重量物移動台車
【課題】 家具や植木鉢などの重量物を安定よくかつ安全に移動できる重量物移動台車を提供する。
【解決手段】 車体本体2の上部に水平可動可能に軸承された荷重受け荷台3が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみ21を備え、下部に前軸5aで前方ローラ4を軸支し、後軸5dで後方ローラ4を軸支し、前記ローラ4の軸距に複数の中間軸5b、5cで複数の中間ローラ4を軸支し、かつそれら軸支されたローラ4の中心位置は前記荷重受け荷台3の外周端3aより外側に配置された重量物移動台車1を複数家具などの重量物Wの下に挿入して該重量物Wを支持するとともに移動できるようにした。
【解決手段】 車体本体2の上部に水平可動可能に軸承された荷重受け荷台3が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみ21を備え、下部に前軸5aで前方ローラ4を軸支し、後軸5dで後方ローラ4を軸支し、前記ローラ4の軸距に複数の中間軸5b、5cで複数の中間ローラ4を軸支し、かつそれら軸支されたローラ4の中心位置は前記荷重受け荷台3の外周端3aより外側に配置された重量物移動台車1を複数家具などの重量物Wの下に挿入して該重量物Wを支持するとともに移動できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭や事務所等で使用するタンス、整理棚等の家具や冷蔵庫、植木鉢など重量物を安全に移動させるために使用する重量物移動台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10は従来の移動台車50を示している。この従来例は、例えば、登録実用新案第3051835号に記載されているものと同種のものである。本体51の上に水平回動可能に軸承された回転台52が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみ53を備え、下端部には前軸54で前方ローラ55を軸支し、後軸56で後方ローラ57を軸支し図11に示すように、この移動台車50を少なくとも4つ用いて家具等の重量物Wの下面4隅に挿入して該重量物Wを支持しながら,その該重量物Wから受ける荷重により該重量物Wと一体化して移動できるものであった。
【特許文献1】登録実用新案第3051835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の移動台車50においては、図12に示すようにローラの軸が前後2か所の構造であるため、家具等の重量物Wを移動する床Fがたたみの場合は、たたみの縁の継ぎ目の溝Gに、フローリングの場合は板と板の継ぎ目の溝Gに、またはタイルや石貼りの場合は目地の溝Gにローラ55の回転が妨害され移動台車50の進行が突然困難になり、家具等の重量物Wが台車から脱落して作業者の怪我や床Fに傷を付ける危険があったため、使用できる床Fが全面平坦な場所だけに限られていた。
【0004】
また、従来の移動台車50は図13に示すように重量物Wの荷重を保持する回転台52の直下に前方ローラ55と後方ローラ57を配置した構造のため、荷重を保持する回転台52の一部には、前方ローラ55と後方ローラ57の一部および前軸54と後軸56の中心を超過して荷重を保持することが出来ない範囲52a,52b,52c,52dが発生する。そのために、移動する家具等の重量物Wの荷重がその範囲に加わった時に移動台車50は容易に転倒してしまう。
【0005】
なを、この移動台車50は家具等の重量物Wの下面4隅に挿入して該重量物Wを支持しながら,その該重量物Wから受ける荷重により該重量物Wと一体化して移動するものであるが、移動台車50が走行する床Fにわずかな歪Eにより高低差が発生すると、重量物Wの4隅に挿入した移動台車50は3隅の3台だけ、あるいは、まれに2台での支持となる事が起こり重量物Wからの荷重を受けない幾つかの移動台車50は該重量物Wとの一体化が解除され走行が停止状態になり、移動する家具等の重量物Wから取り残されてしまい円滑な移動を妨げていた。
【0006】
そこで、本発明は、たたみ、フローリング、タイル、石貼りなどの一般家庭で広く普及している床Fに於いて、それらが持つ接続部の溝Gや、歪Eなどがある広範囲の床材において、円滑に安定良く、かつ安全に移動できる重量物移動台車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた本発明の重量物移動台車は、本体の上部に、垂直回動可能に軸承された荷重受け荷台が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみを備え、下部に前軸で前方ローラを軸支し、後軸で後方ローラを軸支し前記ローラの軸距に複数の中間軸で複数の中間ローラを軸支し、かつそれら軸支されたローラの中心位置は前記荷重受け荷台の外周端より外側に配置されたことを特徴とするものである。
