説明

金の捕集材および分離回収方法

【課題】本発明は、金を酸性条件下で選択的に効率よく捕集(吸着)、回収(分離)できる捕集材、及び該捕集材を用いて水溶液中においても簡便に金の回収を行うことができる金の分離回収方法を提供する。
【解決手段】エポキシ基を導入した担体からなり、金を選択的に吸着する金の捕集材を特徴とする。エポキシ基を導入した担体は、エポキシ基を含有する架橋性ポリマー、又はエポキシ基を有する化合物を坦持させた無機質系多孔質担体若しくは炭素系多孔質単体から構成される。また、この捕集材は、金の吸着率を高めるために酸性条件下で使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金を酸性条件下で選択的に捕集(吸着)する捕集材に関するものである。さらに詳しくは、エポキシ基を担体に導入することにより金を酸性条件下で選択的に捕集する捕集材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金(Gold)は光沢を持ち、希少性が高いことから、古代から宝飾品として用いられ、現代では、その導電性、耐酸化性、加工性に優れた性質から、電子デバイスや電気・電子部品などのエレクトロニクス分野にも多く用いられている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0003】
とくに、わが国では工業製品としての消費が多く、埋蔵資源の乏しい日本にとって、これら工業製品(以下,都市鉱山とも言う)からの金のリサイクルは極めて重要である。それ故、金のリサイクル及びその技術開発が、これまでに盛んに行われてきた。現在行われている金の回収・精製法は、非特許文献2に記載の沈殿晶析、非特許文献3及び特許文献1〜2に記載の溶媒抽出、非特許文献4に記載の電解還元、並びに非特許文献5〜6及び特許文献3に記載の活性炭やイオン交換樹脂による固相抽出など多岐にわたる。これらは金の含有濃度によって使い分けられ、とくに希薄溶液からの回収には、固相抽出がよく用いられている。
【0004】
しかし、非特許文献6に開示されているような活性炭による金の回収が行われる金メッキ工場などでは、毒性の強いシアン化物が使用される等の問題がある。また、貴金属の回収は、水溶液中の化学種がアニオンであるため陰イオン交換樹脂を用いるが,その吸着力が高く、貴金属を陰イオン交換樹脂から溶離させて分離回収することが困難であった。
【0005】
一方、特許文献1〜3には、金の選択的な抽出剤、捕集剤又はイオン処理剤を用いて酸性条件下で金を抽出又は捕捉する方法がそれぞれ開示されているが、今後は都市鉱山等に存在する微量の金をより選択的に、より効率良く、かつより環境に配慮したリサイクル技術の開発が必要不可欠となっており、金の回収効率を上げるだけではなく、より簡便な方法で金を回収することが強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−113070号公報
【特許文献2】特許第3236363号公報
【特許文献3】特開平11−323448号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】浦辺徹郎 他著、「貴金属・レアメタルのリサイクル技術集成」、株式会社エヌ・ティー・エス、2007年10月、p.35−36
【非特許文献2】鈴木平、目黒謙次郎 監修、「貴金属の科学 基礎編」、田中貴金属工業株式会社、1985年11月、p.354−356
【非特許文献3】西村、「溶媒抽出技術の現状−金属精錬および産業廃棄物から有価物回収−」、資源処理技術、資源処理学会、1998年、第45巻、第1号、p.37−45
【非特許文献4】梅図、「電解プロセス」、資源と素材、社団法人資源・素材学会、1997年、第113巻、第12号、p.945−947
【非特許文献5】芝田、奥田、「貴金属のリサイクル技術」、資源と素材、社団法人資源・素材学会、2002年、第118巻、第1号、p.1−8
【非特許文献6】中廣、大和田、「貴金属のリサイクリング」、資源・素材学会誌、社団法人資源・素材学会、1991年、第107巻、第2号、p.119−127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するために、酸性溶媒中に含まれる金を効率良く選択的に捕集(吸着)、回収(分離)できる捕集材、及び該捕集材を用いて水溶液中で簡便に金の回収を行うことができる金の分離回収方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、エポキシ基を導入した担体を捕集材として用いることで、媒体中に含まれる金を効率良く選択的に捕集、分離回収できることを見出し、本発明を為すに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)エポキシ基を導入した担体からなり、金を選択的に吸着する金の捕集材。
