説明

錠剤自動包装機の統合制御システム及びその方法

【課題】多数の錠剤自動包装機を単一のシステムで統合的に管理及び制御する。
【解決手段】統合制御システムは、機能遂行のための操作信号を入力して状態を確認したい錠剤自動包装機を指定し、指定された錠剤自動包装機の細部事項を確認するための操作信号と遠隔監視のための信号とを入力する操作部と、錠剤自動包装機と内部通信を介してデータを送受信する通信部と、錠剤自動包装機との通信と、錠剤在庫量及び消耗品管理とを統合的に遂行するためのプログラムを内蔵し、通信部のデータ送受信を制御し、通信部を介して獲得した各錠剤自動包装機の在庫及び状態情報を貯蔵/分析し、分析結果により特定錠剤自動包装機の状態表示と該当機器の動作とを制御するマイクロプロセッサと、表示制御信号により各包装機器の現在の在庫量及び異常有無の表示を制御する電光板表示制御部と、各錠剤自動包装機内の錠剤在庫量及び機器の異常有無を表示する電光板とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤自動包装機の統合制御システムに関するもので、より詳細には、多数の錠剤自動包装機を単一のシステムで統合的に管理及び制御できるようにした錠剤自動包装機の統合制御システム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、錠剤自動包装機は、錠剤を種類別に錠剤カセットに受容し、医者の処方が入力されたら、処方に従い錠剤を自動的に錠剤カセットから排出して1回分ずつ自動的に包装する装置で、多様な錠剤を各々内蔵した多数の錠剤カセットが各々錠剤フィーダの上に装着され、前記錠剤フィーダに装着された錠剤カセットは、処方に対応するようにマイクロプロセッサの信号により、各々1回分ずつ処方された錠剤が錠剤フィーダに形成された各々の排出通路を介してホッパに排出され、ホッパに排出された錠剤達がホッパの下側に排出されて、印刷部により服用法の印刷された包装紙に1回分の錠剤が包装されることになる。
【0003】
ヨーロッパでは、地域別に医者が処方した薬だけを包装する薬供給所が指定され、薬供給所では、数十台の錠剤自動包装装置を連結して、各病院から入力される処方に従い各錠剤自動包装機が包装することになる。ヨーロッパの薬供給所では、2人〜3人の薬剤師が数十台の錠剤自動包装機を全て管理するのだが、薬剤師達がどの錠剤自動包装機の錠剤が欠品になったのか、またはプリンターリボン及び薬袋の交換時期になったのか、機械に異常があるかないかをいちいち確認するのは難しい実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、前記のような複数の錠剤自動包装機を連結して管理する時に発生する諸般問題点を解決するために提案されたもので、本発明の目的は、錠剤を自動的に包装する多数の錠剤自動包装機を単一のシステムで統合的に管理及び制御できるようにした錠剤自動包装機の統合制御システム及びその方法を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、倉庫に保管される全体の錠剤の在庫量及び消耗品(プリンターリボン、薬袋)を管理する倉庫管理システムと通信を介して連動して、倉庫全体の錠剤/消耗品を管理する錠剤自動包装機の統合制御システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような目的を達成するための本発明による“錠剤自動包装機の統合制御システム”は、機能遂行のための操作信号を入力して状態を確認したい錠剤自動包装機を指定し、その指定された錠剤自動包装機の細部事項を確認するための操作信号を入力する操作部と、錠剤を自動的に調剤及び包装する多数の錠剤自動包装機と通信を介してデータを送受信する通信部と、前記錠剤自動包装機との通信と、錠剤在庫量及び消耗品管理とを統合的に遂行するためのプログラムを内蔵し、前記通信部のデータ送受信を制御し、前記通信部を介して獲得した各錠剤自動包装機の在庫及び状態情報を貯蔵/分析し、前記分析結果により特定錠剤自動包装機の状態表示と該当機器の動作とを制御するマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサから出力される表示制御信号により各包装機器の現在の在庫量及び異常有無の表示を制御する電光板表示制御部と、前記電光板表示制御部と連結されて、各錠剤自動包装機の在庫量及び異常有無を表示する電光板とを含むことを特徴とする。
