説明

配線基板搬送用治具、配線基板の製造方法

【課題】吸引時の配線基板の姿勢を安定させることにより、配線基板への吸引部の接触を確実に防止することができる配線基板搬送用治具を提供すること。
【解決手段】本発明の配線基板搬送用治具11は吸引部20を備える。吸引部20には、凹部の内周面にて開口するエア吹出穴が設けられる。また、配線基板搬送用治具11には、エア吹出穴にエアを供給するエア流路221が設けられ、エア流路221上には、作業者によって操作されるスイッチ部51が設けられる。スイッチ部51には、エア流路221が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有する貫通孔61が設けられる。なお、貫通孔61がエア流路221と連通しない操作位置であれば、エア流路221を閉鎖する閉鎖状態となり、貫通孔61がエア流路221と連通する操作位置であれば、エア流路221を開放する開放状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物である配線基板を、気流の作用を利用して搬送する配線基板搬送用治具、配線基板搬送用治具を用いた配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、配線基板は、複数の製造工程を経て製造され、導通検査を行う検査工程を受けた後に出荷される。また、配線基板は、製造工程が終了する度に、次の工程を行うためのラインに搬送されるようになっている。なお、配線基板は、必ずしも搬送装置を用いて搬送されるという訳ではなく、手作業で搬送される場合もある。ここで、配線基板を手作業で搬送する場合の搬送方法としては、作業者が直接配線基板を把持して搬送する方法に加えて、配線基板をエアピンセットで吸着した状態で搬送する方法や、配線基板をピンセットで挟んで搬送する方法などが提案されている。
【0003】
しかし、これらの方法によって配線基板を搬送すると、製品の機能に重大な影響を与えるクリティカルエリア(具体的には、いわゆるC4パッド等が存在する領域)に対して、作業者の指やピンセットの先端部などが触れてしまう可能性がある。この場合、クリティカルエリアへの異物(粉塵)の付着などに起因して、製品が不良品になったり、製品に間接的な悪影響を与えてしまったりするおそれがある。現状では、クリティカルエリアにあまり触れなくて済むように製造工程を設計している。しかしながら、例えば、配線基板となるべき基板形成領域が複数配置された多数個取り用配線基板を個片化した後の工程では、クリティカルエリアへの接触を完全に回避することができず、注意して作業を行うしかなくなってしまう。
【0004】
そこで、配線基板を非接触状態で吸引しながら搬送することにより、クリティカルエリアへの接触を防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、搬送ヘッド(吸引部)の先端面(吸引面)を配線基板に接近させ、気体供給孔(エア吹出穴)から供給されたエアを吸引面と円板部(ノズル)との間に形成されたスリットを介して外部に導出するようになっている。その結果、エアが吸引部の外側に放射状に放出されるため、ノズル付近と配線基板との空間が負圧となり、配線基板が吸引部に吸引保持される。この状態において、作業者が把持するなどして吸引部を搬送すれば、配線基板を非接触状態で搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−219922号公報(図1〜図5など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、作業者が吸引部を把持して搬送する場合、作業者の意志によって配線基板の吸引と吸引解除とを行う構成を実現するためには、エア吹出穴にエアを供給するエア流路上に、エア流路を開閉させる操作スイッチを設ける必要がある。しかしながら、エア流路を開放状態に切り替えて配線基板を吸引する際に配線基板が傾くなどすると、配線基板が回転ずれしたり横ずれしたりしながら吸引面に引き寄せられる可能性がある。この場合、配線基板と吸引部とが相対的に面方向に位置ずれするため、配線基板のクリティカルエリアが吸引部に接触してしまい、配線基板が不良品となるおそれがある。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、吸引時の配線基板の姿勢を安定させることにより、配線基板への吸引部の接触を確実に防止することができる配線基板搬送用治具を提供することにある。また、第2の目的は、上記の配線基板搬送用治具を用いた好適な配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、上記課題を解決するための手段(手段1)としては、吸引面に凹部が設けられるとともに、前記凹部の内周面にて開口するエア吹出穴が設けられた吸引部と、前記吸引部に接続され、作業者によって把持される把持部とを備え、前記エア吹出穴から前記凹部の内周面に沿って噴出したエアにより発生する負圧によって、被搬送物である配線基板の基板主面を前記吸引面に吸引保持した状態で、前記配線基板を搬送する治具であって、前記エア吹出穴にエアを供給するエア流路と、作業者によって操作されるスイッチ部が前記エア流路上に設けられ、前記スイッチ部の操作位置に応じて前記エア流路を開閉させる流路切替手段とを備え、前記スイッチ部には、前記エア流路に延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有する貫通孔が設けられ、前記貫通孔が前記エア流路と連通しない操作位置となる場合に前記エア流路を閉鎖する閉鎖状態となり、前記貫通孔が前記エア流路と連通する操作位置となる場合に前記エア流路を開放する開放状態となることを特徴とする配線基板搬送用治具がある。
