説明

酢酸の製造方法

【課題】 酢酸をエチレンより気相接触反応により一段で合成する方法において、空時収率が高く、二酸化炭素の副生を著しく抑え、触媒寿命の長い方法を得る。
【解決手段】 (a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素及び/又は(d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させて、酢酸を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンと酸素とから一段接触反応により酢酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酢酸の製造法としてはアセトアルデヒドの酸化法、メタノールと一酸化炭素を反応させる方法、低級パラフィンを酸化する方法などが実用化されている。アセトアルデヒドの酸化法は、エチレンよりアセトアルデヒドを経て酢酸を製造する二段酸化法であるが、エチレン酸化に寄与するパラジウムイオンは生成アセトアルデヒドを酸化できないため、各段階での触媒が異なることよりこの方法での酢酸の直接合成は困難である。メタノールのカルボニル化法は、触媒としてのロジウムが極めて高価な問題があり、又低級炭化水素の酸化法は一段で酢酸を合成しているが、反応条件が比較的厳しいため副生成物が多く、反応選択性,収率の向上が問題となっている。
【0003】一方エチレンから酢酸を一段酸化法で製造する方法は、工業的製造工程上と経済的に種々の有利な点を有しているために、多くの提案がなされている。例えば、パラジウム−コバルト,鉄などの金属イオン対の酸化還元系触媒を用いた液相一段酸化法(フランス特許第1448361号)、更にはパラジウム−リン酸又は硫黄含有変性剤からなる触媒(特開昭47−13221,特開昭51−29425)、ある種のヘテロポリ酸のパラジウム塩からなる触媒(特開昭54−57488)、3群系酸素化合物からなる触媒(特公昭46−6763)、パラジウム−ヘテロポリ酸又はそれらの塩からなる触媒( 特開平7−89896)を用いた気相一段酸化法などが提案されている。これらの触媒を用いて反応を行なうに当たって工業上特に重要なことは、触媒の活性が高く、かつその経時変化ができる限り小さく、しかも酢酸の選択性がよいことである。しかし従来提案されたこれらの触媒はいずれも、酢酸の製造を工業的規模で実施する上で、必ずしも十分な性能を有しているとは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして本発明の目的は、エチレンと酸素を反応させることによって、酢酸を工業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するため、エチレンと酸素から酢酸を製造する際に用いる触媒の性能を高めるべく鋭意研究を行なった結果、従来法に比べて空時収率が極めて高く、又二酸化炭素の選択率が極めて低い、寿命も長い下記の触媒を見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明(I)は、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の製造方法である。
【0006】更に本発明(II)は、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させることを特徴とする酢酸の製造方法である。
【0007】以下、本発明について詳しく説明する。本発明で用いられる触媒に含有されるパラジウムは金属パラジウムである。又、ヘテロポリ酸のヘテロ原子としては、リン,珪素,ホウ素,アルミニウム,ゲルマニウム,チタニウム,ジルコニウム,セリウム,コバルト及びクロムであり、又ポリ原子としては、モリブデン,タングステン,バナジウム,ニオブ及びタンタルよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素である。
【0008】具体的には、ケイタングステン酸,リンタングステン酸,ケイモリブデン酸,リンモリブデン酸,リンモリブドタングステン酸,ケイモリブドタングステン酸,リンバナドタングステン酸,ケイバナドタングステン酸,ケイバナドモリブデン酸,ホウタングステン酸,ホウモリブデン酸及びホウモリブドタングステン酸などが例示される。特に、ヘテロ原子がリン又は珪素、ポリ原子がタングステン,モリブデン及びバナジウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなるヘテロポリ酸が実用上有利である。
【0009】更にヘテロポリ酸の塩は、二種以上の無機酸素酸が縮合して生成した酸の水素原子の一部又は全部を置換した金属塩或いはオニウム塩である。ヘテロポリ酸の水素原子を置換した金属は、(国際純正及び応用化学連合無機化学命名法改訂版(1989 年)による)周期律表における1族,2族,11族及び13族よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、又ヘテロポリ酸のオニウム塩としては、アンモニウムやアミン類とのアンモニウム塩などが例示される。これらヘテロポリ酸の塩の中でも、リチウム,ナトリウム,カリウム,セシウム,マグネシウム,バリウム,銅,金及びガリウムの金属塩が特に好ましい。
【0010】更に触媒性能上並びに実用上好ましいヘテロポリ酸の塩としては、リンタングステン酸のリチウム塩,リンタングステン酸のナトリウム塩,リンタングステン酸の銅塩,ケイタングステン酸のリチウム塩,ケイタングステン酸のナトリウム塩及びケイタングステン酸の銅塩を挙げることができる。
