説明

酸化オレフィン触媒用担体

【課題】不活性な耐熱性固体担体からなるオレフィンのエポキシ化に有用な触媒用の担体を提供する。
【解決手段】担体は、1ミクロン未満の小さな細孔と、5ミクロンを超える大きな細孔による絶対容積が皆無か少量である。「1ミクロン未満の小さな細孔による絶対容積が皆無か少量」により、そのような細孔の細孔容積が0.20ml/g未満であることを意味する。「5ミクロンを超える大きな細孔による絶対容積が皆無か少量」により、そのような細孔の細孔容積が0.20ml/g未満であることを意味する。本発明は、そのような担体に支持されたオレフィンのエポキシ化に有用な触媒と、オレフィン、特にエチレンを、酸化オレフィン、特に酸化エチレンへ酸化する工程を更に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィンのエポキシ化に有用な触媒用の担体に関する。特に、本発明は、特定の細孔分布を有する担体を提供し、本発明の担体を含むエポキシ化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィンのエポキシ化において、オレフィンは酸素と反応し、担体上に沈着された通常1つ以上の元素(即ち、促進剤)と共に銀成分含有触媒を使って酸化オレフィンを形成する。触媒性能は、選択性、活性及び安定性に基づいて特性化される。選択性は、所望の酸化オレフィンを作り出す変換オレフィンのモル分率である。反応したオレフィンの分率は、通常時間と共に減少し、一定の製品レベルを維持するために、反応温度が上げられる。しかし、これは所望の製品への変換の選択性に悪影響を与える。よって、選択性が高レベルかつ許容可能な低温でより長く維持されるほど、触媒充填物を反応器内でより長く保存でき、より多くの製品が得られる。選択性の非常に低い向上と、長時間にわたる選択性の維持は、プロセス効率の観点から多大な利益を生み出す。
【0003】
銀を基にしたエポキシ化触媒の化学成分の他に、完成した触媒且つ支持体の物理的特性が触媒開発の不可欠な部分となっている。一般に、銀を基にした触媒支持体は、細孔容積と細孔径分布の特性を示している。更に、表面積と水分吸収は、このような触媒支持体において周知の特性である。完成した触媒の物理的特性とこれら特性の触媒性能への影響が、特に触媒がレニウムと共に促進される場合に、従来考えられていたものより更に複雑であることが現在わかっている。表面積、細孔容積及び細孔径分布に加え、細孔径分布のパターン、特に異なる形態の数と特定の特質が、触媒選択性に著しくプラスの影響を与えることがわかっている。
【0004】
数々の特許に、エチレンのエポキシ化触媒用の異なる優先的担体の生成と選択が記載されている。例えば、米国特許第4,242,235号では、10m/g未満の低表面積の担体が開示されている。この先行技術の担体は、60%の細孔率を有し、1〜5ミクロン及び60〜200ミクロンの範囲内の平均細孔径を有する二峰性(バイモーダル)となっている。米国特許第4,242,235号に開示される範囲は、それぞれ全細孔率の少なくとも35%、多くとも65%を示している。
【0005】
米国特許第4,226,782号には、0.05から10m/gの範囲の表面積、30〜80%の細孔率及び0.1から20ミクロンの細孔を有する担体が記載されている。米国特許第5,266,548号には、95%が高純度アルミナであるα−アルミナの製造方法が記載されている。好適には、米国特許第5,266,548号に開示される担体は、0.20ml/gから0.6ml/gの細孔率と、0.2m/gから10m/gの表面積を有する。更に、米国特許第5,266,548号は、単体の平均細孔径が0.1ミクロンから100ミクロンであり、好ましくは0.1〜10ミクロンの範囲内、更に好ましくは、0.2〜5ミクロンであることを開示する。
【0006】
米国特許第5,380,697号には、中間粒子径が0.4ミクロンから4ミクロンであるα−アルミナ粒子とゾルゲルからなるアルミナ担体の生成が記載されている。米国特許第5,380,697号で製造される担体は、通常、約0.2cc/gから約0.6cc/g、好ましくは約0.3cc/gから約0.5cc/gの範囲の細孔容積(即ち、水分吸収)と、約0.15m/gから約3m/g、好ましくは約0.3m/gから約2m/gの範囲の表面積を有する。
【0007】
米国特許第5,597,773号には、多数の耐熱性担体が開示され、α−アルミナからなる担体が極めて好ましい事が開示されている。米国特許第5,597,773号においては、BET法で測定した場合の特定の表面積が約0.03m/gから約10m/g、好ましくは約0.05m/gから約5m/g、更に好ましくは約0.1m/gから約3m/gであり、慣用の吸水技術により測定した場合の水孔容積が約0.1cc/gから約0.75cc/gの容積、好ましくは約0.3cc/gから約0.5cc/gであるα−アルミナの担体の使用が選択されている。
