説明

重合性基質を利用した標的分子の検出するためのレポーターユニット

本発明は、標的分子特異的プローブに結合した少なくとも1つのコンポーネントを含む、標的分子を検出するためのレポーターユニットであって、少なくとも1つのコンポーネントが、第一酵素の活性によってプローブから遊離し、それにより、少なくとも1つのコンポーネントを、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質として利用できるようにして、検出可能な構造を得るレポーターユニットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的分子の検出の分野に関連する。特に、本発明は、新規のレポーターユニット及び新規のレポーターユニット系、並びに、タンパク質及び核酸複製開始点双方の標的分子の検出を行うためのそれらの使用に関係する。
【背景技術】
【0002】
背景
非常に小さな標的分子、及び、他の分子とのそれらの相互作用の存在を示すことができる高感度検出系は、現在、染料、消光剤を伴う/伴わない蛍光色素分子、放射性物質などのような試薬を利用して検出する系に基づいている。この分野で公知であるほとんどの系は、その標的核酸と結合するときのみシグナルを放つ蛍光標識ハイブリダイゼーションプローブの設計を必要とする。分子生物学の分野における様々な検出系の以下の例は、本分野でよく知られており、一般的に用いられている。
【0003】
DNA結合染料技術では、二重鎖の増幅産物の量が、分析されるサンプルにおいて元々存在する核酸の量を通常上回ることを利用する。二重鎖DNAに特異的な染料を用いることができ、適当な波長での励起により、該染料は、それが二重鎖DNAと結合した場合のみ高い蛍光を示す。好適には、例えば、Syber Greem IIのようなポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)の効率に影響を与えない染料のみが、用いられ得る。
【0004】
TaqManプローブは、2つのコンポーネントで標識された一本鎖ハイブリダイゼーションプローブである。蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って、第一コンポーネントが適当な波長の光で励起された場合、吸収されたエネルギーが第二コンポーネント(いわゆる消光剤)に移る。PCR反応法のアニーリング工程の間に、ハイブリダイゼーションプローブが標的DNAに結合し、続く伸長段階の間に、Taqポリメラーゼの5'エキソヌクレアーゼ活性によって該プローブが分解される。結果として、励起された蛍光コンポーネント及び消光剤は、互いに空間的に分離され、従って、第一コンポーネントの蛍光発光を測定することができる。
分子指標は、2つのコンポーネント(標識及び消光剤)で同じように標識されたハイブリダイゼーションプローブであり、該コンポーネントが、好適にはプローブのそれぞれの末端に位置している。プローブの二次構造の結果として、両方のコンポーネントが溶液中で空間的に近い位置にある。標的核酸に対するハイブリダイゼーションの後、両方のコンポーネントは互いに分離され、それにより適当な波長の光で励起された後に、第一コンポーネントの蛍光発光を測定することができる。
【0005】
単一標識プローブ(SLP)検出は、5'-末端又は3'-末端のいずれかで単一蛍光染料で標識された一本鎖オリゴヌクレオチドからなる。2つの異なる設計を、オリゴ標識に用いることができる(G-消光プローブ及びニトロインドール-デクエンチング(dequenching)プローブ)。G-消光態様では、蛍光染料は、オリゴ5'-又は3'-末端でCと結合している。プローブが標的とハイブリッド形成したときに、蛍光が十分に低下し、このとき、2つのGが、Cと向かい合って標的鎖で、かつ、相補的オリゴヌクレオチドプローブのそばに1位で位置する。ニトロインドールデクエンチング態様では、蛍光染料は、オリゴヌクレオチドの5'-末端又は3'-末端でニトロインドールと結合している。ニトロインドールは何らかの方法で、遊離プローブの蛍光シグナルを低下する。デクエンチング効果により、プローブが標的DNAとハイブリッド形成したとき、蛍光が増大する。
【0006】
FRETハイブリダイゼーションプローブは、相同性ハイブリダイゼーション分析の全ての方法で特に有用である。それは、同時に用いられ、かつ、増幅された標的核酸の同じ鎖の隣接する部位に相補的である1対の2つの一本鎖ハイブリダイゼーションプローブによって特徴付けられる。両方のプローブが、異なる蛍光コンポーネントで標識される。適した波長の光で励起されたとき、第一コンポーネントが蛍光共鳴エネルギー移動の原理に従って第二コンポーネントに吸収エネルギーを伝達し、それにより、両方のハイブリダイゼーションプローブが検出される標的分子の隣接部に結合するときに、第二コンポーネントの蛍光放射を測定できる。標的配列とアニールするとき、ハイブリダイゼーションプローブが、頭-尾配列で、互いに非常に近接して位置しなければならない。通常、第一プローブの標識された3'末端と第二プローブの標識された5'末端との間のギャップは可能な限り小さく、いわゆる1-5塩基である。このことは、FRETドナーコンポーネントとFRETアクセプターコンポーネントとが、近接して(一般的に10-100オングストローム)存在することを可能にする。
追加的に、及び、代替的に、例えば、染料、消光剤を伴う/伴わない蛍光色素分子、放射性物質などのような一般的に用いられる標識を必要としない高感度な検出系を達成することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の開示
第一の局面において、本発明は、標的分子特異的プローブに結合した少なくとも1つのコンポーネントを含む、標的分子を検出するためのレポーターユニットであって、少なくとも1つのコンポーネントが、第一酵素の活性によってプローブから遊離し、それにより、少なくとも1つのコンポーネントを、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質として利用できるようにして、検出可能な構造を得るレポーターユニットに関する。
