説明

錠剤検査装置及びPTP包装機

【課題】PTPシートの製造過程における錠剤の外観異常を検査するに際し、装置の大型化や検査効率の低下を抑制しつつ、検査精度の飛躍的な向上を図ることのできる錠剤検査装置及びPTP包装機を提供する。
【解決手段】錠剤検査装置は、均一光T1を照射する第1照射装置22aと、スリット光T2を照射する第2照明装置22bと、カメラと、画像処理装置とを備えている。カメラの撮像素子23bは、均一光T1の照射領域を撮像する二次元撮像用撮像領域K1と、スリット光T2の照射領域を撮像する三次元計測用撮像領域K2とを有している。画像処理装置は、二次元撮像用撮像領域K1より得たデータを基に錠剤5の輝度画像を生成し、三次元計測用撮像領域K2より得たデータを基に錠剤5の形状画像を生成する。そして、輝度画像及び形状画像を基に、錠剤5の外観異常が検査される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTPシートの製造に際し用いられる錠剤検査装置、及び、該錠剤検査装置を備えたPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートは、錠剤等が充填されるポケット部が形成された樹脂製の包装用フィルムと、その包装用フィルムにポケット部の開口側を密封するように前記包装用フィルムに取着されるアルミニウム製のカバーフィルムとから構成されている。
【0003】
PTPシートの製造に際しては、ポケット部に錠剤等が充填された後、例えば異物の付着など、錠剤の外観異常が検査される。このような外観検査としては、例えば二次元の輝度画像を基に検査を行う二次元検査(例えば、特許文献1参照)や、三次元計測を行い、錠剤の形状を基に検査を行う三次元検査(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−33390号公報
【特許文献2】特開2004−28604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、二次元検査では、例えば印刷部と異物の区別をつけることができない。このため、印刷部周辺に関しては、予めマスク処理を施す等して異物の検出を行っていなかった。一方、三次元検査では、例えば錠剤粉と異物の区別をつけることができない。つまり、いくら小さくても異物と判断すべき樹脂粉等と、何ら問題のない錠剤粉との区別ができないことから、本来良品とすべき小さな錠剤粉が付着しただけのものであっても不良品と判断せざるを得なかった。結果として、検査精度が低下するおそれがあった。
【0006】
したがって、検査精度を高めるためには、上記各検査を行う検査機構を個別に備える必要があり、装置全体が大型化するおそれがあった。また、個別の検査機構(撮像機構)から取得した画像データの相互の座標系を精度良く、例えば画素単位で一致させることは非常に難しい。このため、従来では、各検査機構を備えていても、個々の検査機構毎に独立した検査を行うだけで、総合的な判断を行うことができず、検査精度や検査効率の低下を招くおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、PTPシートの製造過程における錠剤の外観異常を検査するに際し、装置の大型化や検査効率の低下を抑制しつつ、検査精度の飛躍的な向上を図ることのできる錠剤検査装置及びPTP包装機を提供することを主たる目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0009】
手段1.PTPシートの製造過程にあって、帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に収容された錠剤を検査する錠剤検査装置であって、
前記錠剤に対し、二次元撮像用の光を照射する二次元撮像用照射手段と、
前記錠剤に対し、三次元計測用の光を照射する三次元計測用照射手段と、
前記錠剤からの反射光を撮像可能な撮像素子を有する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記撮像素子は、
前記二次元撮像用の光が照射された領域を撮像するための二次元撮像用撮像領域と、
前記三次元計測用の光が照射された領域を撮像するための三次元計測用撮像領域とを有し、
前記画像処理装置は、
前記二次元撮像用撮像領域より得たデータを基に、前記錠剤の二次元データを生成する二次元データ生成手段と、
前記三次元計測用撮像領域より得たデータを基に、所定の三次元計測法により前記錠剤の三次元データを生成する三次元データ生成手段と、
前記二次元データ及び三次元データを基に、前記錠剤の外観異常に関する検査を行う検査手段とを備えたことを特徴とする錠剤検査装置。
【0010】
尚、錠剤の外観異常としては、例えば異物の付着、ひび、欠け、色の異常などが挙げられる。
【0011】
また、二次元データとしては、各座標(画素単位)毎の輝度情報を有した輝度画像データなどが一例に挙げられ、三次元データとしては、各座標毎の高さデータを有した形状画像データなどが一例に挙げられる。
【0012】
上記手段1によれば、単一(同一光学系)の撮像手段により得られた二次元データ及び三次元データを基に、錠剤の外観異常を検査することができる。そのため、複数の検査機構(撮像機構)を設けた構成と比べ、複雑な座標変換処理などを行うことなく、二次元データ及び三次元データを画素単位で一致させ、同一座標系で取り扱うことが可能となる。結果として、二次元データ及び三次元データに基づいた総合的な判断を行うことができ、検査効率及び検査精度の飛躍的な向上を図ることができる。さらに、検査装置の小型化、簡素化を図ることができる。