【0008】
米国特許第5,929,259号には、少なくとも50%、より望ましくは約60%から約75%の細孔率を有する酸化エチレン触媒用の担体が開示されている。米国特許第5,929,259号に開示される担体の表面積は、好ましくは0.4〜5m/gの範囲内であり、更に好ましくは0.6〜1.2m/gである。
【0009】
米国特許第6,831,037号には、アルミナ担体の生成技術が記載されている。担体の95%は、表面積が1.0〜2.6m/gの範囲内であり、吸水率が35〜55%であるα−アルミナである。この先行技術の担体は、細孔容積の少なくとも70%が0.2〜1.0ミクロンの範囲内であり、全細孔容積の少なくとも0.27ml/gである場合には、酸化エチレンの触媒生成に有利である。直径0.2ミクロン未満の細孔が、細孔容積の0〜10%を占め、直径10ミクロン以上の細孔が、全細孔容積の20%未満を占めている。
【0010】
米国特許出願公開第2004/0110973 A1号には、2つのα−アルミナ微粒子からアルミナ担体を生成する方法が開示されている。この従来技術の担体は、75%の細孔の直径が0.2〜10ミクロンの範囲内であり、20%未満の細孔の直径が10ミクロンより大きく、10%未満の細孔の直径が0.2ミクロン未満である。この先行技術の担体の水分吸収は少なくとも0.35ml/gであり、表面積は0.6〜5m/gの範囲内である。
【0011】
米国特許出願公開第2005/0096219 A1号では、10ミクロンを超える非常に大きい細孔が最小限であり、吸水率が35から55%であり、少なくとも1.0m/gの表面積である担体を提供する利点を見出している。このような担体の製造方法は、米国特許出願公開第2005/0096219 A1号にも記載されている。
【0012】
上述したように、エチレンのエポキシ化用の触媒には、特定の物理的特性を有する担体が求められる。担体の特性を改善することにより、触媒の選択性、活性及び安定性を改善することが望ましい。担体の細孔分布、及び、特に直径の範囲が異なる細孔による細孔容積の絶対値が、酸化エチレンの触媒性能、特に選択性と安定性を決定することが、本願の出願人らにより思いがけなく発見されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、耐熱性固体担体を含むオレフィンのエポキシ化に有用な触媒用の担体を提供する。本発明の担体は、1ミクロン未満の小さな細孔と、5ミクロンを超える大きな細孔による絶対容積が皆無か少量である。「1ミクロン未満の小さな細孔による絶対容積が皆無か少量」により、そのような細孔の細孔容積が0.20ml/g未満であることを意味する。「5ミクロンを超える大きな細孔による絶対容積が皆無か少量」により、そのような細孔の細孔容積が0.20ml/g未満であることを意味する。
【0014】
一般論として、本発明の担体は、直径1ミクロン未満の細孔による細孔容積が0.20ml/g未満、直径5ミクロンを超える細孔による細孔容積が0.20ml/g未満である。特に、本発明の担体は、全細孔容積が0.2ml/gから0.6ml/gであり、表面積が約0.3から約3.0m/gであり、細孔容積の少なくとも40%が1から5ミクロンの間の直径を有する細孔からなり、中間細孔径が1から5ミクロンである担体であって、5ミクロンを超える直径の細孔による細孔容積は0.20ml/g未満であり、1ミクロン未満の直径の細孔による細孔容積は0.20ml/g未満であることを特徴とする担体である。
【0015】
本発明は、そのような担体上に支持されるオレフィンのエポキシ化に有用な触媒を更に提供する。本発明の担体に加え、本発明の触媒は、触媒作用に効果的な量の銀と、促進に効果的な量の1つ以上の促進剤を更に含む。通常の促進剤としては、アルカリ金属及び遷移金属、特にレニウムが挙げられるが、これに限定されない。
【0016】
本発明は、上述の支持触媒の存在下で、固定床管型反応器において、エチレンと分子酸素の気相酸化法を含む、オレフィン、特にエチレンを酸化オレフィン、特に酸化エチレンに酸化する工程を更に提供する。
【発明の効果】
【0017】
