説明

重合体溶液の製造方法

【課題】短時間で、かつ、乾燥機を用いた乾燥工程を経由せずに重合体湿粉に含まれる水を除去し、含水率を低減できる重合体溶液の製造方法を実現する。
【解決手段】水を含む重合体湿粉と、沸点が100℃以上の溶剤とを混合して加熱し、水を沸騰させて前記重合体湿粉に含まれる水を留去する、重合体溶液の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体溶液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
懸濁重合で得られた重合体、あるいは乳化重合により得られたエマルションから回収された重合体は、有機溶剤や水等の溶剤を実質的に含有しないため、輸送や貯蔵を少容量で簡便に行うことが可能であると共に、溶剤選択の自由度が高く、さらに分子量の制御が容易である。このような重合体は、塗料、インク、接着剤、プラスチック成形材料、焼成ペースト等の樹脂として幅広い分野で利用されている。なお、重合体は、通常、各種溶剤に溶解させて重合体溶液として用いられる。
【0003】
一般的に、懸濁重合は、分散媒である水中でモノマー油滴が分散した状態で重合が進行する。そのため、重合体溶液を得るためには、重合反応の終了後のスラリー(水性懸濁液)を純水にて洗浄した後、脱水工程にて重合体湿粉とし、さらに乾燥工程にて水を完全に除去して乾燥粉末とし、該乾燥粉末を目的の溶剤に溶解させる場合が多い。
一方、乳化重合は、水を媒体とし、この中に乳化剤または界面活性剤を溶解させ、これに水に不溶または溶解性の低いモノマーを加えて、水に可溶な開始剤を用いて重合を行う方法であり、重合体粒子が水中に分散されたエマルションとして得ることが一般的である。このため、重合体溶液を得るには、まず、得られたエマルションから重合体粒子を回収する工程が必要になる。この回収工程に用いられる方法としては、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、凝固法など公知の方法を利用することが可能である。噴霧乾燥法の場合、回収された乾燥粉末を目的の溶剤に溶解させることで、重合体溶液を得る場合が多い。凝固法の場合、回収された重合体(重合体湿粉)中に水が含まれているので、重合体湿粉を乾燥させて乾燥粉末とした後に、該乾燥粉末を目的の溶剤に溶解させることで、重合体溶液を得る場合が多い。
【0004】
ところで、焼成ペーストの分野では特に、水と、金属やガラスなどのフィラーとが反応すると、ペーストの性能等が低下しやすくなるので、焼成ペーストの樹脂として用いられる重合体や重合体溶液には含水率の低減が求められる。
また、近年では、RoHS指令を考慮して、テレビなどの家電機器や電子部品では、従来使われていた鉛ガラスから、それに代わるリン酸塩や多アルカリ・ホウ酸塩ガラスなどの耐水性が乏しい材料に置き換える動きが広がっている。このような動きからも、焼成ペーストなどの樹脂として用いられる重合体や重合体溶液にはさらなる含水率の低減が求められる。
【0005】
重合体溶液の含水率を低減させるには、上述したように脱水工程や回収工程にて得られた重合体湿粉を十分に乾燥させて、含水率が低減した重合体を製造すればよい。重合体湿粉の乾燥方法としては、例えば、減圧下に加温して乾燥を行う方法、減圧下に加温して縦方向に回転させて乾燥する方法、加温空気を用いて粒子状重合物を流動させながら乾燥する方法等が知られている。
しかし、減圧下に加温して乾燥させる方法では、十分な乾燥効果を得るためには長時間を要するという問題があった。また、加温空気を用いる方法では、粒子状重合物の内部に存在する水を乾燥除去することが困難であった。
【0006】
そこで、ビーズ状重合物の製造に適した乾燥機として、1次乾燥室と2次乾燥室を上下に配した2段流動層式乾燥機を用い、ビーズ状重合物を効率よく安定して製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、エマルションから凝固法により回収された重合体湿粉の乾燥に適した乾燥装置(例えば、特許文献2参照。)や、乾燥方法(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
【特許文献1】特開2003−313229号公報
【特許文献2】特開2003−262466号公報
【特許文献3】特開2003−261686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3に記載のような乾燥法を用いたとしても、乾燥機の大きさや能力等の乾燥機固有の特性によって、乾燥効率が低下する場合があった。特にガラス転移温度(Tg)が23℃以下の重合体湿粉を乾燥させる場合は、低温での減圧乾燥が必要となることから、十分な乾燥効果を得るために長時間を要したり、得られる乾燥粉末が固化しやすいため取り扱いに注意を払ったりする必要があった。