【0013】
また、本手段では、単一の撮像手段に係る撮像素子の領域を二次元撮像用撮像領域と三次元計測用撮像領域とに区分けするとともに、各撮像領域がそれぞれ対応する錠剤の領域(二次元撮像用の光が照射された領域と、三次元計測用の光が照射された領域)を撮像する構成となっている。これにより、二次元データ取得のための撮像と三次元データ取得のための撮像の両方を一度に行うことができる。このため、例えば二次元撮像用照射手段による照射と、三次元計測用照射手段による照射を交互に切換えて、二次元データ取得のための撮像と三次元データ取得のための撮像とを交互に行う構成に比べて、二次元データ及び三次元データの各データを作成する上で必要なデータ(例えば錠剤1つ分の全データ)を取得するのに要する時間を短縮することができる。換言すれば、搬送中の錠剤(包装用フィルム)の搬送速度を低下させることなく、連続的に撮像していくことが可能となり、検査効率のさらなる向上を図ることができる。
【0014】
手段2.前記検査手段は、
前記二次元データを基に、前記錠剤の外観異常を検出する二次元検出手段と、
前記三次元データを基に、前記錠剤の外観異常を検出する三次元検出手段とを備え、
前記二次元検出手段により異常ありと判定された部位のうち、前記三次元検出手段により異常なしと判定された部位に関しては、異常なしと判定し、又は、前記三次元検出手段により異常ありと判定された部位のうち、前記二次元検出手段により異常なしと判定された部位に関しては、異常なしと判定することを特徴とする手段1に記載の錠剤検査装置。
【0015】
上記手段2によれば、二次元データ及び三次元データに基づいた総合的な判断を行うことができ、検査精度の飛躍的な向上を図ることができる。例えば二次元データに係る検査により錠剤表面一般部とは異なる暗部が検出され、異常ありと判定された箇所も、三次元データに係る検査により高さが正常であると判定されれば、当該異常箇所は印刷部等であり、異常箇所ではないと判断できる。また、三次元データに係る検査により小さな凸部が検出され、小さな粒が付着していると判定された箇所も、二次元データに係る検査により錠剤表面一般部と同一輝度や同一色であると判定されれば、錠剤粉が付着しただけで、異常箇所ではないと判断できる。
【0016】
手段3.前記包装用フィルムが所定量搬送される毎に、前記撮像手段による撮像が行われる構成であって、
前記二次元撮像用撮像領域と前記三次元計測用撮像領域との相対位置関係と、前記包装用フィルムの搬送量とを基に、前記二次元データと前記三次元データの相互間の座標系を一致させる位置合わせ手段を備えたことを特徴とする手段1又は2に記載の錠剤検査装置。
【0017】
上記手段3によれば、両撮像領域の相対位置関係と、包装用フィルムの搬送機構に備わるエンコーダからの情報等を基に、両撮像領域の絶対位置の違いに起因して生じる二次元データと三次元データの位置ズレを補正し、適正な検査を行うことができる。
【0018】
手段4.前記二次元データ生成手段は、
前記二次元撮像用撮像領域より得たデータを時系列で順次更新記憶していくことにより、前記錠剤の二次元データを生成することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【0019】
上記手段4によれば、比較的簡単な処理で二次元データをリアルタイムに順次更新して生成していくことができる。これにより、処理速度の向上を図ることができる。また、搬送中の錠剤(包装用フィルム)の搬送速度を低下させることなく、連続的に撮像し、データ生成していくことが可能となる。結果として、検査効率のさらなる向上を図ることができる。
【0020】
手段5.前記三次元データ生成手段は、
前記三次元計測用撮像領域より得たデータ、又は、当該データを基に三次元計測して得たデータを時系列で順次更新記憶していくことにより、前記錠剤の三次元データを生成することを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【0021】
上記手段5によれば、上記手段4と同様の作用効果が奏される。
【0022】
手段6.前記所定の三次元計測法は、光切断法であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【0023】
上記手段6によれば、光切断法により錠剤の三次元データが求められる。このため、錠剤を連続的に移送しながら比較的容易に高さを求めることができ、検査効率を高めることができる。
【0024】
手段7.前記検査手段(三次元検出手段)は、
前記三次元データを基に、前記錠剤の外観異常を検出するに際し、
前記錠剤の表面の高さレベルを基準として前記三次元データを二値化処理又は多値化処理した上で、前記錠剤の外観異常となる凸部又は凹部の検出を行うことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【0025】
上記手段7によれば、三次元データを二値化処理又は多値化処理した上で、錠剤の外観異常の検出を行うため、その後の検査処理の簡素化や処理速度の向上を図ることができる。結果として、検査効率のさらなる向上を図ることができる。
【0026】
なお、多値化処理を行う際には、錠剤の表面の高さレベルから上下方向少なくとも一方へ所定量離れた高さレベルを閾値として設定すればよい。かかる構成により、凸部又は凹部の大きさを考慮した良否判定を行うことができ、さらなる検査精度の向上を図ることができる。
