説明

鋳型造型装置及び鋳型造型方法

【課題】砂ホッパの内壁面への砂付着を防止することができると共に装置の構造をシンプルにすることができる鋳型造型装置及び鋳型造型方法を提供する。
【解決手段】パターンキャリア9に載置されたパターンプレート10、鋳枠及び盛枠17により形成された造型空間に、砂充填手段22により鋳物砂を充填した後、該造型空間に充填された鋳物砂をスクイズ手段20によりスクイズして鋳型を造型する鋳型造型装置であって、前記砂充填手段が、前記鋳枠及び盛枠の上方に配設されると共に内部に前記鋳物砂を貯留する砂ホッパと、該砂ホッパの内部に配設された開閉式のルーバーゲートと、前記砂ホッパの上部に配設されると共に前記砂ホッパ内へ前記鋳物砂を供給するための開口部である砂供給口を開閉させる砂供給口開閉手段と、前記砂ホッパの内面に取り付けられたエヤー噴出チャンバーと、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳枠内に充填された鋳物砂をスクイズして鋳型を造型する鋳型造型装置及び
鋳型造型方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳型造型装置としては、例えば、上端が開口にされていると共に下位部に開閉式
のルーバーを備えた砂ホッパと多数のセグメントスクイズフットを有するスクイズ手段を
連結して配設し、鋳枠及び盛枠の上方に前記砂ホッパと前記スクイズ手段を交互に搬入出
させるものが公知にされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−185740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のものは、前記砂ホッパの内壁面に砂が付着してしまうという問題
がある。また前記砂ホッパと前記スクイズ手段を鋳枠及び盛枠の上方に交互に搬入出させ
るようになっているため、前記砂ホッパ及び前記スクイズ手段を走行させる機構が必要で
あり、これにより装置の構造が複雑になってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みて成されたもので、砂ホッパの内壁面への砂付着を防止す
ることができると共に装置の構造をシンプルにすることができる鋳型造型装置及び鋳型造
型方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明の鋳型造型装置は、パターンキャリアに載置された
パターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成された造型空間に、砂充填手段により鋳物砂
を充填した後、該造型空間に充填された鋳物砂をスクイズ手段によりスクイズして鋳型を
造型する鋳型造型装置であって、前記砂充填手段が、前記鋳枠及び盛枠の上方に配設され
ると共に内部に前記鋳物砂を貯留する砂ホッパと、該砂ホッパの内部に配設された開閉式
のルーバーゲートと、前記砂ホッパの上部に配設されると共に前記砂ホッパ内へ前記鋳物
砂を供給するための開口部である砂供給口を開閉させる砂供給口開閉手段と、前記砂ホッ
パの内面に取り付けられたエヤー噴出チャンバーと、を具備することを特徴とする。
【0007】
また本発明の鋳型造型装置は、基台に装着された昇降シリンダと、該昇降シリンダに連
結されたテーブルと、前記パターンプレートを載置し、且つ、該パターンプレートの外周
を包囲して上下動する枠状フレームを設ける共に前記テーブルの上方に搬入出される前記
パターンキャリアと、該パターンキャリアの上方に前記鋳枠を搬入出させる鋳枠搬入出機
構と、該鋳枠搬入出機構の内側に配設されたスクイズ手段と、前記鋳枠の上方に昇降可能
に配設された前記盛枠と、前記基台の外側に配設されると共に前記テーブルの上方から前
記基台の外側に搬出された前記パターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成された造型空
間に前記鋳物砂を充填する前記砂充填手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
さらに本発明の鋳型造型装置は、前記砂充填手段に、給気バルブを連通させたことを特徴
とする。
【0009】
また上記の目的を達成するために本発明の鋳型造型方法は、パターンキャリアに載置され
たパターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成された造型空間に、砂充填手段により鋳物
砂を充填した後、該造型空間に充填された鋳物砂をスクイズ手段によりスクイズして鋳型
を造型する鋳型造型方法であって、前記造型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填す
る工程が、前記砂充填手段における砂供給口開閉手段を閉じる工程と、前記砂充填手段に
おける砂ホッパの内面に取り付けられたエヤー噴出チャンバーからエヤーを噴出させる工
程と、前記砂充填手段における開閉式のルーバーゲートを開く工程と、を有することを特
徴とする。
【0010】
また本発明の鋳型造型方法は、前記パターンプレートを載置すると共に該パターンプレー
トの外周を包囲して上下動する枠状フレームを設けた二つの前記パターンキャリアのうち
、一方の前記パターンキャリアはテーブル上方に配置され、且つ、他方の前記パターンキ
ャリアは基台の外側に配置され、さらに前記一方のパターンキャリア上には空の前記鋳枠
及び盛枠が載置され、且つ、前記他方のパターンキャリア上には前記鋳物砂が充填された
前記鋳枠及び盛枠が載置された状態で、前記一方のパターンキャリア、空の鋳枠及び盛枠
を前記基台の外側に搬出し、且つ、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳
枠及び盛枠を前記テーブル上方に搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂
が充填された鋳枠及び盛枠を上昇させる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠
状フレームの上面を前記パターンプレートの見切面より突出させた状態にする工程と、前
記砂ホッパの下面を前記基台の外側に搬出された盛枠の上面に当接させて、前記一方のパ
ターンキャリアに載置されたパターンプレート、空の鋳枠及び盛枠により造型空間を形成
する工程と、前記スクイズ手段におけるスクイズ部材を下降させて前記鋳物砂を一次スク
イズする工程と、鋳枠搬入出機構を閉じる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける
枠状フレームの上面と前記パターンプレートの見切面が同一高さになるまで該パターンプ
レートを上昇させながら前記スクイズ部材を下降させて前記鋳物砂を二次スクイズする工
程と、前記造型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填する工程と、前記二次スクイズ
における前記パターンプレートの上昇終了後、前記スクイズ部材をさらに下降させて前記
鋳物砂を三次スクイズする工程と、前記他方のパターンキャリアにおける前記パターンプ
レートを下降させて抜型する工程と、前記砂ホッパを前記基台の外側に搬出された盛枠か
ら離反させる工程と、前記他方のパターンキャリアを下降させる工程と、前記砂充填手段
における開閉式のルーバーゲートを閉じる工程と、前記砂充填手段における砂供給口開閉
手段を開き、砂供給口から前記砂ホッパ内に前記鋳物砂を供給する工程と、前記他方のパ
ターンキャリアの上方に配置された盛枠と前記他方のパターンキャリアとの間位置に空の
