説明

酸可溶性エマルジョン粒子

【課題】回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔に対応した回路基板の製造方法に好適な材料として、酸可溶性エマルジョン粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】高絶縁性媒体中に、単量体(M1)を重合して得られる、少なくとも該媒体に可溶の重合体(O)と、該媒体に可溶であるが重合によって不溶化する単量体(M2)よりなる芯重合物(C)によって形成されるエマルジョン粒子において、該エマルジョン粒子を形成する重合体(O)と芯重合物(C)のアミン価の計が、20〜100mg(KOH)/gであることを特徴とする酸可溶性エマルジョン粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸可溶性エマルジョン粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、回路基板も高密度化や配線パターンの微細化が進められており、そのような条件を達成する手段としては、回路基板の多層化が挙げられる。図10で示したように、複数の配線層を積層して形成した回路基板は、一般にスルーホール7、バイアホール8、インタースティシャルバイアホール9と呼ばれる、内壁を導電層で被覆したあるいは充填した貫通孔、非貫通孔(以下、孔)といった細孔を通じて各層間の導通が行われている。
【0003】
図11は、孔を上部から見た概略図である。孔17の周囲にランド18と呼ばれる導電層が形成されている。ランドは角形、円形、楕円形、異形等、種々の種類があるが、占有面積あるいは設計面の使いやすさから、円形を用いることが多い。また、高密度化に対応するためには、ランドレスもしくは狭小ランド幅の孔が必要とされている。
【0004】
回路基板を製造する方法は、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法等がある。サブトラクティブ法は、表面に導電層を設けた絶縁性基板の回路部にエッチングレジスト層を設け、露出している非回路部の導電層をエッチング除去して回路を形成する方法である。アディティブ法は、絶縁性基板の表面の非回路部にめっきレジスト層を設け、回路部に相当する部分に無電解めっき処理等で導電層を形成する方法である。セミアディティブ法は、薄い導電層を表面に有する絶縁性基板の非回路部にめっきレジスト層を設け、回路部に相当する部分に電解めっき処理で導電層を形成し、非回路部のめっきレジスト層を除去した後、フラッシュエッチング処理によって、非回路部の薄い導電層を除去して回路を形成する方法である。
【0005】
エッチングレジスト層およびめっきレジスト層は、スクリーン印刷法、感光性材料を用いた露光現像工程を有するフォトファブリケーション法、インクジェット法等によって形成される。ランドレスや狭小ランド幅の孔を製造しようとする場合、孔の穴開け加工やスクリーン印刷法、露光工程、インクジェット法等の工程における位置合わせが重要であり、特に、高密度回路基板で要求されるランドレスおよび狭小ランド幅の孔では、非常に高い位置合わせ精度が必要となる。ランドは、図11のように、孔の全方向に均一な幅を有する形、つまり孔とランドが同心円である場合が最も望ましいが、位置合わせが不正確であると、図12のように、孔とランドは同心円とならなくなるという問題があった。
【0006】
図12は(a)狭小ランド幅、(b)広大ランド幅の孔において、距離Xの位置ずれが発生した場合の孔とランドの位置ずれを表した平面概略図である。図12(b)広大ランド幅の孔では、孔の周囲にランドが形成された状態となるが、図12(a)狭小ランド幅の孔では、ランドが孔部分から切れてしまい、全ての外周に渡って狭小ランドが存在する孔を形成することができないという問題が発生している。穴開け加工の精度、基板の伸縮、露光用フォトマスクの寸法変化等が原因となって、位置合わせ精度には限界があるのが実情である。また、高密度回路基板上に形成される孔の径は多種類で、孔数も極めて多いため、全ての孔に対して精確に位置合わせを行うことは非常に困難である。したがって、高密度回路基板ではランドレスや狭小ランド幅の孔が求められているにもかかわらず、ランド幅を大きく設計しなくてはならないという問題が発生している(例えば、特許文献1)。
【0007】
このような位置合わせが原因となっていたランドと孔の位置ずれの問題を解決し、回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔を有する回路基板を製造する第一の方法として、貫通孔または/および非貫通孔を有し、少なくとも表面に導電層を有する絶縁性基板の表面に第一樹脂層を貼り付け、次いで第一樹脂層表面を一様に帯電させて、孔上の第一樹脂層と表面導電層上の第一樹脂層とに電位差を誘起させ、次に、該電位差を利用して表面導電層上の第一樹脂層上に、第一樹脂層用現像液に不溶性または難溶性の第二樹脂層を形成し、次いで第一樹脂層用現像液によって孔上の第一樹脂層を除去する工程を含む回路基板の製造方法を提案されている(例えば、特願2004−59629号公報、特願2004−59630号公報、特願2004−59631号公報、特願2004−59632号公報、特願2004−59633、特願2004−59634号公報等)。
【0008】