【0027】
手段8.手段1乃至7のいずれかに記載の錠剤検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。
【0028】
上記手段8のように、錠剤検査装置をPTP包装機に備えることで、PTPシートの製造過程において不良品を効率的に除外できる等のメリットが生じる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一実施形態におけるPTP包装機等の概略構成を示す模式図である。
【図2】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】錠剤検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】検査方法の基本原理を説明するための模式図である。
【図5】撮像素子の構成を説明するための模式図である。
【図6】画像作成ルーチンを説明するためのフローチャートである。
【図7】良否判定ルーチンを説明するためのフローチャートである。
【図8】(a)は二次元検査に係る錠剤を示す側面模式図であり、(b)はその平面模式図である。
【図9】(a),(b),(c)は、二次元データ用メモリにおけるデータの記憶手順を説明するための模式図である。
【図10】(a)は三次元検査に係る錠剤を示す側面模式図であり、(b)はその平面模式図である。
【図11】(a),(b),(c)は、三次元データ用メモリにおけるデータの記憶手順を説明するための模式図である。
【図12】良否判定ルーチンにおける良否判定結果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、錠剤検査装置をPTP包装機に装備することによって、PTP包装機においてPTPシートの不良が検査される。
【0031】
図2(a),(b)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を備えた包装用フィルムとしての容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたカバーフィルムとしての密封用フィルム4とを有している。
【0032】
容器フィルム3は、例えば、PP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)等の比較的硬質で所定の剛性を有する熱可塑性樹脂材料によって構成され、光透過性を有している(ここでは、透明を呈している)。密封用フィルム4は、アルミニウムによって構成されている。
【0033】
また、各ポケット部2には、錠剤5が1つずつ収容されている。本実施形態では、錠剤5として、白色で円盤形状の平錠を収容する場合について説明する。
【0034】
図1に示すように、PTP包装機7は、錠剤5を容器フィルム3に自動的に包装するものである。具体的には、PP、PVCなどの帯状の樹脂フィルムをフィルム送りロール9とテンションロール10,11とで、加熱装置12及び成形装置13に送り込み、錠剤5充填用のポケット部2を樹脂フィルムに成形する。そして、樹脂フィルムにポケット部2の成形された容器フィルム3が、充填装置14の下まで送られてくると、充填装置14が各ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する。
【0035】
一方、帯状に形成された密封用フィルム4は、テンションロール16,17を介してフィルム受けロール18の方へと案内されている。フィルム受けロール18には、加熱ロール19が圧接可能となっており、該加熱ロール19の外周面には、僅かに凸状に形成された格子状の線(図示略)が設けられている。そして、両ロール18,19間に、容器フィルム3及び密封用フィルム4が送り込まれるようになっている。両フィルム3,4が、両ロール18,19間を加熱圧接状態で通過することで、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着される。これによって、錠剤5が各ポケット部2に充填された長尺状のPTPフィルム20が製造される。
【0036】
さて、前記充填装置14の下流側、かつ、前記フィルム受けロール18及び加熱ロール19の上流側には、容器フィルム3の移送経路に沿って、錠剤5の不良を検査するための錠剤検査装置21が配設されている。当該錠剤検査装置21は、錠剤5の欠けや異物の付着など外観異常の検出を主目的とする検査を行うものである。
【0037】
上記検査を経て、容器フィルム3に密封用フィルム4が取着された後、PTPフィルム20は、図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。なお、錠剤検査装置21によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0038】
さて、PTP包装機7の概略は以上のとおりであるが、以下においては図3等に基づき、錠剤検査装置21についてより具体的に説明する。
【0039】
錠剤検査装置21は、二次元撮像用照射手段としての第1照明装置22a、三次元計測用照射手段としての第2照明装置22b、撮像手段としてのカメラ23、画像処理装置24、モニタ25、及びキーボード26等を備えている。
【0040】
照明装置22a,22b及びカメラ23は、容器フィルム3のポケット部2開口側(図1の上側)に設けられている。
【0041】