鋳枠を搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア上に空の鋳枠及び盛枠を載置する工
程と、前記鋳枠搬入出機構を開く工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の鋳型造型方法は、前記パターンプレートを載置すると共に該パターンプレートの外周を包囲して上下動する枠状フレームを設けた二つの前記パターンキャリアのうち、一方の前記パターンキャリアはテーブル上方に配置され、且つ、他方の前記パターンキャリアは基台の外側に配置され、さらに前記一方のパターンキャリア上には空の前記鋳枠及び盛枠が載置され、且つ、前記他方のパターンキャリア上には前記鋳物砂が充填された前記鋳枠及び盛枠が載置された状態で、前記一方のパターンキャリア、空の鋳枠及び盛枠を前記基台の外側に搬出し、且つ、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠を前記テーブル上方に搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠を上昇させる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠状フレームの上面を前記パターンプレートの見切面より突出させた状態にする工程と、前記砂ホッパの下面を前記基台の外側に搬出された盛枠の上面に当接させて、前記一方のパターンキャリアに載置されたパターンプレート、空の鋳枠及び盛枠により造型空間を形成する工程と、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠をさらに上昇させて前記鋳物砂を一次スクイズする工程と、鋳枠搬入出機構を閉じる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠状フレームの上面と前記パターンプレートの見切面が同一高さになるまで該パターンプレートを上昇させて前記鋳物砂を二次スクイズする工程と、前記造型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填する工程と、前記二次スクイズにおける前記パターンプレートの上昇終了後、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠をさらに上昇させて前記鋳物砂を三次スクイズする工程と、前記他方のパターンキャリアにおける前記パターンプレートを下降させて抜型する工程と、前記砂ホッパを前記基台の外側に搬出された盛枠から離反させる工程と、前記他方のパターンキャリアを下降させる工程と、前記砂充填手段における開閉式のルーバーゲートを閉じる工程と、前記砂充填手段における砂供給口開閉手段を開き、砂供給口から前記砂ホッパ内に前記鋳物砂を供給する工程と、前記他方のパターンキャリアの上方に配置された盛枠と前記他方のパターンキャリアとの間位置に空の鋳枠を搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア上に空の鋳枠及び盛枠を載置する工程と、前記鋳枠搬入出機構を開く工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明の鋳型造型方法は、前記造型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填する
工程の後に、前記砂充填手段に連通された給気バルブを開くことにより、前記造型空間内
の鋳物砂に圧縮空気を貫流させて前記造型空間内の鋳物砂を予備圧縮することを特徴とす
る。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、パターンキャリアに載置されたパターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成
された造型空間に、砂充填手段により鋳物砂を充填した後、該造型空間に充填された鋳物
砂をスクイズ手段によりスクイズして鋳型を造型する鋳型造型装置であって、前記砂充填
手段が、前記鋳枠及び盛枠の上方に配設されると共に内部に前記鋳物砂を貯留する砂ホッ
パと、該砂ホッパの内部に配設された開閉式のルーバーゲートと、前記砂ホッパの上部に
配設されると共に前記砂ホッパ内へ前記鋳物砂を供給するための開口部である砂供給口を
開閉させる砂供給口開閉手段と、前記砂ホッパの内面に取り付けられたエヤー噴出チャン
バーと、を具備するようにしたから、砂ホッパの内壁面への砂付着を防止することができ
る等種々の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示す側面断面図であって、テーブル上方のパターンキャリア上には空の鋳枠及び盛枠が載置され、且つ、基台の外側のパターンキャリア上には鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠が載置された状態を示す図である。
【図2】ターンテーブルを回転させることにより、空の鋳枠及び盛枠を基台の外側に搬出し、且つ、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠をテーブル上方に搬入した状態を示す側面断面図である。
【図3】テーブル側において鋳枠、盛枠及び枠状フレームを上昇させ、基台の外側において造型空間を形成した状態を示す側面断面図である。
【図4】テーブル側において鋳物砂を一次スクイズし、鋳枠搬入出コンベヤを閉じた状態を示す側面断面図である。
【図5】テーブル側において鋳物砂を二次スクイズし、基台の外側において造型空間に鋳物砂が充填された状態を示す側面断面図である。
【図6】テーブル側において鋳物砂を三次スクイズした状態を示す側面断面図である。
【図7】テーブル側において抜型がなされ、基台の外側においてパターンキャリア、鋳枠及び盛枠を下降させた状態を示す側面断面図である。
【図8】テーブル側において鋳枠をローラ上に載置し、基台の外側において砂ホッパ内に鋳物砂を供給した状態を示す側面断面図である。
【図9】テーブル側においてパターンキャリア上に空の鋳枠及び盛枠を載置し、鋳枠搬入出コンベヤを開いた状態を示す側面断面図である。
【図10】図1における砂充填手段の拡大断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す側面断面図であって、テーブル上方のパターンキャリア上には空の鋳枠及び盛枠が載置され、且つ、基台の外側のパターンキャリア上には鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠が載置された状態を示す図である。
【図12】ターンテーブルを回転させることにより、空の鋳枠及び盛枠を基台の外側に搬出し、且つ、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠をテーブル上方に搬入した状態を示す側面断面図である。
【図13】テーブル側において鋳枠、盛枠及び枠状フレームを上昇させ、基台の外側において造型空間を形成した状態を示す側面断面図である。
【図14】テーブル側において鋳物砂を一次スクイズし、鋳枠搬入出コンベヤを閉じた状態を示す側面断面図である。
【図15】テーブル側において鋳物砂を二次スクイズし、基台の外側において造型空間に鋳物砂が充填された状態を示す側面断面図である。
【図16】テーブル側において鋳物砂を三次スクイズした状態を示す側面断面図である。
【図17】テーブル側において抜型がなされ、基台の外側においてパターンキャリア、鋳枠及び盛枠を下降させた状態を示す側面断面図である。
