説明

鋼床版の溶接装置

【課題】鋼床版のデッキプレートと閉断面リブの当接箇所を閉空間の内側から溶接可能な溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接装置1は、全体が閉空間sを長手方向に通り抜け可能な寸法を有する。
溶接装置は、台車10、20と、デッキプレートと閉断面リブとの当接箇所に対向可能な溶接トーチ30と、溶接トーチ30に溶接ワイヤwを供給可能なワイヤ送給機40と、溶接トーチ30にガスおよび電力を供給可能なケーブル50と、を備える。台車10、20を走行させながら溶接トーチ30により閉空間sの内側から溶接作業をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鋼床版のデッキプレートと閉断面リブとの当接箇所を閉断面リブの内面側から溶接可能な溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁に用いられる床版として、鋼製のフラットなデッキプレートの下面に、同じく鋼製の縦リブや横リブを溶接して補強した鋼床版が知られている。
このような鋼床版は、コンクリートの打設が不要なことや軽量であること等の理由から鉄筋コンクリート床版等に比べて現場施工が簡便であり、汎用されている。
【0003】
ここで鋼床版に用いられる縦リブとして、いわゆる閉断面リブが知られている。閉断面リブは、ボトムパネルとその両側から立ち上がるサイドパネルを有し、その長手方向に垂直な断面が下に凸の曲線形状をなしている。この閉断面リブをデッキプレートの下面に接近させるとそのサイドパネルの先端部(上端部)が当接するようになっている。
こうしてサイドパネルがデッキプレートに当接することで、閉断面リブの内部には長手方向に連続する閉空間が形成されることになる。典型的な閉断面リブとして、特許文献1に記載されているような断面がU字型をなすUリブが挙げられる。
【0004】
ところで一般的な閉断面リブは、その閉空間の縦横寸法(高さおよび幅寸法)が数十cm程度であって、内部に人間が入り込めない大きさとなっている。
そのため、デッキプレートへ溶接する際には、閉空間の内側から人間が直接作業をおこなうことが不可能である。
このことから従来は、閉断面リブのサイドパネルとデッキプレートの下面との当接箇所の外面側からのみ、つまり閉空間の外側のみから溶接をおこなっていた。
【0005】
ここでデッキプレートの上面はアスファルト等により舗装され、その上を車両が通行するため、車両の輪荷重によりデッキプレートに局部変形が生じる。
この局部変形にともなって、構造的に弱いデッキプレートと閉断面リブとの溶接箇所に応力が集中することになる。
【0006】
とくに従来は上記のように閉断面リブの外面側のみから溶接を行っていたため、溶接範囲が狭く(溶接面積が小さく)、応力集中の度合いが著しいものとなっている。そのため、当該溶接箇所に疲労亀裂が発生しやすく、特に大型車の交通量が多い橋梁では鋼床版の供用開始から十数年程度で、溶接箇所を起点として亀裂がデッキプレートにまで達する例が多数見受けられている。
【0007】
デッキプレートと閉断面リブのサイドパネルとの当接箇所を、従来のような閉空間の外側からだけ溶接するのではなく、閉空間の内側からも溶接することができれば、溶接範囲が広がって応力が分散される。そのため、上記のような疲労亀裂の問題を抑制または解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−332588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこでこの発明の解決すべき課題は、鋼床版のデッキプレートと閉断面リブの当接箇所を閉空間の内側から溶接可能な溶接装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するため、発明にかかる鋼床版の溶接装置を、その全体が閉断面リブ内の閉空間を長手方向に通り抜け可能な寸法を有するものとし、前記閉空間を走行可能な台車と、前記台車に搭載されて台車の前記閉空間の走行時に前記デッキプレートと前記閉断面リブのサイドパネルとの当接箇所に対向可能なアーク溶接用の溶接トーチと、前記台車に搭載されて前記溶接トーチに溶接ワイヤを供給可能なワイヤ送給機と、前記溶接トーチに接続されてシールドガスおよび溶接用の電力を供給可能なケーブルと、を備える構成としたのである。