(2)前記の担体が、エポキシ基を含有する架橋性ポリマーであることを特徴とする前記(1)に記載の金の捕集材。
(3)前記のエポキシ基を含有する架橋性ポリマーが、多孔質ポリマー粒子であることを特徴とする前記(2)に記載の金の捕集材。
(4)エポキシ基の濃度が、前記の担体1gに対して1meq/g〜7meq/gであることを特徴とする前記(1)、(2)又は(3)に記載の金の捕集材。ここで、meqはエポキシ基の含有量としてミリ当量を意味する。
(5)前記エポキシ基を導入した担体が、エポキシ基を有する化合物を坦持させた無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体であることを特徴とする前記(1)に記載の金の捕集材。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の金の捕集材を用いて、酸性条件下で金を選択的に吸着することを特徴とする金の分離回収方法。
(7)酸濃度が0.2〜0.6Mの範囲にある水溶液中で金を選択的に吸着することを特徴とする前記(6)に記載の金の分離回収方法。
(8)前記(6)又は(7)に記載の方法で選択的に吸着した金の捕集材を、pH8〜13の水溶液で処理する工程、又は酸濃度が0.1M以上の酸水溶液中で60〜100℃の温度で処理する工程、を経て、前記の金の捕集材から金の脱離回収を行うことを特徴とする金の分離回収方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、酸性溶媒中に含まれる金を効率良く選択的に捕集、回収できる捕集材を提供することが可能となる。また、本発明による金の分離回収方法は、水又は水溶液を用いて金の分離回収を高収率で行うことができ、従来よりも簡便な方法とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1において、pH1の条件下で行ったポリマー粒子への吸着実験時に使用した63種のイオン化された元素を示す図である。
【図2】実施例2において、ポリマー粒子への吸着実験時に使用した65種のイオン化された元素を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
本発明の捕集材は、エポキシ基を導入した担体を捕集材として用いることで、金を効率良く選択的に捕集、分離回収ができるものである。
【0015】
担体としては、スチレン−ジビニルベンゼン系共重合体、アクリレート又はメタクリレート系モノマーを1種又は2種以上重合して得られるアクリル系(共)重合体、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー、シリカ、アルミナ、チタニア、窒化珪素等の無機物、炭素粒子、炭素繊維などが挙げられ、エポキシ基を結合などで導入できるものなら特に限定しない。本発明は、担体としてエポキシ基導入の容易さからポリマーが好ましく、さらに、試料や溶媒に不溶で、取り扱いの良さ、強度の点から架橋ポリマーがより好ましい。また、金の吸着量を多くするためには表面積が大きくなる多孔質ポリマー粒子が好適である。
【0016】
本発明は担体として無機物又は炭化物を使用することもできるが、その場合は、金の吸着量を多くするために、担体表面のエポキシ基の濃度を高くする必要がある。無機物又は炭化物による担体表面にエポキシ基を導入するためには、エポキシ基を有するカップリング剤等で前記担体の表面を表面処理する方法、エポキシ基を有する化合物を担体表面に坦持する方法等を採用することができる。これらの表面処理法及び坦持法は、担体の比表面積を大きくすることによって高濃度のエポキシ基を導入できることから、本発明では酸化ケイ素、アルミナ、チタニア、窒化珪素等の無機質系多孔質担体又は活性炭、活性炭素繊維等の炭素系多孔質担体が主に使用される。
【0017】
本発明の金捕集用エポキシ基導入担体について、ポリマーによる担体の作製方法を説明する。ここでは、エポキシ基導入架橋ポリマー粒子の作製法を示すが、これに限定されるものではない。
【0018】
エポキシ導入架橋ポリマー粒子は、ポリマー粒子合成時にエポキシ基含有モノマーを直接重合させても良いし、エポキシ基未含有のモノマーを重合し、その後、化学反応などでエポキシ基を導入しても良い。ただ、製造の容易さからポリマー粒子合成時にエポキシ基を導入する方法が好ましい。