第1照明装置22aは、容器フィルム3の搬送方向(図1の右方向)とは反対側の斜め上方から錠剤5の一部に対し、常時、光強度(輝度)及び位相が一定の均一光T1を照射可能に構成されている(図4参照)。均一光T1が本実施形態における二次元撮像用の光に相当する。なお、均一光T1としては、その位相等が特に限定されるものではなく、白色光や赤外光等が一例に挙げられる。
【0042】
第2照明装置22bは、容器フィルム3の搬送方向側の斜め上方から錠剤5に対し、スリット光(シート状のレーザ光)T2を照射可能に構成されている(図4参照)。スリット光T2が本実施形態における三次元計測用の光に相当する。
【0043】
カメラ23は、各照明装置22a,22bから照射され、錠剤5にて反射する反射光を撮像可能に構成されている。
【0044】
カメラ23は、レンズ23aや撮像素子23b等から構成されている(図4参照)。本実施形態では、撮像素子23bとしてCCDセンサを用いたCCDカメラがカメラ23として採用されている。当該カメラ23によって撮像された画像データは、カメラ23内部においてデジタル信号に変換された上で、デジタル信号の形で画像処理装置24に入力されるようになっている。
【0045】
なお、本実施形態の撮像素子23bは、均一光T1が照射された領域を撮像するための二次元撮像用撮像領域K1と、スリット光T2が照射された領域を撮像するための三次元計測用撮像領域K2とに区分けされている(図5参照)。本実施形態では、以下、図5に示す例を基に説明する。図5に示す例では、容器フィルム3の搬送方向に沿ったX軸方向に30画素、それと直交するY軸方向に20画素の分解能を有する撮像素子23bの全領域のうち、容器フィルム3の搬送方向とは反対側にあたる、X軸方向の第1列目の領域が二次元撮像用撮像領域K1に相当し、第2列目〜第30列目の領域が三次元計測用撮像領域K2に相当する。
【0046】
また、画像処理装置24は、図3に示すように、画像メモリ41、判定用メモリ44、検査結果及び統計データメモリ45、カメラタイミング制御手段46、並びに、CPU及び入出力インターフェース47などから構成され、後述するような画像データの処理や、外観異常の判定処理等を実施可能となっている。
【0047】
画像メモリ41は、カメラ23により撮像された画像データ等を順次記憶していくものである。特に、画像メモリ41は、上記撮像素子23bの二次元撮像用撮像領域K1に対応する二次元データ用メモリ41aと、三次元計測用撮像領域K2に対応する三次元データ用メモリ41bとを備えている。また、検査時において、マスキング処理された画像データや、二値化処理された画像データなども、画像メモリ41に記憶される。
【0048】
二次元データ用メモリ41aは、撮像素子23bの二次元撮像用撮像領域K1により撮像されたデータ(各座標毎の輝度データ)を時系列で順次記憶していく。ここで、順次更新記憶され生成される画像データ(各座標毎の輝度データ)が本実施形態における二次元データに相当する。従って、二次元データ用メモリ41aやこれを制御するCPU等の機能により本実施形態における二次元データ生成手段が構成される。
【0049】
三次元データ用メモリ41bは、三次元計測用撮像領域K2より得たデータ、つまり、どこの座標が光ったかといった内容のデータを一次的に記憶するとともに、当該データを基に三次元計測して得たデータ(各座標毎の高さデータ)を時系列で順次記憶していく。ここで、順次更新記憶され生成される画像データ(各座標毎の高さデータ)が本実施形態における三次元データに相当する。従って、三次元データ用メモリ41bやこれを制御するCPU等の機能により本実施形態における三次元データ生成手段が構成される。
【0050】
判定用メモリ44は、検査における判定基準値など、予め入力された各種データを記憶するものである。
【0051】
CPU及び入出力インターフェース47(以下、単に「CPU等47」という)は、各種処理プログラムを判定用メモリ44の記憶内容などを使用しつつ実行するとともに、PTP包装機7に制御信号を送出し又はPTP包装機7から動作信号などの各種信号を送受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機7の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU等47は、モニタ25に表示データを送出する機能をも有する。かかる機能により、画像データや不良検査結果などを、モニタ25に表示させることができるようになっている。さらに、CPU等47は、キーボード26からのデータを入力する機能をも有する。
【0052】
検査結果及び統計データメモリ45(以下、単に「データメモリ45」という)は、画像データに関する座標等のデータ、検査結果データ、及び、該検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの検査結果データや統計データは、CPU等47の制御に基づき、適宜モニタ25に表示させることができる。また、これらの検査結果データや統計データに基づいてCPU等47がPTP包装機7に制御信号を送出することもできる。
【0053】
カメラタイミング制御手段46は、カメラ23(二次元撮像用撮像領域K1及び三次元計測用撮像領域K2)が撮像する画像データを、画像メモリ41(二次元データ用メモリ41a及び三次元データ用メモリ41b)に取り込むタイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機7に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、容器フィルム3を所定量搬送する毎に撮像が行われる。本実施形態では、撮像素子23bの1画素分だけ、容器フィルム3が搬送される毎に撮像が行われる。
