説明

金属元素の分離方法及び分離装置

【課題】希土類元素等の希少金属元素を複数含む原料から、個々の金属元素を効率的に分離回収可能な方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数の金属元素を含む原料を塩素雰囲気下で加熱し、原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第一加熱工程と、第一加熱工程の後、塩素雰囲気下で第一加熱工程よりも高い温度で原料を加熱し、原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第二加熱工程とを備える、金属元素の分離方法とし、当該方法を実行可能な分離装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類元素等の希少金属元素を複数含む原料から、個々の金属元素を分離回収する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
La、Gd、Nb、Ta等といった希少金属元素は、消費量のほぼ全量を海外からの輸入に頼っている。そのため、安定な供給の確保が困難であり、また、価格変動の影響を大きく受ける。一方で、希少金属元素は様々な用途に用いられた後、廃棄されているのが主である。例えば、光学ガラスには上記希少金属元素が含まれているものの、製造工程でその大部分が廃棄されており、製品となるのは原料の半分以下である。こういった現状から、希少金属元素を含む廃棄物から希少金属元素を効率的に分離回収する技術が必要とされている。
【0003】
金属元素を分離回収する技術の一つに、塩化揮発法等の化学的揮発法を用いた分離回収方法がある(特許文献1、2や非特許文献1)。塩化揮発法は乾式プロセスであり、廃液処理の必要がない等、種々の利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−132960号公報
【特許文献2】特開2008−222499号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】野中利瀬弘、「金属資源の塩素化ならびに炭素還元に関する反応工学的研究」、2004年度 秋田大学 博士論文
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や特許文献2に記載された塩化揮発法を用いた分離精製方法は、In、Ti、Fe、Cr、Si、Al及びC、或いは、Ta、Nb、Cr、Co、Ni、Ti及びWについて分離精製できるものとされている。しかしながら、La、Gdといった希土類元素やその他希少金属元素については検討されていなかった。また、特許文献1に記載された分離精製方法は、塩化揮発後の冷却温度場の制御によって、揮発させた各塩化物を分離しているが、これに加えて、塩化揮発時の揮発制御ができれば、金属元素の分離回収をより効率的に行うことができると考えられる。この点、特許文献2に記載された塩化揮発法は、添加剤や還元剤を添加することで、塩化物の揮発制御を行っているが、複数の添加剤や還元剤を要する点で工程が複雑となり、より効率的なプロセスが求められていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、希土類元素等の希少金属元素を複数含む原料から、個々の金属元素を効率的に分離回収可能な方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、希少金属元素等の複数の金属元素を含む原料を用いて、当該金属元素を効率よく分離回収する方法につき研究を進めた結果、以下の知見を得た。
(1)希少金属元素等の複数の金属元素を含む原料に対して塩化揮発法により各金属元素を分離回収する場合、塩化揮発させる際の加熱温度の制御により、各金属元素の塩化揮発挙動を制御することができ、効率的に分離回収することができる。
(2)塩化揮発させる際の加熱処理を低温工程と高温工程とに分け、低温工程の後、高温工程を行うことで、原料中の金属元素を段階的に塩化揮発させることができ、効率的に金属元素を分離回収することができる。
(3)原料として光学ガラスを用いた場合、低温工程において光学ガラス中の希少金属元素の一部を塩化揮発させ、続いて高温工程で光学ガラス中の希少金属元素の一部(特に希土類元素の一部)を塩化揮発させることができ、光学ガラスに含まれる希少金属元素を選択分離することができる。
(4)塩化揮発させる際の加熱処理について、加熱保持時間を制御することで、より適切に金属元素を選択分離することができる。
【0009】
本発明は上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、
第1の本発明は、複数の金属元素を含む原料を塩素雰囲気下で加熱し、原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第一加熱工程と、第一加熱工程の後、塩素雰囲気下で第一加熱工程よりも高い温度で原料を加熱し、原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第二加熱工程とを備える、金属元素の分離精製方法を提供して前記課題を解決するものである。
