説明

金属管の引抜装置および引抜方法

【課題】金属管の引抜において、内面潤滑を改善し、長い素管の引抜や高速引抜における焼付きを防止する。
【解決手段】
金属製素管(10)を、外面を成形するダイス(1)と内面を成形するプラグ(6)との間に通すことで加工する引抜装置(M1)において、前記素管(10)の内部に潤滑油(L)を供給する潤滑油供給部(12)と、前記プラグ(6)を支持するロッド棒(7)を回転軸として該ロッド棒(7)に回転自在に取付けられて、前記素管(10)の内面に潤滑油を塗り広げる中子(20)とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製引抜管、例えば複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におけるOPC感光ドラム用基体として好適に用いられる、寸法精度の優れた引抜管を製造できる金属管の引抜装置、およびこの引抜装置を用いた引抜方法に関する。
【0002】
また、本明細書の記載において、引抜装置および引抜方法における「後方」とは引抜管に対して素管側の方向を表し、「前方」とは素管に対して引抜管側の方向を表している。
【背景技術】
【0003】
近年、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におけるOPC感光ドラム用基体として、大量生産に適した無切削管が多用されるようになっている。
【0004】
無切削管の一つに、アルミニウム押出素管を引抜加工したED管があり、10本以上の製品管を1回の引抜きで生産できる点で大量生産に向いており、市場拡大に伴う大量消費に応える製法として注目されている。
【0005】
このED管は、まずアルミニウム製のビレットを押出してアルミニウム押出素管を得、該押出素管を所定長さに切断した後、図7の引抜ダイス(1)とプラグ(6)を備えた引抜装置(M3)により引抜加工を行って、所定形状(外径、内径、肉厚)に規定されたアルミニウム管を得、切断、端部の面取り加工、洗浄を行い、寸法と外観を検査することによって製造されている。
【0006】
かかる感光ドラム用基体用アルミニウム管の引抜加工においては、高度の表面平滑性と寸法精度、とりわけ管のフレ精度を得るための引抜装置が提案されている(特許文献1、2)。また、寸法精度を高めるために2パス以上の連続引抜を行うこともある。
【0007】
特許文献1に記載の引抜用金型は、高度の表面平滑性を達成するために、ダイスのアプローチ角とベアリング長さを規定したものである。また、特許文献2に記載の引き抜き加工機は、引抜中に内面成形用のプラグを支持するロッド棒が撓まないように支持する構造を有している。
【特許文献1】特公平4−13044号公報
【特許文献2】特開平9−29324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したように多くの工程を経て製作されるED管は、素管を押出す際のビレット成分、押出素管の外径、肉厚、硬度等の多くのバラツキ要素を含んでいるため、寸法精度や表面品質を高めることは容易ではなかった。
【0009】
そもそも、押出管の寸法精度を向上させるために引抜くことは公知であり、多くの製品製造において引抜加工が行われている。その場合、管の焼付きを防止するための潤滑油の供給は、管の内面に対しては傾けた管内に予め潤滑油を流し込んでおき、外面に対しては予め潤滑油を塗布しておくか、引抜加工中に潤滑油を随時流下させる方法を採っていた。
【0010】
しかしながら、感光ドラム基体用のED管のように長い素管を高速で2パス以上の連続引抜きをする場合には、管の内面に予め潤滑油を流入させておくことは困難である。このため、プラグに潤滑油を塗布して素管内に挿入し、そのまま引抜かざるを得なかった。
かかる引抜方法では、随時潤滑油を供給できる外面に対し、内面は引抜途中で潤滑油が不足して焼付きが発生することがあった。焼付きが発生するとキズが発生するだけでなく、加工熱によって寸法精度を低下させる原因となる。潤滑油切れは、素管の長さが長いほど、また引抜速度が速いほど生じやすいため、長い素管を高速で引抜いてED管の生産性を高めるには内面の焼付きを克服することが課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述した背景技術に鑑み、引抜時の管の内面潤滑を改善して長い素管の引抜や高速引抜における焼付きを防止しうる金属管の引抜装置、およびこの引抜装置を用いた金属管の引抜方法の提供を目的とする。
【0012】
即ち、本発明の金属管の引抜装置および引抜方法は下記[1]〜[20]に記載の構成を有する。
【0013】
[1]金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグとの間に通すことで加工する金属管の引抜装置において、
前記素管の内部に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、
前記プラグを支持するロッド棒を回転軸として該ロッド棒に回転自在に取付けられて、前記素管の内面に潤滑油を塗り広げる中子とを備えることを特徴とする金属管の引抜装置。