【0008】
第2に、前記荷重受け荷台は垂直方向に伸縮が可能であり、ばねのような弾性体または弾性構造体により上部に付勢されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
これによれば、家具等の重量物の下面に挿入して該重量物を支持しながら移動中に前方ローラが床の溝上にあっても、重量物を中間ローラと後方ローラが支持しているため、前方ローラが床の溝に嵌ることはない。同様に中間ローラが床の溝上にあっても、重量物を前方ローラと後方ローラが支持しているため、中間ローラが床の溝に嵌ることはなく本発明の重量物移動台車は常に家具等の重量物を安定して支持している。よって、本発明の重量物移動台車は、円滑に、そして安全に家具等の重量物を移動することができる。
【0010】
また、本発明に係る移動台車のローラは全て、荷重受け荷台の外周端外に配置したため、家具等の重量物の荷重が荷重受け荷台の中心を外した場合でも,荷重受け荷台の範囲を離脱しない限り本台車は容易に転倒しない。
【0011】
さらに、台車本体の各ローラ直上部は、強度を要求されて厚肉構造になる荷重受け荷台の直下を外れている構造になるので、ローラ直上部に余分なスペースを確保する必要がなく肉薄構造にできるためローラの軸支は台車全高を抑える位置が得られ、台車の高さはローラの直径よりわずかだけ増加するだけの低い構造を得られる利点がある。よって、家具等を台車に乗せる作業において家具等を持上げる量が少なくなり安全性と作業性が向上する。
【0012】
また、本発明に係る移動台車を家具等の重量物の下面4隅に挿入して該重量物を支持しながら、その該重量物から受ける荷重により該重量物と一体化して移動している時、床面の歪や高低差によって一部の台車に重量物の荷重が無くなり、該重量物と一体化から開放されて該重量物から取り残される恐れが起こっても、本発明の台車は荷重受け荷台が垂直方向に伸びて該重量物と台車の連結を確保できるため移動中の該重量物から台車が外れることを防止できる。
【0013】
以上詳述したように、本発明に係る移動台車を家具等の重量物の下面4隅に挿入して該重量物を支持しながら移動するとき、走行移動する床面が持つ継ぎ目の溝や目地、歪や傾斜などの障害に左右されること無く走行できことから、一般家庭や事務所で使われている床材の殆どに対応して、家具等の重量物を安全、円滑にそして容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面によって説明する。
【実施例】
【0015】
図1〜図4は本発明に係る重量物移動台車1の第一の実施形態を示している。この移動台車1は合成樹脂製の車体本体部2と、合成樹脂製ローラ4と、金属製のローラ軸5a,5b,5c,5dおよび、車体本体部2上部に設けた荷重受け荷台3とにより構成されたものである。
【0016】
前記車体本体部2は図3および図4に示すように、天板2cから前後左右側面2d、2e、2f、2gまで、ローラを半分ほど覆う曲面形状の外面と、天板2c下面にリブ2bを備え、中央部には上下に貫通するボス穴23が設けられている。そして、天板2c上面には、荷重受け荷台3を保持する凹座22が設けられ、下面は開口している。
【0017】
また、図4に示すように、天板2c下面に設けられたリブ2bは、車体本体2中央のボス穴23部から前後左右の側面2d、2e、2f、2gまで蜂の巣状に一体成形され、さらに、ローラ軸5a、5b、5c、5dを支持する軸受け部25を前後左右の側面2d、2e、2f、2gおよびリブ2bに14か所設け、ローラ4を6か所に別けて軸支できるように配置されている。
【0018】
ローラ4は、台車の進行方向前部にローラ軸5aに軸支されて2個、後部にローラ軸5dに軸支されて2個、前後軸間前部にローラ軸5bに軸支されて左右側面2f、2g側に別れ各1個、前後軸間後部にローラ軸5cに軸支されて左右側面2f、2g側に別れ各1個の合計8個がそれぞれ荷重受け荷台3の外周端3a外を囲み、6か所に配置されている。
【0019】
