説明

録画再生装置及び録画再生方法

【課題】ユーザーにとって使い勝手のよい新規なコンテンツの移動または複製が可能な録画再生装置及び録画再生方法を提供する。
【解決手段】この発明の実施の形態により実現されるテレビ受信装置は、記録装置と独立に設けられた外部記録装置または取り出し可能な記録媒体に対し、記録装置が保持するコンテンツの移動または複製を指示する指示手段と、電源状態を検出する電源状態検出手段と、電源状態検出手段で電源状態の変化が検出された後に、記録装置が保持するコンテンツを外部記録装置または取り出し可能な記録媒体に移動または複製する処理を実行するように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、容量の大きな記録媒体を備えたテレビジョン受信装置において、記録装置に録画された映像及び音声すなわち録画済番組を、他の記録装置や記録装置を有する別のテレビジョン受信装置に、移動または複製可能な録画再生装置及び録画再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受信装置(以下テレビ装置と略称する)に代表されるデジタル放送の映像や音声すなわちテレビ放送として提供される番組を受信し、再生する映像再生機器が既に広く普及している。また、記録装置が一体に設けられたテレビ装置の普及もめざましい。
【0003】
しかしながら、記録装置の容量には限りがあるため、録画済番組すなわちコンテンツのデータを外部の記録装置へ移動することにより、テレビ装置に一体に設けられた記録装置の記録容量を確保することが必要になる。
【0004】
特許文献1には、待機状態において録画予約開始時刻に達した場合に、表示部の表示を滅光またはオフにするとともに、外部装置への映像出力及び音声出力を停止することが示されている。すなわち、使用者が録画再生装置のある場所にいない可能性が高い待機状態から予約された録画が開始された場合に、不意に外部装置から映像出力や音声出力が出力されることを抑止することが示されている。
【0005】
非特許文献1には、機器を使用しない時間にダビングをするために、ダビングを開始する時間が予約可能なレコーダー装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−346756号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】デジタルハイビジョンレコーダー DV−ARW22 取り扱い説明書 操作編(142頁−144頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、録画予約開始時刻に達した場合に、表示部の表示を滅光またはオフにするとともに、外部装置への映像出力及び音声出力を停止することが示されている。
【0009】
非特許文献1には、HDDからDVDディスクへ、あるいはDVDディスクからHDDへ、番組をダビングする際に、ダビング開始時間を予約できることが示されている。
【0010】
しかしながら、非特許文献1に記載されたダビング時間を予約できるレコーダー装置においては、ユーザーに、予約されている録画の無い時間帯を確認させた後、ダビング開始時間を入力させる等の煩雑な操作が要求される。
【0011】
この発明の目的は、ユーザーにとって使い勝手のよい新規なコンテンツの移動または複製が可能な録画再生装置及び録画再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、第1の記録媒体に記録されたコンテンツを第2の記録媒体に移動または複製する手段を備える電子装置であって、当該電子装置の待機状態を検出する電源状態検出手段と、前記電源状態検出手段にて、前記待機状態が検出されることに基づいて、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツを前記第2の記録媒体に移動または複製する処理を実行するよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする電子装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の実施によれば、ユーザーにとって使い勝手のよい新規なコンテンツの移動または複製が可能な録画再生装置及び録画再生方法が提供されるが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態が適用可能なテレビ受信装置(録画再生装置)の構成の一例を示す概略ブロック図。
【図2】図1に示したテレビ受信装置に表示される『録画リスト』画面の表示の一例を示す概略図。
【図3】1に示したテレビ受信装置に表示された『録画リスト』画面ともに表示されるダビング(移動)先指定画面の表示の一例を示す概略図。
【図4】図1に示したテレビ受信装置に表示された『録画リスト』画面ともに表示されるダビング(移動)のためのダイアログ画面の表示の一例を示す概略図。
【図5】『スタンバイ時に実行』が選択された場合に開始されるダビング処理の概念を示す概略図。