また、第二の方法として、貫通孔または/および非貫通孔を有し、少なくとも表面に導電層を有する絶縁性基板の表面に第一樹脂層を貼り付け、次いで表面導電層上の第一樹脂層上に第一樹脂層用現像液に不溶性または難溶性の第二樹脂層を形成し、次いで第一樹脂層用現像液によって孔上の第一樹脂層を除去する工程を含む回路基板の製造方法を提案している。該製造方法では、孔上と表面導電層上とで、第一樹脂層の静電容量が異なることを利用して、表面導電層上の第一樹脂層上に第二樹脂層を形成する(例えば、特願2004−362991号公報、特願2004−362992号公報、特願2004−362993号公報、特願2004−362994号公報、特願2004−362995、特願2004−362996号公報、特願2004−362998号公報等)。
【0009】
これら二つの回路基板の製造方法では、図6(a)もしくは図6(b)の断面概略図で示される樹脂付開口基板が得られる。該樹脂付開口基板に対して、穴埋めインク工程、導電性インク充填工程、電着工程、金属めっき工程、レジスト形成工程、エッチング工程を、適宜組み合わせた一連の工程を行うことで、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法等によって、回路基板を製造することができる。これら回路基板の製造方法に含まれる一連の工程は、位置合わせを必要としない。したがって、回路基板に存在する孔の大きさ、形状、数、位置がどのような場合であっても、精確かつ選択的に孔部分に処理を施すことができる。
【0010】
上記の回路基板の製造方法において、第二樹脂層は第一樹脂層用現像液に対して不溶性または難溶性であり、電着塗装可能な電荷を有する樹脂を用いる。最も優位に用いられるのは高絶縁性媒体中にエマルジョン粒子が分散された分散物である。このようなエマルション粒子分散物として、電子写真法や静電記録法で使用する湿式現像剤を用いることができる。例えば、特許文献2、3記載の高絶縁性媒体中に、エマルション粒子を分散させたものが使用されている。このような湿式現像剤として求められる特性としては、分散安定性、電荷保持性、現像性等があるが、さらに、上記二つの回路基板の製造方法において適用するに際しては、弱アルカリ等の第一樹脂層用現像液に不溶性または難溶性の特性と第二樹脂層の除去液に可溶性の特性とを同時に満たすことが必要であった。
【特許文献1】特開平7−7265号公報
【特許文献2】特開2002−249530号公報
【特許文献3】特開2004−163953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、回路基板の高密度化のために要求されているランドレスや狭小ランド幅の孔に対応した回路基板の製造方法に好適な材料として、酸可溶性エマルジョン粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)高絶縁性媒体中に、単量体(M1)を重合して得られる、少なくとも該媒体に可溶の重合体(O)と、該媒体に可溶であるが重合によって不溶化する単量体(M2)よりなる芯重合物(C)によって形成されるエマルジョン粒子において、該エマルジョン粒子を形成する重合体(O)と芯重合物(C)のアミン価の計が、20〜100mg(KOH)/gであることを特徴とする酸可溶性エマルジョン粒子、
(2)単量体(M1)および/または単量体(M2)の一成分が、下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする上記(1)に記載の酸可溶性エマルジョン粒子、
【化1】

[一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を、Aは−O−または−NH−基を、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル基を表す。]、
(3)貫通孔または/および非貫通孔を有し、かつ少なくとも表面に導電層を有する絶縁性基板の表面に、第一樹脂層を形成する工程、表面導電層上の第一樹脂層上に、第一樹脂層用現像液に不溶性または難溶性の第二樹脂層を形成する工程、第一樹脂層用現像液によって孔上の第一樹脂層を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法における第二樹脂層の形成に使用される上記(1)または(2)に記載の酸可溶性エマルジョン粒子、
を見出した。
【発明の効果】
【0013】
本発明の酸可溶性エマルジョン粒子は、重合体(O)と芯重合物(C)のアミン価の計が、20〜100mg(KOH)/gであるため、酸性溶液に溶解させることができる。したがって、このような酸可溶性エマルジョン粒子を高絶縁性媒体中に分散してなる湿式現像剤を用いて形成された樹脂被膜は、弱アルカリの第一樹脂層現像液に不溶でかつ、酸性の第二樹脂層剥離液を使用することが可能となり、回路基板を製造する工程に好適な材料であった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係わる重合体(O)は、単量体(M1)を重合して得られる高絶縁性媒体に可溶である分子量1000以上の重合体で、エマルジョン粒子の分散剤として機能する。構成単量体(M1)としては、一般式(II)もしくは(III)で示されるような化合物を少なくとも含有していることが好ましい。
【化2】

[一般式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を、Rは炭素数8〜30以下のアルキル基を表す。また、連結基Tは−O−基もしくは−NH−基を表す。]
【化3】

[一般式(III)中、Rは炭素数8〜30以下のアルキル基を表す。]
【0015】
重合体(O)の分子量は、1000以上が好ましく、これ未満の分子量ではエマルジョン粒子の分散安定性が低下し、エマルジョン粒子の凝集、沈降が生じやすくなる。重合体(O)の分子量の上限は特に定められていないが、分子量が100万を超える場合には重合体溶液の粘度が上昇し、取り扱い難くなる。
【0016】