【0007】
前記通信部は、前記錠剤自動包装機の異常時に生成された異常メッセージの無線送信と現場状況に対するモニタリング情報とを使用者(薬剤師)の携帯電話に伝送する機能を更に含むのが好ましく、前記マイクロプロセッサは、前記錠剤自動包装機との通信と、錠剤在庫量及び消耗品管理とを統合的に遂行するためのプログラムを内蔵し、前記操作部を介して操作される機能情報等の入力を受けるための情報入力モジュールと、前記通信部と連結されて、前記錠剤自動包装機とのデータを送受信し、異常メッセージを無線送信し、無線インターネットを介して携帯電話に現場モニタリング情報を伝送するための通信制御モジュールと、前記通信制御モジュールを介して伝送される各錠剤自動包装機の錠剤在庫量を分析及び管理する包装機錠剤在庫量管理モジュールと、前記通信制御モジュールを介して伝送される処方箋情報を分析して、包装完了時に予想される錠剤種類別在庫量を予測する処方箋情報処理モジュールと、前記包装機錠剤在庫量管理モジュールから得られる在庫量を錠剤別に分析して各錠剤別の欠品時期を予測する欠品時期予測モジュールと、前記処方箋情報処理モジュールと包装機錠剤在庫量管理モジュールと連動して欠品錠剤の有無を判断し、欠品の錠剤が存在する時、該当錠剤自動包装機の動作が強制的に停止されるように制御信号を発生する欠品錠剤包装防止モジュールと、前記データの送受信を制御しながら、錠剤自動包装機の錠剤在庫量管理を制御し、データの貯蔵及び表示を制御する制御モジュールと、前記制御モジュールと連結されて、錠剤現況情報の印刷を制御する印刷制御モジュールと、前記制御モジュールの制御により錠剤自動包装機の異常有無と錠剤在庫量等の表示を制御する表示制御モジュールと、前記制御モジュールの制御により錠剤自動包装機で発生したデータ及び停電感知データ等の貯蔵を制御する貯蔵制御モジュールとを具備するのが好ましい。
【0008】
更に、前記マイクロプロセッサは、錠剤及び消耗品の保管される倉庫の錠剤及び消耗品の在庫量を管理する倉庫管理システムとの通信を介して、倉庫の保管錠剤及び消耗品在庫量を管理するために、前記制御モジュールと連結されて、プリンターリボン及び薬袋等の消耗品を管理する消耗品管理モジュールと、前記通信制御モジュールを介して伝送される倉庫全体の錠剤在庫量を分析及び管理する倉庫錠剤在庫量管理モジュールとを更に含むのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
上述した本発明によると、錠剤を自動的に調剤及び包装する多数の錠剤自動包装機を、単一のシステムで統合的に管理及び制御することができるという長所がある。
【0010】
また、錠剤を自動的に調剤及び包装する多数の錠剤自動包装機を、単一の調剤管理者が容易に制御及び管理することができるという長所がある。
【0011】
また、本発明によると、一つの電光板を利用して各機器別異常有無の確認が可能であり、異常機器の細部状況の把握も可能で、異常メッセージを無線で送信することができ、無線インターネットを介して遠隔の使用者に現場状況モニタリング情報の提供も可能だという利点がある。
【0012】
また、本発明によると、錠剤及び消耗品の保管される倉庫の在庫量を管理する倉庫管理システムとの通信を介して、倉庫の錠剤及び消耗品の管理を電光板を介して一目瞭然に、そして便利に遂行することができるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
このような本発明の好ましい実施例によると、薬剤師から遠く離れた錠剤自動包装機の動作状態を確認することができ、並びに薬剤師が錠剤自動包装機と離れた位置でも各錠剤の残量及び消耗品残量状態の確認が可能である。
【0014】
また、各装備の無人監視が可能なので、薬剤師一人で多数の錠剤自動包装機の制御が可能になる。
【0015】
以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面により詳細に説明すると、次の通りである。本発明を説明するに先立ち、関る公知機能あるいは構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明にすると判断される場合は、それに関する詳細な説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明による錠剤自動包装機の統合制御システムの概略的な構成図である。
