説明

録画装置、及び録画方法

【課題】映像の進行状況に連動して配信されるデータを映像に関連付けて記録する録画装置を提供すること。
【解決手段】放送されている映像を受信する映像受信部と、前記映像の放送時間に配信されるデータの更新時間情報を取得する時間情報取得部と、前記時間情報取得部により取得された更新時間情報に合わせ、所定のアプリケーションを利用して前記データを取得するデータ取得部と、前記映像、前記データ、及び前記更新時間情報を対応付けて記録する録画処理部と、を備える、録画装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画装置、及び録画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術、及び通信技術の急速な発展に伴い、高画質な映像や音声等が種々の伝送手段を介してユーザに提供されるようになってきている。例えば、テレビジョン番組のデジタル放送やIP(Internet Protocol)放送等がその一例として挙げられる。デジタル放送に関連し、下記の特許文献1には、デジタル放送の放送信号から番組関連情報を抽出して記録する技術が開示されている。
【0003】
最近では、視聴しているテレビジョン番組の放送時間に連動してインターネットからテレビジョン番組の関連情報を提供するサービスが展開されており、テレビジョン放送とインターネットの情報提供とを組み合わせたサービスが徐々に定着しつつある。こうした技術に関連し、例えば、下記の特許文献2には、受信したテレビジョン放送と、インターネットを介して取得したWebサイトの情報とを併せて記録する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−35054号公報
【特許文献2】特開2008−92483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネット等を通じ、テレビジョン放送の放映時間に連動して配信される情報は、その放映時間が終了した時点で取得不能になってしまうことが多い。そのため、ユーザが放映時間にテレビジョン放送を視聴していないと、放映時間に配信された情報を見逃してしまう。このような情報の見逃しを避けるため、テレビジョン放送と共に、その放映時間に連動して配信される情報を記録しておくことが好ましい。しかしながら、インターネット等を通じて配信される情報を単に記録しておいても、その情報を表示すべきタイミングが分からないので、テレビジョン放送の再生映像に連動して表示することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、録画した映像を再生する際、再生映像の進行状況と情報の表示タイミングとを連動させることができるように、予め映像と情報とを対応付けて記録することが可能な、新規かつ改良された録画装置、及び録画方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、放送されている映像を受信する映像受信部と、前記映像の放送時間に配信されるデータの更新時間情報を取得する時間情報取得部と、前記時間情報取得部により取得された更新時間情報に合わせ、所定のアプリケーションを利用して前記データを取得するデータ取得部と、前記映像、前記データ、及び前記更新時間情報を対応付けて記録する録画処理部とを備える、録画装置が提供される。
【0008】
また、前記録画装置は、前記録画処理部により記録された映像を再生する映像再生部と、前記所定のアプリケーションを利用して前記録画処理部により記録されたデータを処理するデータ処理部とをさらに備えていてもよい。この場合、前記データ処理部は、前記録画処理部により記録された更新時間情報に基づき、前記映像再生部により再生される映像の進行状況に連動させながら前記データを処理する。
【0009】
また、前記更新時間情報には、所定の時間間隔が示されていてもよい。この場合、前記データ取得部は、前記更新時間情報に示された所定の時間間隔で前記データを取得する。
【0010】
また、前記更新時間情報には、前記映像のシーンチェンジに応じて更新される映像関連データの更新時間が示されていてもよい。この場合、前記データ処理部は、前記録画処理部により記録された更新時間情報に基づき、前記映像再生部により再生される映像のシーンチェンジに同期させながら、所定の表示アプリケーションを用いて前記映像関連データを表示する。
【0011】
また、前記録画装置は、所定の映像の録画開始時刻を管理する予約管理部をさらに備えていてもよい。この場合、前記予約管理部は、前記録画開始時刻に合わせて前記映像受信部に所定の映像を受信させ、前記データ取得部に前記データを取得するためのアプリケーションを起動させ、当該アプリケーションを利用して前記データを取得させる。
【0012】
また、前記予約管理部は、前記所定の映像に対応付けられたアプリケーションの情報を管理しており、前記データ取得部に対し、前記録画開始時刻に合わせて前記所定の映像に対応付けられたアプリケーションを起動させ、当該アプリケーションにより前記データを取得させるように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記録画装置は、再生又は録画操作を行うユーザの嗜好情報を解析する嗜好情報解析部をさらに備えていてもよい。この場合、前記予約管理部は、前記嗜好情報解析部による解析結果に基づいて前記所定の映像及び前記ユーザの組み合わせに適合したアプリケーションを自動選択し、当該自動選択されたアプリケーションを前記所定の映像に対応付けて管理する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、放送されている映像が受信される映像受信ステップと、前記映像の放送時間に配信されるデータの更新時間情報が取得される時間情報取得ステップと、前記時間情報取得ステップにおいて取得された更新時間情報に合わせ、所定のアプリケーションを利用して前記データが取得されるデータ取得ステップと、前記映像、前記データ、及び前記更新時間情報が対応付けて記録される録画処理ステップとを含む、録画方法が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の録画再生装置が有する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。また、当該プログラムを用いて上記の録画再生装置が有する機能を実現することが可能な情報処理装置が提供される。さらに、当該プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、録画した映像を再生する際、再生映像の進行状況と情報の表示タイミングとを連動させることができるように、予め映像と情報とを対応付けて記録することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、デジタル放送の映像を表示しつつ、ウィジェットを用いてユーザに情報を提供することが可能な情報提供システム1の構成について説明する。この説明の中で、情報提供システム1が持つ技術的特徴について説明し、当該技術的特徴を踏まえた上で本発明の実施形態が解決しようとする技術的課題について述べる。
【0019】
次いで、図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る情報提供システム1000のシステム構成について説明する。次いで、図3を参照しながら、情報提供システム1000に含まれる録画再生装置100の機能構成について説明する。この説明の中で、図4を参照しながら、種々の記録データ間の対応関係について説明する。さらに、図5を参照しながら、当該実施形態に係る予約情報の構成について説明する。
【0020】
次いで、図6を参照しながら、本発明の一実施形態に係る予約録画設定画面の画面構成について説明する。さらに、図7を参照しながら、その実施形態に係る予約リストの表示構成について説明する。次いで、図8、図9を参照しながら、本発明の一実施形態に係る予約録画処理に係る一連のシーケンスについて説明する。さらに、図10、図11を参照しながら、そのシーケンスに含まれるデータの記録方法について具体的に説明する。
【0021】
次いで、図12、図13を参照しながら、本発明の一実施形態に係る録画映像の再生シーケンスについて説明する。さらに、図14を参照しながら、そのシーケンスに含まれるデータの記録方法について具体的に説明する。次いで、図15を参照しながら、本発明の一実施形態に係る録画再生装置100のハードウェア構成例について説明する。最後に、同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について説明する。
【0022】
[目的]
まず、本発明の実施形態ついて説明するに先立ち、図1を参照しながら、デジタル放送の映像を表示しつつ、ウィジェットによる情報提供を実現することが可能な情報提供システム1のシステム構成例について説明する。以下の説明においては、説明の都合上、情報提供手段をウィジェットに限定して説明するが、後述する技術は、ウィジェットよりも規模の大きなアプリケーションを利用するシステム構成にも同様に適用できる。
【0023】