また、重合体湿粉を乾燥させる際に乾燥機を使用したり、エマルションから重合体粒子を回収する際に噴霧乾燥法を用いたりする場合では、例え僅かであってもコンタミネーションが生じる可能性が高くなり、特に高い純度が求められる電子材料分野においては、致命的になる場合があった。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、短時間で、かつ、乾燥機を用いた乾燥工程を経由せずに重合体湿粉に含まれる水を除去し、含水率を低減できる重合体溶液の製造方法の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、乾燥前の重合体湿粉と、沸点が100℃以上の溶剤を混合および加熱することにより、重合体湿粉に含まれる水を効率よく除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の重合体溶液の製造方法は、水を含む重合体湿粉と、沸点が100℃以上の溶剤とを混合して加熱し、水を沸騰させて前記重合体湿粉に含まれる水を留去することを特徴とする。
ここで、前記重合体湿粉は懸濁重合で得られたもの、またはエマルションから凝固法により回収されたものである。
また、前記重合体湿粉と沸点が100℃以上の溶剤とに、沸点が100℃未満の溶剤をさらに混合した状態で加熱することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、短時間で、かつ、乾燥機を用いた乾燥工程を経由せずに重合体湿粉に含まれる水を除去し、含水率を低減できる重合体溶液が得られる。
また、本発明によれば、乾燥工程を経由しないので、乾燥機によるコンタミネーションを抑制できる。
さらに、本発明は、ガラス転移温度(Tg)が23℃以下の重合体湿粉を用いる場合にも好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明を詳細に説明する。
[重合体湿粉]
本発明に用いられる重合体湿粉は、例えば懸濁重合、またはエマルションから凝固法により回収することにより得られ、水を含有している。
重合体湿粉が懸濁重合で得られたものである場合、懸濁重合の方法としては特に制限されないが、例えば、水中に重合体を構成するモノマー、分散剤、油溶性重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤などを加え水性懸濁液とし、これを撹拌しながらモノマーを0.05〜1mm程度の液滴に分散させ、加熱下に重合を進行させる方法が挙げられる。
【0012】
重合体を構成するモノマーとしては特に制限されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有するビニル重合性モノマー;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、5−メチル−2−(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルシュウ酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルシュウ酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ソルビン酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー;アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルアルキルケトン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアセテート、アクリルアミドメチルアニスアルデヒド等のアルデヒド基又はカルボニル基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有ビニル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマー;アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;ブタジエン等のオレフィン系モノマー;塩化ビニル等のハロゲン化ビニルモノマー等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称を表す。
