説明

鉛直ローラを含む搬送システム

直線、曲線、水平、傾斜及び下方に傾斜した搬送セクションを含む搬送路に沿って物品を搬送するための搬送システム。物品は、対の鉛直ベルトから延在する突起により支持されつつ、対の鉛直ベルト間で搬送される。鉛直ベルトは、多数の鉛直ローラを用いてガイドされ、鉛直ローラは、直線、曲線及び動的に変化する搬送セクションへと構成可能である。多数の搬送セクションは、複雑な長距離経路に亘って物品を搬送するために、端部が互いに連結されることができる。搬送される物品は、半導体ウエハを含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路に沿って物品を搬送するための搬送システム及び方法に関し、幾つかの実施例では、半導体製造工場における半導体ウエハの搬送に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送システムは、ワークステーション間で物品を搬送するために産業製造施設で広く採用されている。最初は、これらのシステムは、手動であり、作業者は、手やカートで物品を動かしていた。現代の工場は、物品を自動的に搬送する専用化された設備を開発した。特に、半導体製造工場は、近年、製造プロセス中にウエハを移動させるために自動搬送システムを使用する。典型的には、ウエハのバッチは、FOUP(Front Opening Unified Pod)として知られる容器内で共に搬送されることができる。半導体ウエハ製造業者は、ウエハを過剰な汚れ、振動若しくは過大な加速及び減速力に晒すことなく機械間でウエハを効率的に搬送する搬送システムを用いることによって、生産性を高めようとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の搬送システムは、振動を削減するために車両ベースの装置を採用するが、当該システムの容量は、利用可能な車両の数により制限される。これを解決するために、トランスポータが用いられ、そこでは、物品は、例えばローラ上の搬送ベルトの水平面に載って直接的に搬送され、若しくは直接ローラ上で直接的に搬送される。かかる1つの搬送システムが図1Aに示される。これらの既存のシステムの共通の特徴は、物品が上に載って移動する表面から、搬送されている物品を振動的に隔離する困難性である。物品が上に載って移動する表面が平らで無い場合、物品は、搬送中に振動を受ける。振動源は、半導体ウエハ製造工業における知られた問題である。例えば、図1Aに示すように、水平ローラ110は、水平ベルト130が上に載せられる円形の表面120を含む。水平ベルト130は、長さ方向140、長い断面軸150、及び短い断面軸160で特徴付けられることができる。長い断面軸150及び短い断面軸160は、長さ方向に垂直であり、それぞれ、水平面内及び鉛直面内に配置される。FOUP170の重量は、図1Bに示すように、水平ベルト130の短い断面軸160を通って円形の表面120上へと伝達される。水平ベルト130は、FOUP170の重量が負荷される短い断面軸160で柔軟であり、水平ローラ110により連続的に支持されていないので、水平ベルト130の高さは水平ローラ110間で変化する。この不均一性は、振動限界内に保ちつつFOUP170を搬送することができる速度を制限する。
【0004】
半導体ウエハ製造産業で使用される既存の搬送システムでのその他の問題点は、FOUPのような物品の搬送方向を、その動きを瞬間的に停止させることなく、変化若しくは回転させることの困難性である。
【0005】
それ故に、製造工場内で物品を搬送するための改善されたシステム及び方法に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、種々の実施例において、直線、曲線、水平、傾斜及び/又は下方に傾斜した搬送セクションを含む搬送路に沿って物品を搬送するための搬送システムを含む。物品は、搬送方向に動きを提供するために回転する円形表面を有する略鉛直方向のローラ間で搬送される。鉛直方向に向けられたベルトは、任意的に、鉛直ローラと物品の間に配置される。幾つか実施例では、鉛直ベルトは、鉛直ローラの回転軸に略垂直な短い断面軸及び鉛直面に略平行な長い断面軸を含む。搬送される物品の重量は、鉛直軸に平行な方向で指示される。かくして、重量は、鉛直ローラの鉛直の回転軸に略平行な方向に向けられ、鉛直ローラの円形表面で支持する必要が無い。この構成は、不均一な円形表面から物品の重量を離隔することを可能とする。
【0007】
鉛直ベルトを含むこれらの実施例では、搬送される物品の重量は、任意的に、鉛直ベルトの長い回転軸を介して更に支持される。例えば、鉛直ベルトは、任意的に、重量を支持する長い断面軸を通る方が、短い断面軸を通る場合よりも剛性が高い。これは、支持ポイント(例えばローラ)間の鉛直ベルトの高さの変動が、先行技術による水平ベルトの高さの変動に比べて、小さくなる結果を生む。本発明のシステムは、それ故に、典型的には、先行技術による搬送路における低減された不均一性を含んでいた。種々の実施例では、この低減された不均一性は、半導体ウエハを含むFOUPのような物品が、振動限界内に留まりつつ先行技術の場合よりも高速で搬送されることを可能とする。
【0008】
種々の実施例では、物品は、第1及び第2のベルトから延在する1つ以上の支持突起によって第1及び第2の鉛直ベルトにより支持される。物品の重量は、鉛直ベルトに支持突起を介して伝達される。種々の実施例では、支持突起、鉛直ベルト及び鉛直ローラは、物品に選択的に係合及び非係合するように構成される。幾つかの実施例では、支持突起は、半導体製造工場内で半導体ウエハを搬送するために用いられるFOUPを支持するように特別に構成される。
【0009】
搬送システムは、任意的には、別々の鉛直ベルト及び/又は別々の鉛直ローラのセットをそれぞれ含む幾つかの搬送セクションを含む。個々の搬送セクション内では、鉛直ローラは、任意的には、曲線経路で構成され、物品が湾曲した搬送路に沿って搬送されている際に物品が移動状態に留まることを可能とする。更に、個々の搬送セクション内では、鉛直ローラは、任意的には、傾斜若しくは下方に傾斜した経路に構成され、物品の高さが変化されることを許容する。鉛直ベルトを含まない実施例では、物品は、典型的には、鉛直ローラと直接接触することによって搬送される。
【0010】
本発明の種々の実施例は、搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトと、第1及び第2のベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラと、物品の重量を支持するように構成された複数の支持突起とを含む、システムを含む。
【0011】
本発明の種々の実施例は、鉛直ローラに結合されるように構成された第1の表面を有する搬送ベルト、搬送路で搬送ベルトを駆動するように構成された鉛直ローラ、搬送ベルトにより搬送路に沿って搬送されている物品の重量を支持するように構成された支持突起、及び、物品からの力に反応して支持突起が動くことを可能とし従ってショックアブソーバとして搬送ベルトが動作することを可能とするように構成された可撓性材料を含む。
