説明

錠剤検査装置および錠剤検査方法

【課題】従来の錠剤検査装置は、二値化による表示ラベルの除去を行なおうとしても、表示ラベルの一部を検査画像に残してしまうという課題を有していた。
【解決手段】錠剤検査装置11は、透過性を有する表示ラベルが施された薬包体21を載置する載置台12と、反射照明部13と、反射照明部13の反対側より載置台12を照らす透過照明部14と、反射画像を撮影しかつ透過画像を撮影するカメラ部15と、反射画像と透過画像の差分を取り差分画像を生成する差分画像生成部18と、差分画像を二値化した時に、差分画像の錠剤領域とラベル領域を明確に分離できたかを示す分離度を算出する分離度算出部16と、透過照明部14の透過照明レベルのレベル値を変更し、分離度算出部16より得られる分離度が所定の値以下または最小の値である作動レベルのレベル値に調整する明度調整部17を備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬包体に封入された錠剤の監査を支援する錠剤監検査装置および錠剤検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院施設、薬局等では、処方箋に対して正確な調剤作業を行わなければならない。そのために、調剤作業の後に調剤の監査が行われている。例えば、錠剤分包機より錠剤を区分封入した薬包体に対しては、光透過性のある薬包体において表示ラベルを除去する錠剤検査装置が提案されている。
【0003】
図14は、従来の錠剤検査装置の斜視図である。
【0004】
錠剤検査装置1は、カメラ3で撮影された薬包体2の透過画像を二値化することにより、薬包体2に施された表示ラベルを除去して検査画像を生成する。
【0005】
錠剤検査装置1は、検査位置の薬包体2を撮影するカメラ3と、カメラ3の下方位置に配置した照明器6と、カメラ3で撮影された濃淡のある透過画像を画像処理する画像処理部4と、画像処理部4に接続したディスプレイ5とを有する。
【0006】
そして、画像処理部4は、カメラ3で撮影された透過画像を取り込んだ後、透過画像を所定の閾値で二値化し、二値化画像を得る。続いて、二値化画像に対して収縮および膨張からなるノイズ除去処理を施して、薬包体2に施された表示ラベルの除去を行なう。そして、表示ラベルを除去した検査画像をディスプレイ5に表示する。
【0007】
ここで、透過画像を二値化する際に特定の閾値を採用した場合、薬包体に用いる薬包紙の種類や照明状態によって適切な二値化が困難な場合がある。
【0008】
そのために、錠剤検査装置1は、透過画像の二値化行程においては、二値化画像にラベリングを施し、これによって得られるラベル数を所定の基準値と比較して、ラベル数が基準値を上回っているときは、二値化の際の閾値をラベル数減少方向に変化させる。例えば、薬包体内には通常、数個〜20個の錠剤が封入されているとすれば、画像処理装置4の基準値は20とする。
【0009】
これによって、ラベル数が基準値を上回っている場合は、ラベル数が減少する方向に変化させて、閾値を修正する。ラベル数が基準値以下になるまで閾値を修正することで、適切な閾値が設定される。そして、錠剤検査装置1は、カメラ3を用いて撮影した透過画像をこの閾値で二値化処理すると、表示ラベルを除去した検査画像を生成することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−231342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の錠剤検査装置1によって透過画像を二値化させると、検査画像に表示ラベルの一部が残ったり、錠剤の外形形状に欠けが生じてしまうことがある。錠剤の外形形状の欠けは、透過画像における錠剤の領域の明度が中心より周縁の方が高くなる等が原因だと考えられる。表示ラベルの一部が残るのは、錠剤の周縁と表示ラベルとの明度が同じになることがあるためだと考えられる。
【0012】
すなわち、従来の錠剤検査装置1は、二値化による表示ラベルの除去を行なうときに、表示ラベルの一部が検査画像に残ったり、錠剤の外形形状に欠けが生じてしまうという課題を有していた。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、表示ラベルを除去するときに、表示ラベルの残りや錠剤の欠けを防止することのできる差分画像を生成するための錠剤検査装置および錠剤検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の錠剤検査装置は、透過性を有する表示ラベルが施された薬包体を載置する載置台と、前記載置台を照らす反射照明部と、前記載置台を挟んで前記反射照明部の反対側より前記載置台を照らす透過照明部と、カメラ部と、前記反射照明部で照らされた前記薬包体を前記カメラ部で撮影した反射画像と、前記透過照明部で照らされた前記薬包体を前記カメラ部で撮影した透過画像と、の差分から差分画像を生成する差分画像生成部と、二値化された前記差分画像の錠剤領域とラベル領域との分離度を算出する分離度算出部と、前記分離度算出部より得られる分離度が所定の値以下になるように、前記透過照明部,前記反射照明部,