【図18】テーブル側において鋳枠をローラ上に載置し、基台の外側において砂ホッパ内に鋳物砂を供給した状態を示す側面断面図である。
【図19】テーブル側において盛枠を上昇させ、且つ、多数のシリンダを全て中間位置で停止させた状態を示す側面断面図である。
【図20】テーブル側においてパターンキャリア上に空の鋳枠及び盛枠を載置した状態を示す側面断面図である。
【図21】第2実施形態におけるスクイズ手段を示す拡大詳細断面図である。
【図22】第2実施形態におけるスクイズ手段の作動の一例を説明するための拡大詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1において、基台1の中
央上部には昇降シリンダ2(本実施形態では油圧シリンダ)が装着されており、該昇降シ
リンダ2の先端にはテーブル3が連結されている。そして、前記昇降シリンダ2の両外側
にはガイドロッド4が配設されており、該ガイドロッド4は前記基台1上に装着されたホ
ルダ5内を上下摺動可能に貫通されている。なお該ガイドロッド4の先端は前記テーブル
3に連結されている。
【0016】
そして、前記基台1上の左右両側(図1参照)には支柱6が立設されており、該支柱6の
上端間には上部フレーム7が架設されている。そして、前記支柱6のうちの一方(図1で
左側)下位にはターンテーブル8の中心部が水平平面内で回転可能にして支持されており
、該ターンテーブル8の主軸は前記図1で左側の支柱6が兼用している。そして、該ター
ンテーブル8には図示されない支持部材が付属されており、該ターンテーブル8の両端部
には該図示されない支持部材を介してパターンキャリア9、9Aが載置されている。なお
該ターンテーブル8は図示されないアクチュエータにより回転されるようになっており、
アクチュエータとしては、例えば、油圧シリンダ等が挙げられる。また前記パターンキャ
リア9、9Aは、前記テーブル3が下降端の状態で前記ターンテーブル8が回転すること
により前記テーブル3の上方に搬入出される。
【0017】
また前記パターンキャリア9、9A上にはパターンプレート10、10Aが載置されてお
り、該パターンキャリア9、9Aには該パターンプレート10、10Aの外周を包囲して
上下動する枠状フレーム11が設けられている。また前記パターンキャリア9、9A上に
は、鋳枠W及び盛枠17が載置されている。
【0018】
また前記テーブル3には複数(本実施形態では4個)の枠状フレーム昇降シリンダ12(
本実施形態では油圧シリンダ)が装着されており、該枠状フレーム昇降シリンダ12の先
端にはロッドヘッド13が連結されている。また前記枠状フレーム11の下面には複数(
本実施形態では4個)の吊設ロッド14が吊設されている。なお前記枠状フレーム11は
、前記枠状フレーム昇降シリンダ12の伸縮作動により前記吊設ロッド14を介して上下
動するようになっている。また前記テーブル3には前記パターンキャリア9、9Aをクラ
ンプする図示されないクランプ装置が装着されている。これにより、前記テーブル3の下
降端ではクランプが解除され、前記テーブル3が上昇すると該テーブル3に前記パターン
キャリア9、9Aがクランプされるようになっている。
【0019】
また前記支柱6の内側には、前記パターンキャリア9、9Aの上方に鋳枠Wを搬入出させ
る鋳枠搬入出機構としての開閉可能な鋳枠搬入出コンベヤ15が配設されている。該鋳枠
搬入出コンベヤ15は、上端がフレーム15aに回動可能に連結されたアーム15bと、
該アーム15bの先端(下端)に装着されたローラ15cと、前記アーム15bの垂直方
向の途中位置に固定された盛枠載置部材15dと、で構成されている。
【0020】
そして、該盛枠載置部材15dの上部には複数(本実施形態では4個)の位置決めピン1
6が固定されている。なお前記盛枠17が前記盛枠載置部材15d上に載置された際、前
記盛枠載置部材15dと前記盛枠17は該位置決めピン16により位置決めされるように
なっている。
【0021】
また前記鋳枠搬入出コンベヤ15は吊設部材18を介して昇降フレーム19に吊設され
ており、該昇降フレーム19は図示されない鋳枠搬入出機構昇降シリンダにより昇降する
ようになっている。
【0022】
また前記鋳枠搬入出コンベヤ15の内側にはスクイズ手段20が配設されている。該スク
イズ手段20は多数のシリンダ(本実施形態では油圧シリンダ)20aと、該シリンダ2
0aの先端に連結されたスクイズ部材としてのスクイズフット20bと、該シリンダ20
aを支持する支持体20cと、で構成されている。なお該支持体20cは前記上部フレー
ム7の中央下部に固定されている。
【0023】
また前記基台1の外側における前記パターンキャリア9Aの下方には、パターンキャリア
昇降手段21が配設されている。ここで該パターンキャリア昇降手段21について詳述す
る。架台21aの中央上部にはパターンキャリア昇降シリンダ21b(本実施形態では油
圧シリンダ)が装着されており、該パターンキャリア昇降シリンダ21bの先端には駆動
ローラコンベヤ21cが連結されている。そして、前記パターンキャリア昇降シリンダ2
1bの両外側にはガイドロッド21dが配設されており、該ガイドロッド21dは前記架
台21a上に装着されたホルダ21e内を上下摺動可能に貫通されている。なお該ガイド
ロッド21dの先端は前記駆動ローラコンベヤ21cに連結されている。また前記駆動ロ
ーラコンベヤ21cには前記パターンキャリア9、9Aをクランプする図示されないクラ
ンプ装置が装着されている。これにより、前記駆動ローラコンベヤ21cの下降端ではク
ランプが解除され、前記駆動ローラコンベヤ21cが上昇すると該駆動ローラコンベヤ2
1cに前記パターンキャリア9、9Aがクランプされるようになっている。
【0024】
なお前記パターンキャリア9、9Aを別のパターンキャリアに交換する際は、後述する砂
ホッパ22aに取り付けられた図示されないクランプ手段で前記基台1の外側における前
記鋳枠W及び盛枠17をクランプする。そして、前記パターンキャリア昇降シリンダ21
bを作動させ、前記パターンキャリア9、9Aだけを所定高さにする。そして、前記パタ
ーンキャリア9、9Aをクランプする前記図示されないクランプ装置によるクランプを解
除する。そして、前記駆動ローラコンベヤ21cを作動させることにより、該駆動ローラ
コンベヤ21c上のパターンキャリア9、9Aを搬出し、別のパターンキャリアを搬入す
る。
【0025】
また前記基台1の外側における前記鋳枠W及び盛枠17の上方には砂充填手段22が配設
されており、該砂充填手段22は支持フレーム23に固定されている。ここで該砂充填手
段22について詳述する。図10に示すように、内部に鋳物砂Sを貯留する砂ホッパ22
aの下位内部には開閉式のルーバーゲート24が配設されており、該開閉式のルーバーゲ
ート24は、一端が回動軸24aに固定されたゲート板24bが水平方向に複数配置され
た構成にされている。また前記砂ホッパ22aの外面における前記開閉式のルーバーゲー
ト24と前記砂ホッパ22aの下面との間位置には図示されない離型剤噴霧手段が取り付
けられている。
【0026】
また前記砂ホッパ22aの上部には砂供給口開閉手段25が配設されている。ここで該砂
供給口開閉手段25について詳述する。前記砂ホッパ22aに連通するケーシング25a
の天井部には、前記砂ホッパ22a内へ前記鋳物砂Sを供給するための開口部である砂供
給口25bが設けられており、前記ケーシング25aの内部には水平に移動することによ
り該砂供給口25bを開閉させるゲート部材25cが配設されている。そして、前記ケー
シング25aの一端側面には該ゲート部材25cを水平に移動させる開閉シリンダ25d