【0014】
[2]前記中子は外周面にスパイラル状の溝または突条を有する前項1に記載に記載の金属管の引抜装置。
【0015】
[3]前記スパイラル状の溝または突条は、中子の長さ方向の一部にのみ形成されている前項2に記載に記載の金属管の引抜装置。
【0016】
[4]引抜による素管の進行力を前記中子の回転力に変換する変換手段を有する前項1〜3のいずかに記載の金属管の引抜装置。
【0017】
[5]前記変換手段は、前記中子の外周面に設けられたスパイラル状の溝または突条と、前記中子とロッド棒の間に介装されるベアリング部材とである前項4に記載の金属管の引抜装置。
【0018】
[6]前記中子に回転力を与える駆動手段を有する前項1〜3に記載の金属管の引抜装置。
【0019】
[7]前記潤滑油供給部は、前記ロッド棒の外面に開口して潤滑油を吐出する吐出口を有する1〜6のいずれかに記載の金属管の引抜装置。
【0020】
[8]前記中子は前記プラグと前記吐出口との間に設けられている前項7に記載の金属管の引抜装置。
【0021】
[9]前記中子は前記吐出口上に設けられている前項7に記載の金属管の引抜装置。
【0022】
[10]金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグとの間に通すことで加工する金属管の引抜方法において、前記素管の内部に潤滑油を供給するとともに、前記プラグを支持するロッド棒に回転自在に取付けられた中子を回転させることにより、供給された潤滑油を塗り広げながら引抜くことを特徴とする金属管の引抜方法。
【0023】
[11]前記中子は外周面にスパイラル状の溝または突条を有する前項10に記載に記載の金属管の引抜方法。
【0024】
[12]前記スパイラル状の溝または突条は、中子の長さ方向の一部にのみ形成されている前項11に記載に記載の金属管の引抜方法。
【0025】
[13]引抜による素管の進行力を回転力に変換して前記中子を回転させる前項10〜12のいずかに記載の金属管の引抜方法。
【0026】
[14]前記中子の外周面に設けられたスパイラル状の溝または突条と、前記中子とロッド棒の間に介装されるベアリング部材とにより、素管の進行力を回転力に変換する前項13に記載の金属管の引抜方法。
【0027】
[15]前記中子に駆動力を与えて回転させる前項10〜12のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
【0028】
[16]前記ロッド棒の外面に開口する吐出口から潤滑油を吐出させて素管の内部に供給する前項10〜15のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
【0029】
[17]前記吐出口から吐出された潤滑油を、前記プラグと前記吐出口との間に取付けられた中子によって塗り広げる前項16に記載の金属管の引抜方法。
【0030】
[18]前記吐出口から吐出された潤滑油を、前記吐出口上に取付けられた中子を介して素管表面に供給し、かつ供給した潤滑油を中子によって塗り広げる前項16に記載の金属管の引抜方法。
【0031】
[19]前記素管はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる前項10〜18のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
【0032】
[20]前記引抜管は感光ドラム基体用の管である前項19に記載の金属管の引抜方法。
【発明の効果】
【0033】
上記[1]に記載の金属管の製造装置によれば、素管の内部に供給した潤滑油を中子の回転によって塗り広げることができ、素管の長さにかかわらず潤滑油を均一に塗布できる。そして、潤滑油切れを起こすことなく引抜くことができ、焼付きを防止することができる。このため、焼付きによる引抜管の寸法精度の低下を抑制し、寸法精度、特にフレ精度の優れた引抜管を製造できる。しかも、確実に潤滑油を均一に供給できることで高速引抜が可能である。また、引抜中に潤滑油を供給するので、2回以上の連続引抜を行う場合においても潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がなく、速やかな連続引抜を実施できる。
【0034】
上記[2]に記載の金属管の引抜装置によれば、中子の回転を促すとともに、一定方向に回転させることができる。
【0035】
上記[3]に記載の金属管の引抜装置によれば、スパイラル状の溝または突条が形成された部分で回転力を得、溝および突条のない接触面積の大きい部分で潤滑油を効率良く塗り広げることができる。
【0036】
上記[4]に記載の金属管の引抜装置によれば、外部から駆動力を付与することなく中子を回転させることができ、簡単な構成の装置で素管の内面に潤滑油を塗布することができる。
【0037】
上記[5]に記載の金属管の引抜装置によれば、より確実に滑らかに中子を回転させることができる。
【0038】
上記[6]に記載の金属管の引抜装置によれば、引抜速度、中子の材質、中子の形状、潤滑油の粘度等に関係なく中子を任意の回転速度で回転させて、素管の内面に潤滑油を塗り広げることができる。
