錠コントローラ
【課題】より簡単に調整用カードを設定して利用することができる錠コントローラを提供する。
【解決手段】錠コントローラの施解錠制御部は、初期化されている状態から電源が投入されると(ステップS1)、最初に読取られたICカードの認証情報が所定の条件に適合するとそのカードを調整用カードに設定する(ステップS2,S3)。タイマ部は、最初の調整用カードの認証情報が記憶させると計時動作を開始し(ステップS4)、その計時動作中に読取られたICカードが新規に読取られたカードであれば新たな調整用カードに設定する(ステップS5〜S7)。
【解決手段】錠コントローラの施解錠制御部は、初期化されている状態から電源が投入されると(ステップS1)、最初に読取られたICカードの認証情報が所定の条件に適合するとそのカードを調整用カードに設定する(ステップS2,S3)。タイマ部は、最初の調整用カードの認証情報が記憶させると計時動作を開始し(ステップS4)、その計時動作中に読取られたICカードが新規に読取られたカードであれば新たな調整用カードに設定する(ステップS5〜S7)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の認証情報が記録されたカードの情報を読取り、その認証情報に基づいて、入退室の際に開閉される扉の施錠,解錠を制御する錠コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティを確保する必要がある特定の部屋に対する入退室を管理するため、ICカードを使用して扉の解錠,施錠を制御するシステムについては、そのシステムの設置工事中や工事後の試験稼動、或いは本稼動後のメンテナンスや調整の際に、工事作業者や保守作業者は、調整用カードを用いてシステムを使用するようになっている。この場合、例えば、タンパ機能(錠コントローラの蓋が開けられた際に、コントローラの内部に記憶されている機密情報を削除する機能)のような一部の機能を無効にした状態で、システムを使用する必要があるためである。
【0003】
上記の調整用カードの取り扱いについては、予め錠コントローラ側に所定の取り決めを行うようにする。一般的には、例えば特許文献1に開示されているように、特定のカードに調整用カードであることを示す情報を書き込んでおき、コントローラ側がその情報を読取ると、自身の動作モードを調整モードに移行させるようにしている。
【特許文献1】特開2002−16369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の方式では、工事現場において設置する錠コントローラの数量がシステムの規模に応じて多くなる場合に、調整用カードの使用に制約があった。例えば、予め登録した調整用カードの数が3枚であり、現場に設置される錠コントローラの数が100を超えるような場合、3枚の調整用カードを使い回す必要があり、カードを使用できない現場では調整作業が滞ることが想定される。
その他、例えば、錠コントローラを出荷する前に、工場において各コントローラ毎に調整用カードを設定しておくことも考えられるが、設定やカードの管理が複雑となり、現実的とはいえない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡単に調整用カードを設定して利用することができる錠コントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の錠コントローラによれば、調整用カード設定手段は、電源が投入されると、最初に読取られたカードの認証情報が所定の条件に適合する場合はそのカードを調整用カードに設定する。そして、タイマ手段は、最初に設定された調整用カードの認証情報を記憶手段が記憶させると所定時間の計時動作を開始する。
更に、調整用カード設定手段は、上記の計時動作中に読取られたカードが新規に読取られたカードであれば新たな調整用カードに設定し、認証手段は、タイマ手段が計時動作を終了すると、以降に読取ったカードの認証情報を記憶手段により記憶された情報と照合し、前記カードが調整用カードであると判断すると、認証情報の内容に応じて予め設定されている扉の施錠,解錠の可否を判定し、制御部はその判定結果に応じて施錠,解錠を制御する。
【0007】
斯様に構成すれば、錠コントローラは、最初に電源が投入された時点から所定時間が経過するまでの間に読取られたカードを調整用カードに設定し、調整モードでの使用を可能とする。従って、調整用カードとして使用するためのカードに、予め特定の情報を記憶させておく必要は無く、調整運転を行う際に、多数の設置箇所において同時に調整用カードを使用する場合でも、各箇所で必要とされる枚数に応じて、調整用カードを柔軟に設定して使用することができる。
【0008】
請求項2記載の錠コントローラによれば、サブタイマ手段は、タイマ手段が計時動作を終了すると自身の計時動作を開始し、調整用カード設定手段は、サブタイマ手段による計時動作中に読取られたカードが新規に読取られたカードであれば、そのカードを特定動作カードに設定する。そして、モード切換え手段は、通常動作モード中に読取ったカードが調整用カードであれば再び調整モードに移行し、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであれば、通常のカードとは異なる制御を実行する。
【0009】
即ち、通常動作モード中であっても、オプションとして、通常とは異なるパターンで
解錠,施錠動作を実行させることができると好ましい場合には、錠コントローラに対して最初に電源が投入された時点で、調整用カードの設定を行った後に続いて特定動作カードの設定を行ない、その特定動作カードを使用して、錠コントローラに通常のカードとは異なる制御を実行させることができる。そして、この場合も、特定動作カードとして使用するためのカードに予め特定の情報を記憶させておく必要は無いので、設定を柔軟に行うことができる。
【0010】
請求項3記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、特定動作カードを再度読取るまで解錠状態を維持する。即ち、通常のカードであれば、その認証情報を読取った結果、扉を一旦解錠すると、扉が閉じられた後例えば数秒が経過すると自動的に施錠するのが一般的な制御パターンである。しかしながら、状況によっては、一度開けた扉が直ちに施錠されると、再びカードを使って再度の解錠を行う動作が煩わしい場合も想定される(例えば、多くの荷物を出入れする場合など)。従って、特定動作カードを読取る毎に、解錠,施錠を交互に行うように設定すれば、ユーザの意思によって扉を施錠させたいタイミングで施錠させることが可能となる。
【0011】
請求項4記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、扉の開閉状態にかかわらず、解錠状態を所定時間だけ維持する。即ち、請求項3において述べた場合と同様に、一度開けた扉が直ちに施錠されると再度の解錠動作が煩わしい場合には、特定動作カードを読取らせて解錠状態を所定時間(例えば、数分〜数10分)だけ維持すれば、その間に入退室を繰り返すことができる。
【0012】
請求項5記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断すると、その特定動作カードの読取り情報を外部に送信する。例えば、外部からの来客のように、特定の日時にだけ入退室を行う者に対しては、特定動作カードを貸与して入室を行なわせるようにしておき、錠コントローラが読取った上記カードの情報を外部に送信させることで、例えば、特定の客が来訪したことを認識して報知させる、といった制御を行わせることができる。
【0013】
請求項6記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に調整用カードを「2」以上の所定枚数読取った場合は調整モードに移行する。即ち、必要な調整を終了して錠コントローラを一旦稼動させた後でも、状況に応じて調整モードを設定した方が望ましいことも想定されるので、ユーザの意思に応じて再度調整モードに移行させることができる。
【0014】
請求項7記載の錠コントローラによれば、報知手段は、タイマ手段が計時動作中であること、又はその計時動作が終了したことを作業者に報知するので、作業者は、現在の錠コントローラの動作状態を報知に基づいて把握することができ、調整用カード等の設定作業が行い易くなる。
【0015】