【0013】
本発明においては、ガラス転移温度(Tg)が23℃以下となる組成において発明の効果が顕著に現われる。Tgが23℃以下となる組成としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート等の単独重合体や、その他モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0014】
分散剤としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸金属塩、または(メタ)アクリル酸とメチル(メタ)アクリレートとの共重合物アルカリ金属塩;70〜100%のケン化度のポリビニルアルコール、メチルセルロース等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。中でも、ポリビニルアルコールが好ましい。
分散剤の配合量は、水性懸濁液100質量中、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。分散剤の配合量が0.001質量%以上であれば、重合時の分散性が良好となる傾向にある。一方、分散剤の配合量が10質量%以下であれば、得られる重合体湿粉の脱水性、乾燥性が良好となる傾向にある。
【0015】
懸濁重合の方法としては、水中に上述の分散剤を単独もしくは2種類以上溶かし込み、モノマー、油溶性重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤を加え、攪拌を行いながらモノマーを0.05〜1mm程度の液滴に分散させ、加熱下に重合を行うのが好ましい。
重合温度は特に限定されるものではないが、分散安定性確保と反応時間の観点から、50〜100℃が好ましい。
【0016】
懸濁重合時に使用する油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤を挙げることができる。
油溶性重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、重合体を構成するモノマー100質量部に対して、0.05〜10質量部の範囲内であることが好ましい。油溶性重合開始剤の使用量が0.05質量部以上であれば、比較的短時間の内に重合が進行し、生産性が向上する傾向にある。また、油溶性重合開始剤の使用量が10質量部以下であれば、重合発熱が緩和され、重合温度の制御が容易となる傾向にある。油溶性重合開始剤の使用量の下限値は0.1質量部以上であることが特に好ましく、また、上限値は5質量部以下であることが特に好ましい。
【0017】
懸濁重合時に使用する連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
連鎖移動剤の使用量は、特に制限されないが、重合体を構成するモノマー100質量部に対して、0.05〜10質量部の範囲内であることが好ましい。連鎖移動剤の使用量が0.05質量部以上であれば、重合体の分子量が低下して溶剤溶解性が向上する傾向にあり、0.1質量部以上であることが特に好ましい。また、上限値は分子量低下の効率から5質量部以下であることが特に好ましい。
【0018】
また、懸濁重合時の分散安定性を向上させる目的で、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の電解質を使用してもよい。使用量は、水100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましい。
【0019】
このようにして得られる重合体は、通常、球状で、粒子径は分布があるものの10〜1000μm程度である。また、比重は、その構成成分によって変化するが、通常は1より大きい値である。
なお、重合体は、重合後水に分散した状態(水性懸濁液)で得られ、これをそのまま使用してもよいが、重合に用いた連鎖移動剤などの不純物を含有しているため、重合後の水性懸濁液を濾過、洗浄するのが好ましい。
また、重合体は、含有する水の量により、後述する共沸留去に必要な時間が左右されるので、脱水機等により脱水させ、重合体湿粉とする。なお、Tgが23℃以下の重合体の場合は、脱水により水を除去し過ぎると、脱水機から取り出す最中や保存中に粒子同士が融着する場合がある。そのため、脱水するに際しては、外気温と重合体のTgによっても変わるが、含水率が4〜10%程度になるように脱水するのが望ましい。Tgが23℃以上の重合体の場合には、脱水機の能力にも因るが、含水率2%〜6%程度まで脱水することが好ましい。
