説明

鍵およびその動作方法、鍵管理装置および鍵管理方法、鍵管理システム、並びにプログラム

【課題】開錠や施錠の処理に当たり、認証処理などを必要としない従来の簡易な構造の錠前に使用する鍵であって、同一の鍵を複数に使用する際に、利用者が頻繁に変更するような使用条件であっても、鍵毎の使用状態を管理できるようにする。
【解決手段】鍵11は、内蔵される加速度センサにより自らの動作状態を検出して動作履歴としてAP13を介してホールコンピュータ22に送信する。ホールコンピュータ22は、鍵11の動作履歴の情報をAP13を介して取得して、動作状態の情報を表示部22aに表示する。このとき、ホールコンピュータ22は、AP13を介して鍵11との通信ができない未接続時間が所定時間以上になると公衆回線23を介して鍵11に通信し、鍵11に内蔵されるGPSにより位置情報を送信するように要求し取得する。本技術は、鍵管理システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、鍵およびその動作方法、鍵管理装置および鍵管理方法、鍵管理システム、並びにプログラムに関し、特に、鍵の管理にあたり、どの鍵が、どの時刻に、どこに持ち出されて、どのように動作されたのかを管理できるようにした鍵およびその動作方法、鍵管理装置および鍵管理方法、鍵管理システム、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコパチスロ遊技機(以下、単に遊技機と称するものとする)において、搭載される錠前と、この錠前を操作する鍵は、メカニカル式のものが一般的であり、この対になった錠前と鍵の暗号(勘合)コードが一致した場合、錠前の開錠操作による扉および枠の開閉操作、または錠前にリンクされた連結部材によるリセット操作が可能となるものである。
【0003】
遊技機を操作可能な同一コードの鍵は複数の従業員が所持しているため、遊技店内で誰が、どこで、どの鍵を用いて、どの遊技機の錠前を操作して扉および枠の開閉、またはリセット操作したのかを監視するいわゆる鍵の動作内容を含む管理が困難であった。
【0004】
そこで、このような鍵の管理を実現させるために、別途監視カメラを設置して、監視カメラにより撮像された画像を監視したり、インカムのような通信装置を用いて監視することが考えられる。しかしながら、監視カメラやインカムを利用した監視は、余分な作業を伴う割に監視不足による見逃しなどが発生し易く、十分なセキュリティを保つことは困難であった。また、監視カメラやインカムを利用した監視は、遊技店内における監視が仮にできたとしても、鍵が遊技店外に持ち出されると、不正行為がなされていても、不正情報を得ることは困難であった。
【0005】
これらの困難を解消するため、遊技機のガラス扉および前扉(枠)の開錠を電子キーに記憶された認証コードを用いて鍵の開閉を管理する鍵管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平02−211188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の鍵管理システムでは、錠前が設けられる遊技機と管理装置とが接続され、認証コードを読み取り照合するといった処理が必要となり、既存の遊技機に設置しようとすると、大掛かりな改造が必要となることから、その導入に係る遊技店の負担が大きかった。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、事前に登録された複数個の鍵が所定エリア内のどの位置に存在しているかを常時監視し、個々の鍵の使用状態をリアルタイムで管理すると共に、個々の鍵で操作(開錠)可能な遊技機などの状態を管理することで、関連する遊技機及び鍵のセキュリティを向上させるものである。また、鍵の位置情報および動作履歴を時刻に対応付けて記憶させることにより、個々の鍵の移動動線履歴と動作履歴を管理し、個々の鍵を持つ係員の行動を把握できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の第1の側面の鍵は、鍵管理装置に管理される鍵であって、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部とを含む。
【0010】
前記動作検出部には、3次元方向のそれぞれの方向の加速度を測定する加速度センサを含ませるようにすることができ、前記加速度センサにより測定される加速度の情報を自らの動作状態として検出させるようにすることができる。
【0011】
前記動作検出部には、3次元方向のそれぞれの方向の加速度を測定する加速度センサに加えて、磁気センサをさらに含ませるようにすることができ、前記加速度センサにより測定される加速度の情報、および前記磁気センサにより測定される地磁気に対する方向の情報を自らの動作状態として検出させるようにすることができる。
【0012】
前記公衆回線通信部が、公衆回線を介して、前記鍵管理装置より位置情報の要求を受けた場合、前記位置情報取得部には、前記GPSにより位置情報を取得させるようにすることができ、前記公衆回線通信部には、前記位置情報取得部により取得された位置情報を公衆回線を介して前記鍵管理装置に送信させるようにすることができる。
【0013】
前記送信部により前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信することができたタイミングからの時間を計測する時間計測部をさらに含ませるようにすることができ、前記時間計測部により計測された時間が、所定の時間を越えた場合、前記位置情報取得部には、前記GPSにより位置情報を取得させ、前記公衆回線通信部には、前記位置情報取得部により取得された位置情報を公衆回線を介して前記鍵管理装置に送信させるようにすることができる。
【0014】
自らが錠に挿入されたことを検出する錠挿入検出部をさらに含ませるようにすることができ、前記動作検出部には、前記錠挿入検出部により自らが錠に挿入されたことが検出されたとき、自らの動作状態を検出させるようにすることができ、前記送信部には、前記動作状態が検出されたとき、前記動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信させるようにすることができる。
【0015】
前記送信部には、動作状態が所定時間検出されないとき、動作が何も検出されないことを前記動作状態の情報として、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信させるようにすることができる。
【0016】
本技術の第1の側面の鍵の動作方法は、鍵管理装置に管理される鍵であって、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部とを含む鍵の動作方法であって、前記動作検出部における、自らの動作状態を検出する動作検出ステップと、前記送信部における、前記動作検出ステップの処理により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信ステップと、前記位置情報取得部における、前記GPSにより位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記公衆回線通信部における、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信ステップとを含む。
【0017】
本技術の第1の側面のプログラムは、鍵管理装置に管理される鍵であって、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部とを含む鍵を制御するコンピュータに、前記動作検出部における、自らの動作状態を検出する動作検出ステップと、前記送信部における、前記動作検出ステップの処理により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信ステップと、前記位置情報取得部における、前記GPSにより位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記公衆回線通信部における、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信ステップとを含む処理を実行させる。
【0018】
本技術の第2の側面の鍵管理装置は、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部とを含む鍵を管理する鍵管理装置であって、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部とを含む。
【0019】
前記受信装置により前記鍵の動作状態の情報が受信された最後のタイミングからの時間を計測する時間計測部をさらに含ませるようにすることができ、前記公衆回線通信部には、前記時間が所定の時間より長い場合、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得させるようにすることができ、前記格納部には、前記公衆回線通信部により取得された鍵の位置情報を格納させるようにすることができる。
【0020】
前記公衆回線通信部には、前記鍵より公衆回線を介して位置情報が送信されてきたとき、前記鍵の位置情報を取得させるようにすることができ、前記格納部には、前記公衆回線通信部により取得された鍵の位置情報を格納させるようにすることができる。
【0021】
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置のうち、前記鍵の動作状態の情報を取得することができた受信装置の設置位置に応じて、前記鍵の位置を特定する鍵位置特定部をさらに含ませるようにすることができ、前記格納部には、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報に対応付けて、前記鍵の位置の情報を格納させるようにすることができる。
【0022】
前記鍵位置特定部には、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置のうち、前記鍵の動作状態の情報を取得することができた受信装置の設置位置と、前記動作状態の情報を取得するときの電波強度とに基づいて、前記電波強度に応じて求められる重心位置により、前記鍵の位置を特定させるようにすることができる。
【0023】
本技術の第2の側面の鍵管理方法は、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部とを含む鍵を管理する鍵管理装置であって、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、前記格納部に格納された動作状態の情報を表示する表示部とを含む鍵管理装置の鍵管理方法は、前記取得部における、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得ステップと、前記公衆回線通信部における、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信ステップと、前記格納部における、前記取得ステップの処理により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信ステップの処理により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納ステップと、前記表示部における、前記格納ステップの処理で格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示ステップとを含む。
【0024】
本技術の第2の側面のプログラムは、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部とを含む鍵を管理する鍵管理装置であって、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、前記格納部に格納された動作状態の情報を表示する表示部とを含む鍵管理装置を制御するコンピュータに、前記取得部における、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得ステップと、前記公衆回線通信部における、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信ステップと、前記格納部における、前記取得ステップの処理により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信ステップの処理により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納ステップと、前記表示部における、前記格納ステップの処理で格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示ステップとを含む処理を実行させる。
【0025】
本技術の第3の側面の鍵管理システムは、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部とを含む鍵と、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部とを含む鍵管理装置とからなる。
【0026】
本技術の第1の側面においては、鍵自らの動作状態が検出され、検出された動作状態の情報が、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信され、GPSにより位置情報が取得され、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報が送信される。
【0027】
本技術の第2の側面においては、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報が取得され、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報が取得され、取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報が格納され、格納された動作状態の情報、または、鍵の位置情報が表示される。
【0028】
本技術の第3の側面においては、鍵自らの動作状態が検出され、検出された動作状態の情報が、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信され、GPSにより位置情報が取得され、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報が送信され、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報が取得され、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報が取得され、取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報が格納され、格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報が表示される。
【0029】
すなわち、本技術の第3の側面の鍵管理システムにおける、鍵管理システムを構成する鍵とは、例えば、遊技機の扉、および枠を開閉すると共に、リセットする錠前に対応する鍵であり、鍵管理装置とは、例えば、遊技店におけるホールコンピュータであり、前記鍵における自らの動作状態を検出する動作検出部とは、例えば、加速度センサおよび磁気センサであり、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部とは、例えば、AP(アクセスポイント)通信部であり、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部は、例えば、GPSであり、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部とは、例えば、鍵に設けられた公衆回線通信部であり、前記鍵管理装置における、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部とは、例えば、履歴管理テーブルであり、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部とは、ホールコンピュータの公衆回線通信部であり、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部とは、例えば、データストレージであり、前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部とは、例えば、ホールコンピュータの表示部である。
【0030】
すなわち、鍵に設けられている加速度センサおよび磁気センサの検出結果である加速度、および地磁気とのずれの情報が、鍵のAP通信部により鍵の最寄に存在するAPに送信される。ホールコンピュータが、APを介して供給されてくる各鍵の加速度、および地磁気とのずれの情報に基づいて認識される鍵の動作状態、並びに、受信したAPを特定する情報と共に、受信した時刻に対応付けて登録される履歴管理テーブルを動作履歴としてデータストレージに格納する。また、GPSは、自らの地球上での位置情報を取得する。そして、鍵の公衆回線通信部が、公衆回線網を介して鍵管理装置であるホールコンピュータに鍵の位置情報を送信する。ホールコンピュータは、公衆回線通信部を介して取得される鍵の位置情報に基づいて、鍵の位置情報と共に、受信した時刻に対応付けて履歴管理テーブルに登録して、データストレージに格納させる。
【0031】
表示部は、データストレージに格納された履歴管理テーブルに基づいて、動作履歴を時刻に対応付けて読み出して表示すると共に、対応付けて格納されているAPの位置を順次トレースすることにより鍵の移動動線履歴を表示する。また、表示部は、データストレージに格納されている履歴管理テーブルに基づいて、鍵に内蔵されるGPSにより取得された鍵の位置情報を受信された時刻に対応付けて表示する。
【0032】
結果として、どの鍵が、どの位置で、どのタイミングで、どのように動作されているのかをリアルタイムで監視することができ、さらに、鍵の使用者がどのように移動したのかを管理することが可能となる。また、鍵がAPが設けられている、例えば、遊技店の店外に持ち出されて、鍵とAPとが通信できない状態となっても、鍵に内蔵されたGPSにより位置情報が取得されて、公衆回線を介してホールコンピュータに供給されるので、店外であっても、持ち出された鍵の位置を特定することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
本技術によれば、認証処理などを行わない従来の簡易な構造の錠前に使用する鍵であって、同一の鍵を複数に使用する際に、鍵毎の動作履歴を容易で、かつ、安価なシステムにより管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本技術の鍵管理システムを適用した遊技店の店舗の構成例を説明する図である。
【図2】図1の鍵管理システムの構成例を説明する図である。
【図3】鍵の構造例を示す構造図である。
【図4】鍵の構造例を示す構造図である。
【図5】鍵により実現される機能を示すブロック図である。
【図6】鍵収納庫により実現される機能を示すブロック図である。
【図7】APにより実現される機能を示すブロック図である。
【図8】図1の鍵管理システムにおける通信構成を示す図である。
【図9】ホールコンピュータにより実現される機能を示すブロック図である。
【図10】鍵による鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図11】鍵収納庫による鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図12】APによる鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図13】図9のホールコンピュータによる鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図14】電波強度テーブルの構成を説明する図である。
【図15】APテーブルの構成を説明する図である。
