説明

重層型化粧用パックシート

【課題】 化粧用パックシートにおいて、効果増強、使用感改善、密着性向上、副作用防止、安価な適性価格維持等の問題が提起されている。
【解決手段】 重層用部分パックシートの活用並びに親水性パックシートと親油性パックシートを用時重層して使用すること等による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧水、乳液、エッセンス、クリーム、油剤、ペースト等を保持した化粧用パックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧用パックシートは簡便に肌の手入れをすることが可能であり、貼付、そして剥離の行為が心理的にもリラクゼーション効果を与え、短期的及び長期的観点の両面から、確実な効果が期待できることから、現在スキンケァー市場の主要な分野の一つとなり、さらに今後の発展が強く期待されている。
【0003】
剤形的には親水性ゲル体を不織布等の支持体に積層したゲルタイプ、不織布等の保持体に化粧水、乳液、エッセンス、クリーム、油剤、ペースト等を含浸保持させた保持タイプが一般的である。前者は成分の皮膚移行性は劣るものの閉塞性にすぐれており、後者は閉塞性は劣るものの逆に成分の皮膚移行性とその使用感及びコストの点から、現在後者の保持タイプが市場で主流である。
【0004】
そして種々の問題点に対して、多くの改良品が市販され、また、改善改良に関して特許文献等で非常に多くの提案がなされている。しかし、何れも総合的な解決方法の提案はない。現状における主要な問題点としては、効果、使用感、副作用、簡便性、コスト、成分安定性等を挙げることができる。
【0005】
(効果について)現在市販品は、粘度の低いサラサラ型親水性保持タイプ、粘度の高いシットリ型親水性保持タイプ、油性保持タイプ、シート状のゲルタイプ等がある。又、乾燥肌用、脂性肌用等があるが、Tゾーン等同一人においても顔の部位によっては、又、時期によっても、脂性の差、湿性の差が存在し、さらに個体差はより大きく、とても数種類のタイプの製品で、適切に対応することは不可能である。その結果、このミスマッチによる効果不足と湿疹、かぶれ等の副作用やかゆみ、刺激等の不快な使用感を経験した使用者は多い。これには製品成分の均一性や経時的安定性を維持するため強力な乳化等を用いる製剤設計の影響も含まれるものと思われる。
【0006】
(使用感、副作用について)密着性の不足と上記副作用及び不快な使用感等の問題がある。高低、凹凸等の存在する顔面を一枚のシートで覆うことは基本的には不可能である。
【0007】
(コストについて)現状の市販価格は一回分あたり、100〜500円の通常品と1000〜5000円或いはそれ以上の高級品に二分される。さらに最近の傾向として、この種商品は非定期的使用品から定期的使用品に移行しつつあり、それに伴って、今後はより低価格化、簡便化の方向が市場からは求められると思われる。
【0008】
以上の問題点の中、効果に対する提案として、(A)不織布等に合成フィルム等を積層し、閉塞性とすることによって、その効果を高めようとする提案(例えば特許文献1〜5)、(B)新規な素材を用いることによって、閉塞性、密着性を改善し、その効果を高めようとする提案(例えば特許文献6〜11)、(C)油性保持シート(例えば特許文献12及び13)などがある。しかし、(A)については、閉塞性の効果は優れているが、密着性能はかえって、悪化することが懸念される。(B)の場合は、密着性は極めて優れていると考えられるが、柔軟故に取り扱い性は極めて悪く、さらに最も問題は、成分の保持性とそのコストである。この種商品は全産業的には、その原材料使用量の観点からは非常に少量の分野である。したがって、その原材料が他産業で使用されている場合は、一般的に比較的低コストで入手可能であるが、それに該当しないケースでは低コストでの入手は期待できないことが多いのである。(C)の場合は、事前の肌の保水性改善、事後の拭き取り等操作が複雑である。さらに何れの場合も上記部位差、時期差、個体差等には全く対応することが出来ない。次に使用感、密着性等の問題、さらにコストの問題に関して、直接的な提案は見当らない。簡便性、安定性に関する提案(例えば特許文献14〜16)としては、含有水を分離し、乾燥状態として保存、使用直前に水を供給することによって復元するものである。したがって、水の適切な供給という新たな問題を提起するものである。したがって、以上の理由から、現在まで解決のみならず、改善された商品も市販されていないのが実情である。
