説明

金属製床束

【課題】耐食性に優れるとともに低コストな金属製床束を提供する。
【解決手段】母材1が鉄系材料からなり、所定の設置面に設置される土台プレート13と、床荷重を支受する支受プレート11と、上記土台プレート13と支受プレート11の間で高さ調節をするターンバックル部16とを備えた金属製床束であって、上記土台プレート13、支受プレート11およびターンバックル部16は、Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜鋼材をプレス成形することにより形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建住宅や集合住宅等の建物の床下にあって、束石やべた基礎等の上に固定されて床荷重を支持する金属製床束に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、戸建住宅等の建物の床下で大引を支受する束としては、木製のものが用いられてきた。このような木製束では、木材を所定寸法に切断する作業や、楔による高さ調節作業が極めて煩雑である。しかも、木材の吸水や乾燥等によってソリが生じ易く、精度面にも問題がある。さらに、白蟻や腐朽菌等にも侵されやすいうえ、居住環境や人体への影響から、白蟻防除剤等の薬剤の使用は敬遠される傾向にある。
【0003】
そこで、最近では、木製束に代わって、鋼製の床束が利用されるようになってきている。上記鋼製束は、大引を支受する支受プレートと、束石あるいは基礎に固定される土台プレートとを備えている。そして、上記支受プレートの下面にねじ棒が垂設されるとともに、土台プレートの上面にねじ棒が立設され、上記両ねじ棒が中空状のターンバックル部で連結されている。この鋼製束は、ターンバックル部を回転させることにより支受プレートを昇降させて高さ調節をするようになっている。このような鋼製束によれば、作業時間の短縮による工期の短縮が可能となるうえ、大引の寸法変化に合わせるための「後調節」が容易で精度面の問題が解消するうえ、白蟻等の問題もなくなり、クレームが減少するという大きなメリットがある。このため、各住宅メーカーでは、木製束に替えて鋼製束が採用されるようになってきている。
【0004】
上記鋼製束は、湿気の多い床下で何年にもわたって用いられるものであるため、錆対策が重要な問題となっている。そこで、鉄系材料からなる束の全面に対して厚い溶融亜鉛めっきを行うか、電気亜鉛めっきにクロメート処理と特殊なシリコン樹脂塗装を組み合わせた特別の表面処理を加工の最終段階で行う金属製床束が提案され提供されている(下記の特許文献1)。
【特許文献1】特許第3418552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記金属製床束は、鋼板やパイプ材にプレス成形やねじ切り等を施して所定形状に成形加工した後、亜鉛めっき処理およびクロメート処理を行い、さらに特殊シリコン樹脂による塗装処理を行なうという、複数の表面処理を重ねなければならず、それだけコストアップにつながっている。上記床束の場合、支受プレート、土台プレート、ターンバックル部の形状が、嵩高かつ異形で、量産的な搬送や表面処理にとって不利である。特に上記床束では、土台プレートや支受プレートにねじ棒を溶接で接合した半組み立て状態で表面処理を行う必要があり、上述した傾向が強くなる。一方、近年では、大規模高層マンション等、比較的腐食環境の良好な場所に金属製床束を適用することが増えてきている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐食性に優れるとともに、低コストな金属製床束の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の金属製床束は、母材が鉄系材料からなり、所定の設置面に設置された土台プレートと、床荷重を支受する支受プレートと、上記土台プレートと支受プレートの間で高さ調節をする高さ調節パイプとを備えた金属製床束であって、
上記土台プレート、支受プレートおよび高さ調節パイプは、Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜鋼材をプレス成形することにより形成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