【0017】
錠剤を自動的に包装する錠剤自動包装機10〜錠剤自動包装機10+Nの錠剤在庫量及び機器異常有無を一括的に管理する統合制御システム30が、近距離通信(LAN)またはCAN通信で連結されており、付加的に統合制御システム30は、倉庫に保管された錠剤及び消耗品を管理する倉庫管理システム20とは近距離通信やCAN通信で連結が可能である。
【0018】
図2は、本発明による錠剤自動包装機の統合制御システムの詳細な構成を示したブロック図である。
【0019】
ここで、操作部101は、機能遂行のための操作信号を入力して状態を確認したい錠剤自動包装機を指定し、その指定された錠剤自動包装機の細部事項を確認するための操作信号を入力し、停電感知部103は、システムが停電しているか否かを感知する。停電感知部103は、停電が発生した場合、エラーメッセージの出力が可能なようにする。
【0020】
印刷情報処理部105は、各錠剤自動包装機から錠剤カセットに装着された時間別錠剤情報、錠剤在庫量等の情報を出力するための印刷情報を処理してプリンタ107に伝送する印刷情報処理部を示し、通信部117は、錠剤を自動的に調剤及び包装する多数の錠剤自動包装機10との通信を介してデータを送受信する通信部で、近距離通信(LAN)やCAN,RS422,RS485通信を使用するのが好ましい。更に、通信部117は、無線インターネット200と連結されて、前記錠剤自動包装機10の異常時に、異常メッセージの無線送信と現場状況に対するモニタリング情報とを使用者(調剤管理者)の携帯電話に伝送する機能も遂行し、付加的に錠剤及び消耗品の保管された倉庫を管理する倉庫管理システム20との内部通信を介してデータを送受信する機能も遂行することができる。
【0021】
また、マイクロプロセッサ109は、錠剤自動包装機との通信と、錠剤在庫量及び消耗品管理とを統合的に遂行するためのプログラムを内蔵し、前記通信部117のデータ送受信を制御し、前記通信部を介して獲得した各錠剤自動包装機の在庫及び状態情報と情報分析結果により特定錠剤自動包装機の状態表示と該当機器の動作とを制御する。並びに、マイクロプロセッサ109は、倉庫管理システム20との通信を介して倉庫の錠剤及び消耗品を管理する機能も付随的に遂行する。
【0022】
マイクロプロセッサ109は、図3に示されているように、操作部を介して操作される機能情報等の入力を受けるための情報入力モジュール423と、前記通信部117と連結されて前記錠剤自動包装機10とのデータを送受信し、異常メッセージを無線送信し、無線インターネット200を介して携帯電話に現場モニタリング情報を伝送するための通信制御モジュール421と、前記通信制御モジュール421を介して伝送される各錠剤自動包装機10〜錠剤自動包装機10+Nの錠剤在庫量を分析及び管理する包装機錠剤在庫量管理モジュール403とを含む。
【0023】
並びに、マイクロプロセッサ109は、前記通信制御モジュール421を介して伝送される処方箋情報を分析して、包装完了時に予想される錠剤種類別在庫量を予測する処方箋情報処理モジュール405と、前記包装機錠剤在庫量管理モジュール403から得られる在庫量を錠剤別に分析して、各錠剤別の欠品時期を予測する欠品時期予測モジュール407と、前記処方箋情報処理モジュール405と包装機錠剤在庫量管理モジュール403と連動して欠品錠剤の有無を判断し、欠品の錠剤が存在する時、該当錠剤自動包装機の動作が強制的に停止されるように制御信号を発生する欠品錠剤包装防止モジュール409とを更に含む。
【0024】
更に、マイクロプロセッサ109は、前記データの送受信を制御しながら、錠剤自動包装機の錠剤在庫量管理を制御し、データの貯蔵及び表示を制御する制御モジュール411と、前記制御モジュール411と連結されて、錠剤現況情報の印刷を制御する印刷制御モジュール413と、前記制御モジュール411の制御により錠剤自動包装機の異常の有無と錠剤在庫量等の表示とを制御する表示制御モジュール417と、前記制御モジュール411の制御により錠剤自動包装機で発生したデータ及び停電感知データ等の貯蔵を制御する貯蔵制御モジュール419とを更に含む。