【0039】
上記[7]に記載の金属管の引抜装置によれば、吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させることができ、上記[1]〜[6]に記載の効果を奏することができる。
【0040】
上記[8]に記載の金属管の引抜装置によれば、吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させ、中子の回転によって塗り広げることができる。
【0041】
上記[9]に記載の金属管の引抜装置によれば、吐出口から吐出させた潤滑油を中子を介して素管の内面に付着させ、かつ中子の回転によって塗り広げることができる。
【0042】
上記[10]に記載の金属管の引抜方法は、素管の内面に潤滑油を供給しかつ中子を回転させながら引抜くものであるから、素管の長さにかかわらず潤滑油が均一に塗り広げられて、潤滑油切れを起こすことなく引抜くことができ、焼付きを防止することができる。このため、焼付きによる引抜管の寸法精度の低下を抑制し、寸法精度、特にフレ精度の優れた引抜管を製造できる。しかも、確実に潤滑油を供給できることで高速引抜が可能である。また、引抜中に潤滑油を供給するので、2回以上の連続引抜を行う場合においても潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がなく、速やかな連続引抜を実施できる。
【0043】
上記[11]に記載の金属管の引抜方法によれば、中子の回転が促されるとともに、一定方向に回転させることができる。
【0044】
上記[12]に記載の金属管の引抜方法によれば、スパイラル状の溝または突条が形成された部分で大きい回転力を得、溝および突条のない接触面積の大きい部分で潤滑油を効率良く塗り広げることができる。
【0045】
上記[13]に記載の金属管の引抜方法によれば、外部から駆動力を付与することなく中子を回転させるので、簡単な構成の装置で素管の内面に潤滑油を塗布することができる。
【0046】
上記[14]に記載の金属管の引抜方法によれば、より確実に滑らかに中子を回転させることができる。
【0047】
上記[15]に記載の金属管の引抜方法によれば、引抜速度、中子の材質、中子の形状、潤滑油の粘度等に関係なく中子を任意の回転速度で回転させて、素管の内面に潤滑油を塗り広げることができる。
【0048】
上記[16]に記載の金属管の引抜装置によれば、吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させることができ、上記[10]〜[15]に記載の効果を奏することができる。
【0049】
上記[17]に記載の金属管の引抜装置によれば、吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させ、中子の回転によって塗り広げることができる。
【0050】
上記[18]に記載の金属管の引抜装置によれば、吐出口から吐出させた潤滑油を中子を介して素管の内面に付着させ、かつ中子の回転によって塗り広げることができる。
【0051】
上記[19]に記載の金属管の引抜方法によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製素管の引抜において上記[10]〜[18]の効果が得られる。
【0052】
上記[20]に記載の金属管の引抜方法によれば、寸法精度の優れた感光ドラム基体用の引抜管を効率良く製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
図1は本発明の金属管の引抜装置の一例である。この引抜装置(M1)は、引抜用工具と、素管(10)の外面および内面に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、素管(10)内に供給された潤滑油を回転によって塗り広げる中子とを備えている。
【0054】
引抜用工具は引抜ダイス(1)とプラグ(6)とから構成されている。前記引抜ダイス(1)は、ダイスケース(2)内に嵌合されたダイス本体(3)を備え、前記ダイス本体(3)は中央のダイス孔の周囲にアプローチ部(4)とこれに続くベアリング部(5)とを有している。前記プラグ(6)は中空管からなるロッド棒(7)の先端に取り付けられ、アプローチ部(8)とこれに続くベアリング部(9)を有している。そして、前記引抜ダイス(1)およびプラグ(6)で素管(10)を引き抜くことにより、管の外面がダイス本体(3)のベアリング部(5)によって成形されるとともに、内面がプラグ(6)のベアリング部(9)によって成形され、引抜管(11)が製作される。
【0055】
外面用潤滑油供給部として、前記引抜ダイス(1)後方の上方にノズル(15)が配置されている。図外のタンクから供給される潤滑油(L)はノズル(15)から素管(10)に向かって吐出され、素管(10)の上部に付着した潤滑油(L)は外面を伝って全周に供給され、過剰な潤滑油(L)は流れ落ちる。そして、外面に潤滑油(L)が付着した状態で素管(10)が引抜用工具に導入される。
【0056】