このことにより、図5に示すように、本発明の台車は家具等を移動する床Fがたたみの場合は、たたみの縁や表面の歪みEに、フローリングの場合は板と板の継ぎ目の溝Gに、またはタイルや石貼りの場合は目地の溝Gなどにに遭遇し、例えば、前軸5aに軸支されたローラ4が溝G上にあっても、荷重受け荷台3に加わった荷重は、後軸5dおよび中間軸5b、5cに軸支されたローラ4によって保持され、また、図6に示すように中間軸5bに軸支されたローラ4が前記溝G上にあったとき、荷重受け荷台3に加わった荷重は、前軸5aと後軸5dおよび中間軸5cに軸支されたローラ4によって保持され、さらに、中間軸5cに軸支されたローラ4が前記溝G上にあったときや、後軸5dに軸支されたローラ4が前記溝G上にあったときも同様に他の3つの軸に軸支されたローラ4によって、荷重受け荷台3に加わった荷重は確実に保持されることになり、本台車1は円滑に移動することができる。
【0020】
荷重受け荷台3は、図2に示すように、下面中央にボス32を備え、ボス32の先端部はテーパー状の戻り防止フック34になっている、また、荷重受け荷台3の下面から戻り防止フック34上部までのボス32の長さは、車体本体2の中央部に設けられたボス穴23およびくびれ部24の深さより約2mm程度長くなっている。さらに、荷重受け荷台3の下面には、ばねの効能を持った突起33を3個以上同一円周上に均等間隔で備えている。
【0021】
車体本体2の中央部に設けられたボス穴23の底部には前記戻り防止フック34の外径よりわずかに狭いくびれ部24を備えており、荷重受け荷台3を車体本体2に組み合わせたとき、前記フック部34は、ボス穴23を貫通して抜け戻る事がない。
【0022】
これにより、荷重受け荷台3は車体本体2に組合わされたとき、前記ばねの効能を持った突起33により垂直方向に伸びる力を受けて保持されることになる。よって、荷重受け荷台3は車体本体2に保持されつつ垂直上下方向に約2mm程度伸縮の機能が備わる。なを、荷重受け荷台3は外周端3a部が、 天板2c上面に設けられた凹座22に保持されており、伸縮によって車体本体2との結合が不安定になることは無い。
【0023】
このことにより、図7および図8に示すように、本発明の台車を家具等の下面4隅に挿入して移動するとき、床Fにある多少の歪Eによって、下面4隅に挿入した台車それぞれに加わる家具等の荷重にアンバランスが発生し、台車3台だけでの保持や、まれに2台での保持になり、家具等の下面から離される恐れのある台車があっても、図8に示すように、該当する台車1aは荷重受け荷台3が台車本体2から伸長して家具等の下面から離脱する事が無い。これは、他の台車1b,1c,1dにもあてはまる効果である。
【0024】
図9は、本発明に係る移動台車1の第二実施形態を示し、第一実施形態と異なるところは、荷重受け荷台3の下面中央のボス32の外周部に金属製のばね35を装着し、荷重受け荷台3を車体本体2に組合わせたとき、前記ばね35により垂直方向に伸びる力を受けて保持され、第一実施形態と同様に、荷重受け荷台3は車体本体2に保持されつつ垂直上下方向に約2mm程度伸縮の機能が備わる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1の下面図である。
【図5】移動台車の溝移動の開始を示す説明図である。
【図6】移動台車の溝移動の中間を示す説明図である。
【図7】本発明に係る移動台車の使用例説明用斜視図である。
【図8】本発明の第二実施形態を示す中央縦断図である。
【図9】従来例移動台車の立体斜視図である。
【図10】従来例移動台車の斜視図である。
【図11】従来例移動台車の使用例説明用斜視図である。
【図12】従来例移動台車の説明図である。
【図13】従来例移動台車の平面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 重量物移動台車
2 車体本体
3 荷重受け荷台
3a 荷重受け荷台外周端
4 ローラ
5a ローラ軸
5b ローラ軸
5c ローラ軸
5d ローラ軸
32 荷重受け荷台ボス
33 バネ作用の突起
E 床の歪
F 床
G 床の溝
W 家具等の重量物
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭や事務所等で使用するタンス、整理棚等の家具や冷蔵庫、植木鉢など重量物を安全に移動させるために使用する重量物移動台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10は従来の移動台車50を示している。この従来例は、例えば、登録実用新案第3051835号に記載されているものと同種のものである。本体51の上に水平回動可能に軸承された回転台52が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみ53を備え、下端部には前軸54で前方ローラ55を軸支し、後軸56で後方ローラ57を軸支し図11に示すように、この移動台車50を少なくとも4つ用いて家具等の重量物Wの下面4隅に挿入して該重量物Wを支持しながら,その該重量物Wから受ける荷重により該重量物Wと一体化して移動できるものであった。