本発明に係わる単量体(M2)は、単量体の状態において、室温〜120℃の範囲で高絶縁性媒体中に可溶であり、重合によって該高絶縁性媒体に不溶となるものであれば特に制限はない。このような単量体の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロロ酢酸ビニル等の炭素数1から炭素数6までの脂肪族カルボン酸のビニルエステル、安息香酸ビニルエステル、あるいはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の炭素数1から6までのアルキルエステル類またはアミド類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ヒドロシキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、スチレンおよびその誘導体、ジビニルベンゼン、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0017】
本発明において、単量体(M1)および/または単量体(M2)の一成分を、アミン基を含有する単量体とすることで、所望のアミン価を有する酸可溶性エマルジョン粒子を得ることができる。アミン基を有する単量体としては、一般式(I)で示される化合物、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール等の環状アミン等を挙げることができる。一般式(I)を使用することで、エマルジョンの合成が容易となり、また、酸に溶解しやすいことから、一般式(I)がより好ましい。
【化4】

[一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を、Aは−O−または−NH−基を、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
【0018】
本発明の酸可溶性エマルジョン粒子は、重合体(O)と芯重合物(C)のアミン価の計が、20〜100mg(KOH)/gである。アミン価が20mg(KOH)/gよりも小さければ酸に溶解せず第二樹脂層が速やかに除去できない。アミン価が100mgよりも大きければ、第一樹脂層現像液に溶解してしまい、良好な樹脂付開口基板が作製できない。
【0019】
本発明に係わるアミン価の測定方法は、まず、0.1〜0.4質量部の溶剤を乾燥した固体試料(Mg)をo−ニトロトルエン900mlと酢酸100mlの混合溶液に溶解し、パスツールピペットにてクリスタルバイオレット指示薬を2滴加える。次に、0.1N過塩素酸酢酸溶液を用いて適定を行い、混合溶液100mlあたりに、溶液の色が青から緑に変わる点を求め、適定量(Sml)を求める。また、試料を溶解していなものでも適定を行いブランク適定量(Bml)とする。計算式、アミン価=56.11×0.1×(S−B)/Mにてアミン価を算出する。
【0020】
本発明において、重合体(O)と芯重合物(C)は、例えば、特開平5−45937号公報、特許第3363478号公報、特開平9−80822号公報、特開2002−249530号公報等に記載されているように、化学的結合で連結されていても良い。
【0021】
本発明の酸可溶性エマルジョン粒子を分散する高絶縁性媒体としては、直鎖状もしくは分枝状の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、およびこれらのハロゲン置換体が挙げられる。例として、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。商品名として、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(EXXON)、IPソルベント1620(出光石油化学(株))等がある。これらの絶縁性有機溶媒は単独もしくは混合して用いることができる。
【0022】
本発明の酸可溶性エマルジョン粒子を帯電させるために、電荷制御剤を含有させる。帯電極性は、静電潜像の帯電極性、現像方法等に応じて選定される。また、液体現像剤に、現像特性に悪影響を及ぼさない範囲で着色剤等の添加剤を含有させることもできる。
【0023】
続いて、本発明に係わる回路基板の製造方法について説明する。本発明に係わる回路基板の製造方法について、図1〜5を用いて説明する。貫通孔を例にとって説明するが、非貫通孔でも以下に説明するのと同様の方法で、回路基板を製造することができる。また、スルーホールとバイアホールが共存しているようなビルドアップ基板であっても同様な方法で製造することができる。
【0024】
まず、図1(a)もしくは図1(b)に示した少なくとも表面に導電層3を有する絶縁性基板1からなる回路形成用基板10を準備する。以下の工程は、図1(a)に示した孔4内および表面に導電層3を有する絶縁性基板1からなる回路形成用基板10で説明するが、図1(b)に示した孔内に導電層が無い回路形成用基板でも同様の手順で、樹脂付開口基板を製造することができる。回路形成用基板10の孔4を塞いで、テンティングとなるように、第一樹脂層5を貼り付ける(図2)。次に、コロナ帯電処理等の手段により、第一樹脂層5表面を略一様に正または負に帯電させる。このとき、孔4上の第一樹脂層5と導電層3上の第一樹脂層5では、電位差が発生する(図3)。図3においては、正帯電の場合を表し、電位の値の大小を文字の大きさで表した。印加条件を一定にした場合、導電層3上の第一樹脂層5よりも、孔4上、つまり空気上の第一樹脂層5の方が、表面電位の絶対値が大きくなるという現象が発生する。続いて、その電位差を利用して、電着法等の手段によって表面導電層上の第一樹脂層5上にのみ、第二樹脂層6を形成する(図4)。さらに、第一樹脂層用現像液によって、第二樹脂層が形成されていない孔4上の第一樹脂層5のみを除去して、樹脂付開口基板11を製造する(図5)。