第二の局面において、本発明は、標的分子を検出するためのレポーターユニット系であって、第一酵素に結合した標的分子特異的プローブを含み、第一酵素が、少なくとも1つのコンポーネントを含む前駆基質を切断し、それにより、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質としての少なくとも1つのコンポーネントを遊離して、検出可能な構造を得るレポーターユニット系に関する。
【0008】
第三の局面において、本発明は、標的分子を検出するためのレポーターユニット系であって、1つのコンポーネント、及び、第二酵素に結合した標的分子特異的プローブを含み、第二酵素が、重合反応で基質としての1つのコンポーネントを用いて、検出可能な構造を得るレポーターユニット系に関する。
第四の局面において、本発明は、標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用であって、a) レポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;b) a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;c) b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、d) 重合構造を検出する工程を含む使用に関する。
【0009】
第五の局面において、本発明は、核酸標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用であって、a) レポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;b) 第一酵素が二重鎖エキソヌクレアーゼ活性を有し、a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;c) b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、d) 重合構造をSAWセンサーで分析する工程を含む使用に関する。
第六の局面において、本発明は、タンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用であって、a) レポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;b) 第一酵素が一本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有し、a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;c) b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、d) 重合構造をSAWセンサーで分析する工程を含む使用に関する。
【0010】
第七の局面において、本発明は、タンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニット系の使用であって、a) 潜在的に標的分子を含む試験サンプルを、標的分子特異的固定化剤に添加する工程;b) 標的分子特異的プローブに結合した第一酵素をa)の混合物に添加する工程;c) 少なくとも1つのコンポーネントを含む前駆基質をb)の混合物に添加する工程;d) 第二酵素をc)の混合物に添加する工程;及び、e) SAWセンサーで重合構造を分析する工程を含む使用に関する。
第八の局面において、本発明は、タンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニット系の使用であって、a) 潜在的に標的分子を含む試験サンプルを、標的分子特異的固定化剤に添加する工程;b) 標的分子特異的プローブに結合した第二酵素をa)の混合物に添加する工程;c) 基質をb)の混合物に添加する工程;及び、d) SAWセンサーで重合構造を分析する工程を含む使用に関する。
本発明を以下の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】マイクロセンサーのSAWセンサー表面(13)上で標的分子を検出する方法を示す。本発明の認識ユニット(4)を標的分子(1)の存在をモニターするために用いる。ある態様において、本発明はさらに、標的分子の核酸増幅の工程(工程1)を含み、工程1は、5'-3'ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ(第一酵素)、標的配列とハイブリッド形成することができる一組のフォワードプライマー(2)及びリバースプライマー(3)、並びに、フォワードプライマー(2)に対応する3'で標的配列とハイブリッド形成できる本発明の認識ユニット(4)を用いる。該核酸ポリメラーゼは、増幅(工程2)の間、それが標的配列とハイブリッド形成するとき、本発明の認識ユニット(4)を消化し、それにより、消化されたヌクレオチド(5)から基質(6)を遊離する。遊離した基質3HB-CoA(6)は、PHAシンターゼ(9,10)により用いられ、重合反応によって多くのPHA分子(11,12)を形成する(工程3)。重合構造をSAWセンサー表面上で周波数変動を誘発させた質量によって、直接検出することができる。