【0020】
重合体湿粉がエマルションから凝固法により回収されたものである場合、その方法としては特に限定されないが、例えば乳化重合法によって得られるエマルションに凝集剤を添加し、凝集沈殿させる方法が挙げられる。この際、得られた重合体湿粉を純水等で洗浄を行うことで、重合に使用した乳化剤等の不純物を洗浄することができる。
乳化重合の方法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば水中に重合体を構成するモノマー、重合開始剤、乳化剤などを加え、加熱下に重合を進行させる方法が挙げられる。
【0021】
重合体を構成するモノマーとしては、懸濁重合の説明において先に例示した重合体を構成するモノマーの中から、1種以上を選択して用いることができる。
また、本発明においては、ガラス転移温度(Tg)が23℃以下となる組成において発明の効果が顕著に現われる。Tgが23℃以下となる組成としては、懸濁重合の説明において先に例示したTgが23℃以下となる組成の中から、1種以上を選択して用いることができる。
【0022】
乳化重合時に使用する重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸化合物;過塩素酸化合物、過ホウ酸化合物または過酸化物と還元性スルホキシ化合物との組み合わせからなるレドックス系開始剤等が用いられる。
また、連鎖移動剤として、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類などを挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、重合体を構成するモノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲内であることが好ましい。
【0023】
乳化重合時に使用する乳化剤としては、公知のものが使用できるが、具体例としては、アニオン性乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等)、ポリオキシエチレン基を含むアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、分子中にビニル重合性二重結合を有する反応性乳化剤などを挙げることができる。
乳化剤の使用量は、特に制限されないが、重合体を構成するモノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲内であることが好ましい。乳化剤の使用量が0.1質量部以上であれば、重合安定性が良好となる傾向にある。また、乳化剤の使用量が10質量部以下であれば、得られる重合体のイオン含有量が少なくなる傾向にある。重合開始剤の使用量の下限値は0.2質量部以上であることが特に好ましく、また、上限値は5質量部以下であることが特に好ましい。
【0024】
乳化重合法によって得られるエマルションに添加する凝集剤としては、例えば硫酸水溶液、酢酸カルシウム水溶液、硫酸マグネシウム水溶液、硫酸アルミニウム水溶液などを挙げることができる。
【0025】
[重合体溶液]
重合体溶液は、上述した重合体湿粉と1気圧における沸点が100℃以上の溶剤とを混合して加熱し、水を沸騰させて留去することにより得られる。
溶剤の添加量は、重合体湿粉100質量部に対して50〜900質量部が好ましい。溶剤の添加量が50質量部以上であれば、重合体溶液の粘度が適度に低くなり、水を留去しやすくなる傾向にある。溶剤の添加量が900質量部以下であれば、水の留去の効率を損なうことなく、適度な濃度の重合体溶液が得られやすくなる。
【0026】
<溶剤>
本発明に用いられる溶剤は、沸点が100℃以上である。沸点が100℃以上の溶剤を用いることで、溶剤を沸騰させずに水を沸騰させることができ、水の留去が完了するまで熱媒体としての機能が得られ、重合体湿粉に熱が伝わりやすくなり、水を効率的に留去できる。このような溶剤としては、具体的には、α、β、γ−ターピネオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルー3−エトキシプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、イソホロン、3−メトキシブチルアセテート、ベンジルアルコール、1−オクタノール、1−ノナオール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられるがこの限りではない。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、脱水中に蒸発しにくく、熱媒体の機能をより発現しやすいという観点から、沸点が120〜250℃のものが好ましく、中でも、α、β、γ−ターピネオール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