【0010】
第1の本発明において、第一加熱工程にて原料から揮発させた塩化物を冷却し、固体として回収する第一回収工程と、第二加熱工程にて原料から揮発させた塩化物を冷却し、固体として回収する第二回収工程とをさらに備えることが好ましい。揮発させた塩化物を別工程で冷却しそれぞれ固体として回収することで、金属元素を容易に分離回収することができるからである。
【0011】
第1の本発明において、金属元素には希土類元素が含まれることが好ましい。本発明によれば、希土類元素のような希少金属元素についても効率的に分離回収することができるためである。
【0012】
金属元素に希土類元素が含まれる場合の第1の本発明において、第一加熱工程における加熱が700℃以下であることが好ましい。希土類元素と希土類元素以外の金属元素とをより容易に分離することができるためである。
【0013】
金属元素に希土類元素が含まれる場合の第1の本発明において、第二加熱工程における加熱が700℃よりも高く1000℃以下であることが好ましい。複数の希土類元素のうち一部のみを容易に分離することができるためである。
【0014】
金属元素に希土類元素が含まれる場合の第1の本発明において、第一加熱工程及び/又は第二加熱工程における加熱保持時間を120分以上とすることが好ましい。本発明において、「加熱保持時間」とは、所定の加熱温度に達した時点を0分とし、当該加熱温度が一定の状態で保持する時間をいう。加熱保持時間を120分以上とすることで、塩化揮発させる元素のほぼ全量を分離させることができる。
【0015】
第1の本発明において、原料が光学ガラスであってもよい。本発明によれば、光学ガラス中に微量に含まれる希少金属元素についても効率的に分離回収することができるためである。
【0016】
第2の本発明は、複数の金属元素を含む原料を供給する、原料供給手段と、原料に塩素を供給する、塩素供給手段と、塩素雰囲気下で原料を加熱し、当該原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第一加熱手段と、塩素雰囲気下で第一加熱手段による加熱よりも高い温度で原料を加熱し、当該原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第二加熱手段とを備える、金属元素の分離装置を提供して前記課題を解決するものである。
【0017】
第2の本発明において、第一加熱手段にて原料から揮発させた塩化物を冷却し、固体として回収する第一回収手段と、第二加熱手段にて原料から揮発させた塩化物を冷却し、固体として回収する第二回収手段とをさらに備えることが好ましい。揮発させた塩化物を別工程で冷却しそれぞれ固体として回収することで、金属元素を容易に分離回収することができるからである。
【0018】
第2の本発明において、1の加熱手段を第一加熱手段及び第二加熱手段として機能させてもよい。本発明においては、塩化揮発させる場合の加熱を適切に制御できる形態であれば、原料中の金属元素を問題なく分離回収することができるためである。
【0019】
第2の本発明において、金属元素には希土類元素が含まれることが好ましい。本発明によれば、希土類元素のような希少金属元素についても効率的に分離回収することができるためである。
【0020】
金属元素として希土類元素が含まれる場合の第2の本発明において、第一加熱手段における加熱が700℃以下であることが好ましい。希土類元素と希土類元素以外の金属元素とをより容易に分離することができるためである。
【0021】
金属元素として希土類元素が含まれる場合の第2の本発明において、第二加熱手段における加熱が700℃よりも高く1000℃以下であることが好ましい。複数の希土類元素のうち一部のみを分離することができるためである。
【0022】
金属元素として希土類元素が含まれる場合の第2の本発明において、第一加熱手段及び/又は第二加熱手段による加熱保持時間を120分以上とすることが好ましい。加熱保持時間を120分以上とすることで、塩化揮発させる元素のほぼ全量を分離させることができる。
【0023】
第2の本発明において、原料が光学ガラスであってもよい。本発明によれば、光学ガラス中に微量に含まれる希少金属元素についても効率的に分離回収することができるためである。
【発明の効果】
【0024】
第1の本発明及び第2の本発明によれば、希土類元素等の希少金属元素を複数含む原料から、個々の金属元素を効率的に分離回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】金属元素の分離方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】金属元素の分離装置の一形態を説明するための概略図である。
【図3】実施例に係る試料の形態を示すSEM画像図である。
【図4】実施例に係る試料の粒度分布を示す図である。
【図5】実施例に係る塩化揮発実験装置を説明するための概略図である。