【図6】『スタンバイ時に実行』が選択された場合に、予約された録画された予約録画に影響を与えることのないダビング処理を可能とするダビング開始時刻の決定方法を説明するタイミングチャート。
【図7】『スタンバイ時に実行』が選択された場合に、ダビング処理が開始可能な時刻を設定する方法を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態が適用可能なテレビ受信装置の一例を示す。なお、以下に説明するテレビ受信装置は、例えばモニター装置が別体の映像表示を出力可能な映像記録装置(レコーダー装置)や映像データ及び音声データを記録できるパーソナルコンピュータであってもよい。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態が適用可能なテレビ受信装置の概略構成の一例を示す。
【0018】
テレビ受信装置11は、例えば液晶表示パネル等に代表されるディスプレイ装置が表示可能に、映像信号を出力する映像表示器13、例えばスピーカー等に代表される音声再生装置が再生可能に、音声出力(オーディオ)を出力する音声再生部15、ユーザーによる制御指示である制御入力信号を受け入れる操作部17、ユーザーからのリモートコントローラ(以下リモコンと称する)による操作情報である制御入力信号を受けつけるリモコン受信部19、後段に説明するチューナー部を介して受信したテレビ番組を記録するハードディスク装置(HDD)71、及び外部装置である別のハードディスク装置やハードディスク装置が搭載された別のテレビ装置等との間で、録画済番組あるいは映像データおよび音声データの移動や複製を可能とするネットワークコントローラ90を有する。
【0019】
上述したテレビ受信装置11は、上記各ユニットの動作や表示もしくはオーディオ(音声)出力を、制御部(制御ブロック,メインボードと呼ばれることもある)60により、統括的に制御されている。
【0020】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61に代表される主制御用IC(LSI)を内蔵し、操作部17からの操作情報(入力)、またはリモコンから送出された操作情報を受信部19により受信した(リモコン入力)制御信号に対応する操作内容が反映されるように、各部をそれぞれ制御している。
【0021】
制御部60はまた、例えばCPU61が実行する制御プログラムを保持したROM(Read Only Memory)62、CPU61に作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)63、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリー(Non Volatility Memory)64、及びテレビ受信装置の電源状態を検出する電源状態検出部65を含む。また、電源状態検出部65は、映像表示器13すなわちモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化される電源スタンバイ(電源待機状態)に遷移したか否かを検出する。つまり、制御部60では、電源状態検出部65の検出結果に基いて、テレビ受信装置の電源状態の変化が検出される。
【0022】
制御部60はまた、日時情報を保持する時計部(タイマーコントローラ)80を含み、時刻管理や、ユーザーにより予約された番組の録画が設定可能である。
【0023】
以下、テレビ受信装置11の主要な信号処理系について説明する。
【0024】
BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ42で受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子43を介して衛星デジタル放送用のチューナー44に供給される。
【0025】
チューナー44は、制御部60からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器45に出力する。
【0026】
PSK復調器45は、制御部60からの制御信号に基づき、チューナー44で選局された放送信号を復調して、所望の番組を含んだトランスポートストリーム(Transport Stream,TS)を得て、TS復号器46に出力する。
【0027】
TS復号器46は、制御部60からの制御信号により、トランスポートストリーム多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号を信号処理部47に出力し、デジタル放送により送られている番組を取得するための各種データおよびサービス情報、電子番組ガイド(EPG)情報、番組ジャンル等を示す番組属性情報あるいは字幕情報等を、制御部60に供給する。これらの情報は、ユーザーの設定、あるいはタイマーコントローラ80により待機状態が設定されるまでの間、RAM63により保持される。
【0028】
また、地上波放送受信用のアンテナ48で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子49を介して地上デジタル放送用のチューナー50に供給される。
【0029】