【0011】本発明(I)で用いられる触媒は、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する多元系触媒である。(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれらの塩としては前述の様にして用いられ、又(c)群に属する元素の中ではクロム,レニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛などが好ましく使用できる。
【0012】更に触媒性能上並びに実用上特に好ましい本発明の触媒としては、(a)金属パラジウム、(b)リンタングステン酸及びそのリチウム,ナトリウム,銅塩、及びケイタングステン酸及びそのリチウム,ナトリウム,銅塩及び(c)クロム及び亜鉛よりなる3群系触媒を挙げることができる。
【0013】その構造は正確にはわからないが、パラジウムは塩化パラジウム,酸化パラジウム,ヘテロポリ酸パラジウム塩などの化合物ではなく、金属パラジウムであり、(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれらの塩は複合酸化物とは異なり、無機のポリ酸又はその水素原子を置換した金属塩として構造の明らかな酸性を示す化合物であり、又(c)群に属する元素はヘテロポリ酸の構成元素又はヘテロポリ酸の水素原子を置換した元素としてではなく、金属,化合物或いは金属パラジウムとの合金の形であり、3群の元素及び化合物はそれぞれ混合物として、ごく近傍に存在していると考えられる。その為、金属パラジウムと(b)及び(c)で表される各群の化合物及び元素の相互作用により、極めて高い活性と選択性を発現し、ヘテロポリ酸パラジウム塩触媒(特開昭54−57488)やパラジウムを含む3群系酸素化合物触媒(特公昭46−6763)と比べて低い反応温度で、すぐれた酢酸生成活性と選択性を示す。
【0014】又、特開平7−89896に記されている3群系触媒に比べても、酢酸生成活性が高く、アセトアルデヒドの副生が少なく、触媒の安定性も向上する特徴を有する。更に、特開平7−89896において、第3成分として添加している11,14,15又は16族元素の原料となる化合物は、パラジウムの化合物と一緒に水に溶解することが困難なものが多く、塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸を用いたり、別々に溶液を調製しなければならない。更に、第3成分の化合物のみでも水に溶けにくいものが少なくない。しかし本発明の(c)群元素の化合物は、パラジウムの化合物と一緒に容易に水に溶ける為、触媒調製の簡略化及びそのコストの低減が可能であり、実用上有利である。
【0015】本発明で用いられる(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の(a)(b)(c)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025〜500 グラム分子:(c)0.005〜10グラム原子が好ましく、特に 1:0.1 〜400 :0.01〜5 において、より好ましい結果を与える。
【0016】又本触媒中のパラジウムの含有量は、通常0.01〜6 重量%の範囲内であるが好ましく、更に好ましくは 0.1〜2 重量%の範囲である。パラジウム含有量が 6重量%以上でも反応は充分進行するが、パラジウムが高価な為に経済的ではなく、実用上好ましくない。本発明で用いられる触媒の調製方法には、前記触媒組成である限り特に制限はなく、通常の方法によって行われる。
【0017】即ち、前記(a)で表される金属パラジウムの調製に用いられる原料は、特に限定されるものではないが、通常塩化パラジウム等のハロゲン化物,酢酸パラジウム等の有機酸塩,硝酸パラジウム,酸化パラジウム,硫酸パラジウム及びテトラクロロパラジウム酸ナトリウムなどのようにパラジウム金属に転化しうるもの及び金属パラジウムそのものが用いられる。
【0018】又(b)群のヘテロポリ酸の塩は、通常ヘテロポリ酸の水溶液に前記の金属,オニウムのハロゲン塩,炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩又は硫酸塩等の水溶液を加え、その後濃縮,乾燥或いは濾過等の操作の組み合わせによって得られるが、特にこの調製法に限定されるものではない。
【0019】又(c)群に属する元素(クロム,レニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など)の触媒調製に用いられる原料は、特に限定されるものではなく、塩化クロム,塩化レニウム,塩化亜鉛等のハロゲン化物,酸化クロム,酸化レニウム,酸化亜鉛等の酸化物等が代表的な例である。所望ならば各々の金属も使用できる。
【0020】次に、本触媒の製法の1例を示す。まず、前記(a)のパラジウム化合物及び(c)群に属する元素の適当な化合物を各々別個に、又は一緒に水又はアセトンなどの適当な溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に溶解又は懸濁し、これにヘテロポリ酸又はそれらの塩を加え、含浸,混練,濃縮,乾燥等を行なった後、ヒドラジン,水素などの適当な還元剤により金属パラジウムに還元して触媒を得るが、もとよりこの調製法に限定されるものではない。