内面用潤滑油供給部として、前記ロッド棒(7)に潤滑油用吐出口(12)が設けられている。前記ロッド棒(7)は中空管であって潤滑油(L)の供給路として利用され、周壁を穿つことによって供給路に連通する吐出口(12)が形成されている。前記吐出口(12)は、周方向に複数個が設けられている。そして、図外のタンクからロッド棒(7)内に導入された潤滑油(L)は、吐出口(12)から素管(10)の内面に向かって吐出されて素管(10)に付着する。
【0057】
図1および図2に示すように、中子(20)は、中心に取付用貫通孔(21)が形成された円筒体であり、その外径は素管(10)の内径に対応する寸法に設計され、外周面に複数本のスパイラル状の溝(22)が等間隔で形成されている。前記中子(20)は、環状のベアリング部材(23)を介して前記貫通孔(21)にロッド棒(7)を挿入することによりロッド棒(7)に取付けられ、該ロッド棒(7)を回転軸として回転自在となされている。また、中子(20)の取付位置は前記プラグ(6)と吐出口(12)との中間位置であり、引抜方向の移動は規制されている。そして、引抜時、前記中子(20)の外周面が素管(10)の内面に接触した状態で素管(10)が進行すると、中子(20)はスパイル状の溝(22)に導かれて一定方向に従動回転する。
【0058】
上記構成により、吐出口(12)から素管(10)の内面に潤滑油(L)を供給しつつ引抜くと、中子(20)の外周面が素管(10)の内面に擦りつけられた状態で回転し、素管(10)の進行と中子(20)の回転とにより、素管(10)内面に付着した潤滑油(L)が薄く均一に塗り拡げられる。吐出口(12)から噴出した潤滑油(L)が下方に流れたとしても、中子(20)の回転によって塗り広げられるので、素管(10)の径方向においても長さ方向においても潤滑油(L)は塗り広げられる。また、過剰の潤滑油(L)は中子(20)によって後方に押しやられる。これらの作用により、内面に潤滑油(L)が均一に塗布された状態で素管(10)が引抜用工具に導入される。また、引抜中に吐出口(12)から潤滑油(L)を連続的または断続的に吐出すれば、素管(10)の長さに関係なく所要量の潤滑油(L)を均一に供給することができる。
【0059】
以上のように、素管(20)の進行力を回転力に変換すれば、外部から駆動力を付与することなく中子(20)を回転させることができ、簡単な構成の装置で素管の内面に潤滑油を塗布することができる。なお、素管の進行力を回転力に変換する変換手段は上記構成に限定されない。
【0060】
素管の進行力を回転力に変換するに際し、前記中子(20)の貫通孔(21)にロッド棒(7)を遊挿して引抜方向の移動を規制すれば、スパイラル状の溝(22)によって素管(10)の進行力を回転力に変換することはできるが、中子(20)とロッド棒(7)の間にベアリング部材(23)を介装することで中子(20)を滑らかに回転させることができる。一方、中子(20)にスパイラル状の溝(22)を形成することなく、ベアリング部材(23)だけでも中子(20)を回転させることはできるが、スパイラル状の溝(22)によって引抜開始直後から確実に回転させることができ、かつ一定方向に回転させることができる。従って、本発明における変換手段として、中子(20)の外周面に設けられたスパイラル状の溝(22)または後述するスパイラル状の突条(31)と、中子(20)とロッド棒(7)に介装されるベアリング部材(23)の両方を具備することが好ましい。但し、本発明は、素管の進行力を回転力に変換する手段として、スパイラル状の溝または突条、ベアリング部材のどちらか一方、あるいはその他の変換手段を排除するものではない。
【0061】
本発明においては、中子に駆動力を与えて強制的に回転させることもできる。図3は、中子(20)の貫通孔(21)に取付用管材(25)を挿入して固定し、この取付用管材(25)内にロッド棒(7)を挿入したものである。前記取付用管材(25)の端部にローラ(26)を取付け、このローラ(26)とモーター(27)の回転軸とに無端ベルト(28)を掛け渡し、モーター(27)の回転を取付用管材(25)に伝達することによって中子(20)を回転させるようにしている。このように、外部から駆動力を与える方法は、引抜速度、中子の材質、中子の形状、潤滑油の粘度等に関係なく中子を任意の回転速度で回転させることができる点が有利である。また、外周面にスパイラル状の溝や突条のない中子でも回転させることができ、塗り広げ効果を高めるために外周面に任意形状の凹凸を形成することもできる。なお、中子に回転力を与えるための駆動手段は上記構成に限定されない。他の駆動手段として、適宜歯数を選定したギアを介して取付用管材(25)を回転させる方法を例示できる。
【0062】
また、中子は、素管の内面に接触して潤滑油を塗り広げることができれば良く、上記形状に限定されない。他の中子の形状として以下の形状を例示できる。
【0063】
図4に示す中子(30)は、円筒体の外周面にスパイラル状の突条(31)を形成したものであり、上述したスパイラル状の溝(22)と同等の効果を奏する。
【0064】