通常、ウィジェットとは、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を構成するインターフェース部品のことを意味している。ウィジェットには、例えば、GUIを構成する表示ウィンドウ、テキストボックス、ボタン等が含まれる。但し、ここで言うウィジェットとは、このようなGUIモジュールの組み合わせには相違ないが、特に、デスクトップ上で特定の機能を提供するための小規模なアプリケーションのことを意味している。ウィジェットの機能としては、例えば、計算機、ニュースリーダ、スケジュール管理、天気予報、ウェブカメラ映像表示、ゲーム、株価チェック、音楽ソフトの制御パネル等がある。また、これらのウィジェットは、例えば、JavaScriptで記述されたプログラムとXMLで記述されたレイアウト情報とにより構成される。
【0024】
(情報提供システム1のシステム構成例)
図1に示すように、情報提供システム1は、主に、表示装置10と、ウィジェット配信サーバ12と、データ配信サーバ14と、放送局16とにより構成される。また、表示装置10、ウィジェット配信サーバ12、データ配信サーバ14は、ネットワーク20を介して接続されている。さらに、表示装置10は、放送局16から放送される映像を受信することができる。
【0025】
(表示装置10の構成)
まず、表示装置10について説明する。表示装置10は、放送局16から出力された放送電波を受信し、テレビジョン映像を表示するためのテレビジョン受像機である。但し、表示装置10は、ネットワーク20を介してウィジェット配信サーバ12からウィジェットを取得することができる。また、表示装置10は、ウィジェット配信サーバ12から取得したウィジェットを利用してデータ配信サーバ14からデータを取得することができる。さらに、表示装置10は、ウィジェット配信サーバ12から取得したウィジェットを利用し、データ配信サーバ14から取得したデータを表示又は処理することができる。
【0026】
例えば、ゲーム機能等を持つウィジェットを利用する場合、表示装置10には、そのウィジェットによるゲーム機能等の実行画面又は操作画面が表示される。ゲームのような実行型のウィジェットとしては、例えば、計算機ウィジェット、検索エンジンウィジェット、オークションウィジェット、ファイルアップロード/ダウンロードウィジェット等がある。情報表示型のウィジェットとしては、例えば、株価表示ウィジェット、ニュース表示ウィジェット、番組情報表示ウィジェット、天気予報表示ウィジェット等がある。
【0027】
これらのウィジェットは、例えば、図1に示すように、表示装置10の表示画面に設けられたウィジェット表示領域A2に表示される。一方、放送局16から受信した放送番組の映像は、表示装置10の表示画面に設けられた映像表示領域A1に表示される。但し、映像表示領域A1、ウィジェット表示領域A2の表示構成は、任意に設定されるものである。例えば、ウィジェット表示領域A2には、複数のウィジェットが並べて表示される。また、その中にある1つのウィジェットが選択された場合、そのウィジェットが放送表示領域A1又はウィジェット表示領域A2に大きく表示される。
【0028】
このようにして表示装置10は、放送番組の映像とウィジェットとを表示画面に表示することができる。その結果、ユーザは、放送番組の映像を視聴しながら天気予報をチェックしたり、その放送番組に関連する情報をリアルタイムで視聴したりすることができる。
【0029】
(情報提供処理の流れ)
次に、情報提供システム1におけるウィジェットを用いた情報提供処理の流れについて説明する。まず、表示装置10により、放送局16から放送番組の映像が受信される。この状況でユーザが所定のウィジェットの起動操作を行うと、表示装置10により、ウィジェット配信サーバ12からウィジェットが取得される(S1)。さらに、表示装置10は、ウィジェット配信サーバ12から取得したウィジェットを起動する(S2)。次いで、起動したウィジェットにより、データ配信サーバ14からデータが取得される(S3)。
【0030】
このとき、データ配信サーバ14からウィジェットの機能に対応したデータが取得される。例えば、占い機能を持つウィジェットは、データ取得時点において配信されている占いデータを取得する。また、ニュース表示機能を持つウィジェットは、データ取得時点において配信されているニュースのデータを取得する。但し、上記のデータ取得時点は、ウィジェット毎にユーザによって予め設定されていてもよいし、表示装置10に予め設定されていてもよいし、或いは、データ配信サーバ14からデータの更新通知を取得した時点であってもよい。また、ウィジェットが最初に起動された時点で、起動したウィジェットにより、データの取得が試みられるように設定されていてもよい。
【0031】
なお、データ配信サーバ14からデータの更新通知が提供されるケースにおいて、データの更新周期が決まっている場合、データ配信サーバ14は、そのデータの更新周期を示す情報をウィジェットに対して提供する。このような構成にすることで、ウィジェットが頻繁にデータの更新通知を取得する必要がなくなり、データの更新通知を提供又は取得するために要する通信負荷が低減される。
【0032】
このようにしてデータを取得したウィジェットは、データ配信サーバ14から取得したデータを用いて所定の処理を実行する。例えば、ニュースウィジェットは、データ配信サーバ14から取得したニュースのデータをウィジェット表示領域A2に表示する。また、ゲームウィジェットは、データ配信サーバ14から取得したデータを読み込み、ゲームの実行画面をウィジェット表示領域A2に表示する。
【0033】
また、データが更新されると、ウィジェットは、データ配信サーバ14から更新後のデータを取得し、ウィジェット表示領域A2に表示されている内容を更新する。このように、ウィジェットは、データ配信サーバ14から配信されるデータを利用して種々の情報をユーザに提供する。また、データ配信サーバ14のデータが更新される度に新たなデータを取得して表示画面を更新したり、実行画面を更新したりする。その結果、ユーザは、データ配信サーバ14から配信される情報をリアルタイムに閲覧することが可能になる。
【0034】
(リアルタイムに配信される情報について)
上記の通り、情報提供システム1は、リアルタイムに更新される情報をウィジェットを用いてユーザに提供することができる。なお、データ配信サーバ14から提供される情報の種類は多岐にわたる。また、ウィジェットを適宜選択して利用することにより、様々な提供形態で情報が提供され、提供される情報の種類がさらに幅広いものになる。
【0035】
しかしながら、本稿の中で全ての情報形態を例に挙げて説明することは難しい。そこで、情報のリアルタイム性が要求される1つの情報形態を代表的な例として取り上げ、これを用いて後段の説明を進めることにする。リアルタイム性が求められる情報としては、例えば、放送番組の進行状況に応じて切り替わる放送番組の関連情報がある。
【0036】
放送番組の関連情報は、例えば、特定の映像シーンが表示された時点で更新されたり、映像シーンの進行状況に応じて更新されたりする。また、放送番組の関連情報は、例えば、映像シーンに登場する人物、場所、又は発言等をキーワードにして抽出される。そのため、映像シーンが進行するに連れて登場人物や背景等が変化し、関連情報の内容もその都度更新される。そのため、ユーザは、放送番組の映像を視聴しながら、リアルタイムに関連情報を閲覧していないと、映像と関連情報との間の関連性を認識することが難しい。
【0037】
映像シーンに関連する情報には、出演者のプロフィール情報や宣伝広告情報(以下、CM情報)等が含まれる。例えば、放送番組の出演者が執筆した書籍の情報や、その出演者が出演している他の番組の情報等が関連情報として表示される。また、放送番組の1シーンで流れている音楽に関連して、その音楽が収録されたメディアの販売情報や、その音楽を製作したアーティストの情報等が関連情報として表示される。さらに、放送番組の内容に直接的には関係しないが、その放送番組に含まれる一部の映像シーンにイメージが適合する商品のCM情報が間接的な関連情報として表示されることもある。
【0038】
このように、放送番組に関連する関連情報は多種多様である。しかしながら、いずれの関連情報も、放送番組が進行するに連れてリアルタイムに更新されるものばかりである。こうした関連情報は、放送番組の映像シーンに関連して表示されることで価値が高まるものである。なぜなら、ユーザは、視聴している映像シーンの中で自分が気になった対象に関する情報を更に掘り下げて知ることができる点に関連情報の価値を見出しているからである。つまり、放送番組の各映像シーンと関連情報とが切り離されているならば関連情報の価値は半減してしまうのである。
【0039】
情報提供システム1の場合、ユーザは、表示装置10の映像表示領域A1に表示される放送番組の映像と、ウィジェット表示領域A2にウィジェットを介して表示される放送番組の関連情報とを同時に視聴することができる。しかしながら、情報提供システム1は、放送番組の放映時にユーザが表示装置10の前で放送番組を視聴していることを前提として情報のリアルタイム性を実現している。そのため、ユーザが放送番組の放映時に表示装置10の前に居ないと、当然のことながら、放送番組の映像及び関連情報を視聴することができない。このような場合、ユーザは、放送番組の映像及び関連情報を録画しようと試みるであろう。
【0040】
確かに、録画装置を用いることで放送番組の映像を記録しておくことができる。しかし、そのような録画装置を用いても、放送番組に合わせて配信される関連情報を対応付けて記録しておくことは難しい。なぜならば、データ配信サーバ14から提供されるデータは、放送番組の映像とは異なる経路で独立して配信されているからである。つまり、このデータは、放送番組の映像に重畳又は付加して配信されるものではなく、単に、ネットワーク20を通じて放送番組の放映時間に配信されているものである。例えば、データ配信サーバ14から提供されるデータには、放送番組の映像データと関連付けるためのメタデータが含まれていないのである。