前記カメラ部および前記差分画像生成部の少なくとも1つの作動状態を調整する明度調整部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の錠剤検査方法は、透過性を有する表示ラベルが施された薬包体を載置する載置台と、前記載置台を照らす反射照明部と、前記載置台を挟んで前記反射照明部の反対側より前記載置台を照らす透過照明部と、を備えた錠剤検査装置を用いた錠剤検査方法であって、前記反射照明部で照らした状態で前記薬包体をカメラ部で撮影した反射画像を取得する反射画像取得ステップと、透過照明部で照らした状態で前記薬包体を前記カメラ部で撮影し透過画像を取得する透過画像取得ステップと、前記反射画像と前記透過画像との差分から差分画像生成部で差分画像を生成する差分画像生成ステップと、二値化した前記差分画像の錠剤領域とラベル領域の分離度を算出する分離度算出ステップと、前記分離度が所定の値以下になるように、前記透過照明部,前記反射照明部,前記カメラ部および前記差分画像生成部の少なくとも1つの作動状態を調整する明度調整ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、差分画像を用いて二値化処理を行うことで、錠剤の外形形状に欠けや、表示ラベルの残りがが生じることなく表示ラベルを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1における錠剤検査装置の概略構成図
【図2】本実施の形態1における差分画像のヒストグラムを示す図
【図3】本実施の形態1における照明レベルに対する錠剤明度とラベル明度の変化を示す図であり、(a)透過画像の明度変化を示す図、(b)反射画像の明度変化を示す図
【図4】本実施の形態1におけるカメラで撮影した薬包体の画像を示す図であり、(a)反射画像を示す図、(b)透過画像を示す図
【図5】本実施の形態1における薬包体の差分画像を示す図
【図6】本実施の形態1における曲面を持つ錠剤の各画像における明度を示す図であり、(a)カプセル型の錠剤を示す図、(b)錠剤の反射画像における画素ごとの明度を示す図、(c)錠剤の透過画像における画素ごとの明度を示す図、(d)錠剤の差分画像における画素ごとの明度を示す図
【図7】本実施の形態1における薬包体の差分画像を二値化した差分二値化画像を示す図
【図8】本実施の形態1における薬包体の透過画像を二値化した薬包体の透過二値化画像を示す図
【図9】本実施の形態1における薬包体の差分二値化画像および透過二値化画像より生成した交差領域画像を示す図
【図10】本実施の形態1における反射画像と交差領域画像を合成した薬包体の合成画像を示す図
【図11】本実施の形態1における錠剤検査装置の照明調整手順を示すフローチャート
【図12】本実施の形態1におけるサンプル薬包体を示す図
【図13】本実施の形態1における錠剤検査装置を用いて行う錠剤検査の手順を示すフローチャート
【図14】従来の錠剤検査装置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における錠剤検査装置11の概略構成図である。錠剤検査装置11は、表示ラベルを有する薬包体21を撮影した画像より表示ラベルを除去して検査画像を生成する装置である。そして、薬包体21を撮影した画像より表示ラベルを除去するため、錠剤検査装置11は、差分画像において分離度が小さくなるように透過照明部14を適切な透過照明レベル値に調整する。
【0020】
ここで、分離度とは、差分画像において、錠剤領域とラベル領域の明度分布が、明確に分離可能かを示す指標である。
【0021】
なお、透過照明レベルとは照明光の強度を示す値であり、透過照明部14の最小強度を透過照明レベルがレベル1だとし、透過照明部14の最大強度を透過照明レベルがレベル16だとして、透過照明レベルを変化させると線形に照明光の強度が増加する。
【0022】
また、錠剤領域とは撮影した画像の中で、錠剤を示す部分の領域である。ラベル領域とは撮影した画像の中で、表示ラベルを示す部分の領域である。
【0023】
図1に示すように、錠剤検査装置11は、表示ラベルが形成された薬包体21を載置する載置台12と、載置台12を白色光で照らす反射照明部13と、反射照明部13の反対側より載置台12を白色光で照らす透過照明部14と、カメラ部15と、差分画像生成部18と、分離度算出部16と、明度調整部17とを備える。
【0024】
本実施の形態1の薬包体21は、透明フィルムと薄い白色フィルムの間に錠剤を封入したものである。そして、白色フィルムは、表示ラベルを透過性のある黒色インクで印刷された印字部を備える。ここで、表示ラベルとは、患者名、薬剤の服用時間、薬包番号、バーコードなどである。
【0025】
載置台12は、検査時、薬包体21を置くための台である。載置台12は、端部に設けたガイド部20と、カメラ部15および透過照明部14の間に位置する透明アクリル板22と、を有する。
【0026】
ガイド部20は、内部に駆動ローラとガイドローラ(図示せず)を有する。そして、駆動ローラとガイドローラの間に薬包体21の端部を挟み、駆動ローラを回転させることで、薬包体21をガイド部20に沿って移動させる。