すなわち、本発明の金属製床束は、全体重量の7〜8割を占める主要構成部材である土台プレート、支受プレートおよび高さ調節パイプが、高耐食性のZn−6Al−3Mg系合金めっき被膜鋼材からの直接のプレス成形で形成されていることから、格別な表面処理を行わなくても充分な耐食性を発揮する。特に、曲げ、絞り等のプレス加工においては、上記メッキ被膜の母材との密着性が向上し、充分な耐食性を発揮する。また、上記プレス成形の際に、打ち抜き等のプレスによって形成された端面には上記めっき被膜が流動し、開口端面の一部までめっき被膜層が形成されることにより充分な耐食性能を発揮する。
【0009】
本発明において、上記土台プレート、支受プレートおよび高さ調節パイプの板厚方向の端面に、樹脂塗膜層が形成されている場合には、上記端面のめっき被膜が存在しない部分に樹脂塗膜層を形成して耐食性を確保でき、成形後は樹脂塗膜層を形成する表面処理を行なうだけで、低コストに耐食性の優れた金属製床束を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0011】
図1は、本発明の金属製床束の一実施の形態を示す。この金属製床束は、束石等の所定の設置面に固定される土台プレート13と、大引のような床荷重を支受する支受プレート11とを備えている。そして、上記支受プレート11の下面に調節棒としてのねじ棒14が垂設されるとともに、土台プレート13の上面に調節棒としてのねじ棒15が立設され、上記両ねじ棒14,15がターンバックル部16で連結されている。上記両ねじ棒14,15およびターンバックル部16により高さを調整する高さ調節パイプが構成され、ターンバックル部16を回転させることにより支受プレート11を昇降させて高さ調節をするようになっている。
【0012】
図において、20は支受プレート11の上面に取り付けられた樹脂シート20である。また、30,31はそれぞれ土台プレート13に穿設されたのり穴30およびアンカー穴31であり、32はくぎ穴32である。また、18はナット,19はワッシャーであり、図1の例ではターンバックル部16の上部と下部にそれぞれ1組ずつ取り付けられている。上記ねじ棒14,15とターンバックル部16とのねじ連結の高さ固定が上記ナット18によって行われる。
【0013】
上記支受プレート11に取り付けられた樹脂シート20は、高分子の粘弾性材から構成されたシートであり、大引と支受プレート11との直接接触による床鳴り防止を目的としている。この例では、上記樹脂シート20は、図2に示すように、支受プレート11の上面に沿うL字状に形成されている。
【0014】
上記樹脂シート20下面および側面の支受プレート11のくぎ穴32に対応する部分には、上記くぎ穴32に着脱自在に嵌合する取付突起21が形成されている。そして、この取付突起21には、くぎが挿通されるくぎ挿通穴22が穿設されている。上記支受プレート11のくぎ穴32、土台プレート13に穿設されたのり穴30、アンカー穴31およびくぎ穴32が、対象物に固定するための貫通穴10として機能する。
【0015】
図3は、本発明の金属製床束の支受プレート11および土台プレート13の断面図である。図において10は、支受プレート11におけるくぎ穴32、土台プレート13におけるのり穴30、アンカー穴31、くぎ穴32であり、以下の説明では貫通穴10として説明する。
【0016】
この支受プレート11および土台プレート13は、母材1が鉄系金属である鋼からなり、この母材1の表面および裏面に亜鉛層としてのめっき層2が形成されている。上記めっき層2は、Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜であり、上記土台プレート13、支受プレート11およびターンバックル部16は、Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜が形成された鋼材をプレス成形することにより形成されている。すなわち、上記土台プレート13、支受プレート11およびターンバックル部16は、あらかじめZn−6Al−3Mg系合金めっき被膜が形成された鋼板もしくはパイプ材を素材とし、プレス機において切断、穿孔、曲げ、絞り等のプレス成形によって所定形状に成形し、必要に応じてねじ切等の加工を行って最終形状に成形することが行われる。
【0017】
ここで、上記土台プレート13、支受プレート11には、対象物に固定するための貫通穴10が形成されている。そして、上記めっき層2は、表面8または裏面9(図示した例では表面8)から貫通穴10の開口端面7の一部にわたって形成されている。より詳しく説明すると、上記支受プレート11および土台プレート13の貫通穴10の開口端面7は、表面8から表面8側の数分の1から半分程度がめっき層2で覆われており、残りの裏面9側の部分は、めっき層2が存在しない。また、上記貫通穴10の表面8側の開口端縁にはアール5が形成され、裏面9側の開口端縁にはエッジ6が形成されている。
