説明

録画・再生装置及びその制御方法

【課題】 映像信号/音声信号の解析して、精度の高い制御信号(補正値)を生成し、生成した制御信号と映像信号/音声信号を同期させて記憶し、再生時に、映像信号/音声信号と同じタイミングで制御信号を出力し、高精度の制御信号で映像信号/音声信号のシーンを補正して出力可能な録画・再生装置を提供する。
【解決手段】 録画時に、映像信号/音声信号SAVを記憶部4に記憶させる制御を行い、映像信号/音声信号SAVを一時記憶して解析して制御信号Scを生成し、映像信号/音声信号SAVに同期させて記憶させる制御を実行するとともに、再生時に、映像信号/音声信号SAV及び制御信号Scを同じタイミングで読み出し、制御信号Scに基づいて映像信号/音声信号SAVを補正する制御を実行する制御信号生成手段5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送、DVD又はVTRの映像信号/音声信号を録画し、映像信号/音声信号を再生する録画・再生装置に係り、特に、録画時に、映像信号/音声信号とともに、映像信号/音声信号の解析結果に基づくコントラストや階調、バックライトの輝度、音量などの制御信号を同期させて記憶し、再生時に、映像信号/音声信号を制御信号で補正して出力する録画・再生装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術には、録画・再生機能がテレビジョン受信機に内蔵され、テレビ放送、DVD又はVTRの映像信号/音声信号を録画し、録画した映像信号/音声信号を再生して、テレビジョン受信機の画面に表示するものが知られている。
【0003】
図8に従来の録画・再生機能を内蔵したテレビジョン受信機の一例ブロック構成図を示す。図8において、テレビジョン受信機50は、テレビ放送、DVD又はVTRの映像信号/音声信号が入力される入力系51、映像信号処理部52、映像信号処理部52からの映像信号/音声信号を画面やスピーカから出力する出力系53、内蔵された録画・再生部である記憶部56に映像信号/音声信号を書き込む信号書込み部54、記憶部56から映像信号/音声信号を読み出す信号読出し部55、映像信号/音声信号を記憶する記憶部56などから構成される。
【0004】
入力系51から入力された映像信号/音声信号は、録画時に、映像信号処理部52で処理され、処理された映像信号/音声信号は、信号書込み部54を介して記憶部56に記憶され、時間が経過してからの再生時に、記憶された映像信号/音声信号は、信号読出し部を介して読み出され、映像信号処理部52を経由して出力系53から出力されて再生されることになる。
【0005】
図8に示すテレビジョン受信機50の録画・再生機能は、映像信号/音声信号を単純(そのまま)に録画し、後日再生するものであるが、映像信号/音声信号の再生時に、映像シーンに対応して画像、バックライトの明るさ、音質などを補正して最適なシーンで出力するように構成されたものもある。
【0006】
シーンの補正は、映像信号/音声信号をリアルタイムで解析し、解析した補正信号で映像信号/音声信号の補正がなされるもの、予測信号で映像信号/音声信号をリアルタイムで補正するものなどが知られている。
【0007】
また、特許文献1として挙げた従来技術には、リアルタイムに変化する映像信号の状態に合わせて画質を最適に補正する(γ補正、色補正)技術が開示されている。この特許文献1の技術によれば、補正対象の色を鮮やかに補正することができ、暗いシーンであってもノイズが目立つことを防止できるなどの効果があるとされている。
【0008】
さらに、特許文献2として挙げた従来技術には、映画フィルムなどから作られた画像のような極めて暗いシーンが続くような場合に、この暗いシーンを検出し、より見易い画質設定をすることができる技術が開示されている。この特許文献2の技術によれば、通常の明るさのシーンでも、映画フィルム等の極めて暗いシーンでも、それぞれ最適な画質設定で鑑賞できる効果があるとされている。
【0009】
また、特許文献3として挙げた従来技術には、DVDに記録されたデジタル映像データをフレーム単位に読み込んで、輝度平均値、フレーム間の画素の動き量を求めてシーンが変化したことを検出し、該当するフレームの輝度平均値に応じたカラーパレットを選択するよう制御する技術が開示されている。この特許文献3の技術によれば、ユーザ自身が輝度調整を行なわなくとも、常に最適な輝度値でデジタル映像を再生でき、暗いシーンでも、明るいシーンであっても、各シーンに応じた輝度にて高画質の映像を提供できる効果があるとされている。