【0009】
【特許文献1】特開2005−281232号公報
【特許文献2】特開2005−211425号公報
【特許文献3】特開2000−119129号公報
【特許文献4】特開平11−228344号公報
【特許文献5】実全昭60−134403号公報
【特許文献6】特開2005−213176号公報
【特許文献7】特開2003−300852号公報
【特許文献8】特開平6−65048号公報
【特許文献9】特開平4−95015号公報
【特許文献10】特開平4−54108号公報
【特許文献11】特開平4−54107号公報
【特許文献12】特開昭62−61910号公報
【特許文献13】特開2001−233756号公報
【特許文献14】特開2006−263377号公報
【特許文献15】特開2006−249030号公報
【特許文献16】特開2006−56804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本来、基礎化粧品の主要な目的の一つは、皮膚の正常な活動に必要な成分の不足を補うことであります。不足分を補うことは、供給された成分の中から、皮膚側の選択によって必要とするものが、必要とする量のみ取り込まれることが理想であります。自由な選択であって、クリーム、乳液、ローション等、一律に均一な成分を個体差及び顔面の部位差、さらに時間、時期、体調等による変化をも考慮せず、半ば強制的に皮膚側に押し込み、見せかけの健康皮膚、美肌を演出する多くの市販化粧品は上記原則を逸脱するものであり、当然仕上化粧品にも該当せず、したがって医薬品的領域に属すると考えられるのである。医薬品的領域に該当するものは、当然使用方法、期間もそれに準じなければなりません。しかし、現実には自由な使用方法、即ち、化粧品的に使用されているのであります。このことによって必要としない成分又は必要としない量の成分の皮膚内侵入、皮膚上付着が発生し、種々の皮膚トラブル(湿疹、皮膚刺激等の副作用或いはベタツキ等使用感)の要因となっているのである。
【0011】
多くの化粧品は製品の経時安定性の観点からも強力な乳化力を有する界面活性剤を使用しており、これが成分の浸透、付着を計り、且つ、配合成分の均一性を維持し、容易には分離させないのである。したがって、皮膚側の選択的取込を阻害することになります。
【0012】
一方、パック類は所定の時間、皮膚に成分を接触させ、その間皮膚側の選択的な成分取込に委ね、残余は物理的に除去する方法である。この観点からみれば、パック類は基礎化粧品としては理想的であり、その存在価値が評価される所以であります。
【0013】
しかし、そのパック類においても上記
【0008】
記載の如く、効果増強、使用感改善、密着性向上、安価な適性価格等の問題が提起されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
種々検討の結果、上記諸問題を解決する手段として、部分的或いは全面的に保持タイプを使用時に重層して用いることが適当であるとの知見を得たのである。
【0015】
即ち、密着性に関しては、目周辺部、小鼻、鼻先、鼻周辺部、口周辺部等必要な部分に脱脂綿等柔軟な素材の重層用パックシートを単層或いは積層して使用すれば十分効果的である。効果については、液体非透過性の基材層を用いて閉塞性を高めれば、限られたパック使用時間と雖も成分移行性はさらに高まり、選択的取込の範囲内で効果の増強がみられ、その結果生じる密着性不良は重層用パックシートを用いれば解決可能である。又、肌質の異なる部分に対する対応は、基本パックシートが保持する化粧料とは異なる組成の化粧料を保持する重層用パックシートを用いて解決した。さらに最も重要で、困難な課題は使用感、副作用に関してであった。これに対しては親水性保持層と親油性保持層を構成し、且つ、それぞれの保持層を用時重層使用することによって解決した。また、分離保持することにより、さらに保湿効果増強等、前記閉塞性基材を用いた場合を凌ぐ効果も併せて有することが判明した。通常は、この二つの異なる性質を乳化して使用するが、その場合、均一になり、皮膚に付着した時分離せず、且つ、保持されていないので供給量もコントロールされず、結局ベタツキ、皮膚刺激等の要因となるのである。