【0018】
さらに、上記支受プレート11および土台プレート13の側端面4も同様に、表面8から表面8側の数分の1から半分程度がめっき層2で覆われており、残りの裏面9側の部分にはめっき層2が存在しない。また、側端面4の表面8側の端縁にはアール5が形成され、裏面9側の端縁にはエッジ6が形成されている。
【0019】
上記側端面4および貫通穴10開口端縁のそれぞれに表面8側に塑性流動で形成されためっき層2は、端面の厚み寸法のおよそ1/4〜1/5程度である。また、図示しないが、L字状の縦片の端面も同様に塑性流動で形成されためっき層2が形成されている。
【0020】
そして、必要に応じて、図4に示すように、少なくとも上記貫通穴10の開口端面7のめっき層2が存在しない部分に、樹脂塗膜層3が形成されている。また、側端面4のめっき層2が存在しない部分に、樹脂塗膜層3が形成されている。この例では、支受プレート11および土台プレート13の表面8、裏面9、側端面4、貫通穴10の開口端面7全てが樹脂塗膜層3で覆われている。図示しないが、L字状の縦片の端面も同様に樹脂塗膜層3を形成することができる。
【0021】
上記めっき層2を構成する材料としては、Zn系被膜、Zn−Al系、Zn−Fe系、Zn−Sn系、Zn−Al−Mg系等の溶融亜鉛合金めっき層が考えられるが、Znに有価元素であるAlやSn、Crを添加したZn合金被膜では、切断端面の耐食性が充分でない。これは、ZnにAlやCrを添加することにより、亜鉛被膜自体の耐食性は向上するが、逆に被膜側の腐食電位を被膜欠落部に対して貴に導き、亜鉛の犠牲防食効果を減ずるからである。これらの亜鉛合金被膜鋼材の2mm厚板材のプレス切断端面に対して樹脂塗膜槽3を形成しても耐食性はそれほど改善しない。
【0022】
また、純亜鉛被膜では、耐食性は亜鉛の自己犠牲被膜の厚さに一義的に依存するが、プレス切断端面に流動する亜鉛の絶対量が、バルクでの亜鉛付着量に比べてはるかに少ないので、端面の耐食性に問題が生じる。
【0023】
本発明者は、ZnにAlおよびMgを添加したZn−6Al−3Mg系合金めっき被膜では、めっき層2自体の耐食性が向上するとともに、プレスによる切断端面の耐食性も劣化しないことを見出した。また、耐食性に対する念入りな調査の結果、赤錆発生の要因に関し、バルク亜鉛合金めっき層の厚みと、鋼材の板厚が関係していることを見出した。すなわち、Zn−6Al−3Mg系合金めっきでは、2mm厚み以下のめっき被膜鋼材に対して90g/m以上のめっき付着量とすることにより、塩水噴霧試験において1000時間以上経過しても端面に赤錆が発生しないことがわかった。
【0024】
Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜鋼材のプレス切断端面が良好な耐食性を示す理由は必ずしも明確ではないが、ダレによるアール5およびエッジ6からMgおよびAlを含むイオンが暫時浸透し、ついには全端面を覆うからではないかと思われる。
【0025】
上記樹脂塗膜層3を構成する樹脂塗料としては、各種のものを用いることができる。例えば、常温乾燥性のもので、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の単一もしくは複数成分で構成される樹脂でも構わないが、防食性に優れている点で、エポキシ樹脂を主成分とする塗料が特に好ましい。これらの樹脂塗料は、適正な顔料の添加により、上述した亜鉛系合金メッキの外観との色調調和を図ることができる。
【0026】
図5は、支受プレート11および土台プレート13を製造する工程を説明する図である。図5(A)に示すように、表面8および裏面9に上述しためっき層2が形成されためっき鋼板17を、ポンチ23およびダイス24を使用してプレスにより貫通穴10を形成する。これにより、上記貫通穴10の表面8側の開口端縁にはアール5が形成され、裏面9側の開口端縁にはエッジ6が形成される。また、表面8から表面側の1/4〜1/5程度にめっき層2が流動して覆われる。
【0027】
このとき、周囲の端面部も同時に同様のプレスにより形成するので、側端面4の表面8側の端縁にはアール5が形成され、裏面9側の端縁にはエッジ6が形成される。また、側端面4も同様に、表面8から表面側の1/4〜1/5程度にめっき層2が流動して覆われる。