請求項8記載の錠コントローラによれば、タイマ手段は、所定時間の計時動作が完了するまでの間に新たな調整用カードが読取られると、そのカードの認証が行なわれる毎に、計時動作をリセットスタートするので、カードの読取り状況に応じて、調整用カードの設定可能期間を適宜延長することができ、設定作業が行い易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図6を参照して説明する。図6は、入室管理システムの全体構成を示すものである。ドア(扉)1の内部には電気錠2が配置されており、電気錠2は、アクチュエータを電磁的に駆動することによってドア1の施錠,解錠を行うようになっている。カードリーダ(情報読取り部)3は、例えば非接触型のICカードに記録されている個人データを電波信号を介して読み取り、読取ったデータを錠コントローラ4にシリアルインターフェイスを介して送信する。また、カードリーダ3は、その他、LCDパネルに文字を表示させたり、データの読取り応答としてサウンドを出力したり、図示しないLED表示を行う機能などを備えている。
【0017】
錠コントローラ4は、マイクロコンピュータなどで構成され、管理サーバ(データ管理手段)5との間においても、例えば、Ethernet(登録商標)のようなLAN(Local Area Network)を介して通信を行うようになっている。そして、錠コントローラ4は、管理サーバ5より送信されて自身が内部のRAMなどに保持している解錠許可データと、カードリーダ3を介してICカードより読み出したデータとを照合した結果に基づいて、電気錠2を制御するようになっている。
また、ドア1及び電気錠2,カードリーダ3,錠コントローラ4の組みは複数存在しており、各錠コントローラ4と管理サーバ5とが上記LANを介して接続されている。
【0018】
図5は、電気的構成を示す機能ブロック図である。ICカード6は、メイン制御部7,メモリ8,通信制御部9及びアンテナ10で構成されており、カードリーダ3より送信された電波信号をアンテナ10が受信すると、図示しない電源回路により動作用電源が生成供給されて動作する。
メイン制御部7はCPUなどで構成され、カードリーダ3により送信され、通信制御部9が復調したコマンドに応じてメモリ8に記憶されているID情報を読み出すと、通信制御部9及びアンテナ10を介してカードリーダ3側に送信する。なお、上記のID情報は、例えば、企業の従業員番号などの認証情報である。通信制御部9は、カードリーダ3側にデータを送信する場合、例えば、カードリーダ3より送信される搬送波を負荷変調することで発生する反射波を利用して送信する。
【0019】
カードリーダ3は、アンテナ11,ICカード通信制御部12,錠コントローラ通信制御部13,メイン制御部14,サウンド発生部(報知手段)15,メッセージ表示部(報知手段)16などを備えている。メイン制御部14は、CPUなどで構成されており、ICカード通信制御部12を制御して、アンテナ11の通信範囲内に位置したICカード6との間の通信を制御する。
【0020】
錠コントローラ通信制御部13は、例えばRS−232Cなどのシリアル通信インターフェイスであり、メイン制御部14は、錠コントローラ通信制御部13を制御して錠コントローラ4との間の通信を制御する。また、メイン制御部14は必要に応じて、サウンド発生部15を制御し、図示しないブザーなどを駆動して動作状態に応じた音響信号を出力したり、また、メッセージ表示部16を制御して文字メッセージをLCDパネルに表示させる。
【0021】
錠コントローラ4は、施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段,認証手段)17,カードリーダ/電気錠/管理サーバの夫々に対応した通信制御部18〜20,メモリ21,初期カード情報記憶部(記憶手段)22,タイマ部(タイマ手段)23などを備えている。施解錠制御部17はCPUなどで構成され、通常の動作状態では、カードリーダ通信制御部18を介してカードリーダ3が読み取ったICカード6のID情報を取得すると、メモリ21または初期カード情報記憶部22に予め記憶されている情報と照合を行う。そして、照合結果に応じて、電気錠通信制御部19を介して電気錠2と通信し、施錠状態にあるドア1の解錠を行う。また、施解錠制御部17が取得した情報は、必要に応じて、管理サーバ通信制御部20を介して管理サーバ5に送信される。
【0022】
初期カード情報記憶部22には、後述するように、錠コントローラ4が調整モードで動作している期間に取得したICカード6の情報が、施解錠制御部17により書き込まれて記憶される。そして、タイマ部23は、錠コントローラ4に対して最初に電源が投入された後に計時動作を開始して、上記調整モードを維持する所定時間を計時すると、施解錠制御部17に対してタイムアップ信号を出力するように構成されている。
【0023】
次に、本実施例の作用について図1乃至図4も参照して説明する。図1は、製品としての錠コントローラ4が工場より出荷され、図6に示すシステムとして現場に設置された状態で最初に電源が投入された場合に、施解錠制御部17によって行われる処理内容を示すフローチャートである。電源が投入されると(ステップS1)、施解錠制御部17は、カードリーダ3を介して最初のICカード6の読み取りが行われ、取得したICカード6の認証情報が所定の条件に適合するか、即ち、メモリ21に予め記憶されている認証情報を有しているものか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2で「YES」と判断するまで待機し、「YES」と判断すると、取得したICカード6のデータを、初期カード情報記憶部22に記憶させる(ステップS3)。そして、タイマ部23に計時動作を開始させる(ステップS4)。
【0024】
以降、施解錠制御部17は、タイマ部23が、ステップS8で所定時間(例えば、60秒)の計時動作を終了するまで、ステップS5〜S7の処理を繰り返し実行する。先ず、ステップS4の実行後に読取られて取得したICカード6についてステップS2と同様の判断を行い、「NO」と判断するとステップS8へ、「YES」と判断するとステップS6に移行する。
【0025】
ステップS6では、ステップS5で取得したICカード6のデータが、初期カード情報記憶部22に既に記憶されていないか否かを判断し、記憶されていなければ(YES)、ステップS5で取得したICカード6のデータを初期カード情報記憶部22に記憶させる(ステップS7)。また、取得したICカード6のデータが、初期カード情報記憶部22に既に記憶されていれば(NO)ステップS8に移行する。そして、ステップS8において、タイマ部23が所定時間の計時動作を終了すると(YES)、施解錠制御部17は図1の処理を終了し、調整モードに移行する。
【0026】
以上の処理において、ステップS2,S5で読取られて、初期カード情報記憶部22に記憶されたICカード6が、以降は施解錠制御部17により「調整用カード」として取り扱われる。調整モードの実行中において、カードリーダ3により「調整用カード」が読取られると、施解錠制御部17は、当該カードを従来(例えば、特許文献1)と同様に扱う。即ち、現場に設置したシステムを試験的に運用するため、例えば前述した「タンパ機能」や、その他、「扉開放異常警告機能」や「火災報知器ON検出機能」といった一部の機能は無効にした状態で、電気錠2の解錠,施錠を行う。
【0027】
尚、「扉開放異常警告機能」は、一定時間(例えば、60秒)以上に亘って扉が開けっ放しになった場合に警告音を発生する機能であり、「火災報知器ON検出機能」は、錠コントローラ4が図示しない火災報知器に接続されている場合、火災報知器がONした時に、管理サーバ5に通知を行なう機能である。
【0028】
そして、施解錠制御部17は、図1の処理終了後における調整モードの実行中は、引き続き図2の処理を実行する。先ず、カードリーダ3によって、ICカード6が読み取られるまで待機し(ステップS9)、ICカード6が読み取られると(YES)、そのICカード6が、初期カード情報記憶部22に記憶されている調整用カード以外のカードか否かを判断する(ステップS10)。調整用カードが読み取られた場合は(NO)、調整モードをそのまま維持して(ステップS12)ステップS9に戻る。一方、調整用カード以外のICカード6が読み取られると(YES)、後述する調整用カードの読取り枚数をカウントするためのカウンタをゼロクリアして(ステップS11)調整モードを終了し、以降は運転モード(通常動作モード)となる。
【0029】
