説明

録画システムおよび録画再生方法

【課題】
複数の蓄積処理が行われ、再生サービスを提供するリソースが存在しないHDDレコーダにおいても再生リソースを提供することを可能にする。
【解決手段】
録画中に再生リソース不足が発生したときに、コンテンツ再生要求のあったHDDレコーダの録画処理を他のHDDレコーダに振り換えることで、コンテンツ再生のリソースを確保する。また、録画処理を振り分けることによって分散して蓄積されるコンテンツデータを、分割記録されたコンテンツの記録場所をコンテンツデータごとに記録して一元的に管理する。これにより、再生要求を出した機器へは1つのコンテンツとして提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報処理装置が通信網を介してデータをやりとりするシステムにおいて、複数の装置間で映像情報の録画再生をおこなう技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LAN(Local Area Network)インターフェースを搭載したHDDレコーダやTVなどのAV家電機器が一般的になっている。これらの機器では、従来は、ネットワークを介したデータ放送が主な利用目的であったが、DLNA(Digital Living Network Alliance)が策定されたことや、放送番組のネットワーク配信が検討されていることにより、今後は、LANインターフェースを通して、映像動画データを送受信する機能が望まれている。
【0003】
上記のDLNAによれば、対応するAV機器同士であれば、他社機器間であっても相互接続性を保証することができる。具体的にはDLNAのDMS(Digital Media Server)に蓄積された動画データをDLNAのDMP(Digital Media Player)でストリーミング再生することが可能である。さらに、DLNA Expandedでは、動画データの移動を行うことが可能な仕様になっている。
【0004】
例えば特許文献1には、上記のような機器連携技術を応用し、HDDレコーダ等が持つリソース(チューナやHDD容量、また、CPU等の処理能力)を、独立に利用できるようにし、ネットワークを介して他の機器から利用できるようなシステムを提案している。これによって、HDDレコーダが持つローカルHDDの容量が録画に十分な領域を確保できない場合でも、ネットワークを介して、別なHDDレコーダへ蓄積することが可能にしている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−158969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の従来技術では、1つの機器に処理要求が複数集中し、要求を受けた機器のリソースが不足し、いずれかの処理要求を拒絶しなければならないといった状況が起こりうる。例えば、DLNAを搭載したTV、HDDレコーダがネットワーク上に存在し、HDDレコーダが録画処理中に、蓄積された動画データに対して、TVから視聴要求がきたときである。このとき録画処理によって、HDDレコーダのHDDが占有されてしまい、外部からの視聴要求に対応することはできない。
【0007】
また、ひとつのHDDレコーダでローカルのHDDレコーダAに録画中にHDDの容量があふれてしまった際には、ネットワーク上の他のHDDレコーダBへ番組動画データを送信し、HDDレコーダBのHDDに蓄積することが可能であるが、別々のHDDレコーダに分割・蓄積された番組動画データは、別々の番組動画データとして扱われてしまい、ユーザは視聴時に分割された番組動画データを、明示的に選択して再生要求を出さなければならない、の問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題を解決し、録画再生時にリソース制限のなくして一元化して映像再生や映像録画をおこなえる録画再生システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のネットワークを介して動画データの録画再生をおこなう映像システムは、動画データの受信あるいは記録をおこなう第1の録画装置と、
動画データの受信あるいは記録をおこなう第2の録画装置と、前記第1あるいは第2の録画装置に記録された動画データの再生をおこなう再生装置と、前記第1の録画装置と前記第2の録画装置と前記再生装置とを接続し動画データの通信をおこなうネットワークと、録画データごとに録画データの記録場所を記録する動画データ情報管理テーブルを格納する動画データ情報記録部と、前記第1の録画装置が動画データを受信して記録をおこなっている際に、前記再生装置からの前記第1の録画装置に格納されている動画データの再生要求により、以降の前記第1の録画装置が受信した動画データの記録を第2の録画装置に転送して第2の録画装置に記録するようにするとともに、前記動画データ情報管理テーブルの録画データの記録場所を更新する動画データ格納制御部とを備えるようにした。