【0021】本発明で用いられる触媒は上記組成の触媒物質のみを単独に用いても有効であるが、担体と共に使用すると更に有利である。本触媒に使用される担体は多孔質物質であればよく、例えばシリカ,珪そう土,モンモリロナイト,チタニア,活性炭,アルミナ及びシリカアルミナなどの粉末状,球状,ペレット状その他任意の形状のものが挙げられる。本触媒を担体と共に使用する場合のヘテロポリ酸及びその塩の担持量は、担体の粒径及び細孔構造に依存して変わるが、担体に対して 5〜200 重量%の範囲内であるのが好ましく、更に好ましくは10〜100 重量%の範囲である。
【0022】又、(c)群の元素(クロム,レニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など)の担持量は広範囲で有効であるが、通常0.01〜30重量%の範囲であるのが好ましい。又、本触媒に含有するパラジウムは金属パラジウムが好適であり、通常上記担体にパラジウム塩を担持し、その後還元して得ることが好ましい。
【0023】更に本触媒の担体への担持法には特に制限はなく、(a)の金属パラジウム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩及び(c)群の元素は担体上に任意の方法で析出或いは沈着させることができる。(a)の金属パラジウム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩及び(c)群の元素の担体への担持順序は、これら3群の元素を2種以上同時に又は任意の順次でもよいが、通常はパラジウムの担持を先にした方が担体付金属調製の為の周知の方法が適当に利用できるので、有利である。その一般的な製法の1例を示すと、次の通りである。
【0024】即ち、前記の適当なパラジウム化合物及び(c)群の元素の化合物を水又はアセトンなどの適当な溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に溶解し、これに担体を含浸し乾燥して、パラジウム化合物を担体上に担持させた後、そのまますぐに或いは水酸化ナトリウム,メタケイ酸ナトリウム等の水溶液で処理することにより、パラジウム及び(c)群の元素の酸化物又は水酸化物に変換した後に、ヒドラジン,水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属及び(c)群の元素の金属に還元する。その後所望ならば、残存するナトリウム等のアルカリ塩は水洗除去される。次いで乾燥した後、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩を順次担持して触媒を得る。
【0025】(b)群のヘテロポリ酸又はその塩の担持法としては、含浸法,蒸発乾固法,混練法,付着法等の手段が適用される。ただし、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩担持後の乾燥,還元等の熱処理温度が約 350℃を越えるとヘテロポリ酸の骨格の破壊を招き、酢酸生成活性及び選択性が悪くなるので好ましくない。
【0026】本発明(II)で用いられる触媒は、(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する多元系触媒である。
【0027】(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれらの塩としては前述の様にして用いられ、(c)群に属する元素の中ではクロム,レニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など、(d)群に属する元素の中では銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビスマス,セレン及びテルルなどが好ましく使用できる。
【0028】更に触媒性能上並びに実用上特に好ましい本発明の触媒としては、(a)金属パラジウム、(b)リンタングステン酸及びそのリチウム,ナトリウム,銅塩、及びケイタングステン酸及びそのリチウム,ナトリウム,銅塩、(c)クロム及び亜鉛及び(d)ビスマス,セレン及びテルルよりなる4群系触媒を挙げることができる。
【0029】その構造は正確にはわからないが、パラジウムは塩化パラジウム,酸化パラジウム,ヘテロポリ酸パラジウム塩などの化合物ではなく、金属パラジウムであり、(b)群に属するヘテロポリ酸又はそれらの塩は複合酸化物とは異なり、無機のポリ酸又はその水素原子を置換した金属塩として構造の明らかな酸性を示す化合物であり、又(c)群,(d)群に属する元素はヘテロポリ酸の構成元素又はヘテロポリ酸の水素原子を置換した元素としてではなく、金属,化合物或いは金属パラジウムとの合金の形であり、4群の元素及び化合物はそれぞれ混合物として、ごく近傍に存在していると考えられる。又、(c)群,(d)群に属する元素は助触媒として同様に添加しているが、(c)群に属する元素は(d)群に属する元素の有無にかかわらず活性を向上させており、(c)群に属する元素と(d)群に属する元素の活性向上の作用機構は詳細はわからないが、異なるものと考えられる。その為、金属パラジウムと(b),(c)及び(d)で表される各群の化合物及び元素の相互作用により、極めて高い活性と選択性を発現し、従来の触媒に比べて低い反応温度で、すぐれた酢酸生成活性と選択性を示す。
【0030】本発明で用いられる(a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の(a)(b)(c)(d)の組成比は、(a)1グラム原子:(b)0.025〜500 グラム分子:(c)0.005 〜10グラム原子:(d) 0.005〜10グラム原子が好ましく、特に 1:0.1 〜400 :0.01〜5 :0.01〜5 において、より好ましい結果を与える。