【0025】
本発明に係わる回路基板の製造方法について、図1、図2、図4、図5を用いて説明する。貫通孔を例にとって説明するが、非貫通孔でも以下に説明するのと同様の方法で、回路基板を製造することができる。また、スルーホールとバイアホールが共存しているようなビルドアップ基板であっても、同様な方法で製造することができる。
【0026】
まず、図1(a)もしくは図1(b)に示した少なくとも表面に導電層3を有する絶縁性基板1からなる回路形成用基板10を準備する。以下の工程は、図1(a)に示した孔4内および表面に導電層3を有する絶縁性基板1からなる回路形成用基板10で説明するが、図1(b)に示した孔内に導電層が無い回路形成用基板でも同様の手順で、樹脂付開口基板を製造することができる。回路形成用基板10の孔4を塞いで、テンティングとなるように、第一樹脂層5を貼り付ける(図2)。次に、電着法によって表面導電層上の第一樹脂層5上にのみ、第二樹脂層6を形成する(図4)。さらに、第一樹脂層用現像液によって、第二樹脂層が形成されていない孔4上の第一樹脂層5のみを除去して、樹脂付開口基板11を製造する(図5)。
【0027】
得られた樹脂付開口基板に対して、穴埋めインク工程、導電性インク充填工程、電着工程、金属めっき工程、レジスト形成工程、エッチング工程を、適宜組み合わせた一連の工程を行うことで、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法等によって、回路基板を製造することができる。例えば、特願2004−59629号公報、特願2004−59630号公報、特願2004−59631号公報、特願2004−59632号公報、特願2004−59633、特願2004−59634号公報、特願2004−362991号公報、特願2004−362992号公報、特願2004−362993号公報、特願2004−362994号公報、特願2004−362995、特願2004−362996号公報、特願2004−362998号公報等の方法によって回路基板を製造できる。
【0028】
得られた樹脂付開口基板に対して、穴埋めインク工程、導電性インク充填工程、電着工程、金属めっき工程、レジスト形成工程、エッチング工程を、適宜組み合わせた一連の工程において、第二樹脂層を必要によって除去する。本発明の酸可溶性エマルジョンからなる第二樹脂層であれば、第一樹脂層を劣化させることなく、酸により第二樹脂層を速やかに除去できる。第二樹脂層を除去する酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、塩化アンモニウム水溶液等が上げられる。希釈して使用することができる。
【0029】
本発明に係わる回路基板製造方法に係わる貫通孔または/および非貫通孔を有し、かつ少なくとも表面に導電層を有する絶縁性基板としては、絶縁性基板に導電層を張り合わせた積層板に孔を設けた形態、絶縁性基板に導電層を貼り合わせた積層板に孔を設けた後、めっき処理により孔内部を含む積層板表面に導電層を設けた形態、絶縁性基板に孔を設けた後、めっき処理により孔内部を含む表面に導電層を設けた形態等を使用することができる。絶縁性基板としては、紙基材フェノール樹脂やガラス基材エポキシ樹脂の基板、ポリイミドフィルム、液晶高分子フィルム等を使用することができる。導電層としては、金、銀、銅等の金属を使用することができる。これらの例は「プリント回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、1987刊行、日刊工業新聞社刊)に記載されている。
【0030】
第一樹脂層を表面導電層に貼り付ける方法は、第一樹脂層にムラや波打ちを生じさせることなく、貼り付け面に空気やゴミを混入することなく、第一樹脂層を設けることができれば、何れの方法であっても良い。例えば、プリント基板用の熱ゴムロールを圧力で押し当ててラミネートする装置を用いる。
【0031】
第一樹脂層表面を一様に帯電させる方法は、従来からコロトロン方式及びスコロトロン方式等の非接触帯電方法、また導電ロール帯電等の接触帯電方法が知られており何れの方式を採用しても良い。
【0032】
本発明に係わる回路基板の製造方法に係わる第一樹脂層用現像液とは、第一樹脂層を溶解する溶液であり、使用する第一樹脂層の組成に見合った現像液を用いる。現像液によって、孔上の第一樹脂層を除去し、孔上のみを開口する。第一樹脂層用現像液は、第二樹脂層が不溶性であるか、または、多少第二樹脂層を溶解する条件であっても、第一樹脂層を膜厚分だけ溶解する条件(つまり、開口部を形成する工程において、第二樹脂層が膨潤および形状の変化が発生しない条件)のある液であればいずれであってもよい。第一樹脂層にアルカリ可溶性の樹脂を用いた場合には、アルカリ水溶液が有用に使用され、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸および炭酸アルカリ金属塩、リン酸および炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液、エタノールアミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を用いることができる。これら水溶液は、第ニ樹脂層の溶解性を制御するため、濃度、温度、スプレー圧等を調整する必要がある。現像液によって開口した後には、水洗や酸処理によって現像の進行を停止する。
【0033】