【0010】
さらに、特許文献4として挙げた従来技術には、シーンに合わせて映像信号の振幅とバックライトのランプの明るさを変えるように調整し、明るいシーンでは、シーンの明るさの変化に応じてランプ制御信号を調整して白ピーク輝度を向上させ、暗いシーンでは、映像信号の振幅ゲインを調整してコントラストの向上を図った技術が開示されている。この特許文献4の技術によれば、暗いシーンで黒浮きをさせず、明るいシーンでは白ピークを向上させ、更に消費電力を減らすことができる効果があるとされている。
【特許文献1】特開2006−270417号公報
【特許文献2】特開2000−78496号公報
【特許文献3】特開2000−115710号公報
【特許文献41】再公表特許WO2003/075257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の技術は、映像信号/音声信号の解析をリアルタイムで行うため、解析結果の補正信号が生成されるまで時間を要し、映像信号/音声信号のシーンに本来必要とされる補正信号に遅延時間が発生して、補正がズレてしまい、再生される映像信号/音声信号のシーンの画質、バックライトの輝度、音質などに期待される品質が得られない課題がある。
【0012】
また、映像信号/音声信号のシーンの補正信号に予測値を採用する場合、予測値と映像信号/音声信号のシーンの理想的な補正信号が一致するケースには、再生される映像信号/音声信号のシーンの画質、バックライトの輝度、音質などが高品質になるが、あくまでも予測値であるため、予測値が映像信号/音声信号のシーンの理想的な補正信号から外れるケースでは、むしろ映像信号/音声信号のシーンの画質、バックライトの輝度、音質などに劣化を招く虞がある。
【0013】
この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的は映像信号/音声信号のシーンを解析し、シーンに対応した制御信号(補正信号)を生成して、生成した制御信号と映像信号/音声信号を対応させて記憶し、再生時に、映像信号/音声信号と同じタイミングで制御信号を出力し、該制御信号で映像信号/音声信号のシーンを補正して再生された映像信号/音声信号の質を向上させることのできる録画・再生装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するためこの発明に係る録画・再生装置は、映像信号/音声信号を録画し、映像信号/音声信号を再生する録画・再生装置において、録画時に、映像信号/音声信号を記憶部に記憶させ、映像信号/音声信号を一時記憶して解析し、映像信号/音声信号のシーンに応じた制御信号を生成し、制御信号を記憶させた映像信号/音声信号に対応させて記憶部に記憶させ、再生時に、記憶部から映像信号/音声信号及び対応する制御信号を読み出し、制御信号に基づいて映像信号/音声信号を補正して出力する制御信号生成手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明に係る記憶部は、映像信号/音声信号を記憶する映像/音声信号記憶領域及び制御信号を記憶する制御信号記憶領域を備えたことを特徴とする。
さらに、この発明に係る制御信号は、シーンのコントラストや階調を補正するアクティブガンマ制御信号、バックライトの輝度を補正するアクティブBL制御信号、音声出力の電源電圧を補正するアクティブ音声電源電圧制御信号であることを特徴とする。
また、この発明に係る制御信号生成手段は、映像信号/音声信号を一時記憶して解析して制御信号を生成し、生成した制御信号を映像信号/音声信号に対応させて記憶部に記憶させる信号解析・処理部と、アクティブBL制御信号に基づいてバックライトの輝度を制御するバックライト制御部と、アクティブガンマ制御信号に基づいてシーンのコントラストや階調を制御するガンマ制御部と、アクティブ音声電源電圧制御信号に基づいて音声出力を制御する音声電源電圧制御部と、を備えたことを特徴とする。
さらに、シーンのコントラストや階調、バックライトの輝度、音声出力の電源電圧を調整可能なユーザ調整部を備えるとともに、ユーザ調整部からのユーザ調整制御信号とシーンの映像信号/音声信号を対応して記憶する記憶手段と、映像信号/音声信号を再生する際、記憶された映像信号/音声信号とこれに対応するユーザ調整制御信号とを呼び出しユーザ調整制御信号に基づいてコントラストや階調、バックライトの輝度、音声出力の電源電圧を制御するユーザ調整制御部を備えたことを特徴とする。