【0011】
この溶接装置をその台車により鋼床版の閉断面リブ内の閉空間を長手方向に沿って走行させながら、その溶接トーチにワイヤ送給機とケーブルから溶接ワイヤ、シールドガス、電力を供給して、デッキプレートと閉断面リブのサイドパネルとの当接箇所をアーク溶接する。このようにして、当接箇所を閉空間の内側から溶接することができる。
【発明の効果】
【0012】
発明にかかる溶接装置を以上のように構成したので、鋼床版のデッキプレートと閉断面リブのサイドパネルとの当接箇所を閉空間の内側から溶接することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】溶接装置で鋼床版を溶接している状態を示す斜視図
【図2】閉空間内での溶接装置の側面図
【図3】閉空間内での溶接装置の平面図
【図4】溶接装置の駆動台車側の拡大斜視図
【図5】溶接ワイヤ送給機の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつこの発明の実施形態について説明する。
実施形態にかかる鋼床版の溶接装置1は、図1のように、鋼床版60のデッキプレート61とUリブ62のサイドパネルとの当接箇所を閉空間sの内側から溶接するのに用いられる。
図2および3のように、溶接装置1は、台車10、20と、溶接トーチ30と、溶接ワイヤ送給機40と、ケーブル50と、を備える。
【0015】
図示のように、台車は、前側の駆動台車10と後側の被牽引台車20とからなり、駆動台車10と被牽引台車20とは連結部25により連結されている。
駆動台車10は、平面視矩形の台車本体11の底面に4輪の車輪12を有する。この車輪12が台車本体11に搭載されたモータやギヤを含む電動部13により駆動回転することで、駆動台車10は自走できるようになっており、かつその走行速度を調節可能となっている。
被牽引台車20は、平面視矩形の台車本体21の底面に4輪の車輪22を有する。被牽引台車20は、その車輪22がフリー回転するようになっており、チェーンや鋼棒などの細長い連結部材からなる連結部25を介して、駆動台車10に牽引されるようになっている。
【0016】
駆動台車10の台車本体11の一側面には前後に並列するガイドローラ14が設けられている。各ガイドローラ14はフリー回転するようになっており、前側のガイドローラ14より後側のガイドローラ14のほうが、台車本体11の側面からの突出量が大きくなっている。なお、ガイドローラ14の突出量は後側が前側より突出した状態を維持しつつ、大きさを調節できるようにしてもよい。
【0017】
また、被牽引台車20の台車本体21の両側面には前後に並列する横ずれ防止ローラ23がそれぞれ設けられている。各横ずれ防止ローラ23はフリー回転するようになっており、その台車本体21の側面からの突出量はほぼ等しくなっている。なお、横ずれ防止ローラ23の突出量は前後左右のローラで等しい状態を維持しつつ、大きさを調節できるようにしてもよい。
【0018】
駆動台車10および被牽引台車20は、それぞれ台車本体11、21の内部に電磁石からなる磁石部15、24が付属しており、その励磁状態で鋼床版に底面側が吸着可能になっている。
なお、ここで駆動台車10の走行性能を高めるためには、その車輪12をゴム車輪とし4輪駆動とするのが好ましい。
さらに、駆動台車10には溶接トーチ30が搭載され、被牽引台車20には溶接ワイヤの送給機40が搭載されている。
【0019】
図4のように、アーク溶接用の溶接トーチ30はノズル31を含む公知の機構を有する。溶接トーチ30は、トーチホルダ16によりそのノズル31の先端部が駆動台車10の正面からみて斜め下を向くように、駆動台車10の台車本体11の上に取り付けられている。
またトーチホルダ16は、送り機構17により、駆動台車10の上下左右方向にスライド可能となっている。送り機構17は、ねじ軸の回転により上下方向に送り可能な上下動ブロックと、ねじ軸の回転により左右方向(幅方向)に送り可能な左右動ブロックを有する公知の機構を有している。これにより溶接トーチ30の向きを微調整できるようになっている。