【0019】
本発明において、架橋ポリマー粒子の合成方法は懸濁重合法、分散重合、ソープフリー重合等が用いられる。重合の容易さの点から水性懸濁重合がより好ましい。
【0020】
架橋ポリマー粒子は、非架橋性重合性単量体と架橋性重合性単量体の重合性炭素−炭素間二重結合の共重合反応によって形成できる。また、エポキシ基導入ポリマーを合成する場合は、エポキシ基を有する非架橋性重合性単量体を用いると便利である。
【0021】
エポキシ基を有する非架橋性重合性単量体としては、エポキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体、エポキシ基を有するスチレンの誘導体等が挙げられ、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、グリシジルクロネート、グリシジルイタコネート、グリシジルフマレート、グリシジルマレート、ビニルベンジルグリシジルエステル等が挙げられる。
【0022】
本発明に使用される架橋性重合性単量体としては、1分子中に2個以上の重合性基を有する単量体であればいずれでもよい。1分子中に2個の重合性基を有する単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸のジエステル、例えばエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレ−ト、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールメタクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等があり、1分子中に3個以上の重合性基を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。これら具体例に限定されるものではなく、さらに、これらを数種混合することもできる。
【0023】
上記架橋性重合性単量体に前記エポキシ基を有する非架橋性重合性単量体と共重合する。上記の公知の非架橋性重合性単量体30〜90重量%と架橋性重合性単量体10〜70重量%を共重合することにより重合体粒子が得られる。架橋性重合性単量体が10重量%未満であると、得られるポリマー粒子の機械強度が乏しく、繰り返し使用における耐久性が劣る傾向があり、安定した金の捕集、分離回収ができなくなる傾向がある。また、架橋性重合性単量体が70重量%を超えると結果的にエポキシ含有量の低下を招き、金の捕集量が低くなる傾向がある。ポリマー粒子を重合させる際には必要に応じ、その他の公知の非架橋性重合性単量体や架橋性重合性単量体を共重合させることができる。
【0024】
本発明は、ポリマー粒子製造後、エポキシ基を導入することも可能で、ポリマー粒子の非架橋性重合性単量体又は架橋性重合性単量体の構成成分として、ヒドロキシメチルメタクリレート、ジヒドロキシエチルメタクリレート、クロロメチルスチレン等、水酸基、ハロゲン基等を有する単量体を少なくとも1種類以上用いたポリマー粒子製造後に、エピクロルヒドリン、グリシドール等を反応すると容易にエポキシ基を導入することができる。
【0025】
本発明において、エポキシ量は、担体1gに対して1〜7meq/gが適量で、1meq/g未満だと金吸着量が少なくなる傾向がある。7meq/gを超えるとエポキシ基の密度を上げることが製造上難しい。
【0026】
上記のポリマー粒子の合成時において、分散媒中のモノマーの油滴を安定させるためにゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシアパタイト等の分散剤が一般的に使用される。本発明の多孔性重合体粒子は水性媒体中で重合されるのが好ましい。水性媒体の量は、基本的には重合本粒子の元となる油滴を所望の大きさに乳化分散するためで、単量体の種類や量により左右されるので一概に決められないが、重合性基を有する単量体100重量部に対して80〜400重量部であることが好ましい。80重量部未満では乳化分散液の粘度が上昇し、所望の油滴を調整しにくくなる傾向があり、また400重量部を越えると、製造バッチあたりのポリマー粒子の収量が悪くなり、生産性の低下等の問題がある。
【0027】
上記、分散剤の中には単独ではその機能を十分に現さないものがあり、それには分散助剤を加えることが有効である。この分散助剤としては一般に知られている界面活性剤、陽イオン系、陰イオン系、ノニオン系界面活性剤が使用されるが、その中で特に陰イオン界面活性剤が好ましい。陰イオン界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、これらの金属塩等がある。陰イオン界面活性剤は水性媒体に対し、1×10−4〜0.1重量%添加されるのが好ましい。1×10−4重量%未満では、分散助剤としての機能が発現しにくくなる傾向があり、0.1重量%を越えるとこれ自体分散剤または乳化剤として機能してしまい、良好な懸濁重合が行えなくなる傾向がある。