【0027】
また、透明アクリル板22は透明板であり、下方にある透過照明部14で発生する光を通す。透明アクリル板22の位置は、カメラ部15で撮影する薬包体21を置く位置でもある。
【0028】
カメラ部15は、載置台12の透明アクリル板22に載った薬包体21を反射照明部13で照らして反射画像を撮影する。また、カメラ部15は、透過照明部14で照らして透過画像を撮影する。
【0029】
この時、薬包体21の透明フィルムはカメラ部15側を向いている。また、カメラ部15の撮影レンズは、筒状の反射照明部13の開口部の上方にある。また、カメラ部15は、載置台12を介して透過照明部14に対向する位置にある。
【0030】
差分画像生成部18は、反射画像と透過画像の差分を取り差分画像を生成する。差分画像を形成する画素の明度は、反射画像の画素より透過画像の画素を差し引いた明度差である。
【0031】
分離度算出部16は、差分画像を二値化した時に、差分画像の錠剤領域とラベル領域を明確に分離できたかを示す分離度を算出する。
【0032】
明度調整部17は、透過照明部14の作動レベルである透過照明レベルを変更し、透過照明部14からの照明光の強度を変更させることで、透過画像の錠剤領域と表示ラベル領域の明度を変化させる。これにより、差分画像の明度も変化する。この特性に基づいて、差分画像の明度分布から分離度算出部16より得られる分離度が最小の値である透過照明レベルに調整する。
【0033】
なお、差分画像における錠剤領域とラベル領域の分離度とは、差分画像の明度ヒストグラムにおける、錠剤を示す分布と表示ラベルを示す分布の分かれ具合である。ここで、分離度とは、一般に、ある集合を2つのクラスに分割した場合、クラス内の分散をクラス外の分散で除算した値である。上記の2つのクラスが、完全に分離している場合、クラス内分散は小さく、クラス外分散が大きくなるため、分離度は小さくなり、完全に分離されていない場合、クラス内分散は大きく、クラス外分散が小さくなるため、分離度は大きくなる。
【0034】
図2は本実施の形態1における差分画像のヒストグラムを示す図である。図2において、横軸は、領域における明度を示し、縦軸は、領域における画素数を示す。
【0035】
分離度を算出する際にはクラスを分割するための閾値が必要となるが、各クラスのダイナミックレンジを広くとるために、二値化の閾値を明度0とした場合、分離度算出部16は、差分画像より錠剤領域における画素の明度の平均値である錠剤明度およびラベル領域における画素の明度の平均値であるラベル明度を乗算した乗算値を算出する。
【0036】
この乗算値が最小である時、差分画像における錠剤領域とラベル領域の分離度は最小となる。なぜならば、明度調整部17において、透過照明部14の透過照明レベルを調整することで、反射画像の錠剤明度を透過画像の錠剤明度より低く、反射画像のラベル明度は透過画像のラベル明度より高く調整できる。そのため、この乗算値が最小である時は、明度0を中心として正負に大きく離れることを意味する事になり、前記クラス外の分散が最大となるため、二値化の閾値を明度0とした場合の分離度が最小となる。
【0037】
次に、透過照明部14の透過照明レベルを調整することで、反射画像の錠剤明度を透過画像の錠剤明度より低く、反射画像のラベル明度を透過画像のラベル明度より高く調整できる理由を、図3(a)(b)を用いて説明する。
【0038】
図3(a)(b)は、本実施の形態1における照明レベルに対する錠剤明度とラベル明度の変化を示す図である。図3(a)は透過画像の明度変化を示す図であり、図3(b)は反射画像の明度変化を示す図である。
【0039】
図3(a)に示すように、透過画像における錠剤明度は、透過照明レベルに比例して高くなる。一方、透過画像におけるラベル明度は、錠剤明度に比べ急激に高くなる。これは、表示ラベルは透過性インクにより形成されているのに対して、錠剤は光を透過しないためである。そのため、ラベル明度と錠剤明度との間に大きな差がある。
【0040】
一方、図3(b)に示すように、反射画像における錠剤明度は、反射照明レベルに比例して高くなる。同様に、反射画像におけるラベル明度も、反射照明レベルに比例して同程度の傾きで高くなる。
【0041】
図3(a)(b)に示すように、照明レベルに対する錠剤明度とラベル明度の変化は、透過画像と反射画像によって異なる。ここで、透過画像において透過照明レベルが低い場合、錠剤明度は低くともラベル明度は高いことに着目する。すると、反射画像において、最適な反射照明レベルが存在する。最適な反射照明レベルとは、透過画像の錠剤明度より低い錠剤明度で、かつ、透過画像のラベル明度よりも高いラベル明度である。
【0042】
例えば、透過照明レベルがレベル4の時、反射照明レベルがレベル16であると、反射画像の錠剤明度は、透過画像の錠剤明度より低く、透過画像のラベル明度は、反射画像の錠剤明度よりも低くなる。
【0043】
つまり、透過照明レベルと反射照明レベルを調整することで、反射画像の錠剤明度より透過画像の錠剤明度が低くなり、反射画像のラベル明度より透過画像のラベル明度が高く調整できる。そして、これらの反射画像および透過画像より生成される差分画像の錠剤明度は正値となりラベル明度は負値となり、錠剤明度とラベル明度は大きく分かれる。