【0041】
データ配信サーバ14は、放送局16とは無関係に、放送番組の進行状況に同期して関連情報を勝手に更新しながら配信している。従って、放送番組の映像と放送番組の関連情報との間の関連性は、主に、その内容及び配信されるタイミングにある。また、データ配信サーバ14は、データを更新すると、更新前のデータを消去するか、或いは、更新前のデータの配信を停止してしまうことが多い。そのため、放送番組の放映時間が終了した段階で、ユーザは、その放送番組の関連情報を取得することができなくなる。
【0042】
こうした事情から、ユーザは、放送局16から受信した放送番組の映像データ、及びデータ配信サーバ14から配信される番組情報のデータを個々に記録しておいても、放送番組の放映時点において表示装置10により実現される表示内容を再現することは難しい。
【0043】
後述する本発明の実施形態は、このような困難を克服することを目的としており、放送番組の映像を録画すると共に、その放送番組の進行状況に連動してリアルタイムに提供される関連情報を記録することが可能な録画技術を提供するものである。特に、この録画技術は、記録映像を再生する際に、その再生映像の進行状況に同期して関連情報を更新し、放送番組の放映時に情報提供システム1により実現されていた表示内容を再現できるようにする録画装置及び録画方法を提供するものである。
【0044】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、放送番組の放映時点において提供されるデータと、その放送番組の映像とを対応付けて記録する技術に関する。より詳細には、再生される映像の進行状況に合わせてデータを適切に更新し、放送番組の放映時点における視聴状況を再現するための録画技術が提供される。
【0045】
[情報提供システム1000の構成例]
まず、図2を参照しながら、本実施形態に係る情報提供システム1000のシステム構成について説明する。図2は、本実施形態に係る情報提供システム1000のシステム構成例を示す説明図である。但し、上記の情報提供システム1と実質的に同一の機能を有する構成要素については同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0046】
図2に示すように、情報提供システム1000は、主に、表示装置10と、ウィジェット配信サーバ12と、データ配信サーバ14と、放送局16と、録画再生装置100とにより構成される。但し、ウィジェット配信サーバ12、及びデータ配信サーバ14は別体として構成されていてもよし、一体として構成されていてもよい。また、表示装置10、及び録画再生装置100は別体として構成されていてもよいし、一体として構成されていてもよい。さらに、録画再生装置100の機能は、例えば、録画機能を搭載した各種の情報処理装置や情報家電等により実現することもできる。
【0047】
(表示装置10)
表示装置10は、テレビジョン放送を受信し、受信した放送番組の映像を表示する表示装置である。但し、本実施形態において、表示装置10は、録画再生装置100に記録された映像を表示したり、録画再生装置100により出力されるウィジェットの実行画面を表示したりするために設けられているものとする。従って、表示装置10は、必ずしもテレビジョン放送を受信するテレビジョン受像機でなくてもよく、種々のディスプレイ装置により代替することもできる。
【0048】
図2には、表示装置10がネットワーク20に接続されていない例が示されているが、表示装置10は、ネットワーク20に接続されていてもよいし、放送局16から直接的にテレビジョン放送を受信するように構成されていてもよい。また、表示装置10により放送局16から受信したテレビジョン放送の映像が録画再生装置100に入力されるように構成されていてもよい。このように、テレビジョン放送の入出力経路等に関しても、種々の変形が可能である。
【0049】
(ウィジェット配信サーバ12)
ウィジェット配信サーバ12は、ネットワーク20を通じてウィジェットを配信するサーバ装置である。ウィジェット配信サーバ12には、種々のウィジェットが格納されており、表示装置10や録画再生装置100から送信された配信要求に応じてウィジェットを配信する。例えば、占いウィジェットの配信要求を受信すると、ウィジェット配信サーバ12は、その配信要求の送信元に対して占いウィジェットを配信する。図2には、ウィジェット配信サーバ12が1台しか記載されていないが、例えば、ウィジェットの種類又はウィジェットの提供者毎にウィジェット配信サーバ12が設けられていてもよい。
【0050】
(データ配信サーバ14)
データ配信サーバ14は、ウィジェットが処理の実行に用いるデータを配信するためのサーバ装置である。但し、データ配信サーバ14は、ウィジェット配信サーバ12と一体に構成されていてもよい。データ配信サーバ14は、ネットワーク20を通じ、ウィジェットの種類毎に各種のデータを配信している。例えば、データ配信サーバ14は、ニュースを表示するウィジェットに対し、配信時点におけるニュースのデータを配信する。
【0051】
また、データ配信サーバ14は、放送番組の関連情報(以下、関連情報)を表示するウィジェットに対し、放送番組の進行状況に応じて関連情報のデータを更新しながら、常に最新のデータを配信する。そのため、ユーザは、更新された後で更新前のデータを取得することができない。また、データ配信サーバ14は、関連情報が更新されるタイミングを示す時間情報を配信する。例えば、定期的に更新されるデータに関しては、そのデータの更新周期が示された時間情報が配信される。一方、不定期に更新されるデータの場合、時間情報として更新の度に更新通知が配信される。
【0052】
(録画再生装置100)
録画再生装置100は、放送局16からテレビジョン放送を受信し、そのテレビジョン放送の映像を記録する装置である。但し、録画再生装置100は、ネットワーク20に接続されており、ウィジェット配信サーバ12からウィジェットを取得することができる。また、録画再生装置100は、ウィジェット配信サーバ12から取得したウィジェットを起動し、そのウィジェットを利用してデータ配信サーバ14からデータ及び時間情報を取得することができる。
【0053】
さらに、録画再生装置100は、予約録画機能を有してる。例えば、録画番組及び録画開始時刻が設定されている場合、録画開始時刻になると、録画再生装置100は、録画設定された放送番組を放送局16から受信して所定の記録手段に記録する。所定の記録手段としては、例えば、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、又は半導体記録媒体等が用いられる。磁気記録媒体の例としては、ハードディスクが挙げられる。光記録媒体の例としては、記録型のBlu−rayディスクや記録型のDVDディスクが挙げられる。これらの記録手段は、録画再生装置100の内部又は外部に設けられている。
【0054】
また、録画再生装置100の予約録画設定項目には、録画番組及び録画開始時刻に加えて、ウィジェットを指定するための項目が含まれている。ウィジェットが設定されていると、録画再生装置100は、録画開始時刻に合わせてウィジェットを起動し、そのウィジェットによりデータ配信サーバ14から取得されたデータを所定の記録手段に記録する。このとき、録画再生装置100は、ウィジェットを用いてデータ配信サーバ14から時間情報を取得する。そして、この時間情報に基づいてウィジェットによりデータが取得される。さらに、録画再生装置100は、放送番組の映像等と共に時間情報を記録する。
【0055】
以上、情報提供システム1000のシステム構成の一例について簡単に説明した。図2に示したシステム構成は一例であり、種々の変形が可能である。例えば、図2の例ではテレビジョン放送の録画処理を前提にしていたが、テレビジョン放送以外のコンテンツを録画処理する場合にも応用することができる。また、スクリプト言語により開発される比較的小規模のアプリケーションプログラムであるウィジェットを前提にしていたが、より大規模なアプリケーションプログラムを用いる構成に拡張することもできる。
【0056】
但し、このような変形又は拡張を行う場合においても、(1)データの更新時点を示す時間情報を取得する構成、(2)取得した時間情報に基づいてデータを取得する構成、(3)取得した時間情報を保持する構成が含まれている必要がある。これらの構成を有することで、記録された映像を再生する際に、その再生映像の進行状況に合わせてタイミング良くデータを表示することができるようになる。再生機能を含め、録画再生装置100の機能構成については後段において詳述する。
【0057】
(データ取得までの流れ)
ここで、情報提供システム1000におけるデータ取得までの一連の流れについて簡単に説明する。まず、ユーザは、録画再生装置100に対し、録画したい放送番組又はチャンネルを指定して録画開始操作を行う。このとき、ユーザは、所望のウィジェットを指定する。予約録画の場合には、予約録画設定画面(例えば、図6を参照)において、これらの情報を設定する。
【0058】
録画再生装置100は、録画開始前にウィジェット配信サーバ12から指定されたウィジェットを取得する(S1)。録画開始時刻になると、録画再生装置100は、指定されたウィジェットを起動する(S2)。次いで、録画再生装置100は、起動したウィジェットを用いてデータ配信サーバ14から時間情報を取得し、その時間情報に基づいてデータを取得する(S3)。そして、録画再生装置100は、放送局16から受信した映像と共にデータ及び時間情報を記録する。