また、図3は、施解錠制御部17が運転モードに移行した場合の図2相当図である。施解錠制御部17は、ステップS9と同様に、カードリーダ3によってICカード6が読み取られるまで待機し(ステップS13)、ICカード6が読み取られると(YES)、そのICカード6が、初期カード情報記憶部22に記憶されている調整用カードか否かを判断する(ステップS14)。調整用カードが以外のICカード6が読み取られた場合は(NO)、運転モードをそのまま維持して(ステップS16)ステップS13に戻る。
【0030】
一方、ステップS13において調整用カードが読み取られると(YES)、調整用カードの読取り枚数をカウントするためのカウンタをインクリメントする(ステップS15)。そして、上記カウンタのカウント値が所定値を超えたか否かを判断し(ステップS17)、所定値(例えば「5」)を超えた場合は(YES)運転モードを終了し、再び調整モードに移行する。また、上記カウント値が所定値以下であれば(NO)ステップS13に移行する。尚、図4は、図1〜図3の処理に対応したタイミングチャートの一例を示す(但し、ステップS17における読取り枚数の設定は異なる)。
【0031】
以上のように本実施例によれば、錠コントローラ4の施解錠制御部17は、初期化されている状態から電源が投入されると、最初に読取られたICカード6の認証情報が所定の条件に適合すればそのカードを調整用カードに設定する。そして、タイマ部23は、最初に設定された調整用カードの認証情報が記憶させると計時動作を開始し、その計時動作中に読取られたICカード6が新規に読取られたカードであれば新たな調整用カードに設定する。また、施解錠制御部17は、上記の計時動作を終了した時点までに動作モードを調整モードに切換えておき、調整モードで動作している間に読取ったICカード6が調整用カードであれば、その認証情報の内容に応じて予め設定されているドア1の施錠,解錠制御を行うようにした。
【0032】
従って、調整用カードとして使用するためのICカード6に予め特定の情報を記憶させておく必要は無く、調整運転を行う際に、多数の設置箇所において同時に調整用カードを使用する場合でも、各箇所で必要とされる枚数に応じて、調整用カードを柔軟に設定して使用することができる。
また、施解錠制御部17は、運転モード中に調整用カードを所定枚数読取った場合は調整モードに移行するので、ユーザの意思に応じて再度調整モードに移行させることができる。
【0033】
(第2実施例)
図7乃至図11は本発明の第2実施例を示ものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図7に示すように、第2実施例の錠コントローラ31は、第1実施例のタイマ部23を第1タイマ部23として、もう1つ、第2タイマ部(サブタイマ手段)32を備えて構成されている。第2タイマ部32は、第1タイマ部23が計時動作を終了してタイムアップ信号を出力すると計時動作を開始し、計時動作を終了すると、施解錠制御部17に替わる施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段)33にタイムアップ信号を出力するようになっている。
そして、第2実施例では、錠コントローラ31は、第2タイマ部32が計時動作を行なっている期間内にカードリーダ3が読取ったICカード6を、運転モードにおいて、他のICカード6とは異なる特定の動作をさせるための特定動作カードとして記憶する。
【0034】
次に、第2実施例の構成について図8乃至図11も参照して説明する。図8は、第1実施例の図1相当図である。施解錠制御部33は、ステップS1において電源が投入されると、カードリーダ3に指令を送信して、メッセージ表示部16に「調整用カードを読取らせて下さい」といったメッセージを表示させる(ステップS21)。そして、ステップS2〜S4を実行すると、再びカードリーダ3に指令を送信し、サウンド発生部15より、調整用カードの読取り期間であることを作業者に報知するための動作音を出力させる(ステップS22)。その場合、例えば「ピッ!ピッ!ピッ!…」といったような、間欠的な鳴動音を出力させる。以降は、第1実施例と同様に、ステップS5〜S8を実行する。
【0035】
上述したように、第2タイマ部32は、第1タイマ部23が計時動作を終了してタイムアップ信号を出力すると、第2タイマ部32が計時動作を開始する。そして、施解錠制御部33は、引き続き図9に示す処理を実行する。先ず、ステップS21と同様に、カードリーダ3に指令を送信して、メッセージ表示部16に「特定動作カードを読取らせて下さい」といったメッセージを表示させ(ステップS23)、更に、サウンド発生部15より、特定動作カードの読取り期間であることを作業者に報知するための動作音を出力させる(ステップS24)。その場合、例えば「ピーピーピー…」といったように、ステップS22の場合とは鳴動パターンを変化させる。
【0036】
次に、施解錠制御部33は、第2タイマ部32(特定動作カード読取りタイマ)に計時動作を開始させると(ステップS25)、その計時動作が終了してタイムアップ信号が出力されるまでの間にカードリーダ3が読取ったICカード6を特定動作カードとして、第1実施例のステップS5〜S8と同様に、初期カード情報記憶部22に記憶させる(ステップS26〜S29)。そして、上記タイムアップ信号が出力されると(ステップS29:YES)、カードリーダ3のメッセージ表示部16における表示、並びにサウンド発生部15よる動作音の出力を停止させる(ステップS30)。
【0037】
図10は、第1実施例の図3におけるフローチャートのステップS16の処理の詳細を示すもので、錠コントローラ31が運転モードで動作している場合の処理である。運転モード中で、調整用カード以外のICカード6が読取られると、図3のステップS14で「NO」と判断してステップS16の処理を実行する。その際に、施解錠制御部33は、ステップS14で読取られたカードが、特定動作カードであるか否かを判断する(ステップS31)。特定動作カードで無ければ(NO)、通常のICカード6に対応した制御を行ない(ステップS32,通常動作)、ステップS13へリターンする。一方、ステップS14で読取られたカードが、特定動作カードであれば(YES)、通常のICカード6とは異なる制御を行う(ステップS33,特定動作)。
【0038】
ここで、「通常のICカード6とは異なる制御」とは例えば以下のようなものである。
(1)電気錠2の解錠/施錠のトグル動作
ドア1が施錠されている状態から、カードリーダ3が特定動作カードを読取ると解錠を行なうが、その次に、特定動作カードを読取るまではその解錠状態を維持する(通常は、解錠した一定時間後に施錠する)。即ち、特定動作カードの読取り毎に、解錠,施錠を交互に行う。
【0039】
即ち、通常のICカード6であれば、その認証情報を読取った結果、ドア1を一旦解錠すると、ドア1が閉じられた後例えば数秒が経過すると自動的に施錠するのが一般的な制御パターンである。しかしながら、状況によっては、一度開けたドア1が直ちに施錠されると、再びICカード6を使って再度の解錠を行う動作が煩わしい場合も想定される(例えば、多くの荷物を出入れする場合など)。従って、特定動作カードを読取る毎に、解錠,施錠を交互に行うように設定すれば、ユーザの意思によってドア1を施錠させたいタイミングで施錠させることが可能となる。
【0040】
(2)電気錠2の解錠時間の延長
通常は、上記のように、解錠した一定時間後(例えば、10秒後)に施錠するが、大きな荷物を出し入れする場合などを想定し、解錠状態の維持時間を、例えば30分程度に延長する。即ち、(1)と同様に、一度開けたドア1が直ちに施錠されると再度の解錠動作が煩わしい場合には、特定動作カードを読取らせて解錠状態を比較的長時間維持させている間に入退室を繰り返すことができる。
【0041】
(3)来客者入室許可対応
特定動作カードは、外部からの来客に使用させるように定めておき、カードリーダ3が特定動作カードを読取ると、来客者が入室したことを管理サーバ5に送信する。即ち、外部からの来客のように、特定の日時にだけ入退室を行う者に対しては、特定動作カードを貸与して入室を行なわせるようにしておき、錠コントローラ31が読取った上記カードの情報を外部に送信させることで、例えば、特定の客が来訪したことを認識して報知させる、といった制御を行わせることができる。
これらのように、運転モード中に、通常のICカード6とは異なる制御を行うようにする。尚、図11には、上記の処理に対応したタイミングチャートの一例を示す。
【0042】
