説明

鉄板焼装置

【課題】筐体内に配設されたガスバーナー等を容易に取り外し可能とした鉄板焼装置を提供する。
【解決手段】筐体2と筐体2の内部に配設したバーナーユニット3を具備し、バーナーユニット3は、ガスバーナー5と、ガス供給管7と、ガスコック9を固定するとともにレバー13を上方に突設した取付ベース4を具備し、筐体2は、ガス供給管7を挿入可能な略U字状のガス管挿入溝204と、ガスコック9の軸902を挿入可能な略U字状のガスコック挿入溝205を有し、ガス管挿入溝204にガス供給管7を挿入するとともにガスコック挿入溝205にガスコック9の軸902を挿入することでバーナーユニット3を筐体2の内部に配設し、前記レバー13を上方に持ち上げることで、バーナーユニット3を筐体2の内部より取り外し可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小型の鉄板焼装置に係り、より詳しくは、筐体内に配設されたガスバーナー等を容易に取り出し可能とした鉄板焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、卓上用等の小型の鉄板焼装置は、筐体内にガスバーナーを備えた形態としており、ガスバーナーに連結されるガス供給管やガスコックは、筐体の側壁に形成した孔を介して、ガスバーナーに連結されている。
【0003】
即ち、図5が従来の小型鉄板焼装置31の内部構造を示す斜視図であり、図において32が筐体である。そして、この筐体32は、上方を開口とした箱型形状としており、側壁にはガス燃焼用の二次空気供給孔3201が多数個形成され、その内部には、略U字状としたガスバーナー33が配設されている。
【0004】
また、この鉄板焼装置31では、先端部がガスホースに連結されるガス供給管34を備えており、このガス供給管34は、前記筐体32の側壁に形成した小孔3202を介してその基端部が筐体32の内部に挿入され、筐体32の内部に挿入された基端部が前記ガスバーナー33に連結されている。
【0005】
更に、鉄板焼装置31では、前記ガスバーナー33の点火やガス量を調整するためのガスコック35が備えられており、このガスコック35は、つまみ部分が筐体32の外部に配設され、その軸部分は、前記筐体32の側壁に形成した小孔孔を介して筐体32の内部に挿入されるとともに、筐体32の内部に挿入された軸部分が前記ガスバーナー33に連結されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、鉄板焼装置を用いて鉄板焼等の調理を行うと、カス、油、肉汁等が筐体内に落下あるいは浸透してしまうため、衛生上の観点からも、使用後は特に筐体内部の掃除が必要である。そしてそのとき、筐体内の掃除を容易にするためにはガスバーナーを筐体から取り外すことが望ましい。
【0007】
しかしながら、前述したように、従来の鉄板焼装置では、小孔を介して、筐体の外部に配設されるガス供給管やガスコックを筐体の内部に配設されるガスバーナーに連結しているために、ガスバーナーを筐体より取り外すことは容易でなく、そのため、ガスバーナーを装備した状態で筐体内の掃除をすることになり、掃除の手間がかかってしまうという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明は、筐体内に配設されたガスバーナー等を容易に取り外し可能として、これにより筐体の掃除を容易にした鉄板焼装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の鉄板焼装置は、筐体と、該筐体の内部に配設したバーナーユニットと、を具備した鉄板焼装置であって、
前記バーナーユニットは、ガスバーナーと、該ガスバーナーにガスを供給するためのガス供給管と、前記ガスバーナーに点火するとともに前記ガスバーナーへ供給するガス量を調整するためのガスコックと、前記ガスバーナー、ガス供給管、ガスコックを固定するとともにレバーを上方に突設した取付ベースと、を具備し、
前記筐体は、前記ガス供給管を挿入可能な略U字状のガス管挿入溝と、前記ガスコックの軸部分を挿入可能な略U字状のガスコック挿入溝を有し、
前記ガス管挿入溝に前記ガス供給管を挿入するとともに、前記ガスコック挿入溝に前記ガスコックの軸を挿入することで前記バーナーユニットを筐体の内部に配設し、