【0031】又本触媒中のパラジウムの含有量は、通常 0.01 〜6 重量%の範囲内であるのが好ましく、更に好ましくは 0.1〜2 重量%の範囲である。パラジウム含有量が 6重量%以上でも反応は充分進行するが、パラジウムが高価な為に経済的ではなく、実用上好ましくない。本発明で用いられる触媒の調製方法には、前記触媒組成である限り特に制限はなく、通常の方法によって行われる。
【0032】即ち、前記(a)で表される金属パラジウムの調製に用いられる原料は、特に限定されるものではないが、通常塩化パラジウム等のハロゲン化物,酢酸パラジウム等の有機酸塩,硝酸パラジウム,酸化パラジウム,硫酸パラジウム及びテトラクロロパラジウム酸ナトリウムなどのようにパラジウム金属に転化しうるもの及び金属パラジウムそのものが用いられる。
【0033】又(b)群のヘテロポリ酸の塩は、通常ヘテロポリ酸の水溶液に前記の金属,オニウムのハロゲン塩,炭酸塩,硝酸塩,酢酸塩又は硫酸塩等の水溶液を加え、その後濃縮,乾燥或いは濾過等の操作の組み合わせによって得られるが、特にこの調製法に限定されるものではない。
【0034】又、(c)群に属する元素(クロム,レニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など)の触媒調製に用いられる原料は特に限定されるものではなく、塩化クロム,塩化レニウム,塩化亜鉛等のハロゲン化物、酸化クロム,酸化レニウム,酸化亜鉛等の酸化物等が代表的な例である。所望ならば各々の金属も使用できる。
【0035】又、(d)群に属する元素(銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビスマス,セレン及びテルルなど)の触媒調製に用いられる原料は特に限定されるものではなく、塩化テルル,塩化セレン,塩化アンチモン,塩化ビスマス,塩化銅等のハロゲン化物、酸化テルル,酸化セレン,酸化アンチモン,酸化ビスマス,酸化銅等の酸化物、硝酸ビスマス,硝酸銅,硝酸銀,硝酸鉛等の硝酸塩、酢酸銅,酢酸錫,酢酸鉛等の酢酸塩、テルル酸,亜テルル酸,亜テルル酸カリウム,セレン酸,亜セレン酸,亜セレン酸カリウム,アンチモン酸カリウム,硫化アンチモン,硫化ビスマス,硫酸銅等が代表的な例である。所望ならば各々の金属も使用できる。
【0036】次に、本触媒の製法の1例を示す。まず、前記(a)のパラジウム化合物及び(c)群,(d)群に属する元素の適当な化合物を各々別個に、又は一緒に水又はアセトンなどの適当な溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に溶解又は懸濁し、これにヘテロポリ酸又はそれらの塩を加え、含浸,混練,濃縮,乾燥等を行なった後、ヒドラジン,水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属に還元して触媒を得るが、もとよりこの調製法に限定されるものではない。
【0037】本発明で用いられる触媒は上記組成の触媒物質のみを単独に用いても有効であるが、担体と共に使用するとさらに有利である。本触媒に使用される担体は多孔質物質であればよく、例えばシリカ,珪そう土,モンモリロナイト,チタニア,活性炭,アルミナ及びシリカアルミナなどの粉末状,球状,ペレット状その他任意の形状のものが挙げられる。本触媒を担体と共に使用する場合のヘテロポリ酸及びその塩の担持量は、担体の粒径及び細孔構造に依存して変わるが、担体に対して 5〜200 重量%の範囲内であるのが好ましく、更に好ましくは10〜100 重量%の範囲である。
【0038】又、(c)群の元素(クロム,レニウム,ルテニウム,ロジウム,ニッケル及び亜鉛など)及び(d)群の元素(銅,銀,錫,鉛,アンチモン,ビスマス,セレン及びテルルなど)の担持量は広範囲で有効であるが、通常 0.01 〜30重量%の範囲であるのが好ましい。又、本触媒に含有するパラジウムは金属パラジウムが好適であり、通常上記担体にパラジウム塩を担持し、その後還元して得ることが好ましい。
【0039】更に、本触媒の担体への担持法には特に制限はなく、(a)の金属パラジウム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩、(c)群の元素及び(d)群の元素は担体上に任意の方法で析出或いは沈着させることができる。パラジウム、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩、(c)群の元素及び(d)群の元素の担体への担持順序は、これら4群の元素を2種以上同時に又は任意の順次でもよいが、通常はパラジウムの担持を先にした方が担体付金属調製のための周知の方法が適当に利用できるため、有利である。その一般的な製法の1例を示すと、次の通りである。
【0040】即ち、前記の適当なパラジウム化合物及び(c)群の元素の化合物を水又はアセトンなどの適当な溶媒或いは塩酸,硝酸,酢酸などの無機酸又は有機酸に溶解し、これに担体を含浸し、乾燥してパラジウム化合物を担体上に担持させた後、そのまますぐに或いは水酸化ナトリウム,メタケイ酸ナトリウム等の水溶液で処理することにより、パラジウム及び(c)群の元素の酸化物又は水酸化物に変換した後に、ヒドラジン,水素などの適当な還元剤によりパラジウム金属及び(c)群の元素の金属に還元する。その後所望ならば、残存するナトリウム等のアルカリ塩は水洗除去される。次いで乾燥した後、(d)群の元素及び(b)群のヘテロポリ酸又はその塩を順次担持して触媒を得る。
【0041】(b)群のヘテロポリ酸又はその塩及び(d)群の元素の担持法としては、含浸法,蒸発乾固法,混練法,付着法等の手段が適用される。ただし、(b)群のヘテロポリ酸又はその塩担持後の乾燥,還元等の熱処理温度が約 350℃を越えるとヘテロポリ酸の骨格の破壊を招き、酢酸生成活性および選択性が悪くなるので好ましくない。