図5に示す中子(32)は、後方側に円筒体の外周面にスパイラル状の突条(31)を形成した第1中子(33)を配置し、前方側に突条および溝を形成しない円筒体からなる第2中子(34)を配置してこれらを連結することにより長さ方向の一部にのみスパイラル状の突条(31)を設けたものである。この中子(32)は、突条(31)を設けた後方側の第1中子(33)で回転力を得、突条がなく素管との接触面積の大きい前方側第2中子(34)で潤滑油(L)を塗り広げるようにしたものである。このように複数の中子を連結する構成では異種材料の中子を組み合わせることができるので、第1中子(33)として第2中子(34)よりも硬くて回転力を得やすい材料を用い、第2中子(34)として発泡樹脂等のように弾力性があって塗り広げ効果の大きい材料を用いるといったことも可能である。勿論、一体の円筒体の一部にスパイラル状の溝または突条を形成することもできる。スパイラル状の突条または溝の位置は任意であるが、これらの部分では潤滑油の塗り広げの均一性よりも回転力の確保を優先し、他の部分よりも外径を大きくして素管(10)とのクリアランスを小さくことが好ましい。
【0065】
前記中子の材料は、素管を傷つけることのない軟質材料であれば任意の材料を用いることができる。例えば、軟質の合成樹脂、発泡樹脂、海綿等の天然のスポンジ、合成樹脂繊維や獣毛等の軟質繊維等を例示できる。軟質繊維の場合は、取付用の貫通孔となるリング形基体の外面に多数のブラシ繊維を植え付けて全体形状が円筒体となるようにすれば、上述した手段によりロッド棒に回転自在に取付けることができる。スパイラル状の溝や突条は、ブラシ繊維の長さを変えることによって任意に形成することができる。
【0066】
また、潤滑油が浸透する材料で形成されている中子であれば、図6の引抜装置(M2)に示すように、ロッド棒(7)の吐出口(12)と重なるように取付けることもできる。この例では、中子(20)が連通気孔を有する発泡樹脂で形成され、ベアリング部材(23)に吐出口(12)に連通する通路を設け、吐出口(12)から吐出された潤滑油(L)が中子(20)の連通気孔を通じて浸み込み、径方向の外方に拡がって中子(20)の外面に達した潤滑油(L)が素管(10)の内面に付着し、素管(10)の引抜きに伴う中子の回転により潤滑油(L)が塗り広げられる。また、ブラシ型中子においても、リング形基体に吐出口(12)に連通する開口部を設ければ吐出口(12)と重なるように取付けることもできる。
【0067】
また、前記ロッド棒(7)の吐出口(12)は少なくとも1つ有れば良く、2個以上設けることもできる。吐出口が1つの場合は、ロッド棒(7)の上側に設けて潤滑油(L)を上方に吐出させることが好ましい。素管(10)内の上側に潤滑油(L)を付着させれば、周面を伝って下方にも供給されるので、より均一に供給できる。周方向に複数個の吐出口を設ける場合は、等間隔に設けても良いし、付着させた潤滑油が流下することを考慮して上側により多くの吐出口を設けても良い。本発明では、潤滑油は中子の回転によって塗り広げられるが、供給時にも均一であった方が、なお一層好ましい。また、引抜方向に沿って複数の吐出口を設けても良い。なお、内面への潤滑油供給方法は上記吐出口に限定されず、ロッド棒以外の供給路を用いる構成も本発明に含まれる。
【0068】
なお、引抜開始時において、引抜用工具にセットされた素管(10)の先端部、即ちプラグ(6)と吐出口(12)との間の部分には吐出口(12)から潤滑油を供給することはできない。しかし、従来の引抜方法で行っていたように、予めプラグ(6)に潤滑油を塗布しておけば素管(10)の先端部にも潤滑油(L)を供給することができるので、上述した内面への潤滑油供給と合わせると素管(10)の長さ方向の全体に潤滑油を塗布することができる。
【0069】
一方、外面への潤滑油供給は、引抜用工具の後方に上述した潤滑油吐出用ノズル(15)を設ける等の周知の方法で行うことができる。また、必ずしも引抜きながら潤滑油を供給する必要はなく、引抜前に予め素管(10)の外面全体に潤滑油を塗布しておいても良い。外面においては、内面のように潤滑油供給部を設けるに際して位置的な制限を受けないので、引抜中でも引抜前でも潤滑油を供給することができ、潤滑油切れを起こすことなく引抜くことができる。ただし、2パス以上の連続引抜を効率良く行うためには、外面に対しても引抜きながら潤滑油を供給することが好ましい。
【0070】
本発明の引抜装置を用いた金属管の引抜方法によれば、内面に潤滑油を供給しつつ引抜くので、素管の長さにかかわらず潤滑油切れがなく焼付を防止することができ、ひいては引抜管のフレ精度を高めることができる。しかも、確実に潤滑油を供給できることで高速引抜が可能となる。また、引抜中に潤滑油を供給するので、2回以上の連続引抜を行う場合においても潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がなく、速やかな連続引抜を実施できる。
【0071】
本発明は素管の長さを限定するものではないが、短い素管に対しては従来のように引抜前に潤滑油をプラグに塗布することでも内面の潤滑性を確保できるので、長い素管を引抜く場合に顕著な効果を奏し、長い素管の引抜きに適している。具体的には、2m以上、特に2.5m以上の素管に対して顕著な効果が得られる。