以上のように第2実施例によれば、第2タイマ部32は、第1タイマ部23が計時動作を終了すると自身の計時動作を開始し、施解錠制御部33は、第2タイマ部32による計時動作中に読取られたICカード6が新規に読取られたカードであれば、そのICカード6を特定動作カードに設定する。そして、運転モード中に読取ったカードが調整用カードであれば再び調整モードに移行し、運転モード中に読取ったカードが特定動作カードであれば、通常のカードとは異なる制御を実行する。具体的には、運転モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、特定動作カードを再度読取るまで解錠状態を維持したり、特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、ドア1の開閉状態にかかわらず、解錠状態を所定時間だけ維持したり、特定動作カードの読取り情報を外部に送信するようにした。
【0043】
即ち、運転モード中であっても、オプションとして、通常とは異なるパターンで
解錠,施錠動作を実行させることができると好ましい場合には、錠コントローラ31に最初に電源が投入された時点で、調整用カードの設定を行った後に続いて特定動作カードの設定を行ない、その特定動作カードを使用して錠コントローラ31に通常のカードとは異なる制御を実行させることができる。そして、この場合も、特定動作カードとして使用するためのICカード6に予め特定の情報を記憶させておく必要は無いので、設定を柔軟に行うことができる。
また、カードリーダ3は、第1タイマ部23,第2タイマ部32が計時動作中であること、又はその計時動作が終了したことを作業者に報知するので、作業者は、現在の錠コントローラ31の動作状態を報知に基づいて把握することができ、調整用カード等の設定作業が行い易くなる。
【0044】
(第3実施例)
図12は、本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分のみ説明する。図1相当図である図12において、ステップS7を実行した後は、ステップS8に移行することなく、ステップS4に戻り、タイマ部23の計時動作をリセットスタートさせるようにする。斯様に構成した第3実施例によれば、調整用カードの読取り期間を、カードの読取り状況に応じて適宜延長することができるので、調整用カードの設定作業が行い易くなる。
【0045】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
カードはICカードに限ることなく、磁気カードであっても良い。
タイマ手段が計時する所定時間は、適宜変更して実施すれば良い。
第1実施例において、タイマ部23の計時動作中やその計時動作が終了した時点で、第2実施例と同様に報知を行うようにしても良い。
【0046】
運転モードから調整モードに移行する場合の調整用カードの読取り枚数も、適宜変更すれば良い。
施解錠制御部17は、最初に電源が投入されると、予め調整モードで起動するようにしても良い。
第2実施例において、特定動作カードによる解錠を行なった後、その解錠状態を維持する時間は、適宜変更して実施すれば良い。
また、第2実施例において、第2タイマ部32の起動は、施解錠制御部33を介して行うものに限らず、第1タイマ部23のタイムアップ信号を与えて直接起動しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施例であり、錠コントローラに最初に電源が投入された場合、施解錠制御部によって行われる処理内容を示すフローチャート
【図2】図1に示す処理を実行した後のフローチャート
【図3】施解錠制御部が運転モードに移行した場合の図2相当図
【図4】図1〜図3の処理に対応したタイミングチャートの一例
【図5】入室管理システムの電気的構成を示す機能ブロック図
【図6】全体構成を示す図
【図7】本発明の第2実施例を示す図5相当図
【図8】図1相当図(その1)
【図9】図1相当図(その2)
【図10】図3に示すステップS16の処理の詳細を示すフローチャート
【図11】図4相当図
【図12】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
【0048】
図面中、1はドア(扉)、2は電気錠、3はカードリーダ(情報読取り部)4は錠コントローラ(制御部,調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段)、6はICカード、15はサウンド発生部(報知手段)、16はメッセージ表示部(報知手段)、17は施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段,認証手段)、22は初期カード情報記憶部(記憶手段)、23はタイマ部(タイマ手段)、31は錠コントローラ、32は第2タイマ部(サブタイマ手段)、33は施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の認証情報が記録されたカードの情報を読取り、その認証情報に基づいて、入退室の際に開閉される扉の施錠,解錠を制御する錠コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティを確保する必要がある特定の部屋に対する入退室を管理するため、ICカードを使用して扉の解錠,施錠を制御するシステムについては、そのシステムの設置工事中や工事後の試験稼動、或いは本稼動後のメンテナンスや調整の際に、工事作業者や保守作業者は、調整用カードを用いてシステムを使用するようになっている。この場合、例えば、タンパ機能(錠コントローラの蓋が開けられた際に、コントローラの内部に記憶されている機密情報を削除する機能)のような一部の機能を無効にした状態で、システムを使用する必要があるためである。
【0003】
上記の調整用カードの取り扱いについては、予め錠コントローラ側に所定の取り決めを行うようにする。一般的には、例えば特許文献1に開示されているように、特定のカードに調整用カードであることを示す情報を書き込んでおき、コントローラ側がその情報を読取ると、自身の動作モードを調整モードに移行させるようにしている。
【特許文献1】特開2002−16369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような従来の方式では、工事現場において設置する錠コントローラの数量がシステムの規模に応じて多くなる場合に、調整用カードの使用に制約があった。例えば、予め登録した調整用カードの数が3枚であり、現場に設置される錠コントローラの数が100を超えるような場合、3枚の調整用カードを使い回す必要があり、カードを使用できない現場では調整作業が滞ることが想定される。
その他、例えば、錠コントローラを出荷する前に、工場において各コントローラ毎に調整用カードを設定しておくことも考えられるが、設定やカードの管理が複雑となり、現実的とはいえない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡単に調整用カードを設定して利用することができる錠コントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の錠コントローラによれば、調整用カード設定手段は、電源が投入されると、最初に読取られたカードの認証情報が所定の条件に適合する場合はそのカードを調整用カードに設定する。そして、タイマ手段は、最初に設定された調整用カードの認証情報を記憶手段が記憶させると所定時間の計時動作を開始する。
更に、調整用カード設定手段は、上記の計時動作中に読取られたカードが新規に読取られたカードであれば新たな調整用カードに設定し、認証手段は、タイマ手段が計時動作を終了すると、以降に読取ったカードの認証情報を記憶手段により記憶された情報と照合し、前記カードが調整用カードであると判断すると、認証情報の内容に応じて予め設定されている扉の施錠,解錠の可否を判定し、制御部はその判定結果に応じて施錠,解錠を制御する。
【0007】
斯様に構成すれば、錠コントローラは、最初に電源が投入された時点から所定時間が経過するまでの間に読取られたカードを調整用カードに設定し、調整モードでの使用を可能とする。従って、調整用カードとして使用するためのカードに、予め特定の情報を記憶させておく必要は無く、調整運転を行う際に、多数の設置箇所において同時に調整用カードを使用する場合でも、各箇所で必要とされる枚数に応じて、調整用カードを柔軟に設定して使用することができる。
【0008】
請求項2記載の錠コントローラによれば、サブタイマ手段は、タイマ手段が計時動作を終了すると自身の計時動作を開始し、調整用カード設定手段は、サブタイマ手段による計時動作中に読取られたカードが新規に読取られたカードであれば、そのカードを特定動作カードに設定する。そして、モード切換え手段は、通常動作モード中に読取ったカードが調整用カードであれば再び調整モードに移行し、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであれば、通常のカードとは異なる制御を実行する。