前記レバーを上方に持ち上げることで、前記バーナーユニットを前記筐体の内部より取り外し可能とした、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の鉄板焼装置では、ガスバーナーと、このガスバーナーにガスを供給するためのガス供給管と、前記ガスバーナーに点火するとともに前記ガスバーナーへ供給するガス量を調整するためのガスコックとを取付ベースに固定することでバーナーユニットを構成するとともに、取付ベースには上方に向けてレバーを突設し、一方、前記筐体には、前記ガス供給管を挿入可能な略U字状のガス管挿入溝と、前記ガスコックの軸部分を挿入可能な略U字状のガスコック挿入溝を形成し、前記ガス管挿入溝に前記ガス供給管を挿入するとともに、前記ガスコック挿入溝に前記ガスコックの軸を挿入することで、前記バーナーユニットを筐体の内部に配設し、レバーを上方に持ち上げることのみでバーナーユニットを筐体内から取り外すことを可能にしている。
【0011】
そのため、本発明では、容易にガスバーナーを取り外すことができ、それにより、使用後の筐体の掃除を極めて容易としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の鉄板焼装置では、筐体を備えており、この筐体の内部にバーナーユニットを配設している。
【0013】
そして、バーナーユニットは、ガスバーナーと、このガスバーナーにガスを供給するためのガス供給管と、ガスバーナーに点火するとともにガスバーナーへ供給するガス量を調整するためのガスコックを有しており、これらの構成部品は、上方に突設したレバーを有する取付ベースに固定している。
【0014】
一方、前記筐体は、前記ガス供給管を挿入可能な略U字状のガス管挿入溝と、ガスコックの軸部分を挿入可能な略U字状のガスコック挿入溝を有している。
【0015】
そして、前記ガス管挿入溝に前記ガス供給管を挿入するとともに、前記ガスコック挿入溝に前記ガスコックの軸を挿入する形態で、前記バーナーユニットが筐体の内部に配設され、これにより、前記レバーを上方に持ち上げることのみで、前記バーナーユニットを前記筐体の内部より取り外し可能としている。
【0016】
ここで、前記筐体における上端部分に、鉄板を支持するための鉄板支持部材を係止するとともに、この鉄板支持部材は、筐体の上端部分に係止される屈曲部と、この屈曲部の先端に上方に向けて連設した、鉄板を載置するための載置部と、前記屈曲部の下端部分連設した、前記筐体の内部に挿装されるとともに前記筐体の底部に固着される略L字状の支柱部とで構成するとよく、これにより、筐体内にガス燃焼用の二次空気を容易に供給することが可能となる。
【実施例1】
【0017】
本発明の鉄板焼装置の実施例について図面を参照して説明すると、図1及び図2は、本実施例の鉄板焼装置の構成部品を示す斜視図であり、本実施例の鉄板焼装置は、筐体内にバーナーユニットを配設するとともにガスバーナーの上方に載置される鉄板とを有して構成されている。
【0018】
即ち、図1において2が筐体であり、本実施例において前記筐体2は、上方を開口とした、平面視野を長方形状とした箱型としており、その内部は、隔壁16によって、燃焼室201と制御室202とに区分けされている。
【0019】
また、前記燃焼室201の上方には鉄板15が載置され、前記制御室202の上方は保護カバー17で閉鎖されている。そして、前記鉄板15は、図4に断面図で示すように、周縁部を残して下側に僅かに窪ませた盆状の形態としている。
【0020】
なお、図1において203は、ガス燃焼用の二次空気を筐体2内に導入するための空気供給孔であり、この空気供給孔203は、前記燃焼室201の側壁に多数個形成しており、本実施例においては、横長の空気供給孔とこの横長の空気供給孔の下方に形成した複数本の縦長の空気供給孔とを組として、この組を、燃焼室201の側壁3面に2組ずつ形成している。
【0021】
次に、図1において14は、前記鉄板15を支持するための鉄板支持部材である。即ち、本実施例の鉄板焼装置では鉄板15を支持するための鉄板支持部材14を具備しており、これにより、鉄板15と筐体2との間にガス燃焼用の二次空気を供給可能な空間を確保している。
【0022】
ここで、前記鉄板支持部材14について説明すると、本実施例において前記鉄板支持部材14は、略L字状とした支柱部1403を有しており、この支柱部1403の下側が前記筐体2の底部に固定されている。
【0023】
そして、前記支柱部1403の先端部には、略直角方向に向けて屈曲部1402が連設されており、この屈曲部1402が前記筐体2の上端部に係止されている。
【0024】
また、前記屈曲部1402の先端部には、斜め上方向に向けて載置部1401が連設されており、この載置部1401の先端上に前記鉄板15を載置可能としている。
【0025】
そして、本実施例においては、このように構成される鉄板支持部材14を前記燃焼室201の側壁の4箇所に設置し、これにより、鉄板支持部材14に前記鉄板15を載置した際に、鉄板15と鉄板支持部材14における載置部1401が当接している箇所以外の箇所において、鉄板15と筐体2の上端との間に、ガス燃焼用の二次空気を供給可能な空間を確保している。