【0009】
従って、上記手段1の配線基板搬送用治具によると、スイッチ部に設けられた貫通孔が、エア流路が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有している。このため、貫通孔の幅方向に移動させることによって、スイッチ部を閉鎖状態となる操作位置から開放状態となる操作位置に切り替えるようにすれば、貫通孔全体が短時間でエア流路に連通し、エア吹出穴から噴出するエアの流量が急激に多くなる。従って、スイッチ部が開放状態となる操作位置に操作されるのとほぼ同時に、配線基板の基板主面が吸引面に吸引されるようになる。その結果、配線基板が傾くなどする前に配線基板の吸引が完了するため、吸引時の配線基板の回転ずれや横ずれが防止されて配線基板の姿勢が安定するようになり、配線基板と吸引部とが相対的に面方向に位置ずれしにくくなる。よって、配線基板のクリティカルエリア等への吸引部の接触が確実に防止され、吸引部の接触に起因した配線基板の不具合が防止される。
【0010】
また、貫通孔が、エア流路が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有しているため、貫通孔が例えば円形状の孔である場合に比べて、貫通孔を通過するエアの総流量を大きくしやすくなる。
【0011】
なお、「配線基板」は、単一製品の配線基板だけでなく、配線基板となるべき基板形成領域が平面方向に沿って複数配置された多数個取り用配線基板も含むものとする。上記配線基板の形成材料としては、セラミック、金属、半導体などの無機材料や、樹脂などの有機材料を挙げることができ、コスト性、加工性、絶縁性、機械的強度などを考慮してそれらの中から適宜選択することができる。セラミック材料の好適例としては、例えばアルミナ、ガラスセラミック、結晶化ガラス等の低温焼成材料、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素などがある。金属材料の好適例としては、銅、銅合金、鉄ニッケル合金などがある。半導体材料の好適例としては、例えばシリコンなどがある。そして、樹脂材料の好適例としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂などがある。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)やポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を使用してもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料等を使用してもよい。特に、低コスト化などの観点からすれば、配線基板の形成材料として樹脂材料などの有機材料を選択することが好ましい。このような配線基板であれば、微細な導体層を比較的簡単にかつ正確に形成することができる。
【0012】
また、吸引部は把持部の先端側に配置され、エア流路は、吸引部及び把持部を貫通し、把持部から吸引部にエアを供給する流路であり、流路切替手段は吸引部に設けられていることが好ましい。このようにすれば、流路切替手段を、配線基板を吸引する部分(吸引面)に近付けて配置できるため、スイッチ部を開放状態となる操作位置に切り替えてから、エア吹出穴からエアが噴出するまでの時間が短縮される。その結果、配線基板をより素早く搬送できるため、配線基板の搬送効率を向上させることができる。
【0013】
なお、流路切替手段に設けられたスイッチ部の構造は特に限定されない。しかし、スイッチ部が例えば操作ボタンを有するものであると、操作ボタンを離した瞬間に配線基板が落下してしまう。この場合、作業者は、配線基板を搬送する度に操作ボタンを押し続けなければならないため、長時間の作業を行うと疲れる可能性が高い。よって、スイッチ部は、例えば、エア流路とは直交する方向に延びる回転軸を中心として回動する回動バルブと、回動バルブに連結され、回動バルブを回動させるために操作される操作部とを備えるものが好ましい。このようにすれば、スイッチ部を開放状態となる操作位置に操作しておけば、作業者が手を離したとしても、スイッチ部は開放状態を維持するようになる。ゆえに、作業者は、配線基板を搬送する際にスイッチ部を操作し続けなくても済むため、長時間の作業を行ったとしても疲れにくくなる。なお、操作部は、吸引部の外周側に配置されるとともに、吸引部における把持部側に配置されていることが好ましい。このようにすれば、作業者の指が届きやすくなるため、操作性が向上し、作業者はよりいっそう疲れにくくなる。
【0014】