【0025】
更に、前記マイクロプロセッサ109は、前記通信制御モジュール421を介して伝送される倉庫全体の錠剤在庫量を分析及び管理する倉庫錠剤在庫量管理モジュール401と、前記制御モジュール411と連結されて、プリンターリボン及び薬袋等の消耗品を管理する消耗品管理モジュール415とを更に含む。
【0026】
また、電光板表示制御部113は、前記マイクロプロセッサ109から出力される表示制御信号による各包装機器の錠剤種類別在庫量、プリンターリボン及び薬袋在庫量と包装装置及び電源の異常有無の表示とを制御する電光板表示制御部を示し、並びに倉庫管理システムとも連携して総合在庫量の表示を制御することができる。前記電光板表示制御部113と連結されて、各錠剤自動包装機の在庫量及び異常の有無と前記倉庫の全体在庫量とを有効適切に表示する電光板111を示す。
【0027】
ここで、電光板111は、各錠剤自動包装機別に番号で区分され、任意の錠剤自動包装機に異常がある時は、電光板で該当機器の番号が緑色だったのが異常程度と至急性により橙色と赤に区分されて表示され、該当錠剤自動包装機の上部に装着された表示灯がつくと同時に、警告音が発生し、電光板にも警告メッセージが表示される。また、電光板111で特定錠剤自動包装機を選択した場合、その選択された錠剤自動包装機の錠剤在庫量、プリンターリボン及び薬袋残量等の表示が可能で、倉庫管理システムを選択した場合、全体錠剤在庫量及び消耗品の現況情報の表示を遂行するのが好ましい。停電である、或いは装置に異常がある時も、警告メッセージを電光板に表示する。
【0028】
このように構成される本発明による錠剤自動包装機の統合管理システム及びその方法について詳細に説明すると、次の通りである。
【0029】
統合管理システム20に近距離通信(LAN)またはCAN通信、またはRS422,RS485通信を介して複数個の錠剤自動包装機(例えば、10〜10+N)が連結された状態で、錠剤自動包装機10〜錠剤自動包装機10+Nは、周期的に自らの錠剤在庫現況及び機器異常有無状況を確認して統合管理システム20に伝送する。
【0030】
これをもう少し具体的に説明すると、マイクロプロセッサ109は、情報入力モジュール423を介してシステム運営中に発生する各種情報、例えば停電感知情報を受信してデータベース115に貯蔵することになり、これを分析して停電だと判断されると、エラーメッセージを出力するために表示制御モジュール417をコントロールする。表示制御モジュール417は、電光板表示制御部113を介して停電エラーメッセージを表示するようにして、これにより電光板111には停電エラーメッセージがディスプレイされる。
【0031】
次に、マイクロプロセッサ109は、有線または通信制御モジュール421を介して錠剤自動包装機10から各錠剤カセット内に残っている錠剤在庫量情報と、印刷部に装着されたセンサにより感知されたプリンターリボンの残量と、密封部に装着されたセンサによる薬袋残量及び機器の異常有無情報とを受信すると、包装機錠剤在庫量管理モジュール403で各々の錠剤自動包装機の情報を実時間で分析して異常有無と各錠剤別在庫量を把握し、その結果を制御モジュール411に伝達する。例えば、1番錠剤自動包装機はA,B,C,D,E,F,G,H錠剤があり、各々の錠剤は、最初に充填された錠剤数量から処方に従い錠剤カセットから排出される時にカウントされた錠剤数量を除いた残りが現在該当カートリッジに残っている錠剤の在庫量であることが分かるので、最小錠剤量の数値だけ設定し貯蔵しておけば、錠剤の不足の有無(補充の要否)をメッセージにて容易に知ることができるようになる。
【0032】
このような方法により、各錠剤自動包装機別各錠剤カセット内の在庫量が分析されてデータベース115に貯蔵され、並びに制御モジュール411では、包装機錠剤在庫量管理モジュール403との連動を介して、該当錠剤自動包装機の錠剤在庫量及び異常の有無が分かるので、電光板表示制御部113を介して該当錠剤自動包装機の状態を実時間で電光板111にディスプレイするように制御することになる。
【0033】