【図2】マイクロセンサーのSAWセンサー表面(1)上で試験サンプルにおけるタンパク質又はペプチド標的分子を測定するための方法を示す。工程1において、第一抗体(4)を、SAWセンサーの空洞壁に結合する。分析試料(5)は、第一抗体(4)及び第二抗体(6)と相互作用しており、後者の抗体は、結合した第二酵素(7)を有する。SAWセンサー表面上に基質を重合することができる酵素(2)が固定され、重合体をつくる。前駆基質をSAW空洞に投入する(8,9)。工程2において第二酵素(7)が、前駆基質(8,9)を切断し、それにより基質(10)を遊離する。工程3において、遊離した基質が、SAWセンサー表面上で固定化された酵素と相互作用して、重合体構造を生み出し、SAWセンサーで、SAWセンサー表面上での質量増加により検出される。 1;SAWセンサー表面、2;固定化された酵素(PHAシンターゼ)、3;SAW空洞壁、4;捕捉抗体、5;分析試料、6;結合した第二酵素(7)を有する第二抗体、8+9;PHAシンターゼ(2)の前駆基質、10;遊離基質、12;固定化したPHAシンターゼと結合した遊離した基質、13,14及び15;進行中の重合過程。
【図3】マイクロセンサーのSAWセンサー表面(1)上で試験サンプルにおけるタンパク質又はペプチド標的分子を測定するための方法を示す。工程1において、分析試料(2)が捕捉抗体によってSAWセンサー表面(1)に固定される。工程2において、標的分子特異的プローブ(5)に結合する第二酵素を含む認識ユニット(4)が添加されて、分析試料に結合することを可能にする。遊離基質(5)も添加する。工程3において、重合反応が、検出できる重合構造(7,8)をもたらす。
【図4】センサー表面上で、10μg/mlドライダウンのPHAシンターゼ濃度を用いた結果を示す。文字Aの曲線は、1mMの基質濃度を有するppmでの周波数を示す。文字Bの曲線は、10mMの基質濃度を有するppmでの周波数を示す。
【図5】センサー表面上で、200μg/mlドライダウンのPHAシンターゼ濃度を用いた結果を示す。文字Aの曲線は、1mMの基質濃度を有するppmでの周波数を示す。文字Bの曲線は、10mMの基質濃度を有するppmでの周波数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
一態様として、本発明は、標的分子特異的プローブに結合した少なくとも1つのコンポーネントを含む、標的分子を検出するためのレポーターユニットであって、少なくとも1つのコンポーネントが、第一酵素の活性によってプローブから遊離し、それにより、少なくとも1つのコンポーネントを、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質として利用できるようにして、検出可能な構造を得るレポーターユニットに関する。
一態様として、本発明は、標的分子を検出するためのレポーターユニット系であって、第一酵素に結合した標的分子特異的プローブを含み、第一酵素が、少なくとも1つのコンポーネントを含む前駆基質を切断し、それにより、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質としての少なくとも1つのコンポーネントを遊離して、検出可能な構造を得るレポーターユニット系に関する。
一態様として、本発明は、標的分子を検出するためのレポーターユニット系であって、基質、及び、第二酵素に結合した標的分子特異的プローブを含み、第二酵素が、重合反応で基質を用いて、検出可能な構造を得るレポーターユニット系に関する。
一態様として、本発明は、少なくとも1つのコンポーネントが、(R)-3-ヒドロキシアシル-CoA、(R)-3-ヒドロキシプロピリル-CoA、(R)-3-ヒドロキシブチリル-CoA、及び、ラクトイル-CoAからなる群から選択される補酵素A(CoA)エステル、又は、(R)-3-ヒドロキシブチリル-N-アセチルシステアミンであり、Rが、H、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、C5H11、C6H13、C7H15、C8H17、C9H19、C0H21、C11H23、C12H25、C13H27又はC14H29であるレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
【0013】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、ポリエステル類に属する線状ポリマーであり、このポリオキソエステルは、実際にエネルギー貯蔵化合物として広い範囲のバクテリアで製造されている。該ポリマーは、第一に、グルコース又はデンプンからの炭素同化生成物であり、他の一般的なエネルギー源が使用できないときに、微生物によって代謝されるエネルギー貯蔵分子として用いられる。異なる100を超えるモノマー基質をこのファミリーの範囲内で結合することができ、極端に異なる性質を有する物質を提供することができる。それらは、熱可塑性物質又はエラストマー材料のいずれかとすることができ、40〜180℃の範囲の融点で、それらをバルク及び特殊なプラスチックの製造に役立つものにすることができる。PHAは、生分解可能でもあり、そして、現在のPHAにおける関心事は、バイオポリマー工学の新しい分野の可能性ある応用法である組換えDNA技術の主要な新規応用から生じる。更に、PHAの機械的性質及び特性、並びに、生体適合性を、配合、表面修飾、又は、他のポリマー、酵素及び無機材料とPHAとの混合によって変更することができ、応用範囲をより広くすること可能にする。
【0014】
PHAの最も一般的な種類は、ポリヒドロキシブチレート(PHB)である。PHBの微生物生合成は、アセチルCoAの2つの分子の縮合で始まり、アセトアセチルCoAを得て、続けてヒドロキシブチリル-CoAに還元される。このヒドロキシブチリル-CoAは、次に、モノマー基質として用いられ、PHBに重合させる。PHBは、その物理的性質がポリプロピレン(PP)の物理的特性と著しく似ていることから(但し、2つのポリマーは全く異なる化学構造である)、プラスチック材料として商業的に関心が寄せられている。PHBは、堅く、脆弱である一方で、高度の結晶性、約180℃の高い融点も示すが、最も重要なことに、PHBは、PPとは異なり、速やかに生分解可能である。PHBのポリ-3-ヒドロキシブチレート(P3PH)型は、恐らく、ポリヒドロキシアルカノエートの最も一般的な型であり、しかし、例えば、ポリ-4-ヒドロキシブチラート(P4HB)、ポリヒドロキシバレラート(PHV)、ポリヒドロキシヘキサノアート(PHH)、ポリヒドロキシオクタノアート(PHO)及びそれらのコポリマーのような、この類の多くの他のポリマーは、様々な生物から製造されている。PHBコポリマーであるポリヒドロキシブチラート-バレラート(PHBV)は、PHBより堅くはなく、強靭である。