が装着されており、該開閉シリンダ25dの先端には前記ゲート部材25cが連結されて
いる。
【0027】
また前記砂ホッパ22aの内面には全周に亘ってエヤー噴出チャンバー26が取り付けら
れており、該エヤー噴出チャンバー26は、中空室26aと、該中空室26aの先端に配
設された多孔質体26bと、で構成されている。なお前記中空室26aには図示されない
切り替え弁が連通されており、該切り替え弁を開くと、圧縮エヤーが前記中空室26aを
通って前記多孔質体26bから噴出されるようになっている。また前記多孔質体26bは
、本実施形態では超高分子量ポリエチレンを焼結させて製作されている。
【0028】
また前記砂供給口開閉手段25におけるケーシング25aには配管27を介して給気バル
ブ28が連通されており、該給気バルブ28は図示されない圧縮空気源に連通されている
。なお符号29は前記ケーシング25aの天井部に取り付けられた砂投入シュートである

【0029】
このように構成されたものの作動について説明する。図1は、二つのパターンキャリア9
、9Aのうち、一方のパターンキャリア9(以下、下鋳枠用パターンキャリアという)は
テーブル3上方に配置され、且つ、他方のパターンキャリア9A(以下、上鋳枠用パター
ンキャリアという)は基台1の外側に配置され、さらに前記下鋳枠用パターンキャリア9
上には空の鋳枠W及び盛枠17が載置され、且つ、前記上鋳枠用パターンキャリア9A上
には鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠17が載置された状態である。なお本発明にお
ける鋳物砂Sとしては、例えば、生砂、セラミックス製の人工砂などが挙げられる。
【0030】
この状態でターンテーブル8を回転させることにより、下鋳枠用パターンキャリア9、空
の鋳枠W及び盛枠17を基台1の外側に搬出し、且つ、上鋳枠用パターンキャリア9A、
鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠17をテーブル3上方に搬入し、図2の状態にされ
る。次に、昇降シリンダ2を伸長作動させることにより、テーブル3を介して上鋳枠用パ
ターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠17を上昇させる。そして、
枠状フレーム昇降シリンダ12を伸長作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア
9Aにおける枠状フレーム11の上面をパターンプレート10Aの見切面より突出させた
状態(本実施形態では30mm)にする。
【0031】
また基台1の外側では、パターンキャリア昇降シリンダ21bを伸長作動させることによ
り下鋳枠用パターンキャリア9、空の鋳枠W及び盛枠17を上昇させる。これにより砂ホ
ッパ22aの下面を基台1の外側に搬出された盛枠17の上面に当接させて、下鋳枠用パ
ターンキャリア9に載置されたパターンプレート10、空の鋳枠W及び盛枠17により造
型空間を形成し、図3の状態にされる。その後、前記図示されない離型剤噴霧手段により
、該造型空間に離型剤が噴霧される。なお上部フレーム7の下面には盛枠17の上昇を阻
止する図示されないストッパ部材が取り付けられており、図3の状態では、基台1側の盛
枠17の上面は該ストッパ部材の下面に当接されている。
【0032】
次に、多数のシリンダ20aを伸長作動させることにより、前記スクイズフット20bを
下降させて鋳物砂Sを一次スクイズする。そして、図示されない開閉手段(例えば、シリ
ンダ)により鋳枠搬入出コンベヤ15を閉じ、図4の状態にされる。
【0033】
次に、昇降シリンダ2を伸長作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア9Aにお
ける枠状フレーム11の上面とパターンプレート10Aの見切面が同一高さになるまで該
パターンプレート10Aを上昇させながら、スクイズフット20bをさらに下降させて鋳
物砂Sを二次スクイズする。この際、鋳枠W及び盛枠17が枠状フレーム11と前記図示
されないストッパ部材で挟持された状態は維持している。即ち、枠状フレーム11、鋳枠
W及び盛枠17は垂直方向には動かない。
【0034】
また基台1の外側では、前記造型空間に砂充填手段22により鋳物砂Sを充填する。この
点につき、詳述する。まず、砂供給口開閉手段25における開閉シリンダ25dを伸長作
動させることにより、ゲート部材25cで砂供給口25bを閉じる。そして、前記図示さ
れない切り替え弁を開くと、圧縮エヤーが中空室26aを通って多孔質体26bから噴出
される。そして、開閉式のルーバーゲート24における複数の回動軸24aを図示されな
いゲート開閉シリンダにより正回動させ、複数のゲート板24bを水平状態から垂直状態
にさせる(ルーバーゲート24開き)。そうすると、砂ホッパ22a内の鋳物砂Sが前記
造型空間に充填され、図5の状態にされる。なお前記造型空間へ鋳物砂Sを充填している
間、多孔質体26bからの圧縮エヤーの噴出は続けられ、該圧縮エヤーはパターンプレー
ト10に設けられた図示されないベントホール、もしくは、盛枠17の側面に設けられた
図示されないベントホールを通って排気される。
【0035】
次に、前記二次スクイズにおけるパターンプレート10Aの上昇終了後、スクイズフット
20bをさらに下降させて鋳物砂Sを三次スクイズし、図6の状態にされる。また基台1
の外側では、給気バルブ28を開くことにより、前記造型空間内の鋳物砂Sに圧縮空気を
貫流させて前記造型空間内の鋳物砂Sを予備圧縮する(いわゆる、流気加圧による鋳物砂
Sの予備圧縮)。その後、ケーシング25aに連通された図示されない排気弁を開き、砂
ホッパ22a内に残存する圧縮空気を排気する。
【0036】
次に、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおけるパターンプレート10Aを下降させて抜型
する。この際、鋳枠W及び盛枠17が枠状フレーム11と前記図示されないストッパ部材
で挟持された状態は維持している。即ち、枠状フレーム11、鋳枠W及び盛枠17は垂直
方向には動かない。このため、該パターンプレート10Aが所定高さ(本実施形態では3
0mm)だけ下降することにより、該抜型がなされる。
【0037】
また基台1の外側では、パターンキャリア昇降シリンダ21bを収縮作動させることによ
り、下鋳枠用パターンキャリア9、鋳枠W及び盛枠17を下降させる。これにより、該盛
枠17の上面と砂ホッパ22aの下面を離反させ、図7の状態にされる。
【0038】
次に、昇降シリンダ2を収縮作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳
枠W及び盛枠17を下降させる。そうすると、鋳枠Wはローラ15c上に載置され、盛枠
17は盛枠載置部材15d上に載置されて位置決めピン16により位置決めされる。この
際、盛枠17の下降に伴い、前記図示されないストッパ部材の下面と盛枠17上面は離反
する。
【0039】
次に、多数のシリンダ20aを収縮作動させ、前記スクイズフット20bを上昇させる。
そして、テーブル3の下降端で枠状フレーム昇降シリンダ12を収縮作動させることによ
り、枠状フレーム11を下降させる。
【0040】
また基台1の外側では、開閉式のルーバーゲート24における複数の回動軸24aを図示
されないゲート開閉シリンダにより逆回動させ、複数のゲート板24bを垂直状態から水
平状態にさせる(ルーバーゲート24閉じ)。そして、砂供給口開閉手段25における開
閉シリンダ25dを収縮作動させることにより、砂供給口25bを開く。その後、図示さ