【図6】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱温度依存性を示す図である。
【図7】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱時間依存性を示す図である。
【図8】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱温度依存性を示す図である。
【図9】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱温度依存性を示す図である。
【図10】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱時間依存性を示す図である。
【図11】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱温度依存性を示す図である。
【図12】実施例に係る試料の塩化揮発挙動の加熱時間依存性を示す図である。
【図13】光学ガラスから目的元素を回収するプロセスを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る分離方法及び分離装置は、金属元素を含む原料から当該金属元素を分離回収するプロセスに適用できる。原料としては、金属元素を含む原料であれば特に限定されるものではないが、希土類元素やその他希少金属元素を含むものが好ましい。希少金属元素の具体例としては、La、Gd、Nb、Ta、W、In、Cr等を挙げることができる。具体的な原料としては、例えば、La、Gd、Nb及びTa等を含む光学ガラスを用いることができる。原料は塊状、板状等種々の形態が想定され得るが、十分に反応を進行させる観点から、塩化揮発に供する前に原料を粉砕し、粉体状として用いることが好ましい。さらに、より低温にて反応(還元反応)を進行させる観点から、原料中に炭素を含ませることが好ましい。当該炭素の形態は特に限定されるものではなく、適度の粉砕されたものを用いればよい。原料と炭素との混合比については、質量比で、炭素/原料として0.5〜1.5とすることが好ましい。原料に炭素を含ませる場合、例えば原料中に酸化物として存在する金属元素(化合物)は、塩化揮発反応時、炭素熱還元されるとともに、塩素と反応して塩化物となって揮発される。
【0027】
本発明では、このような原料について、塩化揮発法により含有金属元素を分離回収する。以下、実施形態に係る本発明の金属元素の分離方法及び分離装置について説明する。
【0028】
1.金属元素の分離方法
図1に、実施形態に係る本発明の金属元素の分離方法の各工程を示す。図1に示すように、本実施形態に係る金属元素の分離方法は、第一加熱工程(工程S1)及び第二加熱工程(工程S2)を備える。また、各加熱工程において揮発された塩化物は、第一回収工程(工程S11)や第二回収工程(S12)により固体として回収されることが好ましい。
【0029】
1.1.第一加熱工程(工程S1)
工程S1は、複数の金属元素を含む原料を塩素雰囲気下で加熱し、当該原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる工程である。工程S1は、少なくとも塩素が流通している雰囲気下で行われ、特に塩素99vol%以上、より好ましくは99.4vol%以上の雰囲気下で行われることが望ましい。塩素濃度が高ければ高いほど、塩素化反応速度を大きくすることができる。工程S1の際は、系内において塩素ガス流通させ、系外へと連続的排出される形態とすることが好ましい。この場合の塩素の流通速度は特に限定されるものではない。尚、塩素雰囲気とするにあたり、一度不活性ガス等によって系内を清浄した後、塩素を流通させて塩素雰囲気としてもよい。
【0030】
工程S1においては、原料に含まれる金属元素の一部が塩化物として揮発される程度の温度に加熱される。加熱温度は、例えば原料として希土類元素と希土類元素以外の希少金属元素とを含むものを用いた場合、400℃以上700℃以下とすることが好ましく、特に700℃とすることが好ましい。これにより、希土類元素と希土類元素以外の希少金属元素とが効率的に分離される。特に原料としてLa、Gd、Nb、Ta及びTi等を含む光学ガラスを用いた場合、工程S1の加熱温度を400℃以上700℃以下とすることで、La及びGdを固体として存在させたまま、Nb、Ta及びTiを塩化揮発させて分離回収することができる。
【0031】
工程S1における加熱保持時間については、原料に含まれる金属元素の一部が塩化物として揮発される保持時間であれば特に限定されるものではない。特に、原料として希土類元素と希土類元素以外の希少金属元素を含むものを用いた場合、保持時間を120分以上とすることが好ましい。これにより、希土類元素と希土類元素以外の希少金属元素とが適切に分離される。
【0032】
1.2.第二加熱工程(工程S2)
工程S2は、工程S1の後、塩素雰囲気下で工程S1よりも高い温度で原料を加熱し、当該原料から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる工程である。工程S2は、加熱温度を工程S1よりも高くする以外は、工程S1と同様とすればよい。