【0015】
【化1】

【0016】
【化2】

【0017】
一態様において、本発明は、少なくとも1つのコンポーネントが、さらに染料、蛍光色素分子、消光剤、及び、放射性物質からなる群から選択される標識に結合しているレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、プローブが、核酸、核酸誘導体、核酸類似体、タンパク質、タンパク質誘導体、タンパク質類似体、又は、それらの組合せを含むレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、少なくとも1つのコンポーネントが、3'末端若しくは5'末端で、又は、3'末端及び5'末端の両方で、プローブに結合しているレポーターユニットに関する。
一態様において、本発明は、プローブが、タンパク質、タンパク質誘導体、タンパク質類似体を含み、そして、少なくとも1つのコンポーネントがアミノ末端若しくはカルボキシ末端、又は、アミノ末端及びカルボキシ末端の両方でプローブに結合しているレポーターユニットに関する。
【0018】
一態様において、本発明は、プローブが、3'末端にブロッキングコンポーネントを含み、これにより、プローブが、3'末端からDNA鎖を伸長できないレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
オリゴヌクレオチドプローブは、ハイブリッド形成しない場合には少なくとも1つの一本鎖構造で存在するように構築され、標的ポリヌクレオチドとハイブリッド形成する場合には、1つの二重鎖構造で存在するように構築される。
一態様において、本発明は、第一酵素が、二重鎖エキソヌクレアーゼ活性を有するレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、第一酵素が、taqポリメラーゼであるレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、第一酵素が、一本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有するレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、第一酵素が、ExoIであるレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、第一酵素が、5'末端エキソヌクレアーゼ活性を有するレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
一態様において、本発明は、第二酵素が、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)シンターゼ、及び、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)シンターゼからなる群から選択されるレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
【0019】
本明細書で用いられる"PHAシンターゼ"は、PHAポリメラーゼ及びphaCも意味する。PHAシンターゼは、ヒドロキシアシル-CoA基質の重合を触媒してPHAを産生し、そして、会合してPHA顆粒を形成することによって、PHA合成及び顆粒形成において重要な触媒として関与する。公知の全てのPHAシンターゼの間で保存されているシステイン残基は、共有結合触媒に関与する。シンターゼは、リパーゼと構造上及び機能上の相似性を有する。PHAシンターゼは、通常の基質R-3-ヒドロキシブチリル-CoAに加えて、2つの基質類似体、ラクトイル-CoA及びR-3-ヒドロキシブチリル-N-アセチルシステアミンを認識できる。
【0020】
一態様において、本発明は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)シンターゼが、クラスI、クラスII、クラスIII、又は、クラスIVシンターゼであるレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。それらのヌクレオチド及び予測されるアミノ酸配列に基づくPHAシンターゼの4つのクラス(I-IV)が存在する。これらのクラスは、異なる基質特異性を有し、異なるポリマーを生み出すことに関与する。
一態様において、本発明は、第一酵素及び/又は第二酵素が熱安定性であるレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
熱安定性は、レポーターユニット又はレポーターユニット系が更にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)との組合せに適用される場合に、特に、有用である。
【0021】
一態様において、本発明は、重合構造を、ポリマーに関連した質量、光学密度、粘度、標識、又は、それらの組合せの変化をモニターすることで検出するレポーターユニット又はレポーターユニット系に関する。
ある態様において、重合反応は、SAWセンサーの表面上での質量増加による周波数変化によって直接検出することができる重合構造をもたらす。
ある態様において、重合構造は、ナイルレッド(Nile red)のような染料分子を用いた蛍光によって検出することもできる。オキサジン染料ナイルブルーA及びその蛍光オキサゾン型のナイルレッドが、強くポリヒドロキシアルカン酸(PHA)と結合する。