【0009】
即ち、通常動作モード中であっても、オプションとして、通常とは異なるパターンで
解錠,施錠動作を実行させることができると好ましい場合には、錠コントローラに対して最初に電源が投入された時点で、調整用カードの設定を行った後に続いて特定動作カードの設定を行ない、その特定動作カードを使用して、錠コントローラに通常のカードとは異なる制御を実行させることができる。そして、この場合も、特定動作カードとして使用するためのカードに予め特定の情報を記憶させておく必要は無いので、設定を柔軟に行うことができる。
【0010】
請求項3記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、特定動作カードを再度読取るまで解錠状態を維持する。即ち、通常のカードであれば、その認証情報を読取った結果、扉を一旦解錠すると、扉が閉じられた後例えば数秒が経過すると自動的に施錠するのが一般的な制御パターンである。しかしながら、状況によっては、一度開けた扉が直ちに施錠されると、再びカードを使って再度の解錠を行う動作が煩わしい場合も想定される(例えば、多くの荷物を出入れする場合など)。従って、特定動作カードを読取る毎に、解錠,施錠を交互に行うように設定すれば、ユーザの意思によって扉を施錠させたいタイミングで施錠させることが可能となる。
【0011】
請求項4記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、扉の開閉状態にかかわらず、解錠状態を所定時間だけ維持する。即ち、請求項3において述べた場合と同様に、一度開けた扉が直ちに施錠されると再度の解錠動作が煩わしい場合には、特定動作カードを読取らせて解錠状態を所定時間(例えば、数分〜数10分)だけ維持すれば、その間に入退室を繰り返すことができる。
【0012】
請求項5記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断すると、その特定動作カードの読取り情報を外部に送信する。例えば、外部からの来客のように、特定の日時にだけ入退室を行う者に対しては、特定動作カードを貸与して入室を行なわせるようにしておき、錠コントローラが読取った上記カードの情報を外部に送信させることで、例えば、特定の客が来訪したことを認識して報知させる、といった制御を行わせることができる。
【0013】
請求項6記載の錠コントローラによれば、制御部は、通常動作モード中に調整用カードを「2」以上の所定枚数読取った場合は調整モードに移行する。即ち、必要な調整を終了して錠コントローラを一旦稼動させた後でも、状況に応じて調整モードを設定した方が望ましいことも想定されるので、ユーザの意思に応じて再度調整モードに移行させることができる。
【0014】
請求項7記載の錠コントローラによれば、報知手段は、タイマ手段が計時動作中であること、又はその計時動作が終了したことを作業者に報知するので、作業者は、現在の錠コントローラの動作状態を報知に基づいて把握することができ、調整用カード等の設定作業が行い易くなる。
【0015】
請求項8記載の錠コントローラによれば、タイマ手段は、所定時間の計時動作が完了するまでの間に新たな調整用カードが読取られると、そのカードの認証が行なわれる毎に、計時動作をリセットスタートするので、カードの読取り状況に応じて、調整用カードの設定可能期間を適宜延長することができ、設定作業が行い易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図6を参照して説明する。図6は、入室管理システムの全体構成を示すものである。ドア(扉)1の内部には電気錠2が配置されており、電気錠2は、アクチュエータを電磁的に駆動することによってドア1の施錠,解錠を行うようになっている。カードリーダ(情報読取り部)3は、例えば非接触型のICカードに記録されている個人データを電波信号を介して読み取り、読取ったデータを錠コントローラ4にシリアルインターフェイスを介して送信する。また、カードリーダ3は、その他、LCDパネルに文字を表示させたり、データの読取り応答としてサウンドを出力したり、図示しないLED表示を行う機能などを備えている。
【0017】
錠コントローラ4は、マイクロコンピュータなどで構成され、管理サーバ(データ管理手段)5との間においても、例えば、Ethernet(登録商標)のようなLAN(Local Area Network)を介して通信を行うようになっている。そして、錠コントローラ4は、管理サーバ5より送信されて自身が内部のRAMなどに保持している解錠許可データと、カードリーダ3を介してICカードより読み出したデータとを照合した結果に基づいて、電気錠2を制御するようになっている。
また、ドア1及び電気錠2,カードリーダ3,錠コントローラ4の組みは複数存在しており、各錠コントローラ4と管理サーバ5とが上記LANを介して接続されている。
【0018】
図5は、電気的構成を示す機能ブロック図である。ICカード6は、メイン制御部7,メモリ8,通信制御部9及びアンテナ10で構成されており、カードリーダ3より送信された電波信号をアンテナ10が受信すると、図示しない電源回路により動作用電源が生成供給されて動作する。
メイン制御部7はCPUなどで構成され、カードリーダ3により送信され、通信制御部9が復調したコマンドに応じてメモリ8に記憶されているID情報を読み出すと、通信制御部9及びアンテナ10を介してカードリーダ3側に送信する。なお、上記のID情報は、例えば、企業の従業員番号などの認証情報である。通信制御部9は、カードリーダ3側にデータを送信する場合、例えば、カードリーダ3より送信される搬送波を負荷変調することで発生する反射波を利用して送信する。
【0019】
カードリーダ3は、アンテナ11,ICカード通信制御部12,錠コントローラ通信制御部13,メイン制御部14,サウンド発生部(報知手段)15,メッセージ表示部(報知手段)16などを備えている。メイン制御部14は、CPUなどで構成されており、ICカード通信制御部12を制御して、アンテナ11の通信範囲内に位置したICカード6との間の通信を制御する。
【0020】
錠コントローラ通信制御部13は、例えばRS−232Cなどのシリアル通信インターフェイスであり、メイン制御部14は、錠コントローラ通信制御部13を制御して錠コントローラ4との間の通信を制御する。また、メイン制御部14は必要に応じて、サウンド発生部15を制御し、図示しないブザーなどを駆動して動作状態に応じた音響信号を出力したり、また、メッセージ表示部16を制御して文字メッセージをLCDパネルに表示させる。
【0021】
錠コントローラ4は、施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段,認証手段)17,カードリーダ/電気錠/管理サーバの夫々に対応した通信制御部18〜20,メモリ21,初期カード情報記憶部(記憶手段)22,タイマ部(タイマ手段)23などを備えている。施解錠制御部17はCPUなどで構成され、通常の動作状態では、カードリーダ通信制御部18を介してカードリーダ3が読み取ったICカード6のID情報を取得すると、メモリ21または初期カード情報記憶部22に予め記憶されている情報と照合を行う。そして、照合結果に応じて、電気錠通信制御部19を介して電気錠2と通信し、施錠状態にあるドア1の解錠を行う。また、施解錠制御部17が取得した情報は、必要に応じて、管理サーバ通信制御部20を介して管理サーバ5に送信される。
【0022】
初期カード情報記憶部22には、後述するように、錠コントローラ4が調整モードで動作している期間に取得したICカード6の情報が、施解錠制御部17により書き込まれて記憶される。そして、タイマ部23は、錠コントローラ4に対して最初に電源が投入された後に計時動作を開始して、上記調整モードを維持する所定時間を計時すると、施解錠制御部17に対してタイムアップ信号を出力するように構成されている。
【0023】