【0054】
次に、錠剤5の外観検査の手順について説明する。まず検査対象となる画像データを作成する画像作成ルーチンについて図6のフローチャート等を参照して説明する。なお、当該画像作成ルーチンは、容器フィルム3を所定量(撮像素子23の1画素分)搬送する毎に繰り返し行われるものである。
【0055】
画像作成ルーチンでは、まずステップS101において、均一光T1及びスリット光T2の照射された錠剤5をカメラ23により撮像する。
【0056】
例えば、図8(a),(b)に示すように、第1照明装置22aにより均一光T1が照射された照明範囲W1のうち、撮像素子23bの画素一列分に相当する撮像範囲W2が、二次元撮像用撮像領域K1によって撮像される。
【0057】
一方、図10(a),(b)に示すように、錠剤5に対し第2照明装置22bからスリット光T2が照射されると、表面が平らな錠剤5には直線状の光のラインLがあたることとなり、当該ラインLが三次元計測用撮像領域K2によって撮像される。
【0058】
ステップS102では、ステップS101において二次元撮像用撮像領域K1により撮像されたデータ(各座標毎の輝度データ)を基に輝度画像を作成する。
【0059】
二次元撮像用撮像領域K1により撮像されたデータ(各座標毎の輝度データ)は、図9(a)に示すように、二次元データ用メモリ41aの所定メモリ領域M1に記憶される。ここで、既に二次元データ用メモリ41aにデータが記憶されている場合には、図9(b)に示すように、当該データを1列ずつシフトさせた後、図9(c)に示すように、空いた所定メモリ領域M1に新たに取得したデータを記憶する。
【0060】
図8,9に示す例では、錠剤5上に異物Bが付着している場合を例示している。かかる場合には、錠剤5の表面一般部の輝度値が「5」であるのに対し、異物Bが付着している座標に関しては、その暗い輝度に対応した値(例えば「1」)が記憶されることとなる。
【0061】
このように、容器フィルム3(錠剤5)の移動に伴って撮像範囲W2が相対移動していき、当該ステップS102の処理が、容器フィルム3を所定量搬送する毎に繰り返されることにより、二次元データ用メモリ41aには、各座標毎の輝度データが時系列に順次更新記憶され、錠剤5の二次元データである輝度画像が生成されていくこととなる。そして、1つ分のPTPシート1に相当する容器フィルム3が通過しきると、検査対象となる1つ分のPTPシート1の輝度画像が取得されることとなる。
【0062】
ステップS103では、ステップS101において三次元計測用撮像領域K2により撮像されたデータを基に形状画像を作成する。
【0063】
三次元計測用撮像領域K2により撮像されたデータ(例えば、どこの座標が光ったかといった内容のデータ等)は画像メモリ41に一次的に記憶される。そして、当該データを基に三次元計測して得たデータ(各座標毎の高さデータ)が、図11(a)に示すように、三次元データ用メモリ41bの所定メモリ領域M2に記憶される。ここで、既に三次元データ用メモリ41bにデータが記憶されている場合には、図11(b)に示すように、当該データを1列ずつシフトさせた後、図11(c)に示すように、空いた所定メモリ領域M2の所定位置に新たに取得したデータを記憶する。
【0064】
図10,11に示す例では、欠け等のない良品の錠剤5を撮像した場合を例示している。かかる場合、錠剤5の表面一般部(高さが最も高い点)で光が検出されたとすると、当該座標に対応する高さデータとして例えば「4」が記憶される。一方、錠剤5のない部分(高さが最も低い点)で光が検出されると、当該座標に対する高さデータとして例えば「0」が記憶される。つまり、図10,11に示す例では、錠剤5の一方の縁部から他方の縁部にかけてできた直線状の光のラインLに対応して、「4」「4」「4」という高さデータが記憶される。
【0065】
このように、容器フィルム3(錠剤5)の移動に伴ってスリット光T2のあたる位置が相対移動していき、当該ステップS103の処理が、容器フィルム3を所定量搬送する毎に繰り返されることにより、三次元データ用メモリ41bには、各座標毎の高さデータが時系列に順次更新記憶され、錠剤5の三次元データである形状画像が生成されていくこととなる。そして、1つ分のPTPシート1に相当する容器フィルム3が通過しきると、検査対象となる1つ分のPTPシート1の形状画像が取得されることとなる。
【0066】
次に良否判定ルーチンについて図7のフローチャート等を参照して説明する。当該良否判定ルーチンを実行する機能が特に本実施形態における検査手段を構成する。なお、当該良否判定ルーチンは、1つ分のPTPシート1に相当する容器フィルム3を撮像する毎に繰り返し行われるものである。
【0067】
ステップS201では、二次元データ用メモリ41aから検査対象となる1つ分のPTPシート1に相当する分の輝度画像を抽出する。
【0068】
ステップS202では、ステップS201により抽出した輝度画像を基に、錠剤5を特定する処理を実行する。より詳しくは、抽出した輝度画像をシェーディング補正等した後、所定の閾値で二値化し、当該二値化画像データを生成する。そして、二値化画像データにラベリング処理(塊処理)を行い、錠剤5に相当する領域を特定する。
【0069】