ある態様において、重合構造の形成は、例えば600nmのようなある波長で、重合反応の間、光学濃度を測定することによって直接検出することができる。
ある態様において、重合構造は、重合反応の間、CoA-SHの遊離をモニターすることによって直接検出することができる。
【0022】
さらに、本発明において、基質(3HB-CoA)の遊離は、PHAシンターゼの基質としてのCoA-SH及びHSOCCH2CHOHCH3を用いて、ポジティブフィードバックスイッチとして用いることができる。
一態様において、本発明は、標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用であって、a) レポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;b) a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;c) b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、d) 重合構造を検出する工程を含む使用に関する。
一態様において、本発明は、核酸標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用であって、a) レポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;b) 第一酵素が二重鎖エキソヌクレアーゼ活性を有し、a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;c) b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、d) 重合構造をSAWセンサーで分析する工程を含む使用に関する。
【0023】
本発明は、特に、リアルタイムPCR技術を設計する方法に関し、従って、SAW共振器マイクロセンサーは、蛍光ベースのリアルタイムPCRアッセイの代わりにリアルタイム検出器ユニットとして応用することができる。
表面弾性波(SAW)技術は、ナノ-マイクロの範囲で標的分子の量を検出することに利用される非常に高感度な系として知られている。それは、SAWセンサー基板を通る波の伝達に影響する標的分子に関係した質量と構造の変化の検出をベースとする。しかしながら、例えば、核酸標的分子への特異的プローブの結合のように、ある標的分子相互作用は、SAW技術によって直接検出される十分に大きな変化をもたらさない。
【0024】
本発明のある態様は、この障害を克服し、SAW技術によってそれ自身直接検出できない標的分子相互作用を分析するSAWに基づく方法を得るための解決法を提供する。このような方法は、例えば蛍光色素分子-消光剤標識を用いる蛍光色素分子及び/又は消光剤分子の結合が、必要とするシグナル感度をもたらすことができない方法のような本分野で公知に代わるものである。
本明細書で開示されたマイクロセンサーは、少なくとも1つの表面弾性波センサーを含む。表面弾性波センサーは、圧電層、又は圧電基板、及び入力及び出力変換器を含む。表面弾性波は、圧電層の中で生じ、インターディジタル構造の電極によって検出される。以下で更に詳述するように、表面弾性波センサーの表面を変化させる結合事象を、表面弾性波を伝搬する特性の変化で検出することができる。
【0025】
弾性波デバイスを、圧電基板の中で又はその上での波動伝搬のモードによって説明する。弾性波は、第一に、その速度と変位方向によって区別される。物質と境界条件に起因する多くの組合せが可能である。各センサーのインターディジタル変換器電極(IDTE)は、基板を変位させ、それに伴って弾性波を形成するために不可欠な電界をもたらす。該波は、基板を通って伝搬され、それが反対の電極のIDTEで電界に変換される。横波(S波)は、波動伝搬の方向に垂直である粒子移動を含み、それは分極しうるので、粒子移動は、センシング表面に対して平行又は垂直である。せん断水平波動(shear horizontal wave motion)がセンシング表面に平行に分極した横方向変位を示し、せん断垂直波動(shear vertical motion)がセンシング表面に垂直な横方向変位を示す。
【0026】
本明細書で用いられる"表面弾性波センサー"又は"表面弾性波デバイス"は、上記で説明した方法で実質的に作動するデバイスを意味する。ある態様において、"表面弾性波センサー"は、表面変位が伝搬方向と直角でデバイス表面と平行である表面横波デバイスと、少なくとも表面変位の一部がデバイス表面と直角である表面弾性波センサーとの双方を示す。表面横波デバイスは、一般的に流体においてより高い感受性を有する一方で、表面変位の一部がデバイス表面と直角の場合、十分な感度が得られることも示されている。
【0027】
センサーは、フォトリソグラフィー処理方法で製造される。製造方法は、圧電基板を丁寧に研磨し、洗浄することから始まる。次に、金又はアルミニウムのような金属を、基板の上に均一に蒸着する。デバイスを、フォトレジストでスピンコートし、乾燥して硬化する。次に、それを、最終デバイス上で金属被覆される領域に対応する不透明領域を有するマスクを通してUV光に曝す。曝された領域は、それらが現像液で除かれるような化学変化を受ける。最終的に、残ったフォトレジストを、取り除く。デバイス上に残った金属のパターンは、インターディジタル変換器(IDT)又はインターディジタル電極(IDE)と呼ばれる。IDTの長さ、幅、位置、及び、薄さを変更することで、センサーの性能を最大に引き出すことができる。
【0028】
入力及び出力変換器は、好ましくはインターディジタル変換器である。一般に、2つのインターディジタル変換器がある。入力及び出力変換器のそれぞれが、インターディジタルパターンに配列された2つの電極を含む。入力変換器の2つの電極の間に与えられる、電圧差が、圧電基板上で、表面弾性波の発生をもたらす。電極は、一般的に、例えばアルミニウム又は金のような伝導材料を含むことができる。