次に、本実施例の作用について図1乃至図4も参照して説明する。図1は、製品としての錠コントローラ4が工場より出荷され、図6に示すシステムとして現場に設置された状態で最初に電源が投入された場合に、施解錠制御部17によって行われる処理内容を示すフローチャートである。電源が投入されると(ステップS1)、施解錠制御部17は、カードリーダ3を介して最初のICカード6の読み取りが行われ、取得したICカード6の認証情報が所定の条件に適合するか、即ち、メモリ21に予め記憶されている認証情報を有しているものか否かを判断する(ステップS2)。このステップS2で「YES」と判断するまで待機し、「YES」と判断すると、取得したICカード6のデータを、初期カード情報記憶部22に記憶させる(ステップS3)。そして、タイマ部23に計時動作を開始させる(ステップS4)。
【0024】
以降、施解錠制御部17は、タイマ部23が、ステップS8で所定時間(例えば、60秒)の計時動作を終了するまで、ステップS5〜S7の処理を繰り返し実行する。先ず、ステップS4の実行後に読取られて取得したICカード6についてステップS2と同様の判断を行い、「NO」と判断するとステップS8へ、「YES」と判断するとステップS6に移行する。
【0025】
ステップS6では、ステップS5で取得したICカード6のデータが、初期カード情報記憶部22に既に記憶されていないか否かを判断し、記憶されていなければ(YES)、ステップS5で取得したICカード6のデータを初期カード情報記憶部22に記憶させる(ステップS7)。また、取得したICカード6のデータが、初期カード情報記憶部22に既に記憶されていれば(NO)ステップS8に移行する。そして、ステップS8において、タイマ部23が所定時間の計時動作を終了すると(YES)、施解錠制御部17は図1の処理を終了し、調整モードに移行する。
【0026】
以上の処理において、ステップS2,S5で読取られて、初期カード情報記憶部22に記憶されたICカード6が、以降は施解錠制御部17により「調整用カード」として取り扱われる。調整モードの実行中において、カードリーダ3により「調整用カード」が読取られると、施解錠制御部17は、当該カードを従来(例えば、特許文献1)と同様に扱う。即ち、現場に設置したシステムを試験的に運用するため、例えば前述した「タンパ機能」や、その他、「扉開放異常警告機能」や「火災報知器ON検出機能」といった一部の機能は無効にした状態で、電気錠2の解錠,施錠を行う。
【0027】
尚、「扉開放異常警告機能」は、一定時間(例えば、60秒)以上に亘って扉が開けっ放しになった場合に警告音を発生する機能であり、「火災報知器ON検出機能」は、錠コントローラ4が図示しない火災報知器に接続されている場合、火災報知器がONした時に、管理サーバ5に通知を行なう機能である。
【0028】
そして、施解錠制御部17は、図1の処理終了後における調整モードの実行中は、引き続き図2の処理を実行する。先ず、カードリーダ3によって、ICカード6が読み取られるまで待機し(ステップS9)、ICカード6が読み取られると(YES)、そのICカード6が、初期カード情報記憶部22に記憶されている調整用カード以外のカードか否かを判断する(ステップS10)。調整用カードが読み取られた場合は(NO)、調整モードをそのまま維持して(ステップS12)ステップS9に戻る。一方、調整用カード以外のICカード6が読み取られると(YES)、後述する調整用カードの読取り枚数をカウントするためのカウンタをゼロクリアして(ステップS11)調整モードを終了し、以降は運転モード(通常動作モード)となる。
【0029】
また、図3は、施解錠制御部17が運転モードに移行した場合の図2相当図である。施解錠制御部17は、ステップS9と同様に、カードリーダ3によってICカード6が読み取られるまで待機し(ステップS13)、ICカード6が読み取られると(YES)、そのICカード6が、初期カード情報記憶部22に記憶されている調整用カードか否かを判断する(ステップS14)。調整用カードが以外のICカード6が読み取られた場合は(NO)、運転モードをそのまま維持して(ステップS16)ステップS13に戻る。
【0030】
一方、ステップS13において調整用カードが読み取られると(YES)、調整用カードの読取り枚数をカウントするためのカウンタをインクリメントする(ステップS15)。そして、上記カウンタのカウント値が所定値を超えたか否かを判断し(ステップS17)、所定値(例えば「5」)を超えた場合は(YES)運転モードを終了し、再び調整モードに移行する。また、上記カウント値が所定値以下であれば(NO)ステップS13に移行する。尚、図4は、図1〜図3の処理に対応したタイミングチャートの一例を示す(但し、ステップS17における読取り枚数の設定は異なる)。
【0031】
以上のように本実施例によれば、錠コントローラ4の施解錠制御部17は、初期化されている状態から電源が投入されると、最初に読取られたICカード6の認証情報が所定の条件に適合すればそのカードを調整用カードに設定する。そして、タイマ部23は、最初に設定された調整用カードの認証情報が記憶させると計時動作を開始し、その計時動作中に読取られたICカード6が新規に読取られたカードであれば新たな調整用カードに設定する。また、施解錠制御部17は、上記の計時動作を終了した時点までに動作モードを調整モードに切換えておき、調整モードで動作している間に読取ったICカード6が調整用カードであれば、その認証情報の内容に応じて予め設定されているドア1の施錠,解錠制御を行うようにした。
【0032】
従って、調整用カードとして使用するためのICカード6に予め特定の情報を記憶させておく必要は無く、調整運転を行う際に、多数の設置箇所において同時に調整用カードを使用する場合でも、各箇所で必要とされる枚数に応じて、調整用カードを柔軟に設定して使用することができる。
また、施解錠制御部17は、運転モード中に調整用カードを所定枚数読取った場合は調整モードに移行するので、ユーザの意思に応じて再度調整モードに移行させることができる。
【0033】
(第2実施例)
図7乃至図11は本発明の第2実施例を示ものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図7に示すように、第2実施例の錠コントローラ31は、第1実施例のタイマ部23を第1タイマ部23として、もう1つ、第2タイマ部(サブタイマ手段)32を備えて構成されている。第2タイマ部32は、第1タイマ部23が計時動作を終了してタイムアップ信号を出力すると計時動作を開始し、計時動作を終了すると、施解錠制御部17に替わる施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段)33にタイムアップ信号を出力するようになっている。
そして、第2実施例では、錠コントローラ31は、第2タイマ部32が計時動作を行なっている期間内にカードリーダ3が読取ったICカード6を、運転モードにおいて、他のICカード6とは異なる特定の動作をさせるための特定動作カードとして記憶する。
【0034】
次に、第2実施例の構成について図8乃至図11も参照して説明する。図8は、第1実施例の図1相当図である。施解錠制御部33は、ステップS1において電源が投入されると、カードリーダ3に指令を送信して、メッセージ表示部16に「調整用カードを読取らせて下さい」といったメッセージを表示させる(ステップS21)。そして、ステップS2〜S4を実行すると、再びカードリーダ3に指令を送信し、サウンド発生部15より、調整用カードの読取り期間であることを作業者に報知するための動作音を出力させる(ステップS22)。その場合、例えば「ピッ!ピッ!ピッ!…」といったような、間欠的な鳴動音を出力させる。以降は、第1実施例と同様に、ステップS5〜S8を実行する。
【0035】
上述したように、第2タイマ部32は、第1タイマ部23が計時動作を終了してタイムアップ信号を出力すると、第2タイマ部32が計時動作を開始する。そして、施解錠制御部33は、引き続き図9に示す処理を実行する。先ず、ステップS21と同様に、カードリーダ3に指令を送信して、メッセージ表示部16に「特定動作カードを読取らせて下さい」といったメッセージを表示させ(ステップS23)、更に、サウンド発生部15より、特定動作カードの読取り期間であることを作業者に報知するための動作音を出力させる(ステップS24)。その場合、例えば「ピーピーピー…」といったように、ステップS22の場合とは鳴動パターンを変化させる。
【0036】
次に、施解錠制御部33は、第2タイマ部32(特定動作カード読取りタイマ)に計時動作を開始させると(ステップS25)、その計時動作が終了してタイムアップ信号が出力されるまでの間にカードリーダ3が読取ったICカード6を特定動作カードとして、第1実施例のステップS5〜S8と同様に、初期カード情報記憶部22に記憶させる(ステップS26〜S29)。そして、上記タイムアップ信号が出力されると(ステップS29:YES)、カードリーダ3のメッセージ表示部16における表示、並びにサウンド発生部15よる動作音の出力を停止させる(ステップS30)。