【0042】本発明の方法において、エチレンと酸素を反応させて酢酸を製造する際、反応温度は100 〜250 ℃であるが、好ましくは 140〜200 ℃であることが実用上有利である。又、反応圧力は設備の点から 0〜30kg/cm2Gであることが実用上有利であるが、更に好ましくは 1〜15kg/cm2Gの範囲である。
【0043】本発明の方法において反応系に供給するガスはエチレンと酸素からなり、必要に応じて窒素,二酸化炭素又は稀ガスなどを希釈剤として使用することもできる。かかる供給ガス全量に対して、エチレンは 2〜80容量%、好ましくは 5〜50容量%の割合となる量で、酸素は 1〜15容量%、好ましくは 3〜10容量%の割合となる量で反応系に供給される。
【0044】この反応系においては、水を反応系内に存在させると酢酸生成活性と選択率の向上及び触媒の活性維持に著しく効果がある。水蒸気は反応ガス中に 1〜50容量%含まれるのが好適であるが、好ましくは 5〜30容量%である。
【0045】本発明の方法を実施するに当り、原料エチレンとして高純度のものを用いるのが有利であるが、メタン,エタン,プロパン等の低級飽和炭化水素が若干混入しても差し支えない。又酸素は、窒素,炭酸ガス等の不活性ガスで希釈されたもの、例えば空気の形でも供給できるが、反応ガスを循環させる場合には一般に高濃度、好適には99%以上の酸素を用いる方が有利である。反応混合ガスは、標準状態において空間速度(SV)は 100〜10000 Hr-1、特に 300〜5000Hr-1で触媒に通すのが好ましい。反応形式としては、固定床,流動床などの形式を採り得るが、耐蝕性を有する反応管に前述の触媒を充填した固定床を採用することが実用上有利である。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1テトラクロロパラジウム酸ナトリウム 5g及び塩化クロム6水和物0.23gを含む水溶液に、シリカ担体(5 mmφ)125cc を浸し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム 9.5gを含む水溶液 100ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85%ヒドラジン水溶液 10.75mlを添加し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元し、水洗した後、110 ℃で4 Hr乾燥した。その後、担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶液中に上記の金属パラジウム及びクロムを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で4 Hr乾燥した。
【0047】得られた触媒22.5mlを反応管に充填し、温度 200℃,圧力8 kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比20:6 :25:49の割合に混合したガスを流速45Nl/H にて導入し、反応を行なった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0048】実施例2実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンタングステン酸を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0049】実施例3実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイバナドタングステン酸を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0050】実施例4実施例1でケイタングステン酸の代わりにリンモリブドタングステン酸を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0051】実施例5実施例1でケイタングステン酸の代わりにケイタングステン酸のリチウム塩を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。ここでケイタングステン酸のリチウム塩は、ケイタングステン酸28.8gを含む水溶液に硝酸リチウム 0.069gを含む水溶液を滴下して調製した
【0052】実施例6実施例5でケイタングステン酸のリチウム塩の代わりにケイタングステン酸のマグネシウム塩を使用したこと以外は、実施例5と同じにした。
【0053】実施例7実施例5でケイタングステン酸のリチウム塩の代わりにケイタングステン酸のガリウム塩を使用したこと以外は、実施例5と同じにした。
【0054】実施例8実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.21gの酸化レニウムを使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0055】実施例9実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.21gの塩化ルテニウムn水和物(n= 1〜3 )を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0056】実施例10実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.23gの塩化ロジウム3水和物を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0057】実施例11実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.20gの塩化ニッケル6水和物を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0058】実施例12実施例1で塩化クロム6水和物の代わりに0.12gの塩化亜鉛を使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0059】実施例13実施例1でシリカ担体の代わりに酸化チタンを使用したこと以外は、実施例1と同じにした。