図4は、電光板111の一例を示したもので、電光板111には、好ましく各々の錠剤自動包装機を区分する情報と、各々の錠剤自動包装機別の錠剤在庫量及び異常有無の状態とを表示する。表示方法は、発光ダイオード(LED)を利用するのが好ましく、各発光ダイオードは、文字や色を介して正常状態と点検状態と非正常状態とを表示するのが更に好ましい。ここで、正常状態は、機器が正常状態で、各カートリッジ別錠剤在庫量が十分な場合の状態で、色では緑色が好ましく、点検状態は、現在機器が故障状態ではないが、故障の恐れがあるか(自己診断を介して分かる)、特定錠剤を補充しなければならない場合の状態で、黄色が好ましく、非正常状態は、現在機器が故障か、錠剤が不足な場合の状態で、赤が好ましい。
【0034】
このような表示方法は、一実施例に過ぎず、当業者ならば簡単な変形により表示方法を異ならせるのは自明である。
【0035】
使用者は、電光板111の表示状況を見て、どの機器に異常があるのか、どの機器に錠剤を補充しなければならないかが分かるが、具体的にどの機器にどのような異常があり、どの錠剤を補充しなければならないのかは、単純に電光板111の機器別状況表示方法を通じては分からない。
【0036】
従って、使用者がこのような具体的な情報を知りたい時は、操作部101を介して特定の錠剤自動包装機を選択することになり、その選択した錠剤自動包装機の状態認知のための情報だけを入力すると、制御モジュール411でこれを認知し、貯蔵制御モジュール419との連動を介して使用者の知りたい情報を引き出して電光板111のメッセージ窓を介してディスプレイしてくれる。例えば、使用者が1番の錠剤自動包装機の不足な錠剤を選択した場合は、不足な錠剤の錠剤名と現在の在庫量等をメッセージ窓に表示することになる。ここで、メッセージ窓は、一般的なデータ表示が可能な通常の液晶表示装置(LCD)を使用するのが好ましいが、文字や数字等を介してデータの表示が可能な全ての表示装置の適用も可能であることは当然である。
【0037】
一方、前記のような錠剤自動包装機の現況は、処方箋が発生する時ごとに、実時間でその情報が変更されなければならない。従って、特定錠剤自動包装機に処方箋が伝送された場合は、処方箋情報処理モジュール405で処方箋情報を処理し、前記錠剤自動包装機の現在の錠剤在庫量と処方箋の錠剤情報とを比較して、調剤完了後の各錠剤の種類別在庫量を予測することになる。勿論、こうして予測及び分析された結果情報は、データベース115に実時間で貯蔵される。
【0038】
また、統合管理システム30は、各錠剤別の欠品時期の予測が可能な長所がある。つまり、欠品時期予測モジュール407は、各錠剤別に週間消費量を日数で割って平均消費量を求め、その平均消費量と現在錠剤自動包装機に残っている各錠剤別の在庫量とを比較して、どの錠剤がどの時期に欠品されるのかを予測することになる。錠剤別の欠品時期の予測が可能であれば、これを電光板111を介して表示して、使用者が欠品の予測される錠剤を認知することができるので、予め該当錠剤を購入しておくことにより、特定錠剤の不足により調剤が不可能になる問題を未然に防止することができ、欠品時期の予測により計画的な錠剤購入も可能なので、使用者にさらに多くの便利さを提供することができる。
【0039】
一方、既存の錠剤自動包装機10は、処方に従い錠剤を調剤して自動的に包装する途中に、特定の錠剤が不足になった場合も、使用者が任意的に包装機の動作を停止させるまで、持続的に錠剤を自動包装するという問題点がある。つまり、処方箋に対応して錠剤を自動的に包装する途中に、任意の錠剤が不足になった場合も、残りの錠剤だけで調剤をして自動的に包装をするという問題が発生していた。
【0040】
このような問題点を解決するために、本発明では、欠品錠剤包装防止モジュール409で、制御モジュール411及び処方箋情報処理モジュール405と連動して、特定錠剤が不足する錠剤自動包装機が存在する場合に、強制的に通信制御モジュール421を介して該当錠剤自動包装機に情報を伝送し、錠剤自動包装機の動作を停止させるようにする。勿論、錠剤自動包装機の動作が自動的に停止すると、電光板111を介して該当状況情報がディスプレイされるのは当然である。
【0041】
並びに、マイクロプロセッサ109は、印刷制御モジュール413を介して使用者の要求する錠剤自動包装機の現況情報などの印刷が可能なので、使用者は、プリンタ107を介して該当錠剤自動包装機の現況情報や管理履歴情報などを印刷物でも確認することができる。
【0042】