【0037】
図10は、第1実施例の図3におけるフローチャートのステップS16の処理の詳細を示すもので、錠コントローラ31が運転モードで動作している場合の処理である。運転モード中で、調整用カード以外のICカード6が読取られると、図3のステップS14で「NO」と判断してステップS16の処理を実行する。その際に、施解錠制御部33は、ステップS14で読取られたカードが、特定動作カードであるか否かを判断する(ステップS31)。特定動作カードで無ければ(NO)、通常のICカード6に対応した制御を行ない(ステップS32,通常動作)、ステップS13へリターンする。一方、ステップS14で読取られたカードが、特定動作カードであれば(YES)、通常のICカード6とは異なる制御を行う(ステップS33,特定動作)。
【0038】
ここで、「通常のICカード6とは異なる制御」とは例えば以下のようなものである。
(1)電気錠2の解錠/施錠のトグル動作
ドア1が施錠されている状態から、カードリーダ3が特定動作カードを読取ると解錠を行なうが、その次に、特定動作カードを読取るまではその解錠状態を維持する(通常は、解錠した一定時間後に施錠する)。即ち、特定動作カードの読取り毎に、解錠,施錠を交互に行う。
【0039】
即ち、通常のICカード6であれば、その認証情報を読取った結果、ドア1を一旦解錠すると、ドア1が閉じられた後例えば数秒が経過すると自動的に施錠するのが一般的な制御パターンである。しかしながら、状況によっては、一度開けたドア1が直ちに施錠されると、再びICカード6を使って再度の解錠を行う動作が煩わしい場合も想定される(例えば、多くの荷物を出入れする場合など)。従って、特定動作カードを読取る毎に、解錠,施錠を交互に行うように設定すれば、ユーザの意思によってドア1を施錠させたいタイミングで施錠させることが可能となる。
【0040】
(2)電気錠2の解錠時間の延長
通常は、上記のように、解錠した一定時間後(例えば、10秒後)に施錠するが、大きな荷物を出し入れする場合などを想定し、解錠状態の維持時間を、例えば30分程度に延長する。即ち、(1)と同様に、一度開けたドア1が直ちに施錠されると再度の解錠動作が煩わしい場合には、特定動作カードを読取らせて解錠状態を比較的長時間維持させている間に入退室を繰り返すことができる。
【0041】
(3)来客者入室許可対応
特定動作カードは、外部からの来客に使用させるように定めておき、カードリーダ3が特定動作カードを読取ると、来客者が入室したことを管理サーバ5に送信する。即ち、外部からの来客のように、特定の日時にだけ入退室を行う者に対しては、特定動作カードを貸与して入室を行なわせるようにしておき、錠コントローラ31が読取った上記カードの情報を外部に送信させることで、例えば、特定の客が来訪したことを認識して報知させる、といった制御を行わせることができる。
これらのように、運転モード中に、通常のICカード6とは異なる制御を行うようにする。尚、図11には、上記の処理に対応したタイミングチャートの一例を示す。
【0042】
以上のように第2実施例によれば、第2タイマ部32は、第1タイマ部23が計時動作を終了すると自身の計時動作を開始し、施解錠制御部33は、第2タイマ部32による計時動作中に読取られたICカード6が新規に読取られたカードであれば、そのICカード6を特定動作カードに設定する。そして、運転モード中に読取ったカードが調整用カードであれば再び調整モードに移行し、運転モード中に読取ったカードが特定動作カードであれば、通常のカードとは異なる制御を実行する。具体的には、運転モード中に読取ったカードが特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、特定動作カードを再度読取るまで解錠状態を維持したり、特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、ドア1の開閉状態にかかわらず、解錠状態を所定時間だけ維持したり、特定動作カードの読取り情報を外部に送信するようにした。
【0043】
即ち、運転モード中であっても、オプションとして、通常とは異なるパターンで
解錠,施錠動作を実行させることができると好ましい場合には、錠コントローラ31に最初に電源が投入された時点で、調整用カードの設定を行った後に続いて特定動作カードの設定を行ない、その特定動作カードを使用して錠コントローラ31に通常のカードとは異なる制御を実行させることができる。そして、この場合も、特定動作カードとして使用するためのICカード6に予め特定の情報を記憶させておく必要は無いので、設定を柔軟に行うことができる。
また、カードリーダ3は、第1タイマ部23,第2タイマ部32が計時動作中であること、又はその計時動作が終了したことを作業者に報知するので、作業者は、現在の錠コントローラ31の動作状態を報知に基づいて把握することができ、調整用カード等の設定作業が行い易くなる。
【0044】
(第3実施例)
図12は、本発明の第3実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分のみ説明する。図1相当図である図12において、ステップS7を実行した後は、ステップS8に移行することなく、ステップS4に戻り、タイマ部23の計時動作をリセットスタートさせるようにする。斯様に構成した第3実施例によれば、調整用カードの読取り期間を、カードの読取り状況に応じて適宜延長することができるので、調整用カードの設定作業が行い易くなる。
【0045】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
カードはICカードに限ることなく、磁気カードであっても良い。
タイマ手段が計時する所定時間は、適宜変更して実施すれば良い。
第1実施例において、タイマ部23の計時動作中やその計時動作が終了した時点で、第2実施例と同様に報知を行うようにしても良い。
【0046】
運転モードから調整モードに移行する場合の調整用カードの読取り枚数も、適宜変更すれば良い。
施解錠制御部17は、最初に電源が投入されると、予め調整モードで起動するようにしても良い。
第2実施例において、特定動作カードによる解錠を行なった後、その解錠状態を維持する時間は、適宜変更して実施すれば良い。
また、第2実施例において、第2タイマ部32の起動は、施解錠制御部33を介して行うものに限らず、第1タイマ部23のタイムアップ信号を与えて直接起動しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施例であり、錠コントローラに最初に電源が投入された場合、施解錠制御部によって行われる処理内容を示すフローチャート
【図2】図1に示す処理を実行した後のフローチャート
【図3】施解錠制御部が運転モードに移行した場合の図2相当図
【図4】図1〜図3の処理に対応したタイミングチャートの一例
【図5】入室管理システムの電気的構成を示す機能ブロック図
【図6】全体構成を示す図
【図7】本発明の第2実施例を示す図5相当図
【図8】図1相当図(その1)
【図9】図1相当図(その2)
【図10】図3に示すステップS16の処理の詳細を示すフローチャート
【図11】図4相当図
【図12】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
【0048】
図面中、1はドア(扉)、2は電気錠、3はカードリーダ(情報読取り部)4は錠コントローラ(制御部,調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段)、6はICカード、15はサウンド発生部(報知手段)、16はメッセージ表示部(報知手段)、17は施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段,認証手段)、22は初期カード情報記憶部(記憶手段)、23はタイマ部(タイマ手段)、31は錠コントローラ、32は第2タイマ部(サブタイマ手段)、33は施解錠制御部(調整用カード設定手段,記憶手段,モード切換え手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の認証情報が記録されたカードの前記認証情報を読取る情報読取り部と、通常動作モードと、前記通常動作モード時に行う制御機能の一部を無効化した状態で動作する調整モードとの切換えを行なうモード切換え手段と、前記認証情報に基づいて、入退室の際に開閉される扉の施錠,解錠の可否を判定する認証手段を有する制御部とを備えてなる錠コントローラにおいて、