また、この発明に係る録画・再生装置の制御方法は、映像信号/音声信号を録画し、映像信号/音声信号を再生する録画・再生装置の制御方法において、録画時に、映像信号/音声信号を記憶させる工程と、映像信号/音声信号のシーンを解析する工程と、シーン解析に基づいて制御信号を生成する工程と、記憶させた映像信号/音声信号と対応させて制御信号を記憶させる工程と、再生時に、記憶させた映像信号/音声信号及び制御信号を読み出す工程と、制御信号に基づいて映像信号/音声信号を補正する工程と、補正された映像信号/音声信号を出力する工程とを備えたことを特徴とする。
さらに、この発明に係る録画・再生装置の制御方法は、シーン解析に基づいて制御信号を生成する工程において、アクティブガンマ制御信号を生成する工程と、アクティブBL制御信号を生成する工程と、アクティブ音声電源電圧制御信号を生成する工程を備えたことを特徴とする。
また、この発明に係る録画・再生装置の制御方法は、制御信号に基づいて映像信号/音声信号を補正する工程において、アクティブガンマ制御信号に基づいて補正する工程と、アクティブBL制御信号に基づいて補正する工程と、アクティブ音声電源電圧制御信号に基づいて補正する工程を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、補正すべき映像信号/音声信号と制御信号(補正信号)が対応して記憶されるので、再生する映像信号/音声信号に対応した制御信号(補正信号)で補正することができ、したがって、補正すべきシーンに対して補正ずれすることなく補正でき、高品質の映像ならびに高品質の音声で再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、テレビジョン受信機から供給されるテレビ放送、DVD又はVTRの映像信号/音声信号を録画時に、ハードディスク(HDD)などの記憶部に記憶するとともに、映像信号/音声信号を一時記憶して、一時記憶された映像信号/音声信号のシーンを解析し、この解析結果に基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号を既に記憶された映像信号/音声信号に対応させて記憶部に記憶する。そして、再生時に、映像信号/音声信号と同じタイミングで制御信号を記憶部から呼び出し、映像信号/音声信号あるいはバックライトの明るさ、音声信号増幅器のの電源電圧などを補正して再生されたシーンの質や臨場感を向上するものである。なお、制御信号には、シーンのコントラストや階調を補正するアクティブガンマ制御信号、バックライトの輝度を補正するアクティブBL(バックライト)制御信号、音声の音量を補正するアクティブ音声電源電圧制御信号などがある。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係るテレビジョン受信機に適用された録画・再生装置の一実施の形態要部ブロック構成図である。図1において、録画・再生装置1は、録画時に、映像信号/音声信号SAVを記憶部4に書き込む(記憶させる)信号書込み部2と、再生時に、記憶部4に記憶された映像信号/音声信号SAV及び制御信号(補正信号)Scを読み出す信号読出し部3と、映像信号/音声信号SAV及び制御信号Scを記憶する記憶部4と、録画・再生装置1全体の動作を制御する制御信号生成手段5を備えている。
【0018】
テレビジョン受信機10は、一般的な入力系11と、映像信号処理部12と、出力系13を備えている。入力系11は、テレビ放送電波を受信する受信アンテナ、受信された電波から所望のチャンネルを選局するチューナ、DVD、VTRなど外部機器からの映像信号/音声信号が入力される外部信号入力部、チューナ又は外部信号入力部の信号のいずれかを選択して出力する入力切換部、デコーダなどから構成される。
【0019】
映像信号処理部12は、インターレスとプログレッシブの変換、R(赤)、G(緑)、B(青)信号の生成、多画面合成処理などを行う。
【0020】
出力系13は、液晶パネルの画面走査を制御するLCDコントローラ、映像信号を表示する液晶パネル、音声信号を増幅する電力増幅回路、電力増幅回路からの音声信号を音声で出力するスピーカ、電力増幅回路に印加する音声用電源、バックライトの輝度を調整するバックライト制御部、冷陰極管やLEDのバックライトなどから構成される。