【0012】
本発明の種々の実施例は、物品を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含む搬送セクション上に、物品を載せるステップと、第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って物品を搬送するステップと、物品を取り出すステップとを含む、方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のより完全な理解のためと、更なる特徴及び効果のより完全な理解のため、添付図面と連携して次の説明が参照される。
【0014】
本発明の種々の実施例は、FOUPのような物品を自動的に搬送するための改善されたシステム及び方法を含む。例えば、幾つかの実施例は、搬送方向に物品を進ませる鉛直ローラの使用を含む。先行技術との比較時、鉛直ローラの使用は、物品のより均一な支持を可能とし、従って、改善された振動管理を可能とする。種々の実施例では、鉛直ローラの使用は、直線、傾斜、下向きに傾斜、曲線(例えば湾曲)、及び/又は動的に変化する搬送路に沿った物品の搬送を可能とする。
【0015】
鉛直ベルト(搬送ベルト)は、任意的に、搬送されるべき物品と鉛直ローラの間に配置される。幾つかの実施例では、鉛直ベルトは、先行技術のような短い断面軸とは対照的に、長い鉛直断面軸を通して物品の重量を支持するように構成される。長い断面軸を通して支持することによって、支持が短い断面軸を通して提供されるシステムに比べて、より剛性が高く、従ってより均一な支持を提供することができる。幾つかの実施例では、このより均一な支持は、振動限界内に止めつつ、先行技術のシステムよりも大きい速度で物品を搬送するために使用される。幾つかの実施例では、鉛直ベルトは、搬送中の物品の振動を低減するように構成された可撓性材料を含む。
【0016】
種々の実施例では、物品は、鉛直ベルトから略水平方向に延在する突起により支持される。これらの実施例では、物品の重量は、鉛直ベルトの長い断面軸を通って支持突起から伝達される。例えば、幾つかの実施例は、FOUPを支持するように構成された支持突起を含む。支持突起のサイズ及び間隔は、任意的に、各鉛直ベルトからの1つ以上の突起が物品に支持を提供するように構成される。幾つかの例では、支持突起は、支持突起上で物品が僅かに動くことを可能とするテフロン(登録商標)のような低摩擦材料を含む。幾つかの実施例では、支持突起は、大きい加速及び/又は減速中のすべりを低減する高摩擦材料を含む。
【0017】
種々の実施例では、鉛直ベルトは、物品が支持突起上に配置されたときに撓み、変形し、曲がり若しくは形状変化するように構成される可撓性材料を含む。この可撓性材料は、衝撃吸収特性を有してよく、搬送されている物品の表面の不規則性の影響を低減するように作用してもよい。例えば、幾つかの実施例では、可撓性材料は、FOUPの重量を支持するときに支持突起が鉛直に動くことを可能とするように構成される。可撓性材料は、プラスティックやゴムのようなポリマー含んでよい。
【0018】
種々の実施例では、鉛直ベルトは、低摩擦摺動面、精密に離間された水平ローラのアレイ、鉛直ローラの支持リップ若しくはその類により支持される。幾つかの実施例では、鉛直ベルトは、鉛直ローラ内のV字溝若しくはノッチ内に部分的に嵌合されるように構成され、このV字溝若しくはノッチ内の表面により支持される。
【0019】
幾つかの実施例は、搬送システムに対する物品の移動を制限するように構成される保持リップを含む。この保持リップは、支持突起の一部であってよいし、鉛直ベルトに結合される別の突起であってよいし、若しくは、固定の支持構造に取り付けられてもよい。保持リップは、任意的に、FOUPを制限して加速及び減速中の転倒を防止するように構成される。
【0020】
鉛直ローラ及び/又は鉛直ベルトの位置により決定される搬送路は、直線、曲線、傾斜、下向きに傾斜、及び/又は動的に可変であってよい。例えば、幾つかの実施例では、鉛直ローラは、可動マウントに結合され、搬送路を変化させるために種々の異なる位置間で移動するように構成される。幾つかの実施例では、鉛直ローラは、物品を搬送している間に移動するように構成される。
【0021】
図2Aは、一般的に240が付される搬送セクションを示し、搬送セクション240は、第1の鉛直ベルト210、第2の鉛直ベルト220、及び、任意的な支持突起230を含む。搬送セクション240は、FOUP170のような物品を搬送するように構成され、別の搬送セクション240の多数の例で構成されてもよい。第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、幾つかの実施例では任意の要素である。
【0022】
第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、任意的に、鉛直軸260に沿って剛性が高く水平軸270に沿って剛性が低い材料を含む。鉛直軸260は、第1の鉛直ベルト210の長い断面軸に平行であり、水平軸270は、第1の鉛直ベルト210の短い断面軸に平行である。長い断面軸及び短い断面軸は第1の鉛直ベルト210の長さ方向に垂直であり、第1の鉛直ベルト210の長さ方向は、搬送方向280に平行である。典型的な実施例では、FOUP170の重量は、鉛直軸260の方向で支持され、従って、剛性の高い第1の鉛直ベルト210の長い断面軸を通して支持される。
【0023】
第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、それぞれ、複数の鉛直ローラ290A及び複数の鉛直ローラ290Bにより搬送方向280に別々に若しくは協動してそれぞれ駆動される。鉛直ローラ290Aは、鉛直ローラ290Bから離間され、FOUP170が第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220の間に支持されることができるようにする。鉛直ローラ290A及び鉛直ローラ290Bが沿って配置される経路は、FOUP170が移動する搬送路を画成する。鉛直ローラ290A及び鉛直ローラ290Bの選択的な配置を介して、直線若しくは曲線の搬送路が画成されてもよい。多種多様な搬送セクションのような、多様な搬送セクションを用いて、FOUP170は、複雑な多様な搬送路に沿って搬送されることができる。典型的には、搬送セクションの各端部では、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、それぞれ、一例の鉛直ローラ290A及び鉛直ローラ290Bまわりに巻回される。これは、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220が水平軸270で柔軟であることから可能である。
【0024】