ステップS203では、ステップS201により抽出した輝度画像、及びステップS202において特定した錠剤5の領域を基に、錠剤5の領域内に存在する異物B等に相当する暗部を特定する処理を実行する。より詳しくは、上記輝度画像を所定の閾値で二値化した二値化画像データを生成した後、当該二値化画像データにラベリング処理(塊処理)を行い、暗部に相当する連結成分の形状や面積等を特定する。
【0070】
ステップS204では、三次元データ用メモリ41bから検査対象たる1つ分のPTPシート1に相当する形状画像を抽出する。併せて、撮像素子23bの二次元撮像用撮像領域K1と三次元計測用撮像領域K2との相対位置関係と、容器フィルム3の搬送量とを基に、上記輝度画像と上記形状画像の相互間の座標系を一致させる処理を行なう。かかる処理の機能が本実施形態における位置合わせ手段を構成する。
【0071】
ステップS205では、上記形状画像を錠剤5の表面の高さレベルを基準として変換した基準形状画像を作成した上で、さらに当該基準形状画像を二値化又は多値化した検査基準画像を作成する。
【0072】
ステップS206では、上記ステップS203で取得した二値化画像(暗部の連結成分等)や、ステップS205で作成された検査基準画像等を基に、錠剤5の外観異常に係る検査を実行する。以下、かかる検査における良否判定手順について図12を参照しつつ説明する。
【0073】
例えば、まず上記二値化画像を基にした二次元検査を行う。かかる二次元検査を実行する機能により本実施形態における二次元検出手段が構成される。二次元検査では、上記二値化画像を基に暗部の検出を行う。そして、暗部が存在する部位に関しては、その形状等に拘らず、毛髪等の異物Bが付着しているとみなし、一旦、「異常あり(不良)」と判定し、その結果を一次記憶する。また、その他の正常な部位に関しては「異常なし(良)」と判定し、その結果を一次記憶する。
【0074】
また、二次元検査に続き、上記検査基準画像を基にした三次元検査を行う。かかる三次元検査を実行する機能により本実施形態における三次元検出手段が構成される。三次元検査では、まず凸部又は凹部の検出を行う。その後、かかる凸部又は凹部の大きさが所定の基準値よりも大きいか否か判定する。そして、凸部又は凹部が存在する部位に関しては、この時点においては、その大小に拘らず、一旦、「異常あり(不良)」と判定し、その結果を一次記憶する。その他の正常な部位に関しては「異常なし(良)」と判定し、その結果を一次記憶する。
【0075】
次に、二次元検査により「異常あり(不良)」と判定された部位のうち、三次元検査により「異常なし(良)」と判定された部位に関して、既に記憶された「異常あり(不良)」との判定結果を「異常なし(良)」と変更する(図12中の網掛け部分参照)。つまり、暗部が検出された箇所であっても、錠剤5の表面一般部と同一高さレベルであると判定されれば、当該箇所は印刷部等であり、異常箇所ではないと判断できる。
【0076】
また、三次元検査により「異常あり(不良)」と判定された部位で、かつ、凸部又は凹部の大きさが基準値よりも小さいと判定された部位のうち、二次元検査により「異常なし(良)」と判定された部位に関して、既に記憶された「異常あり(不良)」との判定結果を「異常なし(良)」と変更する(図12中の網掛け部分参照)。つまり小さな凸部が検出され、小さな粒が付着していると判定された箇所であっても、錠剤5の表面一般部と同一輝度であると判定されれば、錠剤粉が付着しただけで、異常箇所ではないと判断できる。また、小さな凹部が検出された箇所であっても、錠剤5の表面一般部と同一輝度であると判定されれば、ひび等が生じた異常箇所ではないと判断できる。なお、凸部又は凹部の大きさが基準値よりも大きいと判定された部位に関しては、錠剤5の表面一般部と同一輝度であると判定されたとしても、欠け等の異常個所である可能性が高いため、「異常あり(不良)」との判定結果を変更しない。
【0077】
そして、上記二次元検査及び三次元検査による判定結果を総合的に判断して、少なくとも一方の結果において「異常あり」と判定された部分に関しては「不良」と確定し、いずれの結果も「異常なし」と判定された部分に関しては「良」と確定する(図12参照)。これにより、1つでも「不良」箇所がある錠剤5に関しては「不良」と判定され、1つも「不良」箇所がない錠剤5に関しては「良」と判定される。
【0078】
なお、上記ステップS206に係る一連の処理は、PTPシート1上の全ての錠剤5についてそれぞれ実行され、ここで「不良」となる錠剤5が1つも存在しない場合には、当該PTPシート1を良品と判定し、本ルーチンを終了する。一方、「不良」となる錠剤5が1つでもある場合には、当該PTPシート1を不良品と判定し、本ルーチンを終了する。そして、これらの検査結果は、モニタ25やPTP包装機7(不良シート排出機構を含む)に出力される。
【0079】
以上詳述したように、本実施形態によれば、単一(同一光学系)のカメラ23により得られた輝度画像及び形状画像を基に、錠剤5の外観異常を検査することができる。そのため、複数の検査機構(撮像機構)を設けた構成と比べ、複雑な座標変換処理などを行うことなく、輝度画像及び形状画像を画素単位で一致させ、同一座標系で取り扱うことが可能となる。結果として、輝度画像及び形状画像に基づいた総合的な判断を行うことができ、検査効率及び検査精度の飛躍的な向上を図ることができる。さらに、錠剤検査装置21の小型化、簡素化を図ることができる。
【0080】