チューナー50は、制御部60からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器51に出力する。
【0030】
OFDM復調器51は、制御部60からの制御信号により、チューナー50で選局された放送信号を復調して、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS復号器56に出力する。
【0031】
TS復号器56は、制御部60の制御の下で、トランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び音声信号を信号処理部47に出力し、デジタル放送により送られている番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組ジャンル等を示す番組属性情報等を制御部60へ出力する。これらの情報は、ユーザーによる設定、あるいはタイマーコントローラ80により待機状態が設定されるまでの間、RAM63により保持される。
【0032】
地上波放送受信用のアンテナ48で受信した地上アナログテレビジョン放送信号は、入力端子49を介して地上アナログ放送用のチューナー52に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。チューナー52で選局された放送信号は、アナログ復調器53によりアナログの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部47に出力される。
【0033】
信号処理部47は、PSK復調器45及びOFDM復調器51からそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部54及び音声処理部55に出力している。
【0034】
信号処理部47にはまた、複数(図示の場合は4つ)の入力端子40a,40b,40c,40dが接続されている。これら入力端子40a〜40dは、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、放送受信装置11の外部から入力可能とするものである。
【0035】
信号処理部47は、アナログ復調器53及び各入力端子40a〜40dから、それぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、このデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理部54及び音声処理部55に出力する。
【0036】
グラフィック処理部54は、信号処理部47から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成部57で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。このグラフィック処理部54は、信号処理部47の出力映像信号と、OSD信号生成部57の出力OSD信号とを選択的に出力すること、また、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0037】
なお、OSD信号生成部57により出力される出力OSD信号は、αブレンディングのパラメータが設定されることで、通常の映像表示上に、「半透明」状態で(通常の映像信号の一部を透過可能に)重ね合わせて出力させることもできる。
【0038】
グラフィック処理部54はまた、放送信号が字幕信号を伴い、字幕が表示可能である場合は、制御部60からの制御信号および字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0039】
グラフィック処理部54から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部58に供給される。映像処理部58は、映像表示器13の出力端21の接続されるディスプレイ装置(モニター装置)により映像(動画/静止画)出力として再生可能に、グラフィック処理部54から供給されるデジタルの映像信号をアナログの映像信号に変換する。なお、出力端21が省略され、映像表示器13に、直接モニター装置(ディスプレイ装置)が接続されてもよいことはいうまでもない。また、出力端21には、例えばDVD規格の光ディスクを記録媒体とするDVDレコーダー装置や、ビデオテープを記録媒体に用いるレコーダー装置が接続されてもよい。
【0040】
音声処理部55は、音声再生部15の出力端23に接続されるスピーカーやヘッドホン装置により音声/オーディオ出力として再生可能に、信号処理部から供給されるデジタルの音声信号をアナログの音声信号に変換する。なお、出力端23が省略され、音声再生部15に、直接スピーカーが接続されてもよいことはいうまでもない。
【0041】
ハードディスク装置71は、磁気ディスクを含む記憶装置であって、例えば数100Gバイトの記録容量が与えられ、記録時のレートに依存するが、最大で1000時間程度、テレビ番組を記録することができる。
【0042】