前記制御部は、
電源が投入されると、前記モード切換え手段が調整モードで起動し、最初に読取られたカードの認証情報が所定の条件に適合する場合は前記カードを調整用カードとして設定する調整用カード設定手段と、
前記認証情報の少なくとも一部を記憶させる記憶手段と、
この記憶手段が、前記調整用カードとして最初に設定されたカードの認証情報の少なくとも一部を記憶させると所定時間の計時動作を開始するタイマ手段とを備え、
前記調整用カード設定手段は、前記タイマ手段による計時動作中に読取られたカードの認証情報と、前記記憶手段によって記憶された認証情報とを照合して、前記カードが新規に読取られたカードであると判断すると前記カードを新たな調整用カードとして設定し、当該カードの認証情報の少なくとも一部を前記記憶手段に追加して記憶させ、
前記認証手段は、前記タイマ手段が前記計時動作を終了すると、読取ったカードの認証情報を前記記憶手段によって記憶された情報と照合し、前記カードが調整用カードであると判断すると、前記認証情報の内容に応じて、予め設定されている扉の施錠,解錠の可否を判定し、前記制御部が扉の施錠,解錠を制御することを特徴とする錠コントローラ。
【請求項2】
前記タイマ手段が計時動作を終了すると所定時間の計時動作を開始するサブタイマ手段を備え、
前記調整用カード設定手段は、
前記サブタイマ手段による計時動作中に読取られたカードの認証情報と、前記記憶手段によって記憶された認証情報とを照合して、前記カードが新規に読取られたカードであると判断すると前記カードを特定動作カードとして設定し、当該カードの認証情報の少なくとも一部を前記記憶手段に記憶させ、
前記モード切換え手段は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記調整用カードであると判断すると、再び前記調整モードに移行し、
前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断すると、通常のカードとは異なる制御を実行することを特徴とする請求項1記載の錠コントローラ。
【請求項3】
前記制御部は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、前記特定動作カードを再度読取るまで解錠状態を維持することを特徴とする請求項2記載の錠コントローラ。
【請求項4】
前記制御部は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、前記扉の開閉状態にかかわらず、解錠状態を所定時間だけ維持することを特徴とする請求項2記載の錠コントローラ。
【請求項5】
前記制御部は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断すると、前記特定動作カードの読取り情報を外部に送信することを特徴とする請求項2記載の錠コントローラ。
【請求項6】
前記制御部は、前記通常動作モード中に前記調整用カードを「2」以上の所定枚数読取った場合に、前記調整モードに移行することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の錠コントローラ。
【請求項7】
前記タイマ手段が計時動作中であること、又はその計時動作が終了したことを作業者に報知するための報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の錠コントローラ。
【請求項8】
前記タイマ手段は、前記所定時間の計時動作が完了するまでの間に新たな調整用カードが読取られると、前記カードの認証が行なわれる毎に、前記計時動作をリセットスタートすることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の錠コントローラ。
【請求項1】
所定の認証情報が記録されたカードの前記認証情報を読取る情報読取り部と、通常動作モードと、前記通常動作モード時に行う制御機能の一部を無効化した状態で動作する調整モードとの切換えを行なうモード切換え手段と、前記認証情報に基づいて、入退室の際に開閉される扉の施錠,解錠の可否を判定する認証手段を有する制御部とを備えてなる錠コントローラにおいて、
前記制御部は、
電源が投入されると、前記モード切換え手段が調整モードで起動し、最初に読取られたカードの認証情報が所定の条件に適合する場合は前記カードを調整用カードとして設定する調整用カード設定手段と、
前記認証情報の少なくとも一部を記憶させる記憶手段と、
この記憶手段が、前記調整用カードとして最初に設定されたカードの認証情報の少なくとも一部を記憶させると所定時間の計時動作を開始するタイマ手段とを備え、
前記調整用カード設定手段は、前記タイマ手段による計時動作中に読取られたカードの認証情報と、前記記憶手段によって記憶された認証情報とを照合して、前記カードが新規に読取られたカードであると判断すると前記カードを新たな調整用カードとして設定し、当該カードの認証情報の少なくとも一部を前記記憶手段に追加して記憶させ、
前記認証手段は、前記タイマ手段が前記計時動作を終了すると、読取ったカードの認証情報を前記記憶手段によって記憶された情報と照合し、前記カードが調整用カードであると判断すると、前記認証情報の内容に応じて、予め設定されている扉の施錠,解錠の可否を判定し、前記制御部が扉の施錠,解錠を制御することを特徴とする錠コントローラ。
【請求項2】
前記タイマ手段が計時動作を終了すると所定時間の計時動作を開始するサブタイマ手段を備え、
前記調整用カード設定手段は、
前記サブタイマ手段による計時動作中に読取られたカードの認証情報と、前記記憶手段によって記憶された認証情報とを照合して、前記カードが新規に読取られたカードであると判断すると前記カードを特定動作カードとして設定し、当該カードの認証情報の少なくとも一部を前記記憶手段に記憶させ、
前記モード切換え手段は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記調整用カードであると判断すると、再び前記調整モードに移行し、
前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断すると、通常のカードとは異なる制御を実行することを特徴とする請求項1記載の錠コントローラ。
【請求項3】
前記制御部は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、前記特定動作カードを再度読取るまで解錠状態を維持することを特徴とする請求項2記載の錠コントローラ。
【請求項4】
前記制御部は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断して解錠動作を行なうと、前記扉の開閉状態にかかわらず、解錠状態を所定時間だけ維持することを特徴とする請求項2記載の錠コントローラ。
【請求項5】
前記制御部は、前記通常動作モード中に読取ったカードが前記特定動作カードであると判断すると、前記特定動作カードの読取り情報を外部に送信することを特徴とする請求項2記載の錠コントローラ。
【請求項6】
前記制御部は、前記通常動作モード中に前記調整用カードを「2」以上の所定枚数読取った場合に、前記調整モードに移行することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の錠コントローラ。
【請求項7】
前記タイマ手段が計時動作中であること、又はその計時動作が終了したことを作業者に報知するための報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の錠コントローラ。
【請求項8】
前記タイマ手段は、前記所定時間の計時動作が完了するまでの間に新たな調整用カードが読取られると、前記カードの認証が行なわれる毎に、前記計時動作をリセットスタートすることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の錠コントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−231766(P2008−231766A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72523(P2007−72523)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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