また、本実施形態では、単一のカメラ23に係る撮像素子23bの領域を二次元撮像用撮像領域K1と三次元計測用撮像領域K2とに区分けするとともに、各撮像領域K1,K2がそれぞれ対応する錠剤5の領域(均一光T1が照射された領域と、スリット光T2が照射された領域)を撮像する構成となっている。これにより、輝度画像取得のための撮像と形状画像取得のための撮像の両方を一度に行うことができる。このため、例えば均一光T1の照射と、スリット光T2の照射を交互に切換えて、輝度画像取得のための撮像と形状画像取得のための撮像とを交互に行う構成に比べて、輝度画像及び形状画像の各画像データを作成する上で必要なデータ(PTPシート1ひとつ分の全データ)を取得するのに要する時間を短縮することができる。換言すれば、搬送中の錠剤5(容器フィルム3)の搬送速度を低下させることなく、連続的に撮像していくことが可能となり、検査効率のさらなる向上を図ることができる。
【0081】
さらに、本実施形態では、各撮像領域K1,K2から得たデータ等を時系列で順次更新記憶していくことにより、輝度画像や形状画像を生成する構成となっている。このため、比較的簡単な処理で各画像データをリアルタイムに順次更新して生成していくことができる。これにより、処理速度の向上を図ることができる。また、搬送中の錠剤5(容器フィルム3)の搬送速度を低下させることなく、連続的に撮像し、データ生成していくことが可能となる。結果として、検査効率のさらなる向上を図ることができる。
【0082】
以上説明した実施形態において、例えば、次のように構成の一部を適宜変更して実施することも可能である。勿論、以下において例示しない他の変更例も当然可能である。
【0083】
(a)上記実施形態では、検査対象となる錠剤5の態様例として、白色で円盤形状の平錠を例示しているが、錠剤の種類はこれに限られるものではない。例えば、検査対象となる錠剤は、中央部と周縁部とで厚みが異なるレンズ状等であってもよし、色付き糖衣錠等であってもよい。
【0084】
(b)上記実施形態では、三次元計測法として、いわゆる光切断法を採用し、該方法により高さデータを求めることとしている。これに限らず、他の三次元計測法を採用することとしてもよい。但し、錠剤5を連続的に移送しながら比較的容易に高さを求めることができ、検査効率を高めることができる点においては、光切断法を採用することがより好ましい。また、上記実施形態では、1本のスリット光T2を照射する構成となっているが、互いに平行な複数のスリット光を同時に照射する構成としてもよい。
【0085】
なお、他の三次元計測法としては、例えば、パターン投影法を挙げることができる。パターン投影法としては、例えば、空間コード法(特開平5−332737号公報等参照)や位相シフト法(特開平5−280945号公報等参照)等がある。空間コード法を用いた場合には、錠剤5の高さデータを比較的短時間で求めることができる。また、位相シフト法を用いた場合には、空間コード法よりもさらに精度よく高さデータを求めることができる。
【0086】
また、合焦法(特開平11−344321号公報等参照)を採用することとしてもよい。合焦法により錠剤5の高さデータが求められる場合には、死角が少なくて済み、撮像可能な領域において全ての高さデータを得ることができる。その中でも、例えば所定の光強度分布を有しかつ位置によってピントの合う高さが異なる光パターンを照射する構成の特殊な合焦法(特開2004−28604号公報等参照)を採用してもよい。かかる合焦法を採用した場合、死角を生じにくくすることができ、結果として、計測精度の向上を図ることができる。
【0087】
(c)上記実施形態では、二次元検査に係る画像として輝度画像を取得する構成となっているが、これに限らず、例えば画像メモリ41(二次元データ用メモリ41a)を、色情報を記憶可能なRGB画像メモリとして、二次元検査を行うにあたり、白色光を照射してカラー画像データを取得し、二次元検査として錠剤5の色異常を検出する構成としてもよい。
【0088】
(d)上記実施形態では、カメラ23の撮像素子23bとしてCCDセンサを採用しているが、撮像素子はこれに限定されるものではなく、例えばCMOS等を採用してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、1つの撮像素子23bの領域を区分けすることにより、二次元撮像用撮像領域K1と三次元計測用撮像領域K2とを備えた構成となっているが、これに限らず、例えば、1枚の回路基板上に設けられた複数の撮像素子をそれぞれ、二次元撮像用撮像領域K1と三次元計測用撮像領域K2として割り当てた構成としてもよい。少なくとも単一(同一光学系)のカメラ23であれば、上記実施形態の作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0090】
また、上記実施形態では、撮像素子23bの第1列目の領域のみが二次元撮像用撮像領域K1として機能しているが、これに限らず、複数列分の領域が二次元撮像用撮像領域K1となる構成としてもよい。
【0091】
(e)上記実施形態では、輝度画像や形状画像を生成するにあたり、各データ用メモリ41a,41bにおいて、既に記憶されたデータを1列ずつシフトさせた後、新たに各撮像領域K1,K2から取得したデータ等を順次記憶する構成となっている。これに限らず、データをシフトさせることなく、単に各撮像領域K1,K2から取得したデータ等を時系列で順次記憶していく構成としてもよい。
【0092】