また、乳化せず使用した場合、当然油分の分離及び偏在が発生し、これもまた前記とは性質の異なるベタツキ、皮膚刺激の要因となるのである。親水性パックシートと親油性パックシートを重層することにより、それぞれの成分はそれぞれの保持層に保持されながらベタツキ、皮膚刺激の要因とならない範囲で適度に皮膚側に移動するのである。その比率は当然皮膚側の選択的取込に基づくものと考えられる。皮膚は適度の水分を保持している時、適度の油分を選択的に保持することができるのである。即ち、水分、油分の適度のバランスが重要である。乾燥状態の皮膚に油分を必要限度を越えて補えば、皮膚はそれを排除するために多くの疲労を甘受しなければならず、又、排除できなければ、種々の皮膚トラブルの要因となるのである。即ち、選択的取込の条件が必要なのである。これを満たすのが親水性パックシートと親油性パックシートを一定時間且つ、成分の皮膚面への移動が可能な保持状態で重層するところの本重層法である。又、選択的取込が円滑に進行するためには界面活性剤の存在はマイナス要因と考えられるが、やはり使用試験の結果これを確認することができた。
【0016】
以下、本発明の重層型化粧用パックシートについて詳細に説明する。保持層は、水性又は非水性の化粧料を保持し、使用時人体皮膚上で、これを放出し、化粧料の効果を発揮する目的で用いる。具体的には、紙、布、不織布、織布、タオル、毛布、編み物、キルト、脱脂綿等を挙げることができ、これらを単一層あるいは積層体として用いてもよいのである。特に、脱脂綿は柔軟性、放出性、保持性等に優れており、保持層としては、もっとも好ましい。さらに必要に応じて閉塞性、遮断性、支持性の中、少なくとも一つを付与するためにフィルム状又はシート状の基材層を積層しても良い。又、重層用パックシートをこの基材層のみ、又は基材層と[0020]記載の粘着層で構成し、部分的に閉塞性及び/又は遮断性を付与することも可能である。
【0017】
液体ないし半固形化粧料としては、液体、ローション、クリーム、乳液、油剤、ペースト等の形状の化粧料である。又、構成成分は化粧品として許容されるものであれば良い。
【0018】
フィルム状又はシート状の基材層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリブタジェン、セロファン、ポリクロロプレン、ポリアミノ酸、ニトリルゴム、ブチルゴム又はシリコーンゴム等の合成樹脂やその他天然樹脂等で薄く形成したフィルムないしシートを用いることができる。又、必要に応じて、発泡処理、穿孔、はっ水、はつ油処理、凹凸加工、スリット加工等を施しても良い。ウレタンフィルムは柔軟性にすぐれており、基材層としては、最も好ましい。さらに基材層と保持層が全面的又は部分的に接着又は融着されていてもよい。
【0019】
はっ水、はつ油処理としては、パラフィン処理、シリコン処理、フッ素樹脂処理等を挙げることが出来る。この目的は手のひらで押さえたり、引き上げたりするとき、手のひらと基材層との剥離が円滑に行なえるためである。剥離が重い場合、皮膚と保持層が剥離し、密着性の低下が生じるのである。
【0020】
接着としては、酢酸ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤等の他、使用に差し支えがない程度の固定力を有するものであれば良い。必要に応じて、デンプン系等の水性粘着剤も用いることができる。水性粘着剤は基材層と保持層の密着性が良好な場合に使用することが可能であり、その際これは水性化粧料に溶解し、その結果、両層の自由度が大きくなり、パックシート全体の柔軟度が向上するのである。又、部分的な接着、融着は柔軟性向上に寄与する。融着には押し出しラミネート法も含まれる。
【0021】
基材層の凹凸加工は、熱エンボス加工、フィルム成形時加工等による。この目的ははっ水、はつ油加工と同様手のひらと基材層の剥離を軽くするためである。
【0022】
スリット加工は、基材層のみ切断するもので、この目的もパックシート全体の柔軟性向上を計るためである。
【0023】
閉塞型においては、保持層を複数以上に分断してもよい。これによってパックシート全体の柔軟性と特に保持層の密着性が向上するのである。
【0024】
保持層に塊状、棒状又は網状物等を付着及び/又は内包させてもよい。この目的は皮膚に対して、適度な物理的刺激を与え、マッサージ効果を得ることである。それらは、繊維、紙、布、不織布、合成樹脂、天然樹脂等の素材を用いて、上記形状に成形したものを挙げることが出来る。