典型的な実施例では、1つ以上の支持突起230は、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220のそれぞれに取り付けられる。支持突起230は、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220から延在し、また、搬送される物品の重量が第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220の長い断面軸に沿って支持されるように、任意的に構成される。図2Bは、図2Aの一部であり、FOUP170、第2の鉛直ベルト220、支持突起230及び鉛直ローラ290Bの1つの更なる詳細を示すために拡大されている。第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、鉛直ローラ290A及び鉛直ローラ290Bにより駆動(移動)されるので、支持突起230上に載る物品は、搬送方向280で搬送セクション240に沿って搬送される。
【0025】
図2Cは、更なる詳細な態様で、第1の鉛直ベルト210、鉛直軸260、水平軸270及び搬送方向280の間の関係を示す。
【0026】
図3は、搬送セクション240の上面視を示す。この図は、外形310で図示されたFOUP170が、どのようにして、第1の鉛直ベルト210、第2の鉛直ベルト220、鉛直ローラ290A及び290Bにより横方向(水平軸270内)で包囲されるかを示す。種々の実施例では、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220の鉛直面320は、390,415若しくは500ミリメートル(mm)以下の距離330だけ離間されている。従って、例えば390mmの幅であるFOUP170の一例は、ゼロ、25若しくは110mmよりも小さい横方向の移動自由度を有するか、若しくは、ゼロ、25若しくは110mmよりも大きい横方向の移動自由度を有する。本発明の幾つかの実施例は、搬送セクション240からFOUPを取り出すときにこの移動自由度内にFOUPを配置するように構成された3点キネマティックインターフェース(図示せず)を含む。
【0027】
図3は、外形310により支持されるFOUP170がどのようにして支持突起230上に載るかも示す。種々の実施例では、支持突起230は、鉛直面320から10,50、若しくは100mm以下の距離340で延在する。種々の実施例では、支持突起230は、10,50、若しくは100mm以上の距離でFOUP170の下方を延在する。
【0028】
第1の鉛直ベルト210に取り付けられた支持突起230は、多様な距離だけ互いに離間されてもよい。例えば、直線の搬送路に沿ってFOUP170を搬送するように構成された搬送セクション240の例では、支持突起230は、曲線の搬送路でFOUP170を搬送するように構成された搬送セクション240の例よりも離れている。種々の実施例では、第1の鉛直ベルト210に取り付けられた支持突起230の例は、互いに10,30若しくは100mm以下離間して配置される。一実施例では、支持突起230は、互いに接触する。この実施例では、支持突起230は、略連続した支持を形成する。
【0029】
図4A,4B,4C及び4Dは、第1の鉛直ベルト210、支持突起230及び鉛直ローラ290Aの代替実施例の断面図を示す。図示された実施例の第1の鉛直ベルト210、支持突起230及び鉛直ローラ290A−290Bからの多くの変形例が本開示の範囲内であることは、ここで図示された実施例から理解されるだろう。更に、第2の鉛直ベルト220及び鉛直ローラ290Bは、任意的に、第1の鉛直ベルト210及び鉛直ローラ290Aと同一に構成される。
【0030】
図4Aは、円形表面410及び支持表面420を含む鉛直ローラ290Aの一例を示す。この例の鉛直ローラ290Aは、鉛直回転軸430まわりに回転すると共に、支持表面420上に第1の鉛直ベルト210を支持するように構成される。支持表面420は、任意的に、鉛直ローラ290Aの外側縁部440に向けて下方若しくは上方にテーパ付けされ、任意的に、テフロン(登録商標)のような低摩擦材料からなる。支持表面420は、第1の鉛直ベルト210の重量を受け持ち、また、支持突起230を介して、FOUP170の重量を受け持つ。鉛直ローラ290Aは、図4Aに示すように、2つの側で第1の鉛直ベルト210を支持するように構成されてもよく、若しくは、単一の側で第1の鉛直ベルト210を支持するように構成されてもよい。例えば、異なる例の鉛直ローラ290Aが、第1の鉛直ベルト210がそのループ経路で戻るときに第1の鉛直ベルト210を支持するために使用される場合、鉛直ローラ290Aの例の一方側のみが第1の鉛直ベルト210を支持するために使用されてもよい。
【0031】
典型的な実施例では、支持突起230は、支持表面450上にFOUP170が載れるように構成される。支持表面450は、任意的に、鉛直面320に直角及び/又は平行な方向で屈曲されてもよい。支持表面450は、任意的に、低摩擦コーティング(図示せず)を含む。幾つかの実施例では、支持表面450は、第1の鉛直ベルト210の上側縁部465よりも距離460下方に配置される。従って、搬送される物品の部分は、第1の鉛直ベルト210の一部の下方に存在することができる。種々の実施例では、距離460は、ゼロ、10,20若しくは50mm以上である。
【0032】
図4Bは、第1の鉛直ベルト210及び多数の鉛直ローラ290Aの代替実施例の断面図である。これらの実施例では、鉛直ローラ290Aは、第1の鉛直ベルト210の部分475を受け入れるように構成されたV字溝470のようなノッチ若しくは溝を含む。V字溝470は、第1の鉛直ベルト210を支持するように構成された結合された円形/支持表面480を含む。これらの実施例では、支持表面420は不要とされてもよい。
【0033】
図4Cは、第1の鉛直ベルト210及び鉛直ローラ290Aの代替実施例の断面図である。これらの実施例は、任意的な捕捉リップ485及び鉛直ローラ290Aを含む。典型的には、捕捉リップ485は、図4A及び4Bにより示されるもののように、他の実施例に任意的に含まれてよい。捕捉リップ485は、第1の鉛直ベルト210に取り付けられ、FOUP170の鉛直方向の動きを規制するように構成される。捕捉リップ485は、任意的には、支持突起230に接続される。代替実施例では、捕捉リップ485は、任意的に固定型の、別の支持体(図示せず)に取り付けられる。
【0034】
支持体490は、第1の鉛直ベルト210を介してFOUP170の重量を支持するように構成される。幾つかの実施例では、支持体490は、第1の鉛直ベルト210がその上を摺動するように構成された固定の低摩擦面を含む。幾つかの実施例では、支持体490は、ボールベアリングのような回転要素や、水平方向に配置されるローラ(図示せず)を含む。これらの水平方向に配置されるローラは、任意的に、鉛直ローラ290Aよりも小さく且つより狭い間隔である。
【0035】