【図16】図9のホールコンピュータによる未接続カウント処理を説明するフローチャートである。
【図17】図9のホールコンピュータによる動作履歴保存処理を説明するフローチャートである。
【図18】履歴管理テーブルの構成を説明する図である。
【図19】図9のホールコンピュータによる鍵位置推定処理を説明するフローチャートである。
【図20】図2の鍵管理システムによる鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図21】動線履歴表示処理を説明するフローチャートである。
【図22】動線履歴の表示例を説明する図である。
【図23】ホールコンピュータの変形例を説明する図である。
【図24】図23のホールコンピュータによる鍵位置推定処理を説明するフローチャートである。
【図25】図23のホールコンピュータによる鍵位置推定処理における座標の設定例を説明する図である。
【図26】図23のホールコンピュータによる鍵位置推定処理における座標の設定例を説明する図である。
【図27】図23のホールコンピュータによる鍵位置推定処理における重心座標を求める際の座標設定例を説明する図である。
【図28】図23のホールコンピュータによる鍵位置推定処理における重心座標を求める際の座標設定例を説明する図である。
【図29】図23のホールコンピュータによる鍵位置推定処理における遊技機のエリアの座標設定例を説明する図である。
【図30】鍵のその他の構成例を示す図である。
【図31】ホールコンピュータのその他の構成例を示す図である。
【図32】図30の鍵による鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図33】図31のホールコンピュータによる鍵管理処理を説明するフローチャートである。
【図34】図31のホールコンピュータによる動作履歴保存処理を説明するフローチャートである。
【図35】汎用のコンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に本技術の実施の形態を説明するが、本技術の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本技術をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本技術の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0036】
すなわち、本技術の第1の側面の鍵は、鍵管理装置に管理される鍵であって、自らの動作状態を検出する動作検出部(例えば、図5の加速度センサ102、および磁気センサ103)と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部(例えば、図5のAP通信部107)と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部(例えば、図5のGPS104)と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部(例えば、図5の公衆回線通信部106)とを含む。
【0037】
前記公衆回線通信部(例えば、図5の公衆回線通信部106)が、公衆回線を介して、前記鍵管理装置より位置情報の要求を受けた場合、前記位置情報取得部(例えば、図5のGPS104)には、前記GPSにより位置情報を取得させるようにすることができ、前記公衆回線通信部(例えば、図5の公衆回線通信部106)には、前記位置情報取得部により取得された位置情報を公衆回線を介して前記鍵管理装置に送信させるようにすることができる。
【0038】
前記送信部により前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信することができたタイミングからの時間を計測する時間計測部(例えば、図5の未接続時間判定部305b)をさらに含ませるようにすることができ、前記時間計測部により計測された時間が、所定の時間を越えた場合、前記位置情報取得部(例えば、図5のGPS104)には、前記GPSにより位置情報を取得させ、前記公衆回線通信部(例えば、図5の公衆回線通信部106)には、前記位置情報取得部により取得された位置情報を公衆回線を介して前記鍵管理装置に送信させるようにすることができる。
【0039】
自らが錠に挿入されたことを検出する錠挿入検出部(例えば、図5の鍵挿入検出部101)をさらに含ませるようにすることができ、前記動作検出部には、前記錠挿入検出部により自らが錠に挿入されたことが検出されたとき、自らの動作状態を検出させるようにすることができ、前記送信部には、前記動作状態が検出されたとき、前記動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信させるようにすることができる。
【0040】
本技術の第1の側面の鍵の動作方法およびプログラムは、鍵管理装置に管理される鍵であって、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部とを含む鍵の動作方法であって、前記動作検出部における、自らの動作状態を検出する動作検出ステップ(例えば、図10のステップS8乃至10)と、前記送信部における、前記動作検出ステップの処理により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信ステップ(例えば、図10のステップS13)と、前記位置情報取得部における、前記GPSにより位置情報を取得する位置情報取得ステップ(例えば、図10のステップS21)と、前記公衆回線通信部における、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信ステップ(例えば、図10のステップS22)とを含む。
【0041】
本技術の第2の側面の鍵管理装置は、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部とを含む鍵を管理する鍵管理装置であって、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部(例えば、図9の履歴管理テーブル191f)と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部(例えば、図9の公衆回線通信部198)と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部(例えば、図9のデータストレージ197)と、前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部(例えば、図9の表示部193)とを含む。
【0042】
前記受信装置により前記鍵の動作状態の情報が受信された最後のタイミングからの時間を計測する時間計測部(例えば、図9の未接続時間テーブル191c)をさらに含ませるようにすることができ、前記公衆回線通信部には、前記時間が所定の時間より長い場合、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得させるようにすることができ、前記格納部には、前記公衆回線通信部により取得された鍵の位置情報を格納させるようにすることができる。
【0043】
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置のうち、前記鍵の動作状態の情報を取得することができた受信装置の設置位置に応じて、前記鍵の位置を特定する鍵位置特定部(例えば、図9の位置特定部191g)をさらに含ませるようにすることができ、前記格納部には、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報に対応付けて、前記鍵の位置の情報を格納させるようにすることができる。
【0044】
前記鍵位置特定部(例えば、図23の位置特定部231)には、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置のうち、前記鍵の動作状態の情報を取得することができた受信装置の設置位置と、前記動作状態の情報を取得するときの電波強度とに基づいて、前記電波強度に応じて求められる重心位置により、前記鍵の位置を特定させるようにすることができる。
【0045】
本技術の第2の側面の鍵管理方法およびプログラムは、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部とを含む鍵を管理する鍵管理装置であって、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、前記格納部に格納された動作状態の情報を表示する表示部とを含む鍵管理装置の鍵管理方法は、前記取得部における、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得ステップ(例えば、図13のステップS119,S121)と、前記公衆回線通信部における、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信ステップ(例えば、図17のステップS197)と、前記格納部における、前記取得ステップの処理により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信ステップの処理により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納ステップ(例えば、図17のステップS178,S185,S191,S200)と、前記表示部における、前記格納ステップの処理で格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示ステップ(例えば、図21のステップS287,S288)とを含む。
【0046】
本技術の第3の側面の鍵管理システムは、自らの動作状態を検出する動作検出部と、前記動作検出部(例えば、図5の加速度センサ102、および磁気センサ103)により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部(例えば、図5のAP通信部107)と、GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部(例えば、図5のGPS104)と、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部(例えば、図5の公衆回線通信部106)とを含む鍵と、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部(例えば、図9の履歴管理テーブル191f)と、公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部(例えば、図9の公衆回線通信部198)と、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部(例えば、図9のデータストレージ197)と、前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部(例えば、図9の表示部193)とを含む鍵管理装置とからなる。
【0047】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(ホールコンピュータが公衆回線を介して鍵に問い合わせる例)
2.変形例
3.第2の実施の形態(鍵とホールコンピュータとが相互に公衆回線を介して問い合わせる例)
【0048】
<1.第1の実施の形態>
[本技術の鍵管理システムを用いた遊技店の店舗の一実施の形態の構成例]
図1は、本技術の鍵管理システムを用いた遊技店の店舗の一実施の形態の構成例を示す図である。図1においては、遊技店の店舗1と、その管理事務所2とからなる鍵管理システムを実施している遊技店の構成例を示している。遊技店で管理する鍵11は、遊技機のそれぞれに設けられた錠前の鍵穴に挿入されて、例えば、右方向に回転させると遊技機の扉の錠前が開錠され、左方向に回転させると遊技機の枠のみが開錠されて、いずれの錠前も施錠される構成となっている。尚、回転方向に対する扉および枠の開錠は、上述の逆の関係であってもよい。また、この鍵は、コードが共通とされることで、1つの鍵11で全ての遊技機の錠前を開錠および施錠することができる。また、鍵11は、複数に用意されており、通常、管理事務所2の鍵収納庫21内に収納されており、必要に応じて鍵収納庫21からの電力供給を受けて内蔵する電池54(図5)を充電する。
【0049】
さらに、鍵11は、すなわち、鍵穴への挿入、および回転を検出することにより、自らの動作状態を検出する。また、鍵11は、検出した自らの動作状態の情報を遊技機の位置に対応付けて設置されるアクセスポイント(以降において、APと称する)13と無線により通信し、AP13を介して、管理事務所2に設置されるホールコンピュータ22に送信する。鍵11とAP13との通信は、例えば、ブルートゥースなどによる近距離無線通信である。図1においては、遊技機の配置に併せてAP13−1乃至13−160が設けられていることが示されている。尚、図1においては、遊技機が記載されていないが、AP13のそれぞれの位置に対応して設置されているものとする。また、AP13−1乃至13−160のそれぞれについて特に区別する必要がない場合、単に、AP13と称するものとし、それ以外の構成についても同様に称するものとする。
【0050】
また、図1の店舗1においては、遊技機が島設備A乃至Hに設けられており、対応してAP13が設置されている。すなわち、図1においては、島設備Aに設置される遊技機に対応してAP13−1乃至13−20が設けられており、島設備Bに設置される遊技機に対応してAP13−21乃至13−40が設けられており、島設備Cに設置される遊技機に対応してAP13−41乃至13−60が設けられており、島設備Dに設置される遊技機に対応してAP13−61乃至13−80が設けられている。同様に、島設備Eに設置される遊技機に対応してAP13−81乃至13−100が設けられており、島設備Fに設置される遊技機に対応してAP13−101乃至13−120が設けられており、島設備Gに設置される遊技機に対応してAP13−121乃至13−140が設けられており、島設備Hに設置される遊技機に対応してAP13−141乃至13−160が設けられている。
【0051】
各AP13は、有線または無線によりホールコンピュータ22と接続されており、鍵11との通信により供給されてくる鍵11の動作状態の情報をホールコンピュータ22に供給する。この際、1つの鍵11は、通信可能な距離に存在する全てのAP13と通信し、同様の動作状態の情報を送信する。すなわち、例えば、図1においては、ユーザ12−1が鍵11−1を持ち出し、例えば、ユーザ12−2で示す位置に移動した場合、移動した鍵11−2は、その近傍のAP13−21乃至13−23と通信し、自らの動作状態の情報を送信する。このとき、AP13−21乃至13−23は、鍵11−2より供給された動作状態の情報を有線または無線によりホールコンピュータ22に送信する。
【0052】
また、例えば、ユーザ12−3乃至12−5で示す位置に移動した場合、移動した鍵11−2乃至11−5は、それぞれ、その近傍のAP13−36乃至13−38、AP13−96乃至13−98、およびAP13−148乃至13−150と通信し、自らの動作状態の情報を送信する。このとき、AP13−21乃至13−23、AP13−96乃至13−98、およびAP13−148乃至13−150は、それぞれ鍵11−2乃至5より供給された動作状態の情報を有線または無線によりホールコンピュータ22に送信する。
【0053】
ホールコンピュータ22は、このAP13からの鍵11の動作状態の情報に基づいて、鍵11の位置を特定すると共に、受信した鍵11の動作状態の情報を格納する。ホールコンピュータ22は、AP13を介して、定期的に鍵11からの動作状態の情報を取得して格納する。
【0054】
例えば、図1のユーザ12−6で示されるように、遊技店の店舗1の扉3から外部に鍵11−6が持ち出されると、店舗1内にしか設けられていないAP13との通信ができなくなるので、ホールコンピュータ22は、定期的に鍵11からの動作状態の情報が取得できない状態となる。このような場合、ホールコンピュータ22は、公衆回線23を介して鍵11と通信し、鍵11のGPS104(図5)により取得される位置情報を取得して格納すると共に、鍵11が店舗1の外部に持ち出されたことを通知する。
【0055】
また、ホールコンピュータ22は、格納した動作状態の情報を必要に応じて表示する。
【0056】
[鍵管理システムの構成例]
図2は、本技術を用いた鍵管理システムの一実施の形態の構成例を示す図である。図2における左部は、鍵収納庫21の本体の外観斜視図であり、中央上段部は、鍵11および鍵収納庫21の収納棚21bの外観斜視図であり、中央下段部は、鍵11および収納棚21bの上面図であり、右上段部は中央上段図の範囲Aで示される鍵11および収納棚21bの拡大外観斜視図であり、右下段部は中央下段図の範囲Bで示される鍵11および収納棚21bの拡大上面図である。
【0057】
鍵11は、図示せぬ機械式の錠前の鍵穴にその先端部を挿入して、左右に回転させることにより錠前を施錠、または開錠させる。鍵11は、マイクロプロセッサからなる制御部105(図5)を備えており、自らの姿勢を認識することができ、例えば、自らが錠前の鍵穴に挿入されて、回転されると、その回転に伴った動作状態を認識し、認識した動作状態の情報を時刻に対応付けて動作履歴としてAP13を介してホールコンピュータ22に送信する。
【0058】
鍵収納庫21の本体には、収納部位の扉21a、および複数の鍵11を収納する収納棚21b−1乃至21b−3が設けられている。尚、図2の収納棚21b−1乃至21b−3については、3段のみの棚が描かれているがそれ以上の段数としてもよい。また、収納棚21b−1乃至21b−3のそれぞれについて特に区別する必要がない場合、単に収納棚21bと称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
【0059】
収納棚21bは、鍵11のフォルダ部11bをツメ31aにより固定して収納すると共に、その収納状態を検出する鍵収納検出部31−1乃至31−6を備えている。尚、図2においては、収納棚21bに6個の鍵収納検出部31を設ける例について示しているが、その個数は、それ以外の個数であってもよいものである。図2の中央上段図、および中央下段図においては、鍵11−2乃至11−6が、鍵収納検出部31−2乃至31−6に収納されている様子が示されている。また、図2の中央上段図、および中央下段図においては、鍵収納検出部31−1については、鍵11−1が収納されていない状態が示されている。尚、図2においては、表示部22a、および操作部22bは、ホールコンピュータ22を用いる例について示したものとなっているが、専用の表示部22a、および操作部22bを設けて、例えば、本体と一体の構成とするようにしてもよい。
【0060】
鍵収納庫21は、鍵収納検出部31により鍵11の収納が検出されると、鍵11に電力を供給して充電させる。
【0061】
[鍵の構成例]
次に、図3乃至図5を参照して、鍵11の構成例について説明する。ここで、図3は、鍵11の分解図であり、図4は、外観斜視図であり、図5は、鍵11により実現される機能を示す機能ブロック図である。尚、図4は、外観斜視図となっているが、ホルダ部11bの内部が透明状に描かれており、その内部の構造を示す構造図にもなっている。
【0062】
鍵11は、キーコードが刻まれている棒状の鍵部11a、および使用者が使用する際、摘んで使用する部位であるホルダ部11bとから構成されている。鍵部11aは、錠前に設けられた鍵穴に挿入する部位であり、キーコードが刻まれている。ホルダ部11bは、使用者が鍵11を使用する際に摘む部位となる他、基板53、および電池54などを含む構成となっている。
【0063】
より詳細には、鍵11のホルダ部11bは、図3で示される上下方向からカバー52,55により、基板53、電池54、および鍵挿入検出部101を挟み込むように内蔵している。また、カバー52,55は、それぞれ対応する位置に設けられた穴部を通してネジ51−1乃至51−4により螺合されている。また、ホルダ部11bには、棒状の鍵部11aが挿入されて固定されている。
【0064】