以上のような錠剤自動包装機の統合管理は、使用者(調剤管理者)が電光板を肉眼で確認する場合は何ら問題がないが、場合によっては使用者が長時間統合管理システムから離れることがある。
【0043】
このような場合、本発明では、マイクロプロセッサ109で電光板111を介して特定錠剤自動包装機10の異常の有無または不足する錠剤等を表示するにもかかわらず、一定時間(例えば10分)以内にいかなる措置もとられなかった場合、マイクロプロセッサ109は、通信制御モジュール421を介して異常メッセージを作成して使用者が携帯する携帯電話に伝送するようにする。従って、通信部117は、作成された異常メッセージを、無線インターネット200を介して送信し、使用者が携帯する携帯電話に異常メッセージを伝送することになる。
【0044】
これにより、統合管理システム30から遠く離れた使用者にも特定機器の異常状況が容易に分かり、従って迅速に措置を取ることにより、長時間錠剤自動包装が行われない、或いは誤動作により発生し得る各種諸般問題が発生するのを予め防止することになる。
【0045】
並びに、電光板111の確認が不可能なところでの統合管理のために、本発明では、無線インターネット200を利用したシステム監視が可能である。つまり、操作部101を介して遠隔監視のための操作信号を印加すると、マイクロプロセッサ109でデータベース115にこれを貯蔵し、遠隔システム監視のためのモードに転換する。そして、各錠剤自動包装機の現場状況を、カメラを利用して撮影して無線インターネット200で使用者の指定した携帯電話に周期的または非周期的に伝送する。従って、使用者は遠隔で携帯電話だけを利用して現場状況を監視することができる。ここで、図面には示されていないが、現場監視のためにはカメラが必需的に必要であり、このようなカメラの作用や動作方法は一般的な事項なので、詳しい説明は省略する。
【0046】
一方、本発明による統合管理システム30は、錠剤や消耗品の保管される倉庫を管理する倉庫管理システム20との連動を介して、倉庫の全体錠剤在庫量及び消耗品の在庫量等の管理も可能である。
【0047】
つまり、近距離通信(LAN)やCAN通信を介して倉庫管理システム20が連結された状態で、倉庫管理システム20は、周期的または非周期的に倉庫で管理されている全体の錠剤在庫量の現況及び消耗品(プリンターリボン、薬袋、その他等々)の現況情報を統合管理システム20に伝送する。
【0048】
倉庫錠剤在庫量管理モジュール401は、受信した情報の内、倉庫の全体錠剤在庫量及び消耗品(プリンターリボン、薬袋、その他等々)の現況を分析することになる。このように分析された倉庫情報は、貯蔵制御モジュール419を介してデータベース115に貯蔵される。
【0049】
倉庫情報の分析結果、特定の錠剤が不足していたり特定の消耗品が不足だと判断されたり、現在は不足していないが近いうちに不足になるだろうと予測される錠剤や消耗品が存在したら、制御モジュール411にこれを知らせることになり、制御モジュール411は、貯蔵制御モジュール419を介して該当情報を貯蔵するようにし、並びに表示制御モジュール417を介して電光板111のメッセージ窓(図4参照)に、該当錠剤及び消耗品の不足状況と不足になるだろうと予測される時期とをディスプレイする。すると、使用者(調剤管理者)は、直接倉庫に行って確認しなくても、電光板111だけを通じて倉庫の錠剤管理現況と消耗品管理現況を容易に認知することになる。その後、それぞれに適した措置を取ることにより、以後の調剤時に、錠剤不足や消耗品不足のため調剤が行えないという問題を予め防止することになるのである。
【0050】
本発明は、上述した特定の好ましい実施例に限定されるものではなく、請求範囲で請求する本発明の要旨を脱することなく、当該発明の属する技術分野で通常の知識を有した者なら誰でも多様な変形実施が可能であるのは勿論、そのような変形は請求範囲の記載の範囲内に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による錠剤自動包装機の統合制御システムの概略的な構成図である。
【図2】本発明による錠剤自動包装機の統合制御システムの詳細な構成を示したブロック図である。
【図3】図2のマイクロプロセッサの一実施例の構成を示したブロック図である。
【図4】本発明に適用される電光板の例示図である。
【符号の説明】
【0052】
10、10+N 錠剤自動包装機