また、スイッチ部に設けられた貫通孔の幅は特に限定されないが、例えば、幅が0.5mm以上1.0mm以下に設定されていることが好ましい。仮に、幅が0.5mm未満になると、貫通孔を通過するエアの量が少なくなりすぎるため、エア吹出穴から噴出するエアの流量を十分に確保できない。よって、エアを用いた配線基板の吸引を、確実に行うことができなくなる。一方、幅が1.0mmよりも大きくなると、スイッチ部を閉鎖状態となる操作位置から開放状態となる操作位置に切り替えたとしても、貫通孔全体がエア流路に連通するまでに時間が掛かるため、エア吹出穴から噴出するエアの流量がなかなか多くならない。その結果、スイッチ部が開放状態となる操作位置に操作されてから、配線基板の基板主面が吸引面に吸引されるまでの間に、配線基板が回転ずれしたり横ずれしたりする可能性がある。
【0015】
さらに、貫通孔の長さは特に限定されないが、例えば、長さが2.0mm以上5.0mm以下に設定されていることが好ましい。仮に、長さが2.0mm未満になると、貫通孔を通過するエアの量が少なくなりすぎるため、エア吹出穴から噴出するエアの流量を十分に確保できない。よって、エアを用いた配線基板の吸引を、確実に行うことができなくなる。一方、長さが5.0mmよりも大きくなると、スイッチ部が大型化され、ひいては配線基板搬送用治具全体の大型化につながってしまう。
【0016】
また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、上記手段1に記載の配線基板搬送用治具を用いて、被搬送物である配線基板の基板主面を前記吸引面に吸引保持して搬送することを特徴とする配線基板の製造方法がある。
【0017】
従って、上記手段2の製造方法によると、上記手段1の配線基板搬送用治具を用いて配線基板のクリティカルエリア等への吸引部の接触を確実に防止することにより、配線基板を製造することができる。ゆえに、吸引部の接着に起因して配線基板が不良品であると判定されにくくなるため、配線基板の歩留まりを向上させることができる。
【0018】
なお、配線基板の形成材料は樹脂材料などの有機材料であることが好ましいが、特に、配線基板は、基板主面上に形成された複数の端子パッド、及び、複数の端子パッド上に配設された複数のはんだバンプからなる電極形成領域を有する樹脂製配線基板であることが好ましい。その理由は、配線基板を接触状態で搬送しようとする場合に、配線基板の基板主面に形成されたはんだバンプが吸引部に押し潰されて変形するという問題が起こり、これを解決するうえで上記手段の配線基板搬送用治具を採用する意義が発生するからである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態における配線基板搬送用治具の概略構成を示す側面図。
【図2】配線基板の概略構成を示す断面図。
【図3】配線基板搬送用治具を示す要部断面図。
【図4】吸引部を示す下面図。
【図5】スイッチ部をエア流路が延びる方向と直交する平面で切断したときの断面を示す概略図。
【図6】配線基板搬送用治具を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1に示されるように、配線基板搬送用治具11は、被搬送物である配線基板110(図2参照)を気流の作用を利用して搬送するものである。
【0022】
図2に示されるように、本実施形態の配線基板110は、ICチップ搭載用のオーガニック・パッケージ(樹脂製配線基板)であり、複数の製造工程後であって検査工程前の状態を示している。配線基板110は、略矩形板状のコア基板111と、コア基板111のコア主面112(図2では上面)上に形成される第1ビルドアップ層114と、コア基板111のコア裏面113(図2では下面)上に形成される第2ビルドアップ層115とからなる。ビルドアップ層114,115は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)からなる樹脂絶縁層と、銅からなる導体層とを交互に積層した構造を有している。また、配線基板110の基板主面120上(第1ビルドアップ層114の上面上)における複数箇所には、端子パッド116がアレイ状に形成され、配線基板110の基板裏面121上(第2ビルドアップ層115の下面上)における複数箇所には、BGA用パッド117がアレイ状に形成されている。さらに、端子パッド116の表面上には、複数のはんだバンプ118が配設されている。なお、本実施形態のはんだバンプ118は、頂部が平坦化されたはんだバンプである。また、各はんだバンプ118には、矩形平板状をなすICチップの端子が接続されるようになっている。なお、各端子パッド116及び各はんだバンプ118からなる領域は、配線基板110の機能に重大な影響を与えるクリティカルエリアであって、ICチップを搭載可能な電極形成領域119である。電極形成領域119は、配線基板110の基板主面120上において略中央に配置された正方形領域である。
【0023】
図1,図3に示される配線基板搬送用治具11は、吸引部20と把持部30とによって構成されている。吸引部20は、配線基板110を搬送する際に、吸引面21を配線基板110に向けた状態で配線基板110に対して接近及び離間するようになっている。把持部30は、作業者によって把持されるようになっている。
【0024】