【0028】
本発明に用いられる重合開始剤としては、過酸化物系ラジカル開始剤、アゾ系ラジカル開始剤が好ましく、例えば、過酸化ベンゾイル、過安息香酸2−エチルヘキシル、過酸化アセチル、過酸化イソブチリル、過酸化オクタノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジtert−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、4,4,6−トリメチルシクロヘキサノンジtert−ブチルペルオキシケタール、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、シクロヘキサノンジーtert−ブチルペルオキシケタール、アセトンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、ジイソプロピルヒドロペルオキシド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾー2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ系重合開始剤が挙げられる。
【0029】
ラジカル重合開始剤は、一般に、重合性基を1個有する単量体100重量部に対して0.05〜10重量部使用される。使用量が0.05重量部未満では重合時間が長くなり、また未反応の単量体が重合体微粒子中に残存する傾向があり好ましくない。一方、使用量が10重量部を越える場合は重合開始剤が無駄であるばかりでなく、重合中の発熱制御が困難で、分子鎖長が不十分等の問題が発生する傾向がある。
【0030】
本発明のエポキシ基導入ポリマー粒子は多孔性をもたせるため、さらに細孔調節剤として、重合時に種々の溶媒が加えられることが好ましい。この溶媒としては重合性単量体には可溶で、重合体は溶解しないもので、具体的にはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ヘプタノール、イソアミルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等の脂肪族又は芳香族エステル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサン、オクタン、デカン等、公知のものが使用できる。これらは得られる重合体のもととなる単量体の種類によって適宜使い分けられ、単独でもよいし、数種類併用しても良い。
【0031】
これらの溶媒の配合割合は、多孔性の点から重合性単量体総量に対して、好ましくは、5〜300重量%、より好ましくは20〜200重量%、さらに好ましくは50〜100重量%添加される。この配合割合が5重量%未満であったり、300重量%を超えたりすると所望の多孔性が得られにくくなり、得られる重合体の耐圧性が乏しいものとなる傾向がある。
【0032】
本発明は、多孔質ポリマー粒子の別の製造方法として以下に述べるカプセル化剤を利用する方法を採用しても良い。まず、上記のエポキシ基導入ポリマー粒子を合成するための各種モノマー、有機溶媒及び重合開始剤を含有して得られるモノマー油滴の表面に、アルギン酸ナトリウム溶液等のカプセル化剤を被覆した後、カルシウム等の多価金属イオンによってゲル化してカプセル被膜を形成する。その後、重合を行うが、モノマー油滴中に含まれる有機溶媒は、重合の進行に伴い、エポキシ基導入ポリマー粒子との間で相分離を起こす。重合終了後、カプセル化剤をポリリン酸ナトリウム水溶液等によって脱被膜し、エポキシ基導入ポリマー粒子と相分離した有機溶媒を除去すると、多孔質ポリマー粒子が得られる。この方法は、有機溶剤の種類や製造条件の調整によって、多孔質ポリマー粒子の比表面積や平均細孔径を所望の値に制御しやすくなるという利点を有する。
【0033】
本発明で使用するポリマー粒子は上記非架橋単量体と上記架橋単量体を公知の水性懸濁重合により合成したものであり、ポリマー粒子の粒径は特に限定しないが、合成の容易さから1μm〜2mm程度のものが好ましく、更に分級等の容易さから5μm〜800μmの範囲がより好ましい。
【0034】