【0027】
また、本発明においては、前記重合体湿粉と沸点が100℃以上の溶剤とに、1気圧における沸点が100℃未満の溶剤をさらに混合した状態で加熱することが好ましい。
沸点が100℃未満の溶剤としては、水と共沸する溶剤が挙げられ、より効率よく水を除去することができ、また脱水の完了の判断が容易になるという観点から、比重が水よりも小さく、水と混和しない溶剤を用いるのが好ましい。具体的には、n−ヘキサン、3−メチルペンタン、2−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、2,2−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン等の脂肪族炭化水素などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、n−ヘキサン、n−ヘプタンが好ましい。
【0028】
沸点が100℃未満の溶剤をさらに混合する場合、その使用量は、後述するデカンター内と製造釜内を還流するように設定する。具体的には、沸点が100℃以上の溶剤100質量部に対して1〜300質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。使用量が1質量部未満であると、デカンター内と製造釜内を還流しにくくなる傾向にある。使用量が300質量部を超えると、重合体の溶解性が悪くなる傾向にある。
【0029】
沸点が100℃未満の溶剤をさらに混合する、すなわち、沸点が100℃以上の溶剤と、沸点が100℃未満の溶剤といった、沸点の異なる2種以上の溶剤を使用することで、沸点が100℃未満の溶剤と重合体湿粉中の水とが共沸し、水の留去効率が向上する。
沸点の異なる2種以上の溶剤を使用する場合、沸点が100℃未満の溶剤は、沸点が100℃以上の溶剤よりも沸点が20℃以上低いものであることが好ましい。このように沸点差が20℃以上あることで、使用する溶剤のうち、沸点の高い溶剤(高沸点溶剤)の揮発が抑制され、重合体溶液の調整が容易となる傾向にある。
【0030】
なお、本発明において、沸点が100℃未満の溶剤を2種以上用いる場合、これらの中で最も沸点の低い溶剤(以下、「低沸点溶剤」という。)と水とが共沸することとなる。低沸点溶剤は、図1に示すような重合体溶液の製造装置10に備わる製造釜11とデカンター12の間で還流するため、低沸点溶剤の使用量はデカンター12の容量の2倍以上であることが望ましい。また、低沸点溶剤の使用量は、低沸点溶剤以外の溶剤100質量部に対して20質量部〜300質量部が好ましい。
なお、本発明において、沸点が100℃未満の溶剤を1種単独で用いる場合は、該溶剤を「低沸点溶剤」とする。
【0031】
<製造方法>
本発明は、例えば図1に示すような製造装置10を用いて重合体溶液を製造する。
ここで、本発明の重合体溶液の製造方法の一例について、図1を用いながら具体的に説明する。なお、以下に示す例は、溶剤として沸点が100℃以上の溶剤と、沸点が100℃未満の溶剤とを用いた場合である。
【0032】
まず、上述のようにして得られた重合体湿粉を、沸点が100℃以上の溶剤および沸点が100℃未満の溶剤と共に製造釜11に投入し、撹拌翼13で撹拌しながら加熱する。製造釜11に投入する順序は、先に沸点が100℃以上の溶剤を投入し、次いで重合体湿粉を投入してもよいし、その逆でもよいし、溶剤と重合体湿粉を同時に投入してもよいが、重合体湿粉の分散性が良好になる点で、先に沸点が100℃以上の溶剤を投入し、次いで重合体湿粉を投入することが好ましい。加熱することにより、重合体湿粉に含まれる水と、低沸点溶剤とが共沸して蒸気となり、コンデンサー14に移動する。蒸気はコンデンサー14にて冷却され、デカンター12内で水と低沸点溶剤とに凝縮する。凝縮した水と低沸点溶剤は混和せず、デカンター12内で上層(低沸点溶剤)と下層(水)に分離する。デカンター12の中段に設けられた帰還ライン12aに液面が到達する低沸点溶剤のみが製造釜11へ返送され、再び重合体湿粉に含まれる水と共に共沸される。
このように、還流を続けることで、重合体湿粉に含まれる水が除去される。
【0033】
加熱温度は、低沸点溶剤と水との共沸点よりも高く、かつ、低沸点溶剤以外の溶剤の沸点よりも低いことが好ましい。また、低沸点溶剤が水と共沸して製造釜11内で十分に還流する状態となるようにすることが望ましい。