れない鋳物砂供給手段(例えば、ベルトフィーダ)により、砂供給口25bを介して砂ホ
ッパ22a内に鋳物砂Sを供給し、図8の状態にされる。
【0041】
次に、鋳枠搬入出コンベヤ15により、造型された鋳枠Wが搬出され、且つ、盛枠17と
上鋳枠用パターンキャリア9Aとの間位置に空の鋳枠Wが搬入される。そして、前記図示
されない鋳枠搬入出機構昇降シリンダにより、鋳枠搬入出コンベヤ15を下降させ、上鋳
枠用パターンキャリア9A上に空の鋳枠W及び盛枠17を載置する。その後、前記図示さ
れない開閉手段により鋳枠搬入出コンベヤ15を開き、図9の状態にされる。次に、前記
図示されない鋳枠搬入出機構昇降シリンダにより、鋳枠搬入出コンベヤ15を上昇させ、
図1の状態にされる。そして、上記の作動が繰り返される。
【0042】
なお本発明では、開閉式のルーバーゲート24を備えた砂ホッパ22aにおいて、砂供給
口25bを閉じて砂ホッパ22aを密閉した状態で、砂ホッパ22aの内面に取り付けら
れたエヤー噴出チャンバー26から圧縮エヤーが噴出されるようになっている。このため
、砂ホッパ22aの内壁面への砂付着を防止することができる。また、砂ホッパ22aの
上端が開放ではなく、砂ホッパ22aを密閉した状態でエヤー噴出チャンバー26から圧
縮エヤーが噴出されるから、使用エヤーの消費量を削減することができる。また開閉式の
ルーバーゲート24を開くと鋳物砂Sが前記造型空間に充填されるが、この際、エヤー噴
出チャンバー26から噴出される圧縮エヤーにより、該鋳物砂Sが予備的に圧縮されると
いう効果もある。
【0043】
また本発明では、砂充填手段22が基台1の外側に配設され、且つ、スクイズ手段20が
基台1側(詳しくは鋳枠搬入出機構の内側)に配設されているため、砂充填手段22及び
スクイズ手段20を走行させる必要がない。このため、該砂充填手段22及びスクイズ手
段20を走行させる機構も不要であり、これにより装置の構造をシンプルにすることがで
きる。
【0044】
なお本発明の実施形態では、基台1の外側において、パターンキャリア昇降手段21によ
りパターンキャリア(図1では9A)、鋳枠W及び盛枠17を昇降させるようにしたが、
これに限定されるものではなく、該パターンキャリア、鋳枠W及び盛枠17を昇降させず
に、砂充填手段22を昇降させるようにしてもよい。この場合、砂充填手段22を下降さ
せることにより砂ホッパ22aの下面を基台1の外側に搬出された盛枠17の上面に当接
させて、前記造型空間を形成することになる。なお砂充填手段22を昇降させるには、例
えば、砂充填手段22に昇降シリンダを連結すればよい。
【0045】
また本発明の実施形態では、スクイズ部材として多数のスクイズフット20bを用いたが
、これに限定されるものではなく、スクイズ部材として例えば、平板状で1枚のスクイズ
板を用いるようにしてもよい。なお、この場合、該スクイズ板を昇降させるシリンダは、
1本でも複数本でもどちらでもよい。
【0046】
さらに本発明の実施形態では、多孔質体26bとして、超高分子量ポリエチレンを焼結さ
せて製作したものを示したが、これに限定されるものではなく、該多孔質体26bは、板
状材料に多数の孔(例えば、φ1mm〜φ2mmの丸孔)を穿孔させたものであってもよ
い。
【0047】
さらに本発明の実施形態では、開閉可能な鋳枠搬入出コンベヤ15を昇降させるようにし
ているが、これに限定されるものではなく、該鋳枠搬入出コンベヤ15は、昇降させずに
上部フレーム7に固定するようにしてもよい。ただし、上述の実施形態のように該鋳枠搬
入出コンベヤ15を昇降させる構成にすると、鋳枠搬入出コンベヤ15のローラ15c上
に空の鋳枠Wが搬入された後、すぐに鋳枠搬入出コンベヤ15を下降させてパターンキャ
リア9、9A上に空の鋳枠W及び盛枠17を載置することができる。これにより、鋳型造
型装置のサイクルタイムを短縮することができるため、好ましい。
【0048】
さらに本発明の実施形態では、前記造型空間に砂充填手段22により鋳物砂Sを充填する
工程の後に、砂充填手段22に連通された給気バルブ28を開くことにより、前記流気加
圧による鋳物砂Sの予備圧縮を行うようにしたが、該流気加圧による鋳物砂Sの予備圧縮
は必須のものではなく、省略してもよい。ただし、該流気加圧による鋳物砂Sの予備圧縮
を行うと、パターンプレート10、10A付近の鋳物砂Sの充填密度が向上するため好ま
しい。
【0049】
次に上述の実施形態(以下、第1実施形態という)とは別の実施形態を第2実施形態として説明する。最初に第1実施形態との構成の相違点について説明する。第2実施形態では、図11に示すように、鋳枠搬入出機構としての開閉可能な鋳枠搬入出コンベヤ101におけるアーム101aの下位部には、複数の盛枠昇降シリンダ101bが装着されており、該盛枠昇降シリンダ101bの先端には盛枠載置部材101cが連結されている。そして、該盛枠載置部材101cの上部には複数(本実施形態では4個)の位置決めピン101dが固定されている。なお盛枠102が前記盛枠載置部材101c上に載置された際、前記盛枠載置部材101cと前記盛枠102は該位置決めピン101dにより位置決めされるようになっている。また前記アーム101aは、上端が上部フレーム7の下端に回動可能に連結されており、第2実施形態では前記鋳枠搬入出コンベヤ101は昇降しないようになっている。
【0050】
また前記盛枠102の両端上方には複数の下向きシリンダ103が配設されており、該下向きシリンダ103は前記上部フレーム7に装着されている。そして、該下向きシリンダ103の先端にはヘッド部材104が連結されている。
【0051】
また前記鋳枠搬入出コンベヤ101の内側にはスクイズ手段105が配設されている。該スクイズ手段105は両ロッド形の多数のシリンダ(本実施形態では油圧シリンダ)105aと、該シリンダ105aの先端に連結されたスクイズ部材としてのスクイズフット105bと、該シリンダ105aを支持する支持体105cと、で構成されている。なお該支持体105cは前記上部フレーム7に固定されている。また図21に示すように、前記両ロッド形の多数のシリンダ105aは、上部油圧室105d同士が各々、上部連通路105eを介して連通されており、下部油圧室105f同士が各々、下部連通路105gを介して連通されている。
【0052】
また前記スクイズ手段105の上方には、前記多数のシリンダ105aのピストンロッド105hの高さ位置を決めるロッド高さ位置決め手段106が配設されている。該ロッド高さ位置決め手段106は、前記上部フレーム7の上端に装着された位置決め部材昇降シリンダ106aと、該位置決め部材昇降シリンダ106aの先端に連結された平板状の位置決め部材106bと、で構成されている。なお該位置決め部材106bと前記ピストンロッド105hは連結されていない。
【0053】
また前記盛枠102の両端には、前記下向きシリンダ103の先端のヘッド部材104に当接可能な当接部材102aが付属されている。また第1実施形態では、前記砂ホッパ22a内面のエヤー噴出チャンバー26は、前記開閉式のルーバーゲート24の上方までしか取り付けられていないが、第2実施形態では、該エヤー噴出チャンバー26は、前記開閉式のルーバーゲート24の下方まで取り付けられている。
【0054】
以上の点が第1実施形態との構成の相違点である。これ以外は第1実施形態と同じ構成である。なお第1実施形態と同じ構成要素については、同一の符号で示してその説明を省略することとする。
【0055】