【0021】
制御信号生成手段5は、マイクロプロセッサを基本に構成し、録画・再生装置1全体の動作を制御する。
【0022】
また、制御信号生成手段5は、録画時に、映像信号/音声信号SAVを信号書込み部2を介して記憶部4に記憶させる制御を行い、映像信号処理部12から入力される映像信号/音声信号SAVを一時記憶して解析し、映像信号/音声信号SAVのシーンに応じた制御信号Scを生成し、制御信号Scを記憶させた映像信号/音声信号SAVに対応させて記憶部4に記憶させる制御を実行する。
【0023】
さらに、制御信号生成手段5は、再生時に、記憶部4から映像信号/音声信号SAV及び制御信号Scを同じタイミングで読み出し、制御信号Scに基づいて映像信号/音声信号SAVを補正する制御を実行する。
【0024】
録画時に、記憶部4に記憶される映像信号/音声信号SAVと、制御信号生成手段5で映像信号/音声信号SAVを一時記憶し、シーンを解析し、解析結果に基づいて生成される制御信号Scとの間には、シーンの解析に要する遅延時間が発生する。
【0025】
一方、シーンの解析結果に基づく制御信号Scは、リアルタイムの短い解析時間で生成する場合よりも、充分に長い解析時間をかけて生成する場合のほうが、分解能を高くしたり補正パラメータの数を多くしたりでき、高精度の制御信号が得られる。
【0026】
しかし、映像信号/音声信号SAVのシーンよりも遅延時間の長い制御信号Scで、対応する映像信号/音声信号SAVを補正する場合には、遅延時間に伴う補正ズレを生じてシーンの画面が不自然になってしまう。
【0027】
そこで、本発明では、遅延時間のある制御信号Scを記憶部4に記憶させる際、既に記憶部4に記憶されている遅延時間のない映像信号/音声信号SAVと制御信号Scを対応させて記憶する。映像信号/音声信号SAVと制御信号Scを対応して記憶するには、制御信号Scの解析の元になった映像信号/音声信号SAVとタイムスタンプを同じにして記憶する、あるいは制御信号Scの解析の元になった映像信号/音声信号SAVと1:1の対応が識別できる識別子を付加するなどすればよい。これらタイムスタンプや識別子は映像信号/音声信号を再生するときに参照されて補正の同期がとられる。
【0028】
再生時には、映像信号/音声信号SAVのシーンと対応する制御信号Scを同じタイミングで記憶部4から出力することができ、映像信号/音声信号SAVを制御信号Scで正確に(時間遅れなしに)補正することができる。
【0029】
図2はこの発明に係る映像信号/音声信号と制御信号の同期のイメージ図である。図2において、制御信号Scをアクティブガンマ制御信号γcとして、記憶部4に記憶された映像信号/音声信号SAVと、制御信号生成手段5で生成されるアクティブガンマ制御信号γcの遅延時間Tdがある状態から、アクティブガンマ制御信号γcを記憶部4に記憶された映像信号/音声信号SAVに対応させて記憶部4に記憶させる状態への遷移を表す。
【0030】
遅延時間Tdのアクティブガンマ制御信号γcを映像信号/音声信号SAVと同期させることにより、アクティブガンマ制御信号γcと補正対象となる映像信号/音声信号SAVの各フレームの読み出しタイミングが一致するように記憶部4に記憶させることができる。図2は、アクティブガンマ制御信号γcと補正対象となる映像信号/音声信号SAVの各フレームが仮想的に一致する様子を示している。
【0031】
なお、制御信号Scをアクティブガンマ制御信号γcで説明したが、バックライトを明るくし、又は暗くする(バックライト輝度)ための制御信号であるアクティブBL制御信号BLc又はスピーカの音量を高くし、又は低くするための制御信号であるアクティブ音声電源電圧制御信号Vcについても同様に同期させることができる。
【0032】
また、アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc及びアクティブ音声電源電圧制御信号Vcを同時に生成する場合についても、各信号を全て同期させることによって3種の制御信号γc、BLc及びVcのタイミングを映像信号/音声信号SAVと一致させることができる。
【0033】