【0044】
よって、差分画像における錠剤明度と表示ラベルのラベル明度の分離度は小さくなり、二値化による画像処理を用いて表示ラベルの除去を行うことができる。
【0045】
なお、図1に示すように、錠剤検査装置11は、さらに、二値化処理部25と、交差領域算出部26とを有する。そして、差分画像より薬包体21の表示ラベルおよび鏡面反射の除去を行い、錠剤の検査が行いやすい検査画像を生成する。この検査画像を、錠剤検査装置11に接続した表示部29に表示することで、より正確に薬包体21にある錠剤を監査することができる。
【0046】
また、錠剤検査装置11は、錠剤カウント部27を有することで、検査画像より錠剤個数を算出し、薬包体21に適切な錠剤が入っているか否かを機械的に検査することもできる。
【0047】
また、錠剤検査装置11は、錠剤の配置場所と錠剤明度が既知のサンプル薬包体を使用することで、差分画像から得られる分離度を最小にする照明レベルに調整することができる。この場合は、錠剤検査装置11は、サンプル薬包体の錠剤位置情報およびラベル位置情報を記憶するサンプル位置情報記録部28を更に有し、分離度算出部16は、錠剤位置情報およびラベル位置情報を基にサンプル薬包体の錠剤領域およびラベル領域を特定し、錠剤領域とラベル領域の明度を用いて分離度を算出する。よって、サンプル薬包体の錠剤と表示ラベルとを取り間違えることがなく、正確に反射画像および透過画像における錠剤と表示ラベルを識別して、透過照明レベルの調整を行なうことができる。なお、錠剤の配置場所を既知にするためには、サンプル薬包体に錠剤を固定させておくことが考えられる。また、錠剤明度を既知にするためには、錠剤の外形形状を予め正確に求めておき、それに基づく明度を算出しておくことが考えられる。
【0048】
次に、上述した反射画像および透過画像を用いて、表示ラベルを除去し検査画像を生成する際に用いる画像について、図4(a)〜図10を用いて説明する。
【0049】
図4(a)(b)は、本実施の形態1におけるカメラ部15で撮影した薬包体21の画像を示す図である。図4(a)は反射画像31を示す図であり、図4(b)は透過画像32を示す図である。
【0050】
図4(a)に示すように、反射画像31には、薬包体21に封入された錠剤を示す錠剤領域33と、薬包体21の表示ラベルを示すラベル領域34の画像とが、カラー画像として写っている。さらに、反射画像31には、薬包体21の透明フィルムによって、鏡面反射した白とび部35が存在する。白とび部35は、反射照明部13からの光により透明フィルム面で照明光が全て反射してしまう鏡面反射によって発生した領域である。白とび部35では、透明フィルムを透かして薬包体21の内部に照明光が届かなくなるため、白とび部35内に存在する錠剤の明度情報を見ることができない。反射照明部13はリング状の照明であって、反射照明部13によって薬包体21には周囲から光が照射される。また、錠剤(例えば、カプセル)は曲面を持つ。そのため、錠剤領域33の周縁は、錠剤領域33の中央に比べてやや明度が高くなっている。
【0051】
図4(b)に示すように、透過画像32には、錠剤領域33とラベル領域34の画像が濃淡画像として写っている。表示ラベルは、透過性インクより形成されているので、ラベル領域34には薄い影が写っている。錠剤は、光を通さないために、錠剤領域33には濃い影が写っている。そして、図4(b)の錠剤領域33は、濃淡のない影になっているが、実際には錠剤(例えば、カプセル)は曲面を持つため、錠剤領域33の周縁は錠剤領域33の中央に比べてやや明度が高い。また、透過画像32には、白色フィルム側より照明光が入るために反射画像31のように鏡面反射による白とび部35は存在しない。
【0052】
ここで、従来手法でラベルを除去しようとした時には、二値化の際に周辺部が削れてしまう可能性が高い。それに対し、本実施の形態1のように図4(a)の反射画像31と図4(b)の透過画像32との差分画像を用いると、錠剤領域33の中央の明度と周辺部の明度差が小さくなるため、錠剤領域33の周縁の影響を小さくすることができる。
【0053】
図5は、本実施の形態1における薬包体21の差分画像36である。差分画像36では、錠剤領域33とラベル領域34の分離度は小さい。また、差分画像36において、錠剤領域33の明度は正の値であり、ラベル領域34の明度は負の値である。これは、反射画像31の錠剤明度より透過画像32の錠剤明度が低く、反射画像31のラベル明度より透過画像32のラベル明度が高くなるように、反射照明部13と透過照明部14との各照明レベルを調整しているためである。
【0054】
また、差分画像36における錠剤領域33の画素ごとの明度は、透過画像32の錠剤領域33の明度のばらつきに比べると小さい。錠剤(例えば、カプセル)は曲面を持つために、照明光の反射によって透過画像32の錠剤領域33における明度は、錠剤領域33の中心部分の画素より周縁の画素が高い。
【0055】
図6(a)〜(d)は、曲面を持つ錠剤10の各画像における明度を示す図である。図6(a)はカプセル型の錠剤10を示す図であり、図6(b)は錠剤10の反射画像における画素ごとの明度を示す図であり、図6(c)は錠剤10の透過画像における画素ごとの明度を示す図であり、図6(d)は錠剤10の差分画像における画素ごとの明度を示す図である。
