説明

配線基板の製造方法及びその実装構造体の製造方法

【課題】本発明は、電気的信頼性を向上させる要求に応える配線基板の製造方法及びその実装構造体を提供するものである。
【解決手段】本発明の一形態にかかる配線基板3の製造方法は、樹脂部7a及び該樹脂部7aに被覆された繊維7bを含む基体7に、ダイヤモンドライクカーボンで被覆されたドリルを用いて複数のスルーホールTを形成する工程と、スルーホールTのドリルによって形成された内壁に貴金属化合物及び有機珪素化合物を吸着させる工程と、前記貴金属化合物を触媒として無電解めっき処理を行うことによって、スルーホールTの内壁に無電解めっき膜9xを被着させる工程と、無電解めっき膜9xを下地として電気めっき処理を行うことによって、スルーホールTの内壁面にスルーホール導体9を形成する工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器(たとえば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器及びその周辺機器)等に使用される配線基板の製造方法及びその実装構造体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器における実装構造体としては、配線基板に電子部品を実装したものが使用されている。
【0003】
特許文献1には、樹脂をガラスクロス基材に含浸してなる絶縁基材に、ドリル加工によってスルーホールを形成する工程と、該スルーホールの内壁面にデスミア処理を行う工程と、該デスミア処理を行った前記スルーホールの内壁面に触媒核を付与する工程と、前記スルーホールの内壁面に、無電解銅めっきによって薄付け銅めっき層を形成する工程と、前記スルーホールの内壁面に、電解銅めっきによってめっきスルーホールを形成する工程と、を備えた配線基板の製造方法が記載されている。
【0004】
ところで、ドリル加工によって絶縁基材にスルーホールを形成した後、スルーホールの内壁面にデスミア処理を行うと、ドリル加工及びデスミア処理によって、スルーホールの内壁面が損傷を受け、絶縁基材の樹脂とガラスクロス基材との間に剥離が生じることがある。それ故、めっきスルーホールが該剥離に侵入することによって、隣接するめっきスルーホール同士が短絡しやすくなり、ひいては配線基板の電気的信頼性が低下しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000‐307245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電気的信頼性を向上させる要求に応える配線基板の製造方法及びその実装構造体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法は、樹脂部及び該樹脂部に被覆された繊維を含む基体に、ダイヤモンドライクカーボンで被覆されたドリルを用いて複数のスルーホールを形成する工程と、前記スルーホールの前記ドリルによって形成された内壁に貴金属化合物及び有機珪素化合物を吸着させる工程と、前記貴金属化合物を触媒として無電解めっき処理を行うことによって、前記スルーホールの内壁に無電解めっき膜を被着させる工程と、前記無電解めっき膜を下地として電気めっき処理を行うことによって、前記スルーホールの内壁にスルーホール導体を形成する工程と、を備えている。
【0008】
本発明の一形態にかかる実装構造体の製造方法は、上記配線基板の製造方法により得られた配線基板上に電子部品を搭載し、該電子部品と前記スルーホール導体とを電気的に接続させる工程を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一形態にかかる配線基板の製造方法及びその実装構造体の製造方法によれば、
繊維と樹脂部との剥離を低減することによって、隣接する貫通導体同士の短絡を低減することができ、ひいては電気的信頼性に優れた配線基板及び実装構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる実装構造体を厚み方向に切断した断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示した実装構造体のR部分を拡大して示した断面図である。
【図2】図1に示す実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。
【図3】図1に示す実装構造体の製造工程を説明する厚み方向に切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る配線基板を含む実装構造体の製造方法によって製造された配線基板を含む実装構造体を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1に示した実装構造体1は、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置又はその周辺機器などの電子機器に使用されるものである。この実装構造体1は、電子部品2及び配線基板3を含んでいる。
【0013】
電子部品2は、例えばIC又はLSI等の半導体素子であり、配線基板3に半田等のバンプ4を介してフリップチップ実装されている。
【0014】
配線基板3は、コア基板5とコア基板5の上下に形成された一対の配線層6とを含んでいる。