把持部30は、金属材料(本実施形態では、プラチナを含有するアルミニウム合金)によって外径8.0mm×長さ65mmの略円柱状に形成され、外周面にはローレット加工が施されている。また、把持部30には、同把持部30の基端面31にて開口するポート取付孔(図示略)と、把持部30の先端面32にて開口するネジ孔33とが設けられている。なお、ポート取付孔には、導電性金属によって形成されたポート90が取り付けられ、ポート90には、ポリウレタンにカーボンブラックを混入させた材料からなる帯電防止チューブ(図示略)が接続されている。
【0025】
図3,図4に示されるように、吸引部20は、把持部30の先端側に配置されており、吸引部本体22及び樹脂製パッド40を備えている。吸引部本体22は、金属材料(本実施形態では、プラチナを含有するアルミニウム合金)によって柱状に形成されている。吸引部本体22は、同吸引部本体22の基端部を構成する基端側部材200と、吸引部本体22の先端部を構成する先端側部材210とからなり、両部材200,210は互いに分割可能な構造となっている。基端側部材200は、縦16mm×横16mm×長さ30mmの略直方体状をなしている。また、基端側部材200の基端面201には、ネジ部202が突設されている。なお、ネジ部202が把持部30側のネジ孔33に螺着することにより、把持部30が吸引部20に接続されるようになる。さらに、基端側部材200には、先端面203にて開口するネジ孔204が設けられている。また、基端側部材200には、バルブ収容部205と、基端側部材200の外周面にて開口するとともにバルブ収容部205に連通するネジ孔206とが設けられている。
【0026】
図1,図3に示されるように、先端側部材210は、基端側部材200に接続される接続部211と、接続部211の先端側に位置する中間部212と、中間部212の先端側に位置する先端部213とを備えている。接続部211は、縦16mm×横16mm×長さ12mmの略直方体状をなしている。また、中間部212は、縦20mm×横20mm×長さ12mmの略直方体状をなし、先端部213は、縦18mm×横18mm×長さ7.0mmの略直方体状をなしている。さらに、先端側部材210の基端面23には、ネジ部214が突設されている。なお、ネジ部214が基端側部材200側のネジ孔204に螺着することにより、先端側部材210と基端側部材200とが互いに接続されるようになる。
【0027】
図4に示されるように、先端側部材210の先端面24(吸引面21)には、先端面24側から見て円形状をなす凹部73が設けられている。また、凹部73の中心には、断面略台形状であって下方から見て円形状をなすノズル先端部75が突設されている。
【0028】
図3に示されるように、配線基板搬送用治具11の内部には、エアを供給するエア流路221が設けられている。エア流路221は、吸引部20及び把持部30を貫通し、把持部30から吸引部20にエアを供給する流路である。エア流路221は、ポート90に連通し、エアユニット231(図6参照)に接続されている。また、エア流路221は、把持部内流路(図示略)、上流側流路222、バルブ収容部205、下流側流路223、導入流路224及び導出流路225からなっている。把持部内流路は、把持部30内に設けられ、上流側の端部においてポート取付孔に連通している。把持部内流路は、内径が4.0mmに設定され、凹部73の中心軸A1に沿って延びる直線状の流路である。上流側流路222は、基端側部材200内及びネジ部202内に設けられ、上流側の端部において把持部内流路に連通するとともに、下流側の端部においてバルブ収容部205に連通している。上流側流路222は、内径が4.0mmに設定され、中心軸A1に沿って延びる直線状の流路である。下流側流路223は、基端側部材200内に設けられ、上流側の端部においてバルブ収容部205に連通している。下流側流路223は、内径が最大で8.0mmに設定され、中心軸A1に沿って延びる直線状の流路であり、上流側端部の内径が、上流側に行くに従って徐々に縮径して最小の4.0mmとなるテーパ形状をなしている。導入流路224は、先端側部材210内及びネジ部214内に設けられ、上流側の端部において下流側流路223に連通している。導入流路224は、内径が4.0mmに設定され、中心軸A1に沿って延びる直線状の流路である。導出流路225は、先端側部材210内に設けられ、上流側の端部において導入流路224に連通している。導出流路225は、内径が12.0mmに設定され、中心軸A1に沿って延びる直線状の流路である。
【0029】
図4に示されるように、先端側部材210には、導出流路225の下流側の端部に連通するとともに、凹部73の内周面にて開口するエア吹出穴81が6箇所に設けられている。各エア吹出穴81は、エア流路221から供給されてきたエアを凹部73内に噴出するようになっている。そして、それぞれのエア吹出穴81から噴出されるエアは、凹部73の周方向に沿って導かれ、エア吹出穴81から基板主面120に向けて吹き付けられるようになっている。なお、本実施形態の吸引部20は、吸引部本体22と配線基板110との間に発生する空気流によって生じるベルヌーイ効果を利用して配線基板110を保持するようにしたベルヌーイチャックである。
【0030】
なお、各エア吹出穴81は、凹部73の中心軸A1を基準としたときに回転対称となるように配置されている。詳述すると、各エア吹出穴81は、中心軸A1と同心状に設定された仮想円C1上において、ノズル先端部75を取り囲むように配置されている。また、各エア吹出穴81は、中心軸A1を基準として等角度(60°)間隔で配置されている。なお、各エア吹出穴81は、円形状をなし、内径が1.0mmに設定されている。