上述のように、本発明は、直径1ミクロン未満と直径5ミクロンを超える細孔による細孔容積が皆無か少量である銀を基にしたエポキシ化触媒用の担体を提供する。本発明は、本発明の担体を含む銀を基にしたエポキシ化触媒も提供する。本発明では、オレフィン、特にエチレンを酸化オレフィン、特に酸化エチレンに酸化する方法も記載する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明で用いられる担体は、市販されている数々の固体耐熱性担体から生成するか、選択することができる。本発明の担体は、エポキシ化原材料、製品、及び、例えばエチレンと分子酸素の気相酸化法によるエチレンから酸化エチレンへの酸化といったオレフィンのエポキシ化用などの使用目的の反応条件に対して、比較的不活性である。担体は、α−アルミナなどの酸化アルミニウム、炭、軽石、マグネシア、ジルコニア、チタニア、珪藻土、酸性白土、炭化ケイ素、シリカ、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、粘土、人口ゼオライト、天然ゼオライト、セラミック又はその組合せから成ってもよい。好ましい担体はα−アルミナ粒子であり、多くは結合剤により共に接合され、非常に高純度、即ち、約95%以上、好ましくは98重量%以上のα−アルミナである。残る部分は、他の位相のアルミナ、シリカ、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム)、及び、微量の他の金属含有及び/又は金属非含有添加剤又は不純物であってもよい。多種多様のこのような担体が市販されている。適切なアルミナ担体は、Louisville, Kentucky 所在のUnited Catalysts, Inc社、及び、Akron, Ohioに所在のNorton Company社で製造され、一般に市販されている。
【0019】
特定の種類のα−アルミナ含有担体が特に好ましい。これらのα−アルミナ担体は、約0.3m/gから約3m/g、好ましくは約0.6m/gから約2.5m/g、更に好ましくは約0.9m/gから約2.0m/gのBET表面積と、約0.10cc/gから約0.80cc/g、好ましくは約0.20cc/gから約0.60cc/gの水孔容積を有することで特性化されている。好ましい担体においては、細孔容積の少なくとも40%が直径1〜5ミクロンの間の細孔であり、好ましくは少なくとも60%であり、更に好ましくは少なくとも80%である。中間細孔分布は、1から5ミクロンの間であり、好ましくは1から4.5ミクロンの間であり、最も好ましくは1から4ミクロンの間である。直径が5ミクロンを超える細孔による細孔容積は0.20ml/g未満であり、好ましくは0.10ml/g未満であり、最も好ましくは0.05ml/g未満である。直径1ミクロン未満の細孔による細孔容積は0.20ml/g未満であり、好ましくは0.16ml/g未満であり、最も好ましくは0.12ml/g未満である。
【0020】
本発明の好適な一実施形態においては、担体は、全細孔容積が約0.2から0.6ml/gである。
【0021】
使用される担体の性質に関わらず、通常、固定床反応器での使用に適した寸法の粒子、塊、断片、小粒、輪、球体、ワゴン車輪状、十字分割された中空円筒などに成形される。望ましくは、担体粒子は、約3mmから約10mmの範囲、好ましくは約4mmから約8mmの範囲の「相当直径」を有し、通常は触媒が設置される管型反応器の内径に適合している。「相当直径」とは、体積比に対して使用される担体粒子と同じ外部表面(即ち、粒子の細孔内の表面を無視した)を有する球体の直径である。
【0022】
一般に、本発明の適切な触媒担体は、アルミナなどの耐熱材料と、水などの溶剤と、一時的結合剤又は燃焼材料と、持続性結合剤及び/又は細孔率制御剤を混合して生成することができる。一時的結合剤又は燃焼材料は、セルロース、例えばメチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシエチルセルロースなどの置換セルロース類、例えばステアリン酸メチル又はエチルなどの有機ステアリン酸エステルなどのステアリン酸類、ワックス類、粒状ポリオレフィン類、特にポリエチレン及びポリプロピレン、クルミ殻粉などの、使用する温度で分解可能なものを含む。これらは、担体材料の細孔率の要因となる。燃焼材料は、混合物が成形又は押出過程により粒子に加工される未熟又は未焼成段階の際に多孔質構造の保護を確保するため、最初に使用される。それは、完成した担体を生成する焼成の際、基本的に全て除去される。本発明の担体は、結晶性シリカ化合物の形成を実質的に防止するに十分な量のアルカリ金属化合物を有する、シリカなどの結合材を含んで製造されるのが好ましい。持続性結合剤類は、粘土状無機物を含む。アルミナ粒子に含まれてもよい便利な結合材料は、ベーマイト、アンモニア安定化シリカゾル及び可溶性ナトリウム塩の混合物である。形成されたペーストは、所望の形状に押出又は成形され、約1200℃から約1600℃の温度で焼成して担体を形成する。粒子が押出で形成される場合、従来の押出助剤を含むことが望ましい。使用される化合物の量は、ある程度相互依存的であり、使用される設備に関わる要素の数によって決まる。しかし、これらの事項は、セラミック材料を押出する分野の当業者にとっては、十分な一般知識である。