20 倉庫管理システム
30 統合制御システム
103 停電感知部
109 マイクロプロセッサ
111 電光板
113 電光板表示制御部
117 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処方箋に従い錠剤を自動的に包装する錠剤自動包装機を統合制御するシステムにおいて、
機能遂行のための操作信号を入力して状態を確認したい錠剤自動包装機を指定し、その指定された錠剤自動包装機の細部事項を確認するための操作信号と遠隔監視のための信号とを入力する操作部と、
前記錠剤自動包装機と内部通信を介してデータを送受信する通信部と、
前記錠剤自動包装機との通信と、錠剤在庫量管理とを統合的に遂行するためのプログラムを内蔵し、前記通信部のデータ送受信を制御し、前記通信部を介して獲得した各錠剤自動包装機の在庫及び状態情報を貯蔵/分析し、前記分析結果により特定錠剤自動包装機の状態表示と該当機器の動作とを制御するマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサから出力される表示制御信号により各包装機器の現在の在庫量及び異常有無の表示を制御する電光板表示制御部と、
前記電光板表示制御部と連結されて、各錠剤自動包装機の在庫量及び異常有無を表示する電光板とを含むことを特徴とする錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項2】
前記通信部は、前記錠剤自動包装機の異常時に生成された異常メッセージの無線送信と現場状況に対する監視情報とを使用者の携帯電話に伝送する機能を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項3】
前記通信部は、前記錠剤自動包装機と近距離通信(LAN)、CAN通信、RS422、RS485のいずれか一つで連結されてデータを送受信し、使用者とは無線インターネットを介して無線通信を遂行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサは、前記操作部を介して操作される機能情報の入力を受けるための情報入力モジュールと、
前記通信部と連結されて、前記錠剤自動包装機とのデータを送受信し、異常メッセージを無線送信し、無線インターネットを介して携帯電話に現場モニタリング情報を伝送するための通信制御モジュールと、
前記データの送受信を制御しながら、錠剤自動包装機の錠剤在庫量管理を制御し、データの貯蔵及び表示を制御する制御モジュールと、
前記通信制御モジュールを介して伝送される各々の錠剤自動包装機の錠剤在庫量を分析及び管理する包装機錠剤在庫量管理モジュールと、
前記制御モジュールの制御により錠剤自動包装機の異常有無と錠剤在庫量等の表示を制御する表示制御モジュールと、
前記制御モジュールの制御により錠剤自動包装機から伝送されたデータ及び停電感知データ等の貯蔵を制御する貯蔵制御モジュールとを含むことを特徴とする請求項1に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサは、前記通信制御モジュールを介して伝送される処方箋情報を分析して、包装完了時に予想される錠剤種類別在庫量を予測する処方箋情報処理モジュールと、
前記包装機錠剤在庫量管理モジュールから得られる在庫量を錠剤別に分析して各錠剤別の欠品時期を予測する欠品時期予測モジュールと、
前記処方箋情報処理モジュールと包装機錠剤在庫量管理モジュールと連動して欠品錠剤の有無を判断し、欠品の錠剤が存在する時、該当錠剤自動包装機の動作が強制的に停止されるように制御信号を発生する欠品錠剤包装防止モジュールとを更に含むことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項6】
マイクロプロセッサは、前記制御モジュールと連結されて、錠剤現況情報の印刷を制御する印刷制御モジュールと、
前記制御モジュールと連結されて、プリンターリボン及び薬袋等の消耗品を管理する消耗品管理モジュールと、
前記通信制御モジュールを介して伝送される倉庫全体の錠剤在庫量を分析及び管理する倉庫錠剤在庫量管理モジュールとを更に含むことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項7】