【特許文献1】登録実用新案第3051835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の移動台車50においては、図12に示すようにローラの軸が前後2か所の構造であるため、家具等の重量物Wを移動する床Fがたたみの場合は、たたみの縁の継ぎ目の溝Gに、フローリングの場合は板と板の継ぎ目の溝Gに、またはタイルや石貼りの場合は目地の溝Gにローラ55の回転が妨害され移動台車50の進行が突然困難になり、家具等の重量物Wが台車から脱落して作業者の怪我や床Fに傷を付ける危険があったため、使用できる床Fが全面平坦な場所だけに限られていた。
【0004】
また、従来の移動台車50は図13に示すように重量物Wの荷重を保持する回転台52の直下に前方ローラ55と後方ローラ57を配置した構造のため、荷重を保持する回転台52の一部には、前方ローラ55と後方ローラ57の一部および前軸54と後軸56の中心を超過して荷重を保持することが出来ない範囲52a,52b,52c,52dが発生する。そのために、移動する家具等の重量物Wの荷重がその範囲に加わった時に移動台車50は容易に転倒してしまう。
【0005】
なを、この移動台車50は家具等の重量物Wの下面4隅に挿入して該重量物Wを支持しながら,その該重量物Wから受ける荷重により該重量物Wと一体化して移動するものであるが、移動台車50が走行する床Fにわずかな歪Eにより高低差が発生すると、重量物Wの4隅に挿入した移動台車50は3隅の3台だけ、あるいは、まれに2台での支持となる事が起こり重量物Wからの荷重を受けない幾つかの移動台車50は該重量物Wとの一体化が解除され走行が停止状態になり、移動する家具等の重量物Wから取り残されてしまい円滑な移動を妨げていた。
【0006】
そこで、本発明は、たたみ、フローリング、タイル、石貼りなどの一般家庭で広く普及している床Fに於いて、それらが持つ接続部の溝Gや、歪Eなどがある広範囲の床材において、円滑に安定良く、かつ安全に移動できる重量物移動台車を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた本発明の重量物移動台車は、本体の上部に、垂直回動可能に軸承された荷重受け荷台が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみを備え、下部に前軸で前方ローラを軸支し、後軸で後方ローラを軸支し前記ローラの軸距に複数の中間軸で複数の中間ローラを軸支し、かつそれら軸支されたローラの中心位置は前記荷重受け荷台の外周端より外側に配置されたことを特徴とするものである。
【0008】
第2に、前記荷重受け荷台は垂直方向に伸縮が可能であり、ばねのような弾性体または弾性構造体により上部に付勢されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
これによれば、家具等の重量物の下面に挿入して該重量物を支持しながら移動中に前方ローラが床の溝上にあっても、重量物を中間ローラと後方ローラが支持しているため、前方ローラが床の溝に嵌ることはない。同様に中間ローラが床の溝上にあっても、重量物を前方ローラと後方ローラが支持しているため、中間ローラが床の溝に嵌ることはなく本発明の重量物移動台車は常に家具等の重量物を安定して支持している。よって、本発明の重量物移動台車は、円滑に、そして安全に家具等の重量物を移動することができる。
【0010】
また、本発明に係る移動台車のローラは全て、荷重受け荷台の外周端外に配置したため、家具等の重量物の荷重が荷重受け荷台の中心を外した場合でも,荷重受け荷台の範囲を離脱しない限り本台車は容易に転倒しない。
【0011】
さらに、台車本体の各ローラ直上部は、強度を要求されて厚肉構造になる荷重受け荷台の直下を外れている構造になるので、ローラ直上部に余分なスペースを確保する必要がなく肉薄構造にできるためローラの軸支は台車全高を抑える位置が得られ、台車の高さはローラの直径よりわずかだけ増加するだけの低い構造を得られる利点がある。よって、家具等を台車に乗せる作業において家具等を持上げる量が少なくなり安全性と作業性が向上する。