【0026】
次に、前記バーナーユニットについて説明すると、図2が前記バーナーユニットを示す斜視図であり、また、図3は、前記バーナーユニットの構成部品のみを上方から示した図であり、図において3がバーナーユニットである。そして、本実施例において前記バーナーユニット3は、ガスバーナーと、このガスバーナーを機能させるための各種の部品を取付ベースに固定して構成されている。
【0027】
即ち、図において4が取付ベース4であり、本実施例において前記取付ベース4は、ステンレス製の平板状としており、この取付ベース4には、略L字状としたガスバーナー5が固定され、このガスバーナー5には、胴管6を介して、前記ガスバーナー5にガスを供給するためのガス供給管7が連結されている。
【0028】
また、前記取付ベース4の端部には、固定板8が上方に向けて突設されており、この固定板8に前記胴管6が固定されている。
【0029】
次に、図において9はガスコックである。即ち、本実施例の鉄板焼装置1では、前記ガスバーナー5の点火、及び、ガスバーナー5から放出するガス量を調節するためのガスコック9を備えている。そして、このガスコック9は、図3に示されるように、つまみ部901と、このつまみ部901に連結された軸902とを具備しており、軸部902は、前記固定板8を貫通しつつ前記胴管6に連結され、前記胴管6内において、前記つまみ部901を開の方向に回すことで、前記ガスバーナー5と前記ガス供給管7が連通してガスバーナー5にガスが供給される構造としている。
【0030】
また、本実施例の鉄板焼装置では、前記ガスバーナー5に点火するための点火用ガスを噴射するための点火ノズル11と、該点火ノズル11から噴射された点火用ガスに点火するための点火プラグ12を備えており、これらの点火ノズル11及び点火プラグ12は、いずれも前記取付ベース4に固定されている。そして、前記点火ノズル11は、前記胴管6内において、前記ガス供給管7に連結され、また前記点火プラグ12は、前記胴管6内において、ガスコック9における軸902の回転に連動して作動し、これにより、前記つまみ部901を開の方向に回すことで、点火ノズル11から点火用ガスが噴射するとともに点火プラグ12から火花が飛び出し、前記ガスバーナー5から放出されたガスに点火することを可能としている。
【0031】
更に、本実施例の鉄板焼装置では、前記ガスバーナー5の炎の立ち消えを感知するためのサーモカップル12を備えており、このサーモカップル12は、前記ガスバーナー5の基端部近傍に配置されるとともに、胴管6内において、ガスバーナー5の炎の立ち消えを感知した際に前記ガス供給管7からのガスの供給を遮断可能としている。
【0032】
なお、前記点火ノズル11、点火プラグ12、及びサーモカップル13はいずれも、従来から鉄板焼装置等において用いられているものであるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
次に、図において13はレバーである。即ち、本実施例の鉄板焼装置では、前記取付ベース4にレバー13を装着しており、このレバー13は、前記取付ベース4に固定される装着部1301と、この装着部1301に略直角に情報に向けて連設された胴部1302と、この胴部1302に略直角に反固定板8側に向けて連設された把手部1303とを有しており、把手部1303が前記取付ベース4の面とほぼ平行になる配置としている。そしてこれにより、レバー13を上方に持ち上げることのみで、取付ベース4を上方に持ち上げることを可能にし、即ち、バーナーユニット3の全体を持ち上げることを可能としている。
【0034】
次に、前記隔壁16について説明すると、図1において、前記隔壁16には、前記ガスバーナー5の基端部分が挿入されるバーナー挿入溝1601と、前記点火ノズル11から放出された点火用の炎を通過させるための窓部1602が形成されている。
【0035】
また、前記筐体2における、制御室202内の側壁2箇所には、前記ガス供給管7を挿入可能な略U字状としたガス管挿入溝204と、前記ガスコック9の軸902を挿入可能な略U字状としたガスコック挿入溝205が形成されている。
【0036】
そして、本実施例の鉄板焼装置では、前記ガス管挿入溝204に前記ガス供給管7を挿入するとともに、前記ガスコック挿入溝205に前記ガスコック9の軸902を挿入し、更に、バーナー挿入溝1601に前記ガスバーナー5の基端部分を挿入することで、前記バーナーユニット3を筐体2の内部に配設しており、これにより、前記レバー13を上方に持ち上げることのみで、前記バーナーユニット3を前記筐体2の内部より取り外し可能としている。
【0037】
次に、このように構成される本実施例の鉄板焼装置の作用について説明すると、本実施例の鉄板焼装置において前記筐体2の掃除をする場合には、鉄板15及び保護カバー17を外した後に、レバー13を上方に持ち上げる。