【0056】
図6(b)に示すように、カプセル型の錠剤10の反射画像における画素ごとの明度には、ばらつきがある。具体的には、錠剤10の中心部分の画素より周辺部分の画素の方が明度が高い。図6(c)に示すように、錠剤10の透過画像の錠剤領域の明度も、錠剤10の中心部分より周辺部分の方が高い。しかし、図6(d)に示すように差分画像では、このばらつきが抑えられている。
【0057】
結果として、差分画像36における錠剤領域33の分離度は、透過画像32の錠剤領域33の分離度よりも小さくなり易い。
【0058】
図7は、本実施の形態1における薬包体21の差分画像36を二値化した差分二値化画像37を示す図である。
【0059】
図7に示すように、明度の閾値を錠剤明度とラベル明度の間の所定の値に設定することで、ラベル領域34を除去することができる。
【0060】
ただし、差分二値化画像37には、白とび部35が残っている。薬包体21が鏡面反射の影響を受けることなく白とび部35が存在しなければ、この差分二値化画像37を検査画像として利用することができる。しかしながら、白とび部35が残っている場合、白とび部35の除去を行なう必要がある。実際の検査では、透明フィルムの状態を均一にすることは困難であるため、連続で薬包体21を検査していると、白とび部35が発生することになる。
【0061】
白とび部35を除去するために、まず、図4(b)に示す透過画像32を二値化して、透過二値化画像を得る。
【0062】
図8は、本実施の形態1における薬包体21の透過画像32を二値化した薬包体21の透過二値化画像46を示す図である。透過画像32は、鏡面反射の影響を受けていないため、透過画像32を二値化した透過二値化画像46には鏡面反射の影響はない。よって、透過二値化画像46に白とび部35は存在せず、錠剤領域33とラベル領域34だけが存在する。
【0063】
次に、透過二値化画像46の濃淡を反転する。つまり、錠剤領域33とラベル領域34の影を白く(明度を高く)、その他の部分を黒く(明度を低く)する。なお、透過二値化画像46に白とび部35はないので、透過二値化画像46の濃淡を反転した画像に白とび部35に相当する箇所はない。
【0064】
そして、透過二値化画像46を反転した反転画像と図7に示す差分二値化画像37の白色部分が重なる交差領域を算出し、交差領域画像を生成する。
【0065】
図9は、本実施の形態1における薬包体21の差分二値化画像37および透過二値化画像46より生成した交差領域画像47を示す図である。
【0066】
図9に示す交差領域画像47にある白い部分は、錠剤領域33である。なぜならば、差分二値化画像37と、透過二値化画像46の濃淡を反転した画像とで、錠剤領域33は白い部分になるためである。このように、交差領域画像47はラベル領域34の除去に加えて、白とび部35を除去しており、検査画像にある錠剤領域33の数を数えることで、薬包体21の中にある錠剤の数を数えることができる。さらに、錠剤の形状も判別することができる。
【0067】
なお、錠剤領域33の色彩を判別するために、反射画像31と交差領域画像47を合成した薬包体21の合成画像48を生成してもよい。
【0068】
図10は、本実施の形態1における反射画像31と交差領域画像47を合成した薬包体21の合成画像48を示す図である。
【0069】
図10に示す合成画像48は、反射画像31と交差領域画像47とを重ね、交差領域画像47の錠剤領域33に相当する部分を、反射画像31より取り込んだものである。このように合成画像48を生成することで、ラベル領域34、白とび部35を除去した上で、錠剤領域33の色彩を判別することができる。
【0070】
本実施の形態1の錠剤検査方法は、表示ラベルが施された薬包体21を反射照明部13で照らしてカメラ部15で撮影し反射画像31を取得する反射画像取得ステップと、薬包体21を透過照明部14で照らしてカメラ部15で撮影し透過画像32を取得する透過画像取得ステップと、を有する。さらに、反射画像31と透過画像32より差分画像生成部18で差分画像36を作成する差分画像生成ステップと、差分画像36を二値化した時に、差分画像36の錠剤領域33とラベル領域34を明確に分離できたかを示す分離度を算出する分離度算出ステップと、透過照明部14、反射照明部13、カメラ部15および差分画像生成部18の少なくとも1つの作動状態(作動レベル)を変更し、分離度算出ステップより得られる分離度が所定の値以下または最小の値である照明レベルに調整する明度調整ステップと、を有する。
【0071】
図11は、本実施の形態1における錠剤検査装置11の照明調整手順を示すフローチャートである。
【0072】
まず、照明レベルを調整するために、反射照明部13の反射照明レベルを最大レベルに設定する(ステップS01)。そして、透過照明部14の透過照明レベルを最大レベルに設定する(ステップS02)。次に、サンプル薬包体51を載置台12の検査位置に載置する。
【0073】