【0028】
図示しないが、支受プレート11、土台プレート13の側端面や、ターンバックル部16の上部端面、下部端面についても、プレス機による切断加工の際に、上述した塑性流動によるめっき層2の被覆現象がみられ、良好な耐食性を発揮する。
【0029】
この加工の後、例えば、スプレー塗布やディッピング等により樹脂塗料を塗布して樹脂塗膜層3を形成することが行なわれる。上記樹脂塗膜層3により、端面耐食性の確保や外観色調の調整を行うことができる。この場合、半組み立て状または完全組み立て状で端面のみにはけ塗り等で樹脂塗膜層3を形成することもできる。
【0030】
このように、上記支受プレート11および土台プレート13は、例えば、表面8および裏面9にめっき層2が形成された亜鉛めっき鋼板をプレス成形することにより、所定の形状に成形するとともに対象物に固定するための貫通穴10を形成する。このとき、ポンチ23とダイス24を用いたプレスによって貫通穴10を形成する際に、表面8または裏面9から貫通穴10の開口端面7にめっき層2が流動し、開口端面7の一部までめっき層2が形成される。
【実施例】
【0031】
例えば、本発明に係る土台プレート13を得る場合、1.6〜2mm厚みの鋼材に、約10μm以上のZn−6Al−3Mg系合金めっき被膜が施された鋼材を用い、プレス機のダイス24にて切断、曲げ加工、穴あけを行なって成形する。このとき、端面の肩部がダレでアール5が形成され、上記めっき層2が塑性流動により端面に向かって一部移動し、端面の一部を覆う現象が起こる。このような土台プレート13をJIS Z237の塩水噴霧試験にかけたところ、噴霧開始後24時間以内で、切断端面の一部に細かな赤錆が発現するが、それ以上継続しても赤みが増大することはなく、48時間経過後は、赤い部分は黒色化し、以降1000時間を超えても黒色部にほとんど変化は見られなかった。
【0032】
この現象と耐食性保持の理由は、以下のように考察される。すなわち、上記土台プレート13、支受プレート11、ターンバックル部16のように、鋼材の板厚が2mm以下の場合には、プレスの際のダレ現象で肩部から端面上部に移行しためっき層2から、腐食環境下の時間経過とともに、めっき金属中の有価元素イオンがめっき層2のない表面の酸化層に拡散浸透してゆき、最終的に全表面を覆うためと考えられる。
【0033】
以上のように、本実施形態の金属製床束は、上記支受プレート11および土台プレート13は、対象物に固定するための貫通穴10が形成されるとともに、表面8および裏面9にめっき層2が形成され、上記めっき層2は、表面8または裏面9から貫通穴10の開口端面7の一部にわたって形成されている。これにより、従来のような表面処理を何重も重ねる必要はなくなり、耐食性に優れるとともに、低コストな金属製床束を得ることができる。
【0034】
また、支受プレート11、土台プレート13およびターンバックル部16のそれぞれが、Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜鋼材をプレス成形するだけで加工を終えるので、表面処理工程を省略することができ、コスト的なメリットが極めて大きい。また、上述したように、プレス加工の端面には、時間の経過とともに、亜鉛合金がめっき層2のない端面に拡散浸透してついには全面を覆うと思われ、良好な耐食性を発揮する。
【0035】
上記土台プレート13、支受プレート11およびターンバックル部16の板厚方向の端面に、樹脂塗膜層3が形成されている場合には、上記端面のめっき層2が存在しない部分に樹脂塗膜層3を形成して耐食性を確保でき、成形後は樹脂塗膜層3を形成する表面処理を行なうだけで、低コストに耐食性の優れた金属製床束を得ることができる。
【0036】
上記貫通穴10の開口端面7のめっき層2が存在しない部分に、樹脂塗膜層3が形成されている場合には、上記貫通穴10の開口端面7のめっき層2が存在しない部分に樹脂塗膜層3を形成して耐食性を確保でき、成形後は樹脂塗膜層3を形成する表面処理を行なうだけで、低コストに耐食性の優れた金属製床束を得ることができる。
【0037】
さらに、上記支受プレート11および土台プレート13の側端面4も同様に、表面8から表面側の数分の1から半分程度がめっき層2で覆われており、少なくとも側端面4のめっき層2が存在しない部分に、樹脂塗膜層3が形成されていることにより耐食性を確保でき、成形後は樹脂塗膜層3を形成する表面処理を行なうだけで、低コストに耐食性の優れた金属製床束を得ることができる。
【0038】