また、本発明の多孔質ポリマー粒子は、比表面積が1m/g〜1000m/gの範囲が好ましい。比表面積が1m/g未満であると、金の吸着量が少なくなり、金の回収効率が極端に低下する傾向がある。また、比表面積が1000m/gを超えると、平均細孔径が非常に小さくなるため、金イオンを含有する水溶液の細孔への流入及び流出が極端に遅くなるため、逆に金の吸着率や吸着速度が低下して効率的な金の回収を行うことが困難になる傾向がある。
【0035】
次に、本発明の金捕集用エポキシ基導入担体として使用する無機質系多孔質担体又は活性炭や活性炭素繊維等の炭素系多孔質担体について説明する。
【0036】
無機質多孔質担体又は炭素系多孔質担体の形態は、粉体、ペレット状、球状又は破砕品のいずれであっても良いが、複数の多孔質担体を充填して金の回収用カラムを作製する場合には、球状のものが取り扱いや充填性に優れるため本発明では好適である。その時の多孔質担体の粒径は1μm〜2mm程度のものが好ましく、更に分級等の容易さから5μm〜800μmの範囲がより好ましい。また、これらの多孔質担体の比表面積は、10m/g〜5000m/gの範囲が好ましい。比表面積が10m/g未満であると、金の吸着量と関係するエポキシ基の導入量が少なくなり、金の回収効率が極端に低下する。また、比表面積が5000m/gを超えると、平均細孔径が非常に小さくなるため、多孔質ポリマー粒子の場合と同様に、金イオンを含有する水溶液の細孔への流入及び流出が極端に遅くなり、金の吸着率や吸着速度が低下して効率的な金の回収を行うことができなくなる。
【0037】
無機質系多孔質担体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、窒化珪素等が挙げられる。その中でシリカ多孔質担体は、非イオン性界面活性剤の水溶性有機ポリマーを溶解した塩酸や硝酸などの酸水溶液に、ケイ酸ナトリウム水溶液を所定の条件で攪拌しながら添加して所定時間攪拌して反応を進めさせてシリカ粒子を作製した後、該シリカ粒子を500℃以上の高温で焼成して球状の多孔質シリカ粒子を得ることができる。また、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランと、該アルコキシシランの重合のための触媒である酸と、シリカ相に細孔を形成するための添加物であるジオール等の低分子量化合物を、水とアルコール類からなる溶媒に混合溶解した溶液を基板上に塗布してゲル化を進めた後、500℃以上の高温で焼成することによっても多孔質シリカ粒子を得ることができる。しかし、本発明は、これらの材料や方法に限定されない。材料としてはシリカ以外にも、アルミナ又はチタニヤ等を使用することができ、製造方法も周知のゾル−ゲル法やシリカゾルを用いた方法を採用することができる。
【0038】
炭素系多孔質担体としては、例えば、活性炭や活性炭素繊維が挙げられ、市販のものを使用することができる。
【0039】
上記の無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体は、エポキシ基を有するカップリング剤によって表面処理することによって、担体表面にエポキシ基を導入することができる。エポキシ基を有するカップリング剤としては、具体的にγ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトエトキシシランが挙げられる。表面処理は、これらのカップリング剤を溶解したアルコールやトルエン等の有機溶媒に、無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体を、室温又は加温の状態で所定時間浸漬反応して行う。表面処理後の多孔質担体は、有機溶媒から、ろ別して乾燥する。また、カップリング剤の反応を促進させるための加熱は、室温で浸漬後の多孔質担体を有機溶媒から、ろ別した後に行っても良く、その場合は乾燥工程を同時に兼ねることができる。
【0040】
また、上記の無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体に、エポキシ基を有する化合物を坦持させる方法は、エポキシ基を有する化合物を有機溶媒に溶解した溶液に前記の多孔質単体を浸漬させ、溶媒を除去して乾燥させることによって行う。その際、エポキシ基を有する化合物としてエポキシ樹脂を使用すれば、多孔質担体への担持を強固にすることができる。また、上記のエポキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体若しくはエポキシ基を有するスチレンの誘導体、又はそれらのモノマーと他のモノマーとの混合物及び重合開始剤を含むモノマー組成物を、上記と同じ様に、有機溶媒に溶解した状態で多孔質担体の表面に坦持した後、熱又は光によって重合させ、溶媒を除去することによっても強固な担持を行うことができる。その際に、モノマー組成物中に、ジメタ(ア)クリレートやトリメタ(ア)クリレート等の多官能のモノマーを含有させれば多孔質担体への担持が強固となり、長期間の使用に耐えることができる。また、前記のエポキシ基を有する化合物は、多孔質担体と相互作用しやすい官能基であるアミノ基、水酸基、チオール基又はイソシアネート基等を同時に含有しても良い。