【0033】
工程S2においては、原料に含まれる金属元素のうち、工程S1では塩化揮発されなかった金属元素の一部が、塩化物として揮発される程度の温度に加熱される。加熱温度は、例えば原料にLa及びGd等の希土類元素を含むものを用いた場合、下限を700℃よりも高くすることが好ましく、900℃以上とすることがより好ましい。また、加熱温度の上限は1100℃とすることが好ましく、1000℃以下とすることがより好ましい。特に加熱温度を1000℃とすることにより、希土類元素におけるLaとGdとを効率的に分離することができる。特に原料としてLa、Gd、Nb、Ta及びTi等を含む光学ガラスを用いた場合、工程S1によりNb、Ta及びTi等を塩化揮発させた後、工程S2でLaを塩化揮発させることができる。
【0034】
工程S2における加熱保持時間については、原料に含まれる金属元素の一部が塩化物として揮発される保持時間であれば特に限定されるものではない。例えば原料にLa及びGd等の希土類元素を含むものを用いた場合、保持時間を120分以上とすることが好ましい。これにより、Laの収率を上げることができ、LaとGdとを適切に分離することができる。
【0035】
1.3.第一回収工程(工程S11)
工程S11は、工程S1にて原料から揮発させた塩化物を冷却し、固体として回収する工程である。工程S11は、塩化揮発された金属元素(塩化物)を冷却して凝固させ、固体として回収可能な工程であれば特に限定されるものではない。工程S1にて塩化揮発された金属元素は、それぞれ異なる凝固温度を有しており、例えば、系内塩素流通方向の出側となるほど温度が低くなるように系内の冷却温度場を制御することで、系内の流通方向に対して、一定の分布をもって各金属元素(塩化物)を沈積させることができる。すなわち、系内の所定の箇所に、所定の金属元素(塩化物)を沈積させることができる。尚、工程S11は、沈積させた塩化物を固体としてそのまま回収するほか、溶媒等に溶解させて液体として回収する形態であってもよい。
【0036】
1.4.第二回収工程(工程S12)
工程S12は、工程S2にて原料から揮発させた塩化物を冷却し、固体として回収する工程である。工程S12は、上記工程S11と同様とすることができ、塩化揮発された金属元素(塩化物)を回収可能な工程であれば特に限定されるものではない。
【0037】
工程S1、S2、S11及びS12により、原料に含まれる金属元素の少なくとも一部が分離回収された後、系内に残った残留固体は、系外へと取り出される。当該残留固体には、例えばGd等が濃縮されて含まれている。
【0038】
このように、本発明の金属元素の分離方法によれば、第一加熱工程S1によって原料から金属元素の一部を選択的に塩化揮発させることができ、次いで第二加熱工程S2によって原料中に固体として残存している金属元素の一部を選択的に塩化揮発させることができる。すなわち、本発明によれば、原料に含まれる金属元素を、段階的に選択分離することができる。また、系内の温度を制御するだけで金属元素を分離回収することができるため、工数を減らすことができ、簡易的且つ効率的に金属元素を分離回収することができる。
【0039】
2.金属元素の分離装置
図2(A)に、実施形態に係る本発明の金属元素の分離装置100を示す。図2(A)に示されるように、本発明の金属元素の分離装置100は、複数の金属元素を含む原料を供給する、原料供給手段1と、塩素源から原料に塩素を供給する、塩素供給手段と、塩素雰囲気下で原料を加熱処理し、当該原料から少なくとも一種類の前記金属元素を塩化物として揮発させる、第一加熱手段10と、第一加熱手段による加熱の後、残留した固体に対して、塩素雰囲気下で第一加熱手段10による加熱よりも高い温度にて加熱処理し、原料(残留固体)から少なくとも一種類の金属元素を塩化物として揮発させる、第二加熱手段20とを備えている。また、必要に応じて、第一加熱手段10と連通するように設けられた第一回収手段11、及び、第二加熱手段20と連通するように設けられた第二回収手段21を備えていてもよい。さらに、最終的に残留した固体を排出・回収するための排出手段31が備えられていてもよい。
【0040】
2.1.原料供給手段1
原料供給手段1は、原料を加熱手段(図2(A)では第一加熱手段10)の内部へと供給する手段である。原料供給手段1の形態は、原料が適切に供給可能であり、加熱手段内部にて塩化揮発反応を適切に行うことができる形態であれば特に限定されるものではない。例えば、加熱手段の一部に設けられた供給口等とすることができる。原料は、作業者の手作業により投入されてもよいし、公知の供給装置等により連続的に供給されてもよい。
【0041】
2.2.塩素供給手段2
塩素供給手段2は、塩素源3から加熱手段内部へと塩素を供給する手段である。塩素供給手段2の形態は、加熱手段内部へと適切に塩素を供給して原料を塩化揮発させることができるような形態であれば特に限定されるものではない。例えば、塩素源3から高圧塩素ガスを噴出させ、加熱手段内部へと塩素ガスを送り込むような手段とすることができる。また、ポンプ等を用いて塩素ガスを供給しても良い。塩素供給手段2により反応系内が塩素雰囲気とされる。尚、系内の塩素ガスは、所定の速度で系内に流通させ、連続的に系外へと排出される形態であることが好ましい。