上記各実施の形態において、上記めっき層2、樹脂塗膜層3は、支受プレート11や土台プレート13だけでなく、ターンバックル部16をはじめ、ねじ棒14,15やナット18,ワッシャー19等、金属部の表面にすべて形成するのが好ましい。
【0039】
また、上述した例において、ねじ棒14,15、ナット18、ワッシャー19は、通常の亜鉛めっき等を施しためっき鋼材を用いることができる。これらは、一般的な流通品を使用することができ、表面処理費用に対するコスト的な付加が小さいからである。
【0040】
上記各実施の形態では、母材1を鋼から構成したが、特に限定するものではなく、各種の炭素鋼,合金鋼,特殊鋼,鉄等、鉄系の材料であれば各種の材質を用いることができる。また、めっき層2は、溶融めっきで形成されたものに限定するものではなく、電気めっきで形成されたものでもよい。また、樹脂塗料を塗布する方法は、例えば、スプレー塗布やディッピング等が行われるが、これに限定するものではなく、各種の手法が用いられる。
【0041】
また、上記実施の形態において、樹脂シート20をポリエチレン樹脂で形成することができるが、これに限定されるものではなく、天然ゴム,合成ゴム等の各種ゴム材料や、ウレタン系樹脂,シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料等各種の材料を用いることができる。
【0042】
また、上記実施形態において、ターンバックル部16は、円筒状や六角状のものを用いることができるが、これに限定する趣旨ではない。また、土台プレート13と高さ調節パイプとの間にねじ棒を設けたが、支持高さ全体の調節を土台プレート13と高さ調節パイプを直結させ、高さ調節パイプの長さおよび支受プレート11間に設けた支持棒と高さ調節パイプの長さ調節により高さ調節を行う方式を採用することもできる。
【0043】
また、上記実施の形態では、支受プレート11としてL字プレート状のものを用いた例を示したが、これに限定するものではなく、平プレート型やコ字状に形成することもできる。さらに、本実施形態の金属製床束は、戸建て住宅やマンションや集合住宅等において使用することができるが、これらに限定するものではなく、ベランダや庭,公園等屋外で床材等を張る場合にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態の金属製床束を示す斜視図である。
【図2】上記支受プレートを示す断面図である。
【図3】支受プレートおよび土台プレートの要部拡大断面図である。
【図4】支受プレートおよび土台プレートの要部拡大断面図である。
【図5】支受プレートおよび土台プレートの製造工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0045】
1 母材
2 めっき層
3 樹脂塗膜層
4 側端面
5 アール
6 エッジ
7 開口端面
8 表面
9 裏面
10 貫通穴
11 支受プレート
13 土台プレート
14 ねじ棒
15 ねじ棒
16 ターンバックル部
17 めっき鋼板
18 ナット
19 ワッシャー
20 樹脂シート
21 取付突起
22 くぎ挿通穴
23 ポンチ
24 ダイス
30 のり穴
31 アンカー穴
32 くぎ穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材が鉄系材料からなり、所定の設置面に設置された土台プレートと、床荷重を支受する支受プレートと、上記土台プレートと支受プレートの間で高さ調節をする高さ調節パイプとを備えた金属製床束であって、
上記土台プレート、支受プレートおよび高さ調節パイプは、Zn−6Al−3Mg系合金めっき被膜鋼材をプレス成形することにより形成されていることを特徴とする金属製床束。
【請求項2】
上記土台プレート、支受プレートおよび高さ調節パイプの板厚方向の端面に、樹脂塗膜層が形成されている請求項1記載の金属製床束。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−116731(P2010−116731A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290991(P2008−290991)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(598124249)エア・ウォーター・マッハ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】