【0059】
以上説明した流れにより、録画再生装置100には、放送番組の映像と、その放送番組に関連する情報と、その情報の更新タイミングが示された時間情報とが記録される。もちろん、録画設定を行う際にユーザが設定した情報により、放送番組とウィジェットとが対応付けられているため、結果的に、記録映像、時間情報、ウィジェット、データが対応付けて記録されることになる。従って、記録映像を再生する際、対応するウィジェットを用いてデータを読み出し、対応する時間情報に基づいてデータを表示させることにより、再生映像の進行状況に同期してデータを表示することができるようになる。
【0060】
[録画再生装置100の機能構成]
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る録画再生装置100の機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係る録画再生装置100の機能構成例を示す説明図である。録画再生装置100が有する機能の一部については図2を参照しながら既に説明した。ここでは、再生機能も含めた録画再生装置100の詳細な機能構成について説明する。
【0061】
図3に示すように、録画再生装置100は、主に、録画処理部110と、再生処理部150とにより構成される。まず、録画処理部110の機能構成について説明し、その後で再生処理部150の機能構成について説明する。
【0062】
(録画処理部110)
録画処理部110は、映像受信部112と、ウィジェット管理部114と、録画制御部116と、記憶部118と、予約管理部120と、嗜好情報解析部122とを含む。
【0063】
(録画制御部116)
録画制御部116は、ユーザ操作又は後述する予約管理部120により録画処理が要求された場合に録画処理部110の各構成要素を制御して録画処理を実行させる。例えば、録画制御部116は、録画する放送番組のチャンネル情報(Ch.)を後述する映像受信部112に入力して放送番組の映像を取得させる。また、録画制御部116は、映像受信部112により取得された映像を後述する記憶部118に記録する。
【0064】
さらに、録画制御部116は、ウィジェット管理部114に対し、録画する放送番組のチャンネル情報(Ch.)、及び当該放送番組の録画時に起動するウィジェットの情報(App.Info.)を入力して、ウィジェット(App.)、データ(Data)、及び時間情報(Time)を取得させる。また、録画制御部116は、ウィジェット管理部114により取得されたデータ(Data)、及び時間情報(Time)を映像と共に記憶部118に記録する。
【0065】
(映像受信部112)
映像受信部112は、放送局16から放送番組の映像を受信する手段である。映像受信部112は、録画制御部116から入力されたチャンネル情報(Ch.)に基づき、そのチャンネルで放送されている放送番組の映像を受信する。映像受信部112により受信された放送番組の映像は、録画制御部116を介して記憶部118に記録される。
【0066】
(ウィジェット管理部114)
ウィジェット管理部114は、データ取得部132と、時間情報取得部134と、ウィジェット取得部136とにより構成される。上記の通り、ウィジェット管理部114には、録画制御部116からチャンネル情報(Ch.)及びウィジェットの情報(App.Info.)が入力される。
【0067】
(ウィジェット取得部136)
ウィジェット取得部136は、録画制御部116からウィジェットの情報(App.Info.)が入力されると、ウィジェット配信サーバ12にアクセスしてウィジェットの情報(App.Info.)により指定されたウィジェット(App.)を取得する。ウィジェット取得部136により取得されたウィジェット(App.)は、記憶部118に記録される。
【0068】
(データ取得部132、時間情報取得部134)
データ取得部132は、録画制御部116から入力されたウィジェットの情報(App.Info.)に基づいて記憶部118からウィジェット(App.)を読み出し、そのウィジェットを起動する。また、データ取得部132は、録画制御部116から入力されたチャンネル情報(Ch.)を時間情報取得部134に入力する。時間情報取得部134は、データ取得部132により起動されたウィジェットを用いてデータ配信サーバ14からデータの更新時刻を示す時間情報(Time)を取得する。時間情報取得部134により取得された時間情報は、データ取得部132、及び録画制御部116を介して記憶部118に記録される。
【0069】
データ取得部132は、起動したウィジェットを利用し、録画制御部116から入力されたチャンネル情報(Ch.)をデータ配信サーバ14に送信する。すると、送信したチャンネル情報(Ch.)に対応するデータがデータ配信サーバ14から配信される。そこで、データ取得部132は、起動したウィジェットを利用してデータ配信サーバ14から配信されるデータを取得する。但し、データ取得部132は、後述する時間情報取得部134により取得された時間情報が示す更新時刻を参照して最新のデータを取得する。データ取得部132により取得されたデータは、録画制御部116を介して記憶部118に記録される。
【0070】
(記憶部118)
記憶部118には、ウィジェット取得部136により取得されたウィジェットが記録されている。また、記憶部118には、録画制御部116を介して映像、データ、時間情報が記録されている。これらの情報は、図4に示す例のように対応付けて記録されている。
【0071】
図4の例では、ある映像(例えば、Video2)に対して複数のデータ(Data4、Data5)が対応付けられている。また、対応するウィジェット情報(Application2)を参照すると、2つのデータ(Data4、Data5)が同じウィジェット(Application2)により取得されたことが分かる。さらに、時間情報との対応関係を参照すると、1つのデータ(Data4)は、「2008/3/3 18:00」に取得されたことが分かる。他のデータ(Data5)は、「2008/3/3 18:12」に取得されたことが分かる。つまり、データの更新時点が「2008/3/3 18:12」であることが分かる。このような対応関係は、後述する再生処理部150により再生映像の進行状況に応じてデータの表示を切り替えるために利用される。
【0072】
(予約管理部120)
再び図3を参照する。予約管理部120は、予約録画の設定情報(以下、予約情報)を管理する。予約情報には、例えば、チャンネル情報(Ch.)、録画時間情報(録画開始時刻、録画終了時刻)、ウィジェットの情報(App.Info.)等が含まれる。これらの情報は、図5に示すように対応付けて設定されている。例えば、No.2の予約情報を参照すると、チャンネル情報(Channel12)には、録画時間情報「2008/3/3 18:00−18:30」と、ウィジェット情報(Application2)が対応付けられている。
【0073】
そのため、時刻が「2008/3/3 18:00」になると、予約管理部120は、録画制御部116に対して録画を開始するように要求する。このとき、予約管理部120は、録画開始通知と共に、チャンネル情報(Ch.)、及びウィジェット情報(App.Info.)を録画制御部116に入力する。上記の例では、「Channnel12」「Application2」が録画制御部116に入力される。また、時刻が「2008/3/3 18:30」になると、予約管理部120は、録画制御部116に対して録画を終了するように要求する。
【0074】
さて、図5に例示した予約情報には、オプションの項目が設けられている。オプションには、例えば、予約情報を設定したユーザの識別情報等が含まれる。この識別情報は、ウィジェット情報の自動選択に用いられる。例えば、ユーザが予約情報としてウィジェットを選択しなかった場合に、この識別情報を用いて後述する嗜好情報解析部122により解析され、推薦されたウィジェットが自動的に設定される。このとき、ユーザの識別情報とチャンネル情報との組み合わせから、そのユーザの嗜好に適合するウィジェットが選択され、予約情報として自動的に設定される。
【0075】
また、予約管理部120は、ユーザが録画予約を行うための設定画面(ユーザインターフェース)を提供するように構成されていてもよい。この場合、予約管理部120は、ユーザの操作入力に応じて表示オブジェクトの位置を移動させたり、表示オブジェクトの表示形態を変更したりする。例えば、予約管理部120により、図6に示すような予約設定画面が表示制御される。また、予約管理部120は、ユーザが放送番組を選択しやすいように、EPG情報等に基づく番組表を表示させ、その番組表の中から録画する番組を選択できるような表示形態を提供することもできる。但し、予約設定画面の直接的な表示制御に関しては、後述する表示制御部156により実現される。従って、予約管理部120は、表示制御部156と協働して予約設定画面のユーザインターフェースを実現する。
【0076】
(嗜好情報解析部122)
再び図3を参照する。嗜好情報解析部122には、ユーザ操作の情報が入力される。例えば、嗜好情報解析部122には、ユーザが録画設定又は予約設定したチャンネル情報や番組情報、或いは、ウィジェットの情報等が入力される。そこで、嗜好情報解析部122は、こうしたユーザ操作の情報を蓄積し、蓄積した情報を統計的に解析することにより、ユーザの嗜好に適したウィジェットを選択する。