図4Dは、ベルト415及び多数の鉛直ローラ290Aの代替実施例の断面図である。ベルト415は、鉛直ベルト210の代替実施例である。これらの実施例では、ベルト415は、丸みのある(例えば円形若しくは楕円形)の断面を有し、鉛直ローラ290Aは、ベルト415を受け入れるように構成された溝425を含む。ベルト415が丸いので、長い断面軸及び短い断面軸が明らかでない。しかし、ベルト415が鉛直ローラ290A上に配置されるとき、ベルト415は、断面の鉛直面及び水平面に対して定義されることができる鉛直軸及び水平軸を依然として有する。
【0036】
ベルト415は、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220と同様、任意的に、搬送されている物品の振動を低減するように構成される可撓性材料を含む。種々の実施例では、この可撓性材料は、25Aと75Dの間の範囲のデュロメータ硬度のウレタン、シリコン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ゴム若しくはその類を含むことができる。可撓性材料は、連続的に柔軟性があってもよい。可撓性材料は、例えばベルト415に遠い側の支持突起230の縁部435の鉛直方向の動きを可能とすることによって、振動を低減する。この動きは、物品がベルト415に載せられるとき若しくはベルト415から取り出されるときや、支持表面450への物品の力(例えば重力)が変化するときや、ベルト415が曲線、傾斜若しくは下方に傾斜した経路に配置されたときに、生じうる。例えば、ベルト415の高さに不均一性がある場合、支持表面450への物品の力は物品が搬送されているときに変化しうる。この例では、縁部435若しくは支持表面450の動きは、当該力の変化の一部を吸収し、ベルト415は、ショックアブソーバとして機能する。
【0037】
第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、任意的に、ベルト415と同様の態様で振動を低減するように構成される。例えば、図4Aを参照するに、第1の鉛直ベルト210は、FOUP170が第1の鉛直ベルト210上に載せられるときに第1の鉛直ローラ290Aから離れる方向に上縁465が動くのを可能とするように構成された可撓性材料を含んでよい。この動きは、支持表面450の動きを生む。FOUP170が搬送される際、振動を起こしうる力は、第1の鉛直ベルト210により吸収されてもよい。上縁465にとって利用可能な移動自由度は、第1の鉛直ベルト210がショックアブソーバとして機能することを可能とする。
【0038】
図5は、曲線の搬送路を形成するように構成された搬送セクション510を含む搬送システム500の一実施例を示す。搬送セクション510は、任意的に、搬送セクション240の一実施例である。種々の実施例では、搬送セクション510の第1の鉛直ベルト210の内側の鉛直面320は、2.0,1.5若しくは1メートル以下の曲率半径520で配置される。幾つかの実施例では、搬送セクション510は、バンクが付けられる。これは、より急な曲率半径を可能とすることができる。搬送セクション510内では、第1の鉛直ベルト210は、典型的には、第2の鉛直ベルト220とは異なる速度で走行するように構成される。例えば、一実施例では、第1の鉛直ベルト210は、第2の鉛直ベルト220よりも遅い線速度で移動するように構成される。従って、搬送セクション510は、FOUP170を搬送する間に異なる速度で走行するローラ及びベルトを含んでよい。
【0039】
搬送セクション510を用いて、FOUP170は、減速無しで若しくは瞬間的な停止無しで回転されることができる。従って、FOUP170の移動方向は、減速無しで若しくは瞬間的な停止無しで変化されることができる。更に、1つ以上の例のFOUP170は、同時に搬送セクション510により回転されることができる。幾つかの搬送セクション510及び搬送セクション240を共に配設することによって、複雑な多様な曲線及び直線搬送路を構成することができる。幾つかの実施例では、搬送セクション510及び/又は搬送セクション240は、FOUP170が搬送路に沿って移動する際にFOUP170の地上高を変化させるように構成される。
【0040】
図6A及び6Bは、2つの異なる動的に互換性のある状態の搬送システム500の実施例を示す。これらの実施例は、形状を変化させることで代替的な搬送路に沿ってFOUP170を搬送するように構成される動的な搬送セクション610を含む。図6Aは、第1の状態を示し、この状態では、動的な搬送セクション610は、第1の例の搬送セクション240から第2の例の搬送セクション240への直線搬送路に沿ってFOUP170を搬送するように配置される。図6Bは、第2の状態を示し、この状態では、動的な搬送セクション610は、第1の例の搬送セクション240から第3の例の搬送セクション240への曲線搬送路に沿ってFOUP170を搬送するように配置される。第1の状態と第2の状態の間の遷移は、動的な搬送セクション610がFOUP170を搬送するために用いられている間に、自動的に実行されてもよく、任意的に実行される。従って、状態の変化は、FOUP170の搬送を停止させることなく実行されることができる。
【0041】
図6A及び6Bに示すように、動的な搬送セクション610の長さは、第1の状態と第2の状態で異なることができる。動的な搬送セクション610は、任意的に、動的な搬送セクション610が第1の状態から第2の状態に長さが変化した際に第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220の張力を維持するように構成された1つ以上のテンションローラ620を含む。テンションローラ620は、典型的には、鉛直ローラ290Aの一実施例である。図6A及び6Bに示す動的な搬送セクション610の形状の変化は、必要とされる動きが、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220の剛性の比較的小さい水平軸270であることもあり、可能である。
【0042】
第1の状態から第2の状態への動的な搬送セクション610の変化は、テンションローラ620及び種々の例の鉛直ローラの協調運動を含む。例えば、状態変化は、鉛直ローラ290C及び290Dの水平面内の動きを含んでよい。動きがFOUP170の搬送中に生ずる場合、鉛直ローラ290C及び290Cの間の間隔は、移動中に適切に維持されてもよい。同様に、鉛直ローラ290Eと290Fの間の間隔は、新たな位置に移動する際に、適切に維持されてもよい。図6Bに示す曲線経路を生成するために、鉛直ローラ290E及び290Fは、図6Aの元の位置から鉛直ローラ290C及び290Dよりも大きい距離移動する。典型的には、鉛直ローラ290A−290Fの動きは、コンピューター制御されるトランスレーションシステム(図示せず)により管理される。鉛直ローラ290A−290Fは、鉛直ローラ290A及び290Bの実施例である。
【0043】