【0010】
さらに、本発明の映像システムの前記第1の録画装置は、前記再生装置が前記第1の録画装置に記録された動画データの再生をおこなうために前記第1の録画装置に動画データ要求したときに、前記動画データ情報管理テーブルを参照して、再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報を取得して、前記再生装置に通知する動画データ再生制御手段を有し、前記再生装置は、前記動画データ再生制御手段から通知されたアクセス情報を基に動画データを取得して再生するようにした。
【0011】
また、本発明の映像システムの前記第1の録画装置は、前記再生装置が前記第1の録画装置に記録された動画データの再生をおこなうために前記第1の録画装置に動画データ要求したときに、前記動画データ情報管理テーブルを参照して、再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報を取得して、取得したアクセス情報を基に動画データを取得して再生する動画データ再生制御手段を有し、前記再生装置は、前記動画データ再生制御手段から通知された動画データを取得して再生するようにした。
【0012】
また、本発明の映像システムの前記第1の録画装置は、前記再生装置が前記第1の録画装置に記録された動画データの再生をおこなうために前記第1の録画装置に動画データ要求される以前に、前記動画データ情報管理テーブルを参照して再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報を取得し、前記アクセス情報を基に複数の記録場所から動画データを取得し、取得した動画データを結合して動画データの修正をおこなう動画データ再生制御手段を備えるようにした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、録画装置が複数存在するネットワークの中で、録画処理等で動画データ配信のためのリソースを確保できない録画装置に蓄積された動画データに対して再生装置から再生依頼があった場合でも、再生依頼を処理することを可能になるので、録画再生の制限のない録画再生システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。同一記号・符号は同一機能を有するものとして以下扱う。
図1は実施形態の録画システム1のシステム構成例を示す図である。図1において、2は宅内の装置をネットワークによって接続したホームネットワークであり、10は再生装置、20は録画装置、30は記録装置である。
【0015】
ホームネットワーク2は、ルータ(不図示)に接続された宅内のPC、AV機器、家電等の処理装置を無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、bluetooth、UWB(Ultra Wide Band)を使って接続し、各装置同士でデータのやり取りを行うことを可能にする。各処理装置はIP(Internet Protocol)アドレスを持ち、お互いの機器制御には、UPnP(Universal Plug and Play)などを利用し、また、HTTP、RTP、RTSP等のプロトコルによって動画データや動画データの一部を転送することが可能とする。
【0016】
再生装置10は、ネットワークを介して、例えば、UPnPを利用して他の装置を制御して動画データのアクセス先であるURI(Uniform Resource Identifier)を取得し、HTTPやRTP等を利用してストリーミング視聴することが可能な装置であり、PC(Personal Computer)やHDD(Hard Disk Drive)レコーダ、TV等の情報機器で実現されている。
【0017】
ここで、再生装置10は上記の映像再生装置の機能だけでなく、後述する録画装置20と同等の機能を持っていてもよい。
【0018】
録画装置20は、ネットワークを利用して、例えば、UPnPを利用して他の装置を制御して動画データのアクセス先であるURIを取得し、HTTPやRTP等を利用して動画データを送受信することが可能なPC(Personal Computer)やHDD(Hard Disk Drive)レコーダ、TV等の情報機器である。アンテナで受信した放送を自らが備えるHDDやテープメディア等に録画することが可能である。また、詳細を後述する録画した動画データや分割された動画データの位置情報を管理するデータベースを持っている。録画した動画データは、ネットワークを通して他の録画装置及び記録装置及び再生装置へ送信することが可能である。