【0077】
例えば、あるユーザ(User1)が、あるチャンネル(Channel3)を視聴又は録画する際、特定のウィジェット(Application1)を頻繁に選択しているとする。このような場合、嗜好情報解析部122は、ユーザがチャンネル(Channnel3)を設定した段階で、特定のウィジェット(Application1)をユーザに推薦する。但し、実際には、特定のウィジェット(Application1)の情報(App.Info.)が予約管理部120に入力され、予約管理部120により予約情報に反映される(図5を参照)。
【0078】
なお、嗜好情報解析部122による嗜好解析には、例えば、自然言語解析や形態素解析等の技術を用いることもできる。この場合、ユーザが視聴した番組の情報やウィジェットにより表示されるコンテンツを解析することで、ユーザの嗜好に適合したウィジェットが推薦される。もちろん、本実施形態は、これらの例に限定されるものではない。以上、録画処理部110の機能構成について説明した。次に、再生処理部150の機能構成について説明する。
【0079】
(再生処理部150)
再生処理部150は、映像再生部152と、データ処理部154と、表示制御部156とを含む。
【0080】
(映像再生部152)
映像再生部152は、記憶部118から放送番組の記録映像を読み出して再生する。また、映像再生部152は、記録映像の再生を開始する際に再生開始タイミング(以下、開始通知)をデータ処理部154に通知する。映像再生部152により再生される記録映像は、表示制御部156を通じて表示装置10に表示される。例えば、記録映像は、表示装置10が有する映像表示領域A1に表示される。
【0081】
(データ処理部154)
データ処理部154は、映像再生部152から開始通知を受けると、記憶部118からウィジェット及び時間情報を読み出し、ウィジェットを起動する。さらに、データ処理部154は、起動したウィジェットを用いて記憶部118からデータを読み出し、そのウィジェットによりデータ又は実行画面を表示装置10に表示させる。また、データ処理部154は、記憶部118から読み出した時間情報に基づき、映像再生部152から入力された開始通知を基準にして所定時間が経過した時点でウィジェットにデータを更新させる。更新されたデータは、ウィジェットにより表示制御部156を介して表示装置10に表示される。
【0082】
(表示制御部156)
表示制御部156は、表示装置10の表示を制御する制御手段である。例えば、表示装置10に映像表示領域A1、及びウィジェット表示領域A2を表示させたり、各表示領域に映像やウィジェット等を表示させたりする。表示制御部156は、映像再生部152により再生される映像を表示装置10の映像表示領域A1に表示させる。また、表示制御部156は、データ処理部154により起動されたウィジェットの実行画面をウィジェット表示領域A2に表示させる。さらに、ウィジェットにより表示内容が更新された場合に、ウィジェット表示領域A2に表示されたウィジェットの実行画面を更新させる。
【0083】
以上、再生処理部150の機能構成について説明した。上記の通り、再生処理部150は、記憶部118に記録された映像を再生すると共に、記録映像の進行状況に合わせてウィジェットによる表示内容を更新することができる。このようにウィジェットの表示内容を再生映像の進行状況に合わせて更新することができるのは、録画処理部110により時間情報が映像及びデータに対応付けて記録されているからである。
【0084】
既に述べた通り、映像とデータとの間の関係性は、それらの内容及び配信タイミングにしか存在せず、このような処理を実現するには、その配信タイミングを時間情報として保持しておくことが必要なのである。本実施形態に係る録画再生装置100は、録画処理部110において時間情報を映像やデータに対応付けて記録しておく構成を有しており、再生処理部150において時間情報を利用した再生処理を実現する構成を有している。このような構成を有することにより、放送番組の進行状況に合わせてリアルタイムで配信される情報を記録しておき、その記録映像及び記録された情報を連動して再生することが可能になるのである。
【0085】
[予約録画設定画面の構成例について]
次に、図6を参照しながら、本実施形態に係る予約録画設定画面の構成例について説明する。図6は、本実施形態に係る予約録画設定画面の一構成例を示す説明図である。
【0086】
図6に示すように、予約録画設定画面には、予約録画する放送番組の情報として、録画を行う日付、開始時刻、終了時刻、チャンネル番号が表示される。さらに、本実施形態の場合には、実行ウィジェットを設定する項目(以下、ウィジェット設定項目)が表示される。ウィジェット設定項目には、選択可能なウィジェットを示すオブジェクトが候補として示される。例えば、ユーザがリモートコントローラ(以下、リモコン)の十字キーを上下に操作することで、選択候補となるウィジェットを示すオブジェクトが順番に表示される。但し、オブジェクトによる表示を文字による表示に代替してもよい。
【0087】
もし、予約録画設定しているユーザが特定され、嗜好情報解析部122によりウィジェットの候補が挙げられている場合、ウィジェット設定項目には、嗜好情報解析部122により選択されたウィジェットのオブジェクトが表示される。このとき、嗜好情報解析部122により選択されたウィジェットのみが表示されるように構成されていてもよいし、嗜好情報解析部122により選択されたウィジェットが上位に表示されるように構成されていてもよい。また、ウィジェット設定項目の上位に表示されるウィジェットは、放送番組に応じて自動的に選択されるように構成されていてもよい。例えば、録画対象が教育番組の場合にゲームウィジェットや占いウィジェットが候補として表示されないようにする。
【0088】
[予約リストの表示構成例について]
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係る予約リストの表示構成例について説明する。図7は、本実施形態に係る予約リストの一表示構成例を示す説明図である。この予約リストは、図6の予約録画設定画面で設定された予約情報をリスト表示するものである。図7に示すように、予約リストの各表示項目には、予約設定されたオブジェクト、放送番組、録画日時、チャンネル番号等が対応付けて表示される。予約設定されたオブジェクトは、予約録画設定画面の場合と同様にオブジェクトで表示される。ユーザは、表示された予約リストの中から所望の表示項目を選択することで、予約情報の内容を編集したり、削除したりすることができる。
【0089】
[予約録画シーケンスについて]
次に、図8、図9を参照しながら、本実施形態に係る予約録画処理のシーケンスについて説明する。図8、図9は、本実施形態に係る予約録画処理のシーケンスを示す説明図である。なお、図8、図9は、予約録画に係る連続した一連のシーケンスを示している。
【0090】
まず、図8を参照する。予約情報に設定された録画開始時刻になると、予約管理部120は、録画制御部116に録画開始を通知し、映像受信部112に対して映像の受信を要求する(S102)。このとき、予約管理部120は、予約情報に設定されたチャンネル情報を録画制御部116を介して映像受信部112に通知する。映像受信部112は、予約管理部120により通知されたチャンネル情報に基づいて選局し、放送番組の受信を開始する(S104)。このとき、映像受信部112により受信された映像は、録画制御部116を介して記憶部118に記録される。
【0091】
次いで、予約管理部120は、録画制御部116を介してウィジェット管理部114にウィジェットの起動を要求する(S106)。このとき、予約管理部120は、予約情報に設定されたウィジェットの情報をウィジェット管理部114に通知する。ウィジェット管理部114は、予約管理部120から通知されたウィジェットの情報に基づいてウィジェットApp.を起動する(S108)。次いで、起動したウィジェットApp.は、録画制御部116を介して予約管理部120にチャンネル情報を要求する(S110)。この要求を受け、予約管理部120は、録画制御部116を介してウィジェットApp.にチャンネル情報を通知する(S112)。
【0092】
次いで、ウィジェットApp.は、データ配信サーバ14にチャンネル情報を通知する(S114)。チャンネル情報の形態は任意であり、例えば、デジタル放送企画のserviceId、地域情報+リモコンのチャンネル情報、独自規格のフォーマット等が考えられる。また、ウィジェットApp.は、チャンネル情報の他に、放送番組のタイトルやeventID等の番組に関する情報を通知するように構成されていてもよい。
【0093】
この通知を受けると、データ配信サーバ14は、現在時刻及びチャンネル情報等から番組を特定し、その番組に対応するデータの更新時間間隔を示す時間情報をウィジェットApp.に通知する(S116)。この更新時間間隔が大きすぎると放送内容に連動したコンテンツの表示が困難になり、小さすぎるとウィジェットに負荷がかかってしまう。そのため、更新時間間隔は、録画再生装置100の受信能力に応じて適切に設定されるべきものである。こうした観点から、例えば、ウィジェットに最低限更新して欲しい時間間隔を時間情報として通知するシステム構成が考えられる。
【0094】
このようにして時間情報を受信すると、ウィジェットApp.は、データ配信サーバ14から通知された時間情報に基づいてタイマーをセットする(S118)。つまり、ウィジェットApp.は、データ配信サーバ14からデータを取得する時刻を設定する。
