25への選択信号の供給を停止すると、有機薄膜トランジスタ20はオフとなり、かかる有機薄膜トランジスタ20に接続されているデータ線21と画素電極22とは非導通状態となる。したがって、ゲート線25への選択信号の供給および停止、あるいは、データ線21へのデータの供給および停止を適宜組み合わせて行なうことにより、電気泳動表示装置の表示画素には所望の画像を表示させることができる。
【0063】
図10は、本発明の電子機器の例として、フレキシブルディスプレイの概略構成を示す図である。図10では、非接触に画像情報が配信されるタイプのフレキシブルディスプレイの例を示すが、これに限定されるものではない。
【0064】
フレキシブルディスプレイ100は、可撓性基板11上に、画素領域101と、垂直駆動回路素子15Xと、水平駆動回路素子15Yと、ダミー素子15Dと、CPU104と、RAM105、RF回路106と、アンテナ107とを有する。ダミー素子15Dを除いた各部15X、15Y、101〜107は、可撓性基板11上に形成された配線13に接続されている。
【0065】
画素領域101には、図9に示したアクティブマトリクス回路18、マイクロカプセル27、対向電極28が形成されている。
【0066】
垂直駆動回路素子15Xは、画素領域101のゲート線25に接続されており、CPU104からの信号に基づいて、画素領域101の画素を選択するための選択信号を出力する。垂直駆動回路素子15Xは、ゲート線25の数だけ出力可能なシフトレジスタを備える。
【0067】
水平駆動回路素子15Yは、画素領域101のデータ線21に接続されており、画素領域101の画素によって表示すべきデータに対応するデータ信号を出力する。水平駆動回路素子15Yは、データ線21の数だけ出力可能なシフトレジスタを備える。
【0068】
CPU104は、中央処理装置であり、所望のソフトウェアプログラムを実行することにより、装置全体の表示動作を制御する。RAM105は、CPU104の一時的な作業領域として使用される。
【0069】
RF回路106は、アンテナ107に信号を出力する送信回路と、アンテナ107からの信号を受信する受信回路とを有する。アンテナ107は、可撓性基板11の周囲にループ状に設けられている。
【0070】
太陽電池108は、光エネルギーを表示動作に必要な電力に変換する。当該電力は、CPU104等に供給される。太陽電池108は、例えば、pn接合型、または色素増感型の構造をもつ。pn接合型の場合には、例えばポリシリコンなどのシリコン系材料を用いて、太陽電池が形成される。色素増感型の場合には、有機材料を用いて、可撓性基板11に直接太陽電池が形成される。
【0071】
図10に示すフレキシブルディスプレイでは、アンテナ107により外部からの電波を受信すると、当該電波に載せられている画像情報がRF回路により取り出され、CPU104により当該画像信号が選択信号とデータ信号とに分けられて、それぞれ垂直駆動回路素子15Xと水平駆動回路素子15Yに振り分けて出力される。
【0072】
上記の本実施形態に係るフレキシブルプレイでは、垂直駆動回路素子15Xおよび水平駆動回路素子15Y以外の周辺回路、例えば、CPU104、RAM105、RF回路106についても、予め他の基板上にポリシリコンTFTを用いて形成しておき、可撓性基板上に実装される。また、画素領域101には、アクティブマトリクス回路18が直接形成される。太陽電池108については、他の基板に形成した太陽電池を可撓性基板11に実装してもよいし、可撓性基板11上に太陽電池を直接形成してもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る配線基板の製造方法によれば、画素領域101の周囲を取り囲むように基板40に配置された駆動回路素子15およびダミー素子15Dを同時に可撓性基板に転写することにより、ダミー素子を含む全ての素子に安定して均一な圧力をかけることができる。
【0074】
特に異方性導電接着剤14を用いた場合には、均一に圧力をかけることにより、駆動回路素子15の電気的導通および機械的接合の双方を安定して得られるという効果がある。ただし、駆動回路素子15をフェースアップで接着剤を用いて実装する場合や、駆動回路素子15の端子17と可撓性基板11上の配線13とを直接接続するような場合であっても、均一の圧力をかけることにより電気的導通または機械的接合のいずれかを安定して得られる効果を奏する。
【0075】
特に、図1に示すように画素領域101の2辺のみに駆動回路素子15が配置される場合等、画素領域101の周囲に偏って駆動回路素子15が配置される場合には、ダミー素子15Dを設けることによる効果が大きい。