本発明に係わる回路基板の製造方法において、第二樹脂層の形成方法は、孔上の第一樹脂層と、表面導電層上の第一樹脂層の電位差を利用して、孔上を除く一面に電着法によって、第二樹脂層を形成できる。この際、孔上の電荷によって塗装液が電荷的に反発し塗布されないことになる。塗装装置には、必要に応じ電極をもうけ、適正な電界を印加する。孔上には第二樹脂が電着せず、表面導電層上には第二樹脂が十分な膜厚をもって付着するように、粒子の電荷および電極の電位の条件をコントロールする。
【0034】
本発明の係わる回路基板の製造方法において、第二樹脂層は、帯電粒子を用いて電着法によって、孔上以外の第一樹脂層上に形成される。粒子の電荷および印加電圧、搬送速度、帯電粒子含有塗液供給量を制御することで、膜厚を決定することができる。電着法によって付着した帯電粒子は、加熱、圧力、光、水、溶剤等によって、第一樹脂層上に定着されて、第二樹脂層となる。この第二樹脂層をレジスト層として、第一樹脂層除去液で、孔上の第一樹脂層を除去する。
【0035】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0036】
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、IPソルベント1620(出光石油化学社製)720質量部、メタクリル酸ドデシルエステル475.2質量部および2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.8質量部を混合し、窒素置換した後、80℃に加熱し、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)4.8質量部添加し、ラジカル重合を行った。2時間後、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.48質量部を添加した。更に、4時間後1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.24質量部を追加し、温度を85℃として、7時間加熱し反応を終了させ、濃度40質量%の重合体(O−1)混合物を得た。
【0037】
上記重合体(O−1)混合物15質量部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート 0.0358質量部、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン 0.00036質量部をIPソルベント1620 15質量部に混合し、60℃で4.5時間反応させ、重合体(O−2)混合物を得た。
【0038】
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−2)混合物30質量部、アクリル酸メチル24質量部、メタクリル酸メチル14.4質量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート9.6質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量部を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物1を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が63mg(KOH)/gで、平均径0.25μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【実施例2】
【0039】
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、IPソルベント1620(出光石油化学社製)720質量部、メタクリル酸ドデシルエステル470.4質量部および2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.8質量部、N、N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート4.8質量部を混合し、窒素置換した後、80℃に加熱し、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)4.8質量部添加し、ラジカル重合を行った。2時間後、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.48質量部を添加した。更に、4時間後1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)0.24質量部を追加し、温度を85℃として、7時間加熱し反応を終了させ、濃度40質量%の重合体(O−3)混合物を得た。
【0040】
上記重合体(O−3)混合物15質量部、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート 0.0358質量部、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン 0.00036質量部をIPソルベント1620 15質量部に混合し、60℃で4.5時間反応させ、重合体(O−4)混合物を得た。
【0041】
エマルジョン粒子の作製攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−4)混合物36質量部、アクリル酸メチル16.8質量部、メタクリル酸メチル24質量部、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート7.2質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物2を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が36mg(KOH)/gで、平均径0.29μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【実施例3】