【0095】
次に、図9を参照する。ステップS120において、ウィジェットApp.は、タイマーが経過したか否かを判断する(S120)。タイマーが経過していない場合、ウィジェットApp.は、タイマーが経過するまで待機する。タイマーが経過している場合、ウィジェットApp.は、データ配信サーバ14に対してデータの配信要求を送信する(S122)。配信要求を受けると、データ配信サーバ14は、チャンネル情報に対応するデータをウィジェットApp.に対して配信する(S124)。データを受信すると、ウィジェットApp.は、録画制御部116を介して記憶部118に受信したデータを保存する(S126)。また、ウィジェットApp.は、受信したデータを表示し(S128)、ステップS118(図8を参照)の処理に戻る。
【0096】
ステップS118〜S128の処理が繰り返されている間、予約管理部120は、予約情報に基づいて放送番組の録画終了時刻に達したか否かを判断する(S130)。放送番組の録画終了時刻に達していない場合、ステップS130の処理を繰り返しつつ、録画終了時刻まで待機する。放送番組の録画終了時刻に達した場合、予約管理部120は、録画制御部116を介してウィジェット管理部114に録画終了通知を送信する(S132)。録画終了通知を受けると、ウィジェット管理部114は、ウィジェットApp.に対して終了要求を通知する(S134)。終了要求を受けると、ウィジェットApp.は、録画制御部116を介して記憶部118に時間情報を保存する(S136)。さらに、ウィジェットApp.は、タイマーを解放して(S138)、終了する。
【0097】
(S118〜S138の詳細について)
ここで、図10を参照しながら、ステップS118〜S138に係る一連の処理に関し、その詳細な処理の流れについて説明する。図10は、ステップS118〜S138に係る処理の詳細な流れを示す説明図である。
【0098】
図10に示すように、まず、各パラメータの初期化が実行される(S152)。「fileMaxNum」は、データの更新回数を示すパラメータである。「fileIndex」は、データを保存したファイル名のナンバリングに用いるパラメータである。「imageFileName」は、イメージデータを保存するファイル名を表すパラメータである。「textFileName」は、テキストデータを保存するファイル名を表すパラメータである。それぞれ、fileMaxNum=0、fileIndex=0、imageFileName=”Image0.jpg”、textFileName=”Text0.txt”に初期化される。もちろん、これらの設定事項は一例である。
【0099】
次いで、時間情報に基づいてタイマーがセットされる(S154)。次いで、タイマーが経過したか否かが判定される(S156)。タイマーが経過していない場合、タイマーが経過するまで待機する。一方、タイマーが経過した場合、ステップS158の処理に進行する。ステップS158では、イメージデータを保存するファイル名、及びテキストデータを保存するファイル名が設定される(S158)。例えば、imageFileName=”Image”+fileIndex+”.jpg”、textFileName=”Text”+fileIndex+”.txt”に設定される。fileIndex=0の場合、imageFileName=Image0.jpg、textFileName=Text0.txtに設定される。
【0100】
次いで、fileIndex及びfileMaxNumがカウントアップされる(S160)。次いで、ステップS158において設定されたファイル名ImageFileNameにて、イメージデータが保存される(S162)。さらに、ステップS158において設定されたファイル名TextFileNameにて、テキストデータが保存される(S164)。次いで、ウィジェットを終了するか否かが判定される(S166)。ウィジェットを終了しない場合、再びステップS156の処理に戻る。一方、ウィジェットを終了する場合、ステップS168の処理に進行する。ステップS168では、時間情報が保存される(S168)。このとき、データの最小更新間隔と、データの更新回数を示すfileMaxNumとが保存される。次いで、タイマーがクリアされ(S170)、一連の処理が終了する。
【0101】
(更新のイメージについて)
ここで、図11を参照しながら、上記の処理におけるデータ更新のイメージについて簡単に説明する。図11は、データ更新のイメージを示す説明図である。
【0102】
図11の例において、更新前のデータは、1つのイメージデータ「画像Image.jpg」と、1つのテキストデータ「あああああ」とを含むものである。これらのデータは、データ配信サーバ14上において、それぞれ「Image.jpg」「”あああああ”」という形で管理されている。一方で、録画再生装置100においては、図10に示した一連の処理により、それぞれ「Image0.jpg」「Text0.txt」というファイル名で保存される。また、これらのデータが更新され、更新後のデータが、1つのイメージデータ「画像Image.jpg」と、1つのテキストデータ「いいいいい」とを含むものになったとしよう。この場合、図10に示した一連の処理により、録画再生装置100においては、それぞれ「Image1.jpg」「Text1.txt」というファイル名で保存される。つまり、データ配信サーバ14から配信されるデータは、更新の度に異なるファイル名に書き換えられて保存されるのである。
【0103】
[録画映像の再生シーケンスについて]
次に、図12、図13を参照しながら、本実施形態に係る録画映像の再生シーケンスについて説明する。図12、図13は、本実施形態に係る録画映像の再生シーケンスを示す説明図である。なお、図12、図13は、録画映像の再生に係る連続した一連のシーケンスを示している。
【0104】
まず、図12を参照する。ユーザ操作により再生開始要求が映像再生部152に通知されると(S172)、映像再生部152により記憶部118から映像が読み出されて再生が開始される(S174)。次いで、映像再生部152は、データ処理部154に対してウィジェットの起動要求を送信する(S176)。ウィジェットの起動要求を受けると、データ処理部154は、記憶部118からウィジェットApp.を読み出して起動する(S178)。次いで、ウィジェットApp.は、記憶部118に記録された時間情報を参照してタイマーをセットする(S180)。
【0105】
次に、図13を参照する。ステップS182において、ウィジェットApp.は、タイマーが経過したか否かを判定する(S182)。タイマーが経過していない場合、ウィジェットApp.は、タイマーが経過するまで待機する。一方、タイマーが経過した場合、ウィジェットApp.は、ステップS184の処理に進行する。ステップS184において、ウィジェットApp.は、記憶部118からデータを読み出す(S184)。次いで、ウィジェットApp.は、記憶部118から読み出したデータを表示し(S186)、再びステップS180(図12を参照)の処理に進行する。そして、ステップS180〜S186の処理が繰り返し実行される。
【0106】
ステップS180〜S186の処理が繰り返されている間、映像再生部152は、記憶部118に記録された放送番組の映像が終了したか否かを判定する(S188)。映像が終了していない場合、映像再生部152は、ステップS188の処理を繰り返しながら映像が終了するまで再生を継続する。一方、映像が終了した場合、映像再生部152は、データ処理部154に対して再生終了通知を送信する(S190)。再生終了通知を受けると、データ処理部154は、ウィジェットApp.に対してウィジェット終了要求を送信する(S192)。ウィジェット終了要求を受けると、ウィジェットApp.は、タイマーを解放し(S194)、終了する。
【0107】
(S180〜S194の詳細について)
ここで、図14を参照しながら、ステップS180〜S194に係る一連の処理に関し、その詳細な処理の流れについて説明する。図14は、ステップS180〜S194に係る処理の詳細な流れを示す説明図である。
【0108】
図14に示すように、まず、時間情報が読み出され、さらに、各パラメータが初期化される(S202)。このとき、時間情報としては、データの更新回数を示すパラメータ「fileMaxNum」、及び更新時間間隔の情報が記憶部118から読み出される。また、ファイル名を特定するためのパラメータfileIndex、imageFileName、textFileNameが初期化される。次いで、タイマーが更新時間間隔に設定される(S204)。次いで、タイマーが経過したか否かが判定される(S206)。タイマーが経過していない場合、再びステップS206の判定を繰り返す。一方、タイマーが経過した場合、ステップS208の処理に進行する。
【0109】
ステップS208において、fileIndexとfileMaxNumとが比較され、fileIndex<fileMaxNumか否かが判定される(S208)。fileIndex<fileMaxNumの場合、ステップS218の処理に進行し、タイマーがクリアされ(S218)、一連の処理が終了する。一方、fileIndex<fileMaxNumでない場合、ステップS210の処理に進行する。
【0110】