【0076】
本実施形態に係る配線基板によれば、駆動回路素子15の設計変更や配置変更を伴うことなく、ダミー素子15Dを追加することにより、信頼性のある配線基板を実現することができる。
【0077】
また、画素領域101の2辺のみに駆動回路素子15が配置されていることにより、4辺に駆動回路素子15を配置する場合に比べて、バスライン13aを短くすることができ、信号の伝播遅延等を抑制することができる。
【0078】
上記の配線基板を備えた電子機器によれば、信頼性を向上させた電子機器を実現することができる。また、本実施形態に係る電子機器の例であるフレキシブルディスプレイでは、周辺回路をTFTを用いて形成しているため、有機TFTを用いる場合に比べて、ディスプレイの駆動能力を向上させることができる。
【0079】
さらに、可撓性基板11の画素領域101にスイッチング素子として有機TFTを備えるアクティブマトリクス回路18を形成することにより、アクティブマトリクス回路18を塗布法や印刷法により形成することができ、材料やエネルギーの消費を抑制することができる。このため、環境への負荷も少なく、安価に製造することができる。また、画素領域101はディスプレイ全体の駆動能力には影響が少ないため、ディスプレイの駆動能力を落とすことなく、上述した製造上のメリットが得られる。
【0080】
ただし、本発明の電子機器は、上述した可撓性を有する配線基板を備えていればよく、電子ペーパ以外の表示装置例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等に適用することもできる。また、本発明の電子機器は、表示装置以外にも適用可能であり、例えば、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサパーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
【0081】
(第2実施形態)
第2実施形態は、配線基板の製造方法の改良に関するものであり、特に、ダミー素子15Dを基板40側に配置するものである。
【0082】
図11を参照して、第2実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
まず、図11(a)に示すように、配線が形成された可撓性基板11上であって、画素領域101の周囲にダミー素子15Dを設けておく。ダミー素子の構造に限定はなく、駆動回路素子15と略同じ厚さ、さらに好ましくは略同じ形状であればよい。
【0083】
例えば、別の基板に形成されたダミー素子15Dを、図示しない接着剤を介して可撓性基板11上に固着すればよい。この場合には、後に形成される異方性導電接着剤14と同じ分量の図示しない接着剤を形成し、当該接着剤を介して駆動回路素子15と同じ厚さのダミー素子15Dを固着すればよい。その後に、異方性導電接着剤14を形成する。
【0084】
または、可撓性基板11上に直接ダミー素子15Dを形成する場合、例えば可撓性基板11上に膜を成膜し、パターニングすることによりダミー素子15Dを形成する場合には、後に形成する異方性導電接着剤14と駆動回路素子15の合計の高さ分のダミー素子15Dを形成することが好ましい。その後、異方性導電接着剤14を形成する。
【0085】
次に、図11(b)に示すように、画素領域101に対応する領域101Aの周囲であって、ダミー素子15Dと重ならない領域に駆動回路素子15が配置された基板40を用意する。なお、図11(b)に示す駆動回路素子15の配置は、基板40上への駆動回路素子15の形成当初から実現されている必要はなく、後述するように可撓性基板11へ素子15を転写して、残った駆動回路素子15により図11(b)に示す配置を実現してもよい。
【0086】
図11(c)に示すように、可撓性基板11の画素領域101と、基板40の領域101Aが対向するように両者を対向配置し、基板40に圧力をかけながら、異方性導電接着剤14にエネルギー(例えば熱)を供給して硬化させる。これにより、異方性導電接着剤14を介して駆動回路素子15と配線13との電気的接続および駆動回路素子15と可撓性基板11との機械的接合がなされる。
【0087】
当該工程において、画素領域101の周囲に均一に配置された駆動回路素子15およびダミー素子15Dが、可撓性基板11および基板40間に介在している状態となる。この結果、可撓性基板11および基板40を平行に保ったまま、駆動回路素子15に均一に圧力をかけることができ、全ての駆動回路素子15について電気的接続および機械的接合が得られる。以降の工程については、第1実施形態と同様である。
【0088】