【0041】
それ以外の方法としては、例えば、重合性基であるエチレン基を有するカップリング剤を用いて、上記の無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体を表面処理した後、上記のエポキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体、エポキシ基を有するスチレンの誘導体、又はそれらのモノマーとそれら以外のモノマーとの混合物及び重合開始剤を含むモノマー組成物を、上記と同じ方法で多孔質担体の表面に坦持した後、熱又は光によって重合させる方法を採用しても良い。それによって、エポキシ基を有する樹脂は、カップリング剤との共有結合を介して多孔質担体の表面に強固に坦持されるため、耐久性に優れる金の捕集材とすることができる。
【0042】
上記した方法に従えば、酸性溶媒中に含まれる金を効率良く選択的に捕集、回収できる捕集材を容易に提供することができる。
【0043】
上記捕集材を用いた金の分離回収方法の好適な例を次に示す。
【0044】
《吸着(捕集)》
サンプル管に上記方法で作製した金捕集材を0.05〜0.5g採り、1×10−5〜1×10−3M の金が含まれたサンプル溶液を、塩酸で濃度が0.1〜3Mになる様に調整する。全体量を100mlとして、10〜30min振とうさせると吸着量70%以上で金が吸着(捕集)できる。ここでは、塩酸としたが、この他、硫酸、硝酸、王水等の酸を用いてもよい。
【0045】
吸着のメカニズムについては,溶液中のAuClとプロトン化反応によりプラスの電荷を帯びたエポキシ環の酸素がイオン結合し、ポリマービーズ、無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体の表面に吸着したことにより起こったと考えられる(吸着のメカニズムについては、例えば、「定性分析化学II」、改訂版、共立出版、1974年及び「ハート基礎有機化学」、三訂版、培風館、2002年を参照)。なお、ここでは酸性条件にするために塩酸を用いたが、塩酸は濃すぎるとエポキシ基に付加反応して開環してしまうので吸着率の低下を招き易い。すなわち、本願発明は、エポキシ基中のエポキシ環の存在が金の吸着に対して必須の構成である。そのため、塩酸の濃度を最適化することが必要であり、0.2〜0.6M程度がより好ましく、その場合には金の回収量は80%以上となる。ここに示した吸着法では塩酸酸性での例を示しているが、硫酸、硝酸、王水等の酸性溶液からの吸着(捕集)も容易である。
【0046】
《脱離(回収)》
上記の吸着操作にしたがって金を吸着させた捕集材をサンプル管に移し、0.1M 四ホウ酸ナトリウム水溶液でpH8〜13に調整する。蒸留水を順次加えて総量10mlとし、10〜30min振とうさせた後,捕集材と反応溶液をろ過する。本方法に従えば回収率は80%以上となる。
【0047】
または,金を吸着させた捕集材を塩酸等で酸濃度を0.1M以上とした酸水溶液を60〜100℃で5〜30min加熱しても、エポキシ基が開環するため、金が脱離、90%以上回収できる。ここに示した、合成法、金の分離回収方法は一例であり、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
以下、実施例により本発明の捕集材とその使用方法について具体的に説明するが、当該実施例によって本発明が制限されるものではない。
【0049】
(実施例1)
<捕集・検出剤の作製:架橋性ポリマー粒子の合成>
エチレングリコールジメタクリレート100g、グリシジルメタクリレート100g、酢酸n−ブチル75g、イソアミルアルコール125g及びアゾビスイソブチロニトリル1.0gの混合物を1重量%メチルセルロース水溶液に加え、80℃で6時間懸濁重合させた。反応液を冷却した後、生成した共重合体をろ過し、水洗、メタノール洗浄した。得られた重合体粒子を平均粒径40〜60μmに分級し、60℃で8時間真空乾燥した。エポキシ基量が2.4meq/gの架橋性ポリマー粒子(捕集材)を得た。
【0050】
<評価>
(1)吸着