【0020】
この溶接トーチ30には、図示省略のコネクタを介して集束ケーブル50が着脱可能に接続されている。集束ケーブル50内には、ガスホースや電気ケーブルなどの各種ケーブル類が集束されており、これを介してシールドガスやアーク放電のための電力が、図示省略のガスボンベや電源から供給されるようになっている。
図1のように、集束ケーブル50は、公知の機構を有する巻き取り機51が付属し、そのリールに巻回されている。この巻き取り機51のリールはフリー回転の状態と駆動回転の状態を切り替えられるようになっている。
なお、シールドガスの種類は特に限定されず、炭酸ガス、不活性ガス(アルゴン)などが例示できる。
【0021】
図2および図3のように、ワイヤ送給機40は、送給機本体41と溶接ワイヤが巻回されたスプール42とからなる公知の機構を有して、溶接トーチ30に溶接ワイヤwを供給するようになっている。
溶接トーチ30に送られた溶接ワイヤwには、溶接トーチ30のノズル31内に設けられた図示省略のコンタクトチップに接触することで電力が供給されるようになっている。これにより、溶接対象物(デッキプレートやUリブ)との間にアーク放電が生じて溶接ワイヤwおよび溶接対象物が熱で溶融してアーク溶接がなされる。同時に溶接トーチ30のノズル31内に設けられた図示省略の噴射孔からシールドガスが噴射され、アークが大気から保護されるようになっている。
【0022】
アーク溶接の形式は特に限定されず、MAG(Metal Active Gas)溶接、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、プラズマアーク溶接が例示できる。また溶接の種類も限定されず、すみ肉溶接であっても溶込み溶接であってもよい。
【0023】
ここでワイヤ送給機40は、その送給機本体41が被牽引台車20の前側に、そのスプール42が被牽引台車20の後側にそれぞれネジ止め等の公知の手段により固定されている。
図5のように、送給機本体41は、ケーシング内の上下にピンチロール41aが回転可能に支持されている。スプール42からの溶接ワイヤは、これらのロール41aに挟み込まれ、ケーシング前部に開口する受口41bを通じて前方に送り出されるようになっている。
【0024】
なお上側のピンチロール41aは、ハンドル41cの揺動操作により上下に微少動するようになっており、溶接ワイヤwを上下のピンチロール41aで挟み込む力を調節できるようになっている。
また、ケーシング内のピンチロール41aより後側の上下には、矯正ロール41dが回転可能に支持されている。スプール42に巻回されてくせの付いた溶接ワイヤwは、これらのロール41d間を通すことでほぼ真っ直ぐに矯正されるようになっている。なお下側の矯正ロール41dは、図示のように揺動アームに支持されており、下方の調節ねじ41eを上下に送ることで高さ調節可能になっている。
【0025】
ここで駆動台車10の車輪12の回転駆動および停止、駆動台車10の磁石部15の励磁および消磁、溶接トーチ30への溶接ワイヤw、シールドガス、電力の供給および供給停止等は、図示省略の公知の機構を有する制御ボックスにより遠隔操作できるようになっている。
【0026】
また溶接装置全体1の寸法は、図1から図3に示すように、鋼床版60のUリブ62内に形成される閉空間sを通り抜け可能なものとなっている。具体的には、Uリブ62は通常その幅が30cm程度、その高さが22cm程度であるため、溶接装置1の幅および高さはこれよりも小さいものとなっている。
【0027】
実施形態の溶接装置1の構成は以上のようであり、次にこの溶接装置1を用いて鋼床版60のデッキプレート61とUリブ62のサイドパネル62bとの当接箇所を閉空間sの内側から溶接する方法について説明する。
【0028】
まず、図1のように、デッキプレート61を鋼床版60の設置状態とは天地が逆になるように、すなわち下面が上に上面が下になるようにして作業床に載置する。その上に同じく鋼床版60の設置状態とは天地が逆になった状態(ボトムパネル62aが上になった状態)でUリブ62を載せてそのサイドパネル62bをデッキプレート61に当接させる。
【0029】