図6A及び6Bは、右から左へのFOUP170の例の搬送を示すが、代替実施例は、左から右への搬送用に構成されてもよい。従って、動的な搬送セクション610は、複数の代替的な目的地の選択された多数へとFOUPを方向付けるために使用されてもよく、若しくは、複数の代替的な目的地の選択された多数からのFOUPを受けるように使用されてもよい。
【0044】
幾つかの実施例では、動的な搬送セクション610は、搬送システム500内のFOUP170の例を並べ直すように構成される。例えば、動的な搬送セクション610は、主搬送路から副搬送路に前の第1のFOUP170をシフトするために使用されてもよく、副搬送路は、第1のFOUP170が第2のFOUP170により抜かされるのを可能とする。第1のFOUP170は、次いで、第2のFOUP170の背後の動的な搬送セクション610の第2の例を使用して主搬送路に戻される。この位置の交換は、第1のFOUP170及び第2のFOUP170の双方を連続して移動させつつ実行されることができる。
【0045】
搬送セクション240及び動的な搬送セクション610は、任意的に、FOUP170の載置若しくは取り出しを容易化するように構成された機構を含む。これらの機構は、例えば、捕捉リップ485が存在しない領域、捕捉リップ485が移動された領域、第1の鉛直ベルト210が曲げられ若しくは回転された領域、若しくは、第1の鉛直ベルト210及び/又は第2の鉛直ベルト220が互いから離れる方向に移動された領域を含む。
【0046】
図7A及び7Bは、FOUP170の載置及び/又は取り出しを容易化するために第1の鉛直ベルト210が鉛直軸260で曲げられる実施例を示す。図7Aは、載置/取り出し位置にある第1の鉛直ベルト210を示す。この位置では、第1の鉛直ベルト210の上端725は、鉛直ローラ710の鉛直方向の回転軸430に向かって曲げられる。鉛直ローラ710は、鉛直ローラ290A及び290Bの実施例であり、任意的に、第1の鉛直ベルト210の曲げを促進するために凸状の形状である。第1の鉛直ベルト210が図7Aに示すように曲げられるとき、FOUP170は、捕捉部材730から離脱される。
【0047】
捕捉部材730は、第1の鉛直ベルト210と第2の鉛直ベルト220の間にFOUP170を確実に保持するために、FOUP170の一方側に圧力を印加するように構成される。捕捉部材730は、典型的には、ウレタンのような可撓性材料である。捕捉部材730がFOUP170から離脱されたとき、FOUP170は、搬送システム500に載置され若しくは搬送システム500から取り出されることができる。
【0048】
図7Bは、搬送位置にある第1の鉛直ベルト210を示す。この位置では、第1の鉛直ベルト210は、鉛直ローラ720に真っ直ぐに保持され、捕捉部材730は、FOUP170の縁部に適用される。鉛直ローラ710及び720は、任意的に、同一の例の搬送セクション240内に含まれる。従って、第1の鉛直ベルト210は、搬送セクション240内の幾つかのポイントで曲げられてよく、搬送セクション240内の他のポイントで真っ直ぐに維持されてもよい。第1の鉛直ベルト210が曲げられるこれらのポイントは、載置若しくは取り出し用に用いられる一方、FOUP170は、第1の鉛直ベルト210(及び第2の鉛直ベルト220)が真っ直ぐに維持されるこれらのポイントで第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220の間に確実に保持される。
【0049】
図7C及び7Dは、FOUP170の載置及び取り出しを容易化するために鉛直軸260で鉛直ローラ20A及び290Bが回転される実施例を示す。図7Cは、搬送位置での第1の鉛直ベルト210及び鉛直ローラ290Aを示し、図7Dは、載置/取り出し位置での第1の鉛直ベルト210及び鉛直ローラ290Aを示す。載置/取り出し位置では、鉛直ローラ290A及び鉛直回転軸430は、水平軸270に対して回転される。この回転は、捕捉部材730をFOUP170から遠ざかるように移動させ、FOUP170の載置又は取り出しを可能とする。鉛直ローラ290A若しくは290Bの回転は、機械式若しくは電気機械式の回転制御要素740により制御される。典型的には、双方の鉛直ローラ290A及び290Bは、FOUP170の載置又は取り出しのために図7Dに示すように回転される。これらの回転は、任意的に、反対方向である。
【0050】
図7A−7Dに示すこれらの実施例は、捕捉部材730の使用を含んでいるが、代替実施例では、捕捉部材730は、捕捉リップ485により置換されてもよい。捕捉部材730と同様、捕捉リップ485は、FOUP170の移動を制限するように構成され、例えばFOUP170が意図せずに搬送セクション240から離脱するのを防止する。しかし、捕捉リップ485は、主に鉛直方向の移動を制限するように構成され、通常の搬送中にFOUP170に物理的に接触する必要は無い。
【0051】
図8A及び図8Bは、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220がFOUP170の載置又は取り出しのために離反する方向に移動された搬送セクション240,850の実施例を示す。図8Aは、FOUP170を搬送するために用いられる通常の搬送モードでの搬送セクション240,850を示す。このモードでは、搬送セクション850の第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、略一定の距離810互いに対して離れている。
【0052】
図8Bは、載置/取り出しモードでの搬送セクション240,850を示し、このモードでは、鉛直ローラ830A,830B及びそれに伴い第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220は、搬送セクション850で離反する方向に移動されている。鉛直ローラ830A,830Bは、それぞれ、鉛直ローラ290A及び290Bの実施例である。載置/取り出しモードでは、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220のこれらの例の全て若しくは一部は、互いに距離820離れる。距離820は、典型的には、距離810よりも大きい。距離820は、FOUP170から捕捉部材730を外す若しくは捕捉リップ485からFOUP170を離脱することを可能とするのに十分な距離である。しかし、距離820は、任意的に、FOUP170が支持突起230に支持されなくなるほど大きくない。種々の実施例では、鉛直ローラ830A,830Bは、搬送セクション850の一端に向けて配置され若しくは搬送セクション850内の別の場所に配置される。鉛直ローラ830A,830Bは、図8Aに示す位置から図8Bに示す位置まで機械式若しくは電気機械式の制御要素により移動される。
【0053】