【0031】
図3,図4に示されるように、樹脂製パッド40は、先端側部材210の先端部213に取り付けられ、正面が吸引面21となっている。樹脂製パッド40は、樹脂材料(本実施形態ではエーテル系ウレタン)によって形成され、直径18mm×高さ2.0mmの略円板状をなしている。また、樹脂製パッド40の中央部には、直径8.0mmの貫通孔41が設けられている。貫通孔41は、吸引部本体22の凹部73等を露出させるようになっている。
【0032】
また、吸引面21の外周部、即ち、樹脂製パッド40の外周部には、吸引面21より1.0mmだけ突出した凸部44が4箇所に形成されている。即ち、各凸部44は、貫通孔41及び凹部73の外側領域にて凸設されている。
【0033】
図3,図5に示されるように、吸引部20を構成する基端側部材200には、流路切替手段50が設けられている。流路切替手段50を構成するスイッチ部51は、エア流路221上に設けられている。スイッチ部51は、作業者によって操作されるものであり、操作位置に応じてエア流路221を開閉させるようになっている。また、スイッチ部51は、シール部材52、回動バルブ53及び操作部54を備えている。シール部材52は、樹脂材料(本実施形態ではエーテル系ウレタン)によって形成され、外径12mm×内径6.0mm×長さ14mmの略円筒状をなしている。また、シール部材52は、中心軸線が凹部73の中心軸A1とは直交した状態で、基端側部材200のバルブ収容部205内に収容されている。シール部材52の内周面には、一対の環状凸部55が突設されている。シール部材52の外周面には、係合凹部56が設けられている。なお、この係合凹部56とネジ孔206とを位置合わせした状態で、ネジ孔206に螺着したネジ(図示略)の先端部を係合凹部56に係合させることにより、シール部材52が基端側部材200に固定されるようになる。さらに、シール部材52には、内周面側と外周面側とを貫通する一対の接続流路57,58が設けられている。上流側の接続流路57は、上流側の端部において上流側流路222に連通するとともに、下流側の端部においてシール部材52の内周面側に連通している。下流側の接続流路58は、上流側の端部においてシール部材52の内周面側に連通するとともに、下流側の端部において下流側流路223に連通している。なお、接続流路57,58は、エア流路221が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有する長孔である。本実施形態の接続流路57,58は、幅が1.0mmに設定され、長さが4.0mmに設定されている。
【0034】
図3,図5に示されるように、回動バルブ53は、金属材料によって形成され、外径6.0mm×長さ16mmの略円柱状をなしている。回動バルブ53は、回転軸A2をエア流路221とは直交させた状態でシール部材52を挿通するとともに、回転軸A2を中心として回動するようになっている。また、回動バルブ53の外周面には、一対の嵌合凹部59が設けられている。なお、回動バルブ53がシール部材52を挿通した状態で、嵌合凹部59にシール部材52の環状凸部55を嵌合させることにより、回動バルブ53がシール部材52に対して位置ずれ不能に固定されるようになる。さらに、回動バルブ53には、同回動バルブ53の両端面において開口する一対のピン圧入穴60が設けられている。
【0035】
また、回動バルブ53には、同回動バルブ53の径方向に貫通する貫通孔61が設けられている。貫通孔61は、上流側の端部において上流側の接続流路57に連通するとともに、下流側の端部において下流側の接続流路58に連通している。また、貫通孔61は、エア流路221が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有する長孔である。本実施形態の貫通孔61は、幅が1.0mmに設定され、長さが4.0mmに設定されている。即ち、貫通孔61は、接続流路57,58と同じ幅及び長さを有している。よって、スイッチ部51は、貫通孔61が接続流路57,58と連通しない操作位置となる場合にエア流路221を閉鎖する閉鎖状態となり、貫通孔61が接続流路57,58と連通する操作位置となる場合にエア流路221を開放する開放状態となる。
【0036】
図3,図5に示されるように、操作部54は、吸引部20の外周側に配置されるとともに、吸引部20における把持部30側に位置する基端側部材200に取り付けられている。操作部54は、操作部本体62と、基端部において操作部本体62に固定されるとともに互いに離間した状態で基端側部材200側に延びる一対の腕部63とを備えている。操作部本体62には、作業者によって操作される摘み部64が設けられている。また、両腕部63の先端部には、それぞれ圧入ピン65が挿通されている。両圧入ピン65は、回動バルブ53に設けられた一対のピン圧入穴60にそれぞれ圧入されるようになっている。その結果、操作部54は、回動バルブ53に連結され、回動バルブ53を回動させるために操作されるようになる。
【0037】
次に、配線基板搬送用治具11のシステム構成について説明する。
【0038】