タイマーコントローラ(時計部)80は、ユーザーにより予約された番組の録画のための録画開始時刻、録画終了時刻、録画チャンネルおよび録画レート等の予約情報を、複数番組分保持できる。また、タイマーコントローラ80は、ユ−ザーにより設定される『待機中ダビング(スタンバイ時に実行)』モードにより、録画済番組すなわちコンテンツを他の記録装置または記録装置付テレビ装置もしくはDVD規格の光ディスク等に移動すなわちムーブまたは複製すなわちコピーするために必要なテレビ受信装置11の動作時間および対象となる番組の情報を保持するとともに、既に予約されている番組の録画との時間的な重なりの有無を、逐次、チェックできる。
【0043】
ネットワークコントローラ90には、外部装置である別のハードディスク装置として、例えばUSB(Universal Serial Bus)インターフェースを介して接続されている第1のハードディスク(HDD1)や、LAN(Local Area Network)接続が可能に構成されたLANDISK1〜LANDISK4が接続される。従って、例えばリモコン端末により、ユーザーにより任意のハードディスクが選択されることで、ハードディスク装置71に記録されている任意の録画済番組が、上記選択されたハードディスクへ移動または複製される。
【0044】
なお、録画済番組すなわちコンテンツが複製禁止の番組である場合には、外部装置への当該コンテンツの記録が終了した時点でハードディスク装置71に保持されている番組は消去される。また、複製が指示され、コンテンツが任意のハードディスク装置に複製された場合は、ハードディスク装置71の残り記録可能容量は、増加しないことはいうまでもない。また、複製により他の記録装置または記録装置付テレビ装置もしくはDVD規格の光ディスクにコンテンツを移動したのち、ハードディスク装置71に保持されているコンテンツを消去することは、実質的に、移動と同じであることはいうまでもない。従って、以下、コンテンツの複製、コンテンツの移動、あるいはコンテンツを複製した後ハードディスク装置に残っているコンテンツを削除する全ての動作を、「ダビング」と呼称する。
【0045】
次に、図1に示したテレビ受信装置の記録装置に記録されている録画済番組を他の記録装置にダビングする例を説明する。
【0046】
テレビ番組の受信中あるいはコンテンツの再生中に、ユーザーによるリモコン端末の操作により「録画リスト」の表示が指示されると、図2に示すように、記録装置すなわちハードディスク71に記録されている録画済番組を一覧表示する『録画リスト』画面201が、表示される。
【0047】
ユーザーによるリモコンのカーソル操作により、任意の番組が選択されると、選択された番組のタイトル映像あるいは予め設定されているサムネイル画像が、同一画面内の所定の位置に規定される子画面211に表示される。
【0048】
なお、『録画リスト』画面201には、ユーザー操作によるリモコン端末により、対応する制御信号が制御部60(図1参照)に入力される複数の『ガイダンス(操作案内)』が同時に表示され、図示しないが、リモコン端末に設けられている例えば[緑]キーが操作されることで、図3に示すように、選択された番組をダビングするための『ダビング先指定』画面321が、表示される。また、リモコン端末を介して、例えば[赤]キーが操作された場合は、詳述しないが、選択している番組を削除するための処理画面に遷移される。なお、例えば[決定]キーが操作されると、選択している番組が全画面に表示される。
【0049】
図3に示す『ダビング先指定』画面321においては、図1に示したネットワークコントローラ90を介して接続されている外部記録装置あるいは記録装置付の別のテレビ受信装置等が表示される。
【0050】
なお、この例では、『ダビング先指定』画面321において、テレビ受信装置にUSB接続されたHDD1とLAN(Local Area Network)接続されたLANDISK1〜LANDISK4が選択肢として表示されている。また、ユーザーによるリモコン操作によりLANDISK1が選択されている状態であることが、例えば反転表示もしくはグレーダウン(表示色がグレーに変更される)表示により、ユーザーに報知される。このとき、選択されたダビング先であるLANDISK1の空き容量が、『録画リスト』画面201の下部に、『表示枠』331により、目安として表示される。また、ダビング処理によりコンテンツが記録される対象は、例えばDVD規格等に代表される映像およびオーディオが記録可能な光ディスクであってもよいことはいうまでもない。
【0051】
以下、ユーザーにより、リモコン端末の図示しない[決定]キーがオンされると、図4に示すようなダビング方法を選択するダイアログ画面が表示される。
図4は、ダビング処理のためのダイアログ画面であり、ダビング処理の方法の選択に利用される。
【0052】
ダビング処理においては、ダイアログ画面431に表示された『スタンバイ時に実行』と『すぐ実行』のいずれかを選択できる。なお、『すぐ実行』が選択された場合には、現在、番組を録画中である場合を除いて、ダビング処理が直ちに開始される。従って、ダビングが終了するか、ユーザーによりダビングの中止が指示されるまでは、例えば新たに番組を録画する等の一部の操作に制約がかかることになる。
【0053】