このように構成された第2実施形態の作動について説明する。図11は、二つのパターンキャリア9、9Aのうち、一方のパターンキャリア9(以下、下鋳枠用パターンキャリアという)はテーブル3上方に配置され、且つ、他方のパターンキャリア9A(以下、上鋳枠用パターンキャリアという)は基台1の外側に配置され、さらに前記下鋳枠用パターンキャリア9上には空の鋳枠W及び盛枠102が載置され、且つ、前記上鋳枠用パターンキャリア9A上には鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠102が載置された状態である。
【0056】
なお図11では、スクイズ手段105における多数のシリンダ105aは全て、全ストロークの半分の位置、即ち、中間位置で停止されている。この点につき、詳述すると、まずロッド高さ位置決め手段106の位置決め部材昇降シリンダ106aにより位置決め部材106bを下降端まで下降させておく。その後、ピストンロッド105hの上面が位置決め部材106bの下面に当接するまで多数のシリンダ105aを上昇させる。このようにして多数のシリンダ105aを全て、中間位置で停止させる。
【0057】
この状態でターンテーブル8を回転させることにより、下鋳枠用パターンキャリア9、空の鋳枠W及び盛枠102を基台1の外側に搬出し、且つ、上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠102をテーブル3上方に搬入し、図12の状態にされる。次に、昇降シリンダ2を伸長作動させることにより、テーブル3を介して上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠102を上昇させる。そして、枠状フレーム昇降シリンダ12を伸長作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおける枠状フレーム11の上面をパターンプレート10Aの見切面より突出させた状態(本実施形態では30mm)にする。そして、位置決め部材昇降シリンダ106aを収縮作動させることにより、位置決め部材106bを上昇させ、ピストンロッド105hの上面と位置決め部材106bの下面を離反させる。
【0058】
また基台1の外側では、パターンキャリア昇降シリンダ21bを伸長作動させることにより下鋳枠用パターンキャリア9、空の鋳枠W及び盛枠102を上昇させる。これにより砂ホッパ22aの下面を基台1の外側に搬出された盛枠102の上面に当接させて、下鋳枠用パターンキャリア9に載置されたパターンプレート10、空の鋳枠W及び盛枠102により造型空間を形成し、図13の状態にされる。その後、図示されない離型剤噴霧手段により、該造型空間に離型剤が噴霧される。なお図13の状態では、基台1側の盛枠102両端の当接部材102aの上面は、下向きシリンダ103先端のヘッド部材104の下面に当接されている。
【0059】
次に、昇降シリンダ2を伸長作動させることにより、テーブル3を介して上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠102をさらに上昇させて鋳物砂Sを一次スクイズする。そして、図示されない開閉手段(例えば、シリンダ)により鋳枠搬入出コンベヤ101を閉じ、図14の状態にされる。
【0060】
次に、昇降シリンダ2を伸長作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおける枠状フレーム11の上面とパターンプレート10Aの見切面が同一高さになるまで該パターンプレート10Aを上昇させて鋳物砂Sを二次スクイズする。この際、鋳枠W及び盛枠102が枠状フレーム11とヘッド部材104で挟持された状態は維持している。
【0061】
また基台1の外側では、前記造型空間に砂充填手段22により鋳物砂Sを充填する。この点につき、詳述する。まず、砂供給口開閉手段25における開閉シリンダ25dを伸長作動させることにより、ゲート部材25cで砂供給口25bを閉じる。そして、図示されない切り替え弁を開くと、圧縮エヤーが中空室26aを通って多孔質体26bから噴出される。そして、開閉式のルーバーゲート24における複数の回動軸24aを図示されないゲート開閉シリンダにより正回動させ、複数のゲート板24bを水平状態から垂直状態にさせる(ルーバーゲート24開き)。そうすると、砂ホッパ22a内の鋳物砂Sが前記造型空間に充填され、図15の状態にされる。なお前記造型空間へ鋳物砂Sを充填している間、多孔質体26bからの圧縮エヤーの噴出は続けられ、該圧縮エヤーはパターンプレート10に設けられた図示されないベントホール、もしくは、盛枠102の側面に設けられた図示されないベントホールを通って排気される。
【0062】
次に、前記二次スクイズにおけるパターンプレート10Aの上昇終了後、昇降シリンダ2をさらに伸長作動させることにより、テーブル3を介して上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠102をさらに上昇させて鋳物砂Sを三次スクイズし、図16の状態にされる。また基台1の外側では、給気バルブ28を開くことにより、前記造型空間内の鋳物砂Sに圧縮空気を貫流させて前記造型空間内の鋳物砂Sを予備圧縮する(いわゆる、流気加圧による鋳物砂Sの予備圧縮)。その後、ケーシング25aに連通された図示されない排気弁を開き、砂ホッパ22a内に残存する圧縮空気を排気する。
【0063】
次に、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおけるパターンプレート10Aを下降させて抜型する。この際、鋳枠W及び盛枠102が枠状フレーム11とヘッド部材104で挟持された状態は維持しており、該枠状フレーム11、鋳枠W及び盛枠102は垂直方向には動かない。このため、該パターンプレート10Aが所定高さ(本実施形態では30mm)だけ下降することにより、該抜型がなされる。
【0064】
また基台1の外側では、パターンキャリア昇降シリンダ21bを収縮作動させることにより、下鋳枠用パターンキャリア9、鋳枠W及び盛枠102を下降させる。これにより、該盛枠102の上面と砂ホッパ22aの下面を離反させ、図17の状態にされる。
【0065】
次に、昇降シリンダ2を収縮作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳枠W及び盛枠102を下降させる。そうすると、鋳枠Wはローラ101e上に載置される。この際、盛枠102の下降に伴い、下向きシリンダ103も伸長作動される。そして、テーブル3の下降端で枠状フレーム昇降シリンダ12を収縮作動させることにより、枠状フレーム11を下降させる。
【0066】
また基台1の外側では、開閉式のルーバーゲート24における複数の回動軸24aを図示されないゲート開閉シリンダにより逆回動させ、複数のゲート板24bを垂直状態から水平状態にさせる(ルーバーゲート24閉じ)。そして、砂供給口開閉手段25における開
閉シリンダ25dを収縮作動させることにより、砂供給口25bを開く。その後、図示さ
れない鋳物砂供給手段(例えば、ベルトフィーダ)により、砂供給口25bを介して砂ホ
ッパ22a内に鋳物砂Sを供給し、図18の状態にされる。
【0067】
次に、盛枠昇降シリンダ101bを伸長作動させることにより、盛枠載置部材101c及び位置決めピン101dを介して盛枠102を上昇させる。この際、盛枠102の上昇に伴い、下向きシリンダ103も収縮作動される。
【0068】
次に、多数のシリンダ105aを全て、ピストンロッド105hが下降するように作動させ、スクイズフット105bを全て下降端まで下降させる。その後、位置決め部材昇降シリンダ106aを伸長作動させることにより、位置決め部材106bを下降端まで下降させる。その後、多数のシリンダ105aを全て、ピストンロッド105hが上昇するように作動させ、全てのピストンロッド105hの上面を位置決め部材106bの下面に当接させる。このようにして多数のシリンダ105aを全て、全ストロークの半分の位置、即ち、中間位置で停止させ、図19の状態にされる。