ホルダ部11bは、カバー52,55により特殊なロックネジ等からなるネジ51−1乃至51−4により羅合されることにより、封印されており分解不能に構成されている。この封印により内部に収納された部材や鍵部11aが、不正に交換できない構成となっている。尚、封印は、特殊ネジを用いる例を示しているが封印が可能であれば、その他の構成でもよく、例えば、封印シール等によるものでもよい。
【0065】
ホルダ部11bにおける棒状の鍵部11aの根本付近には、錠挿込検出部11cが設けられている。この錠挿込検出部11cは、ドグ式メカニカルスイッチを構成しており、鍵11の鍵部11aが錠前の鍵穴に差し込まれて、鍵部11a全体が鍵穴に挿入されると、図示せぬ錠に当接することで押し込まれる構成となっている。鍵挿入検出部101は、錠挿込検出部11cの動きを検出することにより、鍵11の鍵部11aが鍵穴に挿入されたことを認識し、挿入を認識したとき、対応する信号を制御部105に出力する。尚、この実施例においては、錠挿込検出部11cは、ドグ式メカニカルスイッチで構成されている例について示しているが、ドグの先端の磨耗などを考慮した場合、円盤状の面受け部材を配置し、このドグの摺動による磨耗対策を施すことで対応するようにしてもよい。また、メカニカルスイッチのノーマルオープンタイプは電池寿命を考慮した場合、最も有効な手段となるが、これに以外の実現手段として逆論理のメカニカルスイッチ、近接スイッチ、またはフォトセンサなどで構成するようにしてもよい。
【0066】
鍵11のホルダ部11bの内部には、鍵挿入検出部101、加速度センサ102、磁気センサ103、GPS104、制御部105、公衆回線通信部106、AP通信部107、状態確認部108、電源制御部121、および電池54が設けられている。尚、図4においては、電源制御部121が描かれていないが、ホルダ部11bの内部に設けられている。
【0067】
鍵挿入検出部101は、上述したように錠挿込検出部11cの動きを検出することにより、鍵11の鍵部11aが鍵穴に挿入された状態であるか否かを検出し、挿入が検出された場合、対応する信号を発生して、制御部105に供給する。
【0068】
加速度センサ102は、図4の棒状の鍵部11aおよびホルダ部11bの姿勢と動きを、図4のXYZ軸の3軸方向で加速度を検出し、この検出結果を制御部105に供給する。制御部105は、このXYZ軸方向の加速度により、鍵11の鍵部11a、およびホルダ部11bの傾き、および移動量を求め、これにより回転動作を検出する。
【0069】
磁気センサ103は、地磁気に対するXYZ軸方向のそれぞれのずれを検出し、制御部105に供給する。磁気センサ103により検出される地磁気に対するずれの情報は、加速度センサ102により検出される加速度により求められる傾き、および移動量の情報に加えて利用されることにより、方位に対する傾き、および移動量を求めることが可能となる。尚、鍵11の動作状態の履歴を求めるためには、磁気センサ103は、必ずしも必要な機能ではないため、省略するようにしてもよいものである。
【0070】
GPS(Global Positioning System)104は、図示せぬ複数の衛星からの信号を受信することにより、地球上の位置、すなわち、緯度および経度の情報を取得する。
【0071】
公衆回線通信部106は、図1における公衆回線23を介してホールコンピュータ22と通信する。AP通信部107は、AP13との通信に使用されるものであり、例えば、ブルートゥースなどの無線通信により構成される。AP通信部107は、制御部105により制御されてAP13との通信をする際、制御部105に内蔵される、図示せぬメモリにより記憶されている、鍵11のそれぞれに設定される固有の固体識別番号を、送信データのヘッダ部に付して通信する。このため、AP13を介して通信するホールコンピュータ22は、通信相手となる送信データがどの鍵11からのものであるかを認識することができる。同様に、ホールコンピュータ22からAP13を介して鍵11に対して送信される送信データのヘッダ部についても、宛先を特定するために固体識別番号が付されている。このため、鍵11においても、どのデータが自らを宛先にしたデータであるのかを認識することができ、自らを宛先にしたデータだけを受信することができる。
【0072】
状態確認部108は、制御部105からの制御信号に基づいて発光する複数のLED(Light Emission Diode)などからなる鍵11の動作状態を示す表示部であり、例えば、図4で示されるように、3個のLEDである。状態確認部108は、この3個のLEDの発光パターンを切り替えることにより動作状態を表示する。動作状態としては、例えば、電池の充電中、満充電、通信エラー発生、バッテリエラー発生、および鍵11の鍵部11aが鍵穴に挿入中であるなどの動作状態を含み、それらの動作状態に応じた表示状態に切り替えて表示する。タイマ109は、所定の時間間隔でカウントするタイマカウンタからなり、タイマカウンタのカウント値を順次制御部105に供給する。
【0073】
電源制御部121は、鍵収納庫21内で鍵11が鍵収納検出部31に収納された状態において、鍵収納庫21の電源部151からの電力供給を受けて、制御部105に電力を供給することで、鍵11の全体に電力を供給すると共に、電池54を充電させる。さらに、電源制御部121は、鍵11が鍵収納検出部31に収納されていない状態において、電池54より供給される電力を制御部105に供給し、鍵11の全体に電力を供給する。
【0074】
制御部105は、マイクロプロセッサなどからなり、鍵11の動作の全体を制御する。より具体的には、制御部105は、挿入認識部105a、状態認識部105b、残電圧認識部105c、位置認識部105d、および時間計測部105eを備えている。挿入認識部105aは、鍵挿入検出部101より供給されてくる信号に応じて、鍵11の鍵部11aが鍵穴に挿入されているか否かを認識する。状態認識部105bは、電源制御部121からの電力供給状態に基づいて、電池54の充電中、または満充電であるといった動作状態を認識する。また、状態認識部105bは、AP通信部107がAP13と通信できない状態であるとき、通信エラーの発生を認識する。さらに、状態認識部105bは、挿入認識部105aにより鍵11の鍵部11aが鍵穴に挿入中であることが認識された場合、鍵部11aが鍵穴に挿入中であることを認識する。また、状態認識部105bは、加速度センサ102、および磁気センサ103の検出結果である図4で示されるXYZ方向の加速度、および地磁気に対するずれの情報に基づいて、鍵11が、挿入状態のままであるか、右回転である、または左回転であるかといった動作状態を認識する。さらに、状態認識部105bは、残電圧認識部105cにより検出される電池54の残電圧の情報に基づいて、残電圧が少ないとき、バッテリエラーを認識し、要充電であることを認識する。状態認識部105bは、認識した動作状態に対応して状態確認部108を構成するLEDの発光状態を制御することで、動作状態を表示する。
【0075】
残電圧認識部105cは、電源制御部121を介して電池54の残電圧の情報を取得して認識する。位置認識部105dは、GPS104により発生される信号により位置情報、すなわち、地球上の緯度および経度の情報を読み取る。時間計測部105eは、タイマ109より所定時間間隔でカウントされるカウント値に基づいて、経過時間を計測する。
【0076】
[鍵収納庫の構成例]
次に、図6を参照して、鍵収納庫21により実現される機能について説明する。
【0077】
鍵収納庫21は、鍵収納検出部31−1乃至31−n、電源部151、電源入力端子152、制御部153、入出力端子154、表示部155、および通信部156を備えている。
【0078】
電源部151は、制御部153により制御され、鍵収納検出部31に鍵11が収納されている状態において、電源に接続された電源入力端子152が供給する電力を鍵11の電源制御部121に供給して、電池54を充電させる。また、電源部151は、制御部153に電力を供給することにより、鍵収納庫21の全体に電力を供給する。
【0079】
制御部153は、マイクロプロセッサなどからなり、鍵収納庫21の動作の全体を制御している。より詳細には、制御部153は、収納認識部153a、表示制御部153bおよび充電制御部153cを備えている。収納認識部153aは、鍵収納検出部31からの信号に基づいて、鍵11が収納されたか否かを認識する。表示制御部153bは、各種の表示画像を生成し、表示部155に表示する。通信部156は、AP13のそれぞれとブルートゥースなどの無線により通信する。
【0080】
充電制御部153cは、電源部151より供給されてくる鍵11の電池54の残電圧の情報に基づいて、充電状態を監視し、充電が完了したとみなした場合、電源部151により充電を終了させる。入出力端子154は、ホールコンピュータ22と通信可能に接続されており、各種の情報を授受する。表示部155は、LCD(Liquid Crystal Display)もしくは有機ELピュータ22のLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELなど、または、LEDなどの表示ボタンなどからなり、鍵収納庫21の動作状態を表示する。
【0081】
[APの構成例]
次に、図7のブロック図を参照して、AP13の構成例について説明する。
【0082】
AP13は、制御部171、入出力端子172、電源回路173、入力端子174、表示部175、および通信部176を備えている。制御部171は、マイクロプロセッサなどからなり、所定のプログラムを実行することにより、AP13の動作全体を制御している。入出力端子172は、電源供給ライン182に接続されており、電源供給ライン182より供給されてくる電力を電源回路173を介して制御部171に供給する。また、電源供給ライン182を介してAP13間で通信したり、または、ホールコンピュータ22に通信する場合、入出力端子172は、他のAP13またはホールコンピュータ22との通信により様々なデータ、またはプログラムなどを授受する。
【0083】
入力端子174は、遊技機181−1乃至181−3からの扉、または枠の開閉、またはリセットを示す信号の入力を受け付けて制御部171に供給する。制御部171は、この入力端子174に入力された信号の情報を入出力端子172、および電源供給ライン182を介して、または、通信部176より無線通信を介してホールコンピュータ22に送信する。
【0084】
表示部175は、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electronic Luminescent)などからなり、通信状態や動作状態などを示す各種の情報を表示する。通信部176は、鍵11のAP通信部107と通信し、各種の情報を授受する。また、通信部176は、電波強度検出部176aを備えており、鍵11との通信をする際、その電波の受信強度を検出する。
【0085】
[鍵管理システムにおける通信構成]
次に、図8を参照して、本技術の鍵管理システムにおける通信構成について説明する。
【0086】
AP13は、電源供給ライン182などの有線通信により、他のAP13、およびホールコンピュータ22と通信する場合、例えば、図8の右部で示されるように接続される。すなわち、図8の右部においては、島設備毎にハブとなるAP13−20,13−40,13−60,13−80が存在し、それぞれの島設備に接続されている遊技機に対応する位置にAP13−1乃至13−19,13−21乃至13−39,13−41乃至13−59,13−61乃至13−79が電源供給ライン182により接続されている。そして、島設備毎にハブとなるAP13−20,13−40,13−60,13−80が、それぞれホールコンピュータ22と接続されており、AP13間、およびホールコンピュータ22との通信により各種のデータ、およびプログラムを授受している。そして、各AP13は、鍵11−1乃至11−nと無線通信によりデータ、またはプログラム等を授受する。
【0087】
また、通信構成としては、図8の左部で示されるように、AP13間、並びにAP13、およびホールコンピュータ22間についても無線通信とするようにしてもよい。この場合、特にハブ等を設ける必要はないので、図8の左部で示されるように、AP13−1乃至13−80とホールコンピュータ22と、さらに、鍵11−1乃至11−nは、それぞれ並列に接続できる関係となる。尚、図8においては、AP13−1乃至13−80、および鍵11−1乃至11−nが設けられる場合についての構成が図示されているが、AP13、および鍵11は、それぞれ、これ以外の個数であってもよいものである。
【0088】
[ホールコンピュータの構成例]
次に、図9を参照して、ホールコンピュータ22の構成例について説明する。
【0089】
ホールコンピュータ22は、制御部191、電源回路192、表示部193、通信部194、RTC(Real Time Clock)195、ウェイトタイマ196、データストレージ197、公衆回線通信部198、および操作部199を備えている。制御部191は、マイクロプロセッサなどからなり、所定のプログラムを実行することにより、ホールコンピュータ22の動作の全体を制御している。
【0090】
より詳細には、制御部191は、持出番号テーブル191a、履歴時間テーブル191b、未接続時間テーブル191c、APテーブル191d、電波強度テーブル191e、履歴管理テーブル191f、位置特定部191g、および動線履歴表示制御部191hを備えている。尚、持出番号テーブル191a、履歴時間テーブル191b、未接続時間テーブル191c、APテーブル191d、電波強度テーブル191e、および、履歴管理テーブル191fは、管理すべきデータを格納するテーブルそのものであると共に、テーブルを管理する管理機能をも備えたものである。
【0091】
持出番号テーブル191aは、鍵収納庫21より持ち出された鍵11を個別に識別する固体識別番号をテーブルとして管理する。履歴時間テーブル191bは、鍵11を個別に識別する固体識別番号に対応付けて、鍵収納庫21より持ち出された時刻、および返却時刻の情報をテーブルとして管理する。未接続時間テーブル191cは、鍵11を識別する固体識別番号毎にAP13との通信が最近された時刻から経過している時間をテーブルとして管理する。APテーブル191dは、AP13と、そのAP13が対応付けて設置されている最寄の遊技機の遊技機番号(台番号)とを対応付けてテーブルとして管理する。電波強度テーブル191eは、鍵11を識別する固体識別番号とAP13を識別する固体識別番号とに対応付けて、AP13が鍵11との通信により受信される電波強度をテーブルとして管理する。
【0092】
履歴管理テーブル191fは、通信部194を介して、AP13を介して供給されてくる鍵11の動作状態の情報、鍵11の固体識別番号、およびAP13を介して接続されている遊技機181の開閉状態の情報を、RTC195により発生される時刻情報に対応付けたテーブルからなる履歴として記憶し管理する。位置特定部191gは、電波強度テーブル191eに格納されている電波強度の分布に基づいて、鍵11それぞれの位置を特定する。すなわち、位置特定部191gは、例えば、鍵11毎に最も強い電波強度で通信しているAP13が対応付けて設置されている遊技機番号(台番号)の遊技機の付近の位置を鍵11の位置であるものとして特定する。位置特定部191gは、この他にも、例えば、鍵11毎に所定の閾値よりも強い電波強度で通信しているAP13が対応付けて設置されている遊技機番号(台番号)の遊技機の付近の位置の重心位置を求めて、これを鍵11の位置として特定するようにしてもよい。動線履歴表示制御部191hは、履歴管理テーブル191fにより管理される時刻情報に対応付けて、鍵11の位置の情報をトレースすることにより、鍵11毎の移動による動線履歴を生成して表示部193に表示する。
【0093】
電源回路192は、図示せぬ電源より電力の供給を受けて、制御部191をはじめとして、動作に必要とされる電力を供給する。表示部193は、表示部22aと同一のものであり、LCDや有機ELなどからなり、制御部191より供給されてくる各種のデータを表示する。通信部194は、AP13と無線、または有線により通信し、各種のデータ、またはプログラム等を授受する。RTC195は、実時間の時刻情報を発生して制御部191に供給する。ウェイトタイマ196は、鍵11の位置を特定する時間間隔を計測するタイマカウンタである。したがって、鍵11の位置情報は、ウェイトタイマ196により計測される所定時間間隔で求められて、履歴情報として登録される。データストレージ197は、半導体メモリ、またはハードディスクなどからなるデータ格納装置であり、各種のテーブルや履歴情報を記憶すると共に、必要に応じて読み出す。操作部199は、操作部22bと同一のものであり、操作ボタンやキーボードからなり、使用者の操作に応じた操作信号を発生して制御部191に出力する。
【0094】
[鍵による鍵管理処理]
次に、図10のフローチャートを参照して、鍵11による鍵管理処理について説明する。
【0095】
ステップS1において、制御部105は、時間計測部105eを制御して、タイマ109を初期化させ、タイマとしてのカウント値のカウントを開始させる。
【0096】
ステップS2において、制御部105の残電圧認識部105cは、電源制御部121を制御して電池54の充電電圧を問い合わせ、今現在の残電圧を取得し、残電圧をバッテリ残量として確認する。
【0097】
ステップS3において、残電圧認識部105cは、残電圧に基づいて、満充電の充電状態におけるバッテリ残量を100%としたとき、今現在のバッテリ残量が20%未満であるか否かを判定する。ステップS3において、充電状態が20%未満ではないと判定された場合、処理は、ステップS4に進む。
【0098】
ステップS4において、残電圧認識部105cは、今現在のバッテリ残量の情報である残電圧の情報を記憶する。
【0099】
ステップS5において、制御部105は、挿入認識部105aを制御して、鍵挿入検出部101から、鍵11が、図示せぬ錠前の鍵穴に挿入されたことを示す信号が供給されてきているか否かを確認する。ステップS5において、例えば、鍵11の鍵部11aが、図示せぬ鍵穴に挿入されることにより、錠挿込検出部11cが錠に当接して、鍵11のホルダ部11bに向かって押圧される。これにより、鍵挿入検出部101が錠挿込検出部11cの動きを検出して、鍵11が鍵穴に挿入されていることを示す信号が出力されると、鍵挿入検出部101は鍵11の挿入を認識する。また、鍵11の鍵部11aが、図示せぬ鍵穴に挿入されなければ、鍵11が鍵穴に挿入されていことを示す信号が出力されないことになるので、鍵挿入検出部101は、挿入されたことを示す信号を出力しないことを認識する。
【0100】
ステップS6において、挿入認識部105aは、チャタリング防止処理を実行し、鍵11が確実に鍵穴に挿入されているか否かを確認する。ここで、チャタリング防止処理とは、挿入確認部105aが、鍵挿入検出部101からの信号を所定の時間間隔(例えば、2ms程度)で読み出し、所定回数(例えば、3回)だけ連続して、鍵11が鍵穴に挿入されていることを示す信号が出力されてくるか否かにより確実に挿入されているか否かを判定する処理である。すなわち、鍵穴に挿入されていない状態であるにもかかわらず、鍵挿込検出部11cが別の何らかの物体に当接して押圧されるようなことがあると、鍵挿入検出部101は、鍵挿込検出部11cの動きを検出して、鍵穴に鍵11が挿入されていることを示す信号を出力してしまうことが考えられる。一般に、この信号は、一瞬のパルス状のチャタリング信号として発生されることになるが、挿入認識部105aが、このチャタリング信号だけで挿入されいるか否かを判定すると、鍵11が鍵穴に挿入されていないにも拘らず、挿入されているものと誤認識する恐れがある。通常、鍵穴に鍵11が挿入されるときには、鍵挿込検出部11cは、所定時間以上押圧される状態になるものと考えられる。そこで、チャタリング防止処理により、鍵挿入検出部101からの信号が一定期間継続して出力される信号であるか否かに基づいて、チャタリング信号であるか否かを判別し、鍵11が鍵穴に挿入されていないにも関わらず、挿入されているものと誤認識するのを防止している。
【0101】
ステップS7において、挿入認識部105aは、チャタリング防止処理により、鍵11が鍵穴に確実に挿入されていると判定されたか否かを判定する。ステップS7において、例えば、鍵11が鍵穴に挿入されていると判定された場合、処理は、ステップS8に進む。
【0102】
ステップS8において、状態認識部105bは、加速度センサ102より供給されてくるXYZ軸方向の加速度の情報を取得する。
【0103】