ステップS210では、イメージデータのファイル名imageFileName、及びテキストデータのファイル名textFileNameが更新される(S210)。次いで、fileIndexがカウントアップされる(S212)。次いで、ステップS210において更新されたファイル名ImageFileNameのイメージデータが記憶部118から読み出される(S214)。次いで、ステップS210において更新されたファイル名textFileNameのイメージデータが記憶部118から読み出され(S216)、再びステップS206の処理に進行する。
【0111】
以上、予約録画時の処理シーケンス、及び再生時の処理シーケンスについて具体的な例を交えて説明した。上記のように、映像を受信すると共に、データの取得時間間隔を示す時間情報を記録しておくことにより、再生時に映像の進行状況に合わせてデータを表示することが可能になる。上記の例においては、データが所定の時間間隔で定期的に配信されているものと仮定したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、データ配信サーバ14から不定期にデータが配信される場合には、その配信タイミングを示す時間情報を取得して保存しておくことにより、上記の例と同様に再生映像に連動してデータを表示することが可能になる。また、ウィジェットを取得するタイミングやウィジェットを起動するタイミングについても上記の例に限定されない。
【0112】
[ハードウェア構成例について]
次に、図15を参照しながら、録画再生装置100のハードウェア構成例について説明する。図15は、録画再生装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【0113】
図15に示すように、録画再生装置100は、主に、放送受信チューナ702と、スクランブル解除部704と、デマルチプレクサ706と、ビデオデコーダ708と、オーディオデコーダ710とを有する。また、録画再生装置100は、ネットワークインターフェース712と、CASモジュール714と、メモリ716と、CPU718と、リモートコントローラインターフェース720と、OSD722と、重畳部724とを有する。
【0114】
放送受信チューナ702は、物理チャンネルを選択して所望の放送電波を受信し、受信信号に信号増幅を施してベースバンド信号を生成する。次いで、放送受信チューナ702は、ベースバンド信号にA/D変換を施してデジタル信号を生成する。次いで、放送受信チューナ702は、デジタル信号に高速フーリエ変換を施してストリーム信号を出力する。放送受信チューナ702により出力されたストリーム信号は、スクランブル解除部704に入力される。
【0115】
スクランブル解除部704は、CASモジュール714から提供された所定のスクランブル解除鍵を用いて放送受信チューナ702から入力されたストリーム信号に施されたスクランブルを解除する。スクランブル解除部704によりスクランブルが解除されたストリーム信号は、デマルチプレクサ706に入力される。デマルチプレクサ706は、スクランブルが解除されたストリーム信号に含まれるビデオ信号とオーディオ信号とを分離して、ビデオ信号をビデオデコーダ708に入力し、オーディオ信号をオーディオデコーダ710に入力する。このとき、デマルチプレクサ706による信号分離処理は、メモリ716、CPU718等を用いて実現される。
【0116】
ビデオデコーダ708は、デマルチプレクサ706から入力されたビデオ信号をデコードしてビデオデータを出力する。ビデオデコーダ708から出力されたビデオデータは、重畳部724に入力される。重畳部724は、OSD部722から入力されたOSDデータとビデオデータとを重畳して表示装置10に出力する。オーディオデコーダ710は、デマルチプレクサ706から入力されたオーディオ信号をデコードしてオーディオデータを出力する。オーディオデコーダ710から出力されたオーディオデータは、スピーカ等のオーディオ出力手段に出力される。
【0117】
ネットワークインターフェース712は、ネットワーク20に接続されており、ウィジェット配信サーバ12からウィジェットを受信したり、データ配信サーバ14からデータを受信するために利用される。CASモジュール714は、放送番組の視聴を制限するCASシステムとの間で認証処理を行うことで視聴制限を解除するためのスクランブル解除鍵を取得する手段である。CASモジュール714により取得されたスクランブル解除鍵は、上記の通り、スクランブル解除部704において利用される。
【0118】
メモリ716は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)等により構成される。メモリ716は、CPU718による実行処理の際にキャッシュメモリとして利用されたり、CPU718による処理の実行に用いるプログラムを格納するために利用されたりする。また、メモリ716は、ビデオデータやオーディオデータを含む種々の情報を保持しておくために利用される。CPU718は、汎用的な演算処理手段であり、メモリ716に格納されたプログラムに基づいて種々の演算処理や制御処理等を実行する。
【0119】
リモートコントローラインターフェース720は、リモコンを用いて入力された操作情報を取得する手段である。リモートコントローラインターフェース720から入力された操作情報は、例えば、放送受信チューナ702、メモリ716、CPU718、OSD部722等に入力される。OSD部722は、設定画面等に表示される各種の表示オブジェクトを表示させたり、その表示オブジェクトを用いて操作体系を実現するための表示制御手段である。OSD部722により生成されたOSD信号は重畳部724に入力される。
【0120】
[まとめ]
最後に、本実施形態の録画装置が有する機能構成と、当該機能構成により得られる作用効果について簡単に纏める。
【0121】
まず、本実施形態に係る録画装置の機能構成は次のように表現することができる。当該録画装置は、映像受信部と、時間情報取得部と、データ取得部と、録画処理部とを備える。映像受信部は、放送されている映像を受信するものである。また、時間情報取得部は、前記映像の放送時間に配信されるデータの更新時間情報を取得するものである。さらに、データ取得部は、前記時間情報取得部により取得された更新時間情報に合わせ、所定のアプリケーションを利用して前記データを取得するものである。そして、録画処理部は、前記映像、前記データ、及び前記更新時間情報を対応付けて記録するものである。なお、上記の録画制御部116は、この録画処理部の一例である。
【0122】
このような構成にすることで、上記の録画装置は、映像受信部により映像を受信すると共に、その映像の放送時間に配信されるデータをデータ取得部により取得することができる。但し、上記の録画装置は、時間情報取得部によりデータの更新時間情報を取得し、当該更新時間情報に基づいてデータ取得部によりデータを取得する。そのため、データが映像の進行状況に連動して配信されるものであっても、上記の録画装置は、その配信タイミングに合わせてデータを取得することができる。さらに、映像、データ、更新時間情報は、上記の録画処理部により対応付けて記録されるため、映像を再生する際に、更新時間情報に基づいて、データを再生映像の進行状況に連動して表示することができる。そのため、ユーザは、各映像シーンに関連付けて配信される関連情報のデータを再生映像に合わせて適切なタイミングで視聴することが可能になる。
【0123】
また、上記の録画装置は、前記録画処理部により記録された映像を再生する映像再生部と、前記所定のアプリケーションを利用して前記録画処理部により記録されたデータを処理するデータ処理部とをさらに備えていてもよい。この場合、前記データ処理部は、前記録画処理部により記録された更新時間情報に基づき、前記映像再生部により再生される映像の進行状況に連動させながら前記データを処理するように構成される。なお、映像の進行状況に連動させるには、映像の再生開始時刻を基準にタイマーを始動させ、更新時間情報に示された一定又は不定期の時間間隔でデータの表示を更新すればよい。このような構成にすることで、再生映像の進行状況に連動しながらデータが表示される。その結果、ユーザは、リアルタイムに映像とデータとを視聴しているのと同じ環境を再現することが可能になる。
【0124】
また、前記更新時間情報には、所定の時間間隔が示されていることがある。データの更新間隔が一定の場合、このように更新時間情報には更新時刻が示されるのではなく、時間間隔のみが示されていることがある。この場合、前記データ取得部は、前記更新時間情報に示された所定の時間間隔で前記データを取得する。このような構成にすることで、更新時間情報のデータ量が低減される。なお、所定の時間間隔は、録画装置により最低限更新して欲しい時間間隔が示されていてもよい。この場合、録画装置は、自装置の受信性能に応じて所定の時間間隔よりも短い時間間隔を設定し、その時間間隔でデータを取得する。
【0125】
また、前記更新時間情報には、前記映像のシーンチェンジに応じて更新される映像関連データの更新時間が示されていることがある。この場合、前記データ処理部は、前記録画処理部により記録された更新時間情報に基づき、前記映像再生部により再生される映像のシーンチェンジに同期させながら、所定の表示アプリケーションを用いて前記映像関連データを表示する。このような構成にすることで、ユーザは、記録映像を再生する際に、再生映像の映像シーンと映像関連データとの間の関連性を認識しつつ、映像関連データを閲覧することが可能になる。
【0126】