(f)上記実施形態では、三次元検査(凸部又凹部の検出)を行うにあたり、形状画像を錠剤5の表面の高さレベルを基準として変換した基準形状画像を作成した上で、さらに当該基準形状画像を二値化又は多値化した検査基準画像を作成する構成となっている。これに限らず、例えば、上記基準形状画像から凸部又は凹部の検出を行う構成としてもよいし、もとの形状画像から直接、凸部又は凹部の検出を行う構成としてもよい。但し、形状画像を二値化処理又は多値化処理した上で検査を行う方が、その後の検査処理の簡素化や処理速度の向上を図る点においては好ましい。
【0093】
(g)ステップS206の検査における良否判定手順は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、二次元検査を先に実行した後、三次元検査を実行する構成となっているが、これに限らず、二次元検査及び三次元検査を同時並行的に行ってもよいし、三次元検査を先に実行する構成としてもよい。また、二次元検査又は三次元検査の一方の検査により「異常あり(不良)」と判定された箇所のみ、他方の検査を実施する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、4…密封用フィルム、5…錠剤、7…PTP包装機、21…錠剤検査装置、22a…第1照明装置、22b…第2照明装置、23…カメラ、23b…撮像素子、24…画像処理装置、41…画像メモリ、41a…二次元データ用メモリ、41b…三次元データ用メモリ、B…異物、K1…二次元撮像用撮像領域、K2…三次元計測用撮像領域、T1…均一光、T2…スリット光、L…光のライン、W1…照明範囲、W2…撮像範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTPシートの製造過程にあって、帯状の包装用フィルムに形成されたポケット部に収容された錠剤を検査する錠剤検査装置であって、
前記錠剤に対し、二次元撮像用の光を照射する二次元撮像用照射手段と、
前記錠剤に対し、三次元計測用の光を照射する三次元計測用照射手段と、
前記錠剤からの反射光を撮像可能な撮像素子を有する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記撮像素子は、
前記二次元撮像用の光が照射された領域を撮像するための二次元撮像用撮像領域と、
前記三次元計測用の光が照射された領域を撮像するための三次元計測用撮像領域とを有し、
前記画像処理装置は、
前記二次元撮像用撮像領域より得たデータを基に、前記錠剤の二次元データを生成する二次元データ生成手段と、
前記三次元計測用撮像領域より得たデータを基に、所定の三次元計測法により前記錠剤の三次元データを生成する三次元データ生成手段と、
前記二次元データ及び三次元データを基に、前記錠剤の外観異常に関する検査を行う検査手段とを備えたことを特徴とする錠剤検査装置。
【請求項2】
前記検査手段は、
前記二次元データを基に、前記錠剤の外観異常を検出する二次元検出手段と、
前記三次元データを基に、前記錠剤の外観異常を検出する三次元検出手段とを備え、
前記二次元検出手段により異常ありと判定された部位のうち、前記三次元検出手段により異常なしと判定された部位に関しては、異常なしと判定し、又は、前記三次元検出手段により異常ありと判定された部位のうち、前記二次元検出手段により異常なしと判定された部位に関しては、異常なしと判定することを特徴とする請求項1に記載の錠剤検査装置。
【請求項3】
前記包装用フィルムが所定量搬送される毎に、前記撮像手段による撮像が行われる構成であって、
前記二次元撮像用撮像領域と前記三次元計測用撮像領域との相対位置関係と、前記包装用フィルムの搬送量とを基に、前記二次元データと前記三次元データの相互間の座標系を一致させる位置合わせ手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤検査装置。
【請求項4】
前記二次元データ生成手段は、
前記二次元撮像用撮像領域より得たデータを時系列で順次更新記憶していくことにより、前記錠剤の二次元データを生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【請求項5】
前記三次元データ生成手段は、
前記三次元計測用撮像領域より得たデータ、又は、当該データを基に三次元計測して得たデータを時系列で順次更新記憶していくことにより、前記錠剤の三次元データを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【請求項6】
前記所定の三次元計測法は、光切断法であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【請求項7】
前記検査手段は、
前記三次元データを基に、前記錠剤の外観異常を検出するに際し、
前記錠剤の表面の高さレベルを基準として前記三次元データを二値化処理又は多値化処理した上で、前記錠剤の外観異常となる凸部又は凹部の検出を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の錠剤検査装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の錠剤検査装置を備えたことを特徴とするPTP包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−209085(P2011−209085A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76553(P2010−76553)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】