【0034】
共沸留去の完了は、デカンター12内での液(留出液)の分離が生じなくなることで判断できる。デカンター12内に溜まった水は、共沸留去の最中や共沸留去が完了した後に、デカンター12の下部に設けられた排出ライン12bから排出すればよい。一方、デカンター12内に溜まった低沸点溶剤は、共沸留去が完了した後に、水と共に排出ライン12bから排出すればよい。
このように共沸留去させることにより、乾燥機を用いて乾燥するよりも短時間で重合体湿粉に含まれる水を除去できる。共沸留去の時間は0.1〜10時間が好ましい。
【0035】
共沸留去が完了したものを、そのまま重合体溶液としてもよいが、さらに加熱して、低沸点溶剤を留去するのが好ましい。この際、製造釜11内に窒素をフローするか、または減圧することで効率よく低沸点溶剤を留去させることができる。なお、共沸留去の際に用いた溶剤が3種類以上の場合、同時に2種類以上の混合溶剤を留去させるか、又は低沸点溶剤を留去させた後、必要に応じてその他の溶剤を留去させればよい。
このようにして得られる重合体溶液には、必要に応じて目的の固形分になるように溶剤を添加してもよい。添加する溶剤としては、共沸留去の際に用いた溶剤(但し、留去した溶剤(低沸点溶剤など)を除く)と同様の溶剤であってもよく、異なる溶剤であってもよいが、同様の溶剤が好ましい。
【0036】
このようにして得られる重合体溶液は、塗料、インク、接着剤、プラスチック成形材料、焼成ペースト等の樹脂として好適である。
【0037】
以上のように、本発明によれば、短時間で、含水率を低減した重合体溶液が得られる。
また、乾燥機を用いた乾燥工程を経由しないので、乾燥機によるコンタミネーションを抑制でき、純度の高い重合体溶液を得ることができる。さらに、乾燥工程を経て得られる乾燥粉末を溶剤に溶解させて製造する重合体溶液に比べて含水率をより低減できる。
さらに、Tgが23℃以下の重合体湿粉であっても、生産効率を低減することなく、短時間で重合体溶液が得られる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
【0039】
<各種評価>
(重合体湿粉および乾燥粉末の含水率の測定)
重合体湿粉および乾燥粉末は、105℃、2時間の条件で加熱し、揮発分を簡易的に水分率(含水率)とした。
【0040】
(重合体溶液の含水率の測定)
重合体溶液は、容量法によるカールフィッシャー水分率計にて水分率(含水率)を測定した。
【0041】
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
ガラス転移温度は、下記に示すFoxの式により算出した値を用いた。
1/Tg=w1/Tg1+w2/Tg2・・・
式中、Tg1、Tg2・・・は、成分1、2・・・のTg[K]、w1、w2・・・は、成分1、2・・・の質量分率を示す。なお、各成分のTgは、「Polymer Handbook 3rd Edition」(A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION、1989年)に記載された値を使用できる。
【0042】
<実施例1>
(重合体湿粉の製造)
加温、冷却が可能な重合装置に、脱イオン水190部とn−ブチルメタクリレート(n−BMA)100部を入れ、油溶性重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3部、電解質として硫酸ナトリウム0.5部、連鎖移動剤としてチオグリコール酸オクチル0.14部を加えて十分に撹拌して溶解させた。その後、一度撹拌を止め、分散剤としてポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1,700)0.3部を10部の脱イオン水に溶解させた分散剤溶液を添加し、撹拌を再開させ、昇温した。75〜80℃の反応温度を保持して2時間反応させ、重合発熱の最大値を確認した後、85℃に昇温して2時間保持して反応を終了させた。
得られた水性懸濁液を目開き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオン水で十分洗浄した後脱水機にて脱水し、ポリ−n−ブチルメタクリレート(Tg=20℃)の重合体湿粉を得た。得られた重合体湿粉の含水率は6.1%であった。
【0043】
(重合体溶液の製造)
図1に示すような、加温・冷却可能な製造装置を用いて重合体溶液を製造した。