【0012】
また、本発明に係る移動台車を家具等の重量物の下面4隅に挿入して該重量物を支持しながら、その該重量物から受ける荷重により該重量物と一体化して移動している時、床面の歪や高低差によって一部の台車に重量物の荷重が無くなり、該重量物と一体化から開放されて該重量物から取り残される恐れが起こっても、本発明の台車は荷重受け荷台が垂直方向に伸びて該重量物と台車の連結を確保できるため移動中の該重量物から台車が外れることを防止できる。
【0013】
以上詳述したように、本発明に係る移動台車を家具等の重量物の下面4隅に挿入して該重量物を支持しながら移動するとき、走行移動する床面が持つ継ぎ目の溝や目地、歪や傾斜などの障害に左右されること無く走行できことから、一般家庭や事務所で使われている床材の殆どに対応して、家具等の重量物を安全、円滑にそして容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面によって説明する。
【実施例】
【0015】
図1〜図4は本発明に係る重量物移動台車1の第一の実施形態を示している。この移動台車1は合成樹脂製の車体本体部2と、合成樹脂製ローラ4と、金属製のローラ軸5a,5b,5c,5dおよび、車体本体部2上部に設けた荷重受け荷台3とにより構成されたものである。
【0016】
前記車体本体部2は図3および図4に示すように、天板2cから前後左右側面2d、2e、2f、2gまで、ローラを半分ほど覆う曲面形状の外面と、天板2c下面にリブ2bを備え、中央部には上下に貫通するボス穴23が設けられている。そして、天板2c上面には、荷重受け荷台3を保持する凹座22が設けられ、下面は開口している。
【0017】
また、図4に示すように、天板2c下面に設けられたリブ2bは、車体本体2中央のボス穴23部から前後左右の側面2d、2e、2f、2gまで蜂の巣状に一体成形され、さらに、ローラ軸5a、5b、5c、5dを支持する軸受け部25を前後左右の側面2d、2e、2f、2gおよびリブ2bに14か所設け、ローラ4を6か所に別けて軸支できるように配置されている。
【0018】
ローラ4は、台車の進行方向前部にローラ軸5aに軸支されて2個、後部にローラ軸5dに軸支されて2個、前後軸間前部にローラ軸5bに軸支されて左右側面2f、2g側に別れ各1個、前後軸間後部にローラ軸5cに軸支されて左右側面2f、2g側に別れ各1個の合計8個がそれぞれ荷重受け荷台3の外周端3a外を囲み、6か所に配置されている。
【0019】
このことにより、図5に示すように、本発明の台車は家具等を移動する床Fがたたみの場合は、たたみの縁や表面の歪みEに、フローリングの場合は板と板の継ぎ目の溝Gに、またはタイルや石貼りの場合は目地の溝Gなどにに遭遇し、例えば、前軸5aに軸支されたローラ4が溝G上にあっても、荷重受け荷台3に加わった荷重は、後軸5dおよび中間軸5b、5cに軸支されたローラ4によって保持され、また、図6に示すように中間軸5bに軸支されたローラ4が前記溝G上にあったとき、荷重受け荷台3に加わった荷重は、前軸5aと後軸5dおよび中間軸5cに軸支されたローラ4によって保持され、さらに、中間軸5cに軸支されたローラ4が前記溝G上にあったときや、後軸5dに軸支されたローラ4が前記溝G上にあったときも同様に他の3つの軸に軸支されたローラ4によって、荷重受け荷台3に加わった荷重は確実に保持されることになり、本台車1は円滑に移動することができる。
【0020】
荷重受け荷台3は、図2に示すように、下面中央にボス32を備え、ボス32の先端部はテーパー状の戻り防止フック34になっている、また、荷重受け荷台3の下面から戻り防止フック34上部までのボス32の長さは、車体本体2の中央部に設けられたボス穴23およびくびれ部24の深さより約2mm程度長くなっている。さらに、荷重受け荷台3の下面には、ばねの効能を持った突起33を3個以上同一円周上に均等間隔で備えている。
【0021】
車体本体2の中央部に設けられたボス穴23の底部には前記戻り防止フック34の外径よりわずかに狭いくびれ部24を備えており、荷重受け荷台3を車体本体2に組み合わせたとき、前記フック部34は、ボス穴23を貫通して抜け戻る事がない。
【0022】
これにより、荷重受け荷台3は車体本体2に組合わされたとき、前記ばねの効能を持った突起33により垂直方向に伸びる力を受けて保持されることになる。よって、荷重受け荷台3は車体本体2に保持されつつ垂直上下方向に約2mm程度伸縮の機能が備わる。なを、荷重受け荷台3は外周端3a部が、 天板2c上面に設けられた凹座22に保持されており、伸縮によって車体本体2との結合が不安定になることは無い。