なお、アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcのアクティブとは、各制御信号が固定ではなく、可変可能な制御信号であることを表し、実使用における制御としては、アクティブガンマ制御信号γcは、フレーム単位での制御から可能であるが、アクティブBL制御信号BLcとアクティブ音声電源電圧制御信号Vcは、信号解析・処理部6による複数フレームの解析によりコンテンツのジャンル(映画、スポーツ、アニメ)を予測して、コンテンツに最適なアクティブBL制御信号BLc、及び又はアクティブ音声電源電圧制御信号Vcを全フレーム共通に設定するか、例えば映像信号/音声信号SAVの変化の大きい(シーンチェンジ)フレームのみを異なる設定値に設定される。
【0034】
ここで、映像信号/音声信号SAV及び制御信号Scを記憶する記憶部4について説明する。図3はこの発明に係る記憶部の一実施の形態イメージ図である。図3において、記憶部4は、映像信号/音声信号SAVを記憶する映像/音声信号記憶領域4a及び制御信号Scを記憶する制御信号記憶領域4bを備える。
【0035】
映像/音声信号記憶領域4aには、テレビ放送、DVD又はVTRの映像信号/音声信号の映像信号/音声信号SAVを記憶する。
【0036】
制御信号記憶領域4bには、テレビ放送、DVD又はVTRの映像信号/音声信号SAVのそれぞれに対応する制御信号Sc、例えばアクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc及びアクティブ音声電源電圧制御信号Vcを記憶する。また、制御信号記憶領域4bには、最大輝度制御信号、最小輝度制御信号、平均輝度制御信号、最大音声制御信号、最小音声制御信号又は輝度変化制御信号なども記憶する。
【0037】
このように、記憶部4は、制御信号記憶領域4bを備えたので、各種制御信号Scを映像信号/音声信号SAVに同期させて記憶し、再生時に、映像信号/音声信号SAVと同じタイミングで制御信号Scを出力し、映像信号/音声信号SAVの補正ずれを生じさせることなく高精度に補正することができる。
【0038】
図1に戻り、制御信号生成手段5は、映像信号/音声信号SAVを一時記憶して解析して制御信号Scを生成し、生成した制御信号Scを映像信号/音声信号SAVに同期させて記憶部4に記憶させる信号解析・処理部6と、アクティブBL制御信号BLcに基づいてバックライトの輝度を制御するバックライト制御部7と、アクティブガンマ制御信号γcに基づいてシーンのコントラストや階調を制御するガンマ制御部8と、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcに基づいて音声出力を制御する音声電源電圧制御部9を備える。ここで、制御信号Scはアクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcを含む補正用の信号である。
【0039】
また、信号解析・処理部6は、再生時に、記憶部4(映像/音声信号記憶領域4a)から映像信号/音声信号SAVを読み出し、信号読出し部3を介して映像信号処理部12に供給する制御を行う。
【0040】
さらに、信号解析・処理部6は、再生時に、記憶部4(制御信号記憶領域4b)から制御信号Scを読み出し、アクティブBL制御信号BLcをバックライト制御部7に供給し、バックライト制御部7の動作を制御して、出力系13のバックライトの輝度をシーンに合わせて補正する。
【0041】
また、信号解析・処理部6は、再生時に、アクティブガンマ制御信号γcをガンマ制御部8に供給し、ガンマ制御部8の動作を制御して、映像信号処理部12にアクティブガンマ制御信号γcに対応した信号を供給し、映像信号/音声信号SAVのシーンのコントラストや階調の画質を補正する。例えば、信号解析・処理部6による複数フレームの解析によりコンテンツのジャンル(映画、スポーツ、アニメ)を予測して、映画、スポーツ、アニメなどのジャンルにより、コントラストや階調の設定、またはシーンチェンジを検出して、対応するフレームのコントラストや階調を設定することになる。
【0042】
さらに、信号解析・処理部6は、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcを音声電源電圧制御部9に供給し、音声電源電圧制御部9の動作を制御して、出力系13の音声用電源の電圧をシーンに合わせて補正する。例えば、音声レベルが低いときは音声信号用増幅器の電源電圧を増加の設定を決めるようにする。
【0043】