【0072】
本発明の金属管の引抜方法は、金属の種類に限定されることなく、アルミニウム、鉄、銅、またはこれらの合金等に広く適用できる。長い素管を引抜く場合に顕著な効果が得られることから、感光ドラム基体用アルミニウム管の製造に適している。感光ドラム基体用アルミニウム管の製造においては、多数本の製品管を1回の引抜きで製造するために長い素管を用いる傾向があり、本発明の引抜方法を適用することによってフレの少ない高品質のアルミニウム管を効率良く製造できる。また、寸法精度を高めるために2パス以上の連続引抜を行う場合においても、潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がないので速やかな連続引抜を実施できる。また、感光ドラム基体用アルミニウム管の材料としては、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、純アルミニウムを例示できる。
【実施例】
【0073】
実施例1〜6において、図1および図6に示した引抜装置(M1)(M2)、または引抜装置(M1)の中子を変更した引抜き装置を用い、比較例1、2において、図7に示す引抜装置(M3)を用いて引抜試験を行った。
【0074】
各引抜装置(M1)(M2)(M3)は、引抜ダイス(1)とプラグ(6)を組み合わせた引抜用工具を備えている。前記引抜ダイス(1)のダイス本体(3)においてアプローチ部(4)のアプローチ角は15°であり、ベアリング部(5)のベアリング長さは15mmである。また、前記プラグ(6)において、アプローチ部(8)のアプローチ角は7°であり、ベアリング部(9)のベアリング長さは2mmである。
【0075】
また、各引抜装置(M1)(M2)(M3)には、それぞれの引抜ダイス(1)の後方の上方に共通の外面用潤滑油供給部としてのノズル(15)が配置されている。図外のタンクから供給された潤滑油(L)は前記ノズル(15)から吐出し、素管(10)の上面側に供給されて外面を伝って全周に供給される。
【0076】
さらに、引抜装置(M1)(M2)は、内面用潤滑油供給部としてロッド棒(7)の周壁に穿設された8個の吐出口(12)を有する。前記吐出口(12)は周方向に等間隔で穿設されている。
【0077】
全ての引抜試験において、アルミニウム合金(Mn:1.12質量%、Si:0.11質量%、Fe:0.39質量%、Cu:0.16質量%、Zn:0.01質量%,Mg:0.02質量%を含み、残部アルミニウム及び不可避不純物)からなるビレットを、押出温度:520℃、押出速度5m/分の条件で、外径32mm、肉厚1.5mmの円筒管を押出し、2.2mに切断したものを試験用素管(10)とした。
【0078】
引抜条件は、引抜速度:30m/分、外径減少率:16%、断面積減少率:32%とした。また、全ての実施例および比較例において、素管(10)の外面に対し、引抜ダイス(1)の手前でノズル(15)から前記潤滑油(L)を1000g/minの割合で連続的に供給した。また、比較例2以外は、予めプラグ(6)に潤滑油(L)を塗布し、このプラグ(6)を素管(10)に挿入して引抜加工を行った。また、外面および内面用潤滑油(L)として、共栄油化株式会社製ストロールES150(粘度:1.4×10−4/s)を用いた。
【0079】
以下に、各実施例および比較例における引抜装置の詳細構成および引抜方法について説明する。
〔実施例1〕
図1の引抜装置(M1)において、図2に示す、円筒体の外周面に、周方向に等間隔で4本のスパイラル状の溝(22)を形成した中子(20)を用いた。この中子(20)は連通気孔を有する発泡ポリウレタン製であり、溝(22)の幅は5mmである。そして、図1に示すように、前記中子(20)の貫通孔(21)にベアリング部材(23)を装着し、ロッド棒(7)を挿通してプラグ(6)と吐出口(12)の中間位置に取付け、引抜による素管(10)の進行力により従動回転するようにした。
【0080】
そして、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜き、前記中子(20)を従動回転させて潤滑油(L)を塗り広げながら引抜いた。
〔実施例2〕
実施例1の中子(20)を、図4に示すスパイラル状の突条(31)を有する中子(30)に変更した。この中子(30)は発泡ポリウレタン製であり、幅5mmの4本の突条(31)が周方向に等間隔で形成されている。そして、実施例1と同じく、前記中子(30)をプラグ(6)と吐出口(12)の中間位置にベアリング部材(23)を介して回転自在に取り付けた。
【0081】
そして、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜き、前記中子(30)を従動回転させて潤滑油(L)を塗り広げながら引抜いた。
〔実施例3〕
実施例1の中子(20)を、図5に示す、形状および材質が異なる2つの中子(33)(34)を連結した組合せ中子(32)に変更した。後方側に配置した第1中子(33)は軟質ポリウレタンからなり、円筒体の外周面に等間隔で8本のスパイラル状の幅5mmの突条(31)が形成されている。前方側の第2中子(34)は発泡ポリウレタンからなり、突条および溝のない円筒体である。そして、実施例1と同じく、前記中子(32)をプラグ(6)と吐出口(12)の中間位置にベアリング部材(23)を介して回転自在に取り付けた。