製造釜11に、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)(沸点120℃)を63部、n−ヘキサン(沸点69℃、比重0.66)を37部入れ、撹拌しながら先に得られた重合体湿粉100部を投入し、重合体湿粉を溶解させた。65℃まで昇温して、n−ヘキサンを製造釜11内とデカンター12の間で還流させた。十分還流した状態を保つため、80℃まで徐々に4時間かけて昇温して共沸留去により重合体湿粉に含まれる水を除去した。デカンター12内での液(留出液)の分離が生じなくなることで共沸留去の完了を判断し、デカンター12内に溜まった水とn−ヘキサンを排出ライン12bから排出した。
さらに1時間かけて100℃まで上昇させ、真空ポンプにより−33kPaまでゆっくり減圧しながらさらに2時間保持し、重合体湿粉に残存する水、n−ヘキサン、PGMを、先に排出した留出液との合計が60部になるまで留去した。
加熱、減圧を終了し、PGMを98部加えて固形分40%の重合体溶液を得た。重合体溶液の含水率を表1に示す。
【0044】
<実施例2、3>
実施例1と同様にしてポリ−n−ブチルメタクリレート(Tg=20℃)の重合体湿粉を製造した。重合体湿粉の含水率を表1に示す。
次いで、各実施例で得られた重合体湿粉を用い、共沸留去に用いた溶剤の種類と配合量、留出液および留去する水と溶剤の合計量、重合体溶液とするために添加した溶剤の種類と添加量を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、重合体溶液を製造した。重合体溶液の含水率を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
表1から明らかなように、実施例1〜3で得られた重合体溶液は、重合体湿粉の乾燥工程を経由することなく短時間(7時間)で製造でき、いずれも含水率を0.1%以下に低減できた。また、乾燥機を使用していないので、不純物などの混入(コンタミネーション)も抑制できたと考えられる。
【0047】
<比較例1>
(重合体湿粉の製造)
実施例1と同様にして重合体湿粉を製造した。得られた重合体湿粉の含水率は6.1%であった。
【0048】
(重合体湿粉の乾燥工程)
得られた重合体湿粉を、コニカルブレンダーにて2.4kPaの減圧下、20℃で24時間乾燥させ、不揮発分が99.0%の重合体の乾燥粉末を得た。この場合、含水率が1.0%であることとした。
【0049】
(重合体溶液の製造)
昇温、冷却可能な製造装置にコンデンサーを取り付け、PGM150部を加え、撹拌しながら先に得られた乾燥粉末100部を添加し、60℃で4時間加熱して乾燥粉末を溶解させ、重合体溶液を製造した。重合体溶液の含水率を表2に示す。
【0050】
<比較例2、3>
重合体湿粉の乾燥時間を表2に示す値に変更した以外は、比較例1と同様にして重合体湿粉を乾燥させた。比較例2では不揮発分が99.7%の重合体の乾燥粉末を、比較例3では不揮発分が98.5%の重合体の乾燥粉末を各々得た。得られた各乾燥粉末の含水率を表2に示す。
次いで、乾燥粉末を溶解させるために用いる溶剤の種類を表2に示すものに変化させた以外は、比較例1と同様にして重合体溶液を製造した。重合体溶液の含水率を表2に示す。
【0051】
【表2】

【0052】
表2から明らかなように、比較例1、3で得られた重合体溶液の含水率は共に0.1%以上であった。一方、比較例2で得られた重合体溶液は、含水率を0.1%以下にすることはできたものの、乾燥工程に長時間(42時間)を費やした。
いずれの比較例においても、重合体溶液を得るためには、実施例に比べて多くの時間を費やした。
【0053】
<実施例4>
(アクリル系重合体粒子を含むエマルションの製造)
加温、冷却が可能な重合装置に、水100部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.05部を投入し、メチルメタクリレート2.5部、イソブチルメタクリレート2.5部を加え反応液とし、窒素雰囲気中、回転数150rpmで攪拌しながら80℃で0.5時間加熱重合し、コア粒子を形成した。この反応液に、脱イオン水25部、乳化剤としてアルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、「ラテムルASK」)1部、表3に示す混合物Aを45部、2時間かけて滴下した後、80℃で0.5時間過熱重合した。引き続き、脱イオン水25部、乳化剤としてアルケニルコハク酸ジカリウム(花王社製、「ラテムルASK」)1部、表3に示す混合物Bを50部、反応液中に1時間かけて滴下した後、80℃で1時間保持し、乳化重合を終了した。