一方、『スタンバイ時に実行』が選択された場合、テレビ装置の主電源がオン状態にあるものの、映像表示器13(図1参照)の電源がオフされた状態(モニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化した状態)である待機(スタンバイ)状態に遷移した以後に、ダビング処理が開始される。すなわち、録画済番組の任意の番組のダビングが指示された状態であっても、ダビングはすぐには開始されずに、テレビ受信装置11が、映像表示器13すなわちモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化される電源スタンバイ(電源待機状態)に遷移するまでダビング処理の開始が抑止される。なお、電源スタンバイ(電源待機状態)への遷移は、例えばリモコン端末からのユーザーによる電源オフの入力やタイマーコントローラ80に予め設定されているオートオフ(スリープモード)の起動により、実行される。
【0054】
より詳細には、図4に示した選択画面において、『スタンバイ時に実行』が選択された場合、ユーザーは、テレビ受信装置のモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオン状態である限り、ダビング処理の制約を受けずに、テレビ番組の視聴や現在受信中である番組の録画を行うことができる。
【0055】
一方、リモコンの図示しない電源キーの操作によりテレビ受信装置がスタンバイ(電源待機)状態に遷移すると、図5に示すようにダビング処理が開始される。すなわち、スタンバイ状態は、ユーザーが能動的にテレビ受信装置を操作することはないので、ダビング処理に関連して、ダビング処理が終了するか、ユーザーによりダビングの中止が指示されるまでは、例えば新たに番組を録画する等の一部の操作に制約が生じることがあったとしても、ユーザーは不利益を被ることはない。
【0056】
ところで、スタンバイ(電源待機)状態であっても予約された録画がセットされている場合には、当然、予約された時間に達した時点で、予約された番組の録画が開始される。
【0057】
従って、スタンバイ(電源待機)状態に遷移した際には、ダビング処理が、予約された録画に影響を与えないことが必要である。このため、ユーザーにより『スタンバイ時に実行』が選択された場合には、図6および図7に示すように、制御部60のタイマーコントローラ80において、『スタンバイ時に実行』が選択されたダビング処理が完了するまでの間に録画開始時間が到来する予約された録画の有無がチェックされる。また、予約された録画が存在する場合には、制御部60のタイマーコントローラ80において、『スタンバイ時に実行』が選択されたダビングが実行可能な時間帯がチェックされる。
【0058】
すなわち、図6に示すように、テレビ受信装置11が待機状態に遷移された場合すなわち任意の番組の視聴や録画が終了し、ユーザーによるリモコン端末の操作等により、映像表示器13への映像の表示等が停止されたすなわち映像表示器であるモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化された時刻をt1、任意の予約された番組の録画の開始時刻をt2、予約された録画、もしくは実行中の録画すなわち現在録画中である番組の長さをdr、およびダビング処理の対象の番組の長さをddとするとき、
現在時刻t1+ダビング期間dd=ダビング終了時刻tr−t1+t2+dd
ダビング終了時刻tr−t1+t2+dd < 予約録画開始時刻dr+tr−t1
かつ、
現在時刻t1 > 予約された録画もしくは実行中の録画の終了時刻tr+dr
により、ダビング処理が可能なダビング処理開始時刻を求めることができる。
【0059】
このことは、図7に示すように、タイマーコントローラ80(図1参照)において取得した現在時刻(S1)に、ダビング処理時間を加算した「現在時刻+ダビング処理時間」が、予約された録画もしくは現在実行中の録画の開始時間よりも前であるか否かを判断する(S2)ことである。従って、『スタンバイ時に実行』が選択されたダビング処理は、「現在時刻+ダビング処理時間」が、予約された録画もしくは実行中の録画の終了時刻よりも前である場合には、テレビ受信装置11が、映像表示器13すなわちモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化された時点、すなわちユーザーによる番組の視聴や、予約された録画もしくは実行中の録画が終了し、映像表示器13への映像の表示等が停止された時点であるテレビ受信装置11が待機状態に遷移された時点で実行されるが、それ以外の場合には、図6に示したように、ダビング処理が可能な時間帯がチェックされ、ダビング処理が可能と判断された時刻以降に、開始されることになる(S3)。
【0060】
なお、上述した機能は、例えばパーソナルコンピュータにおいては、モニター装置の電源オフ(スクリーンセーバー起動)時を、モニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化された時点を電源オフ時、すなわち待機状態へ遷移された時点とみなすことで、同様に実施可能である。また、モニター装置等が付随していない映像記録装置においても、ユーザーによるリモコン端末の操作により電源がオフされた時点からスタンバイ状態となることから、同様に実施可能である。