【0023】
米国特許出願公開第2006/0252643 A1号に開示されるように、担体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ溶液、又は、HNO3などの酸に浸して処理をすると、担体の性能は高まる。処理後、担体を水などで洗浄して、未反応の溶解物質を除去し、溶液で処理し、任意で乾燥することが好ましい。
【0024】
オレフィンから酸化オレフィンへの酸化用触媒を製造するため、上記特性を有する担体は、触媒作用に効果的な量の銀をその上に備えている。触媒は、担体上に銀前駆体化合物を沈着させるのに十分である適切な溶剤中に溶解した銀イオン、化合物、錯体及び/又は塩と、本発明の担体を含浸することにより生成される。そして、含浸担体は溶液から除去され、沈着した銀化合物は、高温焼成により金属銀に還元される。また、好適には、銀の沈着の前、同時又は後に、担体上には、適切な溶剤に溶解したアルカリ金属のイオン、化合物及び/又は塩の形の適切な促進剤が沈着される。また、銀又はアルカリ金属の沈着の前、同時又は後に、担体上には、適切な溶剤に溶解した遷移金属イオン、化合物及び/又は塩が沈着される。
【0025】
上述されるような元の又は処理された担体は、銀含浸液、好ましくは銀水溶液に含浸される。また、担体は、同時又は別の工程で、様々な触媒促進剤に含浸される。本発明により生成される好適な触媒は、表面上と多孔質耐熱担体の細孔にわたって沈着された、金属として表わされる銀を約45重量%まで含む。金属として表される銀の含有量は、全触媒の重量に対して約1から約40%が好ましいが、約8から約35%の銀含有量が更に好ましい。支持体上に沈着された又は担体上に存在する銀の量は、触媒作用に効果的な量の銀、即ち、酸化エチレンを生成するためのエチレンと酸素の反応を経済的に触媒する量である。本明細書で使用される用語「触媒作用に効果的な量の銀」とは、エチレンと酸素から酸化エチレンへの測定可能な変換率及び触媒寿命内での選択性及び安定性を提供する銀の量を言う。有用な銀含有化合物には、シュウ酸銀、硝酸銀、酸化銀、炭酸銀、カルボン酸銀、クエン酸銀、フタル酸銀、乳酸銀、プロピオン酸銀、酪酸銀及び高脂肪酸塩と、その組合せが含まれるが、他を排除するものではない。
【0026】
触媒は、触媒作用に効果的な量の銀と、促進量のアルカリ金属と、本発明の担体上に支持された促進量の遷移金属を含む。明細書で使用される触媒の特定の成分の「促進量」という用語は、その成分を含まない触媒と比較した場合に、触媒の1つ以上の触媒特性を向上させるために有効に作用する成分の量を言う。使用される正確な濃度は、もちろん、その他の要因、所望の銀含有量、担体の性質、液体の粘度、及び、銀含有物の溶解性によって決まる。
【0027】
銀に加え、触媒は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はその組合せから選ばれるアルカリ金属促進剤も含み、好ましいのはセシウムである。担体又は触媒上に沈着される又は担体又は触媒上に存在するアルカリ金属の量は、促進量である。好適には、量の範囲は、金属として測定された場合の全触媒の重量に対して、約10ppmから約3000ppmであり、更に好ましくは約15ppmから約2000ppmであり、更により好ましくは約20ppmから約1500ppmであり、更にそれより好ましくは約50ppmから約1000ppmである。
【0028】
また、触媒は、元素周期表の5b、6b、7b及び8族及びその組合せから選ばれる元素を含む遷移金属促進剤を含む。好適には、遷移金属は、元素周期表の7b族から選択された元素を含む。更に好ましくは、遷移金属は、レニウム、モリブデン及びタングステンであり、モリブデン及びレニウムが最も好ましい。担体又は触媒上に沈着される又は担体又は触媒上に存在する遷移金属促進剤の量は、促進量となる。遷移金属促進剤は、金属として表わされる全触媒に対しグラム当たり約0.1ミクロモルからグラム当たり約10ミクロモルの量で存在し、好ましくはグラム当たり約0.2ミクロモルからグラム当たり約5ミクロモルであり、更に好ましくはグラム当たり約0.5ミクロモルからグラム当たり約4ミクロモルである。触媒は、促進量である1つ以上の硫黄成分、1つ以上のフッ素含有成分又はその組合せを更に含んでもよい。
【0029】
担体を含浸するために使用される銀溶液は、本分野で知られるような任意の溶剤又は錯化/可溶化剤を含んでもよい。多種多様な溶剤又は錯化/可溶化剤は、含浸媒体中で所望の濃度になるよう銀を可溶化するために用いることができる。有用な錯化/可溶化成分は、アミン類、アンモニア、乳酸及びその組合せを含む。アミン類は、1から5つの炭素原子を有するアルキレンジアミンを含む。好適な一実施形態においては、溶液は、シュウ酸銀及びエチレンジアミンの水溶液からなる。錯化/可溶化剤は、含浸溶液中に銀1モルにつき約0.1から約5モルのエチレンジアミンの量で存在してもよく、好ましくは約0.2から約4.0モル、更に好ましくは銀1モルにつき約0.3から約3.0モルのエチレンジアミンである。