電極は、従来の形態を採用することができるが、好ましくは、支持体の表面に沿って波動伝搬の方向に直角な金属被覆の細長い領域として、フォトリソグラフィーで表面を蒸着する。細長い金属領域は好ましくは、同じオーダーの幅とスペースとを有する。該幅は、一般的に、1〜40 μm、好ましくは、10〜20 μmである。ある態様において、該幅は、100 nm以上、200 nm以上、300 nm以上、400 nm以上、500 nm以上、600 nm以上、700 nm以上、800 nm以上、900 nm以上、1 μm以上、2 μm以上、3 μm以上、4 μm以上、5 μm以上、7.5 μm以上、10 μm以上、15 μm以上、20 μm以上、25 μm以上、30 μm以上、35 μm以上、40 μm以上、45 μm以上、50 μm以上、60 μm以上、70 μm以上、80 μm以上、又は、90 μm以上である。
【0029】
ある態様において、電極(チャンネル)間のスペースは、100 μm以下、90 μm以下、80 μm以下、70 μm以下、60 μm以下、50 μm以下、45 μm以下、40 μm以下、35 μm以下、30 μm以下、25 μm以下、20 μm以下、15 μm以下、10 μm以下、7.5 μm以下、5 μm以下、4 μm以下、3 μm以下、2 μm以下、1 μm以下、900 nm以下、800 nm以下、700 nm以下、600 nm以下、500 nm以下、400 nm以下、300 nm以下、200 nm以下、100 nm以下、又は75 nm以下にすることができる。注目すべきことは、該スペースが、デバイスの周波数に反比例して変化することである。
ある態様において、電極の高さは、電極の幅とおなじである。他の態様において、電極の高さは、例えば、10 nm以上、20 nm以上、30 nm以上、40 nm以上、50 nm以上、75 nm以上、100 nm以上、200 nm以上、300 nm以上、400 nm以上、500 nm以上、600 nm以上、700 nm以上、800 nm以上、又は、900 nm以上である。
ある態様において、電極(チャンネル)間のスペースの深さは、1 μm以下、900 nm以下、800 nm以下、700 nm以下、600 nm以下、500 nm以下、400 nm以下、300 nm以下、 200 nm以下、100 nm以下、75 nm以下、50 nm以下、40 nm以下、30 nm以下、又は、20 nm以下にすることができる。
【0030】
ある態様において、シングルインターディジタル変換器がある。この態様において、シングルインターディジタル変換器は、入力及び出力変換器の双方として、双方の働きをする。入力変換器及び出力変換器の双方のように働くシングルインターディジタル変換器を利用する態様において、反射構造(共振器)は、一般的にSAWセンサーの中で1以上の共鳴発生をもたらす。反射構造は、例えば、薄膜格子でありうる。格子は、例えば、アルミニウム又は金のような伝導材料を含むことができる。生じた共鳴を、例えば、シングル変換器で散逸した力を測定することで検出することができる。薄構造上での1以上の結合事象が共鳴を変更させ、該結合事象を検出できる。以下に説明するように、他の電子工学及び/又は回路構成は、同様に、ただ1つのインターディジタル変換器を有するSAWセンサーを利用する態様で用いることができる。
【0031】
一態様において、本発明は、方法が、工程a)及び/又は工程b)中に、標的分子特異的ポリメラーゼ連鎖反応法を更に含む、核酸標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用に関する。
オリゴヌクレオチドプローブは、更に、5'ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ、標的配列とハイブリッド形成することができるプライマー、及び、プライマーに対応する3'で標的配列とハイブリッド形成できる本発明のオリゴヌクレオチドプローブを用いた、標的配列上で核酸増幅を利用して核酸標的分子をモニターするために用いることができる。核酸ポリメラーゼは、それが、標的配列とハイブリッド形成した場合に、増幅の間、オリゴヌクレオチドプローブを消化し、それにより、少なくとも1つの基質を含むコンポーネントを遊離する。
【0032】
一態様において、本発明は、タンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニットの使用であって、a) レポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;b) 第一酵素が一本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有し、a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;c) b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、d) 重合構造をSAWセンサーで分析する工程を含む使用に関する。
一態様において、本発明は、タンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニット系の使用であって、a) 潜在的に標的分子を含む試験サンプルを、標的分子特異的固定化剤に添加する工程;b) 標的分子特異的プローブに結合した第一酵素をa)の混合物に添加する工程;c) 少なくとも1つのコンポーネントを含む前駆基質をb)の混合物に添加する工程;d) 第二酵素をc)の混合物に添加する工程;及び、e) SAWセンサーで重合構造を分析する工程を含む使用に関する。
【0033】
一態様において、本発明は、タンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニット系の使用であって、a) 潜在的に標的分子を含む試験サンプルを、標的分子特異的固定化剤に添加する工程;b) 標的分子特異的プローブに結合した第二酵素をa)の混合物に添加する工程;c) 基質をb)の混合物に添加する工程;及び、d) SAWセンサーで重合構造を分析する工程を含む使用に関する。