【0025】
形状としては、全面用と部分用が考えられる。全面用は全顔タイプ、上半分と下半分の組合せタイプ等である。部分用としては、鼻用、口用、目尻用、頬用等約100cm程度以下のもの、用時適当なサイズに切断して用いるフリーサイズ等である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の重層用部分パックシートを活用することにより、直接的には密着性の向上が計られる。基材層を使用して閉塞性を高めた場合、それにより密着性低下が発生するが、重層用部分パックシートを使用することによりこれを補い、さらにより強固にすることが可能となる。その結果成分の移動を促進することができ、使用時間が15〜30分程度であるパックシートの効果を著しく向上することができる。又、肌質の異なる部分に対しては、これに適した組成の化粧料を保持した重層用部分パックシートを用いることによりこれを解決することができた。最も重要な効果は選択的取込の条件を満たした親水性パックシートと親油性パックシートの重層使用によるものである。親水性パックシート、親油性パックシート各単独使用との比較試験結果等を次に示す。
【0027】
(使用試験)
試験者:顔面に機能的な異常がなく、化粧品の対応可能な肌質の範囲を越えて皮膚病と判定される症状、欠損、変形等の異常もない正常皮膚を有する、年令20〜50才の女子20名を試験者とした。
検体:実施例1〜3及び比較例1〜3のものを用いた。
【0028】
試験方法:洗顔後、就寝前に所定のパックシートを15分間用いて試験し、使用中(密着性、副作用)、除去より一時間経過後(保湿状態、ベタツキ、副作用)及び翌朝起床時(保湿状態及び副作用)の三回各項目について確認する。第一週、第一日目に顔面右側半分に先ず検体1bを1シート、その上に検体1aの半分を重層する。次に左半分に検体4の半分を貼付する。第一週、第三日目は第一日目と同様検体につき、左右反対に同様実施する。以下同様に、第二週は検体(1a、1b)と(3a、3b)、第三週は検体(3a、3b)と(5)、第四週は検体(2)と(4)、第五週は(1a、1b)と(6)につき実施する。尚、洗顔後、翌朝確認終了まで検体以外の化粧品等は顔面に使用しないこととする。
評価:()内は評価点数、同一検体についての顔面左半分、顔面右半分の評価点数を合わせ、更に前記20名の合算値で評価した。
A.使用後の皮膚の保湿状態について(本試験においては、重層用部分パックシートの 使用部位が限定的であることをも考慮して評価した。)
・大きく改善(3) ・悪化(0、副作用の項で評価する)
・改善 (2)
・少し改善 (1)
・変化なし (0)
B.使用後の皮膚のベタツキの程度について
・強いベタツキ感がある。 (3) ・少しベタツキ感ある。 (1)
・ベタツキ感がある。 (2) ・ベタツキ感ほとんどない。(0)
C.使用中、使用後にかゆみ、刺激、乾燥等の不快症状及び湿疹、かぶれ等の副作用の 有無及びその程度について
・特に強い症状がある。(3) ・弱いが症状がある。 (1)
・強い症状がある。 (2) ・ない。 (0)
D.密着性について
・非常に良い。(3) ・やや良い。 (1)
・良い。 (2) ・良くない。 (0)
【0029】
試験結果:下記の表に示す。

【0030】
考察:A.親油性パックシートと親水性パックシートの重層使用により、それらの単独 使用と比較して明らかに保湿状態の改善に顕著な効果があり、同時にベタツ キ、密着性の改善にも極めて有効なことが判明した。さらにこれによる副作 用は極めて少なく、低減効果は極めて大きいと考えられる。
B.重層用部分パックシートの密着性改善効果は極めて顕著である。さらに保湿 状態改善にも有効である。
C.油分を必要とする肌質の部分のみに重層用部分パックシートを適用すること により、保湿状態に関する効果は維持した上、密着性、ベタツキ及び副作用 の大幅な改善効果を確認することが出来た。
D.親油性パックシート単独使用は効果、使用感、副作用等、何れに関しても良 い結果は得られなかった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0032】