ステップS9において、状態認識部105bは、磁気センサ103より供給されてくる地磁気に対するXYZ軸方向のずれの情報を取得する。
【0104】
ステップS10において、状態認識部105bは、XYZ軸方向の加速度、および地磁気に対するXYZ軸方向のずれの情報に基づいて、鍵11の動作状態を認識する。より具体的には、XYZ軸方向の加速度、および地磁気に対するXYZ軸方向のずれの情報に基づいて、鍵11が鍵穴に対して挿入されたままの状態であることを示す挿入姿勢、右に回転されたことを示す右回転、または、左に回転されたことを示す左回転のいずれかの動作状態を認識する。
【0105】
ステップS11において、制御部105は、AP通信部107を制御して、通信可能な範囲に存在する全てのAP13に対して通信を開始させる。
【0106】
ステップS12において、制御部105は、AP通信部107により、通信可能なAP13が存在し、AP13との通信が可能な状態となっているか否かを判定する。ステップS12において、例えば、AP通信部107が通信可能なAP13が存在し、AP13との通信が可能な状態となっている場合、処理は、ステップS13に進む。
【0107】
ステップS13において、制御部105は、AP通信部107を制御して、挿入認識部105aにより認識されている挿入状態の情報、残電圧認識部105cにより認識されているバッテリ残量、および認識された動作状態の情報を動作履歴としてAP13に送信させる。そして、処理は、ステップS18に進む。すなわち、ここで、動作履歴として送信される動作状態の情報とは、例えば、鍵11が鍵穴に対して挿入されたままの状態であることを示す挿入姿勢、右に回転されたことを示す右回転、または、左に回転されたことを示す左回転のいずれかの動作状態を示す情報である。
【0108】
一方、ステップS12において、例えば、AP通信部107により通信可能なAP13が存在せず、通信状態なAP13が存在しない場合、処理は、ステップS14に進む。
【0109】
ステップS14において、状態認識部105bは、状態確認部108を制御して、通信エラーが発生していることを表示させる。状態確認部108が、例えば、図4で示されるような3個のLEDから構成される場合、状態認識部105bは、その発光パターンを制御して、通信エラーが発生していることを表示させる。そして、処理は、ステップS18に進む。
【0110】
さらに、ステップS3において、バッテリ残量が20%未満であると判定された場合、ステップS15において、状態認識部105bは、バッテリ残量の不足によるエラーが発生していることを認識する。このとき、状態認識部105bは、状態確認部108を制御して、バッテリ残量の不足によるエラーが発生していることを表示させる。状態確認部108が、例えば、図4で示されるような3個のLEDから構成される場合、状態認識部105bは、その発光パターンを制御して、バッテリ残量の不足によるエラーが発生していることを表示させる。そして、処理は、ステップS18に進む。
【0111】
また、ステップS7において、例えば、鍵11が鍵穴に挿入されていないと判定された場合、処理は、ステップS16に進む。
【0112】
ステップS16において、状態認識部105bは、鍵11の挿入がなく、使用されていないことを示す動作状態を認識する。
【0113】
ステップS17において、状態認識部105bは、時間計測部105eを制御して、AP通信部107により最新の動作履歴が送信されたタイミングからの経過時間の情報を読み出させ、所定の時間(例えば、1秒)が経過しているか否かを判定する。例えば、ステップS17において、所定の時間が経過していないと判定された場合、処理は、ステップS5に戻る。また、ステップS17において、所定の時間が経過していると判定された場合、処理は、ステップS11に進む。
【0114】
すなわち、鍵11の挿入が検出されて、鍵11の使用が認められると、そのときの動作状態が動作履歴としてAP通信部107よりAP13に送信されると共に、鍵11の挿入の検出がなく、鍵11の使用が認められない状態であっても、所定の時間毎に使用がなかったという動作状態が動作履歴としてAP通信部107よりAP13に送信される。
【0115】
ステップS18において、制御部105は、公衆回線通信部106およびAP通信部107を制御して、公衆回線23(図1)を介してホールコンピュータ22から通信を開始させる要求、または、AP通信部107より鍵収納庫21から通信を開始させる要求があるか否かを判定する。ステップS18において、例えば、後述する図11のステップS33の処理により、AP通信部107を介して通信を開始させる要求がある場合、または、例えば、後述する図17のステップS197の処理により、公衆回線23を通じて通信を開始させる要求がある場合、ステップS19において、制御部105は、公衆回線通信部106またはAP通信部107を制御して、固体識別番号をヘッダ部に付した送信データを生成した応答データをホールコンピュータ22または鍵収納庫21に対して送信させる。
【0116】
ステップS20において、制御部105は、公衆回線通信部106を制御して、ホールコンピュータ22から公衆回線23を通じて、鍵11のGPS104による地球上の緯度経度からなる位置情報が要求されてきたか否かを判定する。ステップS20において、例えば、後述する図17のステップS199の処理によりホールコンピュータ22より位置情報が要求されてきた場合、処理は、ステップS21に進む。
【0117】
ステップS21において、制御部105は、GPS104を制御して、図示せぬ衛星からの情報に基づいて、地球上の位置、すなわち、緯度、および経度からなる位置情報を取得する。
【0118】
ステップS22において、制御部105は、公衆回線通信部106を制御して、公衆回線を通じて、GPS104より取得した位置情報に対応付けてホールコンピュータ22に送信する。この際、制御部105は、位置情報からなるデータのヘッダ部に自らを識別する固体識別情報を付して、公衆回線通信部106を制御して、公衆回線23を介してホールコンピュータ22に送信する。尚、ステップS20において、ホールコンピュータ22から公衆回線23を通じて、鍵11のGPS104による地球上の緯度経度からなる位置情報が要求されないと判定された場合、鍵収納庫21からの通信要求であったものとみなし、ステップS21,S22の処理はスキップされる。
【0119】
ステップS23において、電源制御部121は、鍵収納庫21より電力供給を受けているか否かを判定する。ステップS22において、例えば、後述する図11のステップS38の処理により、鍵収納庫21から電力供給を受けている場合、ステップS24において、電源制御部121は、電池54に対して電力を供給して充電させ、処理は、ステップS1に戻る。尚、この間、電源制御部121は、鍵収納庫21から電池54の残電圧について問い合わせを受けるとき、残電圧の情報を鍵収納庫21に供給する。
【0120】
ステップS23において、例えば、後述する図11のステップS38の処理により、鍵収納庫21から電力供給を受けていない場合、ステップS23の処理はスキップされる。すなわち、この場合、電源制御部121は、電池54への充電を行わない。
【0121】
以上の処理により、鍵11の挿入が検出されるときには、そのときに検出される動作状態が動作履歴としてAP13間通信によりAP通信部107からホールコンピュータ22に送信される。また、AP通信部107を介してホールコンピュータ22に対して直前に動作履歴が送信されたタイミングから所定時間が経過すると、動作状態が何も検出されない状態、すなわち、鍵11の使用がないことを示す情報が動作履歴としてAP通信部107を通じてホールコンピュータ22に送信される。したがって、公衆回線通信部106は、少なくとも所定時間間隔で、または、動作状態が検出されたときには、そのタイミングで動作履歴をホールコンピュータ22に供給し続けることが可能となる。また、鍵11は、ホールコンピュータ22から公衆回線23を介して、位置情報が要求されると、GPS104が制御されて地球上の緯度および経度の情報からなる位置情報が取得されて、公衆回線通信部106より公衆回線23を介してホールコンピュータ22に対して位置情報が送信される。
【0122】
[鍵収納庫による鍵管理処理]
次に、図11のフローチャートを参照して、鍵収納庫による鍵管理処理について説明する。
【0123】
ステップS31において、制御部153は、鍵収納検出部31のいずれか未処理のものを処理対象に設定する。
【0124】
ステップS32において、制御部153は、収納認識部153aを制御して、処理対象に設定した鍵収納検出部31から出力される信号に基づいて、鍵11が収納されたことが検出されているか否かを判定させる。ステップS32において、例えば、鍵11が鍵収納庫21に収納されることにより、鍵収納検出部31から鍵11が収納されたことを示す信号が出力されると、収納認識部153aは、鍵11が収納されたことを認識し、処理は、ステップS33に進む。
【0125】
ステップS33において、制御部153は、通信部156を制御して、鍵11に対して通信を要求する。
【0126】
ステップS34において、制御部153は、通信部156を制御して、鍵11からの応答があり通信が可能であるか否かを判定する。ステップS34において、鍵11からの応答がなく、通信ができない場合、ステップS35において、制御部153は、表示部155を制御して、通信ができない通信エラーであることを表示し、処理は、ステップS33に戻る。すなわち、通信が可能となるまで、ステップS33乃至S35の処理が繰り返される。
【0127】
そして、ステップS34において、例えば、鍵11からの応答データが送信されてきており、そのヘッダ部に付されている固体識別番号の情報が取得でき、通信が可能であるとみなされると、処理は、ステップS36に進む。
【0128】
ステップS36において、制御部153は、表示制御部153bを制御して、鍵11が処理対象となっている鍵収納検出部31に対して収納されたことを表示部155に表示させ、処理は、ステップS37に進む。この表示により、どの鍵収納検出部31に鍵11が収納されたかが表示される。
【0129】
ステップS37において、制御部153は、入出力端子154を介して、ホールコンピュータ22に対して、処理対象となる鍵収納検出部31に対して鍵11が返却されたことを示す返却情報を通知する。この際、制御部153は、処理対象となる鍵収納検出部31を特定する情報と共に、通信の開始要求に対しての応答信号に含まれる鍵11の固体識別番号の情報を送信する。この情報によりホールコンピュータ22は、どの鍵11が、どの鍵収納検出部31に返却されたのかを認識することができる。
【0130】
一方、ステップS32において、例えば、鍵11が鍵収納庫21に収納されることなく、鍵収納検出部31から鍵11が収納されたことを示す信号が出力されない場合、ステップS38において、制御部153は、表示制御部153bを制御して、鍵11が処理対象となっている鍵収納検出部31に対して収納されていないこと、すなわち、未収納を表示部155に表示させる。
【0131】
ステップS39において、制御部153は、入出力端子154を介して、ホールコンピュータ22に対して、処理対象となる鍵収納検出部31に対して収納されていた鍵11が持ち出されていることを示す持出情報を通知し、処理は、ステップS44に進む。この際、制御部153は、処理対象となる鍵収納検出部31を特定する情報と共に、持ち出される前に収納されるときに、通信の開始要求に対しての応答信号に含まれる鍵11の固体識別番号の情報を送信する。この情報によりホールコンピュータ22は、どの鍵11が、どの鍵収納検出部31から持ち出されたのかを認識することができる。
【0132】
ステップS40において、制御部153は、充電制御部153cを制御して、電源部151より処理対象となる鍵収納検出部31に収納された鍵11の電源制御部121に対して電池54の残電圧の情報を要求して取得すると共に、取得した残電圧の情報から充電が必要であるか否かを判定させる。ステップS40において、充電が必要であると判定された場合、処理は、ステップS41に進む。
【0133】
ステップS41において、制御部153は、充電制御部153cを制御して、対象となる鍵収納検出部31に収納されている鍵11に対して電力を供給して、電池54を充電させる。
【0134】
ステップS42において、制御部153は、表示制御部153bを制御して、表示部155に収納された鍵11が充電中であることを示す情報を表示させ、処理は、ステップS44に進む。
【0135】
また、ステップS40において、取得した残電圧から電池54の充電状態が満充電であり、充電不要であるとみなされた場合、ステップS43において、制御部153は、表示制御部153bを制御して、表示部155に収納された鍵11が満充電であり充電完了であることを示す情報を表示させ、処理は、ステップS44に進む。
【0136】
ステップS44において、制御部153は、未処理の鍵収納検出部31が存在するか否かを判定する。ステップS44において、例えば、未処理の鍵収納検出部31が存在する場合、処理は、ステップS31に戻る。すなわち、未処理の鍵収納検出部31がなくなるまで、ステップS31乃至S44の処理が繰り返される。そして、ステップS44において、未処理の鍵収納検出部31が存在しないとみなされた場合、処理は、ステップS45に進む。
【0137】
ステップS45において、制御部153は、全ての鍵収納検出部31を未処理であるものとみなし、処理は、ステップS46に進む。
【0138】
ステップS46において、制御部153は、終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返される。そして、ステップS46において、終了が指示された、すなわち、電源がオフにされるなど、動作の終了が指示された場合、処理は、終了する。
【0139】
以上の処理により、鍵11を鍵収納庫21に収納するだけで、どの鍵11が、どの鍵収納検出部31に収納されたかを示す返却情報がホールコンピュータ22に供給される。また、鍵収納庫21から鍵11が持ち出されるだけで、どの鍵11が、どの鍵収納検出部31より持ち出されたかを示す持出情報がホールコンピュータ22に供給される。結果として、ホールコンピュータ22は、鍵11が鍵収納庫21に返却されるか、または鍵収納庫21から持ち出されると、どの鍵11が返却されたか、または持ち出されたかを認識することが可能となる。また、鍵11を鍵収納庫21に収納することにより、充電させることが可能となるので、使用者は、鍵11を単に鍵収納庫21から持ち出して使用した後、鍵収納検出部31に収納させるだけで、充電を特に意識することなく管理することが可能となる。尚、この一連に処理においては、鍵11を使用して施錠、または開錠させる際に、認証処理などを必要としないため、鍵11、およびその錠前については、従来からの機械式の鍵と錠前で容易に実現できるので、本技術を導入するにあたり発生するコストを低減することが可能となる。
【0140】
以上においては、鍵11、および鍵収納庫21との通信は、ブルートゥースなどの無線通信とする例について説明してきたが、通信ができれば手法は問わないものであるため、例えば、充電のために設けられる端子などの近傍位置に通信用の端子を設けて有線通信により通信するようにしてもよい。
【0141】
[APによる鍵管理処理]
次に、図12のフローチャートを参照して、AP13による鍵管理処理について説明する。
【0142】
ステップS71において、制御部171は、電源がONであるか否かを判定し、電源ONとされるまで、同様の処理が繰り返される。そして、ステップS71において、電源ONの状態にされると、電源ONとされたと判定されて、処理は、ステップS72に進む。
【0143】
ステップS72において、制御部171は、表示部175に電源がONにされたことを示す情報を表示する。
【0144】
ステップS73において、制御部171は、通信部176を制御して、ホールコンピュータ22により固有に割付けられる接続AP番号を初期化する。すなわち、このとき、ホールコンピュータ22は、アクセスしてきたAP13に対して固有の接続AP番号を割付ける。制御部171は、新規に割付けられた接続AP番号を自らを識別する固体識別番号として記憶し、自らがデータを送信するとき、通信部176を制御して、そのデータのヘッダ部にこの固体識別番号(接続AP番号)を付して送信させる。また、制御部171は、通信部176を制御して、送信されてくるデータのうち、ヘッダ部にこの固体識別番号(接続AP番号)が付されたデータを、自らに宛てられたデータであるものとして受信させる。
【0145】
ステップS74において、制御部171は、自らで記憶している、通信部176により通信接続されている鍵11の固体識別番号の情報を初期化する。すなわち、初期化処理により、これまで通信部176により通信接続されていた鍵11の固体識別番号が全て消去される。
【0146】
ステップS75において、制御部171は、入力端子174を制御して、遊技機181−1乃至181−3の扉、または枠に設けられたセンサにより、扉、もしくは枠の開放、または閉鎖を示す遊技機開閉情報を取得する。この場合、遊技機開閉情報は、例えば、扉の開放検知を1、および閉鎖検知を0として、枠の開放検知を1、および閉鎖検知を0とするそれぞれ2ビットの信号とするようにしてもよい。
【0147】
ステップS76において、制御部171は、通信部176を制御して、いずれかの鍵11との通信接続がなされているか否かを判定する。ステップS76において、例えば、いずれかの鍵11との通信接続がなされている場合、処理は、ステップS77に進む。
【0148】
ステップS77にいて、制御部171は、通信部176を制御して、今現在通信接続されている鍵11の固体識別番号を取得すると共に、通信接続される鍵11の固体識別番号を記憶する。すなわち、通信部176が鍵11と通信接続されている場合、通信接続されている鍵11より送信されてくるデータのヘッダ部には、鍵11の固体識別番号が付されているので、この情報に基づいて、固体識別番号を取得する。
【0149】
ステップS78において、制御部171は、通信部176を制御して、通信接続されている鍵11との通信に際して受信される電波強度の情報を取得させる。すなわち、通信部176は、電波強度検出部176aを備えているので、鍵11との通信に際して使用される電波強度を検出させて、検出結果である電波強度の情報を取得すると、制御部171に出力する。
【0150】
ステップS79において、制御部171は、通信部176を制御して、鍵11より送信されてくる情報に動作履歴としての動作状態の情報が含まれており、かつ、その動作状態の情報が、鍵11が錠前の鍵穴に挿入されて、挿入状態であるか、または、左右に回転されたことを示す情報であるか否かを判定する。ステップS79において、例えば、上述したステップS13の処理により送信されてくる動作状態の情報が、鍵11が錠前の鍵穴に挿入されて、挿入状態であるか、または、左右に回転されたことを示す情報ではない場合、処理は、ステップS80に進む。
【0151】
ステップS80において、制御部171は、通信部176を制御して、ホールコンピュータ22に対して、接続AP番号、通信接続している鍵11の固体識別番号、その鍵11との通信における電波強度、および遊技機開閉情報を送信させ、処理は、ステップS84に進む。尚、この接続AP番号、接続している鍵11の固体識別番号、その鍵11との通信における電波強度、および遊技機開閉情報からなるコマンドを、以降においては、第1APコマンドと称するものとする。
【0152】
一方、ステップS79において、例えば、上述したステップS13の処理により送信されてくる動作状態の情報が、鍵11が錠前の鍵穴に挿入されて、挿入状態であるか、または、左右に回転されたことを示す情報である場合、処理は、ステップS81に進む。
【0153】
ステップS81において、制御部171は、通信部176を制御して、ホールコンピュータ22に対して、鍵11の挿入、および回転が検知されたことを示す情報と共に、接続AP番号、接続している鍵11の固体識別番号、その鍵11との通信における電波強度、および遊技機開閉情報を送信させ、処理は、ステップS84に進む。尚、この鍵11の挿入、および回転が検知されたことを示す情報と共に、接続AP番号、通信接続している鍵11の固体識別番号、その鍵11との通信における電波強度、および遊技機開閉情報からなるコマンドを、以降においては、第2APコマンドと称するものとする。
【0154】