図6に示されるように、配線基板搬送用治具11は、加圧エアを送り出すエア供給源131を備えている。また、配線基板搬送用治具11は、エア供給源131と吸引部20との間を連通しうるエア供給流路130を備えている。エア供給流路130は、帯電防止チューブ及びポート90(図1のP1参照)を介して配線基板搬送用治具11のエア流路221に連通している。
【0039】
また、エア供給流路130上にはエア供給バルブ132が設置されている。エア供給バルブ132は、エア供給源131の下流側に配置されており、エア供給流路130を開状態または閉状態に切り替えるようになっている。エア供給バルブ132は、開状態に切り替えられた際に、下流側にエアを供給可能とするようになっている。なお、本実施形態のエア供給バルブ132は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。
【0040】
図6に示されるように、エア供給流路130上には、エア供給流路130内のエア圧力を一定値に調整する空気圧調整ユニット133が設置されている。即ち、空気圧調整ユニット133は、エア供給流路130を介してエア供給バルブ132及びエア供給源131と流路的に接続されている。空気圧調整ユニット133は、エアフィルタ134、圧力計135及び減圧弁136を備えている。エアフィルタ134は、エア供給バルブ132の下流側に配置されており、エア供給流路130内を通過するエアに含まれる異物を除去するようになっている。また、圧力計135は、エアフィルタ134の下流側に配置されており、エア供給流路130内を通過するエアの圧力を計測するようになっている。さらに、減圧弁136は、圧力計135の下流側に配置されており、エア供給流路130内を通過するエアの減圧を行い、減圧したエアを下流側に供給するようになっている。また、エア供給流路130上にはエアフィルタ137が設置されている。エアフィルタ137は、減圧弁136の下流側に配置されており、エア供給流路130内を通過するエアに含まれる水分を除去するようになっている。
【0041】
図6に示されるように、エア供給流路130上にはエアユニット231が設置されている。エアユニット231は、電磁弁232、流量調整弁233及びエアフィルタ234を備えている。電磁弁232は、エアフィルタ137の下流側に配置されており、エア供給流路130を開状態または閉状態に切り替えるようになっている。電磁弁232は、開状態に切り替えられた際に、下流側にエアを供給可能とするとともに、エアを適宜排気してエア圧力を減圧調整するようになっている。なお、本実施形態の電磁弁232は、単動ソレノイドによって作動する2位置、直動ノーマルクローズの電磁弁であり、制御装置101から出力される制御信号に基づいて開状態に切り替えられる。また、流量調整弁233は、電磁弁232とエアフィルタ234とをつなぐ流路の途中に配置されており、エア供給流路130を流れるエアを定量的に排気してそのエアの圧力が一定値となるよう減圧調整する絞り弁である。エアフィルタ234は、流量調整弁233の下流側に配置されており、エア供給流路130内を通過するエアに含まれる異物を除去するようになっている。
【0042】
図6に示されるように、配線基板搬送用治具11は、装置全体を制御する制御装置101を備えている。制御装置101は、CPU102、ROM103、RAM104及び入出力回路等により構成されている。CPU102は、エア供給バルブ132及び電磁弁232に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
【0043】
次に、非接触搬送方法を用いた配線基板110の製造方法について説明する。
【0044】
本実施形態の配線基板110は、複数の製造工程を経て製造され、導通検査を行う検査工程を受けた後に出荷される。なお、配線基板110は、製造工程が終了する度に基板支持台(図示略)上に配置される。この状態において、配線基板搬送用治具11を用いて配線基板110を搬送する。
【0045】
詳述すると、CPU102は、エア供給バルブ132及び電磁弁232に駆動信号を出力して、エア供給バルブ132及び電磁弁232を開状態に切り替える。その結果、エア供給源131から送り出された加圧エアが、エア供給流路130に導かれる。そして、エア供給流路130に導かれたエアは、ポート90(図1,図6のP1参照)を介して配線基板搬送用治具11の吸引部20内に流入し、エア流路221に導かれる。
【0046】
次に、作業者は、配線基板搬送用治具11を把持して配線基板110に近付ける。そして、作業者がスイッチ部51を操作して、貫通孔61が接続流路57,58と連通する操作位置となり、エア流路221が開放状態となる。この時点で、エア流路221に導かれたエアは、エア吹出穴81を通過し、エア吹出穴81から凹部73の内周面に沿って噴出する。その結果、エア吹出穴81から噴出したエアの大部分は、凹部73外に流出した後、吸引面21と基板主面120との隙間を通過し、この際に高速流となって吸引部20の外側に放出される。その結果、吸引面21と基板主面120との間に生じた空間が負圧となり、配線基板110の基板主面120が吸引面21に吸引保持される。また、エア吹出穴81から噴出されたエアの一部は、凹部73の周方向に沿って流れて旋回流を形成する。
【0047】