【0060】比較例1テトラクロロパラジウム酸ナトリウム 5gを含む水溶液に、シリカ担体(5 mmφ)125 ccを浸し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム 8.9gを含む水溶液 100ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85%ヒドラジン水溶液10mlを添加し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元し、水洗した後、110 ℃で4 Hr乾燥した。その後、担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶液中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で4 Hr乾燥した。他は実施例1と同じにした。以上の実施例1〜13及び比較例1の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】


【0062】実施例14テトラクロロパラジウム酸ナトリウム 5g及び塩化クロム6水和物0.23gを含む水溶液に、シリカ担体(5 mmφ)125 ccを浸し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム 9.5gを含む水溶液 100ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85%ヒドラジン水溶液 10.75mlを添加し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元し、水洗した後、110 ℃で 4Hr乾燥した。その後、0.26gの亜テルル酸カリウムの水溶液中に上記の金属パラジウム及びクロムを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で4 Hr乾燥した。その後さらに、担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶液中に上記の金属パラジウム、クロム及びテルルを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で4 Hr乾燥した。
【0063】得られた触媒22.5mlを反応管に充填し、温度 165℃,圧力8 kg/cm2Gで、エチレン:酸素:水蒸気:窒素を容積比20:6 :25:49の割合に混合したガスを流速45Nl/H にて導入し、反応を行なった。生成したガスを冷却し、凝縮した反応捕集液をガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0064】実施例15実施例14でケイタングステン酸の代わりにリンタングステン酸を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0065】実施例16実施例14でケイタングステン酸の代わりにケイバナドタングステン酸を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0066】実施例17実施例14でケイタングステン酸の代わりにケイタングステン酸のリチウム塩を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。ここでケイタングステン酸のリチウム塩は、実施例5と同様にして調製した
【0067】実施例18実施例17でケイタングステン酸のリチウム塩の代わりにケイタングステン酸のマグネシウム塩を使用したこと以外は、実施例17と同じにした。
【0068】実施例19実施例17でケイタングステン酸のリチウム塩の代わりにケイタングステン酸のガリウム塩を使用したこと以外は、実施例17と同じにした。
【0069】実施例20実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.21gの塩化ルテニウムn水和物(n= 1〜3 )を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0070】実施例21実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12gの塩化亜鉛を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0071】実施例22実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12gの塩化亜鉛を使用し、亜テルル酸カリウムの代わりに 0.15 gの硝酸銀を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0072】実施例23実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12gの塩化亜鉛を使用し、亜テルル酸カリウムの代わりに0.20gの酢酸錫の酢酸水溶液を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0073】実施例24実施例14で塩化クロム6水和物の代わりに0.12gの塩化亜鉛を使用し、亜テルル酸カリウムの代わりに0.17gの硝酸ビスマスの酢酸水溶液を使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0074】実施例25実施例14でシリカ担体の代わりに酸化チタンを使用したこと以外は、実施例14と同じにした。