図9は、種々の実施例による物品搬送方法を示す。これらの方法では、物品は、上述したような搬送システム上に載置され、搬送され、取り出される。載置物品ステップでは、搬送されるべき物品は、搬送セクション240や850のような搬送セクション上に配置される。物品は、任意的に、FOUP170の載置及び取り出し用に特別に構成された搬送セクション240内のセクションに配置される。例えば、半導体ウエハを含むFOUP170は、図7A−7D,8A若しくは8Bとの関連で上述した載置ポイントにて載置されてもよい。物品が載置される搬送セクションは、鉛直ローラ290A及び290Bを含み、任意的に、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220を含む。配置される物品の重量は、必ずしも円形の表面410若しくは鉛直ローラ290A又は290Bにより支持される必要は無い。それ故に、配置される物品の重量は、任意的に、鉛直ローラ290A及び290Bから切り離される。
【0054】
搬送物品ステップ920では、載置物品ステップ910で載置された物品は、第1の鉛直ベルト210及び第2の鉛直ベルト220を用いて搬送方向で搬送される。この搬送は、任意的には、先行技術のシステムで可能なものよりも大きい速度及び/又は低い振動率で実行される。搬送物品ステップ920は、任意的に、図5に示すような曲線経路に沿って物品を方向付けることを含む。曲線経路は、任意的に、物品を瞬間的に停止させることなく若しくは物品を減速させること無く左右に向きが変化される。
【0055】
取り出し物品ステップ930では、物品は、搬送システムから取り出される。この取り出しは、任意的に、上述した如く、物品の載置及び/又は取り出し用に構成された位置で生ずる。載置物品ステップ910及び/又は取り出し物品ステップ930は、任意的に、図7A及び7Bに示すように第1の鉛直ベルト210の形状を変化させること、図7C及び7Dに示すように鉛直ローラ290A若しくは290Bを回転させること、若しくは、図8A及び8Bに示すように鉛直ローラ290A及び290Bを離反するように移動させることを含む。
【0056】
図10は、本発明の種々の実施例による、動的に搬送路を変化させる方法を示す。図10に示す方法は、任意的に、搬送物品ステップ920(図9)中に図6A及び6Bに示すようなシステムを用いて実行される。
【0057】
搬送物品ステップ1010では、FOUP170のような物品は、搬送物品ステップ920においてように搬送される。調整搬送路ステップ1020では、物品用の搬送路は、鉛直ローラ290A若しくは290Bを移動させることによって変化される。この移動は、水平面若しくは鉛直面内であってよい。幾つかの実施例では、テンションローラ620は、鉛直ローラ290A若しくは290Bに結合される鉛直ベルトの張力を調整するために用いられる。張力調整は、鉛直ローラ290A若しくは290Bを移動させる前若しくは後になされてもよい。幾つかの実施例では、鉛直ローラ290A若しくは290Bの移動は、これらのローラがFOUPを搬送している間に実行される。搬送物品ステップ2030では、物品は、搬送物品ステップ920若しくは1010でのように、再度搬送される。
【0058】
幾つかの実施例が特別に図示及び/又は説明されている。しかし、理解すべきこととして、修正及び変形例は、上述の教示によりカバーされ、添付のクレームの精神及びその意図する範囲から逸脱することなく添付のクレームの範囲内である。例えば、半導体製造時のFOUPの搬送が模範例として使用されてきたが、本発明のシステム及び方法は、代替的な材料、例えば、液晶、有機LED若しくは他の種類のディスプレイ装置の製造用の基板を搬送するために構成されもよく、データ記憶装置の部品、例えばディスク基板、読み取りヘッド、ディスク組立体若しくはハードドライブの他の部品を搬送するために構成されもよく、若しくは、バッテリや電池のような電源の部品を搬送するために構成されもよい。また、上述した鉛直ローラ及び鉛直ベルトは、完全に鉛直方向である必要は無い。図示されるような鉛直ローラの間隔は、あくまで例示用である。種々の実施例では、鉛直ローラは、単一のローラ若しくはベルトの各端部のみに配置されるローラを含め、緊密に密集されたものから広く分散されたものまで、広範な間隔で、配置されてもよい。
【0059】
上述の実施例は、本発明の説明的なものである。本発明のこれらの実施例は、例示を参照して説明されているが、説明された方法及び/又は特別な構造の種々の修正若しくは適合は当業者には明らかである。本分野を発展させる本発明の教示に依存するかかる修正、適合若しくは変形の全ては、本発明の観点及び範囲内と考えられる。ここで、これらの説明及び図面は、限定的な意味で考慮されるべきでなく、本発明は、図示された実施例のみに如何なる場合も限定されないことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1A】先行技術の搬送システムの斜視図。
【図1B】図1Aの部位の拡大図。
【図2A】本発明の種々の実施例による、鉛直ベルトを含む搬送システムを示す図。
【図2B】図2Aの部位の拡大図。
【図2C】水平軸及び鉛直軸に対する鉛直ベルトの向きを示す図。
【図3】本発明の種々の実施例による、図2Aの搬送セクションの上面図。
【図4A】本発明による種々の代替実施例による鉛直ベルト及び鉛直ローラの断面図。
【図4B】本発明による種々の代替実施例による鉛直ベルト及び鉛直ローラの断面図。
【図4C】本発明による種々の代替実施例による鉛直ベルト及び鉛直ローラの断面図。
【図4D】本発明による種々の代替実施例による鉛直ベルト及び鉛直ローラの断面図。
【図5】本発明の種々の実施例による、曲線搬送路を形成するように構成された搬送セクションを含む搬送システムの一実施例を示す図。
【図6A】本発明の種々の実施例による、2つの異なる動的に互換性のある状態での搬送システムの一実施例を示す図。
【図6B】本発明の種々の実施例による、2つの異なる動的に互換性のある状態での搬送システムの一実施例を示す図。
【図7A】本発明の種々の実施例による、異なる動的に互換性のある状態での鉛直ベルトの断面図。
【図7B】本発明の種々の実施例による、異なる動的に互換性のある状態での鉛直ベルトの断面図。
【図7C】本発明の種々の実施例による、異なる動的に互換性のある状態での鉛直ベルトの断面図。
【図7D】本発明の種々の実施例による、異なる動的に互換性のある状態での鉛直ベルトの断面図。
【図8A】本発明の種々の実施例による、物品を載置し若しくは取り出すために第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトが離反する方向に移動される搬送セクションを示す図。
【図8B】本発明の種々の実施例による、物品を載置し若しくは取り出すために第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトが離反する方向に移動される搬送セクションを示す図。
【図9】本発明の種々の実施例による物品搬送方法を示す図。
【図10】本発明の種々の実施例による、搬送路を動的に変化させる方法を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離、又は、ディスプレイ装置の製造用の基板を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起とを含む、システム。