【0069】
次に、鋳枠搬入出コンベヤ101により、造型された鋳枠Wが搬出され、且つ、盛枠102と上鋳枠用パターンキャリア9Aとの間位置に空の鋳枠Wが搬入される。その後、昇降シリンダ2を伸長作動させることにより、上鋳枠用パターンキャリア9A上に空の鋳枠Wを載置し、該鋳枠Wをローラ101e上から若干持ち上げる。そして、盛枠昇降シリンダ101bを収縮作動させることにより、盛枠102を下降させて空の鋳枠W上に載置し、図20の状態にされる。この際、盛枠102の下降に伴い、下向きシリンダ103も伸長作動される。また位置決めピン101dによる盛枠載置部材101cと盛枠102の位置決めは解除される。
【0070】
次に、図示されない開閉手段により鋳枠搬入出コンベヤ101を開く。その後、昇降シリンダ2を収縮作動させることにより、空の鋳枠W及び盛枠102を下降させ、図11の状態にされる。そして、上記の作動が繰り返される。
【0071】
なお第2実施形態では、上述した一次スクイズ、二次スクイズ及び三次スクイズの際、スクイズ手段105は次のような作動をする。図22に示すように、スクイズフット105bが早く上方に押し上げられたシリンダ105aの上部油圧室105dの油が、その近傍のシリンダ105aの上部油圧室105dに流れ、該その近傍のシリンダ105aのスクイズフット105bが押し下げられる。このような作動をすることにより、鋳型の背面を均一な圧力でスクイズすることができる。
【0072】
また第2実施形態において、三次スクイズの際、もしくは、三次スクイズの後に、全てのシリンダ105aの上部油圧室105dに油を供給し、該全てのシリンダ105aのスクイズフット105bで鋳型の背面をスクイズするようにしてもよい。
【0073】
また上述の第2実施形態におけるロッド高さ位置決め手段106は、位置決め部材昇降シリンダ106aにより平板状の位置決め部材106bを昇降させるようにしているが、これに限定されるものではなく、アクチュエータ(例えば、横行シリンダ)により平板状の位置決め部材を水平移動させるようにしてもよい。この場合、例えば、該位置決め部材に各々のピストンロッド105hが通過可能な通し孔を穿孔しておく。そして、該位置決め部材を横行シリンダの先端に連結し、該位置決め部材を水平移動可能にする。そうすると、横行シリンダの伸長端では、各々のピストンロッド105hの中心と前記通し孔の中心が一致し、該ピストンロッド105hは前記通し孔内を自由に通過できるようになる。また横行シリンダの収縮端では、各々のピストンロッド105hの平面が前記通し孔から外れることになる。したがって、ピストンロッド105hを全て下降させ、横行シリンダを収縮端にした後、ピストンロッド105hを全て上昇させれば、全てのピストンロッド105hの上面が該位置決め部材の下面(前記通し孔の無い場所)に当接する。このようにすれば、上述の第2実施形態と同様に、多数のシリンダ105aを全て、全ストロークの半分の位置、即ち、中間位置で停止させることができる。
【0074】
さらに本発明の第2実施形態では、基台1の外側において、パターンキャリア昇降手段21によりパターンキャリア(図11では9A)、鋳枠W及び盛枠102を昇降させるようにしたが、これに限定されるものではなく、該パターンキャリア、鋳枠W及び盛枠102を昇降させずに、砂充填手段22を昇降させるようにしてもよい。この場合、砂充填手段22を下降させることにより砂ホッパ22aの下面を基台1の外側に搬出された盛枠102の上面に当接させて、前記造型空間を形成することになる。なお砂充填手段22を昇降させるには、例えば、砂充填手段22に昇降シリンダを連結すればよい。
【0075】
さらに本発明の第2実施形態では、多孔質体26bとして、超高分子量ポリエチレンを焼結させて製作したものを示したが、これに限定されるものではなく、該多孔質体26bは、板状材料に多数の孔(例えば、φ1mm〜φ2mmの丸孔)を穿孔させたものであってもよい。
【0076】
さらに本発明の第2実施形態では、鋳枠搬入出コンベヤ101は昇降しないようになっているが、これに限定されるものではなく、該鋳枠搬入出コンベヤ101を昇降させるようにしてもよい。
【0077】
さらに本発明の第2実施形態では、前記造型空間に砂充填手段22により鋳物砂Sを充填する工程の後に、砂充填手段22に連通された給気バルブ28を開くことにより、前記流気加圧による鋳物砂Sの予備圧縮を行うようにしたが、該流気加圧による鋳物砂Sの予備圧縮は必須のものではなく、省略してもよい。ただし、該流気加圧による鋳物砂Sの予備圧縮を行うと、パターンプレート10、10A付近の鋳物砂Sの充填密度が向上するため好ましい。
【0078】
また本発明の第1実施形態及び第2実施形態では、基台1側で一次スクイズする工程の前工程において、上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠17、102を上昇させた後、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおける枠状フレーム11の上面をパターンプレート10Aの見切面より突出させた状態にしているが、これに限定されるものではなく、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおける枠状フレーム11の上面をパターンプレート10Aの見切面より突出させた状態にした後、上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠17、102を上昇させるようにしてもよい。また、上鋳枠用パターンキャリア9A、鋳物砂Sが充填された鋳枠W及び盛枠17、102を上昇させる工程と、上鋳枠用パターンキャリア9Aにおける枠状フレーム11の上面をパターンプレート10Aの見切面より突出させた状態にする工程と、を同時に行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 基台
2 昇降シリンダ
3 テーブル
9 9A パターンキャリア
10 10A パターンプレート
11 枠状フレーム
15 101 鋳枠搬入出機構
17 102 盛枠
20 105 スクイズ手段
20b 105b スクイズ部材
22 砂充填手段
22a 砂ホッパ
24 開閉式のルーバーゲート
25 砂供給口開閉手段
25b 砂供給口
26 エヤー噴出チャンバー
28 給気バルブ
S 鋳物砂
W 鋳枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンキャリアに載置されたパターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成された造型空
間に、砂充填手段により鋳物砂を充填した後、該造型空間に充填された鋳物砂をスクイズ
手段によりスクイズして鋳型を造型する鋳型造型装置であって、前記砂充填手段が、前記
鋳枠及び盛枠の上方に配設されると共に内部に前記鋳物砂を貯留する砂ホッパと、該砂ホ
ッパの内部に配設された開閉式のルーバーゲートと、前記砂ホッパの上部に配設されると
共に前記砂ホッパ内へ前記鋳物砂を供給するための開口部である砂供給口を開閉させる砂
供給口開閉手段と、前記砂ホッパの内面に取り付けられたエヤー噴出チャンバーと、を具
備することを特徴とする鋳型造型装置。
【請求項2】
基台に装着された昇降シリンダと、該昇降シリンダに連結されたテーブルと、前記パター
ンプレートを載置し、且つ、該パターンプレートの外周を包囲して上下動する枠状フレー