【0030】
溶剤が使用される場合は、水ベースでも有機ベースでもよく、極性であっても略又は完全に非極性であってもよい。一般に溶剤は、溶液成分を可溶化するために十分な溶媒和力を有するべきである。同時に、溶剤は、溶媒和促進剤への不適切な影響又は相互作用を避けるよう選ばれるのが好ましい。有機系溶剤の例として、アルコールでは特にアルカノール類、グリコールでは特にアルキルグリコール類、ケトン類、アルデヒド類、アミン類、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、ニトロトルエンなどが挙げられるが、これに限定されない。分子あたり1から約8つの炭素原子を有する有機系溶剤が好ましい。混合溶剤が本明細書で所望する機能を果たす限り、有機溶剤の、又は水と1つ以上の有機溶剤の混合物が用いられても良い。
【0031】
溶液中の銀塩の濃度は、約0.1重量%から、使用される特定の塩/可溶化剤の組合せが溶解可能な最大限までの範囲内である。通常、約0.5%から約45重量%の銀を含む銀塩溶液の使用が非常に適しており、約5から約30重量%の銀塩濃度が好ましい。
【0032】
選択された担体の含浸は、過剰溶液含浸法、初期湿潤法などにより、従来の方法で行われる。通常、担体の材料は、十分な量の溶液が担体に吸収されるまで、銀溶液中に留置される。好適には、多孔質担体を含浸するために使用される銀溶液の量は、担体の細孔容積充填の必要分未満である。銀含有液は、吸収、毛管現象及び/又は真空により、担体の細孔内へ浸透する。中間での乾燥が有る又は無い1回の含浸又は一連の含浸は、溶液中の銀塩濃度に部分的に応じて使用されてもよい。含浸工程は、本明細書の一部として援用する米国特許第4,761,394号、米国特許第4,766,105m号、米国特許第4,908,343号、米国特許第5,057,481号、米国特許第5,187,140号、米国特許第5,102,848号、米国特許第5,011,807号、米国特許第5,099,041号及び米国特許第5,407,888号に記載されている。周知の先行技術の工程の様々な促進剤の前蒸着、共蒸着及び後蒸着が使用できる。
【0033】
触媒特性の例として、とりわけ、実現性(暴走への耐性)、選択性、活性、変換率、安定性及び収率が挙げられる。1つ以上の個々の触媒特性は「促進量」により高められるが、他の触媒特性が高められる又は高められない場合があり、また更には低下する場合があることは、当業者であれば理解する。更に、異なる触媒特性が異なる処理条件により高められることも理解される。例えば、一組の処理条件で高選択性を有する触媒は、異なる組の条件で処理されてもよく、選択性よりは活性において向上が見られ、原料費、エネルギー費、副生成物除去費などを考慮した条件と結果を最適化するため、他の触媒特性を犠牲にしても特定の触媒特性の利点が得られるよう、エチレン酸化プラントのオペレータが意図的に処理条件を変更する。本発明の銀、担体、アルカリ金属促進剤及び遷移金属促進剤の特定の組合せは、銀と担体と促進剤無し又は1つのみの同じ組合せにより、1つ以上の触媒特性を向上させる。
【0034】
含浸後、銀前駆体化合物及び促進剤と含浸した担体は、銀化合物を金属銀に還元し、銀含有支持体から揮発性分解生成物を除去するのに十分な時間で、焼成または活性化される。焼成は、0.5から35バールの範囲の反応圧力で、含まれている銀が金属銀に変換し、全て又は略全ての存在する有機物が分解され、揮発性物質としてのそれらを除去するのに十分な時間で、好ましくは段階的な変化率で、約200℃から約600℃、好ましくは約250℃から約500℃、更に好ましくは約300℃から約450℃の範囲の温度まで含浸担体を加熱することにより行われる。一般に、温度が高いほど、要する還元時間は短い。本分野においては、含浸支持体を熱処理する広範囲の加熱時間が示唆されてきている。米国特許第3,563,914号は300秒未満の加熱を提案しており、一方米国特許第3,702,259号には、通常約.5から約8時間であるところ、触媒中の銀塩を還元するための100℃から375℃の温度での2から8時間の加熱が開示されている。しかし、本発明においては、銀塩から触媒作用的に活性な金属への還元が略完全に行われるような温度と相関する還元時間のみが重要である。この目的のためには、連続的又は段階的加熱プログラムを使用することができる。
【0035】
酸化オレフィンの生成
【0036】