【0038】
そうすると、それによりバーナーユニット3の全体を前記筐体2の内部から取り出すことができ、これにより、ガスバーナー5に邪魔されることなく筐体2の掃除を行うことができる。
【0039】
このように、本実施例の鉄板焼装置では、ガスバーナー5とこのガスバーナー5を機能させるための部品を、レバー13を有する取付ベース4に固定してバーナーユニット3を構成するとともに、前記筐体2には、前記ガス供給管7を挿入可能な略U字状のガス管挿入溝204と、前記ガスコック9の軸部分902を挿入可能な略U字状のガスコック挿入溝205を形成し、前記ガス管挿入溝204に前記ガス供給管7を挿入するとともに、前記ガスコック挿入溝205に前記ガスコック9の軸902を挿入することで前記バーナーユニット3を筐体2の内部に配設し、レバー13を上方に持ち上げることのみでバーナーユニット3を筐体2内から取り外すことを可能にしているため、容易に筐体内を空にすることができ、それにより、使用後の筐体の掃除が極めて容易である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の鉄板焼装置は、ガスバーナーの取り外しを容易にすることで使用後の掃除を容易にしているため、ガスバーナーを備えた加熱調理器具の全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の鉄板焼装置の実施例を構成する部品の分解斜視図である。
【図2】本発明の鉄板焼装置の実施例を構成するバーナーユニットの斜視図である。
【図3】本発明の鉄板焼装置の実施例を構成するバーナーユニットの構成部品を上方から示した図である。
【図4】図1のA−A線断面図であり、本発明の鉄板焼装置の実施例を構成する鉄板を示している。
【図5】従来の鉄板焼装置の内部構造を説明するための図である。
【符号の説明】
【0042】
1 鉄板焼装置
2 筐体
201 燃焼室
202 制御室
203 二次空気供給孔
204 ガス管挿入溝
205 ガスコック挿入溝
3 バーナーユニット
4 取付ベース
5 ガスバーナー
6 胴管
7 ガス供給管
8 固定板
9 ガスコック
901 つまみ部
902 軸
10 点火ノズル
11 点火プラグ
12 サーモカップル
13 レバー
14 鉄板支持部材
1401 載置部
1402 屈曲部
1403 支柱部
15 鉄板
16 隔壁
1601 バーナー挿入溝
1602 窓部
17 保護カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(2)と、該筐体(2)の内部に配設したバーナーユニット(3)と、を具備した鉄板焼装置であって、
前記バーナーユニット(3)は、ガスバーナー(5)と、該ガスバーナー(5)にガスを供給するためのガス供給管(7)と、前記ガスバーナー(5)に点火するとともに前記ガスバーナー(5)へ供給するガス量を調整するためのガスコック(9)と、前記ガスバーナー(5)、ガス供給管(7)と、ガスコック(9)を固定するとともにレバー(13)を上方に突設した取付ベース(4)と、を具備し、
前記筐体(2)は、前記ガス供給管(7)を挿入可能な略U字状のガス管挿入溝(204)と、前記ガスコック(9)の軸(902)を挿入可能な略U字状のガスコック挿入溝(205)を有し、
前記ガス管挿入溝(204)に前記ガス供給管(7)を挿入するとともに、前記ガスコック挿入溝(205)に前記ガスコック(9)の軸(902)を挿入することで前記バーナーユニット(3)を前記筐体(2)の内部に配設し、前記レバー(13)を上方に持ち上げることで、前記バーナーユニット(3)を前記筐体(2)の内部より取り外し可能とした、ことを特徴とする鉄板焼装置。
【請求項2】
前記筐体(2)における上端部分に、筐体(2)の上端部分に係止される屈曲部(1402)と、該屈曲部(1402)の先端に上方に向けて連設した、鉄板(15)を載置するための載置部(1401)と、前記屈曲部(1402)の下端部分に連設した、前記筐体(2)の内部に挿装されるとともに前記筐体(2)の底部に固着される略L字状の支柱部(1403)とを具備した鉄板支持部材(14)を係止したことを特徴とする請求項1に記載の鉄板焼装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−131346(P2009−131346A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308320(P2007−308320)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(597161584)
【Fターム(参考)】