ムを設ける共に前記テーブルの上方に搬入出される前記パターンキャリアと、該パターン
キャリアの上方に前記鋳枠を搬入出させる鋳枠搬入出機構と、該鋳枠搬入出機構の内側に
配設されたスクイズ手段と、前記鋳枠の上方に昇降可能に配設された前記盛枠と、前記基
台の外側に配設されると共に前記テーブルの上方から前記基台の外側に搬出された前記パ
ターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成された造型空間に前記鋳物砂を充填する前記砂
充填手段と、を具備することを特徴とする請求項1記載の鋳型造型装置。
【請求項3】
前記砂充填手段に、給気バルブを連通させたことを特徴とする請求項1又は2のいずれか
に記載の鋳型造型装置。
【請求項4】
パターンキャリアに載置されたパターンプレート、鋳枠及び盛枠により形成された造型空
間に、砂充填手段により鋳物砂を充填した後、該造型空間に充填された鋳物砂をスクイズ
手段によりスクイズして鋳型を造型する鋳型造型方法であって、前記造型空間に前記砂充
填手段により鋳物砂を充填する工程が、前記砂充填手段における砂供給口開閉手段を閉じ
る工程と、前記砂充填手段における砂ホッパの内面に取り付けられたエヤー噴出チャンバ
ーからエヤーを噴出させる工程と、前記砂充填手段における開閉式のルーバーゲートを開
く工程と、を有することを特徴とする鋳型造型方法。
【請求項5】
前記パターンプレートを載置すると共に該パターンプレートの外周を包囲して上下動する
枠状フレームを設けた二つの前記パターンキャリアのうち、一方の前記パターンキャリア
はテーブル上方に配置され、且つ、他方の前記パターンキャリアは基台の外側に配置され
、さらに前記一方のパターンキャリア上には空の前記鋳枠及び盛枠が載置され、且つ、前
記他方のパターンキャリア上には前記鋳物砂が充填された前記鋳枠及び盛枠が載置された
状態で、前記一方のパターンキャリア、空の鋳枠及び盛枠を前記基台の外側に搬出し、且
つ、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠を前記テーブル上方
に搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠を上
昇させる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠状フレームの上面を前記パター
ンプレートの見切面より突出させた状態にする工程と、前記砂ホッパの下面を前記基台の
外側に搬出された盛枠の上面に当接させて、前記一方のパターンキャリアに載置されたパ
ターンプレート、空の鋳枠及び盛枠により造型空間を形成する工程と、
前記スクイズ手段におけるスクイズ部材を下降させて前記鋳物砂を一次スクイズする工程
と、鋳枠搬入出機構を閉じる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠状フレーム
の上面と前記パターンプレートの見切面が同一高さになるまで該パターンプレートを上昇
させながら前記スクイズ部材を下降させて前記鋳物砂を二次スクイズする工程と、前記造
型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填する工程と、前記二次スクイズにおける前記
パターンプレートの上昇終了後、前記スクイズ部材をさらに下降させて前記鋳物砂を三次
スクイズする工程と、前記他方のパターンキャリアにおける前記パターンプレートを下降
させて抜型する工程と、前記砂ホッパを前記基台の外側に搬出された盛枠から離反させる
工程と、前記他方のパターンキャリアを下降させる工程と、前記砂充填手段における開閉
式のルーバーゲートを閉じる工程と、前記砂充填手段における砂供給口開閉手段を開き、
砂供給口から前記砂ホッパ内に前記鋳物砂を供給する工程と、前記他方のパターンキャリ
アの上方に配置された盛枠と前記他方のパターンキャリアとの間位置に空の鋳枠を搬入す
る工程と、前記他方のパターンキャリア上に空の鋳枠及び盛枠を載置する工程と、前記鋳
枠搬入出機構を開く工程と、を有することを特徴とする請求項4記載の鋳型造型方法。
【請求項6】
前記パターンプレートを載置すると共に該パターンプレートの外周を包囲して上下動する枠状フレームを設けた二つの前記パターンキャリアのうち、一方の前記パターンキャリアはテーブル上方に配置され、且つ、他方の前記パターンキャリアは基台の外側に配置され、さらに前記一方のパターンキャリア上には空の前記鋳枠及び盛枠が載置され、且つ、前記他方のパターンキャリア上には前記鋳物砂が充填された前記鋳枠及び盛枠が載置された状態で、前記一方のパターンキャリア、空の鋳枠及び盛枠を前記基台の外側に搬出し、且つ、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠を前記テーブル上方に搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠を上昇させる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠状フレームの上面を前記パターンプレートの見切面より突出させた状態にする工程と、前記砂ホッパの下面を前記基台の外側に搬出された盛枠の上面に当接させて、前記一方のパターンキャリアに載置されたパターンプレート、空の鋳枠及び盛枠により造型空間を形成する工程と、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠をさらに上昇させて前記鋳物砂を一次スクイズする工程と、鋳枠搬入出機構を閉じる工程と、前記他方のパターンキャリアにおける枠状フレームの上面と前記パターンプレートの見切面が同一高さになるまで該パターンプレートを上昇させて前記鋳物砂を二次スクイズする工程と、前記造型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填する工程と、前記二次スクイズにおける前記パターンプレートの上昇終了後、前記他方のパターンキャリア、鋳物砂が充填された鋳枠及び盛枠をさらに上昇させて前記鋳物砂を三次スクイズする工程と、前記他方のパターンキャリアにおける前記パターンプレートを下降させて抜型する工程と、前記砂ホッパを前記基台の外側に搬出された盛枠から離反させる工程と、前記他方のパターンキャリアを下降させる工程と、前記砂充填手段における開閉式のルーバーゲートを閉じる工程と、前記砂充填手段における砂供給口開閉手段を開き、砂供給口から前記砂ホッパ内に前記鋳物砂を供給する工程と、前記他方のパターンキャリアの上方に配置された盛枠と前記他方のパターンキャリアとの間位置に空の鋳枠を搬入する工程と、前記他方のパターンキャリア上に空の鋳枠及び盛枠を載置する工程と、前記鋳枠搬入出機構を開く工程と、を有することを特徴とする請求項4記載の鋳型造型方法。
【請求項7】
前記造型空間に前記砂充填手段により鋳物砂を充填する工程の後に、前記砂充填手段に連
通された給気バルブを開くことにより、前記造型空間内の鋳物砂に圧縮空気を貫流させて
前記造型空間内の鋳物砂を予備圧縮することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の鋳型造型方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−55968(P2012−55968A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231158(P2010−231158)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【Fターム(参考)】