【0015】
コア基板5は、配線基板3の強度を高めつつ一対の配線層6間の導通を図るものであり、図1(b)に示すように、複数のスルーホールTが厚み方向に貫通した基体7と、スルーホールTの内壁を被覆した介在膜8と、該介在膜8を介して該スルーホールTの内壁に被着された筒状のスルーホール導体9と、該スルーホール導体9によって囲まれた領域に充填された柱状の絶縁体10と、を含んでいる。
【0016】
基体7は、樹脂部7a及び該樹脂部7aによって被覆された繊維7bを含んでいる。また、基体7は、熱膨張率を低減するため、例えば酸化ケイ素等からなる複数の無機絶縁粒子によって構成されたフィラーを含有しても構わない。
【0017】
樹脂部7aは、基体7の主要部をなすものであり、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトン樹脂等の樹脂材料からなる。
【0018】
繊維7bは、基体7の剛性を高めるものであり、縦横に織り込まれることによって織布をなしており、例えばガラス繊維又は樹脂繊維からなる。
【0019】
介在膜8は、有機珪素化合物(シランカップリング剤)及び貴金属化合物(めっき触媒)を含み、スルーホールTの内壁において、基体7とスルーホール導体9とは、該有機珪素化合物を介して接着されている。具体的には、スルーホールTの内壁に露出した基体7の樹脂材料と有機珪素化合物とが化学的に結合し、有機珪素化合物と貴金属化合物とが化学的に結合し、貴金属化合物とスルーホール導体9の導電材料とが化学的に結合すること
により、基体7とスルーホール導体9とが接着されている。その結果、かかる化学的結合により基体7とスルーホール導体9との接着強度を高めることができ、配線基板に熱が印加された際に、基体7とスルーホール導体9との熱膨張率の違いに起因した基体7とスルーホール導体9との剥離を低減することができる。
【0020】
介在膜8の厚みは、例えば0.01μm以上0.2μm以下に設定されている。かかる
厚みは、後述する検出方法によって有機珪素化合物及び貴金属化合物を検出し、基体7からスルーホール導体9に向って厚みを測定し、その平均値を算出することにより測定される。
【0021】
有機珪素化合物としては、樹脂材料と化学的に結合する官能基と、貴金属化合物と化学的に結合する官能基と、を有するものを用いることができ、樹脂材料と化学的に結合する官能基は、例えばアミノ基、エポキシ基、メルカプト基又はメタクリロキシ基であり、基貴金属化合物と化学的に結合する官能基は、例えばイソシアネート基又はアクリロキシ基等である。また、導電層12表面に金属酸化物が形成されている場合、有機珪素化合物は、イソシアネート基又はアクリロキシ基を介して金属酸化物に結合される。
【0022】
このような有機珪素化合物としては、例えばγ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を用いること
ができる。この有機珪素化合物は、配線基板3を切断した断面をPerkinElmer社製 顕微FT‐IR装置(フーリエ変換赤外分光光度計) Spotlight200型を用いて観察することにより、検出することができる。
【0023】
貴金属化合物としては、貴金属のハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、有機酸との塩又は貴金属石鹸等を用いることができ、貴金属としては、パラジウム、銀、白金又は金等を用いることができ、なかでも、パラジウム化合物を用いることが望ましい。この貴金属化合物は、配線基板3を切断した断面を日本電子社製 EPMA装置(電子プローブマイクロアナライザ) JXA‐8200型を用いて観察することにより、検出することができる。
【0024】
スルーホール導体9は、コア基板5の上下の配線層6を電気的に接続するものであり、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロム等の導電材料からなる。
【0025】
絶縁体10は、後述するビア導体13の支持面を形成するものであり、例えばポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂又はビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料からなる。
【0026】
一方、コア基板5の両側には、上述した如く、一対の配線層6が形成されている。配線層6は、基体7上に形成され、ビア孔が厚み方向に貫通した樹脂層11と、基体7上又は樹脂層11上に形成された導電層12と、ビア孔V内に形成され、導電層12と電気的に接続されたビア導体13と、を含んでいる。
【0027】
複数の樹脂層11は、導電層12を支持するとともに導電層12同士の短絡を防ぐものであり、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトン樹脂等樹脂等の樹脂材料からなる。また、樹脂層11は、基体7と同様に、例えば酸化ケイ素等からなる複数の無機絶縁粒子によって構成されたフィラーを含有しても構わない。
【0028】
導電層12は、接地用配線、電力供給用配線又は信号用配線として機能するものであり
、樹脂層11を介して厚み方向又は平面方向(XY平面方向)に互いに離間しており、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロム等の導電材料からなる。