そして、作業者は、配線基板110の基板主面120を吸引面21に吸引保持した状態で、配線基板搬送用治具11を把持して例えば検査工程用のラインに搬送する。配線基板110が検査工程用のラインに到達すると、配線基板110の釈放を行い、検査工程用のラインの支持台上に配線基板110を配置する。具体的に言うと、作業者は、スイッチ部51を操作して、貫通孔61が接続流路57,58と連通しない操作位置に切り替える。この時点で、エア流路221が閉鎖状態となり、エア吹出穴81からのエアの噴出が終了する。そして、CPU102は、電磁弁232を閉状態に切り替える制御を行い、エア供給流路130を遮断する。その結果、吸引部20へのエアの供給が停止される。
【0048】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0049】
(1)本実施形態の配線基板搬送用治具11では、スイッチ部51に設けられた貫通孔61が、エア流路221が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有している。このため、回動バルブ53を回動させて貫通孔61の幅方向に移動させることにより、スイッチ部51を閉鎖状態となる操作位置から開放状態となる操作位置に切り替えるようにすれば、貫通孔61全体が短時間でエア流路221に連通し、エア吹出穴81から噴出するエアの流量が急激に多くなる。従って、スイッチ部51が開放状態となる操作位置に操作されるのとほぼ同時に、配線基板110の基板主面120が吸引面21に吸引されるようになる。その結果、配線基板110が傾くなどする前に配線基板110の吸引が完了するため、吸引時の配線基板110の回転ずれや横ずれが防止されて配線基板110の姿勢が安定するようになり、配線基板110と吸引部20とが相対的に面方向に位置ずれしにくくなる。よって、配線基板110のクリティカルエリア等への吸引部20の接触が確実に防止される。ゆえに、吸引部20の接触に起因して配線基板110が不良品であると判定されにくくなるため、配線基板110の歩留まりを向上させることができる。
【0050】
(2)例えば、スイッチ部51からシール部材52を省略し、貫通孔61の上流側の端部を上流側流路222に直接連通させるとともに、貫通孔61の下流側の端部を下流側流路223に直接連通させることが考えられる。しかし、上流側流路222の内径(4.0mm)や、下流側流路223の上流側端部の最小の内径(4.0mm)は、貫通孔61の幅(1.0mm)よりも大きくなっている。このため、スイッチ部51を開放状態となる操作位置から閉鎖状態となる操作位置に切り替えようとしても、貫通孔61と流路222,223とがすぐには遮断されないため、エア吹出穴81から噴出するエアを素早くに遮断することができない。その結果、配線基板110が吸引面21側から離れずに残る可能性があるため、配線基板110の製造効率が低下してしまう。また、配線基板110の釈放時に配線基板110が回転ずれしたり横ずれしたりするおそれもある。
【0051】
そこで本実施形態では、貫通孔61の上流側の端部を上流側の接続流路57に連通させるとともに、貫通孔61の下流側の端部を下流側の接続流路58に連通させている。これらの接続流路57,58は、貫通孔61と同じ幅を有しているため、スイッチ部51を開放状態となる操作位置から閉鎖状態となる操作位置に切り替えれば、貫通孔61と接続流路57,58とが素早く遮断され、エア吹出穴81から噴出するエアを素早く遮断することができる。ゆえに、配線基板110の釈放を短時間で行うことができるため、配線基板110の製造効率が向上する。また、釈放時においても、配線基板110の回転ずれや横ずれが防止されて配線基板110の姿勢が安定するようになるため、配線基板110と吸引部20とが相対的に面方向に位置ずれしにくくなる。よって、配線基板110のクリティカルエリア等への吸引部20の接触がより確実に防止される。ゆえに、吸引部20の接触に起因して配線基板110が不良品であると判定される可能性がよりいっそう小さくなるため、配線基板110の歩留まりがよりいっそう向上する。
【0052】
(3)貫通孔61が例えば円形状の孔である場合、一旦異物が入り込むと、貫通孔61が塞がってしまう可能性が高い。その結果、貫通孔61を通過してエア吹出穴81から噴出するエアの流量が急激に少なくなるため、配線基板110の基板主面120を確実に吸引面21に吸引できなくなる。一方、本実施形態の貫通孔61は長孔であるため、例えば貫通孔61の一端が塞がったとしても、貫通孔61の他端は塞がらずに機能し続ける可能性が高い。その結果、貫通孔61を通過してエア吹出穴81から噴出するエアの流量は殆ど低下しないため、配線基板110の基板主面120を確実に吸引面21に吸引することができる。
【0053】
(4)本実施形態では、内径が1.0mmに設定されたエア吹出穴81が6個設けられることにより、各エア吹出穴81から噴出するエアの流量を大きくすることができるため、配線基板110を吸引する力を大きくすることができる。その結果、気流が安定するようになるため、吸引時の配線基板110の回転ずれや横ずれをより確実に防止することができる。
【0054】
(5)本実施形態では、配線基板110のはんだバンプ118が、頂部が平坦化されたはんだバンプとなっている。このようにすれば、はんだバンプ118と、電極形成領域119に搭載されるICチップの端子との接触面積が大きくなるため、配線基板110とICチップとをより確実に接続することができる。