図12は、本実施の形態1におけるサンプル薬包体51を示す図である。サンプル薬包体51は、通常の薬包体21と同じ大きさであり、透明フィルムと薄い白色フィルムの間にサンプル錠剤52を封入している。ただし、サンプル錠剤52は、サンプル薬包体51内で動かないように白色フィルムに固定している。また、白色フィルムにはサンプル表示ラベル53とサンプル番号54が、透過性のある黒色インクで印刷されている。
【0074】
なお、サンプル薬包体51としては、実際に検査される薬包体21に応じて、様々な条件の錠剤、表示ラベルのものを用いる。錠剤種類としては、カプセル、コーティング錠がある。また、錠剤の色も異なる色がある。また、2つの錠剤が重なったものがある。また、錠剤の方向が異なるように配置する。また、表示ラベルは、バーコード、図柄がある。
【0075】
サンプル番号54である「102」がサンプル位置情報記録部28に入力されると、サンプル位置情報記録部28は、サンプル薬包体51の錠剤位置情報およびラベル位置情報を分離度算出部16へ送る。そして、分離度算出部16は、図11に示すように、サンプル薬包体51の錠剤位置情報およびラベル位置情報を取得する(ステップS03)。
【0076】
その後、反射照明部13は、ステップS01で設定された照明レベルで照明光を照射し、サンプル薬包体51を照らす。サンプル薬包体51に反射照明部13からの光を照射した状態で、カメラ部15でサンプル薬包体51を撮影する。そして、差分画像生成部18はカメラ部15よりサンプル薬包体51の反射画像31を取得する(ステップS04)。
【0077】
その後、反射照明部13の照明光を消し、ステップS02で設定された照明レベルで透過照明部14から照明光を照射し、サンプル薬包体51を照らす。サンプル薬包体51に透過照明部14からの光を照射した状態で、カメラ部15でサンプル薬包体51を撮影する。そして、差分画像生成部18はカメラ部15よりサンプル薬包体51の透過画像32を取得する(ステップS05)。
【0078】
そして、透過照明部14の照明光を消した後、差分画像生成部18は、反射画像31と透過画像32の差分を取り、サンプル薬包体51の差分画像36を生成する(ステップS06)。そして、分離度算出部16は、ステップS06で生成された差分画像36に対する分離度を算出する(ステップS07)。
【0079】
分離度算出部16で算出される分離度は、サンプル薬包体51の中にある複数の錠剤における錠剤明度の平均値と、サンプル薬包体51の中にある複数の表示ラベルにおけるラベル明度の平均値との乗算値である。サンプル薬包体51においては、ステップS03で5つある錠剤の位置情報と2つある表示ラベルの位置情報を取得しているために、これらの位置情報における錠剤領域33、ラベル領域34の明度を測定することで、5つある錠剤の錠剤明度と、2つある表示ラベルのラベル明度を測定することができる。そして、5つある錠剤の錠剤明度の平均値と、2つあるラベルのラベル明度の平均値とを乗算した値を分離度とする。このようにして、サンプル薬包体51の錠剤と表示ラベルとを取り間違えることがなく、正確に錠剤と表示ラベルを識別することができる。
【0080】
ステップS07で算出された分離度、および、この時の透過照明レベルは、分離度算出部16に記録される。
【0081】
そして、分離度が算出された後、分離度算出部16は透過照明レベルが最小レベルであるレベル1であるか否かを判定し(ステップS09)、透過照明レベルがレベル1でなければ、透過照明レベルを1つ下げる(ステップS10)。
【0082】
そして、透過照明レベルを1つ下げた状態(例えば、透過照明レベルをレベル16よりレベル15にした状態)で、ステップS04〜ステップS07を行い、ステップS08で透過照明レベルと分離度を明度調整部17に記録する。
【0083】
透過照明レベルを1レベルずつ下げ、レベル1になるまで、ステップS10、ステップS04〜ステップS09を繰り返す。そして、透過照明レベルが最小レベルであるレベル1になると、ステップS08で明度調整部17に記録された複数の分離度より、分離度が最小となる透過照明レベルを抽出し、この透過照明レベルを、測定用の透過照明レベルとして設定する(ステップS11)。
【0084】
このようにサンプル薬包体51を利用することで、錠剤検査装置11は自動的に最適な透過照明レベルを設定することができる。
【0085】
なお、図11のフローチャートを用いて説明した錠剤検査装置11の照明調整手順では、反射照明レベルを固定して、透過照明レベルを変化させることで、最適な照明レベルを算出している。しかし、透過照明レベルを固定して、反射照明レベルを変化させることで、最適な照明レベルを算出してもよい。どちらを用いるかは、それぞれの照明レベルを変化させた際の影響を予め調べておいて決定されることが望ましい。
【0086】
また、反射照明部13および透過照明部14の照明レベルを調整しなくとも、カメラ部15の作動レベルを、反射画像と透過画像を撮影する際に調整することで、反射画像31の錠剤明度より透過画像32の錠剤明度が低くなり、反射画像31のラベル明度より透過画像32のラベル明度が高くなるようにしてもよい。同様に、差分画像生成部18の作動レベルを調整してもよい。ここで、カメラ部15の作動レベルとは、カメラ部15のしぼり、シャッタースピード、またはゲイン値である。また、差分画像生成部18の作動レベルとは、差分画像生成部18での設定値である。