サンプル管に上記方法で作製した捕集材を0.1g採り、図1に示す63種の5ppmのイオン化された元素サンプル溶液20mlを、それぞれ塩酸濃度が0.1M(pH1)になる様に調整した。このサンプル溶液にイオン交換水を加え、それぞれ全体量を100mlとして、30min振とうさせた。各元素の吸着量は、捕集材に吸着させた後のサンプル溶液をICP−OES(Perkin−Elmer製OPTIMA3300DV製)により測定し、吸着させる前のサンプル溶液との濃度差から算出した。その結果、金の吸着量が82.6%、Ta35.2%、Nb15.2%、Ge11.1%、その他の59種の元素は吸着せず、金が効率よく吸着した。
【0051】
(2)脱離
上記の吸着操作にしたがって金を吸着させた捕集材全量をサンプル管に移し、0.1M 四ホウ酸ナトリウム水溶液でpH10に調整する。蒸留水を順次加えて総量10mlとし、10〜30min振とうさせた後,捕集材と反応溶液をろ過した。ICP−OESにより濃度を測定したところ回収率は91.1%となった。
【0052】
(実施例2)
実施例1で作製した捕集材を用い、金と図2に示すその他イオン化された元素64種との共存妨害を確認した。なお、図2には、金を含めた65種のイオン化された元素が示されている。濃度10−4Mの金とその他イオン化された元素64種をそれぞれ20ml採り、それぞれ塩酸濃度が0.5Mになる様に調整し、全体量を100mlとして、捕集材1gを入れて30min振とうさせた。各元素の吸着量は、実施例1と同じ方法を用いて算出した。その結果、金の吸着量は80.6%で、Snが18.1%、それ以外の元素吸着量は5%以下であり、他元素共存下で金のみ効率的に吸着でき、優れた選択性を示した。上記の金と錫を吸着した捕集材を0.5M塩酸水溶液10mlで80℃に加温して脱離操作を行った。金の回収(脱離)率は95.0%と優れた回収率を示した。錫は脱離せず(回収率0)、金のみ脱離したため,吸着した金と錫とを容易に分離できた。
【0053】
(実施例3)
<架橋性ポリマー粒子の合成>
ペンタエリスリトールトリメタクリレート40g、グリシジルメタクリレート160g、酢酸n−ブチル75g、イソアミルアルコール125g及びアゾビスイソブチロニトリル1.0gの混合物を1重量%メチルセルロース水溶液に加え、80℃で6時間懸濁重合させた。反応液を冷却した後、生成した共重合体をろ過し、水洗、メタノール洗浄した。得られた重合体粒子を平均粒径10μmに分級し、60℃で8時間真空乾燥した。エポキシ基量が3.7mmol/gの架橋性ポリマー粒子(捕集材)を得た。
【0054】
上記捕集材を用い実施例1と同様に金の吸着量を測定した。金の回収率は84.6%となった。また、実施例1と同様に脱離させたところ、金の回収率は89.5%となった。
【0055】
(実施例4)
<シリカ多孔質担体の作製>
2規定の塩酸に、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドからなるトリブロック共重合体(PEO39PPO103PEO39)(平均分子量11400、親水部PEO80%)溶液に、市販のケイ酸ナトリウム(SiO:23.6%、NaO:7.59%)に水を加え希釈したケイ酸ナトリウム水溶液を600rpmで撹拌しながら添加した。その後、反応温度25〜27℃で2時間撹拌反応を行った後、固体生成物をろ別し、60℃の温水で洗浄後、50℃で十分乾燥させた。最後に600℃の電気炉中で1時間焼成を行うことで有機成分を除去し、球状の多孔質シリカを得た。この球状の多孔質シリカは、レーザー回折式粒度分布測定装置で求めた平均粒径が50μmで、窒素吸着法で求めたBET比表面積は820m/gであった。
【0056】
<シランカップリング剤によるシリカ多孔質担体の表面処理>
このようにして得られた球状の多孔質シリカを、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシランを5重量%の濃度でトルエン中に溶解した溶液中に浸漬した後、120℃で1時間還流処理した後、前記の球状の多孔質シリカをろ別した。その後、150℃1時間乾燥して表面処理されたシリカ多孔質担体を得た。
【0057】
サンプル管に上記方法で作製した捕集材を0.1g採り、実施例1と同じ方法で、金の吸着量を測定した。その結果、金の吸着率は80%以上であった。このようにして金を吸着させた捕集材を塩酸で酸濃度を0.5Mとし、酸水溶液を80℃10min加熱し金を脱離させたところ、金の回収率は82%以上となった。
【0058】
(実施例5)
<エポキシ基を含む化合物の活性炭への担持>