【0082】
そして、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜き、前記中子(32)を従動回転させて潤滑油(L)を塗り広げながら引抜いた。
〔実施例4〕
発泡ポリウレタンからなり、中心に取付用の貫通孔を有する円筒体の中子(図示省略)を用いた。この中子は図5の第2中子(34)と同じく、外周面に溝や突条のない円筒体である。前記中子は、図3に参照されるように、外部から駆動力を与えて強制的に回転させるようにロッド棒に取り付けた。即ち、前記中子の貫通孔に取付用管材(25)を挿入して固定し、この取付用管材(25)内にロッド棒(7)を挿入し、前記取付用管材(25)の端部に装着したローラ(26)とモーター(27)の回転軸とに無端ベルト(28)を掛け渡し、モーター(27)の回転を取付用管材(25)に伝達するようにした。
【0083】
そして、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給するとともに、取付用管材(25)を回転数:60rpmで回転させ、前記中子を回転させて潤滑油(L)を塗り広げながら引抜いた。
〔実施例5〕
実施例1の中子(20)を、外周面にスパイラル状の溝を有するブラシ型の中子を用いた(図示省略)に変更した。ブラシ型中子は、リング形基体に多数のブラシ繊維(豚毛)を植え付けて全体形状が円筒体となるようにし、ブラシ繊維を切り込んでスパイラル状の溝を形成したものである。スパイラル状の溝は幅5mmであり、周方向に等間隔で4本形成した。そして、実施例1と同じく、前記中子をプラグ(6)と吐出口(12)の中間位置にベアリング部材(23)を回転自在に取り付けた。
【0084】
そして、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜き、前記中子を従動回転させて潤滑油(L)を塗り広げながら引抜いた。
〔実施例6〕
図6の引抜装置(M2)において、実施例1と同じ連通気孔を有する発泡ポリウレタン製の中子(20)をベアリング部材(23)を介して吐出口(12)上に取り付けた。前記ベアリング部材(23)には前記吐出口(12)に連通する通路が設けられ、吐出口(12)から吐出された潤滑油(L)が中子(20)の連通気孔を通じて浸み込み、径方向の外方に拡がって中子(20)の外面に達した潤滑油(L)が素管(10)の内面に付着し、素管(10)の引抜きに伴う中子の回転により潤滑油(L)が塗り広げられる。
【0085】
そして、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜き、前記中子(20)を従動回転させて潤滑油(L)を塗り広げながら引抜いた。
〔比較例1〕
図7に示す内面用潤滑油供給部を具備しない引抜装置(M3)を用い、素管(10)の内面に対して予めプラグ(6)に塗布した潤滑油(L)のみを供給して引抜いた。
〔比較例2〕
図7に示す内面用潤滑油供給部を具備しない引抜装置(M3)を用い、素管(10)の内面に潤滑油を供給することなく、外面にのみ潤滑油(L)を供給して引抜いた。
【0086】
各例の引抜管(11)は、引抜装置から搬送コンベアに移載して室温まで放冷し、長さ260mmに切断した。これらの260mm管について、内面の焼付きを目視観察するとともに、フレを下記の方法で測定した。
(フレの測定方法)
図8に示すように、260mm管(40)の両端から10mmの位置をポリエチレン製支持棒(41)に突き当て、管(40)の外面に接触するように3個のダイヤルゲージ(42)をセットした。ダイヤルゲージ(42)の位置は、管(40)の中央と前記各支持棒(41)に可及的に近い部分である。そして、管(40)を回転させ、ダイヤルゲージの読みの最大値と最小値の差をもってフレの値とした。
【0087】
表1に、各引抜装置における内面への潤滑油供給および中子の概要を示すとともに、評価結果を合わせて示す。
【0088】
【表1】

【0089】
表1の結果より、素管の内面に潤滑油を供給しながら引抜くことにより、内面の焼付きを防止するとともにフレ精度を向上しうることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の金属管の引抜方法によれば長い素管の引抜きにおいても内面の焼付きを防止できるので、感光ドラム基体用アルミニウム管の量産に適している。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の金属管の引抜装置の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の金属管の引抜装置に用いる中子の斜視図である。
【図3】本発明の金属管の引抜装置の他の例を示す要部斜視図である。
【図4】本発明の金属管の装置に用いる他の中子の斜視図である。
【図5】本発明の金属管の装置に用いるさらに他の中子の斜視図である。