保持層として不織布(コットン、坪量40g/m)を用いて、所定の顔面用(縦横25×24cm)1枚を製作し、親水性化粧料A(油分非添加)を25g/シート含浸させたのち、包装し、基本パックシート1aとする。次に保持層として不織布(コットン、坪量30g/m)を用いて、頬用(縦横6×7cm、頬型)2枚を製作し、親油性化粧料Fを1.5g/シート含浸させたのち、包装し、重層用パックシート1bとする。
【実施例2】
【0033】
保持層として不織布(コットン、坪量40g/m)を用いて、所定の顔面用(縦横25×24cm)1枚、次に目尻用(縦横6×7cm、目尻型)2枚を製作し、親水性化粧料Aを合計3枚のシートに30g含浸させたのち、包装し、化粧用パックシート2とする。
【実施例3】
【0034】
保持層として不織布(コットン、坪量40g/m)を用いて、所定の顔面用(縦横25×24cm)1枚を製作し、親水性化粧料Aを25g/シート含浸させたのち、包装し、基本パックシート3aとする。次に保持層として不織布(コットン、坪量40g/m)を用いて、頬用(縦横6×7cm、頬型)2枚を製作し、親水性化粧料B(油分添加)を2g/シート含浸させたのち、包装し、重層用パックシート3bとする。
【比較例1】
【0035】
保持層として不織布(コットン、坪量40g/m)を用いて、所定の顔面用(縦横25×24cm)1枚を製作し、親水性化粧料Aを25g/シート含浸させたのち、包装し、化粧用パックシート4とする。
【比較例2】
【0036】
保持層として不織布(コットン、坪量40g/m)を用いて、所定の顔面用(縦横25×24cm)1枚を製作し、親水性化粧料Bを25g/シート含浸させたのち、包装し、化粧用パックシート5とする。
【比較例3】
【0037】
保持層として不織布(コットン、坪量30g/m)を用いて、所定の顔面用(縦横25×24cm)1枚を製作し、親油性化粧料Fを15g/シート含浸させたのち、包装し、化粧用パックシート6とする。
【化粧料組成】
【0038】
親水性化粧料A 親水性化粧料B 親油性化粧料F
・精製水 91.7 89.2
・BG 3 3
・グリセリン 3 3
・シリコンオイル 0.2
・スクワラン 0.3 10
・トリオクタノイン 1.5 40
・オリーブ油 48.8
・トレハロース 1 1
・キサンタンガム 0.2 0.2
・PEG−60硬化ヒマシ油 0.5
・アロエエキス 0.3 0.3
・カンゾウエキス 0.3 0.3
・トウキエキス 0.3 0.3
・ビタミンE 1
・BHT 0.2
・メチルパラベン 0.15 0.15
・プロピルパラベン 0.05 0.05
単位:%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持層及び保持層で保持された液体ないし半固形化粧料よりなる化粧用パックシートにおいて、基本パックシートとこれの皮膚面側及び/又は環境側に設置する重層用パックシートで構成されていることを特徴とする化粧用パックシート。
【請求項2】
重層用パックシートの少なくとも一部は、その保持層に保持される化粧料の組成が基本パックシートの保持層に保持される化粧料の組成と異なることを特徴とする請求項1の化粧用パックシート。
【請求項3】
基本パックシートの保持層に保持される化粧料が親水性の場合、重層用パックシートの少なくとも一部は、それに保持される化粧料が親油性であることを特徴とする請求項1及び2の化粧用パックシート。
【請求項4】
基本パックシートの保持層に保持される化粧料が親油性の場合、重層用パックシートの少なくとも一部は、それに保持される化粧料が親水性であることを特徴とする請求項1及び2の化粧用パックシート。
【請求項5】
親油性の化粧料が保持された化粧用パックシートと親水性の化粧料が保持された化粧用パックシートを使用時に重層して用いることを特徴とする美容方法。
【請求項6】
化粧用パックシートの保持層に保持されるそれぞれの化粧料が実質的に界面活性剤を含有しないことを特徴とする請求項1〜4の化粧用パックシート及び請求項5の美容方法。

【公開番号】特開2007−224015(P2007−224015A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357235(P2006−357235)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(500574067)
【Fターム(参考)】