一方、ステップS76において、例えば、いずれの鍵11とも通信接続がなされていない場合、処理は、ステップS82に進む。
【0155】
ステップS82において、制御部171は、遊技機開閉情報が扉、または枠の開放を示す情報であるか否かを判定する。ステップS82において、遊技機開閉情報が扉、または枠の開放を示す情報である場合、ステップS83において、制御部171は、通信部176を制御して、ホールコンピュータ22に対して、遊技機181の扉、または枠が開放状態であることを示す遊技機開閉情報のみを送信させる。すなわち、ここでは、AP13は、鍵11と通信接続されていないので、鍵11が使用されることなく、不正に遊技機181の扉、または枠が開放されたことが検出されている。尚、この遊技機181の扉、または枠が開放状態であることを示す遊技機開閉情報のみからなるコマンドを、以降においては、第3APコマンドと称するものとする。
【0156】
ステップS84において、制御部171は、電源OFFであるか否かを判定し、電源OFFとされていないと判定された場合、処理は、ステップS75に戻る。また、ステップS84において、電源OFFであると判定された場合、処理は、終了する。
【0157】
以上の処理によりAP13は、通信接続された鍵11からの情報に基づいて、第1APコマンド乃至第3APコマンドを生成して、ホールコンピュータ22に送信する。
【0158】
[ホールコンピュータによる鍵管理処理]
次に、図13のフローチャートを参照して、ホールコンピュータ22による鍵管理処理について説明する。
【0159】
ステップS101において、制御部191は、電源ONであるか否かを判定し、電源ONであると判定されるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS101において、電源ONであると判定された場合、処理は、ステップS102に進む。
【0160】
ステップS102において、制御部191は、持出番号テーブル191aを制御して、登録されている情報を初期化する。
【0161】
ステップS103において、制御部191は、履歴時間テーブル191bを制御して、登録されている情報を初期化する。
【0162】
ステップS104において、制御部191は、未接続時間テーブル191cを制御して登録されている情報を初期化する。
【0163】
ステップS105において、制御部191は、鍵11の使用されている数を管理するための、図示せぬ鍵使用数カウンタを初期化する。
【0164】
ステップS106において、制御部191は、鍵11の位置を所定時間間隔で特定する時間間隔をカウントするウェイトタイマのウェイトタイマカウンタを初期化する。
【0165】
ステップS107において、制御部191は、鍵収納庫21より鍵11が持ち出されたことを示す持出情報が送信されてきたか否かを判定する。ステップS107において、例えば、図11のフローチャートを参照して説明したステップS39の処理により、持出情報が送信されてきたものとみなされた場合、処理は、ステップS108に進む。
【0166】
ステップS108において、制御部191は、持出情報に含まれる持ち出された鍵11の固体識別番号を読み出し、履歴時間テーブル191bに登録する。
【0167】
ステップS109において、制御部191は、RTC195により発生される時刻を読み出し、この持出時刻に対応付けて、持出情報に含まれる持ち出された鍵11の固体識別番号を履歴時間テーブル191bに登録する。
【0168】
一方、ステップS107において、持出情報が送信されてきたものとみなせない場合、処理は、ステップS110に進む。
【0169】
ステップS110において、制御部191は、鍵収納庫21より鍵11が返却されたことを示す返却情報が送信されてきたか否かを判定する。ステップS110において、例えば、図11のフローチャートを参照して説明したステップS37の処理により、返却情報が送信されてきたものとみなされた場合、処理は、ステップS111に進む。
【0170】
ステップS111において、制御部191は、返却情報に含まれる返却された鍵11の固体識別番号を読み出し、履歴時間テーブル191bより、その固体識別番号で登録された持出情報を検索する。
【0171】
ステップS112において、制御部191は、RTC195により発生される時刻を読み出し、返却情報に含まれる返却された鍵11の固体識別番号に対応付けて登録されているこの持出情報の持出時刻に対応付けて返却時刻の情報を履歴時間テーブル191bに登録する。
【0172】
さらに、ステップS110において、返却情報が送信されてこない、すなわち、持出情報も返却情報も通知されてこない場合、ステップS107乃至S112の処理がスキップされる。
【0173】
このように持出情報が送信されてくると履歴時間テーブル191bに持ち出された鍵11の固体識別番号と持出時刻が登録される。また、その持ち出された鍵11が返却されることにより返却情報が送信されてくると、履歴時間テーブル191bに登録された持出情報として登録されている固体識別信号のうち、返却情報に含まれる固体識別情報を検索して、返却時刻の情報を対応付けて登録する。この結果、鍵11の固体識別情報に基づいて、持出時刻、および返却時刻の情報が履歴時間テーブル191bで管理される。
【0174】
ステップS113において、制御部191は、通信部194を制御して、AP13より第1APコマンドが送信されてきたか否かを判定する。ステップS113において、例えば、図13のフローチャートを参照して説明したステップS80の処理により第1APコマンドが送信されてきた場合、処理は、ステップS114に進む。
【0175】
ステップS114において、制御部191は、第1APコマンドに含まれている電波強度の情報を、接続AP番号に対応付けて電波強度テーブル191eに登録する。電波強度テーブル191eは、例えば、図14で示されるようなテーブルであり、図中左側で示される各接続AP番号に対応付けて、各AP13が、上部で区別される鍵(1),鍵(2)・・・のそれぞれの鍵11からどのような電波強度で通信しているのかが示されている。より詳細には、図14においては、AP番号0002で識別されるAP13が、鍵(1)の固体識別番号の鍵11と電波強度30で通信していることが示されている。また、AP番号0003のAP13が、鍵(1)の固体識別番号の鍵11と電波強度40で通信していると共に、鍵(2)の固体識別番号の鍵11と電波強度30で通信していることが示されている。さらに、AP番号0004のAP13が、鍵(1)の固体識別番号の鍵11と電波強度50で通信していると共に、鍵(2)の固体識別番号の鍵11と電波強度40で通信していることが示されている。尚、図14における電波強度については、例えば、受信レベルの最高強度を100とし、受信できないレベルを0として正規化した値としているが、これ以外の方法で表現するようにしてもよい。
【0176】
また、各AP13は、図15で示されるようなAPテーブル191dにより、遊技機181に対応付けて登録されている。すなわち、図15のAPテーブル191dにおいては、遊技機番号(台番号)101,102,103・・・のそれぞれの遊技機181の所定の位置に、AP番号0001,0002,0003・・・のAP13が設置されていることが示されている。このように、店舗1内に配置された遊技機181の位置と、AP13の設置位置とが対応付けて登録されているので、図14の電波強度テーブル191eの情報は、店舗内1における各鍵11より発信される電波強度の分布として捉えることができる。このため、図14における電波強度テーブル191eの情報から、例えば、鍵(1)、鍵(2)の固体識別番号で識別される鍵11は、AP番号0003のAP13が設置される遊技機181よりも、AP番号0004のAP13が設置される遊技機181に近い位置に存在することが推定できる。
【0177】
ステップS115において、制御部191は、未接続時間テーブル191cにアクセスし、電波強度テーブル191eに電波強度を登録した鍵11の固体識別番号を検索する。
【0178】
ステップS116において、制御部191は、未接続時間テーブル191cより検索された固体識別番号で登録されている未接続時間を0にリセットする。第1APコマンド乃至第3APコマンドのいずれかが送信されてきた場合、通信接続したことになるので、未接続状態が一旦停止するため、その時間を0にリセットする。
【0179】
一方、ステップS113において、第1APコマンドが送信されてこないとみなされた場合、処理は、ステップS117に進む。
【0180】
ステップS117において、制御部191は、通信部194を制御して、ホールコンピュータ22より第2APコマンドが送信されてきたか否かを判定する。ステップS117において、例えば、図12のフローチャートを参照して説明したステップS81の処理により第2APコマンドが送信されてきた場合、処理は、ステップS118に進む。
【0181】
ステップS118において、制御部191は、第2APコマンドに含まれている電波強度の情報を、接続AP番号に対応付けて電波強度テーブル191eに登録する。
【0182】
ステップS119において、制御部191は、動作履歴保存処理を実行し、第2APコマンドに含まれている鍵11の挿入、および回転が検知されたことを示す情報と共に、接続AP番号、接続している鍵11の固体識別番号、および遊技機開閉情報を履歴管理テーブル191fに登録する。そして、処理は、ステップS115に進む。ここでは、鍵11の挿入、および回転が検知された状態で、遊技機開閉情報が扉、または枠が開放されていることを示す情報を含むことになるため、鍵11を用いて正常に遊技機181の扉、または枠が開放されたことが履歴管理テーブル191fに登録されることになる。尚、動作履歴保存処理については、図17を参照して、詳細を後述する。
【0183】
また、ステップS117において、AP13より第2APコマンドが送信されてきていないと判定された場合、処理は、ステップS120に進む。
【0184】
ステップS120において、制御部191は、通信部194を制御して、AP13より第3APコマンドが送信されてきたか否かを判定する。ステップS120において、例えば、図12のフローチャートを参照して説明したステップS83の処理により第3APコマンドが送信されてきた場合、処理は、ステップS121に進む。
【0185】
ステップS121において、制御部191は、動作履歴保存処理を実行し、第3APコマンドに含まれている接続AP番号、および遊技機開閉情報を履歴管理テーブル191fに登録し、処理は、ステップS115に進む。ここでは、鍵11の挿入、および回転が検知されていない状態で、遊技機開閉情報が扉、または枠が開放されていることを示す情報が含まれることになるため、鍵11が用いられることなく遊技機181の扉、または枠が開放されたことが履歴管理テーブル191fに登録されることになる。尚、動作履歴保存処理については、図17を参照して、詳細を後述する。
【0186】
このように、AP13から送信されてくる第1APコマンド乃至第3APコマンドにより、電波強度テーブル191e、および履歴管理テーブル191fのいずれか、または、その両方が登録されて、AP13との接続通信がなされることになるため、未接続時間テーブル191cにおける鍵11の固体識別番号に対応付けて登録されている未接続時間が0にリセットされる。また、ステップS120において、第3APコマンドが送信されてきていないと判定された場合、第1APコマンド乃至第3APコマンドのいずれも送信されてきていないことになるので、ステップS114乃至S116,S118,S119、およびS121の処理がスキップされて、処理は、ステップS122に進む。
【0187】
ステップS122において、制御部191は、未接続カウント処理を実行し、各鍵11の未接続時間をカウントすると共に、カウントされた未接続時間が所定時間より長い鍵11については、店舗1の出入口3から店舗1の外に持ち出されている恐れがあるため、持ち出していることを履歴管理テーブル191fに登録する。
【0188】
[未接続カウント処理]
ここで、図16のフローチャートを参照して、未接続カウント処理について説明する。
【0189】
ステップS151において、制御部191は、鍵11のうち、未処理の鍵11のいずれかを処理対象とする。
【0190】
ステップS152において、制御部191は、持出番号テーブル191aにアクセスし、処理対象となる鍵11に対応する固体識別番号の情報を検索し、検索結果に基づいて、処理対象の鍵11が鍵収納庫21から持ち出された状態となっているか否かを判定する。ステップS152において、例えば、処理対象となる鍵11が鍵収納庫21から持ち出されていると判定された場合、処理は、ステップS153に進む。
【0191】
ステップS153において、制御部191は、未接続時間テーブル191cを制御して、処理対象となる鍵11に対応付けて登録されている未接続時間を1インクリメントすることによりカウントする。また、ステップS152において、処理対象となっている鍵11が持ち出されていない場合、ステップS153の処理はスキップされて、処理は、ステップS154に進む。
【0192】
ステップS154において、制御部191は、処理対象となっている鍵11の固体識別番号に対応付けて、未接続時間テーブル191cに登録されている未接続時間が、所定の時間よりも長い、未接続タイムアウトであるか否かを判定する。ステップS154において、例えば、未接続時間が、所定の時間よりも長い、未接続タイムアウトである場合、処理は、ステップS155に進む。
【0193】
ステップS155において、制御部191は、動作履歴保存処理を実行し、履歴管理テーブル191fに、処理対象となる鍵11が店舗1の外に持ち出された可能性があることを履歴として保存させると共に、公衆回線23を介して鍵11の位置情報を取得する。尚、動作履歴保存処理については、図17のフローチャートを参照して後述する。
【0194】
一方、ステップS154において、処理対象となっている鍵11の固体識別番号に対応付けて、未接続時間テーブル191cに登録されている未接続時間が、所定の時間よりも長くなく、接続タイムアウトではないとみなされた場合、ステップS155の処理はスキップされる。尚、ステップS154においては、処理対象となる鍵11が鍵収納庫21から持ち出されていない場合、接続タイムアウトになることはないものとみなされるものとし、ステップS155の処理もスキップされることになる。
【0195】
ステップS156において、制御部191は、未処理の鍵11が存在するか否かを判定し、未処理の鍵11が存在する場合、処理は、ステップS151に戻る。すなわち、未処理の鍵11がなくなるまで、ステップS151乃至S156の処理が繰り返される。そして、ステップS156において、未処理の鍵11がないとみなされた場合、処理は終了する。
【0196】
すなわち、以上の処理により、全ての鍵11について持出番号テーブル191aに登録されているか否かが判定されて、持ち出されていることが登録されている鍵11については、未接続時間テーブル191cに登録されている未接続時間がカウントされると共に、未接続時間が所定時間よりも長い場合、その鍵11がAP13と通信ができない状態、すなわち、店舗1から外に持ち出されているものとみなして、履歴管理テーブル191fに登録させる。
【0197】
ここで、図13のフローチャートの説明に戻る。
【0198】
ステップS122において、未接続カウント処理がなされると、ステップS123において、制御部191は、ウェイトタイマ196のタイマカウンタを1インクリメントして、カウントする。
【0199】
ステップS124において、制御部191は、ウェイトタイマ196のタイマカウントが所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。ステップS124において、例えば、ウェイトタイマ196のタイマカウンタが所定の閾値よりも大きく、所定時間以上、各鍵11の位置が確認されていないとみなされた場合、処理は、ステップS125に進む。
【0200】
ステップS125において、制御部191は、位置特定部191gを制御して、鍵位置特定処理を実行させ、全ての鍵11について、店舗1内における位置を特定する。尚、位置特定処理については、図19のフローチャートを参照して、詳細を後述する。
【0201】
ステップS126において、制御部191は、履歴管理テーブル191fを制御して、動作履歴保存処理を実行させて、位置特定処理により特定された位置の情報を登録させるか、または、位置が特定できないとき、店舗1の外であることを特定し、位置特定部191gを制御して、公衆回線23を介して、鍵11のGPS104により地球上の位置を特定させて登録させる。尚、動作履歴保存処理については、図17のフローチャートを参照して、詳細を後述する。
【0202】
ステップS127において、制御部191は、電源OFFとされたか否かを判定し、電源OFFとされていない場合、処理は、ステップS107に戻る。すなわち、電源OFFとされるまで、ステップS107乃至S127の処理が繰り返される。そして、ステップS127において、電源OFFとされた場合、処理は、終了する。
【0203】
以上の処理により、ホールコンピュータ22は、鍵収納庫21からの鍵11の持出情報および返却情報に基づいて、持出番号テーブル191a、および履歴時間テーブル191bを管理すると共に、AP13からの第1APコマンド乃至第3APコマンドのいずれかにより電波強度テーブル191eおよび履歴管理テーブル191fを管理している。また、ホールコンピュータ22は、所定の時間間隔で未接続時間テーブル191cを管理している。さらに、ホールコンピュータ22は、動作履歴保存処理により履歴管理テーブル191fを管理している。
【0204】
[動作履歴保存処理]
次に、図17のフローチャートを参照して、動作履歴保存処理について説明する。
【0205】
ステップS171において、履歴管理テーブル191fは、AP13より供給されてくる情報が第2APコマンドであり、すなわち、鍵11の使用が検出された状態で、遊技機181から扉、または枠の開放が検出されたことを示す正常開放が検出されたときの情報であるか否かを判定する。ステップS171において、例えば、図13のステップS119で示されるように、正常開放が検出されたときの情報であるとみなされた場合、処理は、ステップS172に進む。
【0206】
ステップS172において、履歴管理テーブル191fは、第2APコマンドに含まれる情報が、鍵11の挿入、および回転が検知されたことを示す情報であると共に、遊技機開閉情報が扉、または枠の開放を示す情報であるか否かを判定する。第2APコマンドに含まれる情報が、鍵11の挿入、および回転が検知されたことを示す情報であると共に、遊技機開閉情報が扉、または枠の開放を示す情報であると判定された場合、処理は、ステップS173に進む。
【0207】
ステップS173において、履歴管理テーブル191fは、RTC195により発生された日時の情報に基づいて、日時の情報をテーブルに保存する。
【0208】
ステップS174において、履歴管理テーブル191fは、第2APコマンドに含まれる、通信接続している鍵11の固体識別番号をテーブルに保存する。
【0209】
ステップS175において、履歴管理テーブル191fは、第2APコマンドに含まれる、接続AP番号に基づいて、鍵11が使用された遊技機181に対応するAP13の位置を特定する。すなわち、同一の固体識別番号の鍵11が、複数のAP13と通信するような場合もあるため、同一の固体識別番号の鍵11と通信するAPが複数に存在する可能性がある。このような場合、複数の第2APコマンドが供給されてくることになる。そこで、履歴管理テーブル191fにおいては、電波強度テーブル191eなどを参照して、同一の固体識別番号の鍵11と通信している可能性のある、複数のAP13からの第2APコマンドのそれぞれに存在する接続AP番号のうち、最も電波強度が強い接続AP番号のAP13を、鍵11が使用されたAP13として特定する。
【0210】
ステップS176において、履歴管理テーブル191fは、APテーブル191dにおいて、特定されたAP13の接続AP番号に対応する遊技機番号を検索し、ステップS177において、その遊技機番号(台番号)をテーブルに登録する。
【0211】
ステップS178において、履歴管理テーブル191fは、遊技機開閉情報である扉、または枠の開放を示す開をテーブルに登録する。
【0212】