Uリブ62のサイドパネル62bとデッキプレート61の当接箇所は、Uリブ62の外面側から溶接する。この溶接作業は、人間がUリブ62の長手方向に沿って移動しながら溶接ガンを直接操作する等、公知の方法により行われる。
【0030】
溶接装置1をUリブ62の閉空間sの開放された端面から内部へと、部分的に入り込ませる。このとき溶接装置1のトーチ30は、駆動台車10の送り機構17を操作して、片側のサイドパネル62bとデッキプレート61との当接箇所にノズル31が対向するように上下左右に位置調整しておくものとする。
そして、駆動台車10の車輪12を回転駆動させて、溶接装置1を閉空間s内部の長手方向に沿って進行させる。
外側溶接と内側溶接の溶接順序は特には限定されるものではなく、外側溶接と内側溶接を同時に溶接してもよい。
【0031】
このとき、集束ケーブル50の巻き取り機51はそのリールをフリー回転に切り替えておいて、Uリブ62の外において、図1のように閉空間sの開放された端面に正対するように設置する。
このようにすると、溶接装置1の進行にしたがって集束ケーブル50が閉空間sに引き込まれる際に、集束ケーブル50がUリブ等に干渉することが防止されまた摩擦が低減されるため、スムーズな引き込みが可能となる。
【0032】
図2および図3に示すように、閉空間s内に溶接装置1を進行させつつ、その被牽引台車20に搭載された溶接トーチ30に電力、シールドガス、溶接ワイヤwを供給して、デッキプレート61と片側のサイドパネル62bとの当接箇所の溶接作業を連続的におこなっていく。
【0033】
このとき図3のように、被牽引台車20は、その両側面から等量突出する横ずれ防止ローラ23が、両サイドパネル62bにそれぞれ当接する。これにより、被牽引台車20は、閉空間s内で横ずれすることなく真っ直ぐにスムーズに進行するようになっている。
【0034】
また駆動台車10は、前後で両側面からの突出量が異なるガイドローラ14が片側サイドパネル62bに当接することで、台車本体11の前側が後ろ側よりもサイドパネル62bに近づいた状態となり、台車本体11が閉空間sの長手方向に対して角度αをもって傾斜している。このため駆動台車10は、その全体が片側のサイドパネル62bに常に押し付けられながら閉空間s内を進行することになる。
したがって、駆動台車10に搭載された溶接トーチ30は、サイドパネル62bとデッキプレート61との当接箇所に対向する位置からずれ動くことがなく、正確に当該当接箇所を溶接することができる。
駆動台車10と被牽引台車20は分離されているが、両台車を一体化した溶接装置を用いてもよい。
【0035】
溶接装置1が閉空間sを通り抜けると、溶接トーチ30から集束ケーブル50を取り外し、台車10、20を反転させる。これとともに、巻き取り機51のリールを駆動回転状態に切り替えて集束ケーブル50を自動で速やかに巻き取る。そして、巻き取り機51を最初の設置位置とは逆の閉空間sの開放された端面に正対する位置に移動させる。
巻き取り機51のリールをフリー回転状態に切り替えて、再びケーブル50を溶接トーチ30に接続する。この状態で、溶接装置1を先ほどとは逆向きに閉空間s内を進行させ、デッキプレート61と残った側のサイドパネル62bとの当接箇所の溶接作業を先ほどと同様におこなう。
【0036】
溶接装置1による溶接作業が終了すると、閉空間内にCCDカメラ、ファイバースコープ等により構成される外観検査装置を通して、溶接箇所の状態を観察し、欠陥を検出する。欠陥が検出された場合は、再度溶接装置1を用いて当該箇所の溶接作業をおこなう。
【0037】
以上の実施形態では、鋼床版の閉断面リブとしてUリブを例示して溶接装置による溶接を説明したが、この溶接装置はUリブ以外の閉断面リブとデッキプレートとを内側から溶接するのにも用いられることは無論である。
【0038】
また以上の実施形態では、鋼床版60を新たに製造する場合の閉空間内からの溶接を例示したが、従来の鋼床版、すなわちデッキプレート61とUリブ62の当接箇所の外側のみが溶接された既設の鋼床版にこの方法を適用して改修してもよい。
その改修作業においては、鋼床版が設置された状態で溶接をおこなう必要があるため、実施形態とは天地が逆の状態となるが、溶接装置1は各台車10、20の下面に磁石部15、24を有してデッキプレート61の下面にさかさまに吸着しながら走行できるため、溶接作業に支障は生じない。