【0029】
ビア導体13は、厚み方向に互いに離間した導電層12同士を相互に接続するものであり、コア基板5に向って幅狭となる柱状に形成されており、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロムの導電材料からなる。
【0030】
かくして、上述した実装構造体1は、配線基板3を介して供給される電源や信号に基づいて電子部品2を駆動若しくは制御することにより、所望の機能を発揮する。
【0031】
次に、上述した実装構造体1の製造方法を、図2及び図3に基づいて説明する。
【0032】
(コア基板の作製)
(1)図2(a)に示すように、基体7を準備する。具体的には、例えば未硬化樹脂及び繊維7bを含む複数の樹脂シートを積層し、該積層体の上下に金属箔12xを配して加熱加圧することによって、未硬化樹脂を硬化させて樹脂部7aとして、基体7を作製する。なお、未硬化樹脂は、ISO472:1999に準ずるA‐ステージ又はB‐ステージの状態の樹脂である。
【0033】
(2)図2(b)に示すように、ドリルを用いて、基体7を厚み方向に貫通したスルーホールTを形成する。
【0034】
ここで、本実施形態の配線基板3の製造方法においては、ドリルとして、タングステン及びコバルトを含む超硬合金をダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon)で
被覆してなるものを用いる。このようなドリルにおいては、超硬合金よりも摩擦係数の小さいダイヤモンドライクカーボンが超硬合金表面の表面粗さを低減するように被覆しているため、被覆されていないドリルと比較して、摩擦係数が小さい。したがって、ダイヤモンドライクカーボンで被覆されたドリルを用いることによって、スルーホールTの内壁の損傷を低減することができ、スルーホールTの内壁を平坦に形成することができる。
【0035】
なお、ダイヤモンドライクカーボンの摩擦係数は、例えば0.01以上0.2以下に設定され、超硬合金の摩擦係数は、例えば0.4以上1以下に設定されている。
【0036】
(3)貴金属化合物(めっき触媒)及び有機珪素化合物(シランカップリング剤)を含む触媒溶液を用いて、スルーホールTのドリルによって形成された内壁に貴金属化合物及び有機珪素化合物を吸着させる。
【0037】
かかる吸着は、スルーホールTが形成された基体7を例えば20℃以上40℃以下の触媒溶液に例えば1分以上5分以下浸漬することにより行うことができる。このような、触媒溶液は、貴金属化合物及び有機珪素化合物を例えば1体積%以上30体積%以下含む。
【0038】
ここで、貴金属化合物及び有機珪素化合物は、互いに化学的に結合するとともに、スルーホールTの内壁に露出した樹脂材料に電気的な弱い結合、すなわち吸着をしている。
【0039】
また、貴金属化合物及び有機珪素化合物をスルーホールTの内壁に吸着させた後、水酸化ホウ素ナトリウム水溶液又次亜リン酸ナトリウム水溶液等の還元剤を用いて、貴金属化合物を還元させることが望ましい。その結果、触媒溶液においてイオン化していた貴金属化合物を脱イオン化させることにより、貴金属化合物の触媒活性を発現させることができる。この貴金属化合物の還元は、貴金属化合物が吸着したスルーホールTの内壁を例えば50℃以上90℃以下の還元剤に例えば1分以上10分以下浸漬することにより行うこと
ができる。
【0040】
(4)図2(c)及び図3(a)に示すように、スルーホールTの内壁にスルーホール導体9を被着させる。具体的には、以下のように行う。
【0041】
まず、図2(c)に示すように、スルーホールTの内壁に吸着した貴金属化合物を触媒として無電解めっき処理を行い、スルーホールTの内壁を無電解めっき膜9xで被覆する。次に、図3(a)に示すように、無電解めっき膜9xを下地として電気めっき処理を行い、無電解めっき膜9x上に電気めっき膜を被着させることによって、無電解めっき膜9x及び電気めっき膜からなる筒状のスルーホール導体9を形成する。
【0042】
無電解めっき処理及び電気めっき処理は、基体7を、例えば20℃以上40℃以下の無電解めっき液に例えば5分以上30分以下浸漬した後、例えば30℃以上50℃以下の電気めっき液に例えば1A/dm以上2A/dm以下の電流密度で30分以上60分以下浸漬することにより行うことができる。
【0043】
ここで、本実施形態の配線基板3の製造方法においては、無電解めっき処理により導電材料を被着させた後、熱処理を行う。その結果、有機珪素化合物がスルーホールTの内壁に露出した樹脂材料に化学的に結合し、貴金属化合物が有機珪素化合物を介して該樹脂材料と化学的に結合されるため、貴金属化合物とスルーホールTの内壁との接着強度が高まる。したがって、該導電材料とスルーホールTの内壁との接着強度を高め、ひいてはスルーホール導体9とスルーホールTの内壁との接着強度を高めることができる。
【0044】
また、このようにスルーホール導体9とスルーホールTの内壁との接着強度を高めることによって、(2)の工程の後でデスミア工程を省略することができる。その結果、スルーホールTの内壁の損傷を低減するとともに、(2)の工程にて形成されたスルーホールTの内壁の平坦性を維持することができる。したがって、樹脂部7aと繊維7bとの剥離を抑制し、隣接したスルーホール導体9同士の短絡を抑制することができる。
【0045】