この結果、例えば、履歴管理テーブル191fは、図18の最上段で示されるような情報が登録されることになる。すなわち、図18の履歴管理テーブル191fの1段目においては、左から、日時、位置、鍵の固体識別番号、および状態が設定されており、2段目においては、2011年2月21日の13時10分に台番号102の遊技機181の扉、または枠が、固体識別番号が3の鍵11で開放されたことを示す動作履歴が登録される。
【0213】
一方、ステップS172において、第2APコマンドに含まれる情報が、鍵11の挿入、および回転が検知されたことを示す情報であると共に、遊技機開閉情報が扉、または枠の開放を示す情報ではないと判定された場合、処理は、ステップS179に進む。
【0214】
ステップS179において、履歴管理テーブル191fは、第2APコマンドに含まれる情報が、鍵11の挿入は検知されているが、回転が検知されていないことを示す情報であると共に、遊技機開閉情報が扉、または枠の閉鎖を示す情報であるか否かを判定する。ステップS179において、例えば、第2APコマンドに含まれる情報が、鍵11の挿入は検知されているが、回転が検知されていないことを示す情報であると共に、遊技機開閉情報が扉、または枠の閉鎖を示す情報であると判定された場合、処理は、ステップS180に進む。
【0215】
ステップS180において、履歴管理テーブル191fは、RTC195により発生された日時の情報に基づいて、日時の情報をテーブルに保存する。
【0216】
ステップS181において、履歴管理テーブル191fは、第2APコマンドに含まれる、通信接続している鍵11の固体識別番号をテーブルに保存する。
【0217】
ステップS182において、履歴管理テーブル191fは、第2APコマンドに含まれる、接続AP番号に基づいて、鍵11の最寄のAP13の位置を特定する。
【0218】
ステップS183において、履歴管理テーブル191fは、APテーブル191dにおいて、特定されたAP13の接続AP番号に対応する遊技機番号を検索し、ステップS184において、その遊技機番号(台番号)をテーブルに登録する。
【0219】
ステップS185において、履歴管理テーブル191fは、遊技機開閉情報である扉、または枠の閉鎖を示す閉をテーブルに登録する。
【0220】
この結果、例えば、履歴管理テーブル191fは、図18の3段目で示されるような情報が登録されることになる。すなわち、図18の履歴管理テーブル191fの3段目においては、左から、日時、位置、鍵の固体識別番号、および状態が登録されており、最上段においては、2011年2月21日の13時11分に台番号102の遊技機181の扉、または枠が、固体識別番号が3の鍵11で閉鎖されたことを示す動作履歴が登録される。
【0221】
一方、ステップS179において、例えば、第2APコマンドに含まれる情報が、鍵11の挿入は検知されているが、回転が検知されていないことを示す情報でなく、または、遊技機開閉情報が扉、または枠の閉鎖を示す情報ではないと判定された場合、処理は、終了する。
【0222】
さらに、ステップS171において、正常開閉ではないと判定された場合、処理は、ステップS186に進む。
【0223】
ステップS186において、履歴管理テーブル191fは、AP13より供給されてくる情報が第3APコマンドであり、すなわち、鍵11が使用されることなく、遊技機181から扉、または枠の開放が検出されたことを示す不正開放が検出されたときの情報であるか否かを判定する。ステップS186において、例えば、図13のステップS121で示されるように、不正開放が検出されたときの情報であるとみなされた場合、処理は、ステップS187に進む。
【0224】
ステップS187において、履歴管理テーブル191fは、RTC195により発生された日時の情報に基づいて、日時の情報をテーブルに保存する。
【0225】
ステップS188において、履歴管理テーブル191fは、第3APコマンドに含まれる、接続AP番号に基づいて、AP13の位置を特定する。尚、この場合、遊技機181によりAP13に対して扉、または枠の開放を通知するため、この通知を受けたAP13が特定される。
【0226】
ステップS189において、履歴管理テーブル191fは、APテーブル191dにおいて、特定されたAP13の接続AP番号に対応する遊技機番号を検索し、ステップS190において、その遊技機番号(台番号)をテーブルに登録する。
【0227】
ステップS191において、履歴管理テーブル191fは、遊技機開閉情報である扉、または枠の不正な開放を示す開(不正)をテーブルに登録する。
【0228】
この結果、例えば、履歴管理テーブル191fは、図18の4段目で示されるような情報が登録されることになる。すなわち、図18の履歴管理テーブル191fの4段目においては、2011年2月21日の13時11分に台番号102の遊技機181の扉、または枠が、不正開放されたことを示す動作履歴が登録される。
【0229】
また、ステップS186において、不正開閉ではないとみなされた場合、処理は、ステップS192に進む。
【0230】
ステップS192において、制御部191は、図19を参照して後述する鍵位置特定処理により鍵11の位置が特定された後の処理であるか否かを判定する。ステップS192において、例えば、図13のフローチャートにおけるステップS126の処理のように、直前のステップS125の処理により鍵位置特定処理が成されているような場合、処理は、ステップS193に進む。
【0231】
ステップS193において、履歴管理テーブル191fは、RTC195により発生された日時の情報に基づいて、日時の情報をテーブルに保存する。
【0232】
ステップS194において、履歴管理テーブル191fは、直前の処理で求められている接続AP番号に基づいて、対応する遊技機番号を検索し、ステップS195において、その遊技機番号(台番号)をテーブルに登録する。
【0233】
この結果、例えば、履歴管理テーブル191fは、図18の6段目で示されるような情報が登録されることになる。すなわち、図18の履歴管理テーブル191fの6段目においては、2011年2月21日の12時10分に台番号103の遊技機181の傍で、固体識別番号が4の鍵11が検出されたことを示す動作履歴が登録される。このように鍵11の位置がウェイトタイマ196により計測される所定時間単位で登録される。このように所定時間間隔で鍵11の位置が登録されることにより、後述する動線表示が可能となる。
【0234】
さらに、ステップS192において、直前の処理により鍵の位置が求められていない、すなわち、正常開放、不正開放、および鍵位置の検出のいずれもでもない場合、鍵位置特定処理で鍵11の位置が特定できない、すなわち、鍵11が店舗1の外に持ち出されていることが考えられる。このようにステップS192において、直前の処理により鍵の位置が求められていない、すなわち、店舗1の外に持ち出されたとみなされた場合、処理は、ステップS196に進む。
【0235】
ステップS196において、履歴管理テーブル191fは、RTC195により発生された日時の情報に基づいて、日時の情報をテーブルに保存する。
【0236】
ステップS197において、履歴管理テーブル191fは、公衆回線通信部198を制御して、位置が特定できなかった鍵11の固体識別番号に対応付けて予め登録されている番号に基づいて、公衆回線23を介して発信して、通信の接続を要求する。
【0237】
ステップS198において、履歴管理テーブル191fは、公衆回線通信部198を制御して、位置が特定できなかった鍵11の固体識別番号で特定される鍵11との公衆回線23を介した通信が可能であるか否かを判定する。ステップS198において、公衆回線23を介した通信ができない場合、処理は、終了する。また、ステップS198において、図10のフローチャートを参照して説明したステップS19の処理により応答があり、通信が可能になると処理は、ステップS199に進む。
【0238】
ステップS199において、公衆回線通信部198は、公衆回線23による通信接続された鍵11に対して、GPS104により取得可能な位置情報を要求する。
【0239】
このステップS199の位置情報の要求に応じて、例えば、図10のフローチャートにおけるステップS22の処理によりGPSによる位置情報が送信されてくると、ステップS200において、公衆回線通信部198は、送信されてきた位置情報を取得する。履歴管理テーブルに191fは、取得した位置情報を鍵11を識別する固体識別情報に対応付けてテーブルに登録する。
【0240】
ステップS201において、履歴管理テーブル191fは、鍵11が店舗1の外に持ち出されていることを示す持出をテーブルに登録する。
【0241】
この結果、例えば、履歴管理テーブル191fは、図18の5段目で示されるような情報が登録されることになる。すなわち、図18の履歴管理テーブル191fの5段目においては、2011年2月21日の14時00分に北緯35度42分、東経139度40分の位置で、固体識別番号が5の鍵11が、店舗1の外の位置に持ち出された状態で検出されたことを示す動作履歴が登録される。
【0242】
以上の処理により、遊技機181の正常開放が検出されたタイミングにおける鍵11が使用された位置、すなわち、店舗1内におけるどの遊技機181に対して使用されたかの動作履歴が、日時に対応付けて履歴管理テーブル191fに蓄積させていくことが可能となる。また、不正開放が検出された場合、不正開放が検出された遊技機181の位置が特定されて、日時に対応付けて履歴管理テーブル191fに登録させていくことが可能となる。さらに、所定時間間隔で鍵11の検出される遊技機181の位置が日時に対応付けて登録させることが可能となる。また、鍵11が店舗1の外に持ち出されても、持ち出されたことが登録されると共に、公衆回線23を介して地球上のどの位置に存在するかについて登録される。この結果、仮に、鍵11が店舗1の外に持ち出されても、鍵11を追跡することが可能になる。
【0243】
[図9のホールコンピュータによる鍵位置特定処理]
次に、図19のフローチャートを参照して、図9のホールコンピュータ22による、図13のフローチャートにおけるステップS125の処理である鍵位置特定処理について説明する。
【0244】
ステップS221において、位置特定部191gは、位置を特定すべき未処理の鍵11を処理対象に設定する。
【0245】
ステップS222において、位置特定部191gは、処理対象となるAP13を特定する。
【0246】
ステップS223において、位置特定部191gは、電波強度テーブル191eにアクセスし、処理対象となる鍵11との通信接続における、処理対象となるAP13との電波強度を読み出す。
【0247】
ステップS224において、位置特定部191gは、読み出した電波強度が所定の閾値よりも高いか否かを判定する。ここでいう所定の閾値とは、例えば、鍵11がAP13に対して十分に接近していることを示す値であるものとする。したがって、電波強度が所定の閾値よりも高い場合、鍵11は、そのAP13に十分近い位置に存在し、すなわち、そのAP13により特定される遊技機181の傍に存在するものとみなせるものとする。
【0248】
ステップS224において、電波強度が所定の閾値よりも低く、処理対象となる鍵11は、処理対象となるAP13の傍には存在しないとみなされた場合、処理は、ステップS225に進む。
【0249】
ステップS225において、位置特定部191gは、未処理のAP13が存在するか否かを判定し、未処理のAP13が存在する場合、処理は、ステップS222に戻る。すなわち、未処理のAP13が存在しない状態になるまで、ステップS222乃至S225の処理を繰り返す。
【0250】
このとき、ステップS224において、電波強度が所定の閾値よりも高いとみなされた場合、すなわち、処理対象となる鍵11が、処理対象となるAP13に対応付けて設置されている遊技機181の傍に存在するとみなされた場合、処理は、ステップS227に進む。ステップS227において、位置特定部191gは、処理対象となっている鍵11が、処理対象となっているAP13の近傍に存在するものとみなし、AP13の位置を鍵11の存在する位置として特定し、処理は、ステップS228に進む。
【0251】
また、ステップS225において、未処理のAP13が存在しないと判定された場合、ステップS226において、位置特定部191gは、処理対象となる鍵11については、位置が特定できない、すなわち、店舗1の外に持ち出されているものとみなす。
【0252】
ステップS228において、位置特定部191gは、処理対象となる未処理の鍵11が存在するか否かを判定し、未処理の鍵11がある場合、処理は、ステップS221に戻る。一方、ステップS228において、未処理の鍵11がないと判定された場合、処理は、終了する。
【0253】
すなわち、以上の処理により、各鍵11のそれぞれを処理対象に設定し、それぞれ通信接続されたAP13との電波強度を所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも高い、すなわち、所定の距離よりも近いとみなされるAP13が検出された時点で、そのAP13を処理対象の鍵11の位置であるものとすることが可能となる。尚、以上においては、所定の閾値よりも高い電波強度で通信するAP13が検出された時点で、そのAP13の位置を鍵11の位置とするようにしていたが、電波強度が高いほど、鍵11とそのAP13とは近い位置であると考えることができるので、例えば、鍵11と通信接続された全てのAP13との電波強度の中で、最も高い電波強度のAP13を鍵11の位置とするようにしてもよい。
【0254】
[鍵管理システムにおける鍵管理処理]
以上のように鍵11、鍵収納庫21、AP13、ホールコンピュータ22、および遊技機181からなる鍵管理システムにより実現される鍵管理処理を纏めると、例えば、図20のフローチャートで示されるような処理となる。尚、図20においては、左から遊技店の係員の動作、鍵収納庫21、AP13、ホールコンピュータ22、および遊技機181のそれぞれの鍵管理処理を説明する簡易的なフローチャートである。
【0255】
すなわち、ステップS301において、使用者である遊技店の係員が鍵11を持ち出すと、ステップS321において、鍵収納庫21が、図11のステップS38の処理により鍵11が持ち出されたことを検出する。そして、ステップS322において、鍵収納庫21が、図11のステップS39の処理により鍵11が持ち出されたことを示す持出情報をホールコンピュータ22に送出する。ステップS371において、ホールコンピュータ22は、図13のステップS108の処理により持出番号テーブル191aに持ち出された鍵11の固体識別番号を登録すると共に、履歴時間テーブル191bに持出時刻を登録する。この結果、鍵11を鍵収納庫21から持ち出すだけで持ち出された鍵11の固体識別番号と、持ち出された時刻を管理することが可能となる。
【0256】
また、ステップS302において、使用者である遊技店の係員が鍵11を持ち出して移動しながら所定の時間が経過して、A地点に存在する場合、ステップS311において、鍵11が、図10のステップS13の処理により、AP13に動作履歴を通知する。ステップS341において、図12のステップS76の処理により、AP13が鍵11との通信接続を認識する。さらに、鍵の挿入、および回転が検出されなければ、ステップS342において、AP13は、図12のステップS80の処理により第1APコマンドをホールコンピュータ22に送信する。この処理により、ステップS372において、ホールコンピュータ22は、図13のステップS114の処理により電波強度テーブル191eに電波強度を登録することで、ステップS125において、鍵11の位置を特定し、ステップS126の処理により履歴管理テーブル191fに登録する。この結果、所定時間間隔で鍵11の位置を履歴として登録することが可能となり、鍵11の使用者の動線を記録することが可能となる。
【0257】
さらに、ステップS303において、使用者である遊技店の係員が鍵11を持ち出して、鍵11を錠前の鍵穴に挿入して回転すると、ステップS312において、鍵11が、図10のステップS6乃至S10の処理により挿入、および回転を検出し、AP13に動作状態の情報を送信する。これに応じて、ステップS343において、AP13は、図12のステップS79の処理により、鍵11の挿入および回転の検出の情報を含む情報を検出する。
【0258】
また、ステップS303の動作に引き続き、ステップS304において、使用者である遊技店の係員が鍵11を操作して、遊技機181の扉、または枠を開放すると、ステップS391において、遊技機181は、扉、または枠の開放を検出する。ステップS392において、遊技機181は、AP13に扉、または枠の開放を通知する。ステップS344において、AP13は、図12のステップS75において、遊技機181より扉、または枠の開放を示す通知を取得する。これに応じて、ステップS345において、AP13は、図12のステップS81の処理により、ホールコンピュータ22に挿入および回転の検出を示す情報を含む第2APコマンドを送信する。ステップS373において、ホールコンピュータ22は、図13のステップS118の処理により、電波強度テーブル191eに電波強度の情報を位置情報として登録し、ステップS119の処理により履歴管理テーブル191fに動作履歴を登録する。ここでは、鍵11の挿入、および回転が検出された上で、遊技機181の扉、または枠の開放を示す遊技機開閉情報が含まれているので、扉、または枠の開放は正常な開放であるものとみなされる。この結果、鍵11の操作による正常のな扉または枠の開放操作を履歴として記録することが可能となる。
【0259】
また、ステップS305において、使用者である遊技店の係員が鍵11を店舗1の外に持ち出してAP13のいずれとも通信ができない状態となった場合、ステップS374において、ホールコンピュータ22は、図16のステップS154の処理により未接続時間のタイムアウトを検出し、ステップS375において、鍵11の店舗1の外への持ち出しを検出して、履歴管理テーブル191fに登録する。この結果、鍵11の店外への持ち出しを検出することが可能になると共に、公衆回線23により鍵11に対してGPSによる位置情報を要求して取得することで、店外であっても、地球上のどの位置に存在するのかを確認して登録することが可能となる。
【0260】
さらに、ステップS306において、使用者である遊技店の係員、または第3者が、鍵11を使用することなく、不正に遊技機181の扉、または枠を開放すると、ステップS393において、遊技機181は扉、または枠の開放を検出する。ステップS394において、遊技機181は、AP13に扉、または枠の開放を通知する。ステップS346において、AP13は、図12のステップS75において、遊技機181より扉、または枠の開放を示す通知を取得する。これに応じて、ステップS347において、AP13は、図12のステップS83の処理により、ホールコンピュータ22に第3APコマンドを送信する。ステップS376において、ホールコンピュータ22は、図13のステップS121の処理により、履歴管理テーブル191fに動作履歴を登録する。ここでは、鍵11の挿入、および回転が検出されていない上で、遊技機181の扉、または枠の開放を示す遊技機開閉情報が含まれているので、扉、または枠の開放は不正な開放であるものとみなされる。結果として、不正な扉、または枠の開放を検出することが可能となり、さらに、不正な扉、または枠の開放を履歴として登録することが可能となる。
【0261】
また、ステップS307において、使用者である遊技店の係員が、鍵11を鍵収納庫21に返却すると、ステップS323において、鍵収納庫21が、図11のステップS36の処理により鍵11が返却されたことを検出する。そして、ステップS324において、鍵収納庫21が、図11のステップS37の処理により鍵11が返却されたことを示す返却情報をホールコンピュータ22に送出する。ステップS377において、ホールコンピュータ22は、図13のステップS112の処理により持出番号テーブル191aに登録されている、返却された鍵11の固体識別番号を消去すると共に、履歴時間テーブル191bに返却時刻を登録する。結果として、鍵11の返却を管理することが可能となる。
【0262】