【0019】
動画データ情報管理テーブル60は、詳細は図4に説明するが、録画番組と蓄積されている場所の対応を記録するテーブルであり、1番組を分割して複数の録画装置20及び記録装置40に分散して蓄積されている場合、分散蓄積された動画データ62それぞれにアクセスするためのURIとその再生順序を管理するテーブルとなっている。
【0020】
ここで、動画データ62とは、アンテナから放送波を受信し、MPEG2などに圧縮された動画像動画データを指す。また、1番組を分割してネットワーク上の録画装置20や記録装置40に分散して蓄積されているデータも動画データ62とする。
【0021】
記録装置40は、ネットワークを利用して、例えば、UPnPを利用して他の装置を制御して動画データのアクセス先であるURIを取得し、HTTPやRTP等を利用して動画データを送受信することが可能なPC(Personal Computer)やHDD(Hard Disk Drive)レコーダ、TV、NAS(Network Attached Storage)等の情報機器である。ネットワーク経由で送信されてきた動画データを、ローカルのHDD等へ蓄積し、取得要求があったときに、配信できる機能のみを有しているだけでもよいし、録画装置20と同等の機能を有していてもよい。
【0022】
本実施形態で説明する録画システムは、録画装置で録画中に、他のTVから録画装置に蓄積されている動画データの視聴要求があった場合、録画装置が新たに動画データを送信するためのリソースを確保できないときに、蓄積処理を他の記録装置若しくは録画装置に依頼することで、当該録画装置の動画データ配信用のリソースを確保することが可能になる。ネットワーク上に蓄積処理を受け付けることが可能な記録処理が複数存在した場合、HDD容量の残量と録画予約情報によって、依頼する記録装置を選定する。以下詳細に実施例を説明する。
【0023】
図4は本実施形態の動画データ情報管理テーブル60の構成例である。動画データ情報管理テーブル60は、番組ID65と、番組情報66と、アクセス情報67によって構成されている。番組ID65は、録画装置20内で録画した動画データの番組情報を一意に特定する識別子である。番組情報66は、EPGから取得した番組情報であり、当該動画データを視聴するユーザに対して、番組の説明情報として利用する。
【0024】
アクセス情報67は、分割された動画データのURIである。記録されたURIによって一意に特定できる動画データを取得できればよく、URIの表記方法に限定したものではない。このアクセス情報67は、分割動画データを生成した順序で並んでおり、アクセス情報を順に再生することで、1つの動画データとして再生することが確認できる。
【0025】
動画データ情報管理テーブル60の構成は上記に限ったものではなく、分割された動画データの録画時間やフレーム数等の録画データ情報をもつ構成としてもよい。このような録画データ情報を参照してスキップ再生等のトリック再生が容易におこなえるようになる。
【0026】
図2は本実施形態を適応しうる再生装置10のハードウェア構成図である。
図2に示すとおり、再生装置10は、少なくてもCPU11と、主記憶12と、プログラム格納部13と、動画データ再生手段14と、動画データ受信手段15と、バス16によって構成されている。各構成要素は、バス15によって接続され、各構成要素間で必要な情報が伝達可能である。
【0027】
CPU11は、主記憶12やプログラム格納部13にあらかじめ格納されているプログラムによって所定の動作を行う。主記憶12は、ワークエリアとして機能するとともに、必要なプログラムを格納するための手段であり、例えば、前者に対してはRAM(Random Access Memory)、後者に対してはROM(Read Only Memory)等によって実現できる。
【0028】
プログラム格納部13は、再生装置10のGUI(Graphical User Interface)等をユーザに提供するためのプログラムを保存する手段であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、Flashメモリ等によって実現できる。
【0029】
動画データ再生手段14は、動画データ再生手段16によって取得した動画データをデコードし、液晶やCRT(Cathode Ray Tube)やプラズマディスプレイ等の表示デバイス17に表示する機能を持つ。
【0030】