一態様において、本発明は、第一酵素及び/又は第二酵素がSAWセンサー領域に位置するタンパク質標的分子を検出するためのレポーターユニット又はレポーターユニット系の使用に関する。
【0034】
例えばPHAシンターゼ、PHBシンターゼ、ヌクレアーゼなどのような酵素は、SAWセンサーの表面上に沈殿又は固定化することができる。SAWセンサーの表面の全体領域、又は選択された部分領域若しくは素子のみ(例えば、共振器、インターディジタル変換器電極(IDTE)領域、IDTEの間の領域、共振器とIDTEの間の領域、IDTE及び/又は共振器の電極の上部、IDTE及び/又は共振器の電極の間のチャンネルなど)が、それに、用いられ得る。そのほかに、酵素を溶液に懸だくし、SAWセンサーに塗布することができる。
【実施例】
【0035】
本発明を、いかなる方法でも制限されることを意図しない以下の実施例によってこれから説明する。
<実施例1> 表面弾性波センサーによって検出されたPHAシンターゼ基質重合のリアルタイム分析
PHAシンターゼ(教授Carl Batt(コーネル大学、USA)が快く提供してくれた)を、2つの濃度(PBSバッファーで希釈した10μg/ml及び200μg/ml)で試験した。基質の3HB-CoA(シグマアルドリッチから購入した)を2つの濃度(1mM及び10mM)で用いた。
バイオセンサーは、f1及びf2と名指す2つのセンサー素子を備える2ポート横波型表面弾性波(SH-SAW)共振器だった。センサー領域は、250μm×390μmで、表面が、SiO2(ガラス)だった。バイオセンサーの共振周波数は、610MHzだった。610MHzで各センサー素子の測定した周波数を割ることで、ppmを計算した。従って、ppmは基質重合の算定基準である。
実施例No.Iでは10μg/mlの濃度で、又は、実施例No.IIでは200μg/mlの濃度での、2μlの酵素を双方のセンサー素子(f1及びf2)に適用した。酵素をバイオセンサー素子に1時間室温で接触したままにした。それぞれの実施例の開始時に、1mMの基質最終濃度をセンサー素子1(f1)に適用し、10mMの基質最終濃度をセンサー素子2(f2)に適用した。15分後、ppmを計算した。結果を表1に示す。
【0036】
表1:15分後に測定されたppm

結論:
PHAシンターゼによる基質(3HB-CoA)の重合を、表面弾性波デバイスで検出できた。低酵素濃度(10μg/ml)では、高基質濃度(10mM)の適用によって基質重合速度が増加しなかった。1mMの基質濃度を用いる場合、10mMの場合と比較して、低酵素濃度(10μg/ml)で速い重合速度が得られた。高酵素濃度では、高基質濃度(10mM)がさらに急速な重合速度を生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的分子特異的プローブに結合した少なくとも1つのコンポーネントを含む、標的分子を検出するためのレポーターユニットであって、
少なくとも1つのコンポーネントが、第一酵素の活性によってプローブから遊離し、
それにより、少なくとも1つのコンポーネントを、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質として利用できるようにして、検出可能な構造を得るレポーターユニット。
【請求項2】
標的分子を検出するためのレポーターユニット系であって、
第一酵素に結合した標的分子特異的プローブを含み、
第一酵素が、少なくとも1つのコンポーネントを含む前駆基質を切断し、
それにより、重合反応で基質を用いる第二酵素のための基質としての少なくとも1つのコンポーネントを遊離して、検出可能な構造を得るレポーターユニット系。
【請求項3】
標的分子を検出するためのレポーターユニット系であって、
1つのコンポーネント、及び、第二酵素に結合した標的分子特異的プローブを含み、
第二酵素が、重合反応で基質としての1つのコンポーネントを用いて、検出可能な構造を得るレポーターユニット系。
【請求項4】
少なくとも1つのコンポーネントが、(R)-3-ヒドロキシアシル-CoA、(R)-3-ヒドロキシプロピリル-CoA、(R)-3-ヒドロキシブチリル-CoA、及び、ラクトイル-CoAからなる群から選択される補酵素A(CoA)エステル、又は、(R)-3-ヒドロキシブチリル-N-アセチルシステアミンであり、
Rが、H、CH3、C2H5、C3H7、C4H9、C5H11、C6H13、C7H15、C8H17、C9H19、C0H21、C11H23、C12H25、C13H27又はC14H29である請求項1〜3のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項5】
少なくとも1つのコンポーネントが、さらに染料、蛍光色素分子、消光剤、及び、放射性物質からなる群から選択される標識に結合している請求項1〜4のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項6】
プローブが、核酸、核酸誘導体、核酸類似体、タンパク質、タンパク質誘導体、タンパク質類似体、又は、それらの組合せを含む請求項1〜5のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項7】
プローブが、3'末端にブロッキングコンポーネントを含み、これにより、プローブが、3'末端からDNA鎖を伸長できない請求項1〜6のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項8】
第一酵素が、二重鎖エキソヌクレアーゼ活性を有する請求項1〜2及び4〜7のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項9】