以上の処理により、鍵11の持ち出し、および返却を管理することが可能となる。また、鍵11が持ち出された時刻、および返却された時刻を管理することが可能となる。さらに、鍵11の動作状態の情報を遊技機の扉および枠の開閉状態の情報と共に時刻情報、並びにその位置と共に動作履歴として、履歴管理テーブル191fで管理することが可能となる。また、鍵11の挿入、および回転と共に、遊技機181の扉、または枠の開閉を管理することができるので、鍵11を使用せずに扉、または枠を開放するといった不正な開放を認識することが可能となる。さらに、鍵11とAP13との通信に係る電波強度テーブル191eが管理されることにより、AP13と遊技機181との位置関係がわかっていれば、その電波強度に基づいて、どの遊技機181の錠前に挿入して鍵11を動作させたのかを認識することが可能となる。
【0263】
[動線履歴表示処理]
次に、図21のフローチャートを参照して、動線履歴表示処理について説明する。
【0264】
ステップS281において、制御部191は、操作部199が操作されることにより、動線履歴の表示が指示されたか否かを判定し、動線履歴の表示が指示されるまで、同様の処理を繰り返す。そして、ステップS281において、動線履歴の表示が指示されると、処理は、ステップS282に進む。
【0265】
ステップS282において、制御部191は、動線履歴表示制御部191hを制御して、鍵11を特定する情報の入力を求める画像を生成させて、表示部193に表示させる。
【0266】
ステップS283において、動線履歴表示制御部191hは、操作部199が操作されて動線履歴を表示させるべき鍵11を特定させる情報が入力されたか否かを判定し、入力されていない場合、処理は、ステップS282に戻る。すなわち、鍵11を特定する情報が入力されるまで、ステップS282,S283の処理が繰り返される。そして、ステップS283において、例えば、鍵11を特定させる情報が入力された場合、処理は、ステップS284に進む。
【0267】
ステップS284において、動線履歴表示制御部191hは、履歴管理テーブル191fにアクセスし、動線履歴を表示すべき鍵11を特定する固体識別番号で動作履歴のうち、位置を示す情報、および状態の情報を時系列に抽出する。すなわち、例えば、図18で示されるような履歴管理テーブル191fが登録されている場合、位置の情報に対応する情報として遊技機番号(台番号)の情報を抽出する。
【0268】
ステップS285において、動線履歴表示制御部191hは、抽出した位置情報を時系列に接続して、動線履歴画像を生成する。
【0269】
ステップS286において、動線履歴表示制御部191hは、例えば、図22で示されるように生成した動線履歴画像を、動線履歴画像211として表示する。
【0270】
すなわち、図22の動線履歴画像211においては、遊技機181に対応する遊技機画像222−1乃至222−6が表示されており、鍵11の移動した動線として図中の点線で示される動線221が表示されている。この動線221の先頭には鍵11の位置である鍵位置221aが表示されており、このような表示により鍵11の動線を表示することができる。結果として、動線履歴が表示されることにより、指定された鍵11を所持していた係員が、鍵11を所持した状態でどのような動線で移動していたのかを視覚的に認識することが可能となる。
【0271】
ステップS287において、動線履歴表示制御部191hは、動線履歴の表示が要求された鍵11の時系列に状態の情報を表示する。この表示については、例えば、図18の履歴管理テーブル191fと同様の表示とするようにしてもよい。尚、この状態の情報については、動線履歴画像211上にポップアップウィンドウとして別に表示するようにしてもよいし、動線履歴画像211を表示するウィンドウと、別のウィンドウに同時に表示するようにしてもよい。
【0272】
ステップS288において、制御部191は、操作部199が操作されて、表示の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS286に戻る。すなわち、終了が指示されるまで、ステップS286,S287の処理が繰り返されて、表示が指示された鍵11についての動線履歴、および状態の情報が表示され続ける。そして、ステップS288において、終了の指示がなされた場合、処理は、終了する。
【0273】
以上の処理により、鍵11を特定する情報に基づいて、履歴管理テーブル191fに登録されている動作履歴に基づいて、鍵11の動線履歴を表示することが可能となる。結果として、鍵11単位で個別に係員が店舗1内をどのように移動していたのかを把握することが可能となる。また、この際、状態の情報についても表示されることになるため、動線上のどのタイミングで、どのような動作状態となっていたのかを把握することが可能となる。
【0274】
<2.変形例>
[ホールコンピュータの変形例]
以上においては、鍵11の位置を特定する際、処理対象となる鍵11に対する、処理対象となるAP13との通信における電波強度を順次所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも高いAP13として最初に検出されたAP13に対応付けて設置されている遊技機181の遊技機番号(台番号)により位置を特定する例について説明してきたが、これでは、位置の最小単位は遊技機181となる。そこで、所定の閾値よりも高い電波強度で通信しているAP13を複数に求めて、電波強度に応じた重心位置を鍵11の位置とするようにしてもよい。
【0275】
図23は、鍵11の位置をより高い精度で求められるようにしたホールコンピュータ22の構成例における変形例を示している。尚、図9のホールコンピュータ22と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。すなわち、図23のホールコンピュータ22において、図9のホールコンピュータ22と異なるのは、位置特定部191gに代えて、位置特定部231を備えている点である。
【0276】
すなわち、位置特定部231は、位置特定部191gと基本的に同様の機能を備えたものであるが、位置特定部191gが鍵11の位置を1個のAP13で特定可能な1台の遊技機181の位置を最小単位として求めているのに対して、位置特定部231は、複数のAP13を用いて、それぞれの電波強度に応じた重心位置として求める点で異なる。
【0277】
[図23のホールコンピュータによる鍵位置特定処理]
ここで、図24のフローチャートを参照して、図23のホールコンピュータ22による鍵位置特定処理について説明する。
【0278】
ステップS251において、位置特定部231は、未処理の鍵11のいずれかを、位置を特定すべき処理対象の鍵11に設定する。
【0279】
ステップS252において、位置特定部231は、未処理のAP13のいずれかを、処理対象となるAP13を特定する。
【0280】
ステップS253において、位置特定部231は、電波強度テーブル191eにアクセスし、処理対象となる鍵11との通信接続における、処理対象となるAP13との電波強度を読み出す。
【0281】
ステップS254において、位置特定部231は、読み出した電波強度が所定の閾値よりも高いか否かを判定する。ここでいう所定の閾値とは、例えば、鍵11がAP13に対して十分に接近していることを示す値であるものとする。
【0282】
ステップS254において、電波強度が所定の閾値よりも高いとみなされた場合、すなわち、処理対象となる鍵11が、処理対象となるAP13に対応付けて設置されている遊技機181の傍に存在するとみなされた場合、処理は、ステップS255に進む。ステップS255において、位置特定部231は、処理対象となっているAP13を候補APとして記憶する。
【0283】
ステップS256において、位置特定部231は、候補APが3個以上になったか否かを判定する。ステップS256において、例えば、候補APが3個ではない場合、処理は、ステップS257に進む。
【0284】
ステップS257において、位置特定部231は、未処理のAP13が存在するか否かを判定し、未処理のAP13が存在する場合、処理は、ステップS252に戻る。また、ステップS254において、電波強度が所定の閾値よりも低い場合、ステップS255の処理がスキップされる。すなわち、3個の候補APが検出されるか、または、未処理のAP13が存在しない状態になるまで、ステップS252乃至S257の処理が繰り返される。
【0285】
そして、例えば、ステップS256において、候補APが3個以上となった場合、ステップS260において、位置特定部231は、候補APの電波強度の情報に基づいて、鍵11の位置を算出して、算出した位置に対応する遊技機181の遊技機番号を鍵11の位置とする。
【0286】
より詳細には、位置特定部231は、以下のような手法で鍵11の位置を算出する。ここで、図25で示されるように、AP13の位置は店舗1内における正確な位置が求められていることが前提となる。図25においては、店舗1内を碁盤目状に等間隔で水平方向、および垂直方向に線を引いて座標を設定している。図25においては、各線の間隔は水平方向および垂直方向ともに1m間隔であるものとする。また、AP13は、水平方向に2m間隔で垂直方向には、上下の2列からなる遊技島では、それぞれの島内で垂直方向に3m間隔であり、遊技島の間隔が4mとされている。このため、各AP13は、座標で表現することができ、例えば、左下のAPは座標AP(2,2)(=(水平座標,垂直座標))と表現でき、最下行の各AP13の座標は、左から順にAP(2,2),AP(4,2),AP(6,2)・・・と表現できる。また、最左列のAP13の座標は下から順に、AP(2,2),AP(2,5),AP(2,9),AP(2,12)とされる。また、AP13に対応付けて法形状の点線内の表示された番号は、そのAP13が設置されている遊技機181の台番号を示している。従って、図25においては、台番号は、最下行が左から101,102,103,104,・・・とされており、最左列は、下から101,201,・・・とされている。
【0287】
この図25で示される情報は、予め各AP13の固体識別番号に対応付けて、例えば、図26で示されるようなテーブルとして、位置特定部231が図示せぬメモリなどに記憶している。すなわち、図26においては、左からAP13の固体識別番号、対応するAPの店内の水平座標、および対応するAPの店内の垂直座標として登録されている。従って、図26においては、固体識別番号が0001のAP13の座標はAP(n_0001,m_0001)として登録されており、固体識別番号が0002のAP13の座標はAP(n_0002,m_0002)として登録されており、固体識別番号が0003のAP13の座標はAP(n_0003,m_0003)として登録されており、固体識別番号が0004のAP13の座標はAP(n_0004,m_0004)として登録されている。ここで、明細書内の表記においては、「_」以下の表記は図中の下付き文字を示すものとし、以降においても同様とする。
【0288】
例えば、図27の左部で示されるように、固体識別番号0004,0003,0002で特定されるAP13の電波強度が順に50,40,30であり、上位1位から3位となる候補APとして3個のAP13が抽出されている場合、位置特定部231は、例えば、図27の右部で示されるように、各AP13の重心計算用の座標に変換する。すなわち、ここでは、最も電波強度の高い固体識別番号0004のAP13の位置を原点として設定し、固体識別番号0005,0006のAP13については、固体識別番号0004のAP13を原点としたときの座標(X_a+2,Y_a+2),(X_a+1,Y_a+1)に設定する。
【0289】
位置特定部231は、以下の式(1)を計算することにより、例えば、これらの座標が、図28で示されるような関係となる、重心位置となる位置kを鍵11の位置として算出する。
【0290】
【数1】

【0291】
式(1)においては、aが電波強度の順位に対する係数であり、Eが各座標における電波強度であり、K(x,y)が重心位置である。尚、計算に当たっては、計数aは、0とする。図28においては、AP(a),AP(a+1),AP(a+2)のそれぞれの位置に対して求められる重心位置kが鍵11の位置であるものとされることが示されている。
【0292】
すなわち、位置特定部231は、所定の閾値よりも高い電波強度のAP13における座標と、電波強度による重みを付した重心位置を鍵11の存在する位置として算出する。このようにして求められる鍵11の位置は、AP13の位置、すなわち、遊技機181の位置とは無関係に求められることになる。しかしながら、鍵11がどの遊技機181で使用されたかについてが必要な情報であることから、鍵11の位置として求められる位置の範囲において、どの遊技機181で使用されたかを特定する必要がある。そこで、例えば、位置特定部231は、図29で示されるようなテーブルを図示せぬメモリに記憶しており、各遊技機181が存在する位置を、遊技機181単位でエリアとして設定することにより、鍵11の使用された遊技機181が特定できるようにされている。
【0293】
図29においては、左から遊技機番号(台番号)、その遊技機番号の遊技機の水平方向のエリア範囲、および垂直エリア範囲が設定されている。すなわち、図29においては、遊技機番号101の遊技機181は、水平方向のエリアが1乃至3、垂直方向のエリアが1乃至3とされており、遊技機番号102の遊技機181は、水平方向のエリアがn_102a乃至n_102a+2、垂直方向のエリアがm_102a乃至m_102a+2とされており、遊技機番号103の遊技機181は、水平方向のエリアがn_103a乃至n_103a+2、垂直方向のエリアがm_103a乃至m_103a+2とされている。従って、このように設定されたいずれの範囲に鍵11の位置が特定されるかに基づいて、鍵11が使用されている遊技機181が特定される。
【0294】
ここで、図24のフローチャートの説明に戻る。
【0295】
ステップS257において、未処理のAP13が存在しないと判定された場合、ステップS258において、位置特定部231は、候補APが存在するか否かを判定する。ステップS258において、例えば、候補APが存在する場合、処理は、ステップS259に進む。
【0296】
ステップS259において、位置特定部231は、候補APの数に応じて、候補APの座標から鍵11の位置を求める。すなわち、位置特定部231は、候補APの数が1個である場合、その1個のAP13の座標を鍵11の位置として、その位置により特定される遊技機181の遊技機番号を位置として出力する。また、候補APが2個である場合、位置特定部231は、2個のAP13間の座標の電波強度の比による内分点を鍵11の位置として、鍵11の位置で特定される遊技機181の遊技機番号を位置として出力する。尚、候補APが3個以上となると、重心位置が求められるので、ここで考えられる候補APの個数は1個または2個であることになる。
【0297】
一方、ステップS258において、候補APが存在しない場合、処理は、ステップS261に進む。
【0298】
ステップS261において、位置特定部231は、鍵11の位置が特定できない、すなわち、通信できていないものとみなして処理は終了する。
【0299】
すなわち、以上の処理により、各鍵11のそれぞれを処理対象に設定し、それぞれ通信接続されたAP13との電波強度を所定の閾値と比較し、所定の閾値よりも高い、すなわち、所定の距離よりも近いとみなされる3個のAP13が検出された時点で、電波強度に基づいた重み付きの重心位置を鍵11の位置として求め、その位置を基準として、使用された遊技機181を特定することができるので、より高い精度で鍵11が使用された遊技機181を特定することが可能となる。尚、以上においては、閾値を超える電波強度が3点検出された時点でその重心位置を求める例について説明してきたが、電波強度が強い方がより鍵11に近いと考えられるので、例えば、電波強度が高いAP13の上位となる3点だけを抽出して重心を求めるようにしてもよい。
【0300】
<3.第2の実施の形態>
[その他の鍵の構成例]
以上においては、鍵11とAP13との通信が所定時間より長い時間できない状態となったとき、ホールコンピュータ22から公衆回線23を介して鍵11に今現在の位置を問い合わせる例について説明してきたが、さらに、所定時間より長い時間通信できない状態となったとき、鍵11から公衆回線23を介してホールコンピュータ22に通信し、この通信が確立されたときに、ホールコンピュータ22から今現在の位置を問い合わせるようにしてもよい。
【0301】
図30は、所定時間より長い間、AP13とAP通信部107により通信ができない状態になると、公衆回線23を介してホールコンピュータ22と通信するようにした鍵11の構成例を示している。尚、図30の鍵11の構成において、図5の鍵11における構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
【0302】
図30の鍵11において、図5の鍵11における構成と異なるのは、制御部105に代えて、制御部305を備えたことにある。また、その制御部305についても、制御部105における構成に加えて、時刻記憶部305a、および未接続時間判定部305bを備えている。時刻記憶部305aは、AP通信部107を介してAP13と通信する度に、そのタイマ109のカウント値を読み出し、送信時刻として記憶する。未接続時間判定部305bは、時刻記憶部305aに記憶されているタイマ109のカウント値と、現在におけるタイマ109のカウント値との差分から求められる未接続時間が所定の時間よりも長くなった場合、公衆回線23を介したホールコンピュータ22への通信が必要なタイミングであるものと判定する。
【0303】
[その他のホールコンピュータの構成例]
次に、図31を参照して、図30の鍵11に対応して、鍵11からの公衆回線23を通じて、鍵11に対して現在位置を要求するようにしたホールコンピュータ22の構成例について説明する。尚、図30のホールコンピュータ22の構成において、図9のホールコンピュータ22の構成と同一の機能を備える構成である場合、その構成には、同一の符号を付すこととし、その説明は適宜省略する。
【0304】
すなわち、図30のホールコンピュータ22において、図9のホールコンピュータ22と異なる構成は、履歴管理テーブル191fに代えて履歴管理テーブル321を備えたことである。
【0305】
履歴管理テーブル321は、基本的な機能が履歴管理テーブル191fと同様であるが、さらに、鍵11からの公衆回線23による通信があった場合、鍵11に対して現在位置を要求し、動作履歴として履歴管理テーブル321に登録する。
【0306】
[図30の鍵による鍵管理処理]
次に、図32のフローチャートを参照して、図30の鍵による鍵管理処理について説明する。尚、図32のフローチャートにおいて、ステップS301乃至S313,S315乃至S319,S325,S326の処理は、図10のフローチャートにおけるステップS1乃至S24の処理と同様であるので、その説明は省略するものとする。尚、ステップS319のホールコンピュータからの公衆回線処理とは、図10のフローチャートにおけるステップS18乃至S22の処理である。
【0307】
すなわち、ステップS313において、図10のステップS13の処理と同様に、AP13に対して鍵11の動作履歴となる情報が送信されると、ステップS314において、制御部305は、時刻記憶部305aを制御して、AP13と通信した時刻を更新して記憶する。すなわち、時刻記憶部305aは、最新の通信時刻に対応するタイマ109のタイマカウント値を記憶する。
【0308】
さらに、例えば、ステップS319において、ホールコンピュータ22からの公衆回線23による通信要求がなく、ステップS319の処理がスキップされた場合、処理は、ステップS320に進む。
【0309】
ステップS320において、制御部305は、未接続時間判定部305bを制御して、時刻記憶部305aに記憶されているタイマカウント値と、今現在タイマ109により発生されたタイマカウント値との差分から求められる未接続時間が、所定時間よりも長いか否かを判定する。例えば、未接続時間が所定時間よりも長いと判定された場合、処理は、ステップS321に進む。
【0310】
ステップS321において、制御部305は、公衆回線通信部106を制御して、ホールコンピュータ22に対して公衆回線23による通信を要求させる。
【0311】
ステップS322において、制御部305は、公衆回線通信部106を制御して、ホールコンピュータ22より公衆回線23を介して、GPS104による現在位置が要求されたか否かを判定し、要求されるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS322において、例えば、ホールコンピュータ22よりGPS104による現在位置が要求された場合、処理は、ステップS323に進む。