【0075】実施例260.26gの亜テルル酸カリウムを含む水溶液に、シリカ担体(5 mmφ)125 ccを浸し、全量吸水させた後、110 ℃で4 Hr乾燥した。その後、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム 5g及び塩化クロム6水和物0.23gを含む水溶液に、上記のテルルを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム 9.5gを含む水溶液 100ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85%ヒドラジン水溶液 11.95mlを添加し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元し、水洗した後、110 ℃で 4Hr乾燥した。その後さらに、担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶液中に上記の金属パラジウム、クロム及びテルルを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で 4Hr乾燥した。他は実施例14と同じにした。
【0076】比較例2テトラクロロパラジウム酸ナトリウム 5gを含む水溶液に、シリカ担体(5 mmφ)125 ccを浸し、全量吸水させた後、このものをメタケイ酸ナトリウム 8.9gを含む水溶液 100ml中に加え、20Hr静置させた。しかる後、85%ヒドラジン水溶液10mlを添加し、テトラクロロパラジウム酸ナトリウムを金属パラジウムに還元し、水洗した後、110 ℃で 4Hr乾燥した。その後、0.52gの亜テルル酸カリウムの水溶液中に上記の金属パラジウムを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で 4Hr乾燥した。その後さらに、担体に対して30重量%のケイタングステン酸を含む水溶液中に上記の金属パラジウム及びテルルを含む担体を投入し、全液を吸収させた後、110 ℃で4 Hr乾燥した。他は実施例14と同じにした
【0077】比較例3比較例2で亜テルル酸カリウムの代わりに0.15gの硝酸銀を使用したこと以外は、比較例2と同じにした。
【0078】比較例4比較例2で亜テルル酸カリウムの代わりに0.28gの酢酸錫の酢酸水溶液を使用したこと以外は、比較例2と同じにした。
【0079】比較例5比較例2で亜テルル酸カリウムの代わりに0.43gの硝酸ビスマスの酢酸水溶液を使用したこと以外は、比較例2と同じにした。以上の実施例14〜26及び比較例2〜5の結果を表2に示す。
【0080】
【表2】


【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法においては、酢酸をエチレンより気相接触反応により一段で合成し、しかも二酸化炭素の副生を抑え、著しく高い空時収率でつくることができるので、酢酸を低コストで得られる優れた方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させる酢酸の製造方法。
【請求項2】 (a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物及び(c) 周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素が担体上に保持されている触媒である請求項1記載の製造方法。
【請求項3】 水の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる請求項1記載の製造方法。
【請求項4】 (a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含有する触媒の存在下に、エチレンと酸素とを反応させる酢酸の製造方法。
【請求項5】 (a)金属パラジウム、(b)ヘテロポリ酸及びそれらの塩から選ばれた少なくとも1種の化合物、(c)周期律表の6族元素,7族元素,8族元素,9族元素,10族元素及び12族元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素及び(d)周期律表の11族元素,14族金属元素,15族金属元素及び16族金属元素よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素が担体上に保持されている触媒である請求項4記載の製造方法。
【請求項6】 水の存在下に、エチレンと酸素とを気相で反応させる請求項4記載の製造方法。

【公開番号】特開平9−67298
【公開日】平成9年(1997)3月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−220683
【出願日】平成7年(1995)8月29日
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)