図1に示す本実施の形態(録画・再生装置1)では、映像信号/音声信号SAVのシーンに制御信号Sc(アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc及びアクティブ音声電源電圧制御信号Vc)を使って標準的な高精度の補正したが、さらにユーザの好みで補正をしたいという要求がある。次に、ユーザの好みで映像信号/音声信号SAVを補正する場合について説明する。
【0044】
図4はこの発明に係るテレビジョン受信機に適用された録画・再生装置の別実施の形態要部ブロック構成図である。図4において、録画・再生装置14は、信号書込み部2、信号読出し部3、記憶部15、制御信号生成手段16及びユーザ調整制御部18及びユーザ調整部17を備える。
【0045】
なお、録画・再生装置14は、ユーザの好みによって制御信号Scを調整するユーザ調整部17を備える点、記憶部15の制御信号記憶領域4bにユーザ調整制御信号UTcを追加して記憶する点及び制御信号生成手段16にユーザ調整制御部18を追加する点が録画・再生装置1と異なる以外は同一構成である。
【0046】
ユーザ調整部17は、ユーザが好みにより、映像信号/音声信号SAVのシーンのコントラストや階調、バックライトの輝度及び音声出力の電源電圧などを調整する際に操作して、予めプリセットされた情報が入力される。
【0047】
ユーザ調整制御部18に入力された情報は、記憶部15の制御信号記憶領域4bに、アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcとともに、ユーザ調整制御信号UTcとして記憶される。
【0048】
制御信号生成手段16のユーザ調整制御部18は、再生時に、記憶部15の制御信号記憶領域4bに記憶されているユーザ調整制御信号UTcに基づいて、アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcで補正された標準的なコントラストや階調の画質、バックライトの輝度、音声出力の電源電圧を、さらにユーザの好みに合わせて補正する。
【0049】
なお、ユーザの好みに応じて画質、バックライト輝度、音量を補正するが、他に、最大輝度、最小輝度、平均輝度、最大音声、最小音声又は輝度変化なども補正することが可能である。
【0050】
このように、録画・再生装置14は、標準的な補正に加え、ユーザの好みにより画質、バックライト輝度及び音量を補正することができ、利便性の向上をアピールすることができる。
【0051】
以上説明したように、録画・再生装置1によれば、同じタイミングで、映像信号/音声信号SAVのシーンを高精度の制御信号Scで補正でき、映像信号/音声信号SAVのシーンを高品質の映像ならびに高品質の音声で再生することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態では、テレビジョン受信機に適用された録画・再生装置について説明したが、本発明は、単独の録画・再生装置でも成立する。
【0053】
続いて、録画・再生装置の制御方法について説明する。図5はこの発明に係る録画・再生装置の制御方法の一実施の形態要部動作フロー図である。
【0054】
まず、ステップS1では、映像信号/音声信号を映像/音声信号記憶領域4aに記憶すると同時に、信号解析用として信号解析・処理部6に記憶する。
【0055】
次に、信号解析・処理部6は、映像信号/音声信号のシーンを解析する(ステップS2)。
【0056】
続いて、信号解析・処理部6は、シーン解析に基づいて制御信号Scを生成する(ステップS3)。ステップS3では、シーン解析に基づいて制御信号を生成する。
【0057】
次に、信号解析・処理部6は、映像/音声信号記憶領域4aに記憶した映像信号/音声信号と対応させて制御信号Scを記憶させる(ステップS4)。なお、ステップS1〜ステップS4は、録画時の動作フローである。
【0058】
次に、記録した映像信号/音声信号を再生するときは、まず、記憶させた映像信号/音声信号及び制御信号Scを読み出す(ステップS5)。
【0059】
ステップS6では、読み出した制御信号Scに基づいて映像信号/音声信号を補正する。
【0060】
ステップS7では、補正された映像信号/音声信号を出力する。なお、ステップS5〜ステップS7は、再生時の動作フローである。
【0061】