前記錠剤自動包装機の統合管理システムは、システムの停電時、エラーメッセージの発送が可能なように停電しているか否かを感知する停電感知部と、
各装備の現況情報や錠剤在庫量等の情報を出力するための印刷情報を処理してプリンタに伝送する印刷情報処理部とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項8】
前記電光板は、各々の錠剤自動包装機を区分する情報と各々の錠剤自動包装機別の錠剤在庫量及び異常有無の状態を発光ダイオード(LED)を利用して表示し、各発光ダイオードは、文字や色を介して正常状態と点検状態と非正常状態とを表示することを特徴とする請求項1に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項9】
前記正常状態は、機器が正常状態であり、各カートリッジ別錠剤在庫量が十分な場合の状態で、緑色の発光ダイオードで表示され、前記点検状態は、現在機器が故障状態ではないが、故障の恐れがあるか、特定錠剤を補充しなければならない場合の状態で、橙色の発光ダイオードで表示され、前記非正常状態は、現在機器が故障しているか、錠剤が不足な場合の状態で、赤色の発光ダイオードで表示されることを特徴とする請求項8に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項10】
前記欠品時期予測モジュールは、各錠剤別に週間消費量を日数で割って平均消費量を求め、その平均消費量と現在の錠剤自動包装機に残っている各錠剤別の在庫量とを比較して、どの錠剤がどの時期に欠品されるかを予測することを特徴とする請求項5に記載の錠剤自動包装機の統合制御システム。
【請求項11】
機能遂行のための操作信号を入力する操作部と、錠剤自動包装機と倉庫管理システムとの内部通信を介してデータを送受信する通信部と、前記錠剤自動包装機及び前記倉庫管理システムとの通信と、錠剤在庫量及び消耗品管理とを統合的に遂行するためのプログラムを内蔵し、システム全体の動作を制御するマイクロプロセッサと、各々の錠剤自動包装機の現在の在庫量及び異常有無と前記倉庫全体の錠剤/消耗品在庫量との表示を制御する電光板表示制御部と、各々の錠剤自動包装機の在庫量及び異常有無と前記倉庫全体の錠剤/消耗品在庫量とを有効適切に表示する電光板とを具備するシステムを利用して、錠剤自動包装機と倉庫管理システムとを統合管理するための方法において、
前記マイクロプロセッサは、前記操作部を介して操作される機能情報の入力を受ける段階と、
前記通信部と連結されて、前記錠剤自動包装機及び倉庫管理システムとのデータを送受信し、異常メッセージを無線送信し、無線インターネットを介して携帯電話に現場モニタリング情報を伝送する段階と、
前記データの送受信を制御しながら、倉庫の錠剤在庫量管理と錠剤自動包装機の錠剤在庫量管理とを制御し、データの貯蔵及び表示を制御する段階と、
前記倉庫の全体錠剤在庫量を分析及び管理する段階と、
前記各々の錠剤自動包装機の錠剤在庫量を分析及び管理する段階と、
処方箋情報を分析して、調剤完了時に予想される錠剤種類別在庫量を予測する段階と、
在庫量を錠剤別に分析して各錠剤別の欠品時期を予測する段階と、
欠品錠剤の有無を判断して、欠品の錠剤が存在する時、該当錠剤自動包装機の動作が強制的に停止されるように制御信号を発生する段階と、
錠剤現況情報の印刷を制御する段階と、
前記倉庫管理システムの情報を分析してプリンターリボン及び薬袋等の消耗品を管理する段階と、
前記錠剤自動包装機の異常有無と錠剤在庫量等の表示を制御する段階と、
前記錠剤自動包装機と倉庫管理システムとから各々伝送されたデータ及び停電感知データ等の貯蔵を制御する段階とを遂行することを特徴とする錠剤自動包装機の統合制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−74618(P2008−74618A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324387(P2006−324387)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(504031115)ジェイヴィエム カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】