本実施形態に係る配線基板の製造方法によれば、ダミー素子15Dを可撓性基板11側に形成しておき、駆動回路素子15のみを同時に一括転写する場合においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。本実施形態は、基板40上にダミー素子15Dとなるべき駆動回路素子が足りない場合などに特に有効である。
【0089】
(第3実施形態)
第3実施形態は、駆動回路素子15およびダミー素子15Dの配置の改良に関するものであり、特に、画素領域101の周囲に駆動回路素子15およびダミー素子15Dを交互に配置するものである。
【0090】
図12は、第3実施形態に係る配線基板の要部平面図である。
図12に示すように、配線基板10の4辺に駆動回路素子15が配置されている。すなわち、配線基板10の左右に垂直駆動回路素子15Xが配置され、配線基板10の上下に水平駆動回路素子15Yが配置されている。
【0091】
このように画素領域101の両側から駆動するタイプにおいて、画素領域101の周囲であって駆動回路素子15間に、ダミー素子15Dが配置されている。ダミー素子15Dは、第1実施形態のように駆動回路素子15と同時に転写しても、第2実施形態のように予め可撓性基板11側に形成または転写しておいてもよい。
【0092】
本実施形態に係る配線基板およびその製造方法によれば、画素領域101の4辺に駆動回路素子15が配置されている場合であっても、駆動回路素子15間にダミー素子15Dをさらに配置することにより、より均一な圧力を駆動回路素子15にかけることができる。このため、信頼性のある配線基板を製造することができる。
【0093】
(第4実施形態)
第4実施形態は、駆動回路素子15およびダミー素子15Dの配置の改良に関するものであり、特に駆動回路素子15およびダミー素子15Dを繋げて配置した例に関する。
【0094】
図13は、第4実施形態に係る配線基板の要部平面図である。
図13に示すように、画素領域101の周囲を取り囲むように複数の駆動回路素子15およびダミー素子15Dが繋がって配置されている。第1実施形態のように画素領域101の周囲に配置された駆動回路素子15およびダミー素子15Dが繋がっている形態であってもよい。本実施形態では、駆動回路素子15およびダミー素子15Dは、一括して転写される。
【0095】
本実施形態のように、ロの字型に繋がった駆動回路素子15およびダミー素子15Dを一括して可撓性基板11に転写することにより、各素子15、15Dが分離されている場合と比べて効率的に転写することができる。
【0096】
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第1実施形態に係る配線基板の要部平面図である。
【図2】第1実施形態に係る配線基板の要部断面図である。
【図3】駆動回路素子と可撓性基板間の領域の拡大断面図である。
【図4】第1実施形態に係る配線基板の製造における工程断面図である。
【図5】第1実施形態に係る配線基板の製造における工程断面図である。
【図6】第1実施形態に係る配線基板の製造における工程断面図である。
【図7】第1実施形態に係る配線基板の製造における工程断面図である。
【図8】第1実施形態に係る配線基板の製造における工程断面図である。
【図9】第1実施形態に係る配線基板の製造のおける工程断面図である。
【図10】電子機器の例として、フレキシブルディスプレイの概略構成を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る配線基板の製造における工程図である。
【図12】第3実施形態に係る配線基板の要部平面図である。
【図13】第4実施形態に係る配線基板の要部平面図である。
【符号の説明】
【0098】
1…画素、10…配線基板、11…可撓性基板、13…配線、13a…バスライン、14…異方性導電接着剤、14a…導電性粒子、14b…バインダ、15…駆動回路素子、15X…垂直駆動回路素子、15Y…水平駆動回路素子、15D…ダミー素子、16…薄膜トランジスタ、17…端子、18…アクティブマトリクス回路、20…有機薄膜トランジスタ、21a…ソース電極、21…データ線、22a…ドレイン電極、22…画素電極、23…有機半導体層、24…ゲート絶縁層、25a…ゲート電極、25…ゲート線、27…マイクロカプセル、28…対向電極、30…支持基板、40…基板、41…剥離層、42…下地層、43a…アモルファスシリコン層、43…ポリシリコン層、44…ゲート絶縁膜、45…ゲート電極、46…層間絶縁膜、47…ソース電極、48…ドレイン電極、100…フレキシブルディスプレイ、101…画素領域、101A…領域、104…CPU、105…RAM、106…RF回路、107…アンテナ、108…太陽電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、複数の画素を備える画素領域と、前記画素領域に隣接する駆動領域と、を有し、前記駆動領域に配置され、前記複数の画素を駆動する駆動回路素子と、