一般に、商業的に実践される酸化オレフィン製造工程は、触媒の存在下で、約180℃から約330℃、好ましくは約200℃から約325℃、更に好ましくは約225℃から約270℃の範囲の温度で、質量速度と所望の生産性によりおよそ大気圧から約30気圧まで変化してもよい圧力で、酸素含有ガスをオレフィン、特にエチレンに連続的に接触させることにより行われる。およそ大気圧から500psiの範囲の圧力が一般的に用いられる。しかし、本発明の範囲内では、高圧が用いられてもよい。大規模な反応器内での滞留時間は、通常、およそ0.1から5秒である。空気や市販の酸素などの酸素含有流で、酸素が反応器に供給されてもよい。生成された酸化オレフィン、例えば酸化エチレンは、従来の方法を用いて反応生成物から分離され、再生される。しかし、本発明におけるオレフィン酸化工程は、通常濃度、例えば、約0.5から6体積%での二酸化炭素の再利用を含む通常ガスの再利用を想定している。エチレンから酸化エチレンに酸化する通常の工程は、本発明の触媒の存在下で、固定床管型反応器において、エチレンと分子酸素の気相酸化法を含む。従来市販の固定床エチレン酸化反応器は、通常、外径およそ0.7から2.7インチ、内径0.5から2.5インチ、長さ15〜45フィートの、触媒が充填された複数の平行な細い管(適切な外殻構造内)の形状をなしている。
【0037】
本発明の触媒を、エチレンと分子酸素の酸化エチレンへの酸化において、特に選択的な触媒として示してきた。本発明の触媒の存在下でのそのような酸化反応を行う条件は、先行技術に記載されたものを広く含む。これは、例えば、適切な温度、圧力、滞留時間、窒素、二酸化炭素、蒸気、アルゴン、メタン又は他の飽和炭化水素類などの希釈剤、例えば1, 2‐ジクロロエタン、塩化ビニール又は塩素化ポリフェニル化合物といった触媒作用を制御する緩和剤の有無、酸化エチレンの収率を増大させるべくリサイクル操作を用い或いは異なる反応器にて順次に変換を行う所望性、並びに酸化エチレンの製造法に選択しうる他の任意の特殊条件に適用される。反応体として使用する分子酸素は慣用の供給源から得ることができる。適する酸素供給源は、比較的に純粋な酸素、多量の酸素と少量の1種もしくはそれ以上の窒素もしくはアルゴンなどの希釈剤とからなる濃厚酸素流または空気などの他の酸素含有流とすることができる。酸化エチレン反応における本発明の触媒の使用は、有効であることが知られた特定条件の使用に限定されないことが明かである。
【0038】
生成された酸化エチレンは、本分野で知られ使用される従来の方法により反応生成物から分離され、再生される。酸化エチレン製造工程における本発明の銀触媒の使用で、既定のエチレン変換において、酸化エチレンへのエチレン酸化選択性が従来の触媒での可能範囲より全体的に高くなる。
【0039】
酸化エチレンの生成物においては、反応体供給混合物は、窒素、二酸化炭素、メタン、エタン、アルゴンなどの物質を含む比較的不活性な材料を含んだバランスで、0.5から45%のエチレンと3から15%の酸素を含んでもよい。本発明の銀触媒の好適な適用においては、95%以上が酸素である酸素含有ガスが使用される場合、酸化エチレンが生成される。通常、エチレンの一部のみが触媒を通過するごとに反応し、所望の酸化エチレン生成物を分離し、不活性成分及び/又は副生成物の無制御な形成を防止するため適当なパージ流と二酸化酸素を除去した後、未反応の材料が酸化反応器に戻される。例示の目的で、以下に、現行で市販されている酸化エチレン反応器ユニットで頻繁に用いられる条件を示す。気体時空間速度―1500〜10000、入口圧力―150〜400psig、導入供給物―エチレン1〜40%、O―3〜12%、CO―2〜40%、エタン―0〜3%、アルゴン及び/又はメタン及び/又は窒素―0.3〜20ppmv全希釈塩化炭化水素減速材、冷却温度―180〜315℃、O変換レベル―10〜60%、酸化エチレン生産率(作業速度)―2〜16lbs. 酸化エチレン/立方フート、触媒/時間。
【0040】
酸化エチレン製造工程の別の説明においては、供給物に酸素含有ガスを加えることで効率が増している。例えば米国特許第5,112,795号では、酸素8体積%、エチレン30体積%、塩化エチル約5ppmw及び窒素バランスのガス供給成分に、酸化窒素を5ppmを加えている。
【0041】
下記の限定されない実施例により、本発明のいくつかの実施形態を説明し、エチレンから酸化エチレンへのエポキシ化において本発明の担体を利用することによる幾つかの利点を明らかにする。以下は、本願の実施例で使用された。
【0042】
触媒生成と試験
【0043】
a. 銀貯蔵液の生成
銀溶液は、以下の成分を用いて生成された(部は、重量部)。
酸化銀―834部
シュウ酸―444部
エチレンジアミン―509部
【0044】