【0042】
2.3.第一加熱手段10
第一加熱手段10は、上記第一加熱工程S1を行うための加熱手段であり、塩素雰囲気下で原料を加熱することで、原料に含まれる金属元素の一部を塩化揮発させる手段である。第一加熱手段10内部に供給された原料は、第一加熱手段10の内部において塩素雰囲気下で加熱処理され、塩化揮発反応に供される。第一加熱手段10における塩化揮発反応の詳細や反応条件等は上記第一加熱工程S1で説明したものと同様であるので、説明を省略する。第一加熱手段10の形態は、特に限定されるものではなく、公知の加熱装置を用いることができ、例えば、固定床型、流動床型や移動床型の加熱炉等とすることができる。大量の混合物を連続的に加熱処理する観点からは、連続移動床型の加熱装置を用いることが好ましい。
【0043】
2.4.第二加熱手段20
第二加熱手段20は、上記第一加熱手段10によって原料に含まれる金属元素の一部を塩化揮発させた後、残留固体に対して、塩素雰囲気下で、第一加熱手段10における加熱よりも高い温度にて加熱処理を行う手段である。これにより、残留固体に含まれる金属元素の一部を塩化揮発させることができる。第二加熱手段20における塩化揮発反応の詳細や反応条件等は上記第二加熱工程S2で説明したものと同様であるので、説明を省略する。第二加熱手段20の形態は、特に限定されるものではなく、公知の加熱装置を用いることができ、例えば、固定床型、流動床型や移動床型の加熱炉等とすることができる。大量の混合物を連続的に加熱処理する観点からは、連続移動床型の加熱装置を用いることが好ましい。
【0044】
2.5.第一回収手段11
第一回収手段11は、上記第一加熱手段10によって塩化揮発された金属元素(塩化物)を冷却し、固体として回収する手段である。第一回収手段11の内部は、上記第一加熱手段10における加熱温度よりも低い温度に制御されており、気体として塩化揮発された金属元素(塩化物)は、当該第一回収手段11の内部にて凝固されて固体として沈積する。すなわち、少なくとも塩化揮発された金属元素(塩化物)の回収時には、気体の流通方向は、塩素源3から第一回収手段11に向かう方向となる。この場合、特に、第一回収手段11内部の冷却温度場が所定の分布となるように(例えば、系内の流通方向出側に向かうほど、温度が低くなるように)制御することで、塩化揮発された各金属元素(塩化物)を、元素の種類に応じて、異なる箇所に沈積させることができる。尚、第一回収手段11は、沈積させた塩化物を固体としてそのまま回収する形態のほか、溶媒等に溶解させて液体として回収する形態であってもよい。
【0045】
2.5.第二回収手段21
第二回収手段21は、上記第二加熱手段20によって塩化揮発された金属元素(塩化物)を冷却し、固体として回収する手段である。第二回収手段12については、塩化揮発された金属元素(塩化物)を回収可能な手段であれば特に限定されるものではなく、例えば第一回収手段11と同様の形態とすることができる。
【0046】
2.6.排出手段31
排出手段31は、上記第一加熱手段10及び第二加熱手段20による加熱処理の後、塩化揮発されることなく残留した固体成分を取り出す手段である。排出手段31の形態は特に限定されるものではなく、例えば加熱手段の側部に設けられた排出口とすることができる。残留固体の取り出しは、作業者の手作業であってもよいし、公知の排出装置等により連続的に排出されるような形態であってもよい。
【0047】
本発明の金属元素の分離装置としては、上記分離装置100の他、図2(B)に示したような分離装置100’のような形態であってもよい。分離装置100’においては、上記第一加熱手段10による加熱と、第二加熱手段20による加熱とを双方実施可能な加熱手段50が備えられており、加熱手段を一つしか有さない点で、分離装置100とは異なる。分離装置100’は、例えば下記のように運転されて、原料から金属元素が分離回収される。すなわち、加熱手段50内に原料を供給した後、塩素供給手段2により加熱手段50内を塩素雰囲気とする。そして、加熱手段50を作動させて第一加熱工程S1にかかる加熱処理を行い原料に含まれる金属元素の一部を塩化揮発させる。塩化揮発された金属元素(塩化物)は第一回収手段11によって回収する。その後、塩素雰囲気下で、加熱手段50の加熱温度を上昇させ、第二加熱工程S2にかかる加熱処理を行い、加熱手段50内の残留固体に含まれる金属元素の一部を塩化揮発させる。塩化揮発された金属元素(塩化物)は第二回収手段21によって回収する。そして、第二加熱工程S2にかかる加熱処理の後、加熱手段50の内部に残った残留固体は、排出手段31を介して外部に取り出される。
【0048】
尚、上記説明では、分離装置100又は100’の第一回収手段11と第二回収手段21とが、装置に別個に設けられる形態について説明したが、回収手段については上記第一回収工程S11及び第二回収工程S12を実施可能な形態であれば特に限定されるものではなく、一つの回収手段としてもよい。