動画データ受信手段15は、ネットワーク上に存在する録画装置や記録装置に存在する動画データを、録画装置等から取得したURIを利用し、ネットワークを介して受信し、動画データ再生手段14に送信が可能である。本手段のより具体的な例を挙げるのであれば、HTTPクライアントである。
【0031】
動画データ再生手段14及び動画データ受信手段15は、ハードウェアでの実装を想定しているが、可能であるならばソフトウェアで実装してもかまわない。
【0032】
表示デバイス17は、動画データ再生手段14から送信される映像を表示することが可能である。表示デバイス17の具体的なデバイスをあげるのであれば、液晶ディスプレイやCRT、プラズマディスプレイなどである。
【0033】
図3は本実施形態を適応しうる録画装置20のハードウェア構成図である。
図3にあるとおり、録画装置20は、CPU21と、主記憶22と、プログラム格納部23と、動画データ記録手段24と、動画データ情報記録手段25と、記録先切替手段26と、動画データ送受信手段27と、放送受信手段28と、バス32によって構成されている。各構成要素は、バス32によって接続され、各構成要素間で必要な情報が伝達可能である。
【0034】
CPU21は、主記憶22やプログラム格納部23にあらかじめ格納されているプログラムによって所定の動作を行う。主記憶22は、ワークエリアとして機能したり、必要なプログラムを格納するための手段であり、例えば、前者に対してはRAM(Random Access Memory)、後者に対してはROM(Read Only Memory)等によって実現できる。
【0035】
プログラム格納部23は、録画装置20のGUI(Graphical User Interface)等をユーザに提供するためのプログラム及び、蓄積処理可能な記録装置40及び録画装置20を検索し、さらに、各装置から取得した録画予約情報とHDDなどの空き容量を取得して優先順位を付けることで蓄積処理を依頼する装置を選定するプログラムを保存する手段であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、Flashメモリ等によって実現できる。
【0036】
動画データ記録手段24は、録画装置20の放送受信手段28によって映像・音声情報を取得し、MPEG2等の動画像のエンコードした動画データ62を蓄積するための手段であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、Flashメモリ等によって実現できる。
【0037】
動画データ情報記録手段25は、録画装置20の放送受信手段28によって取得した所謂EPG(Electronic Program Guide)などの番組情報と、分割された動画データ62のアクセス先情報一覧を、録画した番組単位で管理する手段であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、Flashメモリ等によって実現できる。
【0038】
記録先切替手段26は、プログラム格納部23に蓄積されたプログラムによる切替指示によって動作し、それまで放送受信手段28から記録先切替手段26を経由して、動画データ記録手段24に送ることで蓄積されていた動画データ62の続きを、動画データ送受信手段27に送ることによって、切り替えたタイミング以降の動画データ62は、ネットワークを介して他の録画装置20や記録装置40に送信することできる。
【0039】
動画データ送受信手段27は、LAN(Local Area Network)インターフェースを通して、ネットワーク上の録画装置や記録装置に対して、動画データを送信受信することが可能である。放送受信手段28は、放送の受信機能と受信した映像・音声情報をエンコードしてMPEG2等の動画データ62にすることができる。生成した動画データ62は、記録先切替手段26にバスを経由して送信し、蓄積先を決定する。
【0040】
機器選定処理手段29は、蓄積処理を依頼する記録装置を選定するため、記録装置のHDD容量や録画装置の録画予約情報を取得することによって、蓄積処理を依頼する番組に重複する録画予約がなく、HDD容量の残量が一番多い記録装置及び録画装置を選定することができる。
【0041】
デバイス情報送信手段30は、録画装置及び記録装置のHDD容量の残量及び録画予約情報を、情報要求元の録画装置に送信することを可能にする。
【0042】
また、録画装置には、格納されている動画データを転送要求のあった再生装置に転送制御する動画データ再生制御手段をもつ。詳しくは、再生装置10から録画データ情報管理テーブル60の番組ID65に対応する単位に再生する動画データの転送要求を受けると、アクセス情報67を参照して番組ID65に対応する動画データのURI等の格納場所を求め、この格納場所に格納されている動画データを再生装置10に転送する。動画データ再生制御手段は、動画データが分割格納されて、番組ID65に対応する複数の格納場所が設定されていた場合には、詳細を後述する再生方法のいずれかにより、動画データの再生を制御する。