【0042】
エマルジョン粒子の作製攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−4)混合物36質量部、アクリル酸メチル24質量部、メタクリル酸メチル7質量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート17質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物3を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が98mg(KOH)/gで、平均径0.29μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【実施例4】
【0043】
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−2)混合物30質量部、アクリル酸メチル24質量部、メタクリル酸メチル21.5質量部、ビニルピリジン2.5質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量部を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物4を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が26mg(KOH)/gで平均径0.25μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【0044】
(比較例1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−2)混合物30質量部、アクリル酸メチル24質量部、メタクリル酸メチル24質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量部を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物5を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が0mg(KOH)/gで、平均径0.25μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【0045】
(比較例2)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−2)混合物30質量部、アクリル酸メチル16質量部、メタクリル酸メチル8質量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート24質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量部を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物6を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が119mg(KOH)/gで、平均径0.35μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【0046】
(比較例3)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下漏斗を備えた4ツ口フラスコ内で、516質量部のIPソルベント1620、重合体(O−2)混合物30質量部、アクリル酸メチル24質量部、メタクリル酸メチル22質量部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート2質量部を混合し、窒素雰囲気下で85℃に加温した。ここに2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.48質量部添加を添加し、更に2時間後2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.24質量部を添加し、10時間加熱して、エマルジョン粒子混合物7を得た。得られたエマルジョン粒子はアミン価が12mg(KOH)/gで、平均径0.25μmで、粗大粒子及び凝集物は無かった。
【0047】
湿式現像剤の作製
得られた実施例のエマルジョン粒子混合物1〜4及び比較例のエマルジョン粒子混合物5〜7に、固形分1質量部に対して0.02質量部の電荷制御剤(オクタデシルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体;質量組成比 3/1、無水マレイン酸加水分解率 45%、質量平均分子量 1.3万)を添加した後、固形分濃度が1質量%になるようにアイソパー1620(出光石油化学社製)で希釈し、湿式現像剤1〜4及び比較湿式現像剤5〜7を得た。
【0048】
樹脂付開口基板の製造
ドライフィルムフォトレジストを、ラミネーターを用いて90℃予熱条件で、内壁に無電解銅めっき層を有する貫通孔付き銅張り積層板にラミネートした。その後、常温下でポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。次に、上記で調製した湿式現像剤1〜4および比較湿式現像剤5〜7を用いて、バイアス電圧+200Vを印加して反転現像を行い、トナーを孔部以外全面に電着させた。続いて70℃で2分間加熱してトナーを定着させ第二樹脂層を得た。
【0049】