レーザー回折式粒度分布測定装置で求めた平均粒径が100μmで、高精度全自動ガス吸着装置で求めた比表面積が1020m/gである粒状石炭系活性炭10gを、モノマー組成物をトルエン100gに溶解した溶液に浸漬して1時間撹拌処理を行った後、75℃3時間+90℃1時間加熱処理を行った。このモノマー組成物は、エチレングリコールジメタクリレートとグリシジルメタクリレートが10g/10gの割合で、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルの0.3gを混合したものである。このようにして作製した活性炭をろ別した後、150℃2時間乾燥することによって、エポキシ基を有するメタクリル系樹脂を担持した活性炭を得た。
【0059】
サンプル管に上記方法で作製した捕集材を0.1g採り、実施例1と同じ方法で金の吸着量を測定した。その結果、金の吸着率は80%以上であり、実施例1と同じ方法で金を脱離させたところ、金の回収率は85%以上となった。
【0060】
(比較例1)
実施例1で用いた捕集材を0.1M硫酸水溶液で80℃、5時間加水分解し、エポキシ基を加水分解した。エポキシ基量は0.01meq/gであった。この捕集材を用い、実施例1と同じ方法で金の吸着量を測定した。その結果、金の吸着量は27.0%であった。
【0061】
(比較例2)
イミノジ酢酸型キレート樹脂(ジーエルサイエンス製)を0.1g採り,金の1ppm金属サンプル溶液20mlを,塩酸濃度が pH6になる様に調整した。イオン交換水を加え、それぞれ全体量を100mlとして、30min振とうさせた。実施例1と同じ方法で吸着量を測定したところ、吸着率は15.0%であった。
【0062】
以上のように、本発明による金の捕集材は、金を70%以上と高い収率で吸着することができる。また、本発明による金の分離回収方法は、水又は水溶液を用いる簡便な方法によって金の吸着と脱離を行うことができるだけではなく、金の回収率も高くなる。そのため、本発明は、より効率良く、かつより環境に配慮したリサイクル技術として有用性が極めて高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ基を導入した担体からなり、金を選択的に吸着する金の捕集材。
【請求項2】
前記の担体が、エポキシ基を含有する架橋性ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の金の捕集材。
【請求項3】
前記のエポキシ基を含有する架橋性ポリマーが、多孔質ポリマー粒子であることを特徴とする請求項2に記載の金の捕集材。
【請求項4】
エポキシ基の濃度が、前記の担体1gに対して1meq/g〜7meq/gであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の金の捕集材。
【請求項5】
前記エポキシ基を導入した担体が、エポキシ基を有する化合物を坦持させた無機質系多孔質担体又は炭素系多孔質担体であることを特徴とする請求項1に記載の金の捕集材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の金の捕集材を用いて、酸性条件下で金を選択的に吸着することを特徴とする金の分離回収方法。
【請求項7】
酸濃度が0.2〜0.6Mの範囲にある水溶液中で金を選択的に吸着することを特徴とする請求項6に記載の金の分離回収方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の方法で選択的に吸着した金の捕集材を、pH8〜13の水溶液で処理する工程、又は酸濃度が0.1M以上の酸水溶液中で60〜100℃の温度で処理する工程、を経て、前記の金の捕集材から金の脱離回収を行うことを特徴とする金の分離回収方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−96175(P2012−96175A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246245(P2010−246245)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年7月16日 インターネットアドレス「http://www.pacifichem.org/」「http://pacifichem.abstractcentral.com/planner.jsp」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年9月1日 社団法人 日本分析化学会発行の「日本分析化学会第59年会講演要旨集」に発表
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【出願人】(504203572)国立大学法人茨城大学 (99)
【Fターム(参考)】