【0043】
図5は本実施形態を適応しうるフローチャートである。
録画装置20に対してユーザが録画予約を依頼後、録画予約開始時間になるとEPGから録画番組の番組情報を取得し、動画データ管理用の録画番組に対応する番組ID及び番組を記録する先のアクセス先情報67を生成し、動画データ情報管理テーブル60を生成し、動画データ情報管理DB(データベース)に登録し、録画処理を開始する(S300)。このとき、録画番組の記録は録画装置20の動画データ記録手段24におこなうものとし、録画装置20のネットワークアドレスと録画番組のファイルを特定するコンテンツIDからアクセス先情報67を生成する。
【0044】
録画処理中に再生装置10から録画処理中の処理装置20に対して、動画データ配信要求が発生し(S310)、録画装置20がコンテン配信要求を受信すると、録画装置20に動画データの配信リソースを確保できるか判定する(S330)。具体的には、録画装置20のHDDディスクの入出力負荷や入出力レートが一定値以上超えていないかを確認する。この閾値は録画装置20の出荷時に予めHDDディスクのリソース能力から少なくともひとつの動画データの配信リソース量を引いた値を固定値として埋め込んでもよいし、設定用のGUIを用意して、ユーザに設定させてもよい。
【0045】
録画予約処理若しくは動画データ配信処理が行われていない場合には、配信リソースの確保が可能となるので、要求された動画データを送信することで、フローチャートは終了する(S340)。また、録画処理はおこなわれていないが、既に動画データ配信処理が行われ、配信リソースが不足している場合は、再生装置10にエラーコードを送信して、フローチャートを終了する。
【0046】
S330で既に録画予約が行われている場合、ディスクへの負荷を減らすため、放送の受信処理はそのままに、動画データの書き込み先を変更する。以下に詳しく説明する。まず、ネットワークを介して動画データの蓄積処理を受け付けてくれる録画装置20及び記録装置40を検索する。検索方法については限定しないが、例えば、UPnPで実施するときには、デバイスディスクリプションのフェーズで、動画データの移動が可能なデバイスを検索する(S350)。
【0047】
録画装置及び記録装置の検索結果、蓄積処理を受付可能な装置が存在しない場合、再生装置10に対して、動画データ配信のためのリソースを確保できなかったことを通知指定終了する(S360)。
【0048】
検索の結果、ネットワーク上に録画装置20及び記録装置が存在している場合、検索結果で得られた全ての装置に対して蓄積可能なHDD容量を取得する(S370)。
【0049】
検索された録画装置に対しては、さらに録画予約情報を取得する。また可能であるならば、録画装置は、録画装置20で現在録画している録画番組の時間近傍の予約情報のみを録画装置20に送信してもかまわない。
【0050】
録画装置20は、取得した各記録装置及び録画装置のHDD容量を確認し、録画中の動画データのビットレートと残りの番組時間から必要なHDD容量の概算を求め比較し、HDD容量の満たない装置は対象外とし、必要なHDD容量を確保できる装置を、録画可能なHDD容量が大きな順に並べて転送先候補リストを作成する。また、対象の装置内に録画装置が存在している場合には、録画中の番組と録画時間がかぶる録画予約情報を検索し、該当する録画装置は対象外として転送先候補リストを作成する。以上の処理によってHDD容量が一番大きな記録装置若しくは録画装置を送信先として決定する(S380)。
【0051】
動画データ送信先が決定すると、録画装置20のHDDへの録画処理を終了し、検索結果によって決定した記録装置もしくは録画装置へ受信した動画データを転送して記録するようにする(S390)。録画中の番組が放送時間を終了すると、録画装置20は動画データの転送を終了し、送信先から転送した動画データのアクセス先情報を取得する(S400)。録画装置20は取得した分割動画データのアクセス先情報を、S300で生成した動画データ情報管理テーブルへ登録し、フローチャートを終了する(S410)。
【0052】
このとき、動画データを転送していた記録装置もしくわ録画装置のリソース状態が変化し、動画データの転送録画ができなくなった場合には、受信元の録画装置20に転送中断を通知し、既に格納した録画データのアクセス先情報を通知する。
【0053】