【0023】
このことにより、図7および図8に示すように、本発明の台車を家具等の下面4隅に挿入して移動するとき、床Fにある多少の歪Eによって、下面4隅に挿入した台車それぞれに加わる家具等の荷重にアンバランスが発生し、台車3台だけでの保持や、まれに2台での保持になり、家具等の下面から離される恐れのある台車があっても、図8に示すように、該当する台車1aは荷重受け荷台3が台車本体2から伸長して家具等の下面から離脱する事が無い。これは、他の台車1b,1c,1dにもあてはまる効果である。
【0024】
図9は、本発明に係る移動台車1の第二実施形態を示し、第一実施形態と異なるところは、荷重受け荷台3の下面中央のボス32の外周部に金属製のばね35を装着し、荷重受け荷台3を車体本体2に組合わせたとき、前記ばね35により垂直方向に伸びる力を受けて保持され、第一実施形態と同様に、荷重受け荷台3は車体本体2に保持されつつ垂直上下方向に約2mm程度伸縮の機能が備わる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1の下面図である。
【図5】移動台車の溝移動の開始を示す説明図である。
【図6】移動台車の溝移動の中間を示す説明図である。
【図7】本発明に係る移動台車の使用例説明用斜視図である。
【図8】本発明の第二実施形態を示す中央縦断図である。
【図9】従来例移動台車の立体斜視図である。
【図10】従来例移動台車の斜視図である。
【図11】従来例移動台車の使用例説明用斜視図である。
【図12】従来例移動台車の説明図である。
【図13】従来例移動台車の平面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 重量物移動台車
2 車体本体
3 荷重受け荷台
3a 荷重受け荷台外周端
4 ローラ
5a ローラ軸
5b ローラ軸
5c ローラ軸
5d ローラ軸
32 荷重受け荷台ボス
33 バネ作用の突起
E 床の歪
F 床
G 床の溝
W 家具等の重量物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の上部に水平回動可能に軸承された荷重受け荷台が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみを備え、下部に前軸で前方ローラを軸支し、後軸で後方ローラを軸支し、前記ローラの軸距に複数の中間軸で複数の中間ローラを軸支し、かつそれら軸支されたローラの中心位置は前記荷重受け荷台の外周端より外側に配置されたことを特徴とする重量物移動台車。
【請求項2】
荷重受け荷台は垂直方向に伸縮が可能であり、ばねのような弾性体または弾性構造体により上部に付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の重量物移動台車。
【請求項1】
本体の上部に水平回動可能に軸承された荷重受け荷台が設けられ、かつ前側枠から前方に突出するつまみを備え、下部に前軸で前方ローラを軸支し、後軸で後方ローラを軸支し、前記ローラの軸距に複数の中間軸で複数の中間ローラを軸支し、かつそれら軸支されたローラの中心位置は前記荷重受け荷台の外周端より外側に配置されたことを特徴とする重量物移動台車。
【請求項2】
荷重受け荷台は垂直方向に伸縮が可能であり、ばねのような弾性体または弾性構造体により上部に付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の重量物移動台車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−143419(P2010−143419A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323050(P2008−323050)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(503462246)大洋精工株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(503462246)大洋精工株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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