【0312】
ステップS323において、制御部305は、GPS104を制御して、図示せぬ衛星からの信号に基づいて、鍵11の地球上の位置、すなわち、緯度、および経度からなる位置情報を取得する。
【0313】
ステップS324において、制御部305は、公衆回線通信部106を制御して、ホールコンピュータ22に対して、GPS104により取得した位置情報を送信する。尚、この際、時刻記憶部305aは、公衆回線23により位置情報を送信した時刻に対応するタイミングにおけるタイマ109のタイマカウント値を記憶する。このため、ホールコンピュータ22との通信がなされれば、AP13との通信がなされたものとみなされることになり、未接続時間はリセットされることになる。ステップS319の処理により、ホールコンピュータ22からの公衆回線処理に基づいてGPS104による位置情報を送信した場合においても、時刻記憶部305aにより記憶される時刻が、リセットされるようにしてもよい。このようにすることで、公衆回線23による通信が成功したタイミングから未接続時間がカウントされることになるので、鍵11からホールコンピュータ22への公衆回線23を用いた通信を低減させることができる。
【0314】
以上の処理により、鍵11は、AP通信部107によるAP13との未通信時間が所定の時間よりも長くなるとき、鍵11の位置情報がホールコンピュータ22に送信されることになるので、何らかの原因で、ホールコンピュータ22から鍵11に対しての公衆回線23を介した通信による接続が失敗してしまうようなことがあっても、鍵11から公衆回線23を介してホールコンピュータ22に対して通信することで、店舗1の外に鍵11が持ち出されたときの鍵11の位置情報がホールコンピュータ22に送信される可能性を高めることが可能となる。
【0315】
[図31のホールコンピュータによる鍵管理処理]
次に、図33のフローチャートを参照して、図31のホールコンピュータ22による鍵管理処理について説明する。尚、図33のフローチャートにおけるステップS341乃至S366,S369の処理は、図13のフローチャートにおけるステップS101乃至S127の処理と同様であるので、その説明は適宜省略するものとする。ただし、ステップS364においては、ウェイトタイマのカウント値が、規定時間を越えない場合、処理は、ステップS367に進む。
【0316】
ステップS367において、履歴管理テーブル321は、公衆回線通信部198を制御して、鍵11から公衆回線23を介した通信の要求があるか否かを判定する。ステップS367において、例えば、上述した図32のステップS321の処理により、公衆回線23による通信が要求された場合、処理は、ステップS368に進む。
【0317】
ステップS368において、履歴管理テーブル321は、動作履歴保存処理を実行して、公衆回線23を介して鍵11からの位置情報を取得して、動作履歴としてテーブルに保存する。
【0318】
[図31のホールコンピュータによる動作履歴保存処理]
ここで、図34のフローチャートを参照して、図31のホールコンピュータ22による動作履歴保存処理について説明する。尚、図34のフローチャートにおけるステップS401乃至S425,S427乃至S432の処理は、図17のフローチャートにおけるステップS171乃至S201の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0319】
すなわち、ステップS401,S416,S422の処理により、AP13より供給されてくる第1APコマンド乃至第3APコマンドのいずれでもないので、ステップS426において、履歴管理テーブル321は、公衆回線通信部198を介して鍵11から公衆回線23を介した通信接続の要求であるか否かを判定する。ステップS426においては、鍵11がAP13による通信不能な状態となり未接続時間が経過した場合であるか、鍵11から公衆回線23を介して通信接続が要求されるかのいずれの場合となる。上述したように、図33のフローチャートにおけるステップS367の後段のステップS368の場合、鍵11から公衆回線23を介して通信接続が要求されていることになるので、処理は、ステップS433に進む。
【0320】
ステップS433において、履歴管理テーブル321は、公衆回線通信部198を制御して公衆回線23を介して鍵11との通信要求に応答し通信接続する。
【0321】
ステップS434において、履歴管理テーブル321は、RTC195より日時情報を取得して保存し、処理は、ステップS430に進む。
【0322】
すなわち、以降の処理により鍵11と公衆回線23を介した通信により、鍵11のGPS104による位置情報を要求して取得し、その情報が履歴管理テーブル321に登録される。
【0323】
以上の処理によりAP13との未接続時間が所定時間を越えると、ホールコンピュータ22に加えて、鍵11からも公衆回線23によりホールコンピュータ22に対して通信接続を要求し、GPS104による位置情報がホールコンピュータ22に送信できるようになるので、ホールコンピュータ22から鍵11に対して公衆回線23を介して、何らかの原因で通信接続がうまくいかないような場合であっても、ホールコンピュータ22が、鍵11の位置情報を取得できる可能性を高めることが可能となる。また、ここでは、ホールコンピュータ22から鍵11に対して公衆回線23による通信で位置情報を取得できるようにすることに加えて、さらに、鍵11からも公衆回線23によりホールコンピュータ22に通信できるようにすることで、鍵11の位置情報を高確率で取得できるようにする例について説明してきたが、鍵11からのみホールコンピュータ22に公衆回線23を介して通信接続を要求し、位置情報を送信できるようにしてもよい。また、鍵11とホールコンピュータ22との未接続時間に対する所定時間の設定を異なるものとしてもよく、例えば、電源に余裕のあるホールコンピュータ22については、未接続時間に対する所定時間を短めにして、鍵11に対して、AP13との通信ができなくなると直ぐに公衆回線23を通じて位置情報を要求するようにして、電源が限られたバッテリのみの鍵11については、未接続時間に対する所定時間を長めにして、公衆回線23を通じたホールコンピュータ22への通信は最悪の状況となったときのみするようにしてもよい。
【0324】
以上の如く、本技術によれば、事前に登録された複数個の鍵が所定エリア内のどの位置に存在していることかを常時監視し、個々の鍵の使用状態をリアルタイムで管理すると共に、個々の鍵で操作(開錠)可能な遊技機などの状態を管理することで、関連する遊技機及び鍵のセキュリティを向上させることが可能となる。また、鍵の位置情報および動作履歴を時刻に対応付けて記憶させることにより、個々の鍵の移動動線履歴と動作履歴を管理し、個々の鍵を持つ係員の行動を把握することが可能となる。さらに、開錠や施錠の処理に当たり、認証処理などを必要としない従来の簡易な構造の錠前に使用する鍵であって、同一の鍵を複数に使用する際に、利用者が頻繁に変更するような使用条件であっても、鍵毎の使用状態を管理することが可能となる。
【0325】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0326】
図35は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インターフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0327】
入出力インターフェース1005には、遊技者が操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0328】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0329】
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【0330】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0331】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0332】
11 鍵
13 AP
21 鍵収納庫
22 ホールコンピュータ
31,31−1乃至31−n 鍵収納検出部
54 電池
101 鍵挿入検出部
102 加速度センサ
103 磁気センサ
104 GPS
105 制御部
106 公衆回線通信部
107 AP通信部
108 状態確認部
109 タイマ
121 電源制御部
153 制御部
155 表示部
156 通信部
171 制御部
176 通信部
176a 電波強度検出部
181 遊技機
191 制御部
194 通信部
198 公衆回線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵管理装置に管理される鍵であって、
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、
GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部と
を含む鍵。
【請求項2】
前記動作検出部は、3次元方向のそれぞれの方向の加速度を測定する加速度センサを含み、前記加速度センサにより測定される加速度の情報を自らの動作状態として検出する
請求項1に記載の鍵。
【請求項3】
前記動作検出部は、3次元方向のそれぞれの方向の加速度を測定する加速度センサに加えて、磁気センサをさらに含み、前記加速度センサにより測定される加速度の情報、および前記磁気センサにより測定される地磁気に対する方向の情報を自らの動作状態として検出する
請求項2に記載の鍵。
【請求項4】
前記公衆回線通信部が、公衆回線を介して、前記鍵管理装置より位置情報の要求を受けた場合、前記位置情報取得部は、前記GPSにより位置情報を取得し、前記公衆回線通信部が、前記位置情報取得部により取得された位置情報を公衆回線を介して前記鍵管理装置に送信する
請求項1に記載の鍵。
【請求項5】
前記送信部により前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信することができたタイミングからの時間を計測する時間計測部をさらに含み、
前記時間計測部により計測された時間が、所定の時間を越えた場合、前記位置情報取得部は、前記GPSにより位置情報を取得し、前記公衆回線通信部は、前記位置情報取得部により取得された位置情報を公衆回線を介して前記鍵管理装置に送信する
請求項1に記載の鍵。
【請求項6】
自らが錠に挿入されたことを検出する錠挿入検出部をさらに含み、
前記動作検出部は、前記錠挿入検出部により自らが錠に挿入されたことが検出されたとき、自らの動作状態を検出し、
前記送信部は、前記動作状態が検出されたとき、前記動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する
請求項1に記載の鍵。
【請求項7】
前記送信部は、動作状態が所定時間検出されないとき、動作が何も検出されないことを前記動作状態の情報として、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する
請求項1に記載の鍵。
【請求項8】
鍵管理装置に管理される鍵であって、
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、
GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部と
を含む鍵の動作方法であって、
前記動作検出部における、自らの動作状態を検出する動作検出ステップと、
前記送信部における、前記動作検出ステップの処理により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信ステップと、
前記位置情報取得部における、前記GPSにより位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記公衆回線通信部における、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信ステップと
を含む鍵の動作方法。
【請求項9】
鍵管理装置に管理される鍵であって、
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、
GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部と
を含む鍵を制御するコンピュータに、
前記動作検出部における、自らの動作状態を検出する動作検出ステップと、
前記送信部における、前記動作検出ステップの処理により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信ステップと、
前記位置情報取得部における、前記GPSにより位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記公衆回線通信部における、前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信ステップと
を含む処理を実行させるプログラム。
【請求項10】
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と
を含む鍵を管理する鍵管理装置であって、
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、
公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、
前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、
前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部と
を含む鍵管理装置。
【請求項11】
前記受信装置により前記鍵の動作状態の情報が受信された最後のタイミングからの時間を計測する時間計測部をさらに含み、
前記公衆回線通信部は、前記時間が所定の時間より長い場合、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得し、
前記格納部は、前記公衆回線通信部により取得された鍵の位置情報を格納する
請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項12】
前記公衆回線通信部は、前記鍵より公衆回線を介して位置情報が送信されてきたとき、前記鍵の位置情報を取得し、
前記格納部は、前記公衆回線通信部により取得された鍵の位置情報を格納する
請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項13】
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置のうち、前記鍵の動作状態の情報を取得することができた受信装置の設置位置に応じて、前記鍵の位置を特定する鍵位置特定部をさらに含み、
前記格納部は、前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報に対応付けて、前記鍵の位置の情報を格納する
請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項14】
前記鍵位置特定部は、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置のうち、前記鍵の動作状態の情報を取得することができた受信装置の設置位置と、前記動作状態の情報を取得するときの電波強度とに基づいて、前記電波強度に応じて求められる重心位置により、前記鍵の位置を特定する
請求項10に記載の鍵管理装置。
【請求項15】
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と
を含む鍵を管理する鍵管理装置であって、
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、
公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、
前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、
前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部と
を含む鍵管理装置の鍵管理方法は、
前記取得部における、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得ステップと、
前記公衆回線通信部における、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信ステップと、
前記格納部における、前記取得ステップの処理により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信ステップの処理により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納ステップと、
前記表示部における、前記格納ステップの処理で格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示ステップと
ステップと
を含む鍵管理方法。
【請求項16】
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と
を含む鍵を管理する鍵管理装置であって、
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、
公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、
前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、
前記格納部に格納された動作状態の情報を表示する表示部と
を含む鍵管理装置を制御するコンピュータに、
前記取得部における、前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得ステップと、
前記公衆回線通信部における、前記公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信ステップと、
前記格納部における、前記取得ステップの処理により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信ステップの処理により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納ステップと、
前記表示部における、前記格納ステップの処理で格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示ステップと
を含む処理を実行させるプログラム。
【請求項17】
自らの動作状態を検出する動作検出部と、
前記動作検出部により検出された動作状態の情報を、予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置に無線通信により送信する送信部と、
GPSにより位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記鍵管理装置に公衆回線を通じて、前記位置情報を送信する公衆回線通信部と
を含む鍵と、
前記予め登録された設置位置に設置される複数の受信装置により受信される、前記鍵の動作状態の情報を取得する取得部と、
公衆回線を介して、前記鍵の位置情報を取得する公衆回線通信部と、
前記取得部により取得された鍵の動作状態の情報、または、前記公衆回線通信部により、前記公衆回線を介して取得された前記鍵の位置情報を格納する格納部と、
前記格納部に格納された動作状態の情報、または前記鍵の位置情報を表示する表示部と
を含む鍵管理装置と
からなる鍵管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2012−193494(P2012−193494A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55958(P2011−55958)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】