【0049】
本発明の金属元素の分離装置100又は分離装置100’は、第一加熱手段10(加熱手段50)における第一加熱工程S1によって原料から希少金属の一部を選択的に塩化揮発させることができ、次いで第二加熱手段20(加熱手段50)における第二加熱工程S2によって原料中に固体として残存している希少金属の一部を選択的に塩化揮発させることができる。すなわち、本発明によれば、原料に含まれる金属元素を、段階的に選択分離することができる。また、系内の温度を制御するだけで金属元素を分離回収することができるため、工数を減らすことができ、簡易的且つ効率的に金属元素を分離回収することができる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例により、本発明に係る金属元素の分離方法につき、さらに詳細に説明する。
【0051】
光学ガラス製造時に、研磨により発生したガラス粉と研磨粉との混合スラッジ(試料A、B)及び光学ガラス材(試料C、D)(光ガラス株式会社製)を用い、これらに含有されている希少金属元素を塩化揮発法により分離回収した。
【0052】
(試料の調整)
上記試料A〜Dのうち、A及びBのスラッジに関しては、多量の蒸留水を加えて分散させ、濾紙(5A)を用いて吸引濾過を行った後に、十分に乾燥させることで粉末状の資料とした。C及びDの光学ガラス材に関しては、粉砕処理を行い、−200meshに篩い分けしたものを試料としてそれぞれ用いた。粉砕後の各試料に係るSEM写真図を図3に示す。また、粉砕後の各試料に係る粒度分布及び平均粒子径を、レーザー回折・散乱式粒度分析計(マイクロトラック、日機装株式会社製)で測定した。各試料の粒度分布について図4に示す。平均粒子径については下記の通りであった。
試料A:平均粒子径27.2μm
試料B:平均粒子径41.0μm
試料C:平均粒子径47.5μm
試料D:平均粒子径35.8μm
【0053】
上記試料A〜Dについて、150℃に制御したフッ化水素酸、濃硫酸及び濃硝酸の混酸に加熱溶解させ、得られた各溶液につき誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP、SEIKO INSTRUMENTS社製、SPS−3000)にて定量分析することで、各試料の組成分析を行った。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
さらにフェノールフタレイン由来の炭素粉末を調整し、−200meshに篩い分けした。そして、この炭素粉末と各試料A〜Dを、重量比で1:1となるように混合した試料を実験に用いた。
【0056】
(塩化揮発実験方法)
塩化揮発実験にかかる装置図を図5に示す。反応管としては、管長920mm、内径33mmの透明石英管103を用いた。反応器温度の測定及び制御は、Clによる腐食を防止するために、電気炉104の外部より差し込み、石英管103に接触させた熱電対105により行った。
【0057】
塩化揮発実験は下記のようにして行った。すなわち、調整した上記試料を0.5g量り採り、アルミナボード106に乗せた。これを石英管103の中央に挿入し、Nガスボンベ101により反応経路内をN雰囲気とした後、Clガスボンベ102に切り替え、十分にCl雰囲気としてから試料の加熱を開始した。所定温度に到達後、当該温度にて0〜120分保持した後、Nガスボンベ101に切り替えて系内をN雰囲気とし、自然冷却させた。Clはトラップ107内の蒸留水及びトラップ108内のNaOH水溶液に接触させた後、系外へ排気した。電気炉が室温まで冷却された後に試料を取り出し、分析を行った。
【0058】
(実験結果)
1.試料Aについて
1.1.温度の影響
試料Aを温度300〜1000℃の範囲で加熱(加熱保持時間は0分)した結果を図6に示す。La及びGdに関しては、800℃以上の温度にてわずかながら揮発が確認された。一方、Ti及びNbは約400℃から揮発が開始され、700℃においては90質量%が揮発された。その後も揮発率は上昇し、800℃以上においてほとんど全量が揮発されることがわかった。
【0059】
1.2.保持時間の影響
上記のように、温度1000℃においてもLa及びGdの揮発はほとんど確認されなかった。そこで、Laを揮発させるために温度1000℃において0〜120分の保持を行った。結果を図7に示す。保持時間を15分とした場合、Laが約60質量%、そしてごくわずかながらGdも揮発した。その後、保持時間の増大に伴って量元素の揮発が進行し、保持時間を120分とした場合、ほぼ全量(約95質量%)のLaを揮発させることができた。一方で、Gdについては20質量%以下の揮発であった。
尚、Nb及びTiについては温度1000℃において完全に揮発していた。
【0060】
2.試料Bについて
試料Bを温度300〜1000℃の範囲で加熱(加熱保持時間は0分)した結果を図8に示す。試料Aと同様に、La及びGdに関しては、800℃以上の温度にてわずかながら揮発が確認された。一方、Ti及びNbは約400℃から揮発が開始され、温度の上昇に伴って揮発は進行したが、1000℃においても約90質量%の揮発率に留まった。これは、試料Bの平均粒子径が試料Aと比較して大きく、揮発が進行し難かったためと考えられる。