次に、第二樹脂層が設けられていない孔上のドライフィルムフォトレジストのみを、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー方式により溶出除去を行った。湿式現像剤1〜4および比較湿式現像剤5、7を用いた場合には、図10で示した樹脂付開口基板が良好に作製できた。比較現像剤6では、剥がれが発生し、孔部以外のドライフィルムフォトレジストが除去され、良好な処理が達成できなかった。
【0050】
回路パターンの形成
続いて、回路パターンを描画したフォトマスク(導体幅および間隙:50μm)を載せ、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用い、30秒間紫外線露光を行った。さらに、基板を反転して、逆面のドライフィルムフォトレジスト層に対しても同様に露光を行い、回路パターンの架橋部を形成した。
【0051】
該露光処理が終了した基板に対し、5質量%の硫酸を用いてスプレー方式により第二樹脂層の除去を行った。水洗後、ドライフィルムフォトレジストの未硬化部分を、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて溶出除去を行った。湿式現像剤1〜4を用いた場合には、架橋部からなる良好なレジスト画像が作製できた。比較湿式現像剤5、7を用いた場合には、第二樹脂層が硫酸に溶解せず、未硬化部が残存し、良好なレジスト画像が形成できなかった。
【0052】
次いで、電解銅めっきを行って、露出した銅表面に厚さ約12μmの電解銅めっき層を形成した。続いて、水酸化ナトリウム水溶液で処理し、レジスト層として使用した硬化部を剥離除去した。さらに、硫酸−過酸化水素系のエッチング液(30℃、スプレー圧 2.0kg/cm)でフラッシュ処理を行った。湿式現像剤1〜4を用いた場合に得られた回路基板を顕微鏡で観察したところ、ランド幅は非常に短くスルーホールと同心円状に形成されていた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の酸可溶性エマルジョン粒子は、プリント配線板、半導体装置等の回路基板の製造方法に利用することができる。本発明の回路基板の製造方法に含まれる一連の工程で得られた樹脂付開口基板に対して、穴埋めインク工程、導電性インク充填工程、電着工程、金属めっき工程、レジスト形成工程、エッチング工程を、適宜組み合わせた一連の工程を行うことで、均一で任意の幅のランドを有する孔を持った回路基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係わる回路基板の製造方法の一工程を表す断面図。
【図2】本発明に係わる回路基板の製造方法の一工程を表す断面図。
【図3】本発明に係わる回路基板の製造方法の一工程を表す断面図。
【図4】本発明に係わる回路基板の製造方法の一工程を表す断面図。
【図5】本発明に係わる回路基板の製造方法の一工程を表す断面図。
【図6】本発明に係わる回路基板の製造方法で得られた樹脂付開口基板の一例を表す断面図。
【図7】本発明に係わる回路基板の製造方法で得られた樹脂付開口基板の一例を表す断面図。
【図8】電界の概略図。
【図9】電界の概略図。
【図10】貫通孔および/または非貫通孔を有する回路基板の一例を表す断面図。
【図11】孔とランドを表した概略図。
【図12】孔とランドの位置ずれを表した概略図。
【符号の説明】
【0055】
1 絶縁性基板
2 導電層
3 導電層
4 孔
5 第一樹脂層
6 第二樹脂層
7 スルーホール
8 バイアホール
9 インタースティシャルバイアホール
10 回路形成用基板
11 樹脂付き開口基板
17 孔
18 ランド
19 電極
20 電気力線
22 分散粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高絶縁性媒体中に、単量体(M1)を重合して得られる、少なくとも該媒体に可溶の重合体(O)と、該媒体に可溶であるが重合によって不溶化する単量体(M2)よりなる芯重合物(C)によって形成されるエマルジョン粒子において、該エマルジョン粒子を形成する重合体(O)と芯重合物(C)のアミン価の計が、20〜100mg(KOH)/gであることを特徴とする酸可溶性エマルジョン粒子。
【請求項2】
単量体(M1)および/または単量体(M2)の一成分が、下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の酸可溶性エマルジョン粒子。
【化1】

[一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を、Aは−O−または−NH−基を、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
【請求項3】
貫通孔または/および非貫通孔を有し、かつ少なくとも表面に導電層を有する絶縁性基板の表面に、第一樹脂層を形成する工程、表面導電層上の第一樹脂層上に、第一樹脂層用現像液に不溶性または難溶性の第二樹脂層を形成する工程、第一樹脂層用現像液によって孔上の第一樹脂層を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法における第二樹脂層の形成に使用される請求項1または2に記載の酸可溶性エマルジョン粒子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−274216(P2006−274216A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100141(P2005−100141)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】