【請求項2】
前記FOUPは、半導体ウエハを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記FOUPは、110ミリメートル以下の横方向の移動自由度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2のベルトは、それぞれ、2つ以上の鉛直ローラにより支持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のベルトは、ウレタン、シリコン、PVC若しくはゴムを含む可撓性材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起とを含み、
前記FOUPは、前記第1及び第2のベルトの間で110ミリメートル以下の横方向の移動自由度を有する、システム。
【請求項7】
前記第1及び第2のベルトは、それぞれ、第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトであり、鉛直の断面軸に沿って剛性があり、水平方向の断面軸において剛性が相対的に低い、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2のベルトは、前記搬送路に沿って前記物品が搬送される際の前記物品の振動を低減するように構成される可撓性材料を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1及び第2のベルトは、前記物品の重量に応じた多数の前記複数の支持突起の動きを許容するように構成される可撓性材料を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1及び第2のベルトは、異なる速度で動くように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の鉛直ローラは、前記搬送路が曲線式となるように配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の鉛直ローラは、前記搬送路が傾斜又は下方に傾斜するように配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の支持突起の1つ以上は、丸みのある物品支持表面を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の支持突起は、前記第1のベルト若しくは第2のベルトの長さに沿って略連続的な支持突起を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記鉛直ローラは、搬送方向の動きを提供するように回転する円形表面を有し、前記物品の重量は、前記鉛直ローラの前記円形表面から離隔される、請求項6に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のベルト若しくは第2のベルトは、前記物品の底部よりも上に延在する部分を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のベルトは、前記物品の鉛直方向の動きを制限するように構成された捕捉リップに結合される、請求項6に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のベルトよりも上方に位置する捕捉リップを更に含み、前記捕捉リップは、前記物品の鉛直方向の動きを制限するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の鉛直ローラは、前記物品の搬送路を変化させるために水平方向に動くように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のベルトは、ポリマーを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1及び第2のベルトは、2つよりも多い鉛直ローラによりそれぞれ支持される、請求項6に記載のシステム。
【請求項22】
多数の前記複数の支持突起は、前記第1のベルトの一部よりも下方に配置された物品支持面を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項23】
前記物品を更に含み、前記物品は、FOUP及び少なくとも1つ以上の半導体ウエハを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項24】
前記物品を操作するように構成された3点キネマティックインターフェースを更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1のベルトは、多数の前記複数の鉛直ローラ内の溝若しくはノッチ内に嵌合されるよう構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項26】
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起と、
前記第1及び第2のベルトの間の前記物品を操作するように構成された3点キネマティックインターフェースとを含む、システム。
【請求項27】
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起と、
前記第1及び第2のベルトから前記物品を取り出すように構成されると共に、前記第1及び第2のベルトの間に前記物品を配置するように構成された3点キネマティックインターフェースとを含み、前記第1及び第2のベルト間の距離は、前記物品の幅よりも大きい、システム。
【請求項28】
物品を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルトをガイドするように構成された少なくとも3つの鉛直ローラと、前記第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された少なくとも3つの鉛直ローラとを含む搬送セクション上に、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品を取り出すステップとを含む、方法。
【請求項29】
前記第1及び第2のベルトを用いて前記物品の振動を吸収するステップを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記物品は、FOUP、半導体ウエハ、データ記憶装置の部品、電源の部品、若しくは、ディスプレイ装置を製造するために用いられる基板を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記物品は、前記第1及び第2のベルトの間で110ミリメートル以下の横方向の移動自由度を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記搬送路から前記物品を取り出すことは、前記第1の鉛直ベルトを回転することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記搬送路は曲線式である、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記物品の搬送中に前記搬送路を動的に変化させることを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