図6は、図5のステップS3を更に詳しく示したもので、ステップS3はサブステップSUB1〜SUB3を含む。サブステップSUB1では、アクティブガンマ制御信号γcを生成する。
【0062】
サブステップSUB2では、アクティブBL制御信号BLcを生成する。
【0063】
サブステップSUB3では、アクティブ音声電源電圧制御信号Vcを生成する。
【0064】
図7はこの発明に係る録画・再生装置の制御方法の別実施の形態補足動作フロー図である。なお、図7は図5のステップS6を更に詳しく示したもので、ステップS6はサブステップSUB4〜SUB6を含む。サブステップSUB4では、映像信号をアクティブガンマ制御信号γcに基づいて補正する。
【0065】
サブステップSUB5では、映像信号とバックライトの明るさをアクティブBL制御信号BLcに基づいて補正する。
【0066】
サブステップSUB6では、音声信号増幅器用電源の出力電圧をアクティブ音声電源電圧制御信号Vcに基づいて補正する。
【0067】
なお、アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc及びアクティブ音声電源電圧制御信号Vcに基づいて補正したが、他に最大輝度制御信号、最小輝度制御信号、平均輝度制御信号、最大音声制御信号、最小音声制御信号又は輝度変化制御信号に基づいて補正するようにしてもよい。
【0068】
アクティブガンマ制御信号γc、アクティブBL制御信号BLc及びアクティブ音声電源電圧制御信号Vcのアクティブは、各制御信号が固定ではなく、可変可能な制御信号であることを表す。
【0069】
このように、録画・再生装置の制御方法によれば、同じタイミングで、映像信号/音声信号SAVのシーンを高精度の制御信号Scで補正することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、映像信号/音声信号のシーンを充分な時間をかけて解析し、精度の高い制御信号(補正値)を生成し、生成した制御信号と映像信号/音声信号を同期させて記憶し、再生時に、映像信号/音声信号と同じタイミングで制御信号を出力し、高精度の制御信号で映像信号/音声信号のシーンを補正して出力可能なもので、あらゆる録画・再生装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明に係るテレビジョン受信機に適用された録画・再生装置の一実施の形態要部ブロック構成図である。
【図2】この発明に係る映像信号/音声信号と制御信号の同期のイメージ図である。
【図3】この発明に係る記憶部の一実施の形態イメージ図である。
【図4】この発明に係るテレビジョン受信機に適用された録画・再生装置の別実施の形態要部ブロック構成図である。
【図5】この発明に係る録画・再生装置の制御方法の一実施の形態要部動作フロー図である。
【図6】この発明に係る録画・再生装置の制御方法の一実施の形態補足動作フロー図である。
【図7】この発明に係る録画・再生装置の制御方法の別実施の形態補足動作フロー図である。
【図8】従来の録画・再生機能を内蔵したテレビジョン受信機の一例ブロック構成図である。
【符号の説明】
【0072】
1、14…録画・再生装置
2…信号書込み部
3…信号読出し部
4、15…記憶部
4a…映像/音声信号記憶領域
4b…制御信号記憶領域
5、16…制御信号生成手段
6…信号解析・処理部
7…バックライト制御部
8…ガンマ制御部
9…音声電源電圧制御部
10…テレビジョン受信機
11…入力系
12…映像信号処理部
13…出力系
17…ユーザ調整部
18…ユーザ調整制御部
SAV…映像信号/音声信号
Sc…制御信号
BLc…アクティブBL制御信号
γc…アクティブガンマ制御信号
Vc…アクティブ音声電源電圧制御信号
Td…遅延時間
UTc…ユーザ調整制御信号










【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号/音声信号を録画し、前記映像信号/音声信号を再生する録画・再生装置において、
録画時に、前記映像信号/音声信号を記憶部に記憶させ、前記映像信号/音声信号を一時記憶して解析し、前記映像信号/音声信号のシーンに応じた制御信号を生成し、前記制御信号を記憶させた前記映像信号/音声信号に対応させて前記記憶部に記憶させ、