なお、熱処理は、例えば60℃以上100℃以下の温度で3分以上10分以下行われる。
【0046】
(5)図3(b)に示すように、スルーホール導体9によって囲まれた領域に樹脂材料等を充填して絶縁体10を形成した後、導電材料を絶縁体10の露出部に被着させ、従来周知のフォトリソグラフィー技術、エッチング等を用いて、金属箔12xをパターニングして導電層12を形成する。
【0047】
以上のようにして、コア基板5を作製することができる。
【0048】
(6)図3(c)に示すように、コア基板5の上下に一対の配線層6を形成する。具体的には、例えば以下のように行う。
【0049】
まず、未硬化の樹脂を導電層12上に配置し、樹脂を加熱して流動密着させつつ、更に加熱して樹脂を硬化させることにより、導電層12上に樹脂層11を形成する。次に、例えばYAGレーザー装置又は炭酸ガスレーザー装置により、樹脂層11にビア孔Vを形成し、ビア孔V内に導電層12の少なくとも一部を露出させる。次に、例えばセミアディティブ法、サブトラクティブ法又はフルアディティブ法等により、ビア孔Vにビア導体13を形成するとともに樹脂層11上に導電層12を形成する。
【0050】
以上のようにして、配線基板3を作製することができる。なお、本工程を繰り返すこと
により、配線層6を多層化することができる。
【0051】
(7)配線基板3にバンプ4を介して電子部品2をフリップチップ実装することにより、図1に示す実装構造体1を作製することができる。
【0052】
上述したように、本実施形態の配線基板3の製造方法によれば、スルーホールTの内壁に露出した樹脂材料に、有機珪素化合物を介して、貴金属化合物を化学的に結合させることによって、スルーホールTの内壁とスルーホール導体9との接着強度を高めることができる。その結果、スルーホールTを形成する工程の後、デスミア工程を行うことなく、スルーホール導体9を形成できるため、デスミア処理によるスルーホールTの内壁の損傷を低減して平坦性を高めることができる。
【0053】
さらに、ダイヤモンドライクカーボンで被覆されたドリルを用いてスルーホールTを形成しているため、スルーホールTの内壁の損傷を低減して平坦性を高めることができ、その後、デスミア処理を行わないことから、該平坦性を維持しつつスルーホール導体9を形成することができる。
【0054】
したがって、樹脂部7aと繊維7bとの剥離を抑制することによって、隣接したスルーホール導体9同士の短絡を抑制し、電気的信頼性に優れた配線基板3を得ることができる。
【0055】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。
【0056】
例えば、上述した実施形態において、繊維として織布をなすものを用いた構成を例に説明したが、織布に限られず、例えば繊維が一方向に配列されたものを用いても構わない。
【0057】
また、上述した実施形態において、1層の樹脂層により配線層を形成した構成を例に説明したが、樹脂層は2層以上であっても構わない。
【0058】
また、上述した実施形態において、(3)の工程にて有機珪素化合物及び貴金属化合物を含む触媒溶液を用いた構成を例に説明したが、基体を、有機珪素化合物を含む水溶液に浸漬して、スルーホールの内壁に有機珪素化合物を吸着させた後、貴金属化合物を含む触媒溶液に浸漬して、有機珪素化合物に貴金属化合物を化学的に結合させても構わない。
【0059】
また、上述した実施形態において、配線基板上に電子部品を実装した構成を例に説明したが、配線基板内部に電子部品を実装しても構わない。
【符号の説明】
【0060】
1 実装構造体
2 電子部品
3 配線基板
4 バンプ
5 コア基板
6 配線層
7 基体
7a 樹脂部
7b 繊維
8 介在膜
9 スルーホール導体
10 絶縁体
11 樹脂層
12 導電層
13 ビア導体
T スルーホール
V ビア孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂部及び該樹脂部に被覆された繊維を含む基体に、ダイヤモンドライクカーボンで被覆されたドリルを用いて複数のスルーホールを形成する工程と、
前記スルーホールの前記ドリルによって形成された内壁に貴金属化合物及び有機珪素化合物を吸着させる工程と、
前記貴金属化合物を触媒として無電解めっき処理を行うことによって、前記スルーホールの内壁に無電解めっき膜を被着させる工程と、
前記無電解めっき膜を下地として電気めっき処理を行うことによって、前記スルーホールの内壁にスルーホール導体を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板の製造方法において、
前記貴金属化合物は、パラジウム化合物であることを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の配線基板の製造方法により得られた配線基板上に電子部品を搭載し、該電子部品と前記スルーホール導体とを電気的に接続させる工程を備えたことを特徴とする実装構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−9604(P2012−9604A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143832(P2010−143832)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】