第一酵素が、taqポリメラーゼである請求項8に記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項10】
第一酵素が、一本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有する請求項1〜2及び4〜9のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項11】
第一酵素が、ExoIである請求項10に記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項12】
第一酵素が、5'末端エキソヌクレアーゼ活性を有する請求項1〜2及び4〜11のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項13】
第二酵素が、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)シンターゼ、及び、ポリヒドロキシブチレート(PHB)シンターゼからなる群から選択される請求項1〜12のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項14】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)シンターゼが、クラスI、クラスII、クラスIII、又は、クラスIVシンターゼである請求項1〜13のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項15】
第一酵素、及び/又は、第二酵素が熱安定性である請求項1〜14のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項16】
重合構造を、ポリマーに関連した質量、光学密度、粘度、標識、又は、それらの組合せの変化をモニターすることで検出する請求項1〜15のいずれかに記載のレポーターユニット又はレポーターユニット系。
【請求項17】
標的分子を検出するための請求項1及び4〜16のいずれかに記載のレポーターユニットの使用であって、
a. 請求項1又は4-16のいずれかに記載のレポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;
b. a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;
c. b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、
d. 重合構造を検出する工程を含む、使用。
【請求項18】
核酸標的分子を検出するための請求項1及び4〜16のいずれかに記載のレポーターユニットの使用であって、
a. 請求項1又は4-16のいずれかに記載のレポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;
b. 第一酵素が二重鎖エキソヌクレアーゼ活性を有し、a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;
c. b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、
d. 重合構造をSAWセンサーで分析する工程を含む、使用。
【請求項19】
工程a)及び/又は工程b)中に、標的分子特異的ポリメラーゼ連鎖反応法を更に含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
タンパク質標的分子を検出するための請求項1及び4〜16のいずれかに記載のレポーターユニットの使用であって、
a. 請求項1又は4-16のいずれかに記載のレポーターユニットを、潜在的に標的分子を含む試験サンプルに添加する工程;
b. 第一酵素が一本鎖エキソヌクレアーゼ活性を有し、a)のレポーターユニット/サンプル混合物を第一酵素に接触させる工程;
c. b)の混合物を第二酵素に接触させる工程;及び、
d. 重合構造をSAWセンサーで分析する工程を含む、使用。
【請求項21】
タンパク質標的分子を検出するための請求項2及び4〜16のいずれかに記載のレポーターユニット系の使用であって、
a. 潜在的に標的分子を含む試験サンプルを、標的分子特異的固定化剤に添加する工程;
b. 標的分子特異的プローブに結合した第一酵素をa)の混合物に添加する工程;
c. 少なくとも1つのコンポーネントを含む前駆基質をb)の混合物に添加する工程;
d. 第二酵素をc)の混合物に添加する工程;及び、
e. SAWセンサーで重合構造を分析する工程を含む、使用。
【請求項22】
タンパク質標的分子を検出するための請求項3〜16のいずれかに記載のレポーターユニット系の使用であって、
a. 潜在的に標的分子を含む試験サンプルを、標的分子特異的固定化剤に添加する工程;
b. 標的分子特異的プローブに結合した第二酵素をa)の混合物に添加する工程;
c. 基質をb)の混合物に添加する工程;及び、
d. SAWセンサーで重合構造を分析する工程を含む、使用。
【請求項23】
第一酵素及び/又は第二酵素がSAWセンサー領域に位置する請求項17〜22のいずれかに記載の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−517541(P2010−517541A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548577(P2009−548577)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【国際出願番号】PCT/DK2008/000053
【国際公開番号】WO2008/095493
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(506388510)アトノミックス アクティーゼルスカブ (9)
【Fターム(参考)】