再生時に、前記記憶部から前記映像信号/音声信号及び対応する前記制御信号を読み出し、前記制御信号に基づいて前記映像信号/音声信号を補正して出力する制御信号生成手段を備えたことを特徴とする録画・再生装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記映像信号/音声信号を記憶する映像/音声信号記憶領域及び前記制御信号を記憶する制御信号記憶領域を備えたことを特徴とする請求項1記載の録画・再生装置。
【請求項3】
前記制御信号は、前記シーンのコントラストや階調を補正するアクティブガンマ制御信号、バックライトの輝度を補正するアクティブBL制御信号、音声出力の電源電圧を補正するアクティブ音声電源電圧制御信号であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のいずれか一項に記載の録画・再生装置。
【請求項4】
前記制御信号生成手段は、前記映像信号/音声信号を一時記憶して解析して前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記映像信号/音声信号に対応させて前記記憶部に記憶させる信号解析・処理部と、前記アクティブBL制御信号に基づいてバックライトの輝度を制御するバックライト制御部と、前記アクティブガンマ制御信号に基づいて前記シーンのコントラストや階調を制御するガンマ制御部と、前記アクティブ音声電源電圧制御信号に基づいて音声出力を制御する音声電源電圧制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のいずれか一項に記載の録画・再生装置。
【請求項5】
前記シーンのコントラストや階調、バックライトの輝度、音声出力の電源電圧を調整可能なユーザ調整部を備えるとともに、前記ユーザ調整部からのユーザ調整制御信号と前記シーンの前記映像信号/音声信号を対応して記憶する記憶手段と、
前記映像信号/音声信号を再生する際、記憶された前記映像信号/音声信号とこれに対応する前記ユーザ調整制御信号とを呼び出し前記ユーザ調整制御信号に基づいてコントラストや階調、バックライトの輝度、音声出力の電源電圧を制御するユーザ調整制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4のいずれか一項に記載の録画・再生装置。
【請求項6】
映像信号/音声信号を録画し、前記映像信号/音声信号を再生する録画・再生装置の制御方法において、
録画時に、映像信号/音声信号を記憶させる工程と、
前記映像信号/音声信号のシーンを解析する工程と、
前記シーン解析に基づいて制御信号を生成する工程と、
前記記憶させた映像信号/音声信号と対応させて前記制御信号を記憶させる工程と、
再生時に、記憶させた前記映像信号/音声信号及び前記制御信号を読み出す工程と、
前記制御信号に基づいて前記映像信号/音声信号を補正する工程と、
前記補正された映像信号/音声信号を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする録画・再生装置の制御方法。
【請求項7】
前記シーン解析に基づいて制御信号を生成する工程において、
アクティブガンマ制御信号を生成する工程と、
アクティブBL制御信号を生成する工程と、
アクティブ音声電源電圧制御信号を生成する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載の録画・再生装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御信号に基づいて前記映像信号/音声信号を補正する工程において、
アクティブガンマ制御信号に基づいて補正する工程と、
アクティブBL制御信号に基づいて補正する工程と、
アクティブ音声電源電圧制御信号に基づいて補正する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項6又は請求項7のいずれか一項に記載の録画・再生装置の制御方法。

































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−294630(P2008−294630A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136548(P2007−136548)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】