録画装置20は、転送先の記録装置もしくわ録画装置から転送中断の通知を受けると、既に格納した録画データのアクセス先情報を動画データ情報管理テーブルへ登録するとともに、つぎに転送する記録装置もしくわ録画装置を選定し、動画データの転送を継続する。
【0054】
つぎに転送する記録装置もしくわ録画装置は、転送開始時に検索した転送先候補リストで2番目の記録装置もしくわ録画装置とする。また、先に説明した(S380)の処理を再度おこない転送先の記録装置もしくわ録画装置を検索してもよい。
【0055】
上述の(S330)の処理で、HDDのリソース値により判定をおこなう例について説明したが、動画データの配信を再エンコードしておこなう場合や暗号化しておこなう場合には、CPU21のリソースも多く必要となるため、映像装置20全体のシステムリソースにより判定をおこなってもよい。
【0056】
また、判定をしきい値との比較に替えて、予め動画データの種別ごとにリソース値を設定しておき、配信要求があったときに、配信対象となる配信リソース値を現在の映像装置20のリソース値に加算し、映像装置20の最大リソース値を超えないか否かにより判定してもよい。
【0057】
動画データ情報管理テーブル60によって分割された動画データを再生装置10が再生する方法について、以下に述べる。まず、録画装置20がプレイリストを再生装置10に提供する方法について説明する。
【0058】
再生装置10から録画装置20に蓄積された動画データを選択するために、再生装置10は動画データ情報の一覧を取得する。動画データ情報には、動画データをアクセスするためのURIを付加し、動画データ情報の一覧から動画データを選択すると、URIを利用して動画データの再生が開始される。このとき、動画データ情報として提供するURIを複数付加することによって、再生装置10は分割された動画データのアクセス先全てを取得することが可能である。再生装置10は付加されてきたURIの一覧を順に再生することで、動画データ全てを再生することを可能にする。
【0059】
つぎに、録画装置20がリダイレクトして再生装置で再生する方法について説明する。再生装置10が複数の装置へ分割・蓄積された動画データを再生する際に、動画データ情報を管理する録画装置20の上で、動画データ情報のアクセス先順に取得し、再生装置10へリアルタイムで送信することで、再生装置10では1つの動画データとして再生することが可能になる。このとき再生装置10が取得する動画データ情報の一覧に付加された動画データのURIは1つである。
【0060】
つぎに、録画装置20が動画データを結合して再生装置で再生する方法について説明する。再生装置10が動画データをアクセスする以前に、複数の装置に分割・蓄積された動画データを、録画装置20のHDDに移動し、結合して1つの動画データを生成する。動画データの取得・結合は、録画が終了した時点で、最後の分割された動画データを録画した記録装置若しくは録画装置が、録画装置20に録画が終了したことを通知したときに結合作業を行う、若しくは、ユーザが利用しない時間帯に結合作業を行うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態の録画システム構成図である。
【図2】本実施形態の再生装置のハードウェア構成図である。
【図3】本実施形態の録画装置及び記録装置のハードウェア構成図である。
【図4】本実施形態の動画データ情報管理テーブルの構造の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における録画時の録画システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1…録画理システム、2…ホームネットワーク、10…再生装置、11…CPU、12…主記憶、16…バス、17…表示デバイス、20…録画装置、21…CPU、22…主記憶、32…バス、40…記録装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して動画データの録画再生をおこなう映像システムであって、
動画データの受信あるいは記録をおこなう第1の録画装置と、
動画データの受信あるいは記録をおこなう第2の録画装置と、
前記第1あるいは第2の録画装置に記録された動画データの再生をおこなう再生装置と、
前記第1の録画装置と前記第2の録画装置と前記再生装置とを接続し動画データの通信をおこなうネットワークと、
録画データごとに録画データの記録場所を記録する動画データ情報管理テーブルを格納する動画データ情報記録部と、
前記第1の録画装置が動画データを受信して記録をおこなっている際に、前記再生装置からの前記第1の録画装置に格納されている動画データの再生要求により、以降の前記第1の録画装置が受信した動画データの記録を第2の録画装置に転送して第2の録画装置に記録するようにするとともに、前記動画データ情報管理テーブルの録画データの記録場所を更新する動画データ格納制御部とを備えたことを特徴とする映像システム。