得られた反応液を目開き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、表3に示すような加熱残分39.7%のアクリル系重合体粒子を含むエマルションを得た。
【0054】
【表3】

【0055】
(重合体湿粉の回収)
得られたアクリル系重合体粒子を含むエマルションに、凝集剤として3%硫酸水溶液を300部添加してポリマーを凝集させ、90℃の熱処理にて凝固させてポリマースラリーを得た。
得られたポリマースラリーを目開き45μmのナイロン製濾過布により濾過し、脱イオン水で十分洗浄した後脱水機にて脱水し、重合体湿粉を得た。得られた重合体湿粉の含水率は36.6%であった。
【0056】
(重合体溶液の製造)
得られた重合体湿粉から、図1に示すような、加温・冷却可能な製造装置を用いて重合体溶液を製造した。
製造釜11に、ターピネオール(日本香料薬品社製、沸点219℃)を570部、n−ヘキサン(沸点69℃、比重0.66)を188部入れ、撹拌しながら、アクリル系重合体粒子を含むエマルションから回収された重合体湿粉100部を投入し、重合体湿粉を溶解させた。
65℃まで昇温して、n−ヘキサンを製造釜11内とデカンター12の間で還流させた。十分還流した状態を保つため、80℃まで徐々に4時間かけて昇温して共沸留去により重合体湿粉に含まれる水を除去した。デカンター12内での液(留出液)の分離が生じなくなることで共沸留去の完了を判断し、デカンター12内に溜まった水とn−ヘキサンを排出ライン12bから排出した。さらに1時間かけて120℃まで上昇させ、重合体湿粉に残存する水、n−ヘキサン、さらにターピネオールを、先に排出した留出液との合計が230部になるまで窒素をフローしながら留去した。
加熱を終了し、表4に示すような固形分10%の重合体溶液を得た。重合体溶液の含水率を表5に示す。
【0057】
【表4】

【0058】
<比較例4>
実施例4で得られたアクリル系重合体粒子を含むエマルションを噴霧乾燥して乾燥粉末とした。得られた乾燥粉末10部をターピネオール(日本香料薬品社製、沸点219℃)90部に加え、60℃で4時間かけて乾燥粉末を溶解させて、固形分が10%の重合体溶液を製造した。重合体溶液の含水率を表5に示す。
【0059】
【表5】

【0060】
表5から明らかなように、実施例4で得られた重合体溶液は、重合体湿粉の乾燥工程を経由することなく短時間(8時間)で製造できた。さらに、実施例4で得られた重合体溶液は、比較例4で得られた重合体溶液と比べ、含水率の低い重合体溶液を製造できた。また、乾燥機を使用していないので、不純物などの混入(コンタミネーション)も抑制できたと考えられる。
一方、比較例4で得られた重合体溶液は、実施例4に比べて含水率が高かった。そのため、スケールアップした際に乾燥工程に長時間費やす必要がある。また、不純物が混入するおそれのある乾燥工程が必要であった。
【0061】
以上の結果から明白なように、本発明は、水を含有する重合体湿粉から乾燥工程を経由せずに効率的に、かつ、コンタミネーションの少ない純粋な重合体溶液を得る製造方法として、工業上非常に有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】重合体溶液の製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0063】
10:製造装置
11:製造釜
12:デカンター
12a:帰還ライン
12b:排出ライン
13:撹拌翼
14:コンデンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を含む重合体湿粉と、沸点が100℃以上の溶剤とを混合して加熱し、水を沸騰させて前記重合体湿粉に含まれる水を留去する、重合体溶液の製造方法。
【請求項2】
前記重合体湿粉が懸濁重合で得られたものである、請求項1に記載の重合体溶液の製造方法。
【請求項3】
前記重合体湿粉がエマルションから凝固法により回収されたものである、請求項1に記載の重合体溶液の製造方法。
【請求項4】
前記重合体湿粉と沸点が100℃以上の溶剤とに、沸点が100℃未満の溶剤をさらに混合した状態で加熱する、請求項1〜3のいずれかに記載の重合体溶液の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−13400(P2009−13400A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143640(P2008−143640)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】