また、上記の録画装置は、所定の映像の録画開始時刻を管理する予約管理部をさらに備えていてもよい。この場合、前記予約管理部は、前記録画開始時刻に合わせて前記映像受信部に所定の映像を受信させ、前記データ取得部に前記データを取得するためのアプリケーションを起動させ、当該アプリケーションを利用して前記データを取得させる。このような構成にすることで、ユーザは、予約録画を行う際にも、映像の進行状況に連動して配信されるデータを対応付けて記録することができる。その結果、ユーザがリアルタイムで映像を視聴していなくても、映像の進行状況に連動して表示されるデータを映像と共に視聴することが可能になる。
【0127】
また、前記予約管理部は、前記所定の映像に対応付けられたアプリケーションの情報を管理しており、前記データ取得部に対し、前記録画開始時刻に合わせて前記所定の映像に対応付けられたアプリケーションを起動させ、当該アプリケーションにより前記データを取得させる。アプリケーションは、それぞれ処理可能なデータの種類が異なる。また、その処理により得られる結果も異なる。そのため、上記の録画装置は、予約録画する際に、ユーザが希望する処理結果を提供するアプリケーションを指定することができるように構成されている。このような構成にすることで、ユーザは、録画開始時点で提供されるデータの内容は分からないものの、取得するデータの種類を予約設定することができる。
【0128】
また、上記の録画装置は、再生又は録画操作を行うユーザの嗜好情報を解析する嗜好情報解析部をさらに備えていてもよい。この場合、前記予約管理部は、前記嗜好情報解析部による解析結果に基づいて前記所定の映像及び前記ユーザの組み合わせに適合したアプリケーションを自動選択し、当該自動選択されたアプリケーションを前記所定の映像に対応付けて管理する。このような構成にすることで、ユーザは、予約録画を設定する際にアプリケーションを選択しなくても済むようになる。また、ユーザの嗜好に適したアプリケーションが自動的に選択されるため、ユーザが、お気に入りのアプリケーションを発見できるようになる。
【0129】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0130】
例えば、上記の実施形態の説明においては、ウィジェットからデータ配信サーバ14に対してチャンネル情報を通知し、そのチャンネル情報に基づいてデータ配信サーバ14が番組を特定してデータを配信する構成が例示された。しかし、上記の実施形態に係る技術は、このような構成に限定されず、例えば、ウィジェットがチャンネル情報に基づいて取得すべきデータを判断するように構成されていてもよい。また、上記の予約録画シーケンス等に関しては、ウィジェットが一定間隔でデータ配信サーバ14からデータを取得して表示する構成について説明した。しかし、上記の予約録画シーケンス等は、データが更新される度にデータ配信サーバ14から更新通知が送信され、この更新通知がウィジェットにより受信される度に表示が更新されるように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】ウィジェットを用いて情報を提供する情報提供システムのシステム構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る録画再生装置の機能構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る記録データの対応関係を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る予約情報の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る予約録画設定画面の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る予約リストの表示例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る予約録画処理の全体的な流れを示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る予約録画処理の全体的な流れを示す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る予約録画処理の流れの一部を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る録画ファイル名の更新方法を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る録画映像の再生シーケンスを示す説明図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る録画映像の再生シーケンスを示す説明図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る録画映像の再生処理の一部を示す説明図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る録画再生装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0132】
1 情報提供システム
1000 情報提供システム
10 表示装置
12 ウィジェット配信サーバ
14 データ配信サーバ
16 放送局
20 ネットワーク
100 録画再生装置
110 録画処理部
112 映像受信部
114 ウィジェット管理部
116 録画制御部
118 記憶部
120 予約管理部
122 嗜好情報解析部
132 データ取得部
134 時間情報取得部
136 ウィジェット取得部
150 再生処理部
152 映像再生部
154 データ処理部
156 表示制御部
702 放送受信チューナ
704 スクランブル解除部
706 デマルチプレクサ
708 ビデオデコーダ
710 オーディオデコーダ
712 ネットワークインターフェース
714 CASモジュール
716 メモリ
718 CPU
720 リモートコントローラインターフェース
722 OSD部
724 重畳部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送されている映像を受信する映像受信部と、
前記映像の放送時間に配信されるデータの更新時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記時間情報取得部により取得された更新時間情報に合わせ、所定のアプリケーションを利用して前記データを取得するデータ取得部と、
前記映像、前記データ、及び前記更新時間情報を対応付けて記録する録画処理部と、
を備える、録画装置。
【請求項2】
前記録画処理部により記録された映像を再生する映像再生部と、
前記所定のアプリケーションを利用して前記録画処理部により記録されたデータを処理するデータ処理部と、
をさらに備え、
前記データ処理部は、前記録画処理部により記録された更新時間情報に基づき、前記映像再生部により再生される映像の進行状況に連動させながら前記データを処理する、請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
前記更新時間情報には、所定の時間間隔が示されており、
前記データ取得部は、前記更新時間情報に示された所定の時間間隔で前記データを取得する、請求項1に記載の録画装置。
【請求項4】
前記更新時間情報には、前記映像のシーンチェンジに応じて更新される映像関連データの更新時間が示されており、
前記データ処理部は、前記録画処理部により記録された更新時間情報に基づき、前記映像再生部により再生される映像のシーンチェンジに同期させながら、所定の表示アプリケーションを用いて前記映像関連データを表示する、請求項2に記載の録画装置。
【請求項5】
所定の映像の録画開始時刻を管理する予約管理部をさらに備え、
前記予約管理部は、前記録画開始時刻に合わせて前記映像受信部に所定の映像を受信させ、前記データ取得部に前記データを取得するためのアプリケーションを起動させ、当該アプリケーションを利用して前記データを取得させる、請求項1に記載の録画装置。
【請求項6】
前記予約管理部は、前記所定の映像に対応付けられたアプリケーションの情報を管理しており、前記データ取得部に対し、前記録画開始時刻に合わせて前記所定の映像に対応付けられたアプリケーションを起動させ、当該アプリケーションにより前記データを取得させる、請求項5に記載の録画装置。
【請求項7】
再生又は録画操作を行うユーザの嗜好情報を解析する嗜好情報解析部をさらに備え、
前記予約管理部は、前記嗜好情報解析部による解析結果に基づいて前記所定の映像及び前記ユーザの組み合わせに適合したアプリケーションを自動選択し、当該自動選択されたアプリケーションを前記所定の映像に対応付けて管理する、請求項6に記載の録画装置。
【請求項8】
放送されている映像が受信される映像受信ステップと、
前記映像の放送時間に配信されるデータの更新時間情報が取得される時間情報取得ステップと、
前記時間情報取得ステップにおいて取得された更新時間情報に合わせ、所定のアプリケーションを利用して前記データが取得されるデータ取得ステップと、
前記映像、前記データ、及び前記更新時間情報が対応付けて記録される録画処理ステップと、
を含む、録画方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−130347(P2010−130347A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302829(P2008−302829)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】