【0039】
さらに以上の実施形態では、溶接装置1に搭載される溶接トーチ30が1つ(1電極)の場合を例示したが、溶接トーチ30を2つ(2電極)にしてもよい。
そして、各溶接トーチ30のノズル31が閉空間内においてデッキプレート61と両サイドパネル62bの当接箇所にそれぞれ向くようにし、両側の当接箇所を同時に溶接できるようにしてもよい。このようにすると、溶接作業時間の短縮化が図られる。
この溶接装置1は、鋼床版60の内部溶接に主として用いられるものであるが、鋼床版60と同様に内部に閉空間を有する構造体全般の内部溶接に用いることができるのは無論である。このような構造体の具体例としては、鋼板にUリブなどの補剛材を溶接することで補強されたいわゆる補剛板が挙げられる。
【符号の説明】
【0040】
1 実施形態の溶接装置
10 駆動台車
11 台車本体
12 車輪
13 電動部
14 ガイドローラ
15 磁石部
16 トーチホルダ
17 送り機構
20 被牽引台車
21 台車本体
22 車輪
23 横ずれ防止ローラ
24 磁石部
25 連結部
30 溶接トーチ
31 ノズル
40 ワイヤ送給機
41 送給機本体
41a ピンチロール
41b 受口
41c ハンドル
41d 矯正ロール
41e 調節ねじ
42 スプール
50 集束ケーブル
51 巻き取り機
60 鋼床版
61 デッキプレート
62 Uリブ
62a ボトムパネル
62b サイドパネル
w 溶接ワイヤ
s 閉空間
α 傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製のデッキプレートと、
鋼製のボトムパネルおよび両サイドパネルからなって前記デッキプレートの下面に前記両サイドパネルが当接することでその内部に長手方向に連続する閉空間が形成される閉断面リブと、を備える鋼床版について、
前記デッキプレートと前記閉断面リブの両サイドパネルとの当接箇所に前記閉空間の内側からの溶接をおこなうための溶接装置であって、
その全体が前記閉空間を長手方向に通り抜け可能な寸法を有し、
前記閉空間を走行可能な台車と、
前記台車に搭載されて台車の前記閉空間の走行時に前記デッキプレートと前記閉断面リブのサイドパネルとの当接箇所に対向可能なアーク溶接用の溶接トーチと、
前記台車に搭載されて前記溶接トーチに溶接ワイヤを供給可能なワイヤ送給機と、
前記溶接トーチに接続されてシールドガスおよび溶接用の電力を供給可能なケーブルと、を備える鋼床版の溶接装置。
【請求項2】
前記台車は、前記閉空間内のデッキプレート下面にその底面側を吸着可能な磁石部を有する請求項1に記載の鋼床版の溶接装置。
【請求項3】
前記溶接装置と前記ケーブルとは、着脱自在である請求項1または2に記載の鋼床版の溶接装置。
【請求項4】
前記台車は、
前記溶接トーチを搭載する前側の駆動台車と、
前記ワイヤ送給機を搭載する後側の被牽引台車と、
前記駆動台車と被牽引台車とを連結する連結部と、からなり、
前記駆動台車が自走することで前記被牽引台車が牽引される請求項1から3のいずれかに記載の鋼床版の溶接装置。
【請求項5】
前記駆動台車は、その一側面に台車全体が前記閉空間の長手方向に対して幅方向に前傾した状態で前記閉断面リブの片側サイドパネルに倣う前後のガイドローラを有する請求項4に記載の鋼床版の溶接装置。
【請求項6】
前記被牽引台車は、その両側面に前記閉空間内で前記閉断面リブの両サイドパネルにそれぞれ倣う横ずれ防止ローラを有する請求項4または5に記載の鋼床版の溶接装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−16710(P2012−16710A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153945(P2010−153945)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(505413255)阪神高速道路株式会社 (46)
【出願人】(591099212)片山ストラテック株式会社 (13)
【Fターム(参考)】