物品を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含む搬送セクション上に、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品の幅よりも大きい距離離れた前記第1及び第2のベルトの間に前記物品を配置するように構成された3点キネマティックインターフェースを用いて、前記物品を取り出すステップとを含む、方法。
【請求項36】
前記物品は、半導体ウエハを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記物品は、ディスプレイ装置の製造用の基板を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記物品は、前記第1及び第2のベルトの間で110ミリメートル以下の横方向の移動自由度を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
物品を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含む搬送セクション上に、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品を取り出すステップとを含み、
前記物品は、FOUP、半導体ウエハ、若しくは、ディスプレイ装置を製造するために用いられる基板を含む、方法。
【請求項40】
FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含み、前記第1の鉛直ベルトの一部よりも下方に配置された物品支持表面を含む複数の支持突起に前記第1の鉛直ベルトが取り付けられた搬送セクション上に、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品を取り出すステップとを含む、方法。
【請求項41】
FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含み、前記第1の鉛直ベルトが多数の前記複数の鉛直ローラ内の溝若しくはノッチ内に嵌合されるよう構成された搬送セクション上に、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品を取り出すステップとを含む、方法。
【請求項42】
FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含む搬送セクション上に、3点キネマティックインターフェースを用いて、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品を取り出すステップとを含む、方法。
【請求項43】
FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトと、前記第1の鉛直ベルト及び第2の鉛直ベルトをガイドするように構成された複数の鉛直ローラとを含む搬送セクション上に、3点キネマティックインターフェースを用いて、物品を載せるステップと、
前記第1及び第2の鉛直ベルトを用いて搬送路に沿って前記物品を搬送するステップと、
前記物品を取り出すステップとを含む、方法。
【請求項44】
ディスプレイ装置の製造用の基板を含む物品と、
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、前記物品を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起とを含む、システム。
【請求項45】
前記第1及び第2のベルトは、前記物品の重量に応じた多数の前記複数の支持突起の動きを許容するように構成される可撓性材料を含む、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記第1のベルト若しくは第2のベルトは、前記物品の底部よりも上に延在する部分を含む、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記複数の鉛直ローラは、前記搬送路が曲線式となるように配置される、請求項44に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1のベルトは、前記物品の鉛直方向の動きを制限するように構成された捕捉リップに結合される、請求項44に記載のシステム。
【請求項49】
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、前記第1及び第2のベルトの間で110ミリメートル以下の横方向の移動自由度を有するFOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起とを含み、多数の前記複数の支持突起は、前記第1のベルトの一部よりも下方に配置された物品支持表面を含む、システム。
【請求項50】
搬送路のそれぞれの側に配置され、前記搬送路に沿って物品を搬送するように構成された第1及び第2のベルトであって、FOUP(Front Opening Unified Pod)を間に載せるための距離だけ互いに離間した第1及び第2のベルトと、
前記第1及び第2のベルトをガイドするように構成された略鉛直方向の複数の鉛直ローラと、
前記物品の重量を支持するように構成され、前記第1及び第2のベルトから延在する複数の支持突起であって、前記第1のベルトの一部よりも下方に配置された物品支持表面を多数が含む複数の支持突起と、
前記物品を前記第1のベルト若しくは第2のベルトから取り出すように構成された3点キネマティックインターフェースとを含む、システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2009−534843(P2009−534843A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506567(P2009−506567)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/009511
【国際公開番号】WO2007/123962
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(508311307)アクエスト システムズ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】