【0061】
3.試料Cについて
3.1.温度の影響
試料Cを温度300〜1000℃の範囲で加熱(加熱保持時間は0分)した結果を図9に示す。Ti及びNbに関しては、これまでの試料と同様に約400℃から揮発が開始され、温度の上昇に伴って揮発は進行した。しかし、試料Bと同様に、900℃以上において約90質量%の揮発率に留まった。これは、試料Cの平均粒子径が試料Bと同様比較的大きく、揮発が進行し難かったためと考えられる。
【0062】
3.2.保持時間の影響
Nb及びTiと、La及びGdとを2グループに分離することを目的とし、試料Cを温度700℃、保持時間0〜120分で加熱した結果を図10に示す。La及びGdに関しては、加熱保持時間を120分とした場合においても、揮発することなく固体として存在していることがわかる。一方、Nb及びTiの揮発率は保持時間の増加とともに増加し、120分保持でそのほとんど全量が揮発された。すなわち、加熱温度700℃で加熱保持時間120分以上とすることで、光学ガラス材料から、選択的にNb及びTiを揮発分離できることがわかった。
【0063】
4.試料Dについて
4.1.温度の影響
試料Dを温度300〜1000℃の範囲で加熱(加熱保持時間は0分)した結果を図11に示す。上記試料と同様に、Nbの揮発開始温度は約400℃であり、また、Taの揮発開始温度も約400℃であることがわかった。Nb及びTaは、加熱温度の上昇に伴って揮発率も増大した。TaCl及びNbClの沸点はいずれも約250℃であり、双方の揮発挙動に大きな差は生じないものと予測されたが、実際は、600℃〜700℃において、その揮発挙動に差が出た。すなわち、Taの揮発がNbよりも遅いという結果となった。これは、Ta及びNbのイオン半径の違いによるものと考えられる。例えば、Kuniaki Murase et al. "Recovery of rare metals from scrap of rare earth intermetallic material by chemical vapour transport" Journal of Alloys and Compounds 217 (1995) 218-225においては、イオン半径が大きい元素ほど、塩素化反応速度が遅いことが示されている。TaはNbよりもイオン半径が大きく、これにより揮発率に差が出たものと考えられる。
【0064】
4.2.保持時間の影響
Ta及びNbと、La及びGdとの2グループに分離することを目的とし、試料Dを温度700℃、加熱保持時間0〜120分で加熱した結果を図12に示す。La及びGdに関しては、加熱保持時間を120分とした場合においても、揮発することなく固体として存在していることがわかる。一方、Nb及びTaの揮発率は保持時間の増加とともに増加し、120分保持でそのほとんど全量が揮発された。すなわち、加熱温度700℃で加熱保持時間120分以上とすることで、光学ガラス材料から、選択的にNb及びTaを揮発分離できることがわかった。
【0065】
5.揮発生成物の分析
各試料を加熱した際、各成分の揮発に伴って反応器出口に揮発生成物が沈着した。各試料について、それぞれ最も揮発が進行した条件(試料A:加熱温度1000℃、加熱保持時間120分、試料C及び試料D:加熱温度1000℃)における、反応器出口の沈着物について、組成分析を行った。得られた分析結果を表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
試料Aについては、加熱領域から近い部分に白色の揮発生成物、遠い部分に黄色の揮発生成物が沈着していた。それぞれを回収して分析したところ、白色の揮発生成物中に含有されている元素はLaが82.9質量%と最も多く、次いでGdが8.60質量%含まれており、わずかながらNb及びTiも含まれていた。一方、黄色の揮発生成物中に含有されている元素はNb及びTiで96質量%以上を占めており、わずかながらLa及びGdも含まれていることがわかった。
【0068】
試料C及びDについては黄色の生成物のみ確認され、その組成は、試料Cにおいては、NbとTiで約99質量%を占め、試料DではTaとNbで約99質量%を占めていることがわかった。
【0069】
6.各試料から目的元素の回収プロセス
以上の結果から、光学ガラス材から目的元素を回収する場合には、下記のようなプロセスが有効であると考えられる。
【0070】
6.1.試料A〜Cについて
試料A〜Cには、La、Gd、Nb及びTiが含有されている。試料A〜Cから各元素を分離回収するためには、図13(A)で示されるプロセスが有効であると考えられる。すなわち、まず、塩素雰囲気下で、温度700℃で加熱し、加熱保持時間を120分として、試料からNb及びTiを分離回収する。その後、改めて温度1000℃で加熱し、加熱保持時間を120分として、試料からLaを分離回収する。残留固体にはGdが含まれ、これについても回収する。このようなプロセスにより、Nb及びTiの混合物と、Laと、Gdとの3グループに分離することが可能である。
【0071】
6.2.試料Dについて