酸化銀は、室温で水と混合され、続いてシュウ酸をゆっくりと添加していった。混合物は15分間撹拌され、その時点で、酸化銀の懸濁剤の黒い色がシュウ酸銀の灰色/茶色に変わった。混合物は濾過され、固形物を3リットルの脱イオン水で洗浄した。試料が氷浴中に留置、撹拌され、一方でエチレンジアミン及び水(66対34の混合物として)が、反応温度を33℃より低く維持するよう、ゆっくりと添加された。エチレンジアミン/水混合物の添加後、溶液は室温にて濾過された。透明な濾液が、触媒生成用の銀/アミン貯蔵液として使用された。
【0045】
b. 促進剤の添加
触媒作用的に活性量の促進剤が、個々に又は水ベース溶液の混合物として添加された。例えば、CsOHとしてのCs、LiNO3としてのLi、HReO4としてのRe、メタタングステン酸アンモニウムとしてのW、及び、(NH4)2SO4としてのS。促進剤の濃度は、高選択性で最大の安定性を提供するため、最適化された。特に、促進剤の濃度は、上記に記載した広範囲であったが、米国特許4,766,105号の実施例3〜10から7〜20にも見られる範囲内でもある。
【0046】
c.担体
実施例で使用された担体A、B、C、D、E、F及びGを、表Iに示す。担体は、表Iに示すように、80℃で1.5時間NaOH溶液で処理され、続いてNaOHを除去するため、担体を脱イオン水で洗い流した。
【0047】
【表1】

【0048】
d.担体含浸
100gから200gの担体試料が圧力容器内に設置され、続いて、圧力が50mmHgを下回るまで真空に晒した。まだ真空であるうちに、フラスコに、調整した銀/促進剤溶液を200〜300ml導入した。容器の圧力は大気圧まで上昇することが可能であった。触媒は溶液から分離され、焼成の準備が整った。
【0049】
Cs、Li、Re、W及びSで促進された銀触媒が、担体A、B、C、D、E、F及びG上に生成された。触媒は、担体の全細孔容積により制限された12%から18%の間の触媒作用に効果的な濃度の銀を含んでいた。
【0050】
e.担体焼成
焼成は、銀塩の分解温度まで触媒を加熱して行われた。これは、幾つかの加熱区間を有する加熱炉内で、調整された雰囲気にて加熱することにより行われた。触媒は、大気温度で加熱炉に入る移動ベルト上に積まれた。触媒が1つの区間から次へと進むにつれ、徐々に温度を上げていった。最も熱い区間の400℃まで上昇させた。加熱区間の後は、ベルトは、大気温度近くまで触媒を徐々に冷却する冷却区間を通過した。加熱炉内の雰囲気は、加熱区間における窒素流の使用により制御された。
【0051】
触媒4gが、加熱したステンレス鋼管内でテストされた。エチレン15%、酸素7%、主に窒素及び二酸化酸素である不活性成分78%を含む気体混合物が、300psigで触媒を通過した。反応の温度は、重量作業速度(WWR)=540に触媒を維持するよう調整された。
【0052】
実施例1
本実施例は、同程度の表面積においては、直径1ミクロン未満の細孔による細孔容積が小さいほど、選択性が高く、安定性に優れることを明らかにする。安定性を比較するため、85%を超える選択性で触媒が機能する時間が測定された。
【表2】

【0053】
実施例2
本実施例は、直径1ミクロン未満の細孔による同程度の細孔容積において、直径5ミクロンを超える細孔による細孔容積が小さいほど、選択性が高くなることを明らかにする。
【表3】

【0054】
実施例3
本実施例は、直径5ミクロンを超える細孔による細孔容積が小さく、0.1ml/g未満である時、直径1ミクロン未満の細孔による細孔容積が小さいほど、選択性が高くなることを明らかにする。
【表4】

【0055】
本発明を、好適な実施形態を参照して明らかにし、説明してきたが、本発明の精神と範囲とから逸脱することなしに種々の変化及び改良がなされてもよいことは、当業者に容易に理解されるであろう。従って、請求項は、開示された実施形態、検討してきたそれらの代替案、及び、ありとあらゆる均等物をカバーするように解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンのエポキシ化に有用な触媒用の担体であって、前記担体は、直径1ミクロン未満の細孔による細孔容積が0.20ml/g未満で、直径5ミクロンを超える細孔による細孔容積が0.20ml/g未満である担体。
【請求項2】
前記担体は、酸化アルミニウム、炭、軽石、マグネシア、ジルコニア、チタニア、珪藻土、酸性白土、炭化ケイ素、シリカ、二酸化ケイ素、マグネシア、粘土、人口ゼオライト、天然ゼオライト、セラミック又はその組合せからなることを特徴とする請求項1記載の担体。
【請求項3】
前記担体は、約0.3m/gから約3m/gの表面積と、約0.10cc/gから約0.8cc/gの水孔容積を有することを特徴とする請求項1記載の担体。
【請求項4】
前記細孔容積の少なくとも40%は、1ミクロンから5ミクロンの間の直径を有する細孔であることを特徴とする請求項1記載の担体。
【請求項5】