【図6】本発明の金属管の引抜装置のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】従来の金属管の引抜方法を実施する引抜装置を示す断面図である。
【図8】フレ精度の測定方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
M1、M2、M3…引抜装置
L…潤滑油
1…引抜ダイス
6…プラグ
7…ロッド棒
10…素管
11…引抜管
12…吐出口(内面用潤滑油供給部)
15…ノズル(外面用潤滑油供給部)
20、30、32…中子
22…スパイラル状の溝(変換手段)
23…ベアリング部材(変換手段)
26…ローラ(駆動手段)
27…モータ(駆動手段)
28…無端ベルト(駆動手段)
31…スパイラル状の突起(変換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグとの間に通すことで加工する金属管の引抜装置において、
前記素管の内部に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、
前記プラグを支持するロッド棒を回転軸として該ロッド棒に回転自在に取付けられて、前記素管の内面に潤滑油を塗り広げる中子とを備えることを特徴とする金属管の引抜装置。
【請求項2】
前記中子は外周面にスパイラル状の溝または突条を有する請求項1に記載に記載の金属管の引抜装置。
【請求項3】
前記スパイラル状の溝または突条は、中子の長さ方向の一部にのみ形成されている請求項2に記載に記載の金属管の引抜装置。
【請求項4】
引抜による素管の進行力を前記中子の回転力に変換する変換手段を有する請求項1〜3のいずかに記載の金属管の引抜装置。
【請求項5】
前記変換手段は、前記中子の外周面に設けられたスパイラル状の溝または突条と、前記中子とロッド棒の間に介装されるベアリング部材とである請求項4に記載の金属管の引抜装置。
【請求項6】
前記中子に回転力を与える駆動手段を有する請求項1〜3に記載の金属管の引抜装置。
【請求項7】
前記潤滑油供給部は、前記ロッド棒の外面に開口して潤滑油を吐出する吐出口を有する1〜6のいずれかに記載の金属管の引抜装置。
【請求項8】
前記中子は前記プラグと前記吐出口との間に設けられている請求項7に記載の金属管の引抜装置。
【請求項9】
前記中子は前記吐出口上に設けられている請求項7に記載の金属管の引抜装置。
【請求項10】
金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグとの間に通すことで加工する金属管の引抜方法において、前記素管の内部に潤滑油を供給するとともに、前記プラグを支持するロッド棒に回転自在に取付けられた中子を回転させることにより、供給された潤滑油を塗り広げながら引抜くことを特徴とする金属管の引抜方法。
【請求項11】
前記中子は外周面にスパイラル状の溝または突条を有する請求項10に記載に記載の金属管の引抜方法。
【請求項12】
前記スパイラル状の溝または突条は、中子の長さ方向の一部にのみ形成されている請求項11に記載に記載の金属管の引抜方法。
【請求項13】
引抜による素管の進行力を回転力に変換して前記中子を回転させる請求項10〜12のいずかに記載の金属管の引抜方法。
【請求項14】
前記中子の外周面に設けられたスパイラル状の溝または突条と、前記中子とロッド棒の間に介装されるベアリング部材とにより、素管の進行力を回転力に変換する請求項13に記載の金属管の引抜方法。
【請求項15】
前記中子に駆動力を与えて回転させる請求項10〜12のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
【請求項16】
前記ロッド棒の外面に開口する吐出口から潤滑油を吐出させて素管の内部に供給する請求項10〜15のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
【請求項17】
前記吐出口から吐出された潤滑油を、前記プラグと前記吐出口との間に取付けられた中子によって塗り広げる請求項16に記載の金属管の引抜方法。
【請求項18】
前記吐出口から吐出された潤滑油を、前記吐出口上に取付けられた中子を介して素管表面に供給し、かつ供給した潤滑油を中子によって塗り広げる請求項16に記載の金属管の引抜方法。
【請求項19】
前記素管はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる請求項10〜18のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
【請求項20】
前記引抜管は感光ドラム基体用の管である請求項19に記載の金属管の引抜方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−45663(P2009−45663A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215565(P2007−215565)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】