前記駆動領域であって、前記駆動回路素子が配置された領域以外の領域の一部に配置されたダミー素子と、
を有する配線基板。
【請求項2】
前記駆動回路素子は、前記駆動回路素子の端子を前記基板に向けて配置されており、前記基板上の配線と前記端子とが電気的に接続されている、
請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記駆動回路素子と前記基板との間に、前記端子と前記配線とを電気的に接続し、かつ、前記駆動回路素子と前記基板とを接着する導電接着剤が形成されている、
請求項2記載の配線基板。
【請求項4】
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との交差に対応して形成される複数の画素と、
前記複数の第1配線の一端側に配置された複数の第1駆動回路素子と、
前記複数の第1配線の他端側に配置された複数の第1ダミー素子と、
前記複数の第2配線の一端側に配置された複数の第2駆動回路素子と、
前記複数の第2配線の他端側に配置された複数の第2ダミー素子と、
を有する配線基板。
【請求項5】
複数の第1配線と、
複数の第2配線と、
前記複数の第1配線と前記複数の第2配線との交差に対応して形成される複数の画素と、
前記複数の第1配線の一端側に配置された複数の第1駆動回路素子と、
前記複数の第1配線の他端側に配置された複数の第2駆動回路素子と、
前記複数の第1駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第1ダミー素子と、
前記複数の第2駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第2ダミー素子と、
を有する配線基板。
【請求項6】
前記複数の第2配線の一端側に配置された複数の第3駆動回路素子と、
前記複数の第2配線の他端側に配置された複数の第4駆動回路素子と、
前記複数の第3駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第3ダミー素子と、
前記複数の第4駆動回路素子の間にそれぞれ配置された複数の第4ダミー素子と、
をさらに有する請求項5記載の配線基板。
【請求項7】
前記複数の駆動回路素子が前記複数のダミー素子を介して繋がって形成されている、
請求項5または6記載の配線基板。
【請求項8】
画素領域を有する第1基板と、前記画素領域に対応する領域を取り囲むように駆動回路素子およびダミー素子が複数形成された第2基板とを、前記駆動回路素子および前記ダミー素子を介在させた状態で対向配置させる工程と、
前記第1基板および前記第2基板間に圧力をかけて、前記第1基板の前記画素領域の周囲に前記駆動回路素子および前記ダミー素子を転写する工程と、
を有する配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記画素領域に対応する領域を取り囲むように複数の前記駆動回路素子および前記ダミー素子が繋がって形成されている前記第2基板を対向配置させる、
請求項8記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
第1基板の画素領域の周囲の一部にダミー素子を形成する工程と、
前記第1基板と、前記画素領域に対応する領域の周囲の一部であって前記ダミー素子と重ならない領域に前記駆動回路素子が複数形成された第2基板とを、前記ダミー素子および前記駆動回路素子を介在させた状態で対向配置させる工程と、
前記第1基板および前記第2基板間に圧力をかけて、前記第1基板に前記駆動回路素子を転写する工程と、
を有する配線基板の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれかに記載の配線基板を備える、
電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−116652(P2008−116652A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299226(P2006−299226)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】