【請求項2】
請求項1に記載の映像システムにおいて、
前記第1の録画装置は、前記再生装置が前記第1の録画装置に記録された動画データの再生をおこなうために前記第1の録画装置に動画データ要求したときに、前記動画データ情報管理テーブルを参照して、再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報を取得して、前記再生装置に通知する動画データ再生制御手段を有し、
前記再生装置は、前記動画データ再生制御手段から通知されたアクセス情報を基に動画データを取得して再生することを特徴とする映像システム。
【請求項3】
請求項1に記載の映像システムにおいて、
前記第1の録画装置は、前記再生装置が前記第1の録画装置に記録された動画データの再生をおこなうために前記第1の録画装置に動画データ要求したときに、前記動画データ情報管理テーブルを参照して、再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報を取得して、取得したアクセス情報を基に動画データを取得して再生する動画データ再生制御手段を有し、
前記再生装置は、前記動画データ再生制御手段から通知された動画データを取得して再生することを特徴とする映像システム。
【請求項4】
請求項1に記載の映像システムにおいて、
前記第1の録画装置は、前記再生装置が前記第1の録画装置に記録された動画データの再生をおこなうために前記第1の録画装置に動画データ要求される以前に、前記動画データ情報管理テーブルを参照して再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報を取得し、前記アクセス情報を基に複数の記録場所から動画データを取得し、取得した動画データを結合して動画データの修正をおこなう動画データ再生制御手段を備えたことを特徴とする映像システム。
【請求項5】
請求項1に記載の映像システムにおいて、
前記動画データ格納制御部は、前記第1の録画装置の処理負荷状態を判定し、前記第2の録画装置からの再生要求による動画データの転送ができない場合に、前記第1の録画装置が受信した動画データを第2の録画装置に転送して第2の録画装置に記録するように制御することを特徴とする映像システム。
【請求項6】
請求項5に記載の映像システムにおいて、
前記動画データ格納制御部は、前記第2の録画装置から装置状態情報を取得し、動画データの転送の可否を判定することを特徴とする映像システム。
【請求項7】
請求項6に記載の映像システムにおいて、
前記第2の録画装置から取得する前記装置状態情報は、前記第2の録画装置の録画予約情報と動画データの記録残容量から成ることを特徴とする映像システム。
【請求項8】
請求項7に記載の映像システムにおいて、
前記動画データ格納制御部は、記録中の動画データのビットレートと残番組時間から必要な記録容量を求めて前記装置状態情報の記録残容量と比較するともに、記録中の動画データの記録終了時刻と前記装置状態情報の録画予約情報の録画時間帯が符合するか否かを判定して、前記第2の録画装置への動画データの転送の可否を決めることを特徴とする映像システム。
【請求項9】
請求項1に記載の映像システムにおいて、
前記再生する動画データの記録場所を示すアクセス情報は、URIから成ることを特徴とする映像システム。
【請求項10】
ネットワークを介して動画データの録画再生をおこなえる映像システムの録画再生方法であって、
受信した動画データを第1の録画装置に記録するステップと、
再生装置から前記第1の録画装置に前記ネットワークを介して前記第1の録画装置に格納されている動画データの再生要求をおこなうステップと、
前記再生要求を受信した以降に前記第1の録画装置が受信した動画データを第2の録画装置に転送するステップと、
録画データごとに録画データの記録場所を記録する動画データ情報管理テーブルの録画データの記録場所に前記第2の録画装置に転送して記録される動画データの記録場所を追加するステップと、
前記再生装置から要求された動画データを前記再生装置に転送するステップとを含むことを特徴とする映像システムの録画再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−251082(P2008−251082A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90192(P2007−90192)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】