前記5ミクロンを超える直径の前記細孔による前記細孔容積は0.1ml/g未満であり、前記1ミクロン未満の直径の前記細孔は0.16ml/g未満であることを特徴とする請求項1記載の担体。
【請求項6】
前記5ミクロンを超える直径の前記細孔による前記細孔容積は0.05ml/g未満であり、前記1ミクロン未満の直径の前記細孔は0.12ml/g未満であることを特徴とする請求項1記載の担体。
【請求項7】
前記担体の全細孔容積が約0.2ml/gから約0.6ml/gであることを特徴とする請求項1記載の担体。
【請求項8】
全細孔容積が0.2ml/gから0.6ml/g、表面積が約0.3から約3.0m/g、少なくとも40%の細孔容積が1から5ミクロンの間の直径を有する細孔からなり、中間細孔径が1から5ミクロンである担体であって、5ミクロンを超える直径の細孔による前記細孔容積は0.20ml/g未満であり、1ミクロン未満の直径の細孔による前記細孔容積は0.20ml/g未満であることを特徴とする担体。
【請求項9】
担体と、その上の触媒作用に効果的な量の銀からなるオレフィンのエポキシ化に有用な触媒であって、前記担体は、直径1ミクロン未満の細孔による細孔容積が0.20ml/g未満で、直径5ミクロンを超える細孔による細孔容積が0.20ml/g未満である触媒。
【請求項10】
前記触媒上に促進量の促進剤を更に含み、前記促進剤は、1つ以上のアルカリ金属含有化合物、1つ以上の遷移金属含有化合物、1つ以上の硫黄成分、1つ以上のフッ素含有成分又はその組合せからなることを特徴とする請求項9記載の触媒。
【請求項11】
前記促進剤は、元素周期表の5b、6b、7b及び8族及びその組合せから選ばれる元素からなる1つ以上の遷移金属含有化合物であることを特徴とする請求項10記載の触媒。
【請求項12】
前記1つ以上の遷移金属含有化合物は、レニウム、モリブデン、タングステン又はその組合せからなることを特徴とする請求項11記載の触媒。
【請求項13】
前記促進剤は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はその組合せからなるアルカリ金属含有化合物であることを特徴とする請求項10記載の触媒。
【請求項14】
担体と、その上の触媒作用に効果的な量の銀からなるオレフィンのエポキシ化に有用な触媒であって、前記担体は、全細孔容積が0.2ml/gから0.6ml/g、表面積が約0.3から約3.0m/g、少なくとも40%の細孔容積が1から5ミクロンの間の直径を有する細孔からなり、中間細孔径が1から5ミクロンでり、5ミクロンを超える直径の細孔による前記細孔容積は0.20ml/g未満であり、1ミクロン未満の直径の細孔による前記細孔容積は0.20ml/g未満であることを特徴とする触媒。
【請求項15】
前記触媒上に促進量の促進剤を更に含み、前記促進剤は、1つ以上のアルカリ金属含有化合物、1つ以上の遷移金属含有化合物、1つ以上の硫黄成分、1つ以上のフッ素含有成分又はその組合せからなる請求項14記載の触媒。
【請求項16】
前記促進剤は、元素周期表の5b、6b、7b及び8族及びその組合せから選ばれる元素からなる1つ以上の遷移金属含有化合物であることを特徴とする請求項15記載の触媒。
【請求項17】
前記1つ以上の遷移金属含有化合物は、レニウム、モリブデン、タングステン又はその組合せからなることを特徴とする請求項16記載の触媒。
【請求項18】
前記促進剤は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はその組合せからなるアルカリ金属含有化合物であることを特徴とする請求項15記載の触媒。
【請求項19】
請求項9記載の触媒の存在下で、固定床管型反応器において、エチレンと分子酸素の気相酸化法を含む、エチレンから酸化エチレンに酸化する工程。
【請求項20】
請求項14記載の触媒の存在下で、固定床管型反応器において、エチレンと分子酸素の気相酸化法を含む、エチレンから酸化エチレンに酸化する工程。

【公表番号】特表2010−537807(P2010−537807A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523023(P2010−523023)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/072940
【国際公開番号】WO2009/029414
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(507273035)エスデー リ−ツェンスフェルヴェールトゥングスゲゼルシャフト エムベーハー ウント コー. カーゲー (13)
【氏名又は名称原語表記】SD LIZENZVERWERTUNGSGESELLSCHAFT MBH & CO.KG
【Fターム(参考)】