試料Dには、La、Gd、Ta及びNbが含有されている。試料Dから各元素を分離回収するためには、図13(B)で示されるプロセスが有効であると考えられる。すなわち、まず、塩素雰囲気下で、温度700℃で加熱し、加熱保持時間を120分として、試料からTa及びNbを分離回収する。その後、改めて温度1000℃で加熱し、加熱保持時間を120分として、試料からLaを分離回収する。残留固体にはGdが含まれ、これについても回収する。このようなプロセスにより、Ta及びNbの混合物と、Laと、Gdとの3グループに分離することが可能である。また、Ta及びNbの混合物については、塩化揮発挙動の違いを利用してそれぞれを分離することも可能と考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、希土類元素等の希少金属元素を複数含む原料から、個々の金属元素を効率的に分離回収可能な方法及び装置が提供される。すなわち、光学ガラスの廃材等、従来、含有元素につき分離回収されることなく廃棄されていた材料から、効率的に希少金属元素を分離回収することができ、希少価値の高い原料のリサイクル及び確保に繋がる。
【符号の説明】
【0073】
1 原料供給手段
10 第一加熱手段
11 第一回収手段
20 第二加熱手段
21 第二回収手段
31 排出手段
50 加熱手段
100 分離装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属元素を含む原料を塩素雰囲気下で加熱し、前記原料から少なくとも一種類の前記金属元素を塩化物として揮発させる、第一加熱工程と、
前記第一加熱工程の後、塩素雰囲気下で該第一加熱工程よりも高い温度で前記原料を加熱し、該原料から少なくとも一種類の前記金属元素を塩化物として揮発させる、第二加熱工程と、
を備える、金属元素の分離方法。
【請求項2】
前記第一加熱工程にて前記原料から揮発させた前記塩化物を冷却し、固体として回収する第一回収工程と、
前記第二加熱工程にて前記原料から揮発させた前記塩化物を冷却し、固体として回収する第二回収工程と、
をさらに備える、請求項1に記載の金属元素の分離方法。
【請求項3】
前記金属元素に希土類元素が含まれる、請求項1または2に記載の金属元素の分離方法。
【請求項4】
前記第一加熱工程における加熱が700℃以下である、請求項3に記載の金属元素の分離方法。
【請求項5】
前記第二加熱工程における加熱が700℃よりも高く1000℃以下である、請求項3又は4に記載の金属元素の分離方法。
【請求項6】
前記第一加熱工程及び/又は前記第二加熱工程における加熱保持時間が120分以上である、請求項3〜5のいずれかに記載の金属元素の分離方法。
【請求項7】
前記原料が光学ガラスである、請求項1〜6のいずれかに記載の金属元素の分離方法。
【請求項8】
複数の金属元素を含む原料を供給する、原料供給手段と、
前記原料に塩素を供給する、塩素供給手段と、
塩素雰囲気下で前記原料を加熱し、該原料から少なくとも一種類の前記金属元素を塩化物として揮発させる、第一加熱手段と、
塩素雰囲気下で前記第一加熱手段による加熱よりも高い温度で前記原料を加熱し、該原料から少なくとも一種類の前記金属元素を塩化物として揮発させる、第二加熱手段と、
を備える、金属元素の分離装置。
【請求項9】
前記第一加熱手段にて前記原料から揮発させた前記塩化物を冷却し、固体として回収する第一回収手段と、
前記第二加熱手段にて前記原料から揮発させた前記塩化物を冷却し、固体として回収する第二回収手段と、
をさらに備える、請求項8に記載の金属元素の分離装置。
【請求項10】
1の加熱手段が前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段として機能する、請求項8又は9に記載の金属分離装置。
【請求項11】
前記金属元素に希土類元素が含まれる、請求項8〜10のいずれかに記載の金属元素の分離装置。
【請求項12】
前記第一加熱手段における加熱が700℃以下である、請求項11に記載の金属元素の分離装置。
【請求項13】
前記第二加熱手段における加熱が700℃よりも大きく1000℃以下である、請求項11又は12に記載の金属元素の分離装置。
【請求項14】
前記第一加熱手段及び/又は前記第二加熱手段による加熱保持時間が120分以上である、請求項11〜13のいずれかに記載の金属元素の分離装置。
【請求項15】
前記原料が光学ガラスである、請求項8〜14のいずれかに記載の金属元素の分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図13】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−74408(P2011−74408A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224113(P2009−224113)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(504409543)国立大学法人秋田大学 (210)
【Fターム(参考)】