【0055】
なお、本実施形態を以下のように変更してもよい。
【0056】
・上記実施形態では、スイッチ部51の操作部54が、吸引部20において把持部30側に位置する基端側部材200に配置されていた。しかし、操作部54を、吸引部20を構成する先端側部材210や、把持部30などに配置してもよい。
【0057】
・上記実施形態では、エア供給バルブ132及び電磁弁232の制御を1つのCPU102で制御するようにしたが、各制御を別々のCPUで行うように構成してもよい。
【0058】
・上記実施形態の配線基板搬送用治具11は、単一製品の配線基板110を搬送するようになっていたが、例えば、配線基板110となるべき基板形成領域が平面方向に沿って複数配置された多数個取り用配線基板を搬送するようにしてもよい。
【0059】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0060】
(1)上記手段1において、前記スイッチ部は、前記エア流路とは直交する方向に延びるとともに前記貫通孔と平行に配置された回転軸を中心として回動する回動バルブと、前記回動バルブに連結され、前記回動バルブを回動させるために操作される操作部とを備えることを特徴とする配線基板搬送用治具。
【0061】
(2)上記手段1において、前記エア流路は、前記吸引部及び前記把持部を貫通するとともに、前記吸引部及び前記把持部の中心軸線に沿って延びる直線状の流路であることを特徴とする配線基板搬送用治具。
【符号の説明】
【0062】
11…配線基板搬送用治具
20…吸引部
21…吸引面
30…把持部
50…流路切替手段
51…スイッチ部
53…回動バルブ
54…操作部
61…貫通孔
73…凹部
81…エア吹出穴
110…被搬送物としての配線基板
116…端子パッド
118…はんだバンプ
119…電極形成領域
120…基板主面
221…エア流路
A2…回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引面に凹部が設けられるとともに、前記凹部の内周面にて開口するエア吹出穴が設けられた吸引部と、前記吸引部に接続され、作業者によって把持される把持部とを備え、
前記エア吹出穴から前記凹部の内周面に沿って噴出したエアにより発生する負圧によって、被搬送物である配線基板の基板主面を前記吸引面に吸引保持した状態で、前記配線基板を搬送する治具であって、
前記エア吹出穴にエアを供給するエア流路と、
作業者によって操作されるスイッチ部が前記エア流路上に設けられ、前記スイッチ部の操作位置に応じて前記エア流路を開閉させる流路切替手段と
を備え、
前記スイッチ部には、前記エア流路が延びる方向とは直交する方向に長い断面形状を有する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔が前記エア流路と連通しない操作位置となる場合に前記エア流路を閉鎖する閉鎖状態となり、前記貫通孔が前記エア流路と連通する操作位置となる場合に前記エア流路を開放する開放状態となる
ことを特徴とする配線基板搬送用治具。
【請求項2】
前記スイッチ部は、前記エア流路とは直交する方向に延びる回転軸を中心として回動する回動バルブと、前記回動バルブに連結され、前記回動バルブを回動させるために操作される操作部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の配線基板搬送用治具。
【請求項3】
前記操作部は、前記吸引部の外周側に配置されるとともに、前記吸引部における前記把持部側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の配線基板搬送用治具。
【請求項4】
前記吸引部は前記把持部の先端側に配置され、
前記エア流路は、前記吸引部及び前記把持部を貫通し、前記把持部から前記吸引部にエアを供給する流路であり、
前記流路切替手段は前記吸引部に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の配線基板搬送用治具。
【請求項5】
前記貫通孔は、幅が0.5mm以上1.0mm以下に設定され、長さが2.0mm以上5.0mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の配線基板搬送用治具。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の配線基板搬送用治具を用いて、被搬送物である配線基板の基板主面を前記吸引面に吸引保持して搬送することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記配線基板は、前記基板主面上に形成された複数の端子パッド、及び、前記複数の端子パッド上に配設された複数のはんだバンプからなる電極形成領域を有する樹脂製配線基板であることを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−152874(P2012−152874A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15678(P2011−15678)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】