【0061】
以上説明したように、本発明の実施の形態の1つを用いることで、ユーザーにとって使い勝手のよい新規なコンテンツの移動または複製が可能な録画再生装置及び録画再生方法が提供される。
【0062】
すなわち、ダビング処理モードとして、番組を録画中である場合等を除いてダビング処理が直ちに開始される『すぐに実行』モードと、主電源がオン状態にあるものの、映像表示器の電源がオフされた状態すなわちモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオンからオフに変化した状態である待機(スタンバイ)状態に遷移した時点で、ダビング処理が開始される『スタンバイ時に実行』モードを設けたことにより、ユーザーは、テレビ受信装置のモニター装置あるいはモニターパネルの電源がオン状態である限り、ダビング処理の制約を受けずに、テレビ番組の視聴や現在受信中である番組の録画を行うことができる。
【0063】
コンテンツの移動や複製が要求された場合に、コンテンツの再生中、コンテンツの録画中あるいは予約された録画が実行されることのない時間帯を抽出して移動や複製が実行される。従って、コンテンツの移動や複製を設定したことにより、ダビング処理に関連して、ダビング処理が終了するか、ユーザーによりダビング処理の中止が指示されるまでは、例えば新たに番組を録画する等の一部の操作に制約を受けることなく、TV番組の視聴やコンテンツの再生が可能である。
【0064】
なお、本発明は、上述のいずれかの実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記のいずれかの実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0065】
11…テレビ受信装置(録画再生装置)、13…映像表示器、21…出力端、47…信号処理部、54…グラフィック処理部、57…OSD信号生成部、58…映像処理部、60…制御部、61…CPU、65…電源状態検出部、71…ハードディスク装置、80…タイマーコントローラ、90…ネットワークコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記録媒体に記録されたコンテンツを第2の記録媒体に移動または複製する手段を備える電子装置であって、
当該電子装置の待機状態を検出する電源状態検出手段と、
前記電源状態検出手段にて、前記待機状態が検出されることに基づいて、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツを前記第2の記録媒体に移動または複製する処理を実行するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記移動または複製を、前記待機状態に実行することの選択をユーザーに許可する選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記移動または複製を、前記待機状態にするか直ちに実行するかの選択をユーザーに許可する選択手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
リモートコントローラからの操作信号を受信する受信手段を更に備え、
前記電源状態検出手段は、前記リモートコントローラーからの操作信号に応じて前記電子装置をが待機状態となった場合に前記待機状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
第1の記録媒体に記録されたコンテンツを第2の記録媒体に移動または複製するステップを有するコンテンツ処理方法であって、
電子装置の待機状態を検出するステップと、
前記待機状態が検出されることに基づいて、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツを前記第2の記録媒体に移動または複製する処理を実行するよう制御するステップを有することを特徴とするコンテンツ処理方法。
【請求項6】
第1の記録媒体に記録されたコンテンツを第2の記録媒体に移動または複製する手段を備える電子装置であって、
リモートコントローラからの操作信号を受信する受信手段と、
前記リモートコントローラーからの操作信号に応じて前記電子装置が待機状態となった場合に、前記第1の記録媒体に記録されたコンテンツを前記第2の記録媒体に移動または複製する処理を実行するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−50984(P2010−50984A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215569(P2009−215569)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2008−94373(P2008−94373)の分割
【原出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】