【0087】
なお、以上の説明では、差分画像36の分離度が最小となるように作動レベルを調整しているが、分離度を所定の値以下となるようにしてもよい。
【0088】
なお、本実施の形態1では、反射照明部13および透過照明部14の照明光は同色としている。このような構成により、錠剤、表示ラベルの色によって、錠剤、表示ラベルの明度にばらつくがなく、適切な二値化の閾値を設定することができる。
【0089】
以上説明した、本実施の形態1において、サンプル薬包体51を用いて錠剤検査装置11の照明レベルを調整し、設定された照明レベルで錠剤検査を行う方法について、図13を用いて説明する。
【0090】
図13は、本実施の形態1における錠剤検査装置11を用いて行う錠剤検査の手順を示すフローチャートである。
【0091】
まず、薬包体21が複数個繋がった薬包帯を載置台12に置いた後、反射照明部13は、前述のように設定された照明レベルで照明光を発生し、検査位置にある薬包体21を照らす。薬包体21に反射照明部13からの照明を照射した状態で、カメラ部15で薬包体21を撮影する。そして、差分画像生成部18はカメラ部15より薬包体21の反射画像31を取得する(ステップS21)。
【0092】
その後、反射照明部13は照明光を消し、透過照明部14は、すでに設定された照明レベルで照明光を発生し、薬包体21を照らす。薬包体21に透過照明部14からの光を照射した状態で、カメラ部15で薬包体21を撮影する。そして、差分画像生成部18はカメラ部15より薬包体21の透過画像32を取得する(ステップS22)。
【0093】
そして、透過照明部14の照明光を消した後、差分画像生成部18は、反射画像31と透過画像32の差分を取り薬包体21の差分画像36を生成する(ステップS23)。そして、差分画像36を二値化処理部25で二値化して(ステップS24)、ラベル領域34を除去する。この時、照明レベルを適切な値に設定しているので、錠剤領域33とラベル領域34の分離度は大きい。よって、差分画像36の二値化を行うことで、差分画像36より表示ラベルを除去した差分二値化画像37を生成することができる。
【0094】
ただし、薬包体21が鏡面反射の影響を受けることで差分二値化画像37に白とび部35が発生することがある。この白とび部35を除去するために、ステップS22で取得した透過画像32を二値化する(ステップS25)。
【0095】
そして、ステップS25で透過画像32を二値化して得た透過二値化画像46を反転させ反転画像と差分二値化画像37の白色部分が重なる交差領域を算出し、交差領域画像47を生成する(ステップS26)。
【0096】
図9に示す交差領域画像47にある白い部分は、錠剤領域33である。このように、交差領域画像47はラベル領域34の除去に加えて、白とび部35を除去しており、検査画像として薬包体21の中になる錠剤領域33の数と大きさを計測することができる。そして、錠剤カウント部27は、交差領域画像47における錠剤領域33の数を数える。この錠剤領域33の数を錠剤数として算出する(ステップS27)。
【0097】
さらに、錠剤カウント部27には、処方箋に基づいて、薬包体21に封入されているべき錠剤の総数が記録されている。そして、錠剤カウント部27は、記録されている処方箋に基づく錠剤の総数と、ステップS27で算出された錠剤数とが同数であるか否かをチェックする(ステップS28)。
【0098】
そして、処方箋に基づく錠剤の総数とステップS27で算出された錠剤数とが異なっていると、表示部29に、薬包体21に封入された錠剤数が異なる旨のメッセージを表示させる。また、処方箋に基づく錠剤の総数とステップS27で算出された錠剤数とが同数であれば、表示部29に、薬包体21に封入された錠剤数が同数である旨のメッセージを表示させる。
【0099】
その後、載置台12のガイド部20が動き、別の薬包体21をカメラ部15の下方にある検査位置へ移動させる。そして、別の薬包体21の錠剤検査を行うためにステップS21〜ステップS28を繰り替えして、薬包体21の検査を行う。
【0100】
なお、上述した錠剤検査装置11を用いた検査方法では、錠剤カウント部27で自動的に薬包体21の錠剤の数が適切な錠剤数であるか否かのチェックを行なっているが、表示部29に、交差領域画像47を表示して、監査者の目で薬包体の錠剤をチェックするようにしてもよい。
【0101】
なお、反射照明部13はドーム型照明とした構成であるとよい。なぜならば、薬包体21に対して均一光を照射することができ、薬包体21の鏡面反射の影響を抑え、差分画像36の白とび部35の発生を防ぐことができるためである。
【0102】
なお、カメラ部15は偏光フィルターを有する構成であるとよい。なぜならば、薬包体21に対する鏡面反射の影響を抑え、差分画像36の白とび部35の発生を防ぐことができるためである。
【0103】
なお、表示ラベルは、透過インクによる印刷物に限らず、透過性のあるシールであっても、本実施の形態1を用いて、表示ラベルを除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の錠剤検査装置は、正確に表示ラベルを除去することができるので、表示ラベルがある場合でも正確な錠剤計数を可能とする正確な調剤作業を行わなければならない薬局、病院施設等で利用する錠剤検査装置として有用である。
【符号の説明】
【0105】
11 錠剤検査装置
12 載置台
13 反射照明部
14 透過照明部
15 カメラ部
16 分離度算出部
17 明度調整部
18 差分画像生成部
20 ガイド部
21 薬包体
22 透明アクリル板
25 二値化処理部
26 交差領域算出部
27 錠剤カウント部
28 サンプル位置情報記録部
29 表示部
31 反射画像
32 透過画像
33 錠剤領域
34 ラベル領域
35 白とび部
36 差分画像
37 差分二値化画像
46 透過二値化画像
47 交差領域画像
48 合成画像
51 サンプル薬包体
52 サンプル錠剤
53 サンプル表示ラベル
54 サンプル番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性を有する表示ラベルが施された薬包体を載置する載置台と、
前記載置台を照らす反射照明部と、
前記載置台を挟んで前記反射照明部の反対側より前記載置台を照らす透過照明部と、
カメラ部と、
前記反射照明部で照らされた前記薬包体を前記カメラ部で撮影した反射画像と、前記透過照明部で照らされた前記薬包体を前記カメラ部で撮影した透過画像と、の差分から差分画像を生成する差分画像生成部と、
二値化した前記差分画像の錠剤領域とラベル領域との分離度を算出する分離度算出部と、
前記分離度算出部より得られる分離度が所定の値以下になるように、前記透過照明部,前記反射照明部,前記カメラ部および前記差分画像生成部の少なくとも1つの作動状態を調整する明度調整部と、を備えた
錠剤検査装置。
【請求項2】
前記明度調整部は、前記透過照明部または前記反射照明部の少なくとも1つの作動状態である照明レベルを調整し、
前記分離度算出部は、前記錠剤領域における画素の明度の平均値である錠剤明度と、前記ラベル領域における画素の明度の平均値であるラベル明度とを乗算した乗算値から分離度を算出する
請求項1に記載の錠剤検査装置。
【請求項3】
サンプル薬包体の錠剤位置情報およびラベル位置情報を記憶するサンプル位置情報記録部を有し、
前記分離度算出部は、前記サンプル薬包体の錠剤位置情報およびラベル位置情報を基に特定した前記サンプル薬包体の差分画像における錠剤領域およびラベル領域の明度を用いて分離度を算出する
請求項1または請求項2に記載の錠剤検査装置。
【請求項4】
前記反射照明部および前記透過照明部の照明光は同色である
請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤検査装置。
【請求項5】
前記反射照明部はドーム型照明である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の錠剤検査装置。
【請求項6】
前記カメラ部は偏光フィルターを有する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤検査装置。
【請求項7】
透過性を有する表示ラベルが施された薬包体を載置する載置台と、前記載置台を照らす反射照明部と、前記載置台を挟んで前記反射照明部の反対側より前記載置台を照らす透過照明部と、を備えた錠剤検査装置を用いた錠剤検査方法であって、
前記反射照明部で照らした状態で前記薬包体をカメラ部で撮影した反射画像を取得する反射画像取得ステップと、
透過照明部で照らした状態で前記薬包体を前記カメラ部で撮影し透過画像を取得する透過画像取得ステップと、
前記反射画像と前記透過画像との差分から差分画像生成部で差分画像を生成する差分画像生成ステップと、
二値化した前記差分画像の錠剤領域とラベル領域の分離度を算出する分離度算出ステップと、
前記分離度が所定の値以下になるように、前記透過照明部,前記反射照明部,前記カメラ部および前記差分画像生成部の少なくとも1つの作動状態を調整する明度調整ステップと、を有する
錠剤検査方法。
【請求項8】
前記分離度算出ステップは、前記錠剤領域における画素の明度の平均値である錠剤明度と、前記ラベル領域における画素の明度の平均値であるラベル明度とを乗算した乗算値から分離度を算出する
請求項7に記載の錠剤検査方法。
【請求項9】
前記分離度算出部ステップは、予め記憶したサンプル薬包体の錠剤位置情報およびラベル位置情報を基に特定した前記サンプル薬包体の差分画像における錠剤領域およびラベル領域の明度を用いて分離度を算出する
請求項7または8に記載の錠剤検査方法。
【請求項10】
前記反射照明部および前記透過照明部の照明光は同色である
請求項7〜9のいずれか1項に記載の錠